JP4288716B2 - 振動コンベア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動によって物品を移送する振動コンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
物品を直線状に移送する振動コンベアは移送面を備えたトラフを下流側へ向かって若干上向き傾斜の方向に直線振動させるものが多く、この場合、移送面上の物品は与えられるジャンプ運動を繰り返しながら下流側へ移送される。しかし、金属類の物品を移送する場合にはジャンプ運動をしてトラフの移送面へ落下する時に騒音を発したり、脆い物品を移送する場合には「割れ」や「欠け」を生じたりする。そこで、トラフを水平方向に往復させ、物品をすべり運動によって移送するレシプロコンベアがあるが、この場合、水平方向のみの振動を容易に得るために、加振源としてリニアモータを用いることが特公昭54−35395公報に開示されている。このリニアモータを加振源として用いた振動コンベアは、例えば図21乃至図22に振動コンベア1’として示されている。
【0003】
この振動コンベア1’は、リンク機構を有した複数(図においては2つ示されている)の支持体11と、これによって水平方向に振動し得るように支持されたトラフ7と、このトラフ7(このトラフは、一点鎖線で示されている)に取り付けられて、トラフ7を振動させるための加振源であるリニアモータ16’とから構成されている。そして、トラフ7内には複数の図示しない物品が点在しており、これら図22において矢印fに示すように、左方から右方へ移送される。
【0004】
なお、トラフ7を支持している支持体11は、2つの支持部12、12’と、トラフ7の底面に上端部13aが固定されている可動部13と、2つの連接部14とから構成されている。支持部12、12’は、逆L字形状をしており、その底部12b、12b’が設置面Gに設置されている。支持部12、12’の水平端部12a、12a’は、連接部14の一方の端部14a、14a’と整合し、ここにピンPを挿通して、ヒンジ部H、H’を構成している。他方、可動部13は、逆T字形状をしており、その水平端部13b、13b’は、連接部14の他方の端部14b、14b’と整合し、ヒンジ部I、I’を形成している。すなわち、ヒンジ部H、H’、I、I’が回動することにより、可動部13が一点鎖線及び二点鎖線で示すように揺動する。これにより、可動部13の上端部13aが固定されているトラフ7は、物品の移送方向f、すなわち水平方向に振動可能に支持されている。
【0005】
振動コンベア1’を加振しているリニアモータ16’は、その拡大斜視図を図23に示すが、トラフ7の底面に固着されている2次側部材17と、この2次側部材17上に、車輪18aによって支持されている1次側部材18とから構成されている。2次側部材17は、水平部17aとこの両端を支持している支持部17b、17b’とから構成され、上に開口を向けたコの字形状をしている。この水平部17aの上面には、図23に示されるように、その両側部にトラフ7の長手方向に延びている溝17aaが形成され、その中央には、磁性体でなる複数の歯17abが、物品の移送方向に直角に並んで配設されている。1次側部材18には、溝17aaを回動する車輪18aが軸に固定され、これにより1次側部材18は、所定の空隙t’を有して2次側部材17上をガイドされて摺動する。更に、1次側部材18は、コイル19a、19b、19cを巻回した3つの極U、V、Wを有し、この極U、V、Wには、図24に示すように、薄板状の永久磁石Mが3枚ずつ、同極を向けるように配設されている。なお、このコイル19a、19b、19cは、それぞれ120度ずつ、異なる3相交流が供給されている。更に、1次側部材18には、ブロック形状をした慣性体30が取付部材20を介して固着されている。すなわち、1次側部材18は、設置面Gから離れた空中に配設されている。なお、リニアモータ16’には、速度を検出するために公知のリニアエンコーダEが配設されている。なお、この従来例では、このリニアエンコーダEから求められた移動距離を時間微分することにより後述する速度Vs ”を求めている。
【0006】
次に、この振動コンベア1’の作用について説明するが、加振しているリニアモータ16’は、神鋼電機技報告の128号vol.36,No2(1991)の第86〜93頁に詳しい原理が記載されている、いわば高力密度リニアモータと呼ばれているものである。このリニアモータ16’は、例えば1次側部材18のコイル19aに、図24に示す方向に電流を流すと、この電流によって下向きの磁極が発生する。そのため極Uにおいて、永久磁石Mによって発生している下向きの磁極は強められ、それと逆向きの磁極は打ち消される。このとき、極V、Wは、極Uに対してそれぞれ120度、240度位相がずれているため、コイル19b、19cは図24に示される方向に電流が流れる。そのため、極V、Wにおいては永久磁石Mによって発生している上向きの磁極は強められ、それと逆向きの磁極は打ち消されることになる。従って、極U、V、Wにおいて、図24に示すような磁力線が発生し、すなわち磁気吸引力が2次側部材17の歯17abと1次側部材18の極U、V、Wとの間で発生し、1次側部材18が左方に移動する。
【0007】
すなわち、リニアモータ16’のコイル19a、19b、19cに、それぞれ位相差が120度ずつずれた交流を流すと、上述した作用により、極U、V、Wの順番で、代わる代わるに磁気吸引力が、歯17abと極U、V、Wとの間で発生し、これにより1次側部材18が左方に移動する。このとき、1次側部材18は車輪18aを介して2次側部材17上を摺動するため、この1次側部材18の反力を2次側部材17の水平部17aが受ける。従って、2次側部材17は、1次側部材18の移動方向と反対側の右方に移動する。すなわち、2次側部材17が取り付けられているトラフ7も、右方へと移動する。なお、このときには、トラフ7がゆっくりと移動するように、すなわちこれに反力を与える1次側部材18がゆっくり移動するように、コイル19a、19b、19cの電流値を調節する。なお、このとき、すべての支持体11は、図22において2点鎖線で示されるように揺動して、トラフ7を支えている。
【0008】
次に、極U、V、Wに与えるコイル19a、19b、19cに、逆向きに電流を与える。すなわち、極W、V、Uの順番で、代わる代わるに磁気吸引力が、2次側部材17の歯17abと1次側部材18の極U、V、Wとの間で発生する。この磁気吸引力により1次側部材18は右方に移動する。このときも、2次側部材17の水平部17aが1次側部材18の反力を受けるため、2次側部材17が取り付けられているトラフ7は、1次側部材18の移動方向と反対側の左方に移動する。このときには、トラフ7を物品の静止摩擦力に打ち勝つ力で左方に移動する(物品に対してトラフ7のみが後退する)よう、1次側部材18を素早く移動できるように、コイル19a、19b、19cの電流値を調節する。
【0009】
以上の一連の動作を繰り返すことで、すなわち、トラフ7が物品の移送方向と同じ方向に移動する際には、ゆっくりと、移動方向と反対側に移動する際には、トラフ7のみが後退するようにして、振動コンベア1’は振動し、トラフ7上の物品を右方へと移送する。
【0010】
このように、リニアモータ16’のコイル19a、19b、19cに供給される電流値を調節することにより、振動コンベア1’の振動が制御されて、トラフ7上の物品が移送されている。振動コンベア1’の上述した一連の動作は、例えば図25にブロック図として示される制御で行われている。このブロック図では、速度指令値V0 ”が供給されており、すなわち速度(これは2次側部材17に対する相対速度である)を与えることにより制御するものである。この速度指令値V0 ”にリニアモータ16’の1次側部材18の速度Vs ”に相当する信号をフィードバックし、この速度指令値V0 ”とリニアモータ16’の1次側部材18の速度Vs ”との速度偏差ΔV”が求められる。そして、この速度偏差ΔV”をゲインKd で増幅して、伝達関数KM を有するリニアモータ16’に与える電流値を定める。すなわち、ゲインKd で増幅された速度偏差ΔV”に応じた電流値を、リニアモータ16’のコイル19a、19b、19cに供給する。リニアモータ16’は、伝達関数KM を有し、これによって、リニアモータ16’の1次側部材18を加振し、すなわちトラフ7を加振する。
【0011】
しかしながら、トラフ7を加振するリニアモータ16’を駆動すると、実際には、その制御回路上で発生するオフセットノイズや外乱や積分不定項などの影響により、1次側部材18の位置が、振動コンベア1’の振動開始時の位置から徐々にずれてしまう。なおまた、これらの影響は、図25において、オフセットノイズNとして示している。
【0012】
この図25に示されるブロック図において、1次側部材18の質量mを1、1次側部材18の減衰率C=0、定数Kd を1、リニアモータ16’の伝達関数KM を1、オフセットノイズNを0.1し、図26に示すように変化する速度(これは、図25のオシロスコープ50に表れた波形であり、上述したトラフ7の運動をするために、一方向にはゆっくりと、これと反対方向には素早く設定されている。すなわち、すなわち緩やかな下向き傾斜の直線と急な上向きの傾斜の直線とで示される周期(この波形を明示するため図26の1周期を一点鎖線で囲んでいる)が繰り返されている。)を速度指令値V0 ”として与えてシミュレーションを行ったときの、1次側部材18の2次側部材17に対する位置の時間的変化を図27に示す。図27には、1次側部材18の位置は時間が増すにつれて累積できに増大しており、すなわち1次側部材18が初期位置0から徐々に一方向にずれていくことが示されている。
【0013】
ところで、図21及び図22に示されているように、トラフ7を加振しているリニアモータ16’の1次側部材18は、2次側部材17の水平部17a上を可動するように配設されている。しかしながら、2次側部材17の推力を発生する部分における移送方向fの長さL1 は有限である。このため、1次側部材18は、この長さL1 の範囲でしか可動できない。しかしながら、上述したように外乱などにより1次側部材18は段々と一方向に位置がずれていくので、振動コンベア1’を長時間、稼働させると、この長さL1 を越えて1次側部材18が駆動される。このとき、1次側部材18は2次側部材17の支持部17b、17b’に衝突し、所定の振動を得ることができなくなる。そのため、振動コンベア1が物品を安定して移送できなくなる。加えて、この衝突により、騒音を発生したり、あるいは、1次側部材18及び支持部17b、17b’が損傷を受けたりする。
【0014】
また、図28にもリニアモータ36によって加振される振動コンベア3’が示されているが、これはリニアガイドである複数の支持体31と、これに水平方向に振動可能に支持されているトラフ7と、このトラフ7を加振するするリニアモータ36から構成されている。この振動コンベア3’においては、そのリニアモータ36の1次側部材38がトラフ7に取り付けられ、その2次側部材37が弾性体40を介して設置面Gに取り付けられている。この場合においても、1次側部材38が可動する範囲、すなわち2次側部材37の推力を発生させる部分における移送方向fの長さL3 が有限であり、上述したような制御を行うと、リニアモータ36の1次側部材38が、初期位置から徐々にずれるため、結局、振動コンベア1’と同様に、安定して振動コンベア3’を駆動することができなかった。
【0015】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、前記リニアモータにより加振する振動コンベアにおいて1次側又は2次側が、常に所定の範囲でのみ可動でき、常に、所定の振動を安定して発生させることができ、トラフ上の物品を確実に移送できる振動コンベアを提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以上の課題は、少なくとも水平方向に振動して物品を移送するトラフ(例えば、本実施例の7;以下、同様)と、該トラフ(7)の底部にその1次側(28)又はその2次側(17、37)が取り付けられ、前記トラフ(7)を加振するリニアモータ(16、26、36)と、前記トラフ(7)を前記水平方向に振動し得るように支持する支持部(11、21、31)とから構成される振動コンベア(1、2、3)において、前記リニアモータ(16、26、36)の1次側及び2次側のうち推力を発生する部分における、前記物品を移送させる移送方向(f)の長さ(L1 、L2 、L3 、L4 、L5 )が大きい長尺側(17、27、37、47、58)と、前記リニアモータの1次側及び2次側のうち前記推力を発する部分における前記移送方向(f)の長さ(l1 、l2 、l3 、l4 、l5 )が小さく、前記長尺側の前記推力を発生する部分の前記移送方向(f)の両端部間に配置されている短尺側(18、28、38、48、57)とを、前記移送方向で連結し、前記移送方向に伸縮するばね(83、83’、83”、84、84’、84”、85、85’、86、86’)を配設し、該ばね(83、83’、83”、84、84’、84”、85、85’、86、86’)の復元力により、前記短尺側(18、28、38、48、57)が所定位置に戻されるようにしたことを特徴とする振動コンベアによって解決される。
【0017】
又は、以上の課題は、少なくとも水平方向に振動して物品を移送するトラフ(7)と、該トラフ(7)の底部にその1次側(18)又はその2次側(17)が取り付けられ、前記トラフ(7)を加振するリニアモータ(16’)と、前記トラフ(7)を前記水平方向に振動し得るように支持する支持部(11)とから構成される振動コンベア(1”)の駆動制御方法において、前記リニアモータの1次側及び2次側のうち推力を発生する部分における、前記物品を移送させる移送方向(f)の長さ(L1 )が大きい長尺側(18)の前記移送方向の両端部間で可動し、前記リニアモータの1次側及び2次側のうち前記推力を発する部分における前記移送方向の長さ(l1 )が小さい短尺側(17)の位置(P、XS )を検出し、該位置(P、XS )と位置指令値(P0 、X0 )との偏差(ΔP、ΔX)を求め、該偏差(ΔP、ΔX)を所定の第1ゲイン(KP 、K3 )で増幅した後、フィードバックして、前記1次側(18)のコイル(19a、19b、19c)に供給される電流値を、前記位置(P、XS )に基づいて定めることにより制御することを特徴とする振動コンベア(1”)の駆動制御方法によって解決される。
【0018】
このような構成にすることにより、振動コンベアを加振するリニアモータの1次側及び2次側のうち移送方向の長さが小さい短尺側は、常に、ある範囲を有する所定の位置で振動するので、リニアモータの1次側と2次側が衝突することなく、常に安定して振動を行うことができる。また、1次側と2次側が衝突することがないので、騒音の発生及び損傷を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明では、少なくとも水平方向に振動できるように支持され、リニアモータによって加振されるトラフを有した振動コンベアにおいて、リニアモータの1次側及び2次側のうち推力を発生する部分における、物品の移送方向の長さが大きい長尺側と、この長尺側の移送方向の両端部間に配設される短尺側とを、移送方向で連結し、かつ移送方向に伸縮するばねを配設し、このばねの復元力により、前記短尺側が所定位置に戻されるようにする。すなわち、図15のA、Bに記載されているように、少なくとも水平方向に振動できるように支持部61、61’に支持されたトラフ60、60’の底部に、リニアモータ62、62’の1次側又は2次側を取り付け、その1次側と2次側のうち、推力を発生させる部分における移送方向の長さが大きい長尺側63、63’と、この長尺側63、63’の両端部間に配設される短尺側64、64’とを、その移送方向で連結し、その方向に伸縮するばね65’を配設する。これによって、リニアモータ62、62’を駆動した場合に、短尺側の位置が大きくずれようとしても、ばね65の復元力によって、短尺側64、64’は、長尺側の所定の位置に戻される。すなわち、リニアモータの短尺側は、常に、所定の位置を中心として振動する。そのため、短尺側が長尺側の長さを越えて駆動されることがないので、すなわち短尺側と長尺側が衝突することないので、常に、安定して振動コンベアはリニアモータにより加振される。従って、常に、所望の振動により振動コンベアが振動されるので、トラフ上の物品を確実に移送方向に移送することができる。また、短尺側と長尺側が衝突することなくいので、従来、衝突によって発生していた騒音や損傷を未然に防ぐことができる。
【0020】
なお、図15のBは、トラフ60’を加振するリニアモータ62’の1次側及びこれと空隙’をおいて対向している2次側の一方62’をトラフ60’に取り付け、他方63’を設置面Gに配設した振動コンベア69’を示し、図15のAはトラフ60に取り付けられている1次側及び2次側の一方63に、他方62を係合させて、この他方62を中空に配設した振動コンベア69を示している。この図15のAで、他方62を中空に配設することにより、トラフ60を加振する際に発生するリニアモータ62の反力を低減させている。なお、図15のBにおいても、リニアモータ62の反力を低減させるには、リニアモータ62’の他方63’を、防振材又は弾性材料を介して設置面Gに配設することよい。
【0021】
更に、図15のAに示すように、1次側及び2次側の他方63を中空に配設した場合には、他方に慣性質量が固着されており、他方が一方に吊り下げられているように配設するとよい。これにより、短尺側の質量が増大するので、短尺側の可動範囲を小さくすることができる。また、この所定の位置は、長尺側の移送方向の両端部の中央とするのが好ましい。
【0022】
更に、ばねが自然状態のときに、短尺側が所定の位置となるように配設するのが好ましい。このようにすれば、図9乃至図11に示すように配設するばねは1つだけでよく、この場合、複数のばねを配設する場合よりも、取り付けが容易である。
【0023】
又、本発明は、図16に示すように、少なくとも水平方向に振動できるように支持され、リニアモータで加振される振動コンベアにおいて、リニアモータの1次側及び2次側のうち推力を発生する部分における、物品の移送方向の長さが大きい長尺側の移送方向の両端部間で可動し、推力を発生する部分の1次側と2次側との相対位置XS を検出し、この位置XS と位置指令値X0 との偏差ΔXを求め、この値ΔXを所定の第1ゲインK1 で増幅してた後、フィードバックし、これにより1次側のコイルに供給される電流値e1 を定めて、これを出力e0 としてリニアモータを制御する。これは、いわば、振動コンベアの制御系に、いわば、図16に一点鎖線で示すようなばね定数kが加わった状態と同じになる。そのため、リニアモータを駆動した場合には、短尺側の位置が大きくずれようとしても、短尺側は所定の位置に戻される。すなわち、リニアモータの短尺側は、長尺側のある範囲のみ振動することになる。そのため、短尺側が長尺側の長さを越えて駆動されることがなく、1次側と2次側が衝突することがない。そのため、振動コンベアは、常に、安定して所定の振動でリニアモータにより加振される。従って、トラフ上の物品を確実に移送方向に移送することができる。また、短尺側が長尺側の長さを越えて駆動されることがないので、1次側と2次側が衝突することなく、そのため、衝突によって発生していた騒音や損傷を未然に防ぐことができる。
【0024】
なお、リニアモータの構造上、1次側及び2次側は、所定の空隙(後述する実施例ではt’s’s”で示されている)をおいて配設されており、この空隙を保つために、例えば図1乃至図4においては車輪18aが短尺側である1次側部材18に設けられている。このため、短尺側は、車輪18aの摩擦力や空気抵抗などにより、厳密には、短尺側は、図16に示すように、減衰率Cを有している。しかしながら、この値は、ごく小さいものであり、通常、無視し得るものである。そのため、例えば指令信号に混入される外乱の種類によっては、図16に示す制御系、すなわち位置フィードバックにより制御される制御だけでは、振動が発散する恐れがある。そこで、これをも防止するには、図17及び図18に示すような振動コンベアに大きな減衰率Cを加えたような構造となるように制御とすることが好ましい。すなわち、図17で示すように、短尺側の速度VS ’を検出し、この速度VS ’と速度指令値V0 ’とを比較して、速度偏差ΔV’を求め、この速度偏差ΔV’を所定の第2ゲインK2 で増幅した値e2 を、位置XS から求められた値e1 と同様にフィードバックして、前記リニアモータが発生するコイルに供給される電流値e0 を定めて、リニアモータを制御するか、又は図18で示すように、短尺側の加速度αを検出し、この加速度αと、加速度指令値α0 とを比較して、加速度偏差Δαを求め、この加速度偏差Δαを所定の第2ゲインK2 ’で増幅した値e2 ’として、位置Xs から求められた値e1 と同様にフィードバックして、前記リニアモータが発生するコイルに供給される電流値e0 ”を定めて、リニアモータを制御する。
【0025】
また、例えば、回路上に発生するオフセットノイズの影響などにより、図14のように定常状態において、位置指令値を中心とせずに、位置指令値からずれ量ΔXf ずれた位置XA を中心として振動することがある。この場合には、図17及び図18に一点鎖線で示すように、偏差ΔXを積分した値を所定の第3ゲインK3 で増幅して値e13とし、これをフィードバックして、前記リニアモータに供給される電流値を定めるようにすると、そのずれ量ΔXf をごく小さいものとすることができるので、好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例につき、図面を参照して説明するが、上記従来例と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0027】
図1には、第1実施例の振動コンベア1の斜視図が示されており、図2は、その正面図である。本実施例の振動コンベア1は、図21及び図22に示した振動コンベア1’とほぼ同様な構造をしており、リンク機構を有した複数(図においては2つ示されている)の支持体11によって支持されたトラフ7と、このトラフ7に取り付けられて、トラフ7を振動させるための加振源であるリニアモータ16とから構成されている。そして、トラフ7内には複数の図示しない物品が点在しており、これら図1、図2において矢印fに示すように、左方から右方へ移送される。なお、図1のトラフ7は、リンク機構を有した支持体11及びリニアモータ16の構造が明示されるように、一点鎖線で示している。
【0028】
本実施例のリニアモータ16は、その拡大斜視図が図3に、拡大正面図が図4に示されているが、図21に示される従来の振動コンベア1’のリニアモータ16の構成に、ばね83、84を配設したものである。その詳細は、図4に示されているが、2次側部材17の支持部17b、17b’に対向する1次側部材18の側面18cに、孔81aを有する止め金81が設けられている。同様に、1次側部材18の側面18cに対向する支持部17b、17b’の側面17ba、17ba’にも、孔82aを有する止め金82が設けられている。更に、この止め金81、82の間に、ばね83、84がそれぞれ掛着されている。すなわち、ばね83、84は、移送方向fに伸縮可能に設けられており、1次側部材18に力が何ら作用しない場合には、これらの付勢力が釣り合うことによって、図4に示すように、1次側部材18が支持部17b、17b’の中間位置となるように設定されている。なお、本実施例では、1次側部材18のリニアモータ16の推力を発生させる部分における移送方向fの長さl1 が、2次側部材17のリニアモータ16の推力を発生させる部分における移送方向fの長さL1 より小さくなっている。
【0029】
本実施例では、上述した従来例と全く同様にリニアモータ16が駆動されて、トラフ7が振動するのであるが、従来例のように、1次側部材18が、振動の1周期が終了した際にとる位置が、この振動開始時の位置よりもずれる場合には、例えば、その位置が支持部17b、17b’の中間地位から支持部17b’の方向にずれた場合(すなわち図2に示される場合)には、ばね83、84が釣り合っている状態から、ばね83は伸ばされ、ばね84は圧縮される。そのため、1次側部材18には、このばね83、84の復元力が加わり、上述した所定の位置に戻される。本実施例では、結局、1次側部材18は、常に、支持部17b、17b’の中間位置を中心とし、そこから所定の範囲内で振動する。従って、所定の振動によりトラフ7を加振することができ、安定して、トラフ7上の物品を移送することができる。
【0030】
次に、本発明の第2実施例の振動コンベア2について説明するが、上記実施例と同様な部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0031】
本実施例の振動コンベア2では、図5にその斜視図が、図6にその正面図が示されている。本実施例の振動コンベア2は、上記実施例の支持体11の代わりに、図5示すような複数の支持体21が、リニアモータ16の代わりにリニアモータ26が設けられているものである。なお、図5においても、支持体21及びリニアモータ26を明示するため、トラフ7を一点鎖線で示している。
【0032】
支持体21は振子機構を有しており、トラフ7の左右に対で、複数対、配設されている。この支持体21は、底部22aを有した逆V字形状の支持部22と、トラフ7にピンP”によって固定され、支持部22の頂点にピンP’を挿通することにより揺動可能に吊下されている揺動板23とから構成されている。
【0033】
他方、図6に示すように、リニアモータ26は、トラフ7の底面に固着されている1次側部材28と、この1次側部材28に挿通している2次側部材27とから構成されている。リニアモータ26は、図7にその拡大正面図が示されており、図8には図7における[8]−[8]線方向の断面図が示されているが、1次側部材28は、その水平部28aと、この両端を支持している支持部28b、28b’とから構成され、上に開口を向けたコの字形状をしている。なお、支持部28b、28b’の上面は、トラフ7に固着されているが、これらは、移動方向に対して平行に配設されている。また、支持部28b、28b’の内部に、それぞれ、コイル19a、19b、19cを巻回した3つの極U、V、Wが形成されている。1次側部材28の水平部28aには、非磁性体でなるローラ29aが、図8に示すように、その上部が水平部28aから突出するように埋設され、2次側部材27を摺動可能に支持している。すなわち、本実施例においては、2次側部材27が設置面Gから離れた空中に配設されている。2次側部材27は、トラフ7の長手方向に延びたほぼ直方体形状をしており、トラフ7上の物品の移送方向と平行な2つの側面27aには、その上部及び下部に、車輪29bが嵌合する溝27aaが設けられている。なお、この車輪29bは、取付部8に上端部を保持している軸9によって軸支されている。そして、その中央には、磁性体でなる複数の歯27abが、極U、V、Wに対向するように形成されている。なお、歯27abと極U、V、Wとの間は、車輪29bが溝27bに嵌合することにより、空隙s’が設けられている。なおまた、本実施例では、1次側部材28のリニアモータ26の推力を発生させる部分における移送方向fの長さl2 が、2次側部材27のリニアモータ26の推力を発生させる部分における移送方向fの長さL2 より小さくなっている。
【0034】
更に、2次側部材27には、その両側部に取付部材20’、20”が設けられ、これには、更に、例えば金属のブロックでなる慣性体30’が固定されている。また、1次側部材28の水平部28aの、取付部材20’、20”に対向する面28baには、図7で示すように、止め金81がそれぞれ2つ並設されている。また、取付部材20’、20”の面28aaと対向する面20a’、20a”にも止め金82が、それぞれ2つ並設されている。更に、これら止め金81、82にばね83’、84’がそれぞれ2つ並設されている。すなわち、このばね83’、84’は、上記第1実施例のばね83、84と同様に、トラフ7上にある物品の移送方向fにのみ伸縮し、推力が発生している場合には、釣り合って、1次側部材28を、長さL2 の2次側部材27の中間位置に保っている。
【0035】
本実施例の作用は、リニアモータ26に発生する推力によって2次側部材27が振動し、これと同時にトラフ7が振動され、その反力により1次側部材28が可動するが、移送方向にはゆっくりと、その方向とは反対方向には素早く振動させることによりトラフ上の物品を移送することは上記第1実施例と同様である。加えて、1周期の振動が終了して、1次側部材28が、その振動が開始される前の位置からずれるような位置に停止しようとすると、例えば、取付部20’の方向に1次側部材28が、その位置を変えようとするときには、ばね83’が2つとも伸ばされ、かつばね84’が2つとも圧縮される。このばね83’及びばね84’の復元力により、リニアモータ26は、振動を開始する前の位置に戻される。従って、本実施例では、1次側部材28は、取付部29’、29”の中間位置を中心として振動することになる。従って、1次側部材28が取付部20’、20”に衝突することはなく、常に、リニアモータ26により所定の振動を発生することができる。そのため、トラフ7は所定の振動で加振されるので、確実に、トラフ7上の物品を移送することができる。
【0036】
次に、本発明の第3実施例について、図9乃至図11を参照して説明するが、上記実施例と同一の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0037】
本実施例の振動コンベア3では、図9にその斜視図が、図10にその正面図が示されている。本実施例の振動コンベア3は、上記実施例の支持体11、21の代わりに、図9及び図10に示すような複数の支持体31が、リニアモータ16、26の代わりにリニアモータ36が設けられているものである。なお、図9においても、支持体31及びリニアモータ36を明示するため、トラフ7を一点鎖線で示している。
【0038】
本実施例の支持体31は、リニアガイドであり、これは、地面に配設された固定部32と、保持部35によって囲まれて回動可能な複数のボール34と、この上方に、図示しない直動機構を介して摺動可能に配設されている可動部33とから構成されている。可動部33の底面にはこのために例えば凵字形状の直線的な凹所が形成されており、ボール34はこれにより左右に姿勢保持され転動自在となっており、例えば回転しやすいようにグリース等を供給するようにしてもよい。
【0039】
本実施例のリニアモータ36は、その拡大正面図を図11に示すが、トラフ7に固定されている1次側部材38と、弾性材料である防振ゴム40を介して設置面に固定されている2次側部材37とから構成されている。1次側部材38は、導体でなるほぼ直方体形状をしており、その上面38aはトラフ7に取り付けられている。その下部には、上記第1実施例の1次側部材18と同様に、それぞれ、コイル19a、19b、19cを巻回した3つの極U、V、Wが形成されている。他方、2次側部材37は、その中央に1次側部材38を摺動可能に遊嵌している断面が長方形の孔37aが設けられている。すなわち、孔37aは、側壁部37sと、前壁部37c、後壁部37dによって囲まれている。この孔37aの底部37bには、移送方向fに直角に並んで複数の歯37abが、1次側部材38に対向するように設けられている。なお、この歯37abと1次側部材38との間には、非磁性体でなる車輪38aによって、空隙s”が設けられている。
【0040】
更に、2次側部材37の前壁部37cの孔37a側の面37caには、孔82a’を有した止め金82’が固着されている。そして、この面37caと対向する1次側部材38の面38cには、孔81a’を有した止め金81’が固着されている。この孔82a、81aにそのフック部84a”が嵌着するように、ばね84”が配設されている。このばね84”は、トラフ7の振動方向、すなわち移送方向fに伸縮可能であり、その自然状態のときに、図11に示されるように、1次側部材38が前壁部37c、後壁部37dの中間位置を取る。なお、本実施例では、1次側部材38のリニアモータ36の推力を発生させる部分における移送方向fの長さl3 が、2次側部材37のリニアモータ36の推力を発生させる部分における移送方向fの長さL3 より小さくなっている。
【0041】
本実施例の振動コンベア3は、以上のように構成されるが、本実施例は、上記第1実施例と同様な作用を行う。すなわち、1周期の振動が終了して、2次側部材37が、振動が開始される前の位置からずれるような場合に、例えば、図10に示すような後壁部37dの方向にずれた位置となろうとする場合には、ばね84”は図11に示される自然状態から伸ばされた状態となる。また、これと反対方向にずれた位置になろうとする場合には、ばね84”は自然状態から圧縮された状態となる。このばね84”の復元力により、1次側部材38は図11に示すような前壁部37c、後壁部37dの中間位置に戻される。従って、本実施例では、1次側部材38は、この前壁部37c、後壁部37dのほぼ中間位置を中心として振動することになる。すなわち、常に、所定の範囲内で、1次側部材38は振動するので、2次側部材37の長さL3 を越えて駆動されることがない。従って、1次側部材38が2次側部材37の前壁部37c、後壁部37dに衝突することなく、常に、リニアモータ26によりトラフ7が、安定して所定の振動を行うことができる。従ってトラフ7上の物品を、確実に移送することができる。また、1次側38と2次側37とが衝突することにより発生していた騒音や損傷を防止することもできる。
【0042】
次に、本発明の第4実施例について、図12又は図13を参照して説明するが、上記実施例と同一な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施例の振動コンベアは、全体として1”として示されており、この振動コンベア1”は従来例の振動コンベア1’とほぼ同じ構成を有しているが、その制御は、振動コンベア1’と異なっている。なお、図13は、図12のリニアモータ16’を運動方程式で示したブロック図である。この制御系は、リニアエンコーダEにより、リニアモータ16’の1次側部材18の2次側部材17に対する位置(すなわち変位)Pを検出し、これを時間積分することにより(2次側部材17に対する相対的な)速度VS を検出している。検出された速度VS は、速度指令値V0 (これも2次側部材17の相対速度として与えられる)と比較されて、その速度偏差ΔVが求められる。これがゲインKc で増幅された値eV がフィードバックされる。一方、検出された位置P(これは2次側部材17に対する相対位置)は位置指令値P。(これも2次側部材17に対する相対位置として与えられる)と比較して、その偏差ΔP’が求められた後、この偏差ΔP’をゲインKP で増幅し値eP がフィードバックされる。そして、これら値eV 、eP を加算して、リニアモータ16’のコイル19a、19b、19cにそれぞれ与える電流値を定めるための指令信号値eが求められる。理想的には、これがリニアモータ16’のコイル19a、19b、19cに伝達されるのであるが、実際には、この指令信号値eに、例えば制御回路上のノイズなどのオフセット外乱Dが加わったものが、リニアモータ16’に入力される。リニアモータ16’は、伝達関数KM を有しており、これにより、リニアモータ16’の1次側部材18が可動する。
【0044】
図13に示す制御系を用いて、シミュレーションを行った結果を、図14に示す。このシミュレーションでは、図13に示されるブロック図において、リニアモータ16’の伝達関数KM =1、リニアモータ16’の1次側部材18の質量を1、位置指令値を0、速度指令値を図26に示す波形とし、更に、オフセット外乱Dを0.1と設定した。図14に示しされているように、リニアモータ16’の1次側部材18の位置は、位置0から正の方向にずれ量ΔXf ずれたXA を中心として、約±0.8の範囲で可動する。
【0045】
このように、本実施例によれば、従来の振動コンベア1’の制御方法を変えるだけで、1次側部材18を所定(範囲)の位置で可動することができる。従って、リニアモータ16’の推力を発生する部分の移送方向fにおける長さl1 が小さい1次側部材18が、2次側部材17の長さL1 を越えて可動することはなく、1次側部材18と2次側部材17とが衝突することがない。そのため、リニアモータ16’は、常に所定の振動を発生することができ、確実にトラフ7を加振することができる。従って、トラフ7上の物品は、確実に安定して移送方向fへと搬送することができる。
【0046】
以上、本発明の各実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0047】
例えば、以上の実施例では、リニアモータとして、高力密度リニアモータの駆動原理を有するリニアモータ16、26、36を使用したが、勿論、他のリニアモータ、例えば公知のリニアインダクションモータやリニアパルスモータなどを用いてもよい。また、上記実施例では、リニアモータ16、26、36の1次側部材18、28、38と2次側部材17、27、37との間に、所定の空隙t’s’s”を設けるように、その間に、例えば車輪18a、29bを配設したが、例えば図19に示すように、トラフ7に設けられた歯47abを有する2次側部材47の側部の上面に溝47bを設け、ここに、コイル19a、19b、19cを有した1次側部材48の逆L次形状を有したアーム部48dを係合させることによって、所定の空隙g”を保つようにしたリニアモータ48としてもよい。なお、このリニアモータ46にばね88を設ける場合には、2次側部材47の移送方向fの端部にストッパ部材49を設け、これと、1次側部材48とに掛着するようにすればよい。
【0048】
また、上記第1実施例乃至上記第3実施例では、コイル19a、19b、19cを有する1次側部材18、28、38が短尺側であったが、必ずしも1次側部材が短尺側であると限定される必要はない。例えば、図20に示すように、位相差が120度ずつずれたコイル19a、19b、19cを巻回しているU極、V極、W極の対を、複数対(図20においては3対)配設した1次側部材58を長さL5 を有する長尺側として、これに対向するように、移送方向fに直角に並んだ導体でなる歯57abを複数、形成した長さl5 を有する2次側部材57を短尺側としたリニアモータ56としてもよい。この場合でも、1次側部材58と2次側部材57とを移送方向fに連結するばね89を設ける。
【0049】
また、上記第1実施例及び上記第2実施例のリニアモータ16、26では、トラフ7に固定されていない1次側部材18又は2次側部材27に、取付部材20、20’、20”と慣性体30、30’とを設けた。上記実施例では、この取付部材20、20’と慣性体30、30’を設けることにより、リニアモータ16、26の発生する推力によって1次側部材18又は2次側部材27に生じる加速度αを小さくして(運動の第2法則より)、1次側部材18又は2次側部材27が、2次側部材17又は1次側部材28に対してほとんど動かないようにしている。しかしながら、1次側部材18又は2次側部材27の質量が充分に大きい場合には、取付部材20、20’、20”及び慣性体30、30’を設けずともよい。
【0050】
また、上記第1実施例乃至第3実施例では、ばね83、83’、84、84’、84”を止め金81、81’、82、82’を用いて、すなわち掛着して配設したが、ばねは移送方向で短尺側と長尺側、すなわち1次側と2次側とを連結し、移送方向も伸縮できるのであれば、どのように配設してもよい。例えば、図20に示すように、1次側部材58に孔58hを設け、2次側部材57に孔57bを設け、ここに介在するようにばね89を設けるようにしてもよい。
【0051】
更に、上記第4実施例では、構造的には従来例の振動コンベア1’と全く同じ構造の振動のコンベア1”を用いて説明したが、他の振動コンベアについても、例えば、図28に示される振動コンベア3’や上記第1実施例乃至第3実施例で説明した振動コンベア1、2、3についても、上記第4実施例で説明した制御を用いるようにしてもよい。短尺側と長尺側とを移送方向に連結し、この方向に伸縮するばね83、83’、83”、84、84’、84”を配設した振動コンベアに上記第4実施例で説明した制御を用いる際には、いわばこのばね83、83’、83”、84、84’、84”により、制御系の位置フィードバックゲインである第1ゲインが大きくなった状態と同じとなるので、そのフィードバッックされるゲインは、この制御を行わない場合より小さくてよい。
【0052】
また、上記第4実施例では、短尺側である1次側18の位置P及び速度VS を検出するために、公知の磁気センサを具備したリニアエンコーダを用いた。短尺側の位置や速度(又は加速度)は、他の方法、例えば光センサを具備したリニアエンコーダで検出してもよいし、また、車輪の回転数から位置や速度を検出してもよいし、また超音波を用いて検出してもよい。
【0053】
また、上記第1実施例ではトラフ7を支持する支持体11としてリンク機構を持つもの、上記第2実施例では、トラフ7を支持する支持体21として振子機構を持つもの、上記第3実施例ではトラフ7を支持する支持体31としてリニアガイドを用いたが、上記実施例の支持体11、21、31は例示であり、その他、トラフ7が水平方向に振動可能で、垂直方向にはほとんど振動しないように支持できる支持体であればどのようなものでもよく、例えば、本願出願人が先に出願した特願平8−15607号に記載されている支持機構であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による振動コンベアによれば、常に、トラフを加振するリニアモータの1次側又は2次側のうち、推力を発生する部分における、物品の移送方向の長さが大きい長尺側の移送方向の両端部間に配設される短尺側が、その長尺側の長さを越えて駆動されることはないので、短尺側が長尺側に衝突することはない。そのため、リニアモータは確実にトラフを所定の振動で加振することができ、確実に、物品を移送することができる。また、衝突しないので、従来、衝突のために生じていた騒音や、リニアモータの損傷などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による振動コンベアの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例による振動コンベアの正面図である。
【図3】本発明の第1実施例による振動コンベアに用いたリニアモータの拡大斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例による振動コンベアに用いたリニアモータの拡大正面図である。
【図5】本発明の第2実施例による振動コンベアの斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例による振動コンベアの正面図である。
【図7】本発明の第2実施例による振動コンベアに用いたリニアモータの拡大正面図である。
【図8】図7における[8]−[8]線方向の断面図である。
【図9】本発明の第3実施例による振動コンベアの斜視図である。
【図10】本発明の第3実施例による振動コンベアの正面図である。
【図11】本発明の第3実施例による振動コンベアに用いたリニアモータの拡大正面図である。
【図12】本発明の第4実施例による振動コンベアのブロック図である。
【図13】本発明の第4実施例においてシミュレーションを行ったモデルのブロック図である。
【図14】図13に示すブロック図において、位置フィードバックループのゲインを1とし、0.1の外乱が入力されたときの、リニアモータの短尺側の位置の時間的変化を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態による振動コンベアの模式図であり、Aは、リニアモータの1次側及び2次側の一方をトラフに取り付け、この一方に他方を釣り下げた状態を示し、Bは、リニアモータの1次側及び2次側の一方をトラフに取り付け、他方を設置面に配設した状態を示す。
【図16】本発明の実施の形態による振動コンベアの第1の駆動制御を示すブロック図であり、短尺側の位置をフィードバックして、指令信号を発生している状態を示している。
【図17】本発明の実施の形態による振動コンベアの第2の駆動制御を示すブロック図であり、短尺側の位置と短尺側の速度をフィードバックして、指令信号を発生している状態を示している。
【図18】本発明の実施の形態による振動コンベアの第3の駆動制御を示すブロック図であり、短尺側の位置と短尺側の加速度をフィードバックして、指令信号を発生している状態を示している。
【図19】本発明の振動コンベアに用いられるリニアモータの第1の変形例である。
【図20】本発明の振動コンベアに用いられるリニアモータの第2の変形例である。
【図21】従来例の振動コンベアの斜視図である。
【図22】従来例の振動コンベアの正面図である。
【図23】従来例の振動コンベアに用いたリニアモータの拡大斜視図である。
【図24】従来例の振動コンベアに用いたリニアモータの拡大正面図である。
【図25】従来例の振動コンベアのブロック図である。
【図26】図25に示されるブロック図において与えられる速度指令値の時間的変化を示す図である。
【図27】図25に示されるブロック図においてノイズを0.1として与えたときの短尺側の位置の変化を示す図である。
【図28】他従来例の振動コンベアの斜視図である。
【符号の説明】
1 振動コンベア
1” 振動コンベア
2 振動コンベア
3 振動コンベア
7 トラフ
11 支持体
16 リニアモータ
16’ リニアモータ
17 2次側部材
17ab 歯
18 1次側部材
19a コイル
19b コイル
19c コイル
20 取付部材
20’ 取付部材
20” 取付部材
21 支持体
26 リニアモータ
27 2次側部材
27ab 歯
28 1次側部材
30 慣性体
30’ 慣性体
31 支持体
36 リニアモータ
37 2次側部材
37ab 歯
38 1次側部材
40 防振ゴム
60 トラフ
60’ トラフ
61 支持部
61’ 支持部
62 短尺側
62’ 短尺側
63 長尺側
63’ 長尺側
65 ばね
65’ ばね
69 振動コンベア
69’ 振動コンベア
83 ばね
83’ ばね
83” ばね
84 ばね
84’ ばね
84” ばね
88 ばね
89 ばね
e 指令信号値
0 出力
0 ’ 電流値
0 ” 電流値
1
13
2
2 ’ 値
13
P
V
f 物品の移送方向
空隙
g’ 空隙
g” 空隙
1 第1ゲイン
2 第2ゲイン
2 ’ 第2ゲイン
3 第3ゲイン
C ゲイン
P ゲイン
1 長尺側の長さ
2 長尺側の長さ
3 長尺側の長さ
4 長尺側の長さ
5 長尺側の長さ
1 長尺側の長さ
2 長尺側の長さ
3 長尺側の長さ
4 長尺側の長さ
5 長尺側の長さ
P 短尺側の位置
0 位置指令値
’ 空隙
” 空隙
’ 空隙
S 短尺側の位置
0 位置指令値
S 短尺側の速度
S ’ 短尺側の速度
0 速度指令値
0 ’ 速度指令値
α 短尺側の加速度
α0 加速度指令値
ΔP 偏差
ΔX 偏差
ΔV 速度偏差
ΔV’ 速度偏差
Δα 加速度偏差

Claims (3)

  1. 少なくとも水平方向に振動して物品を移送するトラフと、該トラフの底部にその1次側又はその2次側が取り付けられ、前記トラフを加振するリニアモータと、前記トラフを前記水平方向に振動し得るように支持する支持部とから構成される振動コンベアにおいて、前記リニアモータの1次側及び2次側のうち推力を発生する部分における、前記物品を移送させる移送方向の長さが大きい長尺側と、前記リニアモータの1次側及び2次側のうち前記推力を発する部分における前記移送方向の長さが小さく、前記長尺側の前記推力を発生する部分の前記移送方向の両端部間に配置されている短尺側とを、前記移送方向で連結し、前記移送方向に伸縮するばねを配設し、該ばねの復元力により、前記短尺側が所定位置に戻されるようにしたことを特徴とする振動コンベア。
  2. 請求項1に記載の振動コンベアであって、
    前記トラフに固定された前記リニアモータの1次側及び2次側の一方と所定の空隙をおいて対向している前記リニアモータの1次側及び2次側の他方が、設置面に配設されていることを特徴とする振動コンベア。
  3. 請求項2に記載の振動コンベアであって、
    前記リニアモータの1次側及び2次側の他方が、防振材又は弾性体を介して、前記設置面に配設されていることを特徴とする振動コンベア。
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