JP4286625B2 - 電子顕微鏡による試料観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子顕微鏡に係り、特に電子レンズの焦点及び電子線の非点収差の自動調整を行うことができる電子顕微鏡に関する。
従来の電子顕微鏡においては、試料拡大像の視野の観察、計測、分析、検索にはオペレータが直接試料拡大像を見ながら焦点合わせ、非点収差合わせを行う方法が取られてきた。焦点と非点収差の関係は、焦点補正が試料の高さ方向(これをZ方向とする)の調整であるのに対し、非点収差補正は試料の0°、90°方向の非点収差(X方向)、及び試料の45°、135°方向の非点収差(Y方向)の調整であり、3方向の調整を行わなければならない。すなわち、焦点補正のみを行っても、非点収差が残っていると、試料拡大像は像ぼけが生じ像質の劣化や分析位置の精度を欠いてしまう。オペレータが焦点、非点収差を調整する場合、試料拡大像を見ながら、焦点ずれ、非点収差のずれを識別して行ってきた。焦点補正は一般に電子レンズである対物レンズコイルの励磁電流を変化させて行い、非点収差補正は非点収差補正コイルに励磁電流を与えて行ってきた。
自動的に焦点補正を行う方法は、特開昭61−281446号公報が挙げられるが、この方法は電子線の偏向傾斜により焦点補正を行う方法で、非点収差補正を行うことができず、また電子線が試料を透過することが条件となっている。
Ultramicroscopy 49(1993), pp95-108においてCCDカメラを用いた焦点合わせ、非点収差合わせの方法が論じられているが、この方法は試料が非晶質の薄膜に限定されてしまい、動作する倍率も非晶質構造が顕在化する高い倍率に限定されていた。
特開2001−68048号公報や、特許第3021917号公報では、自動的に焦点合わせ、非点収差補正に関する方法を挙げているが、この方法では非点補正動作を述べているが、非点隔差量を定量的に判定することや、非点補正が確実に完了しているか定量的に判断することができないため、オペレータの操作技能のレベルに依存するものであった。
特開昭61−281446号公報 特開2001−68048号公報 特許第3021917号公報 Ultramicroscopy 49(1993), pp95-108
本発明が解決しようとする第1の課題は、従来オペレータの手を介して行っていた焦点補正と非点収差補正を自動化することである。図2は非点収差の原理を説明する図である。非点収差は、電子レンズを形成する磁場が回転対称にならず、図2に示すように電子線のX軸方向とY軸方向の焦点距離が異なるために発生する。非点収差の発生原因としては、電子レンズの機械的工作精度、試料や試料台の帯電、不均一性、絞り穴の真円度や汚れに伴う帯電などが挙げられる。非点収差が存在すると、電子線の断面が真円ではなく図2のa1やa3に示すように楕円状になり、試料拡大像はa1′やa3′のような伸びた像となる。非点収差の補正は、非点収差補正コイルに励磁電流を与えて電子線断面の伸びを補正し、真円の電子線に整形することである。ところが、焦点が大幅にずれている状態で非点収差を補正しようとしても、試料拡大像の濃淡コントラストが小さく、非点収差補正方向の判別が非常に難しくなる。一方、非点収差が大きく存在する状態で焦点補正を行う場合にも、同様に像の濃淡コントラストが低下しており、正焦点位置の判定が困難になる。すなわち、焦点補正のみを行っても、非点収差が残っていると、試料拡大像は像ぼけが生じ像質の劣化や分析位置の精度を欠いてしまう。オペレータが調整する際には、焦点とX方向非点収差、Y方向非点収差の三者の調整を、濃淡コントラストを判定しながら行わなければならず、煩雑で経験の少ないオペレータには調整しにくいものであった。そこで、本発明は、高精度かつ自動的に焦点補正及び非点収差補正を行うことのできる電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明が解決しようとする第2の課題は、非点収差が大きい場合に、画像ぼけが大きく画像鮮鋭度が十分に得られない問題である。電子顕微鏡の電子光学条件が変更になった場合など、非点収差が大きく異なる場合には画像のぼけが大きく、非点収差補正、焦点補正のいずれの調整も追いつかない場合がある。そこで、本発明は、適切な非点収差補正値を見出し、自動的に焦点補正、非点収差補正を行う電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明が解決しようとする第3の課題は、自動焦点補正や自動非点収差補正を行う電子顕微鏡で、正焦点位置に対物レンズコイル電流や非点収差補正コイル電流を調整する際に、レンズコイルに用いられている強磁性体のヒステリシスのために正焦点位置に適切に合わせられない問題である。また、画像撮像の高速化とS/N向上のために画像履歴平均積算フィルタを用いた場合に、過去の情報が画像に重畳されるために補正電流にずれが生じる問題である。そこで本発明は、ヒステリシスの影響を受けずに、適切な対物レンズコイル電流や非点収差補正コイル電流を与えることができる電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明が解決しようとする第4の課題は、自動焦点補正や自動非点収差補正を行う電子顕微鏡で、焦点ずれや非点収差の存在による試料拡大像の濃淡コントラストの低下により、正しい焦点補正位置、非点収差補正位置に合わせられない問題である。そこで、本発明は、焦点ずれや非点収差のために画像の濃淡コントラストが低くても、適切な対物レンズコイル電流や非点収差補正コイル電流を与えることができる電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明が解決しようとする第5の課題は、自動非点収差補正を行う電子顕微鏡で、自動非点収差補正を実施しようとする際に、現在の非点収差量をオペレータは認識することができないため、非点補正検索範囲を毎回オペレータが設定し決定しなければならないという問題である。そこで、本発明は、自動非点収差補正を行う際に、適切な非点補正検索範囲を与えることができる電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明が解決しようとする第6の課題は、電子顕微鏡において、非点収差補正を行う際、非点補正が完了しているかどうかは、オペレータが撮影、観察している画像から定性的に主観により判断しなければならないという問題である。そこで、本発明は、非点補正が完了しているかどうかを判断することができる電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明では、第1の課題を解決するために、焦点位置と非点補正電流を変化させ画像を記録し、画像の鮮鋭度から自動的かつ高精度に焦点補正及び非点収差補正を行う。第2の課題を解決するために、焦点位置と非点収差補正電流を変化させて画像を記録し、画像の鮮鋭度と画像の画素平均値から適切な非点収差補正値を見出し、自動的に焦点補正、非点収差補正を行う。第3の課題を解決するために、ヒステリシス現象を補正して適切な対物レンズコイル電流や非点収差補正コイル電流を与える。第4の課題を解決するために、濃淡コントラストが低い画像を取り扱う際に、画像演算によって適切な対物レンズコイル電流や非点収差補正コイル電流を与える。第5の課題を解決するために、自動非点収差補正を行う際に、非点隔差量の計算を行い、適切な非点補正検索範囲を与える。第6の課題を解決するために、自動非点収差補正を行う際に、非点隔差量を計算し、非点隔差量を定量的に表示させると共に、閾値と比較させて非点補正が完了しているかどうかを判断する。
すなわち、本発明の電子顕微鏡による試料観察方法は、試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度を画像演算するステップと、電子線の焦点位置と画像鮮鋭度との関係を表す曲線のピーク数を判定するステップとを有し、その判定においてピークが2つあると判定されたとき非点補正処理に進み、当該非点補正処理は、X方向の非点収差補正器の非点補正電流を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度を画像演算するステップと、X方向の非点収差補正器の非点補正電流と画像鮮鋭度との関係を表す曲線の2つのピークに挟まれた極小位置を求めるステップと、X方向の非点収差補正器の非点補正電流を前記極小位置に対応する電流値に設定するステップと、Y方向の非点収差補正器の非点補正電流を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度を画像演算するステップと、Y方向の非点収差補正器の非点補正電流と画像鮮鋭度との関係を表す曲線の2つのピークに挟まれた極小位置を求めるステップと、Y方向の非点収差補正器の非点補正電流を前記極小位置に対応する電流値に設定するステップとを含む。
前記判定においてピークが2つあると判定されたとき、非点補正処理に進む前に、2つのピークに挟まれた極小位置を求め、電子線の焦点位置をその極小位置に対応する位置に設定するようにしてもよい。
また、本発明の電子顕微鏡による試料観察方法は、試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度の角度方向成分を画像演算するステップと、画像鮮鋭度の角度方向成分の演算結果から非点収差補正方向を判定するステップと、前記判定された方向の非点収差補正器の非点補正電流を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、非点収差補正器の非点補正電流と画像鮮鋭度との関係を表す曲線の2つのピークに挟まれた極小位置を求めるステップと、前記非点収差補正器の非点補正電流を前記極小位置に対応する電流値に設定するステップとを含む。
非点補正が終了した後、焦点補正処理に移る。焦点補正処理は、試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、電子線の焦点位置と画像鮮鋭度との関係を表す曲線のピーク位置を求めるステップと、電子線の焦点位置をそのピーク位置に対応する位置に設定するステップとを含む。
画像鮮鋭度は試料拡大像のエッジ強調画像に対して画像演算するのが好ましい。
また、本発明の、電子線の非点収差を補正する処理の後、試料に対して電子線の焦点を一致させる処理を行う電子顕微鏡による試料観察方法は、電子線の非点収差を補正する処理の前に、試料に対して電子線の焦点位置を略一致させる処理を行い、当該試料に対して電子線の焦点位置を略一致させる処理は、試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画素平均値を計算するステップと、電子線の焦点位置と画素平均値との関係を表す曲線の極小位置を求めるステップと、電子線の焦点位置をその極小位置に対応する位置に設定するステップとを含み、電子線の非点収差を補正する処理は、前述したステップによりに行うものである。
また、本発明の、電子線の非点収差を補正する処理の後、試料に対して電子線の焦点を合わせる処理を行う電子顕微鏡による試料観察方法は、電子線の非点収差を補正する処理の前に試料に対する電子線の焦点位置を略一致させる処理を行い、当該試料に対する電子線の焦点位置を略一致させる処理は、試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、試料拡大像の画素平均値を計算するステップと、各焦点位置における画像鮮鋭度と画素平均値との比を求めるステップと、電子線の焦点位置と前記比との関係を表す曲線の最大位置を求めるステップと、電子線の焦点位置を前記最大位置に対応する位置に設定するステップとを含み、電子線の非点収差を補正する処理は、前述したステップにより行うものである。
電子線の非点収差を補正する処理の前に実行する、試料に対する電子線の焦点位置を略一致させる処理は、試料観察倍率より低い倍率で行うのが好ましい。
また、電子線の焦点位置と画像鮮鋭度との関係を表す曲線のピーク数判定においてピークが2つあると判定されたとき、当該2つのピークから非点隔差量を求めておくと、非点補正電流を変化させる範囲をその非点隔差量に基づいて求めることができる。更に、非点隔差量が予め定めされた閾値より大きいとき非点補正処理に進むようにしてもよい。非点隔差量が前記閾値より小さくなるまで非点隔差量の測定と非点補正処理を反復実行するようにしてもよい。
本発明によると、従来手作業で行っていた非点収差補正を焦点補正と組み合わせて自動化することで、オペレータが非点や焦点の状態を知ることなく再現性良く定量的に与えられた非点隔差量の画像を得ることが可能となり、電子顕微鏡の操作性が向上する。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による電子顕微鏡の一例の概略機能ブロック図である。なお、本発明においては電子線偏向コイルの段数は問わないが、本実施の形態においては試料上部に1段、対物レンズ後段に1段備えた。また、本発明においては照射レンズ系の段数は問わないが、本実施の形態においては2段とした。結像レンズ系の段数も任意であるが、本実施の形態においては2段のレンズとした。
電子線源1から放出されて加速された電子線3は、第一照射レンズコイル4と第二照射レンズコイル6及び対物レンズコイル12の前磁場を通って、試料台10に保持された試料11に照射される。電子線3は走査コイル9により偏向され、試料上において走査されてもよい。試料を透過した電子線3は、対物レンズコイル12の後磁場、中間レンズコイル14及び投射レンズコイル15によって拡大され、蛍光板17上に試料拡大像18が形成される。蛍光板17では試料11を透過した電子線3の試料拡大像18が光に変換され、光学レンズ19を介して拡大あるいは縮小され、撮像素子20にて映像信号電流に変換される。撮像素子20の映像信号電流は、画像取込ドライバ41、撮像素子制御部40を介して、マイクロプロセッサ55に取込まれて処理された後、画像表示装置コントローラ58で制御される画像表示装置59に画像が表示される。
本実施例では試料を透過した電子線試料拡大像18を蛍光板17、光学レンズ19、撮像装置20からなる画像撮像装置を用いて映像信号電流に変換しているが、電子線を直接映像信号電流に変換できるマイクロチャネルプレート(MCP)などを用いて信号電流に変換してもよい。また、走査コイル9を用いて試料11を電子線で走査し、試料11から発生する2次電子、散乱電子などを光電子増倍管やMCPなどで構成される電子検出器24によって検出し、その検出信号をもとに試料拡大像を取得することもできる。電子検出器24の検出信号は微小電流増幅器34、電流検出制御部54を介してマイクロプロセッサ55に取り込まれる。マイクロプロセッサ55では、電子線3の走査制御と同期させて走査信号と検出信号からなる画像信号を形成し、画像表示コントローラ58を介して画像表示装置59に試料拡大像を表示する。
画像表示装置59に表示される画像信号は、外部記憶装置56やランダムアクセスメモリ65に保存される。
マイクロプロセッサ55は、デジタル−アナログ変換器(DAC)44,46,50,52,53を介して、電子顕微鏡の第一照射レンズコイル4、第二照射レンズコイル6、対物レンズコイル12、中間レンズコイル14、投射レンズコイル15に給電する励磁電源28,30,35,38,39を制御する。マイクロプロセッサ55は、DAC45,48,49,51を介して非点収差補正コイル5、電子線偏向コイル8、電子線走査コイル9、試料下部電子線偏向コイル13に給電する励磁電源29,32,33,37を制御する。
またマイクロプロセッサ55には、ハードディスクや磁気光学記憶装置などの外部記憶装置56、演算装置57、画像表示装置コントローラ58、画像表示装置59、キーボード64、ランダムアクセスメモリ(RAM)65、リードオンリーメモリ(ROM)66などが接続されている。倍率切替えロータリーエンコーダ61はインターフェース(I/F)60を介して、試料台移動操作ロータリーエンコーダ63はI/F62を介してそれぞれマイクロプロセッサ55に接続されている。
絞り7は、マイクロプロセッサ55からDAC47を介して駆動電源31、駆動装置23で駆動される。試料台10は、マイクロプロセッサ55に駆動回路36を介して接続された試料台駆動用の駆動装置25により駆動されている。
次に、本発明における画像演算の一例として、画像フィルタによって画像の鮮鋭度を求める原理及び自動焦点補正、自動非点収差補正を行う原理を説明する。
画像鮮鋭度の求め方の一例を説明する。図3(A)に示すような任意試料の試料拡大像を、M×Nの画素数で記憶装置に記録する。この2次元画像を関数形f(i,j)で示すことにする。図3(A)の原画像に含まれる試料構造体の部分を画像座標xについて作成した濃淡のラインプロファイルを図3(B)に示す。この画像の1階微分画像の濃淡プロファイルとして、図3(C)が得られる。すなわち、2次元画像の1階微分画像は、式(1)で示される。
Figure 0004286625
ここでfx (x,y)及びfy(x,y)は、それぞれx方向及びy方向の1階微分を表す。式(1)をデジタル画像に拡張すると、1階微分は差分に相当する。画像f(i,j)のx方向及びy方向の1階微分をそれぞれfx(i,j)及びfy(i,j)とすると、fx(i,j)及びfy(i,j)は式(1.2)で表される。
Figure 0004286625
すなわち、x方向の差分は画像のx方向に隣り合う2画素で計算し、y方向の差分は画像のy方向に隣り合う2画素で計算する。
引き続き、この原画像の2階微分画像について作成した濃淡のラインプロファイルは図3(E)として得られる。アナログ画像についての2階微分画像は、式(2)にて表される。
Figure 0004286625
これを2次元のデジタル画像に拡張すると、式(2)は1階微分の場合と同様に差分形で示すことが可能である。たとえば、
[D][A][B]
のような画素列が存在すると仮定して、現在注目する画素を[A]とする。画素AとDとの間、画素BとAの間で差分を取る。この差分をそれぞれ、
Figure 0004286625
と表す。この操作により、画素Aに関して0.5画素だけ左右にずれた1次微分が得られる。Y方向についても同様に0.5画素ずつ上下にずれた1次微分を得ることができる。次に、fx(A-D)とfx(B-A)の間でもう一度差分を取り、注目する画素Aにおける2階微分を求める操作を行う。
Figure 0004286625
式(2)に式(4.1)、(4.2)を代入してfxx(i,j)とfyy(i,j)を線形結合すると、デジタル画像f(i,j)の2階微分は次式(5)のように表される。
Figure 0004286625
式(3)の1階微分や式(5)の2階微分における重み係数をhとして行列で示すと、たとえば次のように与えられる。
Figure 0004286625
式(6)を用いれば、式(4)の1階微分は次式のような演算で示される。
Figure 0004286625
この重み係数hは、式(6)で示されるように、x方向、y方向のみならず、対角状に係数を与えることも可能である。角度成分に対して一般化した形は式(7.3)で与えられる。
Figure 0004286625
対角状に45°方向に与えた重み係数をh(45)、135°方向に与えた重み係数をh(135)とすれば、式(8)を得る。
Figure 0004286625
画像の微分処理を行う際に、雑音の抽出をできるだけ抑えるために平均効果を与える重み係数がある。たとえば、Sobel係数と呼ばれるものは式(9)で示され、上下左右の計9画素分で重み付けをして雑音に対処している。
Figure 0004286625
本実施例における画像鮮鋭度を求める方法としては、例えば次のように行う。原画像のx方向、y方向それぞれの1階微分を求める。その際に、雑音の低減を考慮するために式(9)のような雑音考慮型の重み係数を乗算する。原画像と1階微分の画像の減算からx方向、y方向それぞれのエッジ強調画像Gx,Gyを求める。図3(D)はエッジ強調された画像の一例である。
エッジ強調画像の絶対値Gは次式で与えられる。
Figure 0004286625
エッジ強調画像Gの画素M×Nに渡る平均値をGavgとすると、これは次式(11)で与えられる。
Figure 0004286625
式(10)及び式(11)から求められる分散は、原画像の鮮鋭度を示している。
Figure 0004286625
また画像の鮮鋭度は、式(12)から標準偏差の形でも求められる。
Figure 0004286625
画像の鮮鋭度は、方向成分にも分離できる。例えば、画像のx方向の鮮鋭度や45度方向の鮮鋭度という形である。例えば、Sobel重み係数を用いる場合には、下式に示すような重み係数により45度ずつの方向成分を得ることができる。
Figure 0004286625
この重み係数を用いて、4方向の角度における微分を求めて各方向のエッジ強調画像を計算し、各成分単独の分散あるいは標準偏差から、画像鮮鋭度の角度成分を求めることができる。
次に、この画像鮮鋭度を用いて焦点補正を行うプロセスについて説明する。図4(A)は、ある試料の画像について焦点位置を変化させていったときの焦点位置と画像鮮鋭度との関係を示すものである。横軸は焦点位置としての対物レンズコイル電流値を表し、縦軸は式(13)で示される画像鮮鋭度(但し、0°,45°,90°,135°成分の画像鮮鋭度の2乗平方和)を表している。
このグラフは、S点からスタートしてステップ幅ΔIで対物レンズコイル電流を変化させて焦点位置を変え、その都度画像の鮮鋭度を測定し、正焦点位置を検索したものである。焦点補正を行うプロセスは、焦点位置を変化させ、都度画像の鮮鋭度を評価する方法にて行う。評価点数はN個(この図では30点)である。正焦点位置は一般的には、図2のa2で示される最小錯乱円を形成した位置である。焦点位置は対物レンズコイルの励磁電流Iと比例関係となる。正焦点位置は、電子線が最小錯乱円を形成し最もシャープな画像を形成する位置で、これを図4(A)中にP点で示す。このグラフに示されるように、画像鮮鋭度が最も高いP点が正焦点位置であると判断される。図4(A)は非点収差が存在しない場合の例で、非点収差が存在しない場合には、焦点を変化させたときのピークはP点1個になる。
なお、図4(A)の横軸を焦点位置から非点収差補正電流値に置き換えた場合にも同様の画像鮮鋭度曲線が得られる。図4(A)の横軸を非点収差補正電流値とした場合、画像鮮鋭度が最も高いP点は最適非点補正値を示しており、P点1点だけ現れるのは焦点位置が正焦点である場合である。
図2のa1からa3までの電子線光軸上の距離をδfaとすると、このδfaは、非点隔差を示す。即ち、この電子光学系におけるx軸方向とy軸方向のレンズ強度の非対称性により、x軸方向とy軸方向の焦点位置がそれぞれa3、a1であり、その間の距離が非点隔差δfaである。一方、非点収差が存在しない場合、即ち電子光学系の対称性が保たれている場合には、x軸、y軸それぞれの焦点位置が同一になる点a2に最小錯乱円スポットを形成するので、形成される画像は画像鮮鋭度が最も高くなる。このとき非点隔差は零である。図4(A)は非点隔差が零であるので山の個数が1個となる。
非点収差が存在する場合の焦点位置と画像鮮鋭度の関係を、図4(B)を用いて説明する。図4(B)も図4(A)と同様に、横軸は焦点位置(対物レンズコイル励磁電流値)、縦軸は画像鮮鋭度(但し、0°,45°,90°,135°成分の画像鮮鋭度の2乗平方和)を示す。非点収差がある場合、図のようにP1点とP2点の2つのピークが現れる。これは、図2にa1′やa3′で示されるように、ある方向成分に画像の伸びが発生し、一方向のエッジのみ検出されるためである。この時の正焦点位置は、B点で示される2つのピークの谷に相当する位置になる。非点収差が存在する場合、電子光学系の非対称性に伴い、x軸、y軸それぞれの焦点位置がa3、a1と異なった位置に発生するため、画像鮮鋭度曲線には2つの山が現れる。非点隔差δfaはこの2つの山のピークの距離に相当する。
なお、図4(B)で横軸を非点収差補正コイルレンズ電流値、縦軸を画像鮮鋭度(0°,45°,90°,135°成分の画像鮮鋭度の2乗平方和)とした場合に、P1点,P2点それぞれ2つの山が存在する場合は、焦点が正焦点位置からずれている場合である。
図5は、非点収差補正電流値と画像鮮鋭度、及び試料拡大像を模式的に示したものである。現在注目している視野の試料拡大像が円形の濃淡コントラストを有するものであると仮定する。非点収差が存在しない場合には、試料拡大像は円形の像を示すが、非点収差が存在すると試料透過拡大像は図示のように伸びた画像を呈する。非点収差が非常に大きく画像鮮鋭度が著しく低くなる場合には、試料拡大像の濃淡コントラストが減退する。
図6のフローチャートを参照し、本発明の第1の実施例を説明する。本実施例は、図1に示した電子顕微鏡を用いて、試料拡大像の焦点がずれているか否か、また同時に非点収差が存在するか否かを判定し、自動的に補正することができるもので、第1の課題を解決することができる。
ステップS101で電子顕微鏡の使用を開始する。任意の試料11を試料台10へ装着し、電子顕微鏡への挿入を行う。ステップS102で、図1に示した倍率切替え用ロータリーエンコーダ61で任意の倍率に設定する。同時に、ROM66に予め記録している電子線源のデータを呼び出し、そのデータをマイクロプロセッサ55で処理し、DAC42を介して安定装置26から電流を出力する。この電流は陰極電源21を介して電子源1に与えられ、電子線源1から電子が放出される。加速電圧は、ROM66からデータを呼び出し、そのデータをマイクロプロセッサ55にて処理し、DAC43を介して安定装置27から電流を出力する。この電流は高圧電源22で昇圧されて加速電極2に印加され、電子線源1から放出された電子線3は、加速電極2に印加された高電圧により加速される。第一照射レンズコイル4、第二照射レンズコイル6、対物レンズコイル12、中間レンズコイル14、投射レンズコイル15の各レンズコイルには、予めROM66に記録されたレンズコイルデータに基づいて、DAC、レンズコイルの励磁電源からレンズ電流が印加される。非点収差補正コイル5、偏向コイル8、電子線走査コイル9、試料下部偏向コイル13の各コイルには、予めROM66に記録されたコイルデータに従って、DAC、コイル励磁電源からコイル電流が印加される。また、ステップS102では、焦点補正パラメータや非点収差補正パラメータがROM66から呼び出される。
ステップS103からステップS105において、焦点位置を変化させて画像を取り込み、都度画像の鮮鋭度を計算する。図7を用いて、ステップS102からステップS105の処理の一例を説明する。ステップS102にて初期設定を完了したあと、ステップS130にて検索点数Nfを設定する。このデータは予めROMに登録されているものから呼び出しても、オペレータが入力しても構わない。検索点数Nfは図4の評価点数Nに相当する。ステップS131で電流ステップΔIをROMから呼び出す。このΔIは画像鮮鋭度評価の焦点補正値精度に関係する。電流ステップΔIを大きく設定すれば精度が低下するが動作時間が短縮される。一方、電流ステップΔIを小さく設定すれば精度を向上することができる。ステップS132では、現在の対物レンズ電流値をマイクロプロセッから呼び出す。ステップS130からステップS132までは、ステップS102の初期設定の一部として実行してもよい。
ステップS132にて取得した現在の対物レンズ電流値を基準として、ステップS134で開始電流Sを設定する。開始電流Sは、現在の対物レンズ電流値と検索点数Nf、電流ステップΔIから計算される。例えば、現在の対物レンズ電流よりも小さい値の対物レンズ電流を開始電流Sとして設定する。まずステップS135で開始電流Sにおける試料拡大像を撮像し、RAM65に保存する。次に、ステップS136にて、試料拡大像の画像鮮鋭度を演算装置57で計算する。画像鮮鋭度は、式(12)又は式(13)の方向依存性がない式を用いて計算する。計算された画像鮮鋭度は、対物レンズ電流値と関連付けられ、ステップS137でRAMに保存される。ステップS138ではステップS133でインクリメントされた数を計数し、検索点数Nfに達するまでステップS134からステップS137の電流設定、撮像、画像鮮鋭度計算、計算結果保存の一連の処理を繰り返す。ここでは、焦点位置変化を対物レンズコイル電流の変化によって行ったが、試料台10の高さ駆動装置23にて試料高さを変化させることで焦点位置を変化させてもよい。
図6に戻る。ステップS103からステップS105を反復することによって、電流値と画像鮮鋭度の関係から図4(A)や図4(B)に示したような曲線が得られる。ステップS106で、ピーク数Npが1個あるか2個あるか判定する。Np=1なら非点収差がないと判断してステップS115に移り、Np=2なら非点収差があるものと判断してステップS107に移る。
ステップS107からステップS110では、X方向の非点収差補正電流を変化させ、試料拡大像を撮像し画像鮮鋭度Vを計算する。非点収差補正電流と画像鮮鋭度の関係から図4(B)のB点に相当するボトム位置を検索する。検索したボトム位置B点に相当するX非点収差補正コイル電流を調整し、X方向の非点収差を取る。
ステップS111からステップS114では、Y方向に対して、ステップS107からステップS110同様の操作を行い、Y方向の非点収差を取る。
X方向の非点収差に関するステップS107からステップS110の操作、及びY方向の非点収差に関するステップS111からステップS114の操作の詳細例を、図8を用いて説明する。図8は、非点収差補正方法を説明するフローチャートである。例えば、X方向の非点収差を補正する場合、S106にてNp=2で非点収差ありと判定された後、ステップS140にて検索点数Nsを設定する。ステップS141で、非点収差補正電流ステップΔIを設定する。ステップS142で、現在の非点収差補正コイルの電流値を呼び出す。ステップS140からステップS142は、非点収差補正を行うための初期設定に相当する。続いてステップS144で、非点収差サーチを開始する電流Sに設定する。開始電流Sは図7のステップS134にて説明したのと同様に、現在の非点収差補正コイル電流値と検索点数Ns、電流ステップΔIから計算される。ステップS145で開始電流Sの試料拡大像が撮像されて、ステップS146で画像鮮鋭度Vの演算が行われる。画像鮮鋭度Vの計算には、式(12)あるいは式(13)の評価方向性がない式を用いる。計算された画像鮮鋭度Vは、非点収差補正コイル電流の電流値と関連付けがされてステップS147でRAMに保存される。ステップS148ではステップS143でインクリメントされた数を計数し、検索点数Nsに達するまで、ステップS144からステップS147の非点収差補正コイル電流設定、撮像、画像鮮鋭度計算、計算結果保存の一連の処理を繰り返す。
さらに、ステップS149で非点収差補正コイル電流と画像鮮鋭度の曲線を形成し、ステップS150で図4(B)のB点に相当するボトム位置を検索する。ステップS151ではボトム位置と現在の非点収差補正コイル電流値から補正量を計算し、非点収差補正コイルに対し、マイクロプロセッサから処理を送信し、DAC、非点収差補正レンズコイル励磁電源を介して電流が出力される。こうして非点収差補正が行われ、次の処理ステップS103に移行する。ここではX方向の非点収差を最初に補正し、後からY方向の非点収差補正を行うアルゴリズムとしているが、補正を開始する順番はY方向が最初であってもよい。
非点収差補正はX、Y両方向ともステップS114まで完了した後に、再びステップS103に戻り、対物レンズ電流を変化させて画像鮮鋭度を計算しピーク数を判定し非点収差がない画像が得られているか、また焦点が合っているか否かを判定する。ステップS106の判定がNp=1で非点収差がないと判定されれば、ステップS115に移行する。Np=2で非点収差が存在することが確認されれば、再度非点収差補正ルーチンのステップS107からS114を実行する。
ステップS115では、ステップS103からステップS105で計算された画像鮮鋭度と対物レンズ電流値の曲線から図4(A)のP点に相当するピーク位置を検索する。ステップS116でピーク位置と現在の対物レンズコイルの電流値が比較され、ピーク位置に相当する対物レンズ電流値に調整され、正焦点に補正される。ステップS117では、これら一連の動作から非点収差がなく正焦点の画像が得られ、動作が完了する。
図11のフローチャートを参照し、本発明の第2の実施例を説明する。本実施例は、試料拡大像の焦点がずれているか否か、また同時に非点収差が存在するか否かを判定し、自動的に補正することができるもので、第1の課題を解決できる実施例である。図11のフローチャートは、角度方向依存の画像鮮鋭度を求めてアルゴリズムを簡素化し且つ動作時間を早めることが可能なアルゴリズムを示す。
ステップS201で電子顕微鏡の使用を開始する。任意の試料11を試料台10へ装着し、電子顕微鏡への挿入を行う。ステップS202で、観察倍率設定、各レンズコイル電流設定、各偏向コイル電流設定、焦点補正パラメータ、非点収差補正パラメータの設定を行う。ステップS202は、図7で説明したステップS102に相当する。
ステップS203で焦点変化を行う。このステップは図7で説明したステップS130からステップS138に相当するが、ステップS136はステップS204に置き換えられる。ステップS204で、角度方向依存の画像鮮鋭度を求める。式(14.1)から式(14.4)に示した角度依存性のある重み係数を乗じてθ方向の画像鮮鋭度を求める。ある方向のエッジ強調画像をGθとする。このGθの全画素に渡る平均値は式(15)で求められる。
Figure 0004286625
式(15)を用いて、θ方向の画像鮮鋭度分散Vθが、式(16)から得られる。
Figure 0004286625
また、θ方向画像鮮鋭度標準偏差σθは、式(17)によって得られる。
Figure 0004286625
図9は非点収差X方向における補正電流と角度成分の画像鮮鋭度の関係を示し、図10は同非点収差Y方向についての関係を示したものである。ある画像の角度依存画像鮮鋭度を取ったとき、図9(C)や図10(C)に示されるような曲線を描く。図9(C)及び図10(C)は、いずれも過焦点の場合の例を示している。
図9(A)に示す過焦点側で非点収差補正コイル電流が小さい場合には、像がX方向の伸びを見せる。このとき、図9(C)に示すように、画像鮮鋭度は90°方向成分が最も大きくなる。また非点収差補正コイル電流が大きい場合には像がY方向の伸びを見せ、0°方向成分が最も大きくなる。一方、不足焦点側では、図9(B)に示すように、非点収差補正コイル電流が小さい場合には像がY方向の伸びとなり0°方向成分が最も大きくなる。非点収差補正コイル電流が大きい場合には像がX方向の伸びとなり90°方向成分が最も大きくなる。
Y非点収差補正コイルは画像を45°、135°方向の非点収差補正効果があるので、図10(A)(B)に示すように画像はそれぞれ45°、135°方向に伸びが発生する。
このような画像の伸び方向と画像ピークの方向依存性を用いて、ステップS204で角度依存画像鮮鋭度を計算させる。ステップS205では、式(18)の角度依存画像鮮鋭度の絶対値からピーク数Npを求める。
Figure 0004286625
,V45,V90,V135はそれぞれ、0°,45°,90°,135°における画像鮮鋭度である。Np=1と判定されれば、試料拡大像に非点収差がないと判定されてステップS218に移る。一方、Np=2と判定されれば、試料拡大像に非点収差が存在すると判定されてステップS206に移る。
ステップS206では、対物レンズコイル電流と式(18)の角度依存画像鮮鋭度の絶対値のプロファイルから2つのピーク点のボトムとなるB点を検出する。ステップS207では、B点に相当する対物レンズコイル電流に設定し、正焦点にあわせる。次のステップS208で、正焦点の対物レンズコイル電流からdfaだけずらした対物レンズコイル電流を与え、故意に焦点をずらす。
次のステップS209において、ステップS204で求めた角度依存画像鮮鋭度の各角度成分を比較し、X、Y方向のいずれの鮮鋭度が高いかを比較する。0°、90°方向が高いと判定されれば、X方向成分の補正を行うステップS210に移行する。一方、45°、135°方向成分が高いと判定されれば、Y方向成分の補正を行うステップS214に移行する。
ステップS210からステップS213のプロセスと、ステップS214からステップS217のプロセスは非点収差補正コイルの印加方向が異なるだけで動作は全く等価であるので、ここではステップS210からステップS213についてのみ説明する。ステップS210からステップS213では、図8のステップS140からステップS151の動作を行い、非点収差X方向の補正を行う。ステップS213まで完了したら再度ステップS203に戻り、焦点位置を変化させて画像鮮鋭度を計算し、ピーク数判定ステップS205を行う。Np=1で非点収差が無いと判定されればステップS218に移行する。
ステップS218からステップS220のプロセスは、図6のステップS115からステップS117のプロセスと同一である。ステップS220では非点収差がなく、正焦点の試料拡大像が得られる。
図12のフローチャートを参照し、第3の実施例を説明する。本実施例は、画像の画素平均値を求めて非点収差補正時の濃淡コントラスト変化を捉え、大幅に非点収差が存在し試料拡大像のボケがひどい状態において非点収差補正を行うことを可能にし、第2の課題を解決することができる。図12のフローチャートは、大幅な非点収差ずれが存在する場合において、試料拡大像の焦点と非点収差とを略一致させるために、図6のステップS102からステップS103の間、あるいは図11に示すフローチャートのステップS202からステップS203の間に挿入される。
図6のステップS102の初期設定あるいは図11のステップS202の初期設定を完了後、図12ステップS301に移る。ステップS301で電子顕微鏡の焦点位置変化を行い、ステップS302の画像鮮鋭度の計算を行う。この実施例では、試料挿入直後や前使用状態から全く異なる撮影条件を求める場合などを考慮する。ステップS301からステップS302のプロセスは、図7のステップS130からステップS137で説明した対物レンズコイル電流変化、画像鮮鋭度計算に相当する。その後、ステップS303では画像鮮鋭度ピーク点を検出する。ステップS304では、画像鮮鋭度と対物レンズコイル電流の関係から正焦点の対物レンズ電流を調整する。あるいはステップS304は、ステップS303の画像鮮鋭度ピークと対物レンズコイル電流の関係から試料高さのずれ量ΔZを導出し、試料台10の高さを演算装置57で計算して焦点位置を調整する方法をとってもよい。対物レンズ電流ΔIと試料高さΔZの関係は式(19)で示されるようにほぼ比例しているとする。
Figure 0004286625
ステップS301からステップS304は、試料拡大像の非点収差が検出されないような低倍率で実施する。図12のフローチャートには記載がないが、ステップS102あるいはステップS202の初期設定で観察倍率M1が設定され、ステップS301が開始する際に、倍率をM1よりも低い倍率M2に設定してステップS301からステップS304の動作を実行させる。また、本発明の電子顕微鏡は、式(19)の関係を利用して、現在の試料台の高さ、試料の高さを演算装置57で計算して、画像表示装置59に表示する機能を有する。
続いて、ステップS305からステップS307に移る。このプロセスは、図8に示した非点収差補正プロセスに、ステップS307の全画素の画素値の平均値を計算する処理を加えたものである。
全画素平均値の計算結果を用いて非点収差補正を行う原理について、図18、図19を用いて説明する。図18(A)は、非点収差が大きい場合の画像例である。非点収差が大きい場合は像ぼけがひどく、試料の拡大構造を見出すことができる状態ではなく、一般にコントラストが低く明るい画像が形成される。図18(B)は、非点収差がない場合の画像例である。非点収差がない場合、画像には試料の拡大構造が鮮明に表示される。この場合、図18(A)に比べてコントラストが高い画像が形成される。
図18(C)は、一般的な画像評価で用いられるヒストグラムの例(8ビット画像の例)を示したものである。ヒストグラムは、デジタル画像の1画素に与えられた画素値(輝度)をカウントし、横軸に画素値、縦軸にカウント数を示したものである。コントラストが高いとは、画像の輝度値が広く分散していることを示し、画像が明るいとは、輝度値の分布が高い階調に存在することを言う。図18(A)のような非点収差に伴い画像がぼけている場合、画像のヒストグラムはピーク点μのようなコントラストが低く、輝度値が高い位置に発生する。一方、図18(B)のような非点収差がない場合には、試料構造が表現されることからコントラストが高く、明るさレベルが低い位置μoptになる。
図19は、横軸に非点収差補正コイル電流値I、縦軸に画像鮮鋭度Vと全画素平均値μをとり、非点収差補正コイル電流量を変化させたときの、画像鮮鋭度と画素平均値のそれぞれの変化の様子を模式的に示したグラフである。
全画素平均値は、次式(20)で表現できる。
Figure 0004286625
ここに、iは画素値、C[i]は各画素のカウント数を示し、全画素平均値はヒストグラムの重心を求めていることに相当する。
図19中のI1は図18(A)の非点収差ありの画像のときの非点収差補正コイル電流値に、Ioptは図18(B)の非点収差なしの画像の時の非点収差補正コイル電流値にそれぞれ対応する。非点収差がない場合には、コントラストが高く、明るさが暗くなるので全画素平均値を求めると最も低い値を示す、また、このとき画像鮮鋭度は最も高くなる。一方、非点収差がある場合、画像鮮鋭度は低く、全画素平均値は高くなる。非点収差が大幅にずれている場合には、図5の非点収差大の試料拡大像の例で示されるように、濃淡コントラストが減退してしまい、非点収差補正コイル電流を調整してもピークを形成するような画像鮮鋭度を得ることが困難になる。画像鮮鋭度だけで判定が困難になるもう一つの原因として、画像のぼけに伴いコントラストが低くなるが画像のS/N(信号対ノイズ比)が高くなってしまい、画像鮮鋭度計算結果が高く示されるという計算誤りが発生する。そこで、全画素平均値による非点収差判定を付け加える。
ステップS308は、ステップS306で求められた画像鮮鋭度と非点収差補正コイル電流の関係からボトム点Bを検出する処理である。この後、ステップS309にて画素平均値の最小値と非点収差補正コイル電流の関係を求める。ステップS308とステップS309からそれぞれのボトム点、最小点に相当する非点収差補正コイル電流値を与えて、非点収差X方向を補正する。この際、ボトム点Bと全画素平均値のプロファイルによる最小点が一致しない場合には、全画素平均値の結果を採用する。なお、図12のフローチャートでは、ステップS306で画像鮮鋭度によるピーク検索も行っているが、全画素平均値による方法でその最小点が検索できれば、画像鮮鋭度によるピーク検索は行わなくとも良い。その後、ステップS311からステップS314で非点収差補正Yコイルの略補正を行う。図12には記載していないが、非点が大幅にずれていることから画像のぼけが大きく焦点補正が困難になる可能性がある。そこで焦点補正プロセスであるステップS301からS302において、全画素平均値により焦点補正を行ってもよい。同様に、y方向の非点補正プロセスにおいても、ステップS312において画像鮮鋭度Vを計算した後、S307のルーチンと同様に、画素平均値を計算し、画素平均値の計算結果から非点補正値を選び出しても良い。
図13のフローチャートを参照し、第4の実施例を説明する。本実施例は、試料挿入直後や試料拡大像の撮影条件が大幅に変更になるような場合で、大幅に焦点がずれているときの焦点調整ならびに非点収差補正の方法を示すものである。図13は、大幅な焦点ずれが存在する場合において、試料拡大像の焦点と略一致させてから非点収差と焦点を補正する手順を示すフローチャートである。
ステップS401からステップS402で、電子顕微鏡の初期設定を行う。ステップS403からステップS406は、対物レンズコイル電流を変化させながら画像鮮鋭度を評価するプロセスで、図7に示したステップS130からステップS138に相当する。ステップ406でピーク位置を検索し、ステップS407でピーク位置に相当する対物レンズコイル電流値に設定し、焦点の略補正を行う。ステップS407は、対物レンズコイル電流を用いた焦点補正ではなく、試料台の高さ調整により焦点を調整する方法でもよい。ステップS408からステップS413のプロセスは、図6のステップS103からステップS117のプロセスに相当する。
図15のフローチャートを参照し、第5の実施例を説明する。本実施例は、対物レンズコイルのヒステリシスや撮像時の画像積算フィルタのヒステリシスを考慮した補正を行うことにより、第3の課題を解決するものである。ここでは、焦点補正の例を取り上げるが、非点収差補正コイル電流調整においても同一のプロセスを用いることが可能である。
図14を用いて、ヒステリシスについて説明する。図14のグラフは、横軸を対物レンズコイル電流値あるいは非点収差補正コイル電流値とし、縦軸を画像鮮鋭度とした、コイル電流値と画像鮮鋭度の関係図である。
今、電流の変化方向をグラフに示す矢印のように取ると仮定する。各点での画像鮮鋭度は、画像履歴平均積算フィルタにより時系列的に過去の画像の履歴を持たせ平均化処理を行った試料拡大像を用いて計算しているものとする。このような履歴平均積算フィルタを用いることは、画像の連続撮像が可能となるために、S/Nの悪い画像においては1枚の試料拡大像形成が短時間化されるので自動処理の動作時間の短縮化に効果がある。この例で、実際に計算された画像鮮鋭度のピークはP′点にあると判定された。しかし、真のピーク点P0点はP′点よりも時系列で過去に存在する。またレンズコイルのヒステリシスは、電流S点から開始しE点で完了した後に、正焦点位置のピーク点P′に電流を変化させた際に、コイル鉄心の磁化曲線が履歴特性を持ち非線形となることから正しくP′点に戻ることが出来ない現象である。この問題を、例えば図15のフローチャートで示す処理で解決する。
例えば、図13で示した第4の実施例に対してこの第5の実施例を適用すると、図13のステップS403からステップS407の過程を図15のステップS501からステップS508に置き換えることができる。図13のステップS402で初期設定を完了し、図15のステップS501に移る。ステップS501からステップS504は図7のステップS130からステップS138と同様に対物レンズコイル電流と画像鮮鋭度プロファイルを作成する動作を行う。
ステップS505で画像鮮鋭度のピーク点P′を検出する。次いでステップS506で、予め測定し記録したヒステリシスデータHをROMから呼び出す。ヒステリシスデータHは、あらかじめ測定して求めた定数で、機差を考慮して装置毎に異なる定数としてROMに保存しておく。ステップS507で真のピーク点P0を求める。ピーク点P0は次式(21)で求める。
Figure 0004286625
ステップS508で対物レンズコイル電流値をP0点に設定し、焦点補正を完了する。引き続き、図13のステップS408に移行する。ヒステリシスの補正について、ここでは対物レンズのヒステリシスについて説明した。同様のヒステリシス補正は、ステップS410あるいはステップS411の非点収差補正コイルの非点補正電流設定においても有効である。
図17のフローチャートを参照し、第6の実施例を説明する。本実施例は、焦点のずれに伴い試料拡大像の濃淡コントラストが低下して、画像鮮鋭度曲線のピークが正しく検出されない誤動作を防止するもので、第4の課題を解決することができる。ここでは焦点補正の例を取り上げるが、非点収差補正コイル電流調整においても同一のプロセスを用いることが可能である。
この課題を、図16を用いて説明する。画像鮮鋭度による自動焦点補正を行う場合、画像の輝度変化、濃淡変化の影響を受けピーク位置を誤って判定し、誤動作する場合がある。図16(A)から(C)に示したグラフは、画像鮮鋭度と焦点位置(対物レンズコイル電流値)との関係を示したものである。横軸は対物レンズコイル励磁電流値である。
図16(A)は、未処理計測結果の例で、真の正焦点位置Ptrue点に対してPerr点を誤って正焦点位置であると判定した場合の、対物レンズコイル電流−画像鮮鋭度曲線である。Perr点は焦点ずれがあり像ぼけが見られる位置で、画像全体の輝度が高まり濃淡コントラストが低い。この試料拡大像に対して夫々の全画素の平均値を計算し、対物レンズコイル電流に対してプロットしたものが図16(B)である。焦点ずれに伴い画像の輝度が高くなり、濃淡コントラストが低下するに従い画素平均値が高くなる。このような誤判定を避けるために、図16(C)に示すように、夫々の対物レンズコイル電流値における画像鮮鋭度を全画素平均値で除算すると、結果Ptrue点が正しく得られる。
図17のフローチャートを説明する。例えば図13のステップS402にて初期設定が完了し、図17のステップS601に移る。ステップS601からステップS610のプロセスは、図15のステップS501からステップS508の画像鮮鋭度ピーク点検索の繰返しプロセスに、ステップS605として画像の画素平均値の計算処理を追加する。次いで、ステップS606で画像鮮鋭度Vと画像の全画素平均値μの除算処理を行い、規格化画像鮮鋭度Vを求める。
Figure 0004286625
ステップS607では、図16(C)に示すような対物レンズコイル電流値と規格化画像鮮鋭度のプロファイルから画像鮮鋭度のピーク位置P′点を検索する。ステップS608で、ROMに予め記録されたヒステリシスデータHを呼び出し、ステップS609でヒステリシスを考慮したピーク点P0を求め、ステップS610で正焦点となる対物レンズコイル電流値を出力する。この処理の後、図13のステップS408に戻る。
図20を用いて、第7の実施例を説明する。本実施例は、自動非点収差補正を行う際に、非点隔差量を計算し、非点収差補正範囲を自動的に検出するもので、第5の課題を解決することができる。
図20は、図6で示した自動非点収差補正ルーチンに、非点収差補正範囲を検出するフローを追加した図である。ステップS103からステップS105のルーチンで、対物レンズの励磁電流を変化させながら撮影した画像で夫々画像鮮鋭度を計算する。この際、対物レンズコイルの励磁電流を変化させるのは、焦点位置を変化させるためであるので、焦点を変化させる方法として試料台10の高さを時々刻々変化させながら画像を撮影、取り込みを行ってもよい。また更に、ステップS103からS105で画像鮮鋭度を計算する方法としては、実施例6の式(22)で示した規格化画像鮮鋭度を用いる方法でもよい。非点収差が存在する場合には、対物レンズ励磁電流値と画像鮮鋭度の関係として図4(B)に示したような関係が得られる。非点隔差量δfaは、P1点の対物レンズ電流値とP2点の対物レンズ電流値の差分で得られる。
Figure 0004286625
ステップS105−1では、式(23)に基づき非点隔差量を計算する。非点隔差量が計算できたら、ステップS106に移る。ここでは非点収差が存在する場合を想定し、ピーク点が2点存在するNp=2のステップS106−1に移行する。ステップS106−1では、式(23)で得られた非点隔差から非点サーチ範囲を決定する。本発明の非点収差補正は、予め非点収差の検索範囲を定めておく必要があり、例えばこの非点収差検索範囲に対して大きい非点収差が存在した場合には、検索することができない。そこで、非点隔差から非点収差の大小を計算して適切な検索範囲を与える必要がある。
図21は非点隔差と非点検索範囲の関係を示したグラフであり、横軸が非点隔差量δfa、縦軸が非点検索範囲を示している。図21にて示されるように、対物レンズコイル励磁電流が大きく変化しない範囲においては、線形性を保つことができる。
ステップS106−1の非点検索範囲の計算方法としては、図4(B)の対物レンズ電流値と画像鮮鋭度のプロファイルで示されたような関係を用いる。すなわち、図20で、ステップS103からステップS105で対物レンズ電流を変化させながら画像を取り込み、画像鮮鋭度を計算する繰返しフローを行うことで、非点収差がある場合には第4図(B)のプロファイルが得られるので、このプロファイルから非点隔差量δfaは式(23)から計算される。非点検索範囲は図21に示した線形な非点隔差量と非点補正電流量の関係から求めることが可能である。ステップS106−1で非点検索範囲を計算した後、ステップS107の非点補正電流変化に移行する。
図20のフローチャートには、ステップS105−2において、非点隔差量及び試料高さ表示のルーチンを付属しているが、これらの値の表示の必要性が無ければステップS105−2は必要ない。図22に、ステップS105−2で表示するウィンドウの例を示す。
図1に示した電子顕微鏡を用いて、第8の実施例を説明する。本実施例は、自動非点収差補正を行う際に非点隔差量を計算し、非点隔差量を定量的に表示させると共に、閾値と比較して非点補正が完了しているかどうかを判断するもので、第6の課題を解決することができる。
図23のフローチャートは、自動的に焦点合わせ、非点補正を行うことができる電子顕微鏡で、現在の電子顕微鏡の状態から非点隔差を計算し、予め与えられた非点隔差量閾値と比較し、非点補正が完了しているかどうか定量的に判断し、完了していると判断されれば非点補正ルーチンを実施することなく完了し、自動焦点合わせ、非点補正動作の動作時間短縮化を図ることができるフローを示した図である。
ステップS701でこの電子顕微鏡の使用を開始し、任意の試料11を試料台10へ装着し電子顕微鏡へ挿入する。ステップS702において、初期条件設定として倍率の設定、電子線加速電圧の設定、各レンズコイル、各偏向コイル系への電流設定が行われる。ステップS703からステップS705のルーチンで、対物レンズコイルの励磁電流を変化させながら画像を撮影、取り込みを行い、夫々の画像で画像鮮鋭度を計算する。この際、対物レンズコイルの励磁電流を変化させるのは、焦点位置を変化させるためであるので、焦点を変化させる方法として試料台10の高さを時々刻々変化させながら画像を撮影、取り込みを行ってもよい。また更に、ステップS703からS705で画像鮮鋭度を計算する方法としては実施例6の式(22)で示した規格化画像鮮鋭度を用いる方法でもよい。
ステップS706では、前段のルーチンの画像演算結果から非点隔差量を計算する。非点収差がある光学系では、図4(B)に示したような焦点位置と画像鮮鋭度のプロファイルが描かれる。図4(B)は0°,45°,90°,135°の4方向成分の二乗和平均を取った場合のプロファイルであるが、これら4方向成分それぞれについて焦点位置と画像鮮鋭度のプロファイルを独立に示した図9や図10のようなプロファイルとしても表現できる。ステップS706では、図4(B)に示すように、プロファイルから非点隔差δfaを求める。4方向成分に分けたプロファイルであれば、0°と90°間、若しくは45°と135°間のいずれかのプロファイルの最大点の焦点位置の差分から非点隔差を計算する。この場合の非点隔差は、図24を用いて以下のように示される。図24は焦点位置と画像鮮鋭度を示すプロファイルの一例で、角度成分を0°,90°に限定した概略図である。図24(A)は非点隔差が大きい場合を示しており、非点隔差は0°成分のピークとなる焦点位置P1と90°成分のピークとなる焦点位置P2から、
Figure 0004286625
で与えられる。式(24)から得られた非点隔差から、ステップS707において非点隔差量の表示を行う。非点隔差量の表示は、例えば図22や図25に示したような表示窓にて行う。ステップS708は、ステップS703からS705で得られた画像鮮鋭度と焦点位置からなるプロファイルを元に正焦点位置を探索し、正焦点位置に設定するルーチンである。正焦点位置の探索は、例えば非点収差が完全に無ければ図24(A)に示された2つの独立した角度成分のプロファイルの最大値を示す焦点位置が一致するので、その点が正焦点位置に相当する。非点収差が存在する場合には図24(A)に示すように2つの独立した角度成分のプロファイルの最大値を示す焦点位置が分離してしまい、この場合、これらの2点の中心位置すなわち式(25)で、正焦点位置を示す。
Figure 0004286625
ステップS709では、予め定めた非点隔差量の閾値データδfathを与える。この非点隔差量閾値データは、実験的に装置の限界値を求めて与えた結果でも、電子顕微鏡固有の試料に対する照射角度と画素サイズから得られた焦点深度であってもよい。
ステップS710において、ステップS706で求めた現在の非点隔差量と、ステップS709で与えた非点隔差閾値との比較を行う。比較を行った結果、(1)現在の非点隔差量が、非点隔差閾値に比べて大きいと判定された場合(δfath<δfa)にはステップS711−2に移行し、非点補正が未完了であることを図25に示した表示窓にて表示する。この条件では、非点隔差を示す焦点位置と画像鮮鋭度プロファイルの関係は図24(A)に示すようなプロファイルとなる。その後、ステップS712にてX方向の非点補正ルーチンを、ステップS713にてY方向の非点補正ルーチンを実施する。ステップS712やステップS713は、図8に示された非点補正フローを省略して示したものである。ステップS713を完了後、ステップS703に戻り動作を繰返す。
ステップS710において比較を行った結果、現在の非点隔差量が、非点隔差閾値に比べて小さいと判定された場合(δfath≧δfa)はステップS711−1に移行し、非点補正が完了していることを図25に示した表示窓にて表示する。この条件では、非点隔差を示す焦点位置と画像鮮鋭度プロファイルの関係は、例えば図24(B)に示すようなプロファイルとなる。その後ステップS714に移行し、自動焦点合わせ、非点補正動作を完了する。
この第8の実施例では、自動非点収差補正を行う際に非点隔差量を計算することで、非点隔差量を定量的に表示させると共に、閾値と比較させて非点補正が完了しているかどうかを判断するこができる。これにより、電子顕微鏡のオペレータは使用経験が浅く最適な焦点・非点補正の画像状態が分からなくとも定量的に与えられた非点補正画像により、本フローを実行する都度同程度の非点、焦点の質の画像を再現性よく得ることができる。また、以前非点をあわせた状態にしていた場合、本フローを通すことにより、非点補正ルーチンを実行することなく焦点補正のみで動作が完了するので、動作時間は約1/3程度に短縮されるという効果がある。
本発明の電子顕微鏡の構成例を示す図。 電子レンズの非点収差の発生と試料拡大像について説明する図。 画像の濃淡を示すラインプロファイルと1階微分、2階微分のプロファイルを示す図で、画像鮮鋭度を説明する図。 対物レンズコイル電流と画像鮮鋭度、非点収差補正コイル電流値と画像鮮鋭度を説明する図であり、(A)は非点収差がない場合、(B)は非点収差が存在する場合を説明する図。 非点収差補正コイル電流値と画像鮮鋭度及び試料拡大像の関係を示す図。 非点収差の有無を判定し焦点補正及び非点収差補正を自動的に行う処理のフローチャート。 図6のフローチャートの一部を説明するフローチャート。 図6のフローチャートの一部を説明するフローチャート。 X方向非点収差補正コイル電流値と角度依存画像鮮鋭度の関係を示す図。 Y方向非点収差補正コイル電流値と角度依存画像鮮鋭度の関係を示す図。 角度依存画像鮮鋭度を用いて焦点補正、非点収差補正を自動的に行う処理のフローチャート。 大きな非点収差があり試料拡大像のぼけが大きい場合に実施する焦点補正、非点収差補正のフローチャート。 焦点ずれが大である場合に実施する焦点補正、非点収差補正のフローチャート。 対物レンズコイル電流、非点収差補正コイル電流とヒステリシスの関係を画像鮮鋭度のグラフで説明する図。 ヒステリシス補正を行う処理のフローチャート。 画像の濃淡コントラストが変化する場合のレンズ電流値と画像鮮鋭度、画素平均値を説明する図。 画素平均値計算プロセスの追加により誤動作を防止する処理のフローチャート。 非点収差の有無の画像例とそれぞれの画像のヒストグラムについて説明する図。 非点収差補正コイル電流値と画像鮮鋭度、全画素平均値の関係を示すグラフ。 図6の非点収差補正フローチャートに、非点収差検索範囲を求めるルーチンを追加したフローチャート。 非点隔差量と非点収差検索範囲との関係を示す図。 試料高さ、非点隔差量を表示する表示窓の例を示す図。 焦点合わせ・非点収差補正を行う電子顕微鏡で、非点隔差量を計算しその結果から動作完了か否かを判定するフローチャート。 非点隔差閾値と現在の非点隔差量を比較する、画像鮮鋭度と焦点位置の関係を説明する図。 試料高さ、非点隔差量を表示し、非点収差補正の動作状態を示す表示窓の一例を示す図。
符号の説明
1:電子線源、2:加速電極、3:電子線、4:第一照射レンズコイル、5:非点収差補正コイル、6:第2照射レンズコイル、7:絞り、8:電子線偏向コイル、9:電子線走査コイル、10:試料台、11:試料、12:対物レンズコイル、13:試料下部電子線偏向コイル、14:中間レンズコイル、15:投射レンズコイル、16:電子線光軸、17:蛍光板、18:試料拡大像、19:光学レンズ、20:撮像素子、21:陰極電源、22:加速用高圧電源、23:微動モータ、24:電子検出器、25:駆動装置、26、27:安定装置、28:レンズコイル励磁電源、29:偏向コイル励磁電源、30:レンズコイル励磁電源、31:絞り駆動電源、32:偏向コイル励磁電源、33:走査コイル励磁電源、34:微小電流増幅器、35:レンズコイル励磁電源、36:試料微動モータ駆動回路、37:偏向コイル励磁電源、38,39:レンズコイル励磁電源、40:撮像装置制御部、41:画像取込ドライバ、42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53:デジタル−アナログ変換器(DAC)、54:電流検出制御部、55:マイクロプロセッサ、56:外部記憶装置、57:演算装置、58:画像表示装置コントローラ、59:画像表示装置、60:インターフェース、61:ロータリーエンコーダ、62:インターフェース、63:ロータリーエンコーダ、64:キーボード、65:ランダムアクセスメモリ、66:リードオンリーメモリ

Claims (14)

  1. 対物レンズの電流値を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    各焦点位置における試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、
    前記各試料拡大像の画像鮮鋭度を各試料拡大像の画素平均値で除算した規格化画像鮮鋭度を求めるステップと、
    前記対物レンズの電流値と規格化画像鮮鋭度との関係に基づいて、対物レンズの電流値を設定するステップと、
    当該対物レンズの設定値において非点収差補正器の非点補正電流値を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    前記非点補正電流値における試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、
    前記非点補正電流値と画像鮮鋭度との関係に基づいて、非点収差補正器の電流値を設定するステップとを含むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  2. 請求項1記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記対物レンズの電流値と規格化画像鮮鋭度との関係を表す曲線のピークが2つあるとき、前記2つのピークの間の極小位置を求め、前記対物レンズの電流値を、前記極小位置に設定することを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  3. 対物レンズの電流値を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    各焦点位置における試料拡大像の画像鮮鋭度の角度方向成分を計算するステップと、
    前記各試料拡大像の画像鮮鋭度の角度方向成分を各試料拡大像の画素平均値で除算した規格化画像鮮鋭度を求めるステップと、
    前記規格化画像鮮鋭度に基づいて、非点収差補正方向を決定するステップと、
    前記決定された方向の非点収差補正器の非点補正電流値を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    前記非点補正電流値における試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、
    前記非点補正電流値と画像鮮鋭度との関係に基づいて、非点収差補正器の電流値を設定するステップとを含むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、非点補正が終了した後、焦点補正処理に移り、当該焦点補正処理は、
    試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    前記試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、
    前記電子線の焦点位置と画像鮮鋭度との関係を表す曲線のピーク位置を求めるステップと、
    前記電子線の焦点位置を前記ピーク位置に対応する位置に設定するステップとを含むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記画像鮮鋭度は前記試料拡大像のエッジ強調画像に対して画像演算することを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  6. 電子線の非点収差を補正する処理の後、試料に対して電子線の焦点を一致させる処理を行う透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、
    前記電子線の非点収差を補正する処理の前に、試料に対して電子線の焦点位置を略一致させる処理を行い、当該試料に対して電子線の焦点位置を略一致させる処理は、
    試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    前記試料拡大像の画素平均値を計算するステップと、
    前記電子線の焦点位置と画素平均値との関係を表す曲線の極小位置を求めるステップと、
    前記電子線の焦点位置を前記極小位置に対応する位置に設定するステップとを含み、
    前記電子線の非点収差を補正する処理は、請求項1〜3のいずれか1項記載の各ステップを含むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  7. 電子線の非点収差を補正する処理の後、試料に対して電子線の焦点を合わせる処理を行う透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、
    前記電子線の非点収差を補正する処理の前に試料に対する電子線の焦点位置を略一致させる処理を行い、当該試料に対する電子線の焦点位置を略一致させる処理は、
    試料に対する電子線の焦点位置を変化させて試料拡大像を撮像するステップと、
    前記試料拡大像の画像鮮鋭度を計算するステップと、
    前記試料拡大像の画素平均値を計算するステップと、
    各焦点位置における画像鮮鋭度と画素平均値との比を求めるステップと、
    前記電子線の焦点位置と前記比との関係を表す曲線の最大位置を求めるステップと、
    前記電子線の焦点位置を前記最大位置に対応する位置に設定するステップとを含み、
    前記電子線の非点収差を補正する処理は、請求項1〜3のいずれか1項記載の各ステップを含むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  8. 請求項6又は7記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記試料に対する電子線の焦点位置を略一致させる処理は、試料観察倍率より低い倍率で行うことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記非点補正電流値と画像鮮鋭度との関係を表す曲線のピークが2つあるとき、前記2つのピークの間の極小位置を求め、前記非点補正電流を前記極小位置及び当該非点収差補正器の非点補正電流と非点補正量のヒステリシスを考慮に入れて設定することを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  10. 請求項2及び6〜8のいずれか1項記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記試料に対する電子線の焦点位置の変化は対物レンズの励磁電流を変化させることにより行い、前記電子線の焦点位置を前記極小位置に対応する位置に設定する際に、当該対物レンズの励磁電流と焦点位置のヒステリシスを考慮に入れることを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  11. 請求項記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記2つのピークから非点隔差量を求めるステップを含むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  12. 請求項11記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記非点補正電流を変化させる範囲を前記非点隔差量に基づいて求めることを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  13. 請求項11記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記非点隔差量が予め定めされた閾値より大きいとき前記非点補正処理に進むことを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
  14. 請求項13記載の透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法において、前記非点隔差量が前記閾値より小さくなるまで前記非点隔差量の測定と前記非点補正処理を反復実行することを特徴とする透過電子顕微鏡又は走査透過電子顕微鏡による試料観察方法。
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