JP2001070284A - 静磁場発生装置及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

静磁場発生装置及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置

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JP2001070284A
JP2001070284A JP25584799A JP25584799A JP2001070284A JP 2001070284 A JP2001070284 A JP 2001070284A JP 25584799 A JP25584799 A JP 25584799A JP 25584799 A JP25584799 A JP 25584799A JP 2001070284 A JP2001070284 A JP 2001070284A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IVRに適し、かつ、被検体にとっての開放
性を改善した磁気共鳴イメージング装置用静磁場発生装
置を提供する。 【解決手段】 静磁場発生装置41で計測空間40を挟んで
上下方向に一対の磁極片53a、53b、永久磁石52a、52
b、ヨーク(継鉄)51a、51bが対向して配置され、計
測空間40に高磁場均一度の静磁場が形成される。上下の
ヨーク51a、51bは永久磁石52a、52b、磁極片53a、
53bを支持し、2本のコラム(継鉄)57a、57bによっ
て所定の間隔をとって支持されている。ヨーク51とコラ
ム57は磁気的に接続され、磁極片53と永久磁石52とヨー
ク51とコラム57で磁気回路を形成する。ここで、磁極片
53と永久磁石52とヨーク51の外径は略同一であり、磁極
片53の対向面側の外周部には環状突起部がある。ヨーク
51のコラム接続部61は永久磁石支持部60より厚くなって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング装置(以下、MRI装置という)に用いられる静磁
場発生装置に係り、特にIVR(Interventional Radio
logy)の術技がやり易く、被検体にとっての開放性を改
善した静磁場発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6、図7に、MRI装置に使用される静
磁場発生装置の従来例を示す。この静磁場発生装置は静
磁場の発生に永久磁石を用いた磁気回路から構成されて
いる。図6は静磁場発生装置の外観を示す斜視図、図7は
静磁場発生装置の縦断面図(右側のみ)である。図7に
おいて、計測空間40を挟んで上下方向に一対の磁極片53
a、53bと永久磁石52a、52bが配置され、計測空間40
に磁場均一度の高い静磁場が形成されている。磁極片53
a、53bはそれらの外側に配置された一対の鉄製のヨー
ク51a、51bによって支持されている。ヨーク51a、51
bは4本の鉄製のコラム57a〜57dによって、所定の間
隔をとって支持されている。
【0003】この静磁場発生装置41において、上側の永
久磁石52aと下側の永久磁石52とは互いに極性の異なる
ものとしており、磁気回路42は永久磁石52a→磁極片53
a→計測空間40→磁極片53b→永久磁石52b→ヨーク51
b→コラム57a〜57d→ヨーク51a→永久磁石52aの経
路で形成される。さらに、磁極片53a、53bの表面に
は、計測空間40の磁場均一度を改善するために、鉄片54
又は磁石片55が略同心円状に配置されている。
【0004】さらに、対向して配置された磁極片53a、
53bの周縁部には、上下とも、同一形状の環状突起部56
a、56bが設けられている。この環状突起部56a、56b
は、装置の周辺への磁束の漏れを抑制し、計測空間40に
おける磁場均一度を改善するためのものである。この詳
細に関しては、特開昭60-88407号公報に開示されてい
る。
【0005】図示の装置で、被検体が挿入される計測空
間40の有効な間隙は、2個の磁極片52a、53bの2個の環
状突起部56aと56bの間の距離となる。この間隙内に
は、被検体のほか、開口部用外装カバーと磁気共鳴イメ
ージング(MRI)に必要な送信側高周波コイルと受信
側高周波コイル(いずれも図示せず)などが配置され、
傾斜磁場コイル9については、磁極片53a、53bの凹部
に配置されているのが一般的構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記において、磁極片
53a、53bの環状突起部56a、56bは、装置の周辺への
磁束の漏れを抑制し、計測空間40の磁場均一度を改善す
るためのものであるが、この環状突起部56a、56bだけ
では、計測空間40の周辺部における磁場強度の低下を防
止することは困難である。このため、永久磁石52a、52
bの外径を磁極片53a、53bの外径よりも大きくするこ
とにより、計測空間40の周辺部での磁場強度の低下を防
止している。さらに、組み立てを容易にするために、ヨ
ーク51a、51bの外径を永久磁石52a、52bの外径より
大きくしている。
【0007】しかし、上記の如き構造を具備する従来例
では、以下に示すような不具合点を有している。先ず第
1に、磁極片53の外径より、永久磁石52、ヨーク51の外
径が大きいために、被検体にとっての開放性が低下して
いるという問題がある。第2に、MRI装置を使用した
IVRなどの術技を実施する場合、いかに被検体に接近
するかが課題となっているが、磁極片53の外径より、永
久磁石52の外径及びヨーク51の外径が大きいために、術
者が無理な体勢で被検体に接近しなければならないとい
う問題がある。
【0008】第3に、ヨーク51の板厚に関して、永久磁
石52と接続されている部分の板厚とコラム57と接続され
ている部分の板厚が略等しいために、ヨーク51の面積が
永久磁石52に比べて非常に広くなり、その結果、被検体
にとっての開放性が悪化し、術者は無理な体勢で被検体
に接近しなければならないという問題がある。
【0009】第4に、永久磁石52からの磁束は磁極片53
側を通るのが望ましいが、磁極片53の外径に対し、永久
磁石52の外径及びヨーク51の外径が大きいため、磁束の
うち直接ヨーク51に戻る成分も多くなり、計測空間40で
の磁場発生効率が悪いという問題がある。
【0010】以上の問題点を考慮して、本発明では、M
RI装置を使用したIVRに適し、かつ、被検体にとっ
ての開放性を改善した静磁場発生装置及びそれを使用し
たMRI装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の静磁場発生装置は、被検体が挿入される計
測空間を挟んで対向して、計測空間から近い順に、一対
の磁極片と、これに接続された一対の永久磁石と、これ
を支持する一対のヨーク(継鉄)が配置され、一対のヨ
ークは複数本の柱状のコラム(継鉄)によって間隔をと
って支持され、かつ、コラムと磁気的に結合されている
静磁場発生装置において、前記磁極片の外径と前記永久
磁石の実質的外径が略同一である(請求項1)。
【0012】この構成では、磁極片の外径に対し、永久
磁石の実質的外径が略同一になっているため、被検体に
とっての開放性が良くなり、またIVRなどの術者の被
検体へのアクセス性が向上する。
【0013】本発明の静磁場発生装置では更に、前記永
久磁石の最大外径と、前記ヨークの永久磁石を支持する
部分の外径が略同一である(請求項2)。この構成で
は、ヨークの外径が永久磁石の最大外径と略同一である
ので、被検体にとっての開放性及び、IVRなどの術者
の被検体へのアクセス性が大幅に向上するとともに、磁
石の漏洩磁場が減少し、磁場発生効率が向上する。
【0014】本発明の静磁場発生装置では更に、前記磁
極片は計測空間に対向する面側の外周部に環状突起部を
有し、かつ、渦電流の発生を阻止あるいは抑制するよう
に構成されている(請求項3)。
【0015】この構成では、外周部に環状突起部を設け
たことにより、計測空間の周辺部における磁場強度の低
下を防止することができ、さらに磁極片を渦電流発生阻
止構造にしたことにより、傾斜磁場コイルによって磁極
片に発生する渦電流を抑制することができる。その結
果、傾斜磁場コイルを磁極片に近接して配置することが
できるため、磁極片間距離を短縮することができ、磁石
の磁場発生効率を向上することができる。
【0016】本発明の静磁場発生装置では更に、前記磁
極片は中央の円板部と、該円板部を取り巻く外周の環状
突起部に分割され、前記円板部が強磁性体から成り、前
記環状突起部が永久磁石から成り、前記円板部を渦電流
の発生を阻止あるいは抑制するように構成されている
(請求項4)。この構成では、強磁性体から成る磁極片
の外周部にリング状の永久磁石(環状突起部)を配置し
たことにより、磁極片(円板部)の外径を永久磁石の最
大外径より小さくしたことによって生じる計測空間の周
辺部の磁場強度の低下を防止することができる。また、
磁極片(円板部)を渦電流発生阻止構造にしたことによ
り、磁極片間距離を短縮することができ、磁石の磁場発
生効率を向上することができる。
【0017】本発明の静磁場発生装置は、被検体が挿入
される計測空間を挟んで対向して、計測空間から近い順
に、一対の永久磁石と、これを支持する一対のヨーク
(継鉄)が配置され、一対のヨークは柱状のコラム(継
鉄)によって間隔をとって支持され、かつ、コラムと磁
気的に結合されている静磁場発生装置において、前記永
久磁石の最大外径と、前記ヨークの永久磁石を支持する
部分の外径が略同一であり、前記永久磁石の計測空間に
対向する面側の少なくとも外周部に環状突起部を有する
(請求項5)。
【0018】この構成では、磁極片を省略して、永久磁
石とヨークとコラムで磁気回路を作り、永久磁石の最大
外径とヨークの外径を略同一とし、永久磁石の外周部に
環状突起部を設けているので、請求項2、3と同様な効
果が得られる。さらに、磁極片を省略しているために、
製造コストを低減することができるとともに、静磁場発
生装置の全長を短縮することも可能である。
【0019】本発明の静磁場発生装置では更に、前記ヨ
ークは前記永久磁石を支持する円板状の磁石支持部と、
該磁石支持部から半径方向に突出したコラム接続部から
成り、該コラム接続部の厚さは前記磁石支持部の厚さよ
り厚くなっている(請求項6)。
【0020】この構成では、ヨークのコラム接続部の厚
さが磁石支持部の板厚より厚く作られているので、コラ
ム接続部が磁石支持部と結合する部分の広がり(幅)を
狭くすることができ、計測空間における被検体にとって
の開放性が向上し、IVRなどにおける術者の被検体の
アクセス性が向上する。また、コラム接続部の厚さを大
きくしたことにより、コラム接続部における磁路の断面
積も減少することなく確保されるので、磁石支持部とコ
ラム接続部との結合部において、磁束が絞られることは
ないので、この部分での漏洩磁場が抑制される。
【0021】本発明のMRI装置は、計測空間に静磁場
を発生する静磁場発生装置と、計測空間に傾斜磁場を発
生する傾斜磁場発生装置と、被検体(検査対象)に電磁
波を照射し、被検体からの核磁気共鳴信号を検出する高
周波コイルと、前記核磁気共鳴信号を用いて被検体の物
理的性質をあらわす画像を得る画像再構成手段と、検査
条件を制御する制御手段とを備えたMRI装置におい
て、前記静磁場発生装置が本発明の静磁場発生装置であ
る(請求項7)。この構成では、本発明の静磁場発生装
置をMRI装置に適用することにより、被検体にとって
の開放性が向上し、IVRなどの術者の被検体へのアク
セス性が向上するとともに、磁石の漏洩磁場が抑制さ
れ、磁場発生効率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の静磁場発生
装置の第1の実施例を示す図、図2は本発明の静磁場発
生装置を使用したMRI装置の全体構成を示すブロック
図である。ここでは、先ず、図1によって本発明の静磁
場発生装置の第1の実施例の詳細について説明し、次
に、図2によって本発明の静磁場発生装置を使用したM
RI装置の全体構成について説明する。
【0023】図1の中で、図1(a)は本発明の静磁場
発生装置の第1の実施例の上面図、図1(b)は縦断面
図である。本実施例の静磁場発生装置41は、計測空間40
を挟んで上下方向に一対の磁極片53a、53b、永久磁石
52a、52b、ヨーク(継鉄)51a、51bが対向して配置
され、計測空間40に高磁場均一度の静磁場が形成され
る。ここで、上下のヨーク51a、51bは永久磁石52a、
52bと磁極片53a、53bを支持している。上下のヨーク
51a、51bは、2本のコラム(継鉄)57a、57bによっ
て所定の間隔をとって支持されている。ヨーク51a、51
bとコラム57a、57bの材料は鉄などの強磁性体から成
り、両者はコラム57a、57bの端部にて磁気的に接続さ
れている。
【0024】本実施例では、磁極片53a、53b、永久磁
石52a、52bは円板状に形成されており、両者の外径は
ほぼ同一寸法になっている。また、ヨーク51a、51bは
図1(b)に示す如く、永久磁石52a、52bを支持する
磁石支持部60と、コラム57a、57bと接続されるコラム
接続部61とから構成される。磁石支持部60はほぼ一様な
厚さの円板で、円板部分の外径は永久磁石52a、52bの
外径とほぼ同一である。コラム接続部61は、コラム57
a、57bの本数に対応して、各々のヨーク51a、51bに
2個ずつあり、磁石支持部60から半径方向に突出してい
る。2個のコラム接続部61の突出方向が作る角度θは180
度より小さい角度である。
【0025】コラム接続部61のコラム57a、57bと接続
される部分はほぼ円形(直径D)で、磁石支持部60と接
続される部分の幅Wは、前記直径Dと同じか、それより
少し狭くなっている。このコラム接続部61においては、
その厚さt2を磁石支持部60の厚さt1より厚くして、コラ
ム接続部61の磁路としての断面積が小さくならないよう
にしている。これは、磁束が磁石支持部60からコラム接
続部61へ、又はコラム接続部61から磁石支持部60へ流れ
るときに、この部分で磁束密度が高くなりすぎて磁気飽
和を起こさないようにするためである
【0026】この静磁場発生装置41において、上側の永
久磁石52aと下側の永久磁石52bとは、互いに極性の異
なるものとしており、磁気回路42は、永久磁石52a→磁
極片53a→計測空間40→磁極片53b→永久磁石52b→ヨ
ーク51b(磁石支持部60→コラム接続部61)→コラム57
a、57b→ヨーク51a(コラム接続部61→磁石支持部6
0)→永久磁石52aの経路で形成される。さらに、磁極
片53a、53bの表面には略同心円状に磁場均一度補正用
の鉄片54又は磁石片55が配置されている。
【0027】上下の磁極片53a、53bの対向面の周縁部
には同一形状の環状突起部56が設けられている。この環
状突起部56は、永久磁石52a、53bで発生する磁束が周
辺に漏れるのを抑制するとともに、測定空間40における
静磁場の磁場均一度を改善するためのものである。
【0028】磁極片53a、53bは、渦電流の発生を阻止
する材料で構成されている。これは、本発明の静磁場発
生装置をMRI装置に使用する場合、磁極片53a、53b
の計測空間40に対向する面側に近接して傾斜磁場コイル
が配置されるため、傾斜磁場コイルの動作時に、磁極片
53a、53bに渦電流が発生するので、これを阻止するた
めである。磁極片53a、53bの材料としては、通常薄い
珪素鋼板が使用される。この珪素鋼板は正方形又は長方
形に切断され、磁場方向(ここでは垂直方向)に積層さ
れる。珪素鋼板以外に、ソフトフェライトなどの軟磁性
体も磁極片53a、53bの材料として使用される。ソフト
フェライトなどは、燒結体で用いられる。珪素鋼板及び
ソフトフェライトなどは電気抵抗を大きくすることで、
渦電流の発生を抑制している。
【0029】本実施例において、永久磁石52a、52bは
円板状として説明したが、実際は分割された磁石ブロッ
クによって形成されている。永久磁石52a、52bの構造
について図3を用いて説明する。図3は、本実施例の永久
磁石52の構造を説明するための図で、図3(a)は静磁
場発生装置の下側半分の断面図、図3(b)は永久磁石5
2bの上面図である。図3(b)において、永久磁石52b
は、縦、横に配列された複数個の磁石ブロック65で構成
されている。磁石ブロック65は通常上面が正方形で、高
さは永久磁石52bの厚さと同じに作られている。これら
の磁石ブロック65は、縦、横に結合され、その外周は凹
凸があり、きれいな円形になっていない。
【0030】このため、上記で構成した永久磁石52bの
外周をほぼ円形とみなし、そのみなし円形の直径66と磁
極片53の外径をほぼ同一とし、さらに周辺が凹凸してい
る永久磁石52bの最大外径67とヨーク51bの磁石支持部
60の外径をほぼ同一となるように構成されている。ま
た、ヨーク51bの磁石支持部60については、その外径部
分を増やすために、コラム接続部61が突出する部分の幅
Wをできるだけ狭くし、その代わりにこの突出する部分
を含めてコラム接続部61全体の厚さを厚くして、この部
分で磁束の流れが絞られ過ぎないような構造にしてい
る。
【0031】次に、図2を用いて、本発明の静磁場発生
装置を適用したMRI装置の全体構成及び動作について
説明する。図2において、MRI装置は、核磁気共鳴
(NMR)現象を利用して被検体1の断層画像を得るも
ので、そのために、必要十分に大きい開口をもった静磁
場発生装置2(図1の静磁場発生装置41に相当)と、中央
処理装置(以下、CPUという)8と、シーケンサ7と、
高周波送信系4と、傾斜磁場発生系3と、高周波受信系5
と、信号処理系6とから構成される。
【0032】上記静磁場発生装置2は被検体1の周りの
計測空間に、被検体1の体軸方向又は体軸と直角方向に
均一な静磁場を発生するもので、被検体1の周りのある
広がりをもった空間に配置されている。静磁場発生装置
2としては、永久磁石方式のもの、常伝導方式のもの、
超電導方式のものなどがあるが、本発明では永久磁石方
式のものを対象とする。
【0033】シーケンサ7は、CPU8の制御で動作し、
被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令
を、高周波送信系4、傾斜磁場発生系3及び高周波受信系
5に送るものである。
【0034】高周波送信系4は、高周波発振器11と変調
器12と高周波増幅器13と送信側高周波コイル14aとから
成り、高周波発振器11から出力された高周波パルスをシ
ーケンサ7の命令に従って、変調器12で振幅変調し、こ
の振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅
した後に、被検体1に近接して配置された送信側高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1に
照射されるように構成されている。
【0035】傾斜磁場発生系3は、X軸、Y軸、Z軸の3
軸方向の傾斜磁場を発生するように巻かれた傾斜磁場コ
イル9と、それぞれの軸方向のコイルを駆動する傾斜磁
場電源10とから成り、シーケンサ7からの命令に従っ
て、それぞれの軸方向のコイルの傾斜磁場電源10を駆動
することにより、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向の傾斜磁
場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するように構成されてい
る。この傾斜磁場の印加により、被検体1に対するスラ
イス面を設定することができる。
【0036】高周波受信系5は、受信側高周波コイル14
bと、増幅器15と、直交位相検波器16と、A/D変換器17
とから成り、上記送信側高周波コイル14aから照射され
た電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)を、
被検体1に近接して配置された受信側高周波コイル14b
で検出し、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D
変換器17に入力して、デジタル量に変換する。
【0037】この際、A/D変換器17は、シーケンサ7か
らの命令によるタイミングで、直交位相検波器16から出
力された2系列の信号をサンプリングし、2系列のデジタ
ルデータを出力する。それらのデジタル信号は、信号処
理系6に送られて、フーリェ変換されるように構成され
ている。
【0038】信号処理系6は、CPU8と、磁気ディスク
装置18及び磁気テープ装置19などの記録装置と、CRT
などの表示装置(ディスプレイ)20とから成り、上記デ
ジタル信号を用いて、フーリェ変換、補正係数計算、断
層画像再構成などの処理を行い、被検体1の任意断面の
信号強度分布、あるいは複数の信号に適当な演算を行っ
て得られた分布を画像化して、ディスプレイ20に表示す
るように構成されている。
【0039】本実施例の静磁場発生装置及びそれを用い
たMRI装置では、静磁場発生装置の磁極片の外径、永
久磁石の外径、ヨークの磁石支持部の外径がほぼ同一に
なるため、計測空間に挿入される被検体にとっての開放
性を向上することができ、従来閉所恐怖症で診断できな
かった人でも、検査を受けることができる。
【0040】また、MRI装置を用いてIVRなどの術
技を行う場合、術者が無理な体勢をとることなく被検体
に接近できるので、術技のミスなどが減少する。また、
装置に開放感があるために、被検体が安心して検査を受
けることができ、そ結果、被検体の動きなどによるアー
チファクトが低減される。
【0041】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例を
図4に示す。図4は、本発明の静磁場発生装置の第2の実
施例の下側半分の要部断面図を示したものである。図4
において、永久磁石52bの下側にはヨーク51bの磁石支
持部60が配置され、永久磁石52bの上側には、第1の実
施例の磁極片53bの代わりに、磁極片70と永久磁石片71
が配置されている。ここで、磁極片70は円板状に、永久
磁石片71はリング状に形成され、リング状の永久磁石片
71が磁極片70の外周に配置されている。また、磁極片70
は第1の実施例と同様に渦電流発生を阻止する材料で構
成されている。従来の静磁場発生装置では、図6におけ
る磁極片53の外径より、永久磁石52の外径が大きいの
で、磁場均一領域である計測空間40の周辺部の磁場強度
の低下を防止することができるが、本実施例の場合、磁
極片70の周りに永久磁石片71を配置して計測空間40の周
辺部の磁場強度の低下を防止している。
【0042】本実施例においては、図3における永久磁
石52bのみなし円形の直径66にほぼ等しい直径を有する
磁極片70を永久磁石52bの中央部に配置し、永久磁石52
bの最大外径67にほぼ等しい外径を有するリング状の永
久磁石片71が磁極片70の外周に配置されている。永久磁
石片71の高さは、磁極片70の厚さよりかなり(2倍以
上)高くしている。この永久磁石片71は、第1の実施例
での磁極片53の環状突起部56の役割を分担し、その効果
を増強している。
【0043】本発明の静磁場発生装置の第3の実施例を
図5に示す。図5は、本発明の静磁場発生装置の第3の実
施例の下側半分の要部断面図を示したものである。図5
において、静磁場発生装置の主要構成要素は永久磁石75
とヨーク51で、磁極片は省略されている。本実施例で
は、永久磁石75の外周部に環状突起部76を設け、第1の
実施例での磁極片53の環状突起部56又は第2の実施例で
のリング状の永久磁石片71の役割を分担させている。
【0044】また、本実施例においても、永久磁石75の
最大外径とヨーク51の磁石支持部60の外径をほぼ同一と
している。この結果、本実施例の効果としては、第1の
実施例とほぼ同様であり、さらに磁極片が省略できるの
で、コスト低減にも寄与し、静磁場発生装置の全長の短
縮化も可能としている。
【0045】以上の実施例においては、永久磁石の外径
と、磁極片の外径、ヨークの外径をほぼ同一にしたこと
により、計測空間の周辺部の磁場強度の低下を防止する
ために、磁極片又は永久磁石の外周部に環状突起部を設
けているが、この計測空間の外周部の磁場強度低下防止
手段はこの環状突起部に限定されず、他の構造体、例え
ば内側に磁極片のリング、外側に永久磁石片のリングを
配置した二層リング構造などであってもよい。また、環
状突起部の断面形状も長方形以外に、台形や逆L字形な
どにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の静磁場発生
装置を適用したMRI装置では、永久磁石の外径と磁極
片の外径、ヨークの外径がほぼ同一となるため、被検体
にとっての開放性が向上し、従来閉所恐怖症で診断でき
なかった人も、検査を受けることができる。
【0047】また、本発明のMRI装置を使用してIV
Rなどの術技をする場合、ヨークの外径が永久磁石の外
径とほぼ同一になったことにより、術者が無理な体勢を
することなく被検体に接近することができるので、術技
でのミスが大幅に減少する。
【0048】また、本発明のMRI装置では、開放感が
あるので、被検体が安心して検査を受けられるため、被
検体の体動などによって生じるアーチファクトを低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例。
【図2】本発明の静磁場発生装置を使用したMRI装置
の全体構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施例の永久磁石の構造を説明するための
図。
【図4】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の下側半
分の要部断面図。
【図5】本発明の静磁場発生装置の第3の実施例の下側
半分の要部断面図。
【図6】従来の静磁場発生装置の外観を示す斜視図。
【図7】従来の静磁場発生装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…被検体 2、41…静磁場発生装置 3…傾斜磁場発生系 4…高周波送信系 5…高周波受信系 6…信号処理系 7…シーケンサ 8…CPU 10…傾斜磁場電源 11…高周波発振器 12…変調器 13…高周波増幅器 14a…送信側高周波コイル 14b…受信側高周波コイル 15…増幅器 16…直交位相検波器 17…A/D変換器 18…磁気ディスク装置 19…磁気テープ装置 20…表示装置(ディスプレイ) 40…計測空間 42…磁気回路 51…ヨーク 52、75…永久磁石 53、70…磁極片 54…鉄片 55、71…磁石片 56、76…環状突起部 57…コラム 60…磁石支持部 61…コラム接続部 65…磁石ブロック 66…直径(みなし円形) 67…最大外径 71…永久磁石片

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体が挿入される計測空間を挟んで対
    向して、計測空間から近い順に、一対の磁極片と、これ
    に接続された一対の永久磁石と、これを支持する一対の
    ヨーク(継鉄)が配置され、一対のヨークは柱状のコラ
    ム(継鉄)によって間隔をとって支持され、かつ、コラ
    ムと磁気的に結合されている静磁場発生装置において、
    前記磁極片の外径と前記永久磁石の実質的外径が略同一
    であることを特徴とする静磁場発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静磁場発生装置におい
    て、前記永久磁石の最大外径と、前記ヨークの永久磁石
    を支持する部分の外径が略同一であることを特徴とする
    静磁場発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の静磁場発生装置にお
    いて、前記磁極片は計測空間に対向する面側の外周部に
    環状突起部を有し、かつ、渦電流の発生を阻止あるいは
    抑制するように構成したことを特徴とする静磁場発生装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の静磁場発生装置におい
    て、前記磁極片は中央の円板部と、該円板部を取り巻く
    外周の環状突起部に分割され、前記円板部が強磁性体か
    ら成り、前記環状突起部が永久磁石から成り、前記円板
    部を渦電流の発生を阻止あるいは抑制するように構成し
    たことを特徴とする静磁場発生装置。
  5. 【請求項5】 被検体が挿入される計測空間を挟んで対
    向して、計測空間から近い順に、一対の永久磁石と、こ
    れを支持する一対のヨーク(継鉄)が配置され、一対の
    ヨークは柱状のコラム(継鉄)によって間隔をとって支
    持され、かつ、コラムと磁気的に結合されている静磁場
    発生装置において、前記永久磁石の最大外径と、前記ヨ
    ークの永久磁石を支持する部分の外径が略同一であり、
    前記永久磁石の計測空間に対向する面側の少なくとも外
    周部に環状突起部を有することを特徴とする静磁場発生
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の静磁場発生装置に
    おいて、前記ヨークは前記永久磁石を支持する円板状の
    磁石支持部と、該磁石支持部から半径方向に突出したコ
    ラム接続部から成り、該コラム接続部の厚さは前記磁石
    支持部の厚さより厚くしたことを特徴とする静磁場発生
    装置。
  7. 【請求項7】 計測空間に静磁場を発生する静磁場発生
    装置と、計測空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生装
    置と、被検体(検査対象)に電磁波を照射し、被検体か
    らの核磁気共鳴信号を検出する高周波コイルと、前記核
    磁気共鳴信号を用いて被検体の物理的性質をあらわす画
    像を得る画像再構成手段と、検査条件を制御する制御手
    段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記
    静磁場発生装置が請求項1乃至6記載の静磁場発生装置で
    あることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001074243A1 (fr) * 2000-04-03 2001-10-11 Hitachi Medical Corporation Aimant supraconducteur et appareil d'imagerie par resonance magnetique qui comprend ledit aimant
US7459909B2 (en) 2006-10-13 2008-12-02 Ge Medical Systems Global Technology Company, Llc Magnetic field generating apparatus and MRI apparatus
KR101528221B1 (ko) * 2013-11-20 2015-06-12 한국원자력연구원 가변 정자기장 케비티를 이용한 중성자 스핀 편극 장치
KR101746504B1 (ko) 2015-10-01 2017-06-14 한국원자력연구원 고자기장 케비티 장치 및 이를 구비하는 rf 중성자 스핀 플리퍼 장치

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