JP4288814B2 - 半導体検査治具及びその製造方法 - Google Patents

半導体検査治具及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置や半導体を搭載する配線回路基板の導通検査をするために用いられる検査治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置や配線回路基板の導通検査は図5(a)〜(c)に示すように、検査治具50と検査用ソケット40を用いて被検査体60の導通検査を行っている。具体的には、検査用ソケット40上のシリコンラバー41上に検査治具50を載置し、検査治具50の検査電極53と被検査体60の電極部61を押圧して、検査電極53と検査電極53との電気的な導通を確保することで検査を行っている。
【0003】
検査電極53の構造は図5(b)に示すように、配線層52との接続部から一直線に延びた円錐台形状をしており、検査電極53は絶縁基板51に形成された配線層52との接続部で保持されている。このような検査電極53と被検査体60の電極部61とを押圧して導通を計る検査方法では、押圧した際に検査治具50の検査電極53及び配線層52の一部がシリコンラバー41側に沈み込み、接触抵抗が不均一になったり、接触不良が発生したりして導通検査の信頼性を損なうという問題を有している。また、検査治具50の検査電極53及び配線層52の一部がシリコンラバー41側に沈み込むことによる、配線層52と検査電極53との断線や配線層52の絶縁基板51からの部分剥離が発生することもある。
【0004】
検査電極の沈み込みの際に発生する配線層の剥離及び断線を防止するために考えられた構造が、図4に示す電極構造であり、これは、絶縁基板21上の検査電極26の径を大きくして、検査電極26と配線層28との間の絶縁基板21を導体26aでかしめ構造にして、絶縁基板21に検査電極26を強固に固定している。この方法は絶縁基板21と検査電極26の固定はしっかりしているが、検査電極26の先端部の形状を細く、均一にすることが非常に難しく、先端部の接触面が大きくなったりして被検査体の電極が半導体回路のアルミニウム電極であった場合表面の酸化膜を破ることができず、接触不良等の問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、検査治具の検査電極を被検査体に押圧して繰り返し導通検査を行っても、検査電極及び配線層の一部が絶縁基板より離脱することなく、信頼性の高い導通検査ができる検査治具及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を解決するために、請求項1において、絶縁基板の一方の面に突出するように検査電極が形成され、他方の面に配線層が形成され、前記検査電極と前記配線層とは電気的に接続され、前記検査電極(16)は2段形状の電極からなり、前記絶縁基板に接する部分の電極(16b)が太く、先端部の電極(16a)が細くなっている半導体検査治具において、以下の工程を少なくとも備えることを特徴とする半導体検査治具の製造方法としたものである。
(a)絶縁基板(11)に絶縁層(12)、絶縁層(13)、金属板(14)を貼着・積層して積層板を作製する工程。
(b)レーザ加工にて絶縁基板(11)、絶縁層(12)及び絶縁層(13)にテーパー形状の開口部(15)を形成する工程。
(c)開口部(15)の絶縁層(12)の一部を特定の溶媒で溶解エッチングして凹部(18)を形成して開口部(15a)を形成する工程。(d)金属板(14)をカソード電極にして開口部(15a)に導体金属の電解めっきを行い、電極(16a)、電極(16b)及び(導体16c)を形成する工程。
(e)絶縁基板(11)及び導体(16c)上の所定位置にセミアディティブ或いはアディティブプロセスにて配線層(17)を形成する工程。
(f)電極(16a)、電極(16b)、(導体16c)及び配線層(17)が形成された積層板を専用の剥離液に浸漬し、金属板(14)、絶縁層(13)及び絶縁層(12)を剥離・除去することにより、絶縁基板(11)の一方の面に突出した電極(16a)及び電極(16b)からなる検査電極(16)が、他方の面に配線層(17)が形成され、検査電極(16)と配線層(17)が導体(16c)で電気的に接続された半導体検査治具(10)を作製する工程。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体検査治具の構造を図1(a)及び(b)に示す。検査電極の構造は、図1(a)及び(b)に示すように、検査電極の形状を電極16a及び電極16bの2段構造にし、絶縁基板11に接する電極16bの径を大きくし、先端部の電極16aを細くしたものである。このような構造にすることにより、絶縁基板11に対して配線層17と検査電極16とが導体16cにてカシメられ、絶縁基板11に強固に固定されると同時に先端部の電極16a形状を細くしているため、検査電極としての機能を損なわないで、且つ先端形状を一定の形状に再現性良く作製できる。
【0009】
本発明の半導体検査治具を用いて被検査体60の導通検査を行っている状態を図3(c)に示す。検査用ソケット40上のシリコンラバー41上に本発明の半導体検査治具10を載置し、半導体検査治具10の検査電極16と被検査体60の電極部61を押圧して導通検査を行った際シリコンラバー41に半導体検査治具10が沈み込んでも、検査電極16及び配線層17が絶縁基板11から部分的に剥離することもなく、被検査体60の電極部61がアルミニウム膜で形成され電極で、酸化被膜が形成されていても、確実な電気的導通が得られる。
【0010】
以下本発明の半導体検査治具の作製法について図面を用いて説明する。図2(a)〜(f)に本発明の半導体検査治具の一実施例の製造工程を工程順に示す構成模式断面図を示す。まず、絶縁基板11に絶縁層12、絶縁層13、金属板14を貼着・積層した積層板を作製する(図2(a)参照)。絶縁基板11は検査電極及び配線層を形成した検査治具の支持基板になるもので、絶縁性、耐熱性及び機械的強度が求められ、ポリエステル、エポキシ、アクリル及びポリイミド樹脂等の絶縁基板が使用可能であるが、ポリイミド樹脂からなる絶縁基板が耐熱性や物質安定性の点から好適である。絶縁層12及び絶縁層13は検査電極を電解めっきで形成するための型を形成したり、検査電極の高さを調整するためのもので、絶縁性を有する樹脂であれば使用可能であるが、最終工程で剥離・除去されるため、電解めっきプロセスには充分な耐性を有し、且つ剥離処理が容易な感光性レジスト又はドライフィルムレジストが好適である。さらに、絶縁層12は開口部形成後2次加工されるため、特定の溶媒で絶縁層12は溶解するが、絶縁層13は溶解しない樹脂を選定する必要がある。金属板14は電解めっきで検査電極の導体金属を形成する際のカソード電極になるもので、導電性を有する金属であれば使用可能であるが、ここでは製造プロセス上ステンレス板が好ましい。
【0011】
次に、レーザ加工にて絶縁基板11、絶縁層12及び絶縁層13にテーパー形状の開口部15を形成する(図2(b)参照)。
【0012】
次に、開口部15の絶縁層12の一部を特定の溶媒で溶解エッチングして凹部18を形成して開口部15aを形成する(図2(c)参照)。これは、2段形状の検査電極を作製するための電極16bの出っ張りを形成するためのめっき型を作成するもので、絶縁層12だけが特定の溶媒で溶解エッチングされて凹部18が形成され、絶縁基板11及び絶縁層13は溶解エッチングされない材料を選択しておく。
【0013】
次に、金属板14をカソード電極にして開口部15aに導体金属の電解めっきを行い、電極16a、電極16b及び導体16cを形成する(図2(d)参照)。ここで、電極及び導体を形成する導体金属は導電性及び強度の問題から銅もしくはニッケルが好適である。
【0014】
次に、絶縁基板11及び導体16c上の所定位置にセミアディティブ或いはアディティブプロセスにて配線層17を形成する(図2(e)参照)。ここで、検査電極16及び配線層17が導体16cにてカシメられ、絶縁基板11に強固に固定され、且つ配線層17が導体16cにて電気的に接続される。さらに、配線層17の絶縁基板11との接触面は導体16cの表面積よりも大きくなるようにする。
【0015】
次に、電極16a、電極16b、導体16c及び配線層17が形成された積層板を専用の剥離液に浸漬し、金属板14、絶縁層13及び絶縁層12を剥離・除去することにより、絶縁基板11の一方の面に突出した電極16a及び電極16bからなる検査電極16が、他方の面に配線層17が形成され、検査電極16と配線層17が導体16cで電気的に接続された本発明の検査治具10を得ることができる(図2(f)参照)。ここで、配線層17側に保護層を形成した後、金属板14、絶縁層13及び絶縁層12を剥離・除去して半導体検査治具としてもよい。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。まず、25μm厚のポリイミドフィルムからなる絶縁基板11に25μm厚のドライフィルムレジスト(DFR:日立化成工業(株)製)からなる絶縁層12、25μm厚のエポキシ系接着フィルムからなる絶縁層13及び0.15mm厚のステンレス板からなる金属板14をラミネートによって貼着して積層板を作製した。
【0017】
次に、エキシマレーザ加工機を用いて絶縁基板11からレーザービームを照射し、所定位置に40μmφのテーパー形状を有する開口部15を形成した。ここで、エキシマレーザの加工条件は、エネルギ密度1.5J/cmであった。
【0018】
次に、1%の炭酸ソーダ溶液を用いて開口部15の絶縁層12の一部を溶解・エッチングし凹部18を形成し、開口部15a形成した。この溶解・エッチングには通常用いられているシャワーリングの現像機を使用した。
【0019】
次に、金属板14をカソード電極にして開口部15aに電解Cuめっきを行い、銅金属からなる電極16a、電極16b及び導体16cを形成した。
【0020】
次に、絶縁基板11及び検査電極16上に銅をスパッタリングして約3000Å膜厚の薄膜導体層を形成し、さらに、ドライフィルムレジスト(RY−3025:日立化成工業(株)製)にて感光層を形成し、露光、現像を行うことでセミアディティブプロセス用のレジストパターンを形成した。レジストパターン以外の薄膜導体層上に電解銅めっきにて10〜15μm厚の導体層を形成した。さらに、レジストパターンを5wt%の苛性ソーダ溶液にて溶解除去し、さらに、レジストパターン下部に形成されていた薄膜導体層を20wt%のペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液にてフラッシュエッチングして配線層17を形成した。
【0021】
電極16a、電極16b、導体16c及び配線層17が形成された積層板を専用の剥離液に浸漬し、金属板14、絶縁層13及び絶縁層12を剥離・除去することにより、絶縁基板11の一方の面に突出した電極16a及び電極16bからなる検査電極16が、他方の面に配線層17が形成され、検査電極16と配線層17が導体16cで電気的に接続された本発明の半導体検査治具10を得た。
【0022】
本発明の半導体検査治具10を用いてアルミニウム電極を有する被検査体を繰り返し導通検査した結果、絶縁基板からの検査電極及び配線層の離脱は見られず、安定した導通接触が得られた。
【0023】
【発明の効果】
本発明の半導体検査治具を用いることにより、被検査体に押圧して繰り返し導通検査を行っても、絶縁基板からの検査電極と配線層の離脱は見られず、安定した、信頼性の高い導通検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の半導体検査治具の一実施例を示す部分模式斜視図である。(b)は、本発明の半導体検査治具10の部分模式斜視図をA−A線で切断した部分模式断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明の半導体検査治具10の製造方法を工程順に示す部分模式断面図である。
【図3】(a)は、本発明の半導体検査治具10を示す部分模式斜視図である。
(b)は、本発明の半導体検査治具10の部分模式斜視図をB−B線で切断した部分模式断面図である。
(c)は、本発明の半導体検査治具10を検査用ソケット40上のシリコンラバー41上に載置して被検査体60を導通検査している状態を示す部分模式断面図である。
【図4】従来の検査治具50を示す部分模式断面図である。
【図5】(a)は、従来の検査治具50を示す部分模式斜視図である。
(b)は、従来の検査治具50の部分模式斜視図をB−B線で切断した部分模式断面図である。
(c)は、従来の検査治具50を検査用ソケット40上のシリコンラバー41上に載置して被検査体60を導通検査している状態を示す部分模式断面図である。
【符号の説明】
10……半導体検査治具
11……絶縁基板
12、13……絶縁層
14……金属板
15a……開口部
16……検査電極
16a、16b……電極
16c……導体
17……配線層
18……凹部
20、50……従来の検査治具
21、51……絶縁基板
26、53……検査電極
26a……導体
28、52……配線層
40……検査用ソケット
41……シリコンラバー
60……被検査体
61……電極部

Claims (1)

  1. 絶縁基板の一方の面に突出するように検査電極が形成され、他方の面に配線層が形成され、前記検査電極と前記配線層とは電気的に接続され、前記検査電極(16)は2段形状の電極からなり、前記絶縁基板に接する部分の電極(16b)が太く、先端部の電極(16a)が細くなっている半導体検査治具において、以下の工程を少なくとも備えることを特徴とする半導体検査治具の製造方法。
    (a)絶縁基板(11)に絶縁層(12)、絶縁層(13)、金属板(14)を貼着・積層して積層板を作製する工程。
    (b)レーザ加工にて絶縁基板(11)、絶縁層(12)及び絶縁層(13)にテーパー形状の開口部(15)を形成する工程。
    (c)開口部(15)の絶縁層(12)の一部を特定の溶媒で溶解エッチングして凹部(18)を形成して開口部(15a)を形成する工程。(d)金属板(14)をカソード電極にして開口部(15a)に導体金属の電解めっきを行い、電極(16a)、電極(16b)及び(導体16c)を形成する工程。
    (e)絶縁基板(11)及び導体(16c)上の所定位置にセミアディティブ或いはアディティブプロセスにて配線層(17)を形成する工程。
    (f)電極(16a)、電極(16b)、(導体16c)及び配線層(17)が形成された積層板を専用の剥離液に浸漬し、金属板(14)、絶縁層(13)及び絶縁層(12)を剥離・除去することにより、絶縁基板(11)の一方の面に突出した電極(16a)及び電極(16b)からなる検査電極(16)が、他方の面に配線層(17)が形成され、検査電極(16)と配線層(17)が導体(16c)で電気的に接続された半導体検査治具(10)を作製する工程。
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