JP4552317B2 - 検査治具の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体回路の電気検査を行うために用いられる接触型の検査治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体回路の検査にはプローブカードと呼ばれる針状のプローブを有する配線回路基板を使用していた。近年、シート状の検査電極を有する配線回路基板が検査治具として使用されるようになってきた。
従来の検査治具の検査電極は、検査電極の形状が検査電極の底部と先端とで同じような大きさか、あるいは先端の方が太くなっている物が主流で、半導体回路の電極がアルミの場合、アルミの酸化膜が破れずに検査時の接触不良による検査ミスが発生していた。
【0003】
従来の検査電極の形成方法は図3(a)〜(e)に示すような工程で作製されている。
まず、配線層22が形成された絶縁基材12を準備し(図3(a)参照)、絶縁基材12及び配線層22上に感光層33を形成する(図3(b)参照)。
次に、露光用マスクを使用して感光層33を露光して、現像処理を行い、感光層33の所定位置に開口部62を有するレジストパターン33aを形成する(図3(c)参照)。
次に、配線層22をめっき電極にして電解めっきを行い、配線層22上の開口部62に検査電極72を形成する(図3(d)参照)。
次に、レジストパターン33aを剥離処理して、絶縁基材12上に配線層22及び検査電極72を有する検査治具を作製していた(図3(e)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の検査治具の検査電極は、電極の形状が電極の底部と先端とで同じような大きさかあるいは先端の方が太くなっている物が主流で半導体回路の電極がアルミの場合、アルミの酸化膜が破れずに検査時の接触不良による検査ミスが発生していた。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、配線層上に形成された検査電極の先端部形状が検査電極の底部よりも細い形状になる検査治具の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1においては、以下の工程を備えることを特徴とする検査治具の製造方法としたものである。
(a)絶縁基材上に導体層が形成された材料を用意する工程。
(b)前記導体層上に感光層を形成し、パターニング処理してレジストパターンを形成する工程。
(c)前記レジストパターンをマスクにして前記導体層をエッチングし、前記レジストパターンを剥離して、配線層を形成する工程。
(d)前記絶縁基材及び前記配線層上に第一ネガ型感光層を形成し、検査電極の底部を形成するための所定の径を有する第一の丸パターンのパターン露光を、前記第一ネガ型感光層に行う工程。
(e)パターン露光された第一ネガ型感光層上に、第二ネガ型感光層を形成し、検査電極の先端部を形成するための所定の径を有する第二の丸パターンのパターン露光を、前記第二ネガ型感光層に行う工程であって、前記第二の丸パターンの径は、前記第一の丸パターンの径より小さく設定されている。
(f)パターン露光された第一ネガ型感光層及びパターン露光された第二ネガ型感光層を現像処理し、未露光部分の感光層を除去し、開口部を有するレジストパターンを形成する工程。
(g)前記開口部に、電解めっきにて検査電極を形成する工程。
(h)前記レジストパターンを剥離して、前記絶縁基材上に前記配線層及び前記検査電極を有する検査治具を作製する工程。
【0007】
また、請求項2においては、以下の工程を備えることを特徴とする検査治具の製造方法としたものである。
(a)絶縁基材上に導体層が形成された材料を用意する工程。
(b)前記導体層上に第一ネガ型感光層を形成し、検査電極の底部を形成するための所定の径を有する第一の丸パターンのパターン露光を、前記第一ネガ型感光層に行う工程。
(c)パターン露光された第一ネガ型感光層上に、第二ネガ型感光層を形成し、検査電極の先端部を形成するための所定の径を有する第二の丸パターンのパターン露光を、前記第二ネガ型感光層に行う工程であって、前記第二の丸パターンの径は、前記第一の丸パターンの径より小さく設定されている。
(d)パターン露光された前記第一ネガ型感光層及びパターン露光された第二ネガ型感光層を現像処理し、未露光部分の感光層を除去し、開口部を有するレジストパターンを形成する工程。
(e)前記開口部に、電解めっきを行い検査電極を形成する工程。
(f)前記レジストパターンを剥離する工程。
(g)前記絶縁基材上の前記導体層及び前記検査電極上に感光層を形成し、パターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行ってレジストパターンを形成する工程。
(h)前記レジストパターンをマスクにして前記導体層をエッチングし、レジストパターンを剥離処理して配線層を形成し、前記絶縁基材上に前記配線層及び前記検査電極が形成された検査治具を作製する工程。
【0008】
上記の工程にて検査治具を作製することにより、検査電極先端部の形状を任意に制御することができ、検査治具の配線ピッチや検査電極配置に合わせて検査電極形状を制御することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき説明する。
図1(a)〜(h)に本発明の検査治具の製造方法の一実施例を工程順に示す模式構成断面図を、図2(a)〜(h)に本発明の検査治具の製造方法の他の実施例を工程順に示す模式構成断面図をそれぞれ示す。
本発明の検査治具の製造方法の一実施例について説明する。
まず、絶縁基材11上に導体層21が形成された材料を用意する(図1(a)参照)。
ここで、絶縁基材11はポリイミドフィルム等が、導体層21には銅箔が用いられる。
次に、導体層上に感光層を形成し、パターンニング処理してレジストパターン31を形成する(図1(b)参照)。
次に、レジストパターン31をマスクにして導体層21をエッチングして、配線層21aを形成する(図1(c)参照)。
【0010】
次に、絶縁基材11及び配線層21a上にネガ型のレジストを塗布、乾燥して第一ネガ型感光層41を形成し、露光用マスクを用いて、第一ネガ型感光層41に露光を行い、パターン露光された第一ネガ型感光層41aを形成する(図1(d)参照)。
ここで、第一ネガ型感光層41はネガ型であれば、液状のレジストを塗布したもの、ドライフィルムをラミネートしたもの、いずれでもよい。
この第一ネガ型感光層41のパターン露光によって検査電極の下部の形状が決定される。このため、後工程の現像条件にもよるが、第一ネガ型感光層41のパターン幅、露光条件はあらかじめ開口部の形状を把握した上で設定される。
【0011】
次に、パターン露光された第一ネガ型感光層41a上にネガ型のレジストを塗布、乾燥して第二ネガ型感光層51を形成し、露光用マスクを用いて、第二ネガ型感光層51に露光を行い、パターン露光された第二ネガ型感光層51aを形成する(図1(e)参照)。
ここで、第二ネガ型感光層51は第一ネガ型感光層41同様に、ネガ型であれば、液状のレジストを塗布したもの、ドライフィルムをラミネートしたもの、いずれでもよい。
このパターン露光された第二ネガ型感光層51aによって検査電極の上部の形状が決定される。このため、後工程の現像条件にもよるが、第二ネガ型感光層51のパターン幅、露光条件はあらかじめ開口部の形状を把握した上で設定される。
【0012】
次に、パターン露光された第一ネガ型感光層41a及び第二ネガ型感光層51aを現像処理し、未露光部分の感光層を除去し、開口部61を有するレジストパターン41b及びレジストパターン51bを形成する(図1(f)参照)。
ここで、パターン露光された第一ネガ型感光層41a及び第二ネガ型感光層51aの現像条件では現像を強めに、即ちオーバー現像を行うと、あらかじめ第一ネガ型感光層41と第二ネガ型感光層51のパターン幅と露光条件が設定されているため、パターン露光された第一ネガ型感光層41aと第二ネガ型感光層51aとの境界での段差を小さくすることができ、第一ネガ型感光層の開口部形状を逆テーパー状にすることができる。
【0013】
次に、配線層21aをめっき電極にして、開口部61に電解めっきを行い、検査電極71を形成する(図1(g)参照)。
ここで、検査電極71の材質としては、銅、ニッケル等が使用される。好ましい例としては、銅めっきで検査電極を形成した後に、ニッケルを下地めっきにして、金やパラジウム等のめっきを行うことがあげられる。この場合、検査電極の先端部、即ち被検査体に接触する側が、金めっきとなり、接触の信頼性が高まる。
【0014】
次に、レジストパターン41b及びレジストパターン51bを剥離処理して、絶縁基材11上に配線層21a及び検査電極71を有する検査治具を得ることができる(図1(h)参照)。
上記の工程によって検査電極の先端形状が検査電極底部よりも細い電極を形成することができる。
【0015】
本発明の検査治具の製造方法の他の実施例について説明する。
この製造方法は、導体層21が形成された絶縁基材上11にパターン露光された第一ネガ型感光層42aと第二ネガ型感光層52aを形成し、現像処理して開口部61を形成し、電解めっきにて検査電極71を形成した後、導体層21をパターニング処理して、絶縁基材11上に配線層21a及び検査電極71を形成する方法で、材料、条件は上記の実施の形態と同じなので説明は省略する。
【0016】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
まず、厚さ25μm厚のポリイミドフィルムからなる絶縁基材11に、12μm厚の銅箔を貼着し、導体層21を形成した。
次に、フォトリソグラフィとエッチング工法によって導体層21をパターニング処理して配線層21aを形成した。
【0017】
次に、絶縁基材11及び配線層21a上に20μm厚のドライフィルムレジストをラミネートして、第一ネガ型感光層41を形成し、さらに、40μm径の丸パターンを有する露光マスクを用いて、50mJ/cm2の露光量で露光し、パターン露光された第一ネガ型感光層41aを形成した。
【0018】
次に、パターン露光された第一ネガ型感光層41a上に10μm厚のドライフィルムレジストをラミネートして、第二ネガ型感光層51を形成し、さらに、10μm径の丸パターンを有する露光マスクを用いて、30mJ/cm2の露光量で露光し、パターン露光された第二ネガ型感光層51aを形成した。
【0019】
次に、パターン露光された第一ネガ型感光層41a及びパターン露光された第二ネガ型感光層51aを濃度1%の炭酸ソーダ溶液で現像処理し、未露光部の感光層を除去し、開口部61を有するレジストパターン41b及びレジストパターン51bを形成した。
【0020】
次に、配線層21aをめっき電極にして、開口部61に電解ニッケルめっきを行い、検査電極71を形成した。
次に、レジストパターン41b及びレジストパターン51bを10%の水酸化ナトリウム溶液によって剥離処理し、絶縁基材11上に配線層21a及び先端部が細くなった検査電極71を有する検査治具を得た。
【0021】
<実施例2>
まず、厚さ25μm厚のポリイミドフィルムからなる絶縁基材11に、12μm厚の銅箔を貼着し、導体層21を形成した。
【0022】
次に、導体層21上に20μm厚のドライフィルムレジストをラミネートして、第一ネガ型感光層42を形成し、さらに、40μm径の丸パターンを有する露光マスクを用いて、50mJ/cm2の露光量で露光し、パターン露光された第一ネガ型感光層42aを形成した。
【0023】
次に、パターン露光された第一ネガ型感光層42a上に10μm厚のドライフィルムレジストをラミネートして、第二ネガ型感光層52を形成し、さらに、10μm径の丸パターンを有する露光マスクを用いて、30mJ/cm2の露光量で露光し、パターン露光された第二ネガ型感光層52aを形成した。
【0024】
次に、パターン露光された第一ネガ型感光層42a及びパターン露光された第二ネガ型感光層52aを濃度1%の炭酸ソーダ溶液で現像処理し、未露光部の感光層を除去し、開口部61を有するレジストパターン42b及びレジストパターン52bを形成した。
【0025】
次に、導体層21をめっき電極にして、開口部61に電解ニッケルめっきを行い、検査電極71を形成した。
【0026】
次に、レジストパターン42b及びレジストパターン52bを10%の水酸化ナトリウム溶液によって剥離処理し、絶縁基材11上に先端部が細くなった検査電極71を形成した。
【0027】
次に、導体層21及び検査電極71の所定位置にレジストパターン32を形成し、レジストパターン32をマスクにして導体層21をエッチングして、絶縁基材11上に配線層21a及び先端部が細くなった検査電極71を有する検査治具を得た。
【0028】
【発明の効果】
本発明の検査治具の製造方法を適用することで、検査電極先端部の形状を任意に制御することができ、検査電極先端部を20μm以下の細い径にすることで半導体回路の電極がアルミの場合でも良好な接触が維持でき、信頼性の高い検査が可能な検査治具を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)は、本発明の検査治具の製造方法の一実施例を工程順に示す模式構成断面図である。
【図2】(a)〜(h)は、本発明の検査治具の製造方法の他の実施例を工程順に示す模式構成断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、従来の検査治具の製造方法の一例を工程順に示す模式構成断面図である。
【符号の説明】
11、12……絶縁基材
21……導体層
21a、22……配線層
31、32……レジストパターン
33……感光層
33a……レジストパターン
41、42……第一ネガ型感光層
41a、42a……パターン露光された第一ネガ型感光層
41b、42b……レジストパターン
51、52……第二ネガ型感光層
51a、52a……パターン露光された第二ネガ型感光層
51b、52b……レジストパターン
61、62……開口部
71、72……検査電極

Claims (2)

  1. 以下の工程を備えることを特徴とする検査治具の製造方法。
    (a)絶縁基材上に導体層が形成された材料を用意する工程。
    (b)前記導体層上に感光層を形成し、パターニング処理してレジストパターンを形成する工程。
    (c)前記レジストパターンをマスクにして前記導体層をエッチングし、前記レジストパターンを剥離して、配線層を形成する工程。
    (d)前記絶縁基材及び前記配線層上に第一ネガ型感光層を形成し、検査電極の底部を形成するための所定の径を有する第一の丸パターンのパターン露光を、前記第一ネガ型感光層に行う工程。
    (e)パターン露光された第一ネガ型感光層上に、第二ネガ型感光層を形成し、検査電極の先端部を形成するための所定の径を有する第二の丸パターンのパターン露光を、前記第二ネガ型感光層に行う工程であって、前記第二の丸パターンの径は、前記第一の丸パターンの径より小さく設定されている。
    (f)パターン露光された第一ネガ型感光層及びパターン露光された第二ネガ型感光層を現像処理し、未露光部分の感光層を除去し、開口部を有するレジストパターンを形成する工程。
    (g)前記開口部に、電解めっきにて検査電極を形成する工程。
    (h)前記レジストパターンを剥離して、前記絶縁基材上に前記配線層及び前記検査電極を有する検査治具を作製する工程。
  2. 以下の工程を備えることを特徴とする検査治具の製造方法。
    (a)絶縁基材上に導体層が形成された材料を用意する工程。
    (b)前記導体層上に第一ネガ型感光層を形成し、検査電極の底部を形成するための所定の径を有する第一の丸パターンのパターン露光を、前記第一ネガ型感光層に行う工程。
    (c)パターン露光された第一ネガ型感光層上に、第二ネガ型感光層を形成し、検査電極の先端部を形成するための所定の径を有する第二の丸パターンのパターン露光を、前記第二ネガ型感光層に行う工程であって、前記第二の丸パターンの径は、前記第一の丸パターンの径より小さく設定されている。
    (d)パターン露光された前記第一ネガ型感光層及びパターン露光された第二ネガ型感光層を現像処理し、未露光部分の感光層を除去し、開口部を有するレジストパターンを形成する工程。
    (e)前記開口部に、電解めっきを行い検査電極を形成する工程。
    (f)前記レジストパターンを剥離する工程。
    (g)前記絶縁基材上の前記導体層及び前記電極上に感光層を形成し、パターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行ってレジストパターンを形成する工程。
    (h)前記レジストパターンをマスクにして前記導体層をエッチングし、レジストパターンを剥離処理して配線層を形成し、前記絶縁基材上に前記配線層及び前記電極が形成された検査治具を作製する工程。
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