以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる遊技機10を示す正面図である。遊技機10は、一般にパチンコ機と称される装置であり、遊技者の発射操作により球が打ち出されることで遊技が進行する遊技機本体10aと、これに付設され、有価価値カードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)10bとから構成されている。
遊技機本体10aは、遊技者の発射操作によって打ち出された球が移動しながら落下する遊技領域としての遊技盤11を有している。遊技盤11の下方には、貸出球や払出球を貯留する上受け皿12が設置され、さらにその下方には上受け皿12から溢れた球を貯留する下受け皿13が設置されている。下受け皿13の右横には、球の発射操作を行なうためのハンドル14が設けてある。
遊技盤11には、落下する球の流れに変化を与えるための釘(図示省略)や風車15、各種の入賞口16、17、18、普通図柄作動ゲート19、装飾ランプ20、可変表示装置21、普通図柄表示装置22等が設けてある。さらに遊技盤11の最下部には、いずれの入賞口にも入らず落下してきた球を機外に排出するためのアウト口23が設けてある。
入賞口の1つである始動口16は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、始動口16へ球が入賞することにより可変表示装置21で実行される可変表示(可変表示遊技または特別図柄遊技とも称される)の実行権が確保される。確保された実行権のうち実行が保留されているものの数(保留球数)は、特別図柄保留ランプ24の点灯個数によって遊技者に報知される。たとえば、保留球数の上限は4個に設定される。
始動口16は、その入賞口の左右両端に一対の可動片を備えた、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。これらの可動片は、図示省略のソレノイドにより、球が入賞し難い閉状態と球の入賞し易い開状態とに開閉される。始動口16の可動片は通常は閉状態にあり、普通図柄表示装置22で当たりが出た場合などに開状態にされる。
普通図柄作動ゲート19は通過口として構成された入賞口であり、普通図柄作動ゲート19を球が通過することで普通図柄表示装置22で実行される可変表示(普通図柄遊技とも称される)の実行権が確保される。普通図柄表示装置22は、左右に設けた2灯のLEDで構成され、一方は「当たり」に、他方は「外れ」に割り当てられている。これら2灯のLEDが交互点灯することが普通図柄表示装置22での可変表示であり、「当たり」のLEDが点灯した状態で交互点灯が停止すると、当たりが確定する。
可変表示装置21は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成される。可変表示装置21には、CRT表示器、ドラムユニット、LED、有機ELディスプレイ等を採用することも可能である。
可変表示装置21で実行される可変表示は、表示領域上で識別情報(図柄)がスクロール変動し、このスクロール変動が停止して最終的に確定表示された図柄の組み合わせ(表示結果)が、予め定めた特定の組み合わせ(特定表示結果)の場合に「当たり」になる表示遊技である。本実施の形態では、「0」〜「9」の中の任意の数字を表わした図柄が3つ表示部で可変表示され、特定表示結果として、いわゆるスロットル遊技のように「777」など同一数字が揃う表示結果が確定すると当たりになる表示遊技を実行するようになっている。可変表示の表示結果が特定表示結果に確定すると、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特定遊技状態が発生する。
大入賞口17は、特定遊技状態を生成するための入賞口であり、一般にアタッカーと称される。大入賞口17は、ソレノイド等で駆動され、その入賞口が球の入賞し難い通常の閉状態と入賞容易な開状態とに変化するように構成されている。
可変表示装置21で実行された可変表示の表示結果が特定表示結果に確定すると、大入賞口17が所定回数開閉されて特定遊技状態が形成され、大当たり遊技が実行される。大入賞口17が所定時間(例えば30秒)開いて閉じる動作をラウンドと呼び、特定遊技状態が発生すると、大入賞口17の開閉が、たとえば15ラウンド行なわれる。
当たりの表示結果である特定表示結果には、確変図柄などの特定図柄で構成されたものと、非確変図柄などの非特定図柄で構成されたものとがある。特定図柄で構成された特定表示結果(特別表示結果)が確定表示されると、いわゆる確変大当たりになる。確変大当たりが発生すると、その当たりに基づく特定遊技状態(大当たり遊技)が終了した以後の可変表示において当たりの出現する確率が、次に当たりが出るまで、通常よりも高く設定される。
このように、通常時(低確率状態)に比べて特定表示結果(当たり)の出現確率が向上された遊技状態を特別遊技状態(高確率状態または確率変動状態)という。本実施の形態では、「3」、「5」、「7」など奇数の図柄を特定図柄(確変図柄)とし、「0」、「2」、「4」など偶数の図柄を非特定図柄(非確変図柄)とするように設定してある。
次に、遊技機本体10aの回路構成について説明する。
図2は、遊技機本体10aの制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示している。制御基板には、主基板100、表示器制御基板120、払出制御基板140、ランプ制御基板150、音声制御基板160、発射制御基板170、電源基板180などがある。
このうち主基板100は、遊技機10全体の動作を制御する機能を果たす。主基板100は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)を主要部として構成されている。また、球の入賞を検知するスイッチなど各種のスイッチ191から検知信号を入力するためのゲート回路、他の制御基板へ各種のデータを出力したり、大入賞口17などの駆動信号をソレノイド192等へ出力したりするためのラッチ回路、CPUに与えるクロック信号を生成するクロック回路などを備えている。
主基板100は、各入賞口に設けたスイッチから球の入賞検知を表わした信号が入力されると、必要な賞球数をCPUで演算し、払出個数を表わした賞球データを払出制御基板140に対して出力する機能を果たす。
また、始動口16から球の入賞検知を表わす信号が入力されると、乱数値を取得し、可変表示装置21で実行する可変表示の表示結果を「当たり」と「外れ」のいずれにするかをこの乱数値に基づいて決定する。さらに、この決定に基づいて可変表示の遊技演出の種類(変動パターン)と、表示結果を構成する図柄の種類(停止図柄・確定図柄)を決定し、これらを可変表示の制御データとして表示器制御基板120、ランプ制御基板150、音声制御基板160へ出力する機能を果たす。可変表示の表示結果が当たりの場合には、大入賞口17の開閉を制御し、特定遊技状態を生成する機能を果たす。
さらに主基板100は普通図柄作動ゲート19から球の通過検知を表わす信号が入力された場合にも乱数値を取得し、普通図柄表示装置22で実行する可変表示の表示結果を「当たり」と「外れ」のいずれにするかをこの乱数値に基づいて決定する。この決定結果に従い、普通図柄表示装置22のLEDの点灯を制御して可変表示を実行する。可変表示の結果が当たりの場合は、始動口16の可動片を一時的に開状態に制御し、球が入賞し易い状態を生成するようになっている。
表示器制御基板120は、主基板100から受信した制御データに基づいて可変表示装置21で可変表示を実行する機能を果たす。すなわち、受信した制御データに従って画像データを作成し、これを可変表示装置21に出力して表示させる機能を果たす。表示器制御基板120は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを予め記憶したROM、プログラムを実行するCPU、RAM、画像制御IC、表示用の画像データを記憶したROM、主基板100との間の入出力インターフェイス等から構成される。
払出制御基板140は、主基板100から受信した賞球データに基づいて球を払い出す動作制御と、カードユニット10bからの指示に基づいて貸出球を払い出す動作の制御とを行なう。
ランプ制御基板150は、主基板100からの制御データや点灯指示に基づいて遊技機状態ランプや装飾ランプの点等制御を行なう機能を果たす。
音声制御基板160は、主基板100から送られてくる制御データに基づいて、演出用の効果音や音声等の出力制御を行なう。また、異常状態を知らせるための警告音等の制御を行なう。
発射制御基板170は、球を遊技盤11へ発射する図示省略の発射モータをハンドル14の操作に基づいて制御する機能を果たす。
電源基板180は、各制御基板やその他の電気部品に対してそれぞれに応じた電圧の電源を供給する機能を果たす。
図3は、可変表示装置21で実行される可変表示遊技の基本的な流れの一例を示している。可変表示装置21の表示領域は3つの表示部21a、21b、21cに分割され、同図(b)に示すように、それぞれの表示部で図柄(識別情報)が縦方向へスクロールする可変表示が開始される。そして、同図(c)〜(e)に示すように、所定時間経過後に表示部毎に図柄が順次停止表示される。ここでは、同図(e)に示すように、3つの表示部に確定表示された図柄がすべて同一に揃う状態を特定表示結果と定めてある。
同図(d)に示すように、特定表示結果が確定表示される前に、最後の表示部を1つ残して他の2つの表示部に同一の図柄が停止表示された状態をリーチ態様という。なお、リーチ態様とは一般に、一部の識別情報が未確定で、その一部の識別情報によっては特定表示結果になる可能性のある表示態様をいう。特定表示結果以外の表示結果は外れ態様であり、リーチ態様を経て出現した外れ態様を、特に、外れリーチ態様という。
可変表示は上記のように3つの表示部で行なわれるものに限定されず、2つの表示部あるいは4つ以上の表示部で図柄が可変表示するものであってもよい。リーチ態様において停止表示される図柄の数は、表示部の数(表示結果を構成する図柄の数)に応じて変わり、通常は、「表示部の数−1」になる。また、図柄のスクロールは縦方向に限らず、横方向や斜め、その他ランダムな方向でもかまわない。
図4は、可変表示遊技の制御に係わる機能構成を示している。可変表示遊技の制御において主基板100は、主決定手段101として機能し、詳細には、当否決定手段102と、大当たり図柄決定手段103と、変動パターン決定手段104としての機能を果たす。表示器制御基板120は、カウンタ手段121と、カウンタ更新手段122と、ゲーム実行手段123と、表示遊技制御手段124としての機能を果たす。表示遊技制御手段124は演出態様決定手段125としての機能を含んでいる。
当否決定手段102は、可変表示装置21で行なう可変表示遊技の表示結果を特定表示結果(当たり)にするか否かを決定する。大当たり図柄決定手段103は、特定表示結果を構成する識別情報(図柄)の種類を決定する。変動パターン決定手段104は、可変表示の演出の流れを表わした変動パターンを予め定めた複数種類の中から決定する。
より詳細には、当否決定手段102は、始動口16への球の入賞を検出した際に取得した乱数値に基づいて、表示結果を特定表示結果(当たり)にするか否かを決定する。大当たり図柄決定手段103は、始動口16への球の入賞を検出した際に取得したもう1つの乱数値に基づいて、可変表示の表示結果を構成する識別情報(停止図柄)の種類を決定する。変動パターン決定手段104は、当否決定手段102の決定した表示結果(当たり・外れ)に応じた変動パターンを、予め用意してある複数種類の中から所定の確率分布に従って選択する。変動パターンを選択するための確率分布は、高確率状態用と低確率状態用とが用意してあり、現在の遊技状態に対応する確率分布に従って変動パターンを選択するようになっている。
変動パターンは、可変表示遊技の演出態様や演出の流れを表わす変動演出態様と、表示結果(当たり・外れ)と、変動時間とを表わしている。変動時間は、可変表示遊技を開始してから終了までの時間である。
変動パターンに含まれる変動演出態様には、通常演出態様と、実行後に特定表示結果(当たり)を表示する割合が通常演出態様より高く設定された特定演出態様とがある。特定演出態様を含む変動パターン(特定演出型変動パターン)の中のいくつかは、複合型変動パターンに設定されている。複合型変動パターンは、特定演出態様を実行した後に表示結果を表示する第1の演出態様と、特定演出態様とは異なる非特定演出態様の実行後に表示結果を表示する第2の演出態様との2種類の変動内容を備え、その一方を選択的に実行可能な変動パターンである。
主基板100は、決定した変動パターンを表わす変動パターンコマンドと停止図柄(確定図柄)とを表示器制御基板120に送信する。
表示器制御基板120の表示遊技制御手段124は、主基板100から指定された変動パターンコマンドと停止図柄に従って可変表示遊技を実行する機能を果たす。演出態様決定手段125は、主基板100からの変動パターンコマンドで指定された変動パターンが複合型変動パターンの場合に、カウンタ手段121の計数値に応じた選択確率に従って第1の演出態様と第2の演出態様のいずれかを選択する。表示遊技制御手段124は、演出態様決定手段125が選択した演出態様を用いて可変表示遊技を実行する。
カウンタ更新手段122は、所定の加算条件が成立した場合にカウンタ手段121の計数値を加算し、所定の減算条件が成立した場合にカウンタ手段121の計数値を減算する機能を果たす。ゲーム実行手段123は、後述する確率向上ゲームおよび報知ゲームを実行する機能を果たす。ゲーム実行手段123は、確率向上ゲームまたは報知ゲームを、特定遊技状態(大当たり遊技)のラウンド毎に実行するようになっている。
カウンタ更新手段122は、確率向上ゲームの結果が当たりになったときカウンタ手段121の計数値を加算する。確率向上ゲームの結果に応じて計数値を「1」または「10」加算する。また、可変表示遊技でリーチ態様が出現して最終的に表示結果が外れになった場合にも所定の確率でカウンタ手段121の計数値を加算する。この場合は、計数値を「1」加算する。一方、可変表示遊技において、当たりに対する信頼度の高い特定演出態様を出現させた場合には計数値を減算する。ここでは、1回の特定演出態様の出現で計数値を「10」減算する。
なお、本実施の形態では、主基板100の負担を軽くするために、カウンタ手段121、カウンタ更新手段122、ゲーム実行手段123、表示遊技制御手段124、演出態様決定手段125の各機能を表示器制御基板120側に持たせたが、これらの機能を主基板100が果たすように構成してもかまわない。
図5および図6は、可変表示遊技(特別図柄遊技)に関して主基板100が行なう制御の流れを示している。この処理は、一定の短い周期で繰り返し実行される。始動口16に球が入賞し(ステップS201;Y)、その時点の保留球数が所定値(上限個数−1個)以下ならば(ステップS202;Y)、以下の処理を実行する。
まず、保留球数のカウンタを「+1」し(ステップS203)、保留球数に対応する乱数記憶領域を割り出す(ステップS204)。大当たり判定用乱数値を取得し(ステップS205)、この乱数値を先の乱数記憶領域に記憶する(ステップS206)。また、大当たり図柄乱数を取得し、この乱数値を乱数記憶領域に記憶し(ステップS207)、現在の保留球数を表わす保留球数データを、表示制御基板120、ランプ制御基板150、音声制御基板160に送信する(ステップS209)。保留球数データを受信した各制御基板は、特別図柄保留ランプ24の点灯数を変更するなどの処理を実行する。
上記の処理を実行後、もしくは始動口16に球が入賞していない場合(ステップS201;N)もしくは保留球数が上限値に達している場合(ステップS202;N)は、大当たり遊技中であることを示す大当たりフラグがオンか否か(ステップS210)、可変表示遊技の実行中(特別図柄変動中)か否か(ステップS211)、停止図柄の表示状態を保持する期間中か否か(ステップS212)を調べる。そして、いずれも「否」の場合は(ステップS210;N、S211;N、S212;N)、現時点における保留球数の有無を判断する(ステップS213)。
保留球数が「0」でないときは(ステップS213;Y)、現時点の遊技状態が特別遊技状態(確率変動状態)か否かを調べ(ステップS214)、特別遊技状態であれば(ステップS214;Y)、大当たり判定用乱数が当たりに相当する値か否かを判定するための判定テーブルとして、通常より大当たりの出易い高確率用判定テーブルを選択する(ステップS215)。特別遊技状態(確率変動状態)でない場合は(ステップS214;N)、低確率用判定テーブルを選択する(ステップS216)。
その後、停止図柄情報設定処理(ステップS217)を実行して停止図柄を決定し、さらに変動開始時処理を実行して(ステップS218)可変表示遊技の実行開始を表示器制御基板120等に指示し、一連の処理を終了する(図6、エンド)。
可変表示遊技の実行中(特別図柄変動中)であるが(ステップS211;Y)変動時間が経過したときは(ステップS219;Y)、表示器制御基板120に図柄停止コマンドを送信して図柄の変動を停止させ(ステップS220)、停止図柄の表示を保持する期間を計時するためのタイマを起動する(ステップS221)。
その後、もしくは既に停止図柄の表示を保持する期間中である場合は(ステップS212;Y)、保持期間が経過したか否かを調べ(ステップS222)、経過している場合は(ステップS222;Y)、先に選択した高確率用もしくは低確率用の判定テーブルを用いて今回の大当たり判定用乱数が大当たりか否かを判定する(ステップS223)。
判定結果が大当たりの場合は(ステップS223;Y)、大当たりフラグをオンに設定する(ステップS224)。そして、現在、特別遊技状態(確率変動状態)であれば(ステップS225;Y)、確率変動機能の作動を停止(確率変動状態を解除)する(ステップS226)。さらに、特別図柄変動時間短縮機能の作動を停止させ(ステップS228)、普通図柄変動時間短縮機能の作動を停止させ(ステップS229)、普通図柄変動役物開放延長機能の作動を停止させて(ステップS230)、一連の処理を終了する(エンド)。これらの機能は、後述するように、大当たり遊技の終了時点で作動が開始される。
なお、特別図柄変動時間短縮機能は、可変表示装置21で特別図柄が変動表示(可変表示)される期間を短縮する機能である。普通図柄変動時間短縮機能は、普通図柄表示装置22で普通図柄が変動表示される期間を短縮する機能である。普通図柄変動役物開放延長機能は、始動口16の可動片が開状態になる期間を通常より長くする機能である。
現在、特別遊技状態(確率変動状態)でなく(ステップS225;N)かつ特別図柄変動時間短縮機能の作動中でなければ(ステップS227;N)、一連の処理を終了し(エンド)、特別図柄変動時間短縮機能の作動中ならば(ステップS227;Y)、特別図柄変動時間短縮機能の作動を停止させ(ステップS228)、普通図柄変動時間短縮機能の作動を停止させ(ステップS229)、普通図柄変動役物開放延長機能の作動を停止させてから(ステップS230)、一連の処理を終了する(エンド)。
大当たり判定用乱数の判定結果が当たりでない場合は(ステップS223;N)、現在、特別遊技状態(確率変動状態)にあり(ステップS231;Y)かつ確率変動状態での特別図柄の変動回数(可変表示遊技の実行回数)が所定の上限回数に到達していない場合は(ステップS237;N)、一連の処理を終了し(エンド)、所定の上限回数に到達しているときは(ステップS237;Y)、確率変動機能の作動を停止させてから(ステップS238)、一連の処理を終了する(エンド)。
現在、特別遊技状態(確率変動状態)でなく(ステップS231;N)かつ特別図柄変動時間短縮機能が作動中で(ステップS232;Y)かつ特別図柄が予め設定された回数の変動を終了した場合は(ステップS233;Y)、特別図柄変動時間短縮機能の作動を停止させ(ステップS234)、普通図柄変動時間の短縮機能の作動を停止させ(ステップS235)、普通図柄変動役物開放延長機能の作動を停止させて(ステップS236)、一連の処理を終了する(エンド)。特別図柄変動時間短縮機能が作動中でない場合(ステップS232;N)および特別図柄が予め設定された回数の変動を終了していない場合は(ステップS233;N)、そのまま、一連の処理を終了する(エンド)。
なお、大当たりフラグがオンの場合(ステップS210;Y)と、可変表示遊技の実行中(特別図柄変動中)で(ステップS211;Y)かつ変動時間が経過する前の場合(ステップS219;N)と、停止図柄の表示を保持する期間中の場合(ステップS222;N)には、処理を終了する(エンド)。
図7は、停止図柄情報設定処理(図5、ステップS217)の流れを示している。本処理では、保留球数に対応する乱数記憶領域を算出し(ステップS251)、その乱数記憶領域から読み出した大当たり判定用乱数が当たりか否かを先のステップS215またはS216で選択した高確率用もしくは低確率用の判定テーブルを用いて判定する(ステップS252)。
判定結果が外れの場合は(ステップS252;N)、外れ用の停止図柄を決定し、これを停止図柄記憶領域に設定して(ステップS253)処理を終了する(リターン)。判定結果が特別遊技状態を発生させる大当たりの場合は(ステップS252;Y、S254;Y)、いずれか1つの特定図柄(確変図柄)を停止図柄に決定し、これを停止図柄記憶領域に設定して(ステップS255)処理を終了する(リターン)。判定結果が通常の当たりの場合は(ステップS252;Y、S254;N)、いずれか1つの非特定図柄(非確変図柄)を停止図柄に決定し、これを停止図柄記憶領域に設定して(ステップS256)処理を終了する(リターン)。
図8は、変動開始時処理(図5、ステップS218)の流れを示している。変動パターン乱数を取得し(ステップS271)、この変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(ステップS271〜S281)。詳細には、変動パターンは、大当たり判定用乱数が当たりか否かと、現在の遊技状態が特別遊技状態(確率変動状態)または時間短縮機能作動状態にあるか否かとの2つの条件で4つのグループに分類されており、該当するグループの中から先の変動パターン乱数に基づいて変動パターンを判定して決定する。
そして、停止図柄記憶領域から読み出した停止図柄と、先に決定した変動パターンとを変動開始時データに設定する(ステップS282、S283)。また、乱数記憶領域をシフトし(ステップS284)、保留球数を「−1」(デクリメント)する(ステップS285)。さらに、先に決定した変動パターンに対応する変動時間をタイマ設定し(ステップS286)、変動開始時データを表示器制御基板120等へ送信して(ステップS287)処理を終了する(リターン)。
図9は、大当たり遊技に関して主基板100が行なう制御の流れを示している。この処理は所定の短時間周期で繰り返し実行される。大当たりフラグがオンで(ステップS301;Y)かつ特定表示結果が出現してから最初に大入賞口17を開放するまでの待ち時間が経過したときは(ステップS302)、連続作動回数を「+1」(インクリメント)し(ステップS303)、大当たり図柄コマンドおよびラウンド動作コマンドを表示器制御基板120に送信した後(ステップS304、S305)、大入賞口17を開放する(ステップS306)。連続作動回数はラウンド数を計数するカウンタである。大当たり図柄コマンドは、当たりの表示結果を構成していた図柄を示す情報であり、これにより当たりが特定図柄(確変図柄)によるものか非特定図柄(非確変図柄)によるものかが表示器制御基板120で判断される。
大入賞口17が開放中のときは(ステップS307;Y)、開放時間が経過するか(ステップS308;Y)もしくは大入賞口17に球が規定数入賞した時点で(ステップS309;Y)大入賞口17を閉じるとともに(ステップS310)、大入賞口17の閉鎖および次の開放までの待機を指示するインターバルコマンドを表示器制御基板120に送信して(ステップS311)処理を終了する(エンド)。大入賞口17が開放中であるが(ステップS307;Y)、開放時間が未経過(ステップS308;N)かつ大入賞口17に規定数の球がまだ入賞していないときは(ステップS309;N)そのまま処理を終了する(エンド)。
大入賞口17が開放中でないときは(ステップS307;N)、連続作動回数が上限値(たとえば、15回)未満か否かを調べ、上限値未満ならば(ステップS312;Y)、連続作動回数を「+1」(インクリメント)し(ステップS313)、大当たり図柄コマンドおよびラウンド動作コマンドを表示器制御基板120に送信した後(ステップS314、S315)、大入賞口17を開放して(ステップS316)処理を終了する(エンド)。
連続作動回数が上限値に達したときは(ステップS312;N)、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを表示器制御基板120に送信し(ステップS317)、大当たりフラグをオフする(ステップS318)。さらに、特定図柄(確変図柄)による当たりの場合は(ステップS319;Y)、確率変動機能を作動開始(確率変動状態に設定)する(ステップS320)。その後、特定図柄による当たりか否かに係わらず、特別図柄変動時間短縮機能および普通図柄変動時間短縮機能、普通図柄変動役物開放延長機能の作動を開始させて(ステップS321、S322、S323)処理を終了する(エンド)。
次に、変動パターンについて説明する。図10は、各種の変動パターンを列挙したパターンテーブル400の一例を示している。パターンテーブル400には、各変動パターンを一意に特定するためのパターン番号と、変動内容と、変動時間と、出現率とが対応付けて登録されている。なお、図10では、さらに、リーチ態様等の信頼度を参考に表示してある。
「変動パターン」欄401には、パターン番号が登録されている。変動パターンコマンドはこのパターン番号により変動パターンを指定する。「変動内容」欄402には、演出の流れ、登場するリーチ態様の種類、最終的な表示結果が当たりか否かなどが登録されている。たとえば、パターン10は、「ノーマルリーチ」から「外れ」を仮停止表示し、その後「Aリーチ」に発展し、最終的に「当たり」を確定表示するという演出の流れを表わしている。パターンテーブル400には、パターン7からパターン20までの14種類の変動パターンが登録されているが、他の変動パターン、たとえば、リーチ態様を経ずに外れに終わるパターンなどは図示省略されている。
本実施の形態では、実行後に特定表示結果(当たり)を表示する割合が通常の演出態様より高く設定された特定演出態様を「aaaリーチ」としている。また、特定演出態様を含む特定演出型変動パターンは、パターン13、パターン14、パターン16、パターン17、パターン19、パターン20に設定されている。このうちパターン17とパターン20が、特定演出態様(aaaリーチ)を含む第1の演出態様と、特定演出態様とは異なる非特定演出態様を含む第2の演出態様とのいずれか一方を選択的に実行可能な複合型変動パターンになっている。
ここでは、第2の演出態様は、非特定演出態様として「再抽選」を含んでいる。「再抽選」は、特定表示結果(当たり)を仮停止表示した後に可変表示を再開し、この可変表示を停止させて、最終的な表示結果を確定表示する演出態様である。図10のパターンテーブル400ではパターン17およびパターン20の変動内容は上段と下段に分けてあり、上段には第1の演出態様が、下段には第2の演出態様が登録されている。
「変動時間」欄403には、その変動パターンで可変表示遊技を実行する際の所要時間(変動時間)が登録されている。「出現率」欄404は、主基板100の変動パターン決定手段104が各変動パターンを選択する確率を示している。「出現率」欄404は、「低確率」欄405と「高確率」欄406とに分けてある。変動パターン決定手段104は、遊技状態が低確率状態の場合は「低確率」欄405に登録されている出現率に従って変動パターンを選択し、遊技状態が高確率状態(確率変動状態)の場合は「高確率」欄406に登録されている出現率に従って変動パターンを選択する。
「信頼度」欄407は、特定の演出パターンが出現した場合に、その表示結果が特定表示結果(当たり)になる確率を表わしている。一般に信頼度Rは、R=(目的の演出パターンが当たりになる確率)/((目的の演出パターンが当たりになる確率)+(目的の演出パターンが外れになる確率))×100 で求まる。「信頼度」欄407は、「低確率」欄408と「高確率」欄409とに分けてある。「低確率」欄408は、遊技状態が低確率状態の場合の信頼度を示し、「高確率」欄409は、遊技状態が高確率状態の場合の信頼度を示している。
たとえば、「ノーマルリーチのみ」で表示結果が定まる変動パターンは、パターン7(外れ)とパターン8(当たり)だけである。したがって、遊技状態が低確率状態の場合に「ノーマルリーチのみ」という演出の流れに対する信頼度R1は、R1=(パターン8の低確率出現率P1)/((パターン7の低確率出現率P2)+(パターン8の低確率出現率P1))×100 になる。
同様に遊技状態が高確率状態の場合に「ノーマルリーチのみ」という演出の流れに対する信頼度R2は、R2=(パターン8の高確率出現率P3)/((パターン7の高確率出現率P4)+(パターン8の高確率出現率P3))×100 になる。
また、低確率状態における「Cリーチ」の信頼度R3は、R3=(パターン17の低確率出現率P5)/((パターン15の低確率出現率P6)+(パターン16の低確率出現率P7)+(パターン17の低確率出現率P5))×100 になる。
図11は、複合型変動パターンが指定された場合に第1の演出態様を選択する確率を表わした選択確率テーブル420である。第1の演出態様を選択する確率は、大当たり図柄(停止図柄)が特定図柄(確変図柄)と非特定図柄(非確変図柄)のいずれであるかと、現在の遊技状態が低確率状態と高確率状態のいずれであるかと、カウンタ手段121の計数値との3つの要素で決定される。
選択確率テーブル420では、計数値(カウンタ)が大きいほど、第1の演出態様の選択確率が高まるように設定してある。ただし、高確率状態で大当たり図柄が非特定図柄の場合は、第1の演出態様の選択確率は計数値(カウンタ)に係わらず「0」に設定してある。
演出態様決定手段125は、主基板100から複合型変動パターンが指定された場合は、そのとき指定された停止図柄(特定図柄または非特定図柄)と、現時点の計数値と、現時点の遊技状態(高確率状態または低確率状態)とに対応する確率を選択確率テーブル420から読み出し、その確率に従って抽選を行なって第1の演出態様と第2の演出態様のいずれか一方を選択する。
ところで、図10のパターン17およびパターン20は、選択確率テーブル420の示す確率に従って第1、第2の演出態様のいずれか一方が選択される複合型変動パターンなので、これが関連する信頼度は、計数値の値に応じて変化する。そこで、図10では、該当する箇所の信頼度を計数値の数値範囲別に表示してある。すなわち、「Cリーチ後にaaaリーチが出る」という演出の流れに対する信頼度と、「Dリーチ後にaaaリーチが出る」という演出の流れに対する信頼度とについては、計数値の範囲別に表示してある。
たとえば、低確率状態で計数値(カウンタ)が「0」〜「9」の範囲にある場合において「Cリーチ後にaaaリーチが出る」という演出の流れに対する信頼度R4は、R4=(((P5×0.5×選択確率SP1)+(P5×0.5×選択確率SP2))/(P7+(P5×0.5×選択確率SP1)+(P5×0.5×選択確率SP2)))×100 になる。ここで、選択確率SP1は、図11において、非特定図柄かつカウンタ(0〜9)かつ低確率の条件に該当する箇所の確率であり、選択確率SP2は、図11において、特定図柄かつカウンタ(0〜9)かつ低確率の条件に該当する箇所の確率である。また「0.5」を乗じてあるのは、特定図柄と非特定図柄の出現確率が半々になっていることによる。
図12は、複合型変動パターン17の第1の演出態様による可変表示遊技の流れの一例を示している。同図(a)に示すように、可変表示装置21には計数値を示すアイテムとして福引券441や補助券442が表示されている。福引券441は1枚が計数値「10」に相当し、補助券442は1枚が計数値「1」に相当している。
図12(a)に示すようにすべての図柄が可変表示している状態から、同図(b)に示すように左右の図柄が停止してリーチ態様(Cリーチ)が出現し、さらに外れの態様が仮停止表示されると(同図(c))、同図(d)〜(g)に示すように、福引による抽選会の模様が「aaaリーチ」として表示される。この福引の結果が当たりになると、「7」などの図柄が3つ揃った特定表示結果が表示される。特定演出態様である「aaaリーチ」(抽選会)が行なわれると、計数値が「10」減算され、可変表示装置21に表示されている福引券441が1枚減る。
図13は、複合型変動パターン17の第2の演出態様による可変表示遊技の流れの一例を示している。同図(a)に示すようにすべての図柄が可変表示している状態から、同図(b)に示すように左右の図柄が停止してリーチ態様(Cリーチ)が出現し、「2」などの図柄が3つ揃った当たりの態様が仮停止表示される。(同図(c))。その後、同図(d)〜(g)に示すように、3つの図柄が揃った状態のままで可変表示が再開し(再抽選)、その後、この可変表示が停止して当たりの態様が確定表示される。図13に示す例では、非特定図柄の特定表示結果(当たり)から特定図柄の特別表示結果(確変大当たり)へ再抽選により昇格している。この場合は、「aaaリーチ」(特定演出態様)を実行していないので、計数値が減算されず、福引券441や補助券442の枚数も減ることはない。
図14は、可変表示遊技(特別図柄遊技)に関して表示器制御基板120が行なう制御の流れを示している。表示器制御基板120は、主基板100から受信した変動パターンコマンドが「aaaリーチ」を含む変動パターンを指定するものか否かを調べ(ステップS501)、「aaaリーチ」を含むパターンの場合は(ステップS501;Y)、さらにその変動パターンコマンドが複合型変動パターンを指定するものか否かを調べる(ステップS502)。複合型変動パターンでない場合は(ステップS502;N)、その変動パターンコマンドに従って可変表示遊技を開始する。このケースは、図10に示すパターンテーブル400のうち、パターン13、パターン14、パターン16、パターン19が該当する。
受信した変動パターンコマンドが複合型変動パターンを指定するものの場合には(ステップS502;Y)、現在の遊技状態(低確率状態・高確率状態)と大当たり図柄の種類(特定図柄・非特定図柄)と現在の計数値(カウンタ)とに対応する選択確率を選択確率テーブル420から読み出し、その選択確率に従って第1の演出態様を用いるか第2の演出態様を用いるかを決定する(ステップS504)。そして、決定した演出態様に従って可変表示遊技の実行を開始する(ステップS505)。
上記決定が第2の演出態様の場合は(ステップS506;N)そのまま可変表示遊技の実行を完了して処理を終了する(エンド)。ステップS503を実行した後もしくは上記決定が「aaaリーチ」を含む第1の演出態様の場合(ステップS506;Y)は、計数値が規定値(10)以上か否かを判定する(ステップS507)。計数値が「10」以上ある場合は(ステップS507;Y)、計数値を「10」減算し、可変表示装置21に表示されている福引券を1枚減じて可変表示遊技の実行を終了する(エンド)。
計数値が「10」に満たない場合は(ステップS507;N)、「aaaリーチ」の実行前に可変表示装置21にダミーの福引券を表示し、「aaaリーチ」の実行によりこのダミーの福引券を消去する演出表示を行なって(ステップS509)可変表示遊技の実行を終了する(エンド)。たとえば、上空から降ってきた福引券を使用して福引を引く様子が表示される。ダミーの福引券を使用して「aaaリーチ」を行なった場合には、計数値を加算・減算しない。
主基板100から受信した変動パターンコマンドが「aaaリーチ」を含む変動パターンでない場合は(ステップS501;N)、その変動パターンコマンドに従って可変表示遊技を開始する(ステップS510)。指定された変動パターンが「ノーマルリーチ」から外れになるものの場合は(ステップS511;Y)、図15に示す加算確率表460に基づいて、計数値を「+1」するか否かを抽選で決定する(ステップS512)。加算を決定した場合は(ステップS513;Y)、カウンタ手段121の計数値を「+1」し、表示されている補助券を1枚増やして(ステップS514)可変表示遊技の実行を終了する(エンド)。ノーマルリーチから外れになる変動パターンでないとき(ステップS511;N)または加算しない決定をしたときは(ステップS513;N)補助券を増やすことなく可変表示遊技の実行を終了する(エンド)。
図15に示す加算確率表460は、カウンタ手段121の計数値と、計数値を「加算する」確率・「加算しない」確率との関係を示している。計数値が少ないほど「加算する」を選択する確率が高くなるように設定してある。計数値が「39」以上では、「加算する」確率が「0」になっている。たとえば、計数値が「5」〜「7」の範囲にあるときは、「128分の48」の確率で「加算する」を選択する条件下で抽選を行なって「加算する」・「加算しない」を決定する。
図16は、可変表示遊技がノーマルリーチから外れになる場合に補助券442が降ってきて、加算される様子の一例を示している。
このほか、カウンタ手段121の計数値は、大当たり遊技中に可変表示装置21で実行される確率向上ゲームの結果に応じて加算される。大当たり遊技中は大入賞口17が開閉するラウンド毎に、確率向上ゲームと報知ゲームのいずれか一方が実行される。報知ゲームは、大当たり遊技の終了後に遊技状態が高確率状態(特別遊技状態)に昇格するか否かをゲーム形式の演出を通じて遊技者に報知するものである。特別遊技状態への昇格の報知は、図13に示すように可変表示遊技の表示結果として直接的に報知する場合と、可変表示遊技では特別遊技状態になることを報知せず、大当たり遊技中の報知ゲームを通じて報知する場合とがある。
図17および図18は、大当たり遊技中のラウンド毎に実行するゲームの種類とゲームの結果とを決定するためのゲーム選択テーブルである。図17は、大当たり遊技の前に実行された可変表示遊技の表示結果が非特別図柄(非確変図柄)の特定表示結果の場合に演出態様決定手段125が参照するゲーム選択テーブル(確変昇格無し)600の一例を示している。図18は、大当たり遊技の前に実行された可変表示遊技の表示結果が特別図柄(確変図柄)の特定表示結果(特別表示結果)である場合に演出態様決定手段125が参照するゲーム選択テーブル(確変昇格有り)620の一例を示している。
各テーブル600、620は、カウンタ手段121の計数値が「0」〜「9」の場合と、「10」〜「19」の場合と、「20」〜「29」の場合と、「30」以上の場合のそれぞれについてアイテムの選択確率分布を表わしている。たとえば、計数値が「0」〜「9」の場合に「Tシャツ白」のアイテムを選択する確率は「256分の50」、「Yシャツ白」のアイテムを選択する確率は「256分の30」に設定されている。
演出態様決定手段125は、大当たり遊技の各ラウンドが実行される際に、ゲーム選択テーブル(確変昇格無し)600またはゲーム選択テーブル(確変昇格有り)620に基づく確率分布でアイテムを抽選し、抽選結果のアイテムが登場するゲームを可変表示装置21に表示する。アイテムとして「補助券」または「福引券」を選択した場合は確率向上ゲームを実行し、それら以外のアイテムを選択した場合は報知ゲームを実行するようになっている。
ゲーム選択テーブル(確変昇格無し)600およびゲーム選択テーブル(確変昇格有り)620では、計数値(カウンタ)が大きい場合の「補助券」および「福引券」の選択確率を低く設定してあり、計数値が増えすぎないようにしてある。ここでは、計数値が「20〜29」の場合は「補助券」および「福引券」の選択確率を「1」に、計数値が「30」以上の場合は「0」に設定してある。
報知ゲームに登場するアイテムのうち「元気くん」と呼ばれるキャラクタは、特別遊技状態に昇格することが確定したことを最終ラウンドになる前に遊技者に通知するアイテムになっている。このため、ゲーム選択テーブル(確変昇格無し)600では、「元気くん」の選択確率(256回中の出現回数)は「0」に設定してある。また、昇格有りの場合は、14ラウンド目までゲーム選択テーブル(確変昇格有り)620に基づいてゲームを実行し、計数値(カウンタ)が大きいほど「元気くん」の選択確率が高くなっている。そして15ラウンド目(最終ラウンド)は、特別遊技状態に昇格することを報知する「確変昇格Tシャツ」がアイテムとして必ず出現する報知ゲームを実行するようになっている。
図19は、ゲーム実行手段123が行なう処理の流れを示している。主基板100からラウンド動作コマンドを受信すると(ステップS641;Y)、これと共に受信した大当たり図柄コマンドが特別図柄(確変図柄)での大当たりを示すものか否かを判定する(ステップS642)。特別図柄による当たりの場合は(ステップS642;Y)、図18のゲーム選択テーブル(確変昇格有り)620に従ってアイテムを選択し(ステップS643)、非特別図柄による当たりの場合は(ステップS642;N)、図17のゲーム選択テーブル(確変昇格無し)600に従ってアイテムを選択する(ステップS644)。ただし、先に説明したように、特別図柄による当たりの場合には15ラウンド目のアイテムとして必ず「確変昇格Tシャツ」を選択する。
選択したアイテムが確変昇格用アイテム(補助券・福引券以外のアイテム)の場合は(ステップS645;Y)、そのアイテムを用いて報知ゲームを実行する(ステップS646)。
選択したアイテムが確変昇格用アイテムでなく(ステップS645;N)福引券の場合は(ステップS647;Y)、カウンタ手段121の計数値を「+10」し(ステップS648)、福引券の登場する確率向上ゲームを実行する(ステップS649)。また選択したアイテムが補助券の場合は(ステップS647;N)、カウンタ手段121の計数値を「+1」し(ステップS650)、補助券の登場する確率向上ゲームを実行する(ステップS651)。
いずれかのゲームを実行した後、インターバルコマンドの受信を待機し(ステップS652;N)、これを受信すると(ステップS652;Y)次のラウンド動作コマンドの受信を待機する(ステップS641)。なお、エンディング動作コマンドを受信したときは(ステップS653;Y)、大当たり遊技が終わるので、本処理を終了する(エンド)。
図20から図23は、大当たり遊技中の各ラウンドで実行される確率向上ゲームおよび報知ゲームの様子を示している。図20は、第1ラウンド目に行なわれた報知ゲームを示している。報知ゲームでは、賞品箱701から抽選人702が賞品としてアイテム703を取り出す様子が表示される(図20(b))。取り出したアイテム703は、図20(c))に示すように、画面の左上部に並べて小さく表示される。
画面の左下部には、現在のラウンド数704が表示されている。また画面の右下部には、今回の大当たり遊技の起因になった特定表示結果を構成する大当たり図柄705が表示されている。画面の右上部には、図22(b)に示すように、現在の計数値を表わすための福引券706や補助券707が表示される。図20(a)では、補助券が2枚あり、現在の計数値が「2」であることが遊技者に通知される。
図21は、確率向上ゲームの流れを示している。確率向上ゲームは、報知ゲームと同様の趣向になっており、賞品箱701から抽選人702が賞品として福引券または補助券を取り出す様子が表示される。すなわち、遊技者には、賞品が取り出されるまで確率向上ゲームと報知ゲームのいずれが実行されているかが分からないようになっている。図21は、第3ラウンド目に行なわれた確率向上ゲームにおいて補助券707が取り出され(同図(a))、その枚数が1枚増加して3枚になった様子を表わしている(同図(b))。増加後の計数値は「3」である。
図22は、確率向上ゲームで福引券が取り出された場合の一例を示している。抽選人702によって賞品箱701から福引券706が取り出され(同図(a))、その結果、福引券706を1枚と補助券707を5枚保有していることが同図(b)の画面の右上に表示されている。増加後の計数値は「15」である。
図23は、第13ラウンドと第14ラウンドの報知ゲームの一例を示している。第13ラウンドではアイテムとして「ダイヤモンド」711を取り出し、昇格への期待度が向上したことを遊技者に報知している。第14ラウンドではアイテムとして「元気くん」712のキャラクタを取り出している。「元気くん」712の出現により特別遊技状態(確変状態)への昇格確定が最終ラウンド実行前に遊技者に報知される。
このように、大当たり遊技中に確率向上ゲームが実行され、福引券や補助券が増える(すなわち計数値が増える)ので、それ以前の可変表示遊技で「aaaリーチ」が出現して計数値が消費されて減少し、遊技者の期待感が低下していた場合でも、大当たり遊技後に再び「aaaリーチ」の出現に対する遊技者の期待感を喚起することができる。特に、確率向上ゲームの結果が、大当たり遊技終了後の可変表示遊技の演出内容に影響を与えるので、確率向上ゲームで高まった遊技者の期待感が大当たり遊技の終了後も維持され、継続的に遊技者を楽しませることができる。
また、大当たり遊技中においても、遊技者の興味を可変表示装置21の表示に傾注させて遊技の趣向を高めることができる。
確率向上ゲームに加えて、特別遊技状態(確率変動状態や時間短縮機能の作動状態)への移行確定報知または/および移行期待度報知を行なう報知ゲームを実行するので、大当たり遊技中の集中力を更に高めるとともに、特定遊技状態終了後も継続して遊技者を楽しませることができる。また、大当たり遊技中に計数値が増えすぎることも防止できる。すなわち、大当たり遊技中に確率向上ゲームのみを行なうと、計数値が増えすぎないようにするためには、確率向上ゲームで福引券の出現する割合を低くしなければならないので、確率向上ゲームの面白さが半減してしまう。これに比べて、確率向上ゲームと報知ゲームとを適度な割合で切り替え実行すると、計数値の増加とともに、特別遊技状態(確率変動状態や時間短縮機能の作動状態)への移行確定報知または/および移行期待度報知が行なわれるようになるので、大当たり遊技中のゲームがより面白くなる。
なお、図11の選択確率テーブル420において、非特定図柄で高確率状態の場合に、計数値に係わらず第1の演出態様の選択確率を「0」に設定したのは次の理由による。すなわち、高確率状態中に、第1の演出態様を選択して特定演出態様(aaaリーチ)を出現させると、高確率状態は当たりが連続的に発生し易いので、特定演出態様の実行回数が増えて計数値がどんどん減少してしまう。また、「高確率状態中の可変表示遊技で特定演出態様(aaaリーチ)が出たら特定図柄の当たりが出易い」という印象を遊技者に与えると遊技の趣向性が高まる。そこで、高確率状態中に非特定図柄で当たりを出す場合には特定演出態様(aaaリーチ)を選ぶ確率を「0」にしてある。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、実施の形態では、確率向上ゲームおよび報知ゲームを可変表示装置で行なうようにしたが、遊技盤上に別途設けた表示部や、遊技機枠の前面側に設けた別の表示部で行なってもよい。
また、実施の形態では、確率向上ゲームの当否を内部抽選で決定するようにしたが、遊技者の操作により決定するようにしてもよい。たとえば、2つの操作部を設け、確率向上ゲームの開始以前に2つのうちいずれを当たりにするかを内部抽選しておき、遊技者に2つの操作部のいずれかを選択するように促し、遊技者の選択結果により当たり・外れを決定してもよい。
操作部は、遊技機前面側の所定の位置に操作ボタン・タッチセンサーを設けてもよいし、可変表示装置や遊技盤上に別途設けた他の表示部、遊技機枠の前面側に設けた他の表示部をタッチセンサとしておき、確率向上ゲームの開始により操作部(例えば、ボタンの形状やキャラクタ)を表示し選択操作を受け付けるように構成してもよい。
遊技者による操作が所定時間経過しても行なわれない場合は、内部抽選の結果に応じて、実行結果を表示するようにしてもよい。
このように、確率向上ゲームを遊技者参加型のゲームにすることで、特定演出態様が表示される確率を、自らが向上させたという気分を遊技者に与えることができ、遊技者を飽きさせることなくより楽しませることができる。
確率向上ゲームなどにより計数値を増加させるタイミングは、以下のようにすることができる。
(1)「リーチ態様」の発生を契機として、確率向上ゲームを行なう。すなわち、可変表示中の識別情報が「7↓7」等、特定表示結果の一部を構成する識別情報の組み合わせであって、表示結果が導出表示される直前の状態となるリーチ態様が発生した場合に確率向上ゲームを行なう。たとえば、可変表示装置にポップアップ画面を表示したり、可変表示装置の画面を2分割し、一方で確率向上ゲームを、他方で可変表示遊技を行なうようにしたり、可変表示装置以外の表示装置を設けて確率向上ゲームを実行したりすることで、可変表示遊技と確率向上ゲームとを同時並行に実行することができる。
(2)所定の変動パターン(例えばノーマルリーチ外れ)を受信したときに確率向上ゲームなどにより計数値を増やすほか、所定の変動パターンを受信してから抽選を行なって計数値を増加させる演出の実行有無を決定してもよい。抽選を行なう場合は、図15の加算確率表460と同様の確率テーブルに基づき実行の可否を決定するとよい。
(3)所定時間が経過しても始動口への球の入賞がない場合に確率向上ゲームを実行する。始動口へ球の入賞のない状態が長く続くと、可変表示装置の表示内容が停止した状態になる。そこで、このような状態の期間に確率向上ゲームを実行することで、遊技者を飽きさせないようにすることができる。たとえば、待ち受け画面が表示されるタイミングで、待ち受け画面に替えて確率向上ゲームを実行する。どの遊技機で遊技しようかと遊技機を選んでいる遊技者の注目を集めることができる。たとえば、可変表示装置の画面を2分割して一方で確率向上ゲームを、他方で待ち受け画面を表示すれば、待ち受け状態にあることを確実に遊技者に認識させることができる。また、分割された一方の画面で他の情報を報知することができる。可変表示装置に待ち受け画面を表示しながら、別途設けた他の表示装置で確率向上ゲームを実行するように構成してもよい。
(4)時間短縮機能の作動期間の区切りで確率向上ゲームを実行する。たとえば、時間短縮機能を作動させた可変表示遊技が100回行なわれる場合に、10回終了毎に確率向上ゲームを実行するなどである。
(5)大入賞口に所定数(たとえば10個)の球が入賞しなかったとき、報知ゲームは行なわずに、確率向上ゲームを行なう。
報知ゲームにおいて登場するアイテムに優先順位を付けておき、一旦、優先順位の高いアイテムが表示されると、以後は、それよりも優先順位の高いアイテムだけを選択して表示するように構成するとよい。段階的に特別遊技状態へ近づいているような演出が行なえ、遊技者の確変昇格への期待感を上り調子に高めることができる。
実施の形態では、報知ゲームにおいて確率変動状態への昇格確定を示す「元気くん」が表示された後も「Tシャツ」など他のアイテムが表示され得るように構成したが、一旦、「元気くん」が出現した後は報知ゲームで必ず「元気くん」が登場するように構成してもよい。
また、「元気くん」(昇格確定報知)が表示された後は、確率向上ゲームと報知ゲームの演出内容を変更し、たとえば、「元気くん」のキャラクタが補助券または福引券を獲得するか否かという演出内容に変更し、報知ゲームが選ばれた場合は、「元気くん:獲得失敗」、確率向上ゲームが選ばれた場合は、「元気くん:獲得成功」というような表示を行なうように構成するとよい。
すなわち、一旦、「元気くん」(昇格確定報知)が表示された後に、昇格への期待度を報知するアイテム(Tシャツ白等)が表示されると遊技者に混乱を与える可能性があるが、上記のように「元気くん」が登場するゲームに演出内容を変更することで、遊技者に昇格確定の安心感を与えることができる。また、補助券・福引券(計数値)の加算確率も適正に維持される。
このほか、表示結果が外れの変動パターンと同じ演出態様を表示した後に他の演出態様をさらに表示する所定の変動パターンが選択された場合にも計数値が加算されるようにしてもよい。すなわち、実施の形態では、図16に示すように、表示結果がリーチ態様を経て外れになる場合に補助券が降ってくる場合を設けたが、可変表示遊技の途中で補助券が降ってくる場合をこれのみにすると、遊技者は補助券が降ってきた段階で表示結果が外れに終わることを認識して楽しみがなくなる。
そこで、可変表示遊技中に補助券が降ってきた場合にも当たりになる場合を設定する。具体的には、補助券が降ってきて、リーチ態様から外れ態様が仮停止表示され、その後、再び可変表示が行なわれて、別の演出に発展し、最終的な表示結果として当たりが出現する場合を設けるとよい。たとえば、図10のパターン9、パターン10において、「ノーマルリーチ」後に補助券を加算表示し、外れを仮停止表示し、「Aリーチ」に発展し、最終的に当たりまたは外れになる場合を設けるとよい。
また、外れ態様が確定表示された後に補助券を加算表示する構成にしてもよい。たとえば、図10のパターン9、パターン10において、外れを仮停止表示した時点では、まだ、補助券を表示せず、その後、「Aリーチ」に発展し、最終的に外れが確定表示された段階で補助券を加算するように構成してもよい。
なお、実施の形態で示した確率向上ゲームや報知ゲームの内容は一例であり、他の表示内容、ゲーム内容であってもかまわない。たとえば、計数値が大きくなるほど、水泳選手が着衣を脱いで薄着になっていき、水着になると、当たりの確率が高い水泳リーチが出易くなるなどの構成が可能である。
また、実施の形態では、計数値が高まると当たりの出易い特定演出態様(aaaリーチ)の出現確率を高めるように構成したが、たとえば、表示結果が当たりとなる、もしくは、当たりとなる可能性が高いことを事前に予告する演出の出現確率を高めたり、特定演出態様が出現する、もしくは、その可能性が高いことを事前に予告する演出の出現確率を高めたり、当たりの出る確率とは関係なく単に遊技者が喜ぶ画面(滅多に出現しない貴重な映像など)を出易くしたりするようにしてもよい。
また、実施の形態では、特定遊技状態が発生すると、大入賞口17の開閉動作が15回(15ラウンド)行なわれるようにしたが、大入賞口17の開閉動作(大当たり遊技)の回数が複数種類の中から選択(たとえば、5回、10回、15回)されるようにし、ゲーム実行手段が、選択されたラウンド継続回数を知らせるためのゲームも行なうようにしてもよい。
たとえば、特定遊技状態の発生期間中に、当該特定遊技状態が継続するか否かを報知するゲームを実行する。具体的には、特定遊技状態の開始から所定ラウンド(たとえば、1〜4ラウンド)は、確率向上ゲームを実行し、次のラウンド(5ラウンド目)で特定遊技状態の継続または終了を示すラウンド継続ゲームを実行し、特定遊技状態が継続することが表示された場合にのみ、そのまま特定遊技状態が継続するようにして、再び確率向上ゲームおよび報知ゲーム(6〜9ラウンド)とラウンド継続ゲーム(10ラウンド目)を実行する。そして、特定遊技状態が継続することが表示された場合にのみ、そのまま特定遊技状態が継続するようにして、再び、確率向上ゲームおよび報知ゲームを実行するようにする。
このように、ゲーム実行手段が、確率向上ゲームおよび報知ゲームに加えてラウンド継続ゲームも実行するようにすると、特定遊技状態中の集中力をさらに高めることができる。ゲーム実行手段は、確率向上ゲームとラウンド継続ゲームのみを実行してもよい。
なお、特定遊技状態を何ラウンド継続させるかは、球が始動口に入賞したときに決定してもよいし、特定遊技状態の開始直前または開始直後に決定してもよいし、ラウンド継続ゲーム実行時に決定してもよい。また、何ラウンド継続させるかを決定する際の確率分布は固定でもよいし、何らかの要因、たとえば、可変表示遊技の表示結果の内容、前回当たりが出てからの差玉数などに応じて変動するようにしてもよい。
ラウンド継続ゲームを実行するタイミングは適宜に設定すればよく、確率向上ゲームまたは報知ゲームに加えてラウンド継続ゲームをラウンド毎に実行するようにしてもよい。また、ラウンド継続ゲームの結果に応じて継続可能なラウンド数が変化するようにし、前回のラウンド継続ゲームの結果が示す継続回数が終了したとき、再度、ラウンド継続ゲームが行なわれるように構成してもよい。
回路の基板構成は実施の形態に示したものに限らず、どのような構成でもよい。たとえば、ランプ制御基板150と音声制御基板160とを1つの基板にまとめたり、ランプ制御基板150と音声制御基板160と表示器制御基板120とを一体構成とした演出制御基板を用いたりしてもよい。この場合、表示遊技実行手段の機能は演出制御基板により実行される。
また、実施の形態では、複合型変動パターンとして第1の演出態様と第2の演出態様の2つの演出態様を持つものを例示したが、3以上の演出態様を持つように構成してもよい。
このほか、遊技機10の実施の形態ではパチンコ機を例に説明したが、可変表示の変動パターンを制御する機能を備えた他の種類の遊技機であってもかまわない。