JP4345354B2 - 磁界発生装置およびそれを用いたmri装置 - Google Patents

磁界発生装置およびそれを用いたmri装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は磁界発生装置およびそれを用いたMRI装置に関し、より特定的には指などの身体の一部分や小動物、食物の中身を検査するために用いられる小型の永久磁石式磁界発生装置およびそれを用いたMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、特許文献1においてこの種の磁界発生装置の一例を提案している。この磁界発生装置は、磁石によって閉回路が構成される第1磁気回路、および第1磁気回路の磁束方向と直交する方向に磁化された磁石を、第1磁気回路を構成する磁石に接続することによって構成される第2磁気回路を含み、第1磁気回路および第2磁気回路のそれぞれによって発生する磁束が重畳されることを特徴とする。
【特許文献1】
特開2001−70280号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この磁界発生装置では、永久磁石の比透磁率は1に近いため第2磁気回路の発生する磁束を磁界発生空間に十分に導くことができず磁気回路の効率が低下し、磁界発生空間に発生する磁界強度が抑制されてしまう場合があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、さらに磁界強度が向上する、磁界発生装置およびそれを用いたMRI装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の磁界発生装置は、内側に磁界発生空間を形成できるように環状に配置される複数の磁石、環状に配置される複数の磁石の内側で磁界発生空間近傍かつ磁束が通過する箇所に設けられる強磁性体、および強磁性体の磁界発生空間側の面に設けられる磁極片を備え、磁極片の外周に囲まれる面積は、強磁性体の磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされることを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の磁界発生装置は、内側に磁界発生空間を形成できるように環状に配置される複数の磁石、環状に配置される複数の磁石の内側で磁界発生空間近傍に設けられる強磁性体、および強磁性体の磁界発生空間側の面に設けられる磁極片を備え、強磁性体の周りの磁石は強磁性体側が同極になるように設けられ、磁極片の外周に囲まれる面積は、強磁性体の磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされることを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の磁界発生装置は、請求項1または2に記載の磁界発生装置において、強磁性体の厚さと、強磁性体の外側に設けられる磁石の厚さとの比は、1:7.5〜9:10であることを特徴とする。
請求項3において「強磁性体の外側」とは、強磁性体の磁界発生空間側とは反対側をいう。
【0007】
請求項4に記載の磁界発生装置は、請求項1から3のいずれかに記載の磁界発生装置において、磁極片は、磁界発生空間側に環状突起を有し、環状突起の側面と磁石とのギャップは3mm以上であることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の磁界発生装置は、請求項1から3のいずれかに記載の磁界発生装置において、磁極片は、磁界発生空間側に環状突起を有し、環状に配置される複数の磁石は、強磁性体に接する複数の磁石を含み、強磁性体に接する複数の磁石は、それぞれ磁化方向が異なり、磁界発生空間における磁束の向きと略同一の磁化方向を有する磁石を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の磁界発生装置は、請求項3に記載の磁界発生装置において、磁界発生空間に形成されるギャップが25mm以上のとき強磁性体の厚さは5mm以上であることを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の磁界発生装置は、請求項1から6のいずれかに記載の磁界発生装置において、各磁石は直方体状に形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項8に記載の磁界発生装置は、請求項7に記載の磁界発生装置において、強磁性体と同一平面上の角部に設けられる磁石は、強磁性体からみて外向きまたは内向きに磁化されていることを特徴とする。
【0012】
請求項9に記載の磁界発生装置は、請求項1から8のいずれかに記載の磁界発生装置において、強磁性体の周りに設けられる磁石同士を磁気的に結合する結合部材をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載の磁界発生装置は、請求項1から9のいずれかに記載の磁界発生装置において、磁界発生空間には1.0T以上の磁界が形成されることを特徴とする。
【0014】
請求項11に記載の磁界発生装置は、磁界発生空間を形成できるように対向配置される一対の磁極ユニット、および一対の磁極ユニットを磁気的に結合する結合部材を備え、一対の磁極ユニットはそれぞれ、複数の磁石と、磁石上で磁界発生空間近傍かつ磁束が通過する箇所に設けられる強磁性体と、強磁性体の磁界発生空間側の面に設けられる磁極片とを含み、磁極片の外周に囲まれる面積は、強磁性体の磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされることを特徴とする。
【0015】
請求項12に記載の磁界発生装置は、磁界発生空間を形成できるように対向配置される一対の磁極ユニット、および一対の磁極ユニットを磁気的に結合する結合部材を備え、一対の磁極ユニットはそれぞれ、複数の磁石と、磁石上で磁界発生空間近傍に設けられる強磁性体と、強磁性体の磁界発生空間側の面に設けられる磁極片とを含み、強磁性体の周りの磁石は強磁性体側が同極になるように設けられ、磁極片の外周に囲まれる面積は、強磁性体の磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされることを特徴とする。
【0016】
請求項13に記載のMRI装置は、請求項1から12のいずれかに記載の磁界発生装置を用いたことを特徴とする。
【0017】
請求項1に記載の磁界発生装置では、磁界発生空間近傍において磁束が通過する箇所に比透磁率の大きい強磁性体を設けることによって、磁界発生空間に十分に磁束を導くことができ磁気回路の効率を向上できる。したがって、磁界発生空間に発生する磁界強度を向上できる。
【0018】
請求項2に記載の磁界発生装置では、磁界発生空間近傍に設けられる強磁性体の周りには強磁性体側が同極になるように磁石が配置されるので、強磁性体は強力な磁極片として機能する。すなわち、強磁性体側がN極になるように磁石が配置されると、強磁性体は強力なN極の磁極片として機能し、一方、強磁性体側がS極になるように磁石が配置されると、強磁性体は強力なS極の磁極片として機能する。したがって、十分に磁束を磁界発生空間に導くことができ磁界発生空間に発生する磁界強度を向上できる。
【0019】
請求項3に記載の磁界発生装置では、強磁性体の厚さと強磁性体の外側に設けられる磁石の厚さとの比を、1:7.5〜9:10の範囲で設定することによって、磁束を十分に磁界発生空間に導くことができかつ当該磁石からの漏洩磁界を抑制できるので、さらに高い磁界強度が得られる。
【0020】
請求項4に記載の磁界発生装置では、環状突起の側面と磁石とのギャップを3mm以上にすることによって、環状型の磁界発生装置において磁束の短絡を防止できる。
【0021】
請求項5に記載の磁界発生装置では、強磁性体が、磁界発生空間における磁束の向きと略同一の磁化方向を有する磁石およびその他の磁化方向の異なる磁石と接することによって、磁界発生空間の磁界強度を向上させることができる。
【0022】
請求項6に記載の磁界発生装置のように、磁界発生空間に形成されるギャップが25mm以上のとき強磁性体の厚さを5mm以上にすることによって、磁束の飽和をさらに抑制でき、磁気回路としての効率が向上する。
【0023】
請求項7に記載の磁界発生装置では、直方体状の磁石を用いるので、必要な磁石を容易に製造・入手できかつ磁界発生装置を容易に組み立てることができる。
【0024】
請求項8に記載の磁界発生装置では、強磁性体と同一平面上の角部に設けられる磁石の磁化方向を、強磁性体からみて外向きまたは内向きに設定することによって、磁界発生装置内において磁界発生空間を通過しないで流れる磁束を減少でき、より多くの磁束を磁界発生空間に流すことができる。したがって、磁気回路としての効率が向上し、磁界強度を向上できる。
【0025】
請求項9に記載の磁界発生装置では、強磁性体の周りに設けられる磁石同士を結合部材で磁気的に結合させることによって、磁界発生装置内にさらに磁気回路を形成できる。したがって、漏洩磁束の発生を抑制できるとともに、磁界発生空間により効率的に磁束を導くことができ、その結果、磁界強度を向上できる。
【0026】
一般に、磁界発生装置の磁界発生空間の磁界強度が1.0T以上であれば磁束は飽和しやすい。しかし、請求項10に記載の磁界発生装置では、磁界発生空間近傍に比透磁率の高い強磁性体を設けることによって、磁界発生空間の磁界強度が1.0T以上の場合であっても磁束の飽和を抑制できる。
【0027】
請求項11に記載の磁界発生装置では、磁界発生空間近傍において磁束が通過する箇所に比透磁率の大きい強磁性体を設けることによって、磁界発生空間に十分に磁束を導くことができ磁気回路の効率を向上できる。したがって、磁界発生空間に発生する磁界強度を向上できる。
【0028】
請求項12に記載の磁界発生装置では、磁界発生空間近傍に設けられる強磁性体の周りには強磁性体側が同極になるように磁石が配置されるので、強磁性体は強力な磁極片として機能する。したがって、十分に磁束を磁界発生空間に導くことができ磁界発生空間に発生する磁界強度を向上できる。
【0029】
請求項13のように、上述の磁界発生装置を用いることによって、より鮮明な撮像画像が得られるMRI装置を製造できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1(a)〜(c)を参照して、この発明の一実施形態の磁界発生装置10は、直方体形状の複数の永久磁石を用いて略直方体状に形成され、たとえば470mm×440mm×423mmの外径寸法を有する。なお、図1(b)は図1(a)のB−B断面(永久磁石12a上面を通る縦断面)を示す図解図である。
【0031】
磁界発生装置10は一対の直方体状の永久磁石12aおよび12bを含む。
永久磁石12aの周囲(側面)には、それぞれ直方体状の永久磁石14a,16a,18aおよび20aが設けられ、永久磁石12aは永久磁石14a,16a,18aおよび20aと接し磁気的に結合される。このとき、永久磁石14aと16aとは永久磁石12aを挟んで対向配置され、さらに、永久磁石18aと20aとは永久磁石12a,14aおよび16aを挟んで対向配置される。
【0032】
同様に、永久磁石12bの周囲(側面)には、それぞれ直方体状の永久磁石14b,16b,18bおよび20bが設けられ、永久磁石12bは永久磁石14b,16b,18bおよび20bと接し磁気的に結合される。このとき、永久磁石14bと16bとは永久磁石12bを挟んで対向配置され、さらに、永久磁石18bと20bとは永久磁石12b,14bおよび16bを挟んで対向配置される。永久磁石16bは、図1(c)に示すように永久磁石14bと対をなすように、図1(a)および(b)でいえば永久磁石12bの後方側面かつ永久磁石16aの下方に設けられる。
【0033】
また、永久磁石18aと18bとの間には永久磁石22が、永久磁石20aと20bとの間には永久磁石24がそれぞれ設けられる。これによって永久磁石12aと12bとの間に空隙が形成される。
【0034】
このように複数の永久磁石が環状に配置されることによって、図1(b)に示すような磁気回路A1およびA2が形成される。環状型の磁界発生装置としては、磁界発生装置10のような箱型だけでなく、ハルバッハ型磁界発生装置のようにリング状に磁石を配置してもよい。
【0035】
なお、永久磁石12aと12bとは同寸法であり、たとえば、270mm×240mm×151.5mmに設定される。永久磁石14a,14b,16aおよび16bは同寸法であり、たとえば、270mm×100mm×151.5mmに設定される。永久磁石18a,18b,20aおよび20bは同寸法であり、たとえば、100mm×440mm×151.5mmに設定される。永久磁石22と24とは同寸法であり、たとえば、100mm×440mm×120mmに設定される。
【0036】
さらに、永久磁石12aの下面および永久磁石12bの上面には、それぞれ強磁性体26aおよび26bが設けられる。
この実施形態において、「強磁性体」とは、飽和磁化が1.0T以上の部材をいう。
【0037】
強磁性体26aおよび26bとしては、たとえば電磁軟鉄や、JIS:S15Cまたはパーメンジュール(鉄・コバルト合金)等が用いられる。強磁性体26aおよび26bは、この実施形態では永久磁石12aおよび12bと同一幅を有するように形成され、たとえば、幅270mm、奥行き240mmに設定される。
【0038】
また、強磁性体26aの下面は、永久磁石14a,16a,18aおよび20aの下面と面一になるように形成される。したがって、強磁性体26aは、磁界発生空間30(後述)近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。同様に、強磁性体26bの上面は、永久磁石14b,16b,18bおよび20bの上面と面一になるように形成される。したがって、強磁性体26bは、磁界発生空間30近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。その結果、強磁性体26aは互いに磁化方向の異なる複数の永久磁石12a,14a,16a,18aおよび20aと磁気的に結合(面接触)している。強磁性体26bについても同様である。なお、磁界発生空間30の磁束の向きと、永久磁石12a,12bの磁化方向とのなす角度は5度未満であり、略同一方向となっている。このように構成することによって、磁界発生空間30の磁界強度を向上させることができる。
【0039】
さらに、強磁性体26aの下面には磁極片28aが、強磁性体26bの上面には磁極片28bがそれぞれ設けられる。したがって、強磁性体26aは永久磁石12aと磁極片28aとの間に挟まれ、強磁性体26bは永久磁石12bと磁極片28bとの間に挟まれる。磁極片28aと28bとの間に磁界発生空間30が形成される。この実施形態では、磁界発生空間30において、磁極片28aと28bとのギャップG1は90mmに設定される。
【0040】
図1(c)は磁界発生装置10の上部を取りはずした状態を示す図解図であり、強磁性体26b上に環状突起を含む磁極片28bが配置された状態を示す。磁極片28b(環状突起)と永久磁石22,24とのギャップG2,G3は、3mm以上好ましくは5mm以上に設定され、磁束の短絡と均一性の劣化とを防止している。また、図1(c)に示すように、磁極片28b(環状突起)の外周に囲まれる面積は、強磁性体26bの上面の面積よりも小さくされ、強磁性体26bによってより効率的に磁束を集められるようにしている。
【0041】
なお、図面において、永久磁石中に描かれた実線矢印は磁石の磁化方向を示す。図1(a)において、○(マル)の中に×(バツ印)が描かれた記号は、その記号が示された面から垂直に永久磁石に貫入する方向に磁化されていることを示す。また、○(マル)の中に・(中黒)が描かれた記号は、永久磁石からその記号が示された面を垂直に突き出る方向に磁化されていることを示す。
【0042】
また、図1に示すように、強磁性体26aの周りの各永久磁石12a,14a,16a,18aおよび20aの磁化方向は、強磁性体26aから見ると外向きに、すなわち強磁性体26a側がS極となるように形成される。したがって、強磁性体26aは強力なS極の磁極片として機能する。一方、強磁性体26bの周りの各永久磁石12b,14b,16b,18bおよび20bの磁化方向は、強磁性体26bに向かうように、すなわち強磁性体26b側がN極となるように形成される。したがって、強磁性体26bは強力なN極の磁極片として機能する。
【0043】
磁界発生装置10によれば、磁界発生空間30近傍において磁束が通過する箇所に飽和磁束密度の大きい強磁性体26aおよび26bを設けることによって、たとえ磁界発生空間30の磁界強度が1.0T以上であるときでも、強磁性体26a,26bの周囲の磁石からの磁束を効率的に磁界発生空間30に導くことができる。また、上述のように強磁性体26aおよび26bは強力な磁極片として機能する。
【0044】
したがって、十分に磁束を磁界発生空間30に導くことで磁気回路の効率を向上でき、磁界発生空間30に発生する磁界強度を向上できる。特に、同重量の永久磁石を有する磁界発生装置と比べて磁界強度を向上できる。
さらに、磁界発生装置10では、直方体状の永久磁石を用いるので、必要な磁石を容易に製造・入手できかつ磁界発生装置10を容易に組み立てることができる。
【0045】
このような磁界発生装置10を用いた実験結果を図2に示す。
この実験例では、永久磁石12aおよび12bの厚さならびに磁極片28aと28bとのギャップG1を一定とし、強磁性体26aおよび26bの厚さを変動させて磁界発生空間30において発生する磁界強度を測定した。強磁性体26aおよび26bとして電磁軟鉄を用いた。
【0046】
図2に示す実験結果より、磁界発生装置10に強磁性体26aおよび26bを用いることによって、磁界発生空間30に1.05T(テスラ)以上の磁界強度が得られ、従来より磁界強度を向上できることがわかる。
【0047】
その中でも、強磁性体26aおよび26bの厚さが略20mm以上135mm以下の場合、すなわち強磁性体26a,26bの厚さと永久磁石12a,12b(強磁性体26a,26bの外側に設けられた永久磁石)の厚さとの比が1:7.5〜9:10の場合により効果がある。このような厚さの強磁性体26aおよび26bを設けることによって磁束の飽和を十分に抑制でき、かつ磁界発生装置10の上面および下面からそれぞれ突出する永久磁石12aおよび12bの側面等からの漏洩磁界がさほど増えず、磁界強度を向上できる。
【0048】
さらに好ましくは、強磁性体26aおよび26bの厚さが略70mm以上110mm以下である。この場合には、強磁性体26a,26bの厚さと永久磁石12a,12bの厚さとの比が1:2〜7:10程度となり、さらに磁界発生空間30における磁界強度を向上できる。たとえば、強磁性体26aおよび26bの厚さが90mmのとき磁界発生空間30内に1.226Tの磁界強度が得られ、強磁性体26aおよび26bを用いない場合の磁界強度(この実験例では、1.05T)より略20%向上できる。
【0049】
なお、磁界発生空間30に形成されるギャップG1が25mm以上のときには強磁性体26aおよび26bの厚さを5mm以上に設定すればよい。このようにすれば、強磁性体26a,26bの周囲の磁石からの磁束を効率的に磁界発生空間30に導くことができ、磁気回路としての効率が向上する。
【0050】
ついで、図3に、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10aを示す。
磁界発生装置10aでは、図1に示す磁界発生装置10の永久磁石18aの代わりに3つの永久磁石32a,34aおよび36aが用いられる。同様に、磁界発生装置10aでは、図1に示す磁界発生装置10の永久磁石20aの代わりに永久磁石38a,40aおよび42aが、永久磁石18bの代わりに永久磁石32b,34bおよび36bが、永久磁石20bの代わりに永久磁石38b,40bおよび42bがそれぞれ用いられる。なお、図3において永久磁石40bおよび42bは図示されていないが、それぞれ、永久磁石40aおよび42aと同寸法であり、かつ永久磁石24を挟んで永久磁石40aおよび42aと対向配置される。
【0051】
角部の永久磁石32a,36a,38aおよび42aは、たとえば横断面正方形状に形成され、その磁化方向は強磁性体26a側からそれぞれの角に向かうように、すなわち磁界発生装置10の側面に対して45度の角度を有するように外向きに形成される。永久磁石32aおよび36aに挟まれる永久磁石34a、ならびに永久磁石38aおよび42aに挟まれる永久磁石40aは、それぞれ直方体状に形成され、その磁化方向は磁界発生装置10の永久磁石18aおよび20aと同様である。
【0052】
また、角部の永久磁石32b,36b,38bおよび42bは、たとえば横断面正方形状に形成され、その磁化方向はそれぞれの角から強磁性体26b側に向かうように、すなわち磁界発生装置10の側面に対して45度の角度を有するように内向きに形成される。永久磁石32bおよび36bに挟まれる永久磁石34b、ならびに永久磁石38bおよび42bに挟まれる永久磁石40bは、それぞれ直方体状に形成され、その磁化方向は磁界発生装置10の永久磁石18bおよび20bと同様である。
【0053】
磁界発生装置10aのその他の構成については、図1に示す磁界発生装置10と同様であるのでその重複する説明は省略する。
【0054】
磁界発生装置10aによれば、強磁性体26aを囲む永久磁石として永久磁石32a,36a,38aおよび42a等を、強磁性体26bを囲む永久磁石として永久磁石32b,36b,38bおよび42b等をそれぞれ用いることによって、強磁性体26aおよび26bをそれぞれより強力なS極およびN極の磁極片として機能させ、より多くの磁束を磁界発生空間30に流すことができる。したがって、磁気回路としての効率が向上し、磁界強度を向上できる。たとえば、強磁性体26a,26bの厚さが90mmのとき磁界発生空間30内に1.271Tの磁界強度が得られる。
【0055】
さらに、図4(a)および(b)に、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10bを示す。
磁界発生装置10bは、図1に示す磁界発生装置10にさらに結合部材としてたとえば鉄からなるヨーク44,46,48および50を設けたものである。
【0056】
ヨーク44および46は長尺状に形成され、それぞれ永久磁石12aの上面および永久磁石12bの下面に配置される。また、ヨーク48および50はそれぞれ略π型に形成され、ヨーク48は永久磁石18aおよび18bに接続され、ヨーク50は永久磁石20aおよび20bに接続される。さらに、ヨーク44の両端がそれぞれヨーク48の上端およびヨーク50の上端に接続され、ヨーク46の両端が、それぞれヨーク48の下端およびヨーク50の下端に接続される。
【0057】
このようにして、磁界発生装置10において突出する永久磁石12aの上面および永久磁石12bの下面、ならびに永久磁石18a,18b,20aおよび20bの各側面を、ヨーク44〜50によって磁気的に結合できる。これによって、図4(b)に示すように磁界発生装置10b内にさらに磁気回路B1,B2,C1およびC2を形成できる。したがって、漏洩磁束の発生を抑制できるとともに、磁界発生空間30により効率的に磁束を導くことができ、その結果、磁界強度を向上できる。たとえば、強磁性体26aおよび26bの厚さが90mmのとき磁界発生空間30内に1.364Tの磁界強度が得られる。
【0058】
なお、ヨーク44,46の幅Wを永久磁石12a,12bの奥行きより大きくすると永久磁石12a,12b以外の磁石から発生する磁束を短絡してしまうおそれがあるので、ヨーク44,46の幅Wは広すぎないようにたとえば永久磁石12a,12bの奥行きと同寸法にすることが望ましい。また、ヨーク44と永久磁石18a,20aとのギャップg1,g2、ヨーク46と永久磁石18b,20bとのギャップg3,g4、ヨーク48と永久磁石22とのギャップg5、ヨーク50と永久磁石24とのギャップg6は、それぞれ5mm以上あけることが望ましい。これらのギャップは非磁性体(たとえばSUS304)を用いて埋められてもよい。さらに、永久磁石14aと14bとを磁気的に結合するヨークを設ければ、より強い磁界を形成できると考えられる。
【0059】
ついで、図5(a)および(b)に、この発明のさらにその他の実施形態の磁界発生装置10cを示す。
磁界発生装置10cでは、図1に示す磁界発生装置10の永久磁石18a,18bおよび22に代えて永久磁石52aおよび52bが用いられ、永久磁石20a,20bおよび24に代えて永久磁石54aおよび54bが用いられる。その他の構成については磁界発生装置10と同様であるのでその重複する説明は省略する。
【0060】
磁界発生装置10cでは、永久磁石52a,52b,54aおよび54bの磁化方向は、横方向、すなわち磁界発生空間30に発生する磁界の方向(この実施形態では上方向)に直交する方向であり、磁界発生空間30に発生する磁界の方向とは正反対にならない。したがって、磁界発生空間30に発生する磁界によって永久磁石52a,52b,54aおよび54bが減磁されにくくなる。この実施形態は、図1に示す実施形態よりも磁気回路としての効率が低下するものの、磁界発生空間30の磁界強度が非常に高くなる場合に優位な構成である。
【0061】
また、図6に、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10dを示す。
磁界発生装置10dでは、図1に示す磁界発生装置10の強磁性体26aおよび26bに代えてそれよりも寸法の小さい強磁性体56aおよび56bが用いられ、さらに、強磁性体56aおよび56bを用いることによって形成される空隙には、それぞれ環状の永久磁石58aおよび58bが設けられる。永久磁石58aの磁化方向は外向き、永久磁石58bの磁化方向は内向きが好ましい。このようにすれば、強磁性体56aと磁極片28aの大きさが近いため、効率よく磁極片28aに磁束を集めることができ、磁界発生空間30を通る磁束量を増やすことができる。なお、永久磁石58a,58bの磁化方向は上下方向以外であり傾斜していてもよい。また、永久磁石58a,58bの高さは環状突起と同じ高さにしてもよい。磁界発生装置10dのその他の構成は図1に示す磁界発生装置10と同様であるので、その重複する説明は省略する。
【0062】
なお、強磁性体56a,56bの幅寸法は、図6に示すように磁極片28a,28bと同じ幅か磁極片28a,28bの幅寸法より大きいことが好ましいが、磁極片28a,28bの幅寸法より小さくてもよい。
【0063】
さらに、図7に、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10eを示す。磁界発生装置10eでは、図1に示す磁界発生装置10の強磁性体26aおよび26bに代えて磁極片28aおよび28bより幅の狭い強磁性体60aおよび60bが用いられる。このとき、強磁性体60aと永久磁石18a,20aとの間、および強磁性体60bと永久磁石18b,20bとの間は、それぞれ空隙となる。その他の構成については磁界発生装置10と同様であるので、その重複する説明は省略する。
【0064】
また、図8に、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10fを示す。
磁界発生装置10fでは、図1に示す磁界発生装置10の磁極片28aおよび28bの外周部に、それぞれ環状の永久磁石62aおよび62bが設けられる。たとえば、永久磁石62aの磁化方向は外向きであり、永久磁石62bの磁化方向は内向きである。
【0065】
さらに、図9に、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10gを示す。磁界発生装置10gは、図8に示す磁界発生装置10fの構成に加えて、永久磁石64および66が設けられる。永久磁石64は、永久磁石62aと62bとの間に環状に設けられ、永久磁石66は、磁極片28aおよび28bのそれぞれの環状突起間に環状に設けられる。永久磁石64および66の磁化方向はたとえば下向きである。
【0066】
また、図10(a)および(b)に、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10hを示す。
磁界発生装置10hでは、図1に示す磁界発生装置10の構成に加えて、永久磁石68a,70a,72a,74a,68b,70b,72bおよび74bが設けられる。
【0067】
永久磁石68a,70a,72aおよび74aは、永久磁石12aの突出をなくすように、すなわち永久磁石68a,70a,72aおよび74aの上面と永久磁石12aの上面とが面一になるように、それぞれ永久磁石14a,16a,18aおよび20a上に設けられる。同様に、永久磁石68b,70b,72bおよび74bは、永久磁石12bの突出をなくすように、すなわち永久磁石68b,70b,72bおよび74bの下面と永久磁石12bの下面と面一になるように、それぞれ永久磁石14b,16b,18bおよび20bの下面に設けられる。なお、永久磁石68a,70a,72aおよび74aの磁化方向は外向き、永久磁石68b,70b,72bおよび74bの磁化方向は内向きであることが望ましいが、それぞれの磁化方向は傾いていてもよい。図10には永久磁石70bは図示されていないが、永久磁石68bと対をなすように、永久磁石12bの後方側面に設けられる。
【0068】
さらに、図11(a)および(b)に、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10iを示す。
磁界発生装置10iでは、図1に示す磁界発生装置10の永久磁石12aおよび12bに代えて永久磁石76aおよび76bが用いられる。永久磁石76aの上面が永久磁石14a,16a,18aおよび20aの上面と面一になるように、永久磁石76aは薄く形成される。同様に、永久磁石76bの下面が永久磁石14b,16b,18bおよび20bの下面と面一になるように、永久磁石76bは薄く形成される。これによって、磁界発生装置10iの上面および下面から永久磁石は突出しなくなる(図11において一点鎖線で示す突出部分がなくなる)。
磁界発生装置10iによれば、装置の外を直方体形状にできるので取り扱いがさらに容易になる。
【0069】
また、図12(a)および(b)に、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10jを示す。
磁界発生装置10jでは、図1に示す磁界発生装置10の永久磁石22および24に代えてたとえば鉄からなるヨーク78,80,82および84が用いられる。すなわち、永久磁石22および24ではなくヨーク78,80,82および84によって永久磁石が結合される。言い換えれば、磁界発生装置10jは、一対の磁極ユニット86aおよび86bを有し、一対の磁極ユニット86aおよび86bがヨーク78,80,82および84によって磁気的に結合される。図12(a)では、ヨーク78,82および84の図示は省略されている。
【0070】
磁界発生装置10jによれば、磁界発生空間30近傍において磁束が通過する箇所に飽和磁束密度の大きい強磁性体26aおよび26bを設けることによって、強磁性体26a,26bの周囲の磁石からの磁束を効率的に磁界発生空間30に導くことができる。また、強磁性体26aおよび26bは強力な磁極片として機能する。したがって、十分に磁束を磁界発生空間30に導くことができ磁気回路の効率を向上でき、磁界発生空間30に発生する磁界強度を向上できる。
なお、磁界発生装置10jをオープンタイプにするには、ヨーク78および80のいずれか一方を省略すればよい。
【0071】
さらに、図13および図14に、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10kを示す。
磁界発生装置10kは、直方体状に形成され、たとえば425mm×425mm×372mmの外径寸法を有する。なお、図14は図13のD−D断面(永久磁石102a上面を通る縦断面)を示す図解図である。
【0072】
磁界発生装置10kは、磁極ユニット100aおよび100bを含み、磁極ユニット100aおよび100bはそれぞれ一対の八角柱状の永久磁石102aおよび102bを含む。
【0073】
永久磁石102aの周囲(側面)には、断面台形の四角柱状(オベリスク形状)の8個の永久磁石104aが設けられ、永久磁石102aは8個の永久磁石104aと接し磁気的に結合される。
【0074】
同様に、永久磁石102bの周囲(側面)には、断面台形の四角柱状(オベリスク形状)の8個の永久磁石104bが設けられ、永久磁石102bは8個の永久磁石104bと接し磁気的に結合される。
なお、永久磁石102aと102bとは同寸法であり、永久磁石104aと104bとは同寸法である。
【0075】
さらに、永久磁石102aの下面および永久磁石102bの上面には、それぞれ強磁性体106aおよび106bが設けられる。強磁性体106aおよび106bとしては、たとえば電磁軟鉄や、JIS:S15Cまたはパーメンジュール等が用いられる。
【0076】
強磁性体106aは、磁界発生空間110(後述)近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。同様に、強磁性体106bは、磁界発生空間110近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。その結果、強磁性体106aは互いに磁化方向の異なる複数の永久磁石102a,104aと磁気的に結合(面接触)している。強磁性体106bについても同様である。
【0077】
さらに、強磁性体106aの下面には磁極片108aが、強磁性体106bの上面には磁極片108bがそれぞれ設けられる。したがって、強磁性体106aは永久磁石102aと磁極片108aとの間に挟まれ、強磁性体106bは永久磁石102bと磁極片108bとの間に挟まれる。磁極片108aと108bとの間に磁界発生空間110が形成される。
【0078】
図14に示すように、強磁性体106aの周囲の永久磁石102a,104aの磁化方向は強磁性体106aから見ると外向きに(特に、永久磁石104aの磁化方向は放射状に)、すなわち強磁性体106a側がS極となるように形成される。したがって、強磁性体106aは強力なS極の磁極片として機能する。一方、強磁性体106bの周囲の永久磁石102b,104bの磁化方向は、強磁性体106bに向かうように、すなわち強磁性体106b側がN極となるように形成される。したがって、強磁性体106bは強力なN極の磁極片として機能する。
【0079】
このような上側の磁石ユニット100aと下側の磁石ユニット100bとは、磁界発生空間110を形成できるように対向配置され、次のようにして接続され磁気的に結合される。
相互に対応する永久磁石104aおよび104bのそれぞれの外側面が、断面略台形の角柱状(略オベリスク形状)の支持ヨーク112によって接続され、これによって永久磁石104aと104bとが磁気的に結合される。支持ヨーク112は4個用いられ、相互に対応する永久磁石104aおよび104bが1つおきに支持ヨーク112によって接続される。さらに、このような永久磁石104a,104bおよび支持ヨーク112の側面には、開口114aを有する2枚の板状ヨーク114と開口116aを有する2枚の板状ヨーク116とが取り付けられる。
【0080】
磁界発生装置10kによれば、磁界発生装置10jと同様の効果が得られ、また、各永久磁石104aの磁化方向が放射状に形成され、永久磁石104bの磁化方向が中心方向に形成されるので、磁界発生装置10kの漏洩磁界を効率よく磁界発生空間110に戻すことができる。
【0081】
また、図15および図16に、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10mを示す。
磁界発生装置10mは、たとえば幅2200mm×奥行き1900mm×高さ1250mmの寸法を有し、人体をも診断可能に形成される。なお、図16は図15のE−E断面(永久磁石152b上面を通る縦断面)を示す図解図であり、図17は図16に示す図解図におけるヨーク162(後述)を示す。
【0082】
磁界発生装置10mは、磁極ユニット150aおよび150bを含み、磁極ユニット150aおよび150bはそれぞれ中空部を有する断面正八角形状の永久磁石152aおよび152bを含む。
【0083】
永久磁石152aの周囲(側面)には、直方体状の8個の永久磁石154aが設けられ、永久磁石152aは永久磁石154aと接し磁気的に結合される。
同様に、永久磁石152bの周囲(側面)には、直方体状の8個の永久磁石154bが設けられ、永久磁石152bは永久磁石154bと接し磁気的に結合される。なお、永久磁石152aと152bとは同寸法であり、永久磁石154aと154bとは同寸法である。
【0084】
さらに、永久磁石152aの上面および永久磁石152bの下面には、それぞれ強磁性体156aおよび156bが設けられる。強磁性体156aおよび156bとしては、たとえば電磁軟鉄や、JIS:S15Cまたはパーメンジュール等が用いられる。
【0085】
強磁性体156aは、磁界発生空間160(後述)近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。同様に、強磁性体156bは、磁界発生空間160近傍でありかつ磁束が通過する箇所に、永久磁石に埋め込まれるように配置される。その結果、強磁性体156aは互いに磁化方向の異なる複数の永久磁石152a,154aと磁気的に結合(面接触)している。強磁性体156bについても同様である。
【0086】
さらに、強磁性体156aの上面には磁極片158aが、強磁性体156bの下面には磁極片158bがそれぞれ設けられる。したがって、強磁性体156aは永久磁石152aと磁極片158aとの間に挟まれ、強磁性体156bは永久磁石152bと磁極片158bとの間に挟まれる。磁極片158aと158bとの間に磁界発生空間160が形成される。
このような磁極ユニット150aおよび150bは、磁界発生空間160を形成できるように対向配置され、ヨーク162に接続され磁気的に結合される。
【0087】
図17を参照して、ヨーク162は、ヨーク下部164a、ヨーク上部164b、ヨーク支持部166、ヨーク前部168a,168b、ヨーク側部170a,170b、およびヨーク後部172a,172bを有する。永久磁石152aはヨーク下部164a上面に配置され、永久磁石154aの外側面は、ヨーク支持部166、ヨーク前部168a、ヨーク側部170aおよびヨーク後部172aによって覆われる。また、永久磁石152bはヨーク上部164b下面に配置され、永久磁石154bの外側面は、ヨーク支持部166、ヨーク前部168b、ヨーク側部170bおよびヨーク後部172bによって覆われる。
【0088】
強磁性体156aの周囲の永久磁石152aおよび154aの磁化方向は、強磁性体156aに向かうように、すなわち強磁性体156a側がN極となるように形成される。したがって、強磁性体156aは強力なN極の磁極片として機能する。一方、強磁性体156bの周囲の永久磁石152bおよび154bの磁化方向は強磁性体156bから見ると外向きに(特に、永久磁石154bの磁化方向は放射状に)、すなわち強磁性体156b側がS極となるように形成される。したがって、強磁性体156bは強力なS極の磁極片として機能する。
【0089】
磁界発生装置10mによれば、磁界発生装置10kと同様の効果が得られ、さらに、永久磁石152a,152b,154aおよび154bをヨーク162で覆うことによって、漏洩磁界をヨーク162を通じて効率よく磁界発生空間160に戻すことが可能なオープンタイプの磁界発生装置が得られる。
【0090】
上述のような磁界発生装置は、図18に示すようなMRI装置200に適用できる。ここでは、図1に示す磁界発生装置10を用いた場合を想定して説明する。
【0091】
図18を参照して、MRI装置200は、磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体202の断層画像を得るものであり、必要十分な大きさの開口をもった磁界発生装置10、中央処理装置(以下、CPUという)204、シーケンサ206、送信系208、傾斜磁界発生系210、受信系212および信号処理系214を含む。被検体202としては、たとえば指などの身体の一部分や小動物、食物等が用いられ、MRI装置200によってその中身が検査される。この実施形態では、被検体202としてたとえばマウスが用いられる。
【0092】
磁界発生装置10は、被検体202の周りにその体軸方向または体軸と直角方向に均一な磁束を発生させる。
シーケンサ206は、CPU204によって制御され、被検体202の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系208、傾斜磁界発生系210および受信系212に送る。
【0093】
送信系208は、高周波発振器216、変調器218、高周波増幅器220および送信側高周波コイル222bを含む。高周波発振器216から出力された高周波パルスがシーケンサ206の命令に従って変調器218で振幅変調され、この振幅変調された高周波パルスが高周波増幅器220で増幅された後に、被検体202に近接して配置された高周波コイル222bに供給されることによって、電磁波が被検体202に照射される。
【0094】
傾斜磁界発生系210は、X,Y,Zの3方向に巻かれた傾斜磁界コイル224a,224bおよびそれぞれのコイルを駆動する傾斜磁界電源226を含む。シーケンサ206からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁界電源226が駆動されることによって、X,Y,Zの3方向の傾斜磁界Gx,Gy,Gzが被検体202に印加される。傾斜磁界Gx,Gy,Gzの加え方によって、被検体202に対するスライス面を設定することができる。
【0095】
なお、高周波コイル222bおよび傾斜磁界コイル224bは、磁極片28bを構成する珪素鋼板の主面に配置され、同様に、高周波コイル222a(後述)および傾斜磁界コイル224aは、磁極片28aを構成する珪素鋼板の主面に配置される。
【0096】
受信系212は、受信側高周波コイル222a、増幅器228、シフター230、直交位相検波器232およびA/D変換器234を含む。送信側の高周波コイル222bから被検体202に電磁波が照射され、被検体202からの応答の電磁波(NMR信号)が、被検体202に近接して配置された高周波コイル222aで検出され、増幅器228、シフター230および直交位相検波器232を介してA/D変換器234に入力されてデジタル量に変換される。この際、A/D変換器234はシーケンサ206からの命令によるタイミングで、直交位相検波器232から出力された2系列の信号をサンプリングし、2系列のデジタル信号を出力する。それらのデジタル信号は信号処理系214に送られフーリエ変換される。
【0097】
信号処理系214は、CPU204、磁気ディスク236および磁気テープ238等の記録装置、ならびにCRT等のティスプレイ240を含む。デジタル信号を用いてフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布が画像化されて、ディスプレイ240に表示される。
【0098】
磁界発生装置10を用いれば、より鮮明な撮影画像が得られるMRI装置200を製造できる。
なお、他の磁界発生装置10a〜10mをMRI装置200に適用してもよく、この場合も磁界発生装置10を用いる場合と同様の効果が得られる。
【0099】
また、上述の磁界発生装置10〜10jにおいて用いられる磁極片28a,28b、磁界発生装置10kにおいて用いられる磁極片108a,108b、磁界発生装置10mにおいて用いられる磁極片158a,158bは、底板(ベースプレートおよび珪素鋼板)のない環状突起だけで構成されてもよい。
さらに、環状突起の形状は、円形だけに限らず、楕円形、四角形等でもよい。
【0100】
【発明の効果】
この発明によれば、磁気回路の効率を向上でき、磁界発生空間に発生する磁界強度を向上できる。
また、より鮮明な撮像画像が得られるMRI装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の一実施形態を示す斜視図であり、(b)はその図解図であり、(c)は上部を取りはずした状態を示す図解図である。
【図2】図1の実施形態の実験結果の一例を示すグラフである。
【図3】この発明の他の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図4】(a)はこの発明のその他の実施形態の一例を示す斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図5】(a)はこの発明のさらにその他の実施形態の一例を示す斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図6】この発明の他の実施形態の一例を示す図解図である。
【図7】この発明のその他の実施形態の一例を示す図解図である。
【図8】この発明のさらにその他の実施形態の一例を示す図解図である。
【図9】この発明の他の実施形態の一例を示す図解図である。
【図10】(a)はこの発明のその他の実施形態の一例を示す斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図11】(a)はこの発明のさらにその他の実施形態の一例を示す斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図12】(a)はこの発明の他の実施形態の一例を示す一部省略斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図13】この発明の他の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図14】図13に示す実施形態の図解図である。
【図15】この発明のその他の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図16】図15に示す実施形態の図解図である。
【図17】図15に示す実施形態で用いられるヨークを示す断面図解図である。
【図18】MRI装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10i,10j,10k,10m 磁界発生装置
12a,12b,14a,14b,16a,16b,18a,18b,20a,20b,22,24,32a,32b,34a,34b,36a,36b,38a,38b,40a,40b,42a,42b,52a,52b,54a,54b,58a,58b,62a,62b,64,66,68a,68b,70a,70b,72a,72b,74a,74b,76a,76b,102a,102b,104a,104b,152a,152b,154a,154b 永久磁石
26a,26b,56a,56b,60a,60b,106a,106b,156a,156b 強磁性体
28a,28b,108a,108b,158a,158b 磁極片
30,110,160 磁界発生空間
44,46,48,50,78,80,82,84,112,114,116,162 ヨーク
200 MRI装置
G1 磁極片間のギャップ
G2,G3 環状突起の側面と永久磁石とのギャップ

Claims (13)

  1. 内側に磁界発生空間を形成できるように環状に配置される複数の磁石、
    環状に配置される前記複数の磁石の内側で前記磁界発生空間近傍かつ磁束が通過する箇所に設けられる強磁性体、および
    前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面に設けられる磁極片を備え
    前記磁極片の外周に囲まれる面積は、前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされる、磁界発生装置。
  2. 内側に磁界発生空間を形成できるように環状に配置される複数の磁石、
    環状に配置される前記複数の磁石の内側で前記磁界発生空間近傍に設けられる強磁性体、および
    前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面に設けられる磁極片を備え、
    前記強磁性体の周りの前記磁石は前記強磁性体側が同極になるように設けられ
    前記磁極片の外周に囲まれる面積は、前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされる、磁界発生装置。
  3. 前記強磁性体の厚さと、前記強磁性体の外側に設けられる前記磁石の厚さとの比は、1:7.5〜9:10である、請求項1または2に記載の磁界発生装置。
  4. 前記磁極片は、前記磁界発生空間側に環状突起を有し、前記環状突起の側面と前記磁石とのギャップは3mm以上である、請求項1から3のいずれかに記載の磁界発生装置。
  5. 前記磁極片は、前記磁界発生空間側に環状突起を有し、
    環状に配置される前記複数の磁石は、前記強磁性体に接する複数の磁石を含み、
    前記強磁性体に接する前記複数の磁石は、それぞれ磁化方向が異なり、前記磁界発生空間における磁束の向きと略同一の磁化方向を有する磁石を含む、請求項1から3のいずれかに記載の磁界発生装置。
  6. 前記磁界発生空間に形成されるギャップが25mm以上のとき前記強磁性体の厚さは5mm以上である、請求項3に記載の磁界発生装置。
  7. 前記各磁石は直方体状に形成される、請求項1から6のいずれかに記載の磁界発生装置。
  8. 前記強磁性体と同一平面上の角部に設けられる前記磁石は、前記強磁性体からみて外向きまたは内向きに磁化されている、請求項7に記載の磁界発生装置。
  9. 前記強磁性体の周りに設けられる前記磁石同士を磁気的に結合する結合部材をさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の磁界発生装置。
  10. 前記磁界発生空間には1.0T以上の磁界が形成される、請求項1から9のいずれかに記載の磁界発生装置。
  11. 磁界発生空間を形成できるように対向配置される一対の磁極ユニット、および
    前記一対の磁極ユニットを磁気的に結合する結合部材を備え、
    前記一対の磁極ユニットはそれぞれ、複数の磁石と、前記磁石上で前記磁界発生空間近傍かつ磁束が通過する箇所に設けられる強磁性体と、前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面に設けられる磁極片とを含み、前記磁極片の外周に囲まれる面積は、前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされる、磁界発生装置。
  12. 磁界発生空間を形成できるように対向配置される一対の磁極ユニット、および
    前記一対の磁極ユニットを磁気的に結合する結合部材を備え、
    前記一対の磁極ユニットはそれぞれ、複数の磁石と、前記磁石上で前記磁界発生空間近傍に設けられる強磁性体と、前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面に設けられる磁極片とを含み、前記強磁性体の周りの前記磁石は前記強磁性体側が同極になるように設けられ、前記磁極片の外周に囲まれる面積は、前記強磁性体の前記磁界発生空間側の面の面積よりも小さくされる、磁界発生装置。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の磁界発生装置を用いた、MRI装置。
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