JP7040927B2 - 荷電粒子線装置、及び荷電粒子線装置における撮像条件調整方法 - Google Patents

荷電粒子線装置、及び荷電粒子線装置における撮像条件調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子線装置、及び荷電粒子線装置における撮像条件調整方法に関する。
荷電粒子線装置として、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)が知られている。荷電粒子線装置としては、通常の走査型電子顕微鏡の他、測長SEM、レビューSEMなどがある。
走査型電子顕微鏡では、電子源から放出された電子ビームを、対物レンズが発生させる磁場によって試料上に収束させて照射し、発生した後方散乱電子、二次電子等を計測して撮像する。このとき、試料の高さに応じて電子ビームの焦点位置を調整する必要があるが、これは対物レンズに印加されるコイル電流を調整することで実現することができる。
しかし、対物レンズの磁気回路は一般的に強磁性体で構成されており、磁気ヒステリシスの影響でコイル電流と対物レンズが発生させる磁場との関係が一意に定まらず、これが偏向倍率や像回転の誤差の原因となる。これを回避するための方法として、例えば特許文献1には、対物レンズのコイル電流と磁場との関係を一定に保つためレンズリセット処理を実行する電子顕微鏡が開示されている。レンズリセット動作は、対物レンズのコイル電流を一旦最小値まで減少させた後、再び増加させることにより、対物レンズの磁気回路を消磁する動作であり、これにより、コイル電流と磁場の関係を一意に定めることができる。しかし、このレンズリセット処理では、対物レンズに印加する電流を大きく変化させるため、磁気回路中に渦電流が発生して磁場の応答が遅れ、スループット(時間当たりの撮像枚数)が大幅に低下してしまう。
特開2008-192521号公報
本発明は、レンズリセットの頻度を減らし、スループットを向上させた荷電粒子線装置、及び荷電粒子線装置における撮像条件調整方法を提供する。
上記問題点を解決するため、本発明に従う荷電粒子線装置は、電子ビームを発生する電子源と、前記電子ビームを試料上に収束させるためコイル電流を印加される対物レンズと、前記電子ビームの焦点位置を調整可能な焦点位置調整装置と、前記試料からの電子を検出する検出器と、前記検出器からの信号に従い前記試料の画像を表示する表示部と、前記対物レンズのヒステリシス特性情報を記憶する記憶部と、前記コイル電流、前記焦点位置調整装置による焦点位置の調整量、及び前記ヒステリシス特性情報に基づいて、前記対物レンズが発生させている磁場を推定する推定部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に従う荷電粒子線装置における撮像条件調整方法は、電子ビームを発生する電子源と、前記電子ビームを試料上に集束させるためコイル電流を印加される対物レンズとを含む荷電粒子線装置における撮像条件調整方法であって、前記対物レンズのヒステリシス特性情報を取得するステップと、前記対物レンズの磁気回路を消磁させるレンズリセット動作を実行するステップと、前記コイル電流を決定するステップと、焦点位置調整装置を用いて電子ビームの焦点位置を調整するステップと、前記コイル電流、前記コイル電流の変動量、及び前記焦点位置の調整量、及び前記ヒステリシス特性情報に基づいて、前記対物レンズが発生させている磁場を推定するステップと、推定された磁場に従い撮像条件を調整するステップとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、レンズリセットの頻度を減らし、スループットを向上させた荷電粒子線装置を提供することができる。
第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。 第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の撮像条件設定プログラムについて説明するブロック図である。 対物レンズ104のヒステリシス特性について説明するグラフである。 レンズリセット動作の具体例について説明する概略図である。 レンズリセット動作の具体例について説明するグラフである。 データベース114に格納される対応表の一例である。 対応表を取得するための動作を説明する概略図である。 対応表を取得するための動作を説明する概略図である。 従来の走査型電子顕微鏡(SEM)の動作を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。 第3の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。 第4の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
なお、以下の実施の形態では、荷電粒子線装置の一例として、走査型電子顕微鏡を例として説明するが、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、他の種類の荷電粒子装置(測長SEM、レビューSEM等)にも適用可能である。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1に、第1の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。この走査型電子顕微鏡は、一例として、電子銃101と、集束レンズ102と、走査コイル103と、対物レンズ104と、一次電子検出器106と、ステージSTと、物面位置検出器107と、二次電子検出器108とを備える。
電子銃101は、電子を所定の加速電圧で加速させて電子ビームを発生させる。集束レンズ102は、この電子ビームを集束させて電子ビームの直径を縮小させる。走査コイル103は、電子ビームを走査する役割を有する。対物レンズ104は、コイル電流Iobjを印加されることにより、電子ビームを集光(収束)させて直径数nm程度の電子ビームとしてステージST上のスライドガラスSG上に載置された試料S上に照射させる。走査コイル103に印加される電圧により、電子ビームは試料S上を移動する。
一次電子検出器106は、試料Sから反射した一次電子(後方散乱電子)を検出する検出器である。また、物面位置検出器107は、試料Sの表面のZ方向の高さを検出するための検出器である。物面位置検出器107は、一例として、光源107a、結像レンズ107b、集光レンズ107c、及び受光素子107dを備えている。受光素子107dにおける受光状態を判定することにより、試料Sの表面のZ方向の位置(物面位置Zs)を判定することができる。
二次電子検出器108は、試料Sから発生した二次電子を検出する検出器である。前出の一次電子検出器106、及び二次電子検出器108の出力信号に基づき試料Sの画像情報が生成される。
また、この走査型電子顕微鏡は、制御部111、RAM112、ROM113、データベース114、XY走査部115、画像処理部116、ディスプレイ117、倍率調整部118、像回転部119、及びリターディング電圧制御部120を備えている。
制御部111は、走査型電子顕微鏡における各種電圧、電流を制御するなどして、走査型電子顕微鏡全体の動作を司る。RAM112、ROM113は、制御動作に用いられるプログラム、データを記憶する役割を有する。データベース114は、後述するように、対物レンズ104のヒステリシス特性情報を記憶している。
XY走査部115は、走査領域の寸法や走査速度に応じて電子ビームをXY方向に走査する。また、画像処理部116は、一次電子検出器106及び/又は二次電子検出器108の出力信号に応じて画像処理を実行し、ディスプレイ117に表示する画像データを生成する。ディスプレイ117は、検出器106、108からの信号を画像処理部116が処理して生成した画像データ(信号)に従い、その画像を表示画面上に表示する。倍率調整部118は、制御部111からの制御信号に従い、画像処理部116が生成した画像データの倍率を調整する。また、像回転部119は、制御部111からの制御信号に従い、画像処理部116が生成した画像データを回転させる。
リターディング電圧制御部120は、制御部111からの制御信号に従い、ステージSTに印加するリターディング電圧Vrを制御する。リターディング電圧Vrは、試料S又はその近傍に印加される負の電圧であり、電子銃101で加速した電子ビームを試料Sの直前で減速させる。電子ビームが減速されることにより、試料Sにおける焦点位置を調整することができる。ただし、リターディング電圧Vrが印加されることにより、電場の歪みが生じ、得られるSEM画像の倍率や角度が変化することがあり得る。
ROM113に格納される制御プログラムは、試料Sの撮像条件を設定するための撮像条件設定プログラムを含む。撮像条件設定プログラムは、図2に示すように、コイル電流Iobjに関する情報、リターディング電圧Vrに関する情報、物面位置Zsに関する情報、及びRAM112又はROM113に記憶されるヒステリシス特性情報に基づき、偏向倍率、及び像回転量を算出し、これを倍率調整部118及び像回転部119に供給する。ヒステリシス特性情報の詳細は後述する。なお、撮像条件の設定のファクターとして撮像条件設定プログラムに入力する情報は、上記のものに限定されるものではなく、上記の情報に代えて、又は加えて、別の情報を入力することも可能である。
対物レンズ104は、コイルと、鉄などの強磁性体からなる磁気回路とで構成される。物面位置検出器107で計測した試料高さに基づきコイルに電流を印加すると、光軸上に磁場が発生する。このとき、強磁性体はヒステリシス特性を有するため、強磁性体が帯磁されている場合、電流をある値Iogjに設定しても、光軸上の磁束密度Bobjはその帯磁量によって変動し、一意に定まらない。
図3を用いて、対物レンズ104のヒステリシス特性について説明する。対物レンズ104のコイルに印加するコイル電流Iobjの最大値はImax、最小値はIminであるとする。また、そのコイル電流Iobjにより対物レンズ104の周囲に発生する磁気の磁束密度Bobjの最大値はBmax、最小値はBminであるとする。
強磁性体からなる磁気回路の帯磁が除去された状態(消磁された状態)では、コイル電流Iobjと磁束密度Bobjとの関係は、上昇曲線CRにより規定される。すなわち、磁気回路が帯磁していない場合(消磁された場合)では、コイル電流Iobjが決まれば、磁束密度Bobjは一意に定まる。一般に走査型電子顕微鏡では、この上昇曲線CRを事前に求めておき、この上昇曲線CRのデータを参照して磁束密度Bobjの値を算出(推定)する。
一方、コイル電流Iobjを最大値Imaxまで増加させた後に再び最小値Iminに向けて減少させると、コイル電流Iobjと磁束密度Bobjとの関係は、例えば下降曲線CLに沿って変化する。コイル電流Iobjが最大値Imaxと最小値Iminとの間で様々な履歴を経て変化した場合、コイル電流Iobjと磁束密度Bobjとの関係は、下降曲線CLとCRで囲まれた閉曲線Cの範囲内のいずれかとなる。すなわち、対物レンズ104の磁気回路が帯磁している場合、コイル電流Iobjと磁束密度Bobjとの関係は一意には定まらない。例えば、磁気回路が帯磁されている状態で、コイル電流Iobjの値がIs1と決まっても、磁束密度Bobjの値B1(図3参照)は、最大値Bmax1と最小値Bmin1の間のいずれかの値となり、磁束密度Bobjの値を推定することができない。
コイル電流Iobjと磁束密度Bobjの関係が一意に定まらないと、リターディング電圧Vrを調整する必要があるが、この場合、コイル電流Iobjを入力として計算される偏向倍率・像回転量に誤差が含まれ、画像や測長値の再現性が悪化する。
このため、従来の走査型電子顕微鏡では、コイル電流Iobjの変動量が一定値以上になる場合には、レンズリセットと呼ばれる動作を実行する。前述の通り、レンズリセット動作は、対物レンズのコイル電流を一旦最小値まで減少させた後、再び増加させることにより、対物レンズの磁気回路を消磁する動作である。このレンズリセット動作の具体例を、図4及び図5を参照して説明する。図4は、レンズリセット動作時のコイル電流Iobj及び磁束密度Bobjの変化を示すグラフであり、図5はコイル電流Iobjの時間的な変化を示すグラフである。
時刻t0においてコイル電流Iobjの値がI1であり、その後コイル電流Iobjを、I1よりも所定値以上大きい目標値I2まで変動させる場合において、磁気回路の消磁のためにレンズリセット動作が実行される。レンズリセット動作においては、まず、時刻t1にコイル電流Iobjを最大値Imaxまで増加させた後、更に所定時間後の時刻t2において最小値Iminまで減少させる。そして、時刻t3において目標値I2まで上昇させる。このように、コイル電流Iobjを最大値Imaxまで上昇させ、次いで最小値Iminまで戻すことにより、対物レンズ104の磁気回路が消磁される。消磁後は、コイル電流Iobjと磁束密度Bobjとの関係が再び上昇曲線CRにより規定されることになり、コイル電流Iobjが決まれば、磁束密度Bobjは一意に定まる。
しかし、レンズリセット動作は電流の変化量が大きいため、磁場が応答するまでの待ち時間が長く(例えば数十秒)、スループットを低下させてしまう。そこで、本実施の形態では、レンズリセット動作を用いずにヒステリシスの影響を除去する。本実施の形態では、焦点位置の調整のためリターディング電圧Vrを調整する走査型電子顕微鏡において、コイル電流Iobj、コイル電流Iobjの変動量ΔIobj、リターディング電圧Vrの変動量ΔVhys、及び磁束密度Bobjの変動量ΔVhys等の関係を示す対応表(ヒステリシス特性情報)を予め取得し、その対応表をデータベース114に格納する。この対応表を参照することにより、前述の偏向倍率や像回転量が補正される。
図6は、データベース114に格納される対応表の一例を示す。この対応表において、横方向に並ぶデータが1組のデータを示している。この対応表は、一例として、(1)コイル電流Iobjの値、(2)コイル電流Iobjの変動量ΔIobj、(3)そのコイル電流Iobjの値及び変動量ΔIobjが与えられた場合におけるリターディング電圧Vrの変動量ΔVhys、(4)磁束密度Bobjの変動量ΔBhys、(5)変動量ΔBhysを算出するために用いるコイル電流Iobjの変動量ΔIhysが、1組のデータとして与えられている。この1組のデータ中のデータの種類は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。対応表は、コイル電流Iobjの変動量ΔIobjと、磁束密度Bobjの変動量ΔBobjの関係に関する情報を含んでいればよい。
この対応表は、例えば図7に示す動作を行うことにより取得することができる。なお、図7中で丸数字1~6は、対応表の取得動作における手順(ステップ1~6)を示している。なお、この対応表のデータを取得する動作は、RAM112又はROM113に格納されるヒステリシス特性情報取得プログラムを制御部111が実行することにより行われる。すなわち、制御部111がヒステリシス情報取得部として機能する。
最初に、通常のレンズリセット動作を図4及び図5に示す要領で1回実施した後、コイル電流Iobjの値を初期値Is1に設定し(ステップ1)、リターディング電圧Vrを調整する。SEM画像のピント状態を見て、焦点が合ったときのリターディング電圧Vrの値Vr1を求める。この時点では、対物レンズ104の磁気回路はレンズリセット動作により消磁されているため、磁束密度Bobj=Bmin1は、取得済みの上昇曲線CRのデータに基づいて求めることができる。このようにして、磁気回路が消磁された状態において、コイル電流IobjがIs1に設定されている場合における、磁束密度Bobjとリターディング電圧Vrとの関係は、(Bobj、Vr)=(Bmin1、Vr1)と求められる。
次に、コイル電流Iobjの値を、Is1よりも差分ΔIobjだけ大きい値Is1uに変動させてから(ステップ2)、再びコイル電流Iobjを初期値Is1に戻し、リターディング電圧Vrを調整して焦点が合う時のリターディング電圧Vrの値Vr1’を求める(ステップ3)。この時点でヒステリシス特性の影響が現れるため、ステップ3における磁束密度Bobjの値B1は、取得済みの上昇曲線CRのデータからは特定できず、このステップ3の時点では不明である。
続いて、リターディング電圧Vrの値はステップ3における値Vr1に維持しつつ、一旦コイル電流Iobjを最小値Iminまで減少させる(ステップ4)。このとき、リターディング電圧VrがVr1に維持されている影響で、得られるSEM画像は焦点が合っていないデフォーカス状態(非合焦状態、ピンボケ状態)である。ステップ4では、対物レンズ104の磁気回路は再度消磁される。
このステップ4から、リターディング電圧Vrの値をVr1のまま維持しつつ、再度図7中の上昇曲線CRに沿ってコイル電流Iobjを大きくしていく。このとき、リターディング電圧Vr=Vr1であるため、得られるSEM画像はデフォーカス状態であるが、コイル電流Iobjが増加するに従って、SEM画像は徐々にフォーカス状態(合焦状態)に近づく。そして、磁束密度Bobjが前述の不明値B1と等しくなると(ステップ5)、SEM画像がフォーカス状態となる。この時のコイル電流Iobjの値Is1rが特定され(変動量ΔIhys=Is1r-Is1も特定され)、更に、既知の上昇曲線CRの情報に基づき不明値B1の値もこの時点で特定される。
以上のようにして、コイル電流Iobjを、初期値Is1からΔIobjだけ変動(上昇)させて、再び初期値Is1に戻した場合における磁束密度Bobjの初期値Bmin1からの変動量ΔBhys(=B1-Bmin1)が求められる。また、リターディング電圧Vrの変動量ΔVhys(=Vr1’-Vr1)も求められる(ステップ6)。こうして、コイル電流Iobjの値(初期値)と、そのコイル電流Iobjの値(初期値)からのコイル電流Iobjの変動量ΔIobj、その変動量ΔIobjが与えられた場合におけるリターディング電圧Vrの変動量ΔVhys、及び磁束密度Bobjの変動量ΔBhysが、1組のデータとして与えられ、対応表を構成するデータとしてデータベース114に格納される。
以上の動作(ステップ1~6)を、コイル電流Iobjの初期値と変動量ΔIobjを様々に変更し、Iobjの値(初期値)、変動量ΔIobj、変動量ΔVhys、及び変動量ΔVhysの値の組み合わせを複数取得する。この複数のデータの組み合わせにより、前述の対応表が形成される。このとき、コイル電流Iobjの値は、図8に示すように、最小値Iminと最大値Imaxの間で、所定の間隔で複数通りに変化させ、それぞれの値ごとに更に変動量ΔIobjを複数通り(例えばΔIobj11、ΔIobj12、ΔIobj13の3通り)に変化させてデータを取得するのが好ましい。
このような対応表(ヒステリシス特性情報)が得られると、これを参照することにより、レンズリセット動作を繰り返すことなく、ヒステリシス特性による磁束密度の変化分を推定し、それに応じた画像処理を行うことが可能になる。具体的には、図2の撮像条件設定プログラムにコイル電流Iobjに関する値(Is1、ΔIobj)、リターディング電圧Vrに関する値(Vr1、Vr1’)、及び試料Sの物面位置Zsの情報が入力情報として与えられると、撮像条件設定プログラムは、データベース114に格納されているヒステリシス特性情報を参照し、入力された値に対応する磁束密度Bobjの変動量ΔBobjを推定する(すなわち、制御部111が、変動量ΔBobjを推定する推定部として機能する)。この推定値に基づき、偏向倍率及び像回転量を算出し、それぞれ倍率調整部118及び像回転部119に送信する。これにより、レンズリセット動作が不要となるか、その回数を減少させることができる。
なお、データベース114に格納されるヒステリシス特性情報は、図6に示すような対応表に限られない。例えば、Iobj、ΔIobj、リターディング電圧Vrの変動量ΔVhysを変数とする多変数関数を格納し、この関数に基づいて磁束密度の変動量ΔBobjを推定(算出)することも可能である。図6のような対応表を用いる場合、データ間の補間には線形補間や多項式近似、アキマ補間などを用いることができる。ここまでヒステリシスによる磁場の変化分の推定について述べたが、磁気特性の非線形性による磁場の変化分が含まれる場合(磁気飽和付近まで励磁する場合など)についても同様に推定可能である。
なお、図6のような対応表、その他の形式のヒステリシス特性情報の取得方法は、図7で示した方法に限定されないことは言うまでもない。図7で説明した取得方法は、実際にコイル電流Iobjを増減して得られるものであるが、実際にコイル電流Iobjを印加する代わりに、コンピュータ上のシミュレーションにより同様の対応表を取得することも可能である。
次に、第1の実施の形態の走査型電子顕微鏡の動作を、従来の走査型電子顕微鏡の動作と比較しつつ(図9)、図10を参照して説明する。
図9に示すように、従来の走査型電子顕微鏡では、まず試料SをステージST上に載置(ロード)した後、図4及び図5で説明したようなレンズリセット動作を実施する(ステップS110)。
その後、試料Sの高さに基づき対物レンズ104に印加するコイル電流Iobjの値を決定する(ステップS120)。このとき、コイル電流Iobjの変動の履歴によっては、コイル電流Iobjと磁束密度Bobjとの間の関係が、既知の上昇曲線CRからヒステリシス特性によってずれており、そのずれがどの程度であるのか否かを判別することができない。
このため、従来の走査型電子顕微鏡では、コイル電流Iobjが一定値以上変動したか否かを判別し(ステップS130)、一定値以上変動していた場合にはレンズリセット動作を実施し(ステップS140)、ヒステリシス特性の影響を最小限に抑えた状態でリターディング電圧Vrによる焦点合わせ及び撮像を実行する(ステップS170)。次の試料Sがあればそのロードを行い、同様の撮像が繰り返される(ステップS180、S190)このように、従来の走査型電子顕微鏡では、レンズリセット動作の実行回数が多くなり、スループットが低下してしまう。
一方、第1の実施の形態の走査型電子顕微鏡では、対応表を前述の要領であらかじめ作成して、データベース114に格納しておく(ステップS200)。対応表の格納後の撮像動作では、試料Sのロードを行った後、レンズリセット動作が行われ、コイル電流Iobjが決定される(ステップS210、S220)。コイル電流Iobjの変動量ΔIobjが所定値以上であったとしても、この第1の実施の形態では、それのみではレンズリセット動作は行わず、リターディング電圧Vrの調整による焦点合わせ(ステップS250)が行われる。
その後、決定されたコイル電流Iobj、変動量ΔIobj、リターディング電圧Vrの変動量ΔVhrs(すなわち焦点位置の調整量)、及び物面位置Zsに従い、データベース114においてヒステリシス特性情報としての対応表が参照される。この参照結果に基づき、磁束密度Bobjの変動量ΔBobjが特定され、これに従って撮像条件(偏向倍率、像回転量)が算出され、倍率調整部118、及び像回転部119に送信され、SEM画像が補正され(ステップS260)、撮像が行われる(ステップS270)。このように、本実施の形態によれば、試料Sをロードした直後を除き、レンズリセット動作が不要となり、その分スループットを向上させることができる。
なお、ステップS260において、ヒステリシス特性による磁場の変動分を推定するときに用いるリターディング電圧Vrの値は、試料Sの帯電分を差し引いた値とすることが好適である。試料Sの帯電の測定は、帯電計測器を用いるか、レンズリセット直後のヒステリシスが無い状態でリターディング電圧Vrによる焦点合わせを実行した際の電圧値から求めてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図11に、第2の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については、図11において図1と同一の参照符号を付しているので、以下ではその詳細な説明は省略し、相違点のみを説明する。
第1の実施の形態の走査型電子顕微鏡は、焦点位置の調整装置として試料Sに印加するリターディング電圧Vrの値を調整するリターディング電圧制御部120を備えている。第2の実施の形態の走査型電子顕微鏡では、これに代えて(又は加えて)、電子銃101における加速電圧を調整する加速電圧制御部121を備える。この加速電圧制御部121において加速電圧を調整することにより、電子ビームの焦点位置を調整することができる。
この第2の実施の形態の場合、データベース114に格納する対応表には、リターディング電圧Vrの変動量ΔVhysに代えて(又は加えて)、加速電圧の変動量ΔVachysをデータとして含めることができる。
この第2の実施の形態における動作を説明する。全体の動作は、第1の実施の形態(図10)と同様である。ただし、図10に示すステップS250に代えて(又は加えて)、電子銃101による加速電圧の調整により焦点合わせを行う。
そして、ステップS260では、上述のような対応表をヒステリシス特性情報としてデータベース114で参照することにより、第1の実施の形態と同様に偏向倍率および像回転を補正することができる。撮像条件設定プログラム(図2)への入力情報としては、リターディング電圧Vrに関する情報に代えて(又は加えて)、加速電圧の変動量に関する情報(すなわち焦点位置の調整量に関する情報)が入力される。これにより、第1の実施の形態と同様に、レンズリセット動作を不要又はその回数を減らすことができ、スループットを向上させることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図12に、第3の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については、図12において図1と同一の参照符号を付しているので、以下ではその詳細な説明は省略し、相違点のみを説明する。
前述の実施の形態では、リターディング電圧Vrや電子銃101の加速電圧を調整することにより、換言すれば電界を調整することにより電子ビームの焦点位置を調整している。この第3の実施の形態は、このような調整に代えて(又は加えて)、磁気回路の材料として非磁性体を用いた磁場型レンズ131を別途設け、この磁場型レンズ131により焦点位置を調整するよう構成したものである。この磁場型レンズ131では、焦点位置を調整するための磁場を発生させる際に磁性体を用いていないため、電場で焦点位置を調整する場合と同様、ヒステリシスの影響を受けることが無い。
具体的には、図10のフローにおいて、ステップS250のリターディング電圧Vrによる焦点合わせに代えて(又は加えて)、磁場型レンズ131への印加電流を調整して焦点合わせを行う。このときの磁場型レンズ131に印加する電流(又は電圧)と、対物レンズ104のコイル電流Iobjとの対応関係を求めておき、これをデータベース114に対応表として格納しておくとともに、これを撮像動作の際に参照することで、偏向倍率および像回転を前述の実施の形態と同様に補正することができる。撮像条件設定プログラム(図2)への入力情報としては、リターディング電圧Vrに関する情報に代えて(又は加えて)、磁場型レンズ131に印加する電流又は電圧に関する情報(すなわち焦点位置の調整量に関する情報)が入力される。
なお、磁場型レンズ131が発生させる磁場が対物レンズ104の磁気回路に干渉すると、ヒステリシスの影響を受けてしまうため、磁場型レンズ131と対物レンズ104の間は十分に距離を置いて設置する必要がある。
[第4の実施の形態]
続いて、本発明の第4の実施の形態を説明する。図13に、第4の実施の形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略図を示す。第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については、図13において図1と同一の参照符号を付しているので、以下ではその詳細な説明は省略し、相違点のみを説明する。
上記実施の形態では、電子ビームの焦点位置を電場または磁場により調節する方法を採用している。この第4の実施の形態では、電子ビームの焦点位置を電場又は磁場により調節する代わりに(又はこれに加えて)、試料SのZ方向の高さ(ステージSTの高さ)をステージ制御部151により電子ビームの焦点位置を(相対的に)調節する。
具体的には、図10のフローにおいて、ステップS250のリターディング電圧Vrによる焦点合わせに代えて(又は加えて)、試料SのZ方向の高さをステージ制御部151を制御して調整する。このときの試料Sの高さの調整分と、対物レンズ104のコイル電流Iobjとの対応関係を対応表として取得しておき、これを撮像動作の際参照することで、前述の実施の形態と同様に偏向倍率および像回転を補正することができる。撮像条件設定プログラム(図2)への入力情報としては、リターディング電圧Vrに関する情報に代えて(又は加えて)、このステージ制御部151における制御量に関する情報(すなわち焦点位置の調整量に関する情報)が入力される。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
101…電子銃、102…集束レンズ、103…走査コイル、104…対物レンズ、106…一次電子検出器、107…物面位置検出器、108…二次電子検出器、111…制御部、112…RAM、113…ROM、114…データベース、115…XY走査部、116…画像処理部、117…ディスプレイ、118…倍率調整部、119…像回転部、120…リターディング電圧制御部、121…加速電圧制御部、131…磁場型レンズ、151…ステージ制御部、S・・・試料、ST…ステージ。

Claims (11)

  1. 電子ビームを発生する電子源と、
    前記電子ビームを試料上に収束させるためコイル電流を印加される対物レンズと、
    リターディング電圧を印加して前記電子ビームの焦点位置を調整可能な焦点位置調整装置と、
    前記試料からの電子を検出する検出器と、
    前記検出器からの信号に従い前記試料の画像を表示する表示部と、
    前記コイル電流の初期値、前記コイル電流の変動量、前記焦点位置調整装置による焦点位置の調整量、及び磁束密度の変動量の関係を、前記対物レンズのヒステリシス特性情報として記憶する記憶部と、
    前記コイル電流、前記コイル電流の変動量、及び前記焦点位置調整装置による焦点位置の調整量基づいて、前記対物レンズが発生させている磁場を推定する推定部と
    を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 前記推定部で推定された磁場に従い、撮像された画像の偏向倍率を補正する倍率補正部を更に備えた、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記推定部で推定された磁場に従い、撮像された画像の像回転を補正する、請求項1又は2に記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記ヒステリシス特性情報を取得するヒステリシス特性情報取得部を更に備え、
    前記ヒステリシス特性情報取得部は、
    前記コイル電流を初期値に設定した後、第1の変動量だけ増加させ、再び前記初期値に戻し、前記画像の合焦状態が得られる第1電圧までリターディング電圧を調整する第1ステップと、
    前記リターディング電圧を前記第1電圧に維持しつつ、前記コイル電流を最小値まで減少させた後、前記画像の合焦状態が得られるまで再び増加させる第2ステップと、
    前記第2ステップで合焦状態が得られたときのコイル電流の値に基づき、前記ヒステリシス特性情報を演算する第3ステップと
    を実行するよう構成されている、請求項に記載の荷電粒子線装置。
  5. 前記焦点位置調整装置は、前記電子源の電圧を調整することにより、前記電子ビームの焦点位置を調節する、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  6. 前記焦点位置調整装置は、磁気回路の材料として非磁性体を用いたレンズを備えることを特徴とする、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  7. 前記焦点位置調整装置は、前記試料が載置されているステージの位置を調整するステージ制御部を含む、請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  8. 電子ビームを発生する電子源と、前記電子ビームを試料上に集束させるためコイル電流を印加される対物レンズとを含む荷電粒子線装置における撮像条件調整方法であって、
    前記コイル電流の初期値、前記コイル電流の変動量、リターディング電圧を印加して前記電子ビームの焦点位置を調整可能な焦点位置調整装置による焦点位置の調整量、及び磁束密度の変動量の関係を、前記対物レンズのヒステリシス特性情報として取得するステップと、
    前記対物レンズの磁気回路を消磁させるレンズリセット動作を実行するステップと、
    前記コイル電流を決定するステップと、
    前記焦点位置調整装置を用いて電子ビームの焦点位置を調整するステップと、
    前記コイル電流の初期値、前記コイル電流の変動量、及び前記焦点位置の調整量基づいて、前記対物レンズが発生させている磁場を推定するステップと、
    推定された磁場に従い撮像条件を調整するステップと
    を備えたことを特徴とする、荷電粒子線装置における撮像条件調整方法。
  9. 推定された磁場に従い、撮像された画像の偏向倍率を補正するステップを更に備えた、請求項に記載の方法。
  10. 推定された磁場に従い、撮像された画像の像回転を補正するステップを更に備えた、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記ヒステリシス特性情報を取得するステップは、
    前記コイル電流を初期値に設定した後、第1の変動量だけ増加させ、再び前記初期値に戻し、画像の合焦状態が得られる第1電圧までリターディング電圧を調整する第1ステップと、
    前記リターディング電圧を前記第1電圧に維持しつつ、前記コイル電流を最小値まで減少させた後、前記画像の合焦状態が得られるまで再び増加させる第2ステップと、
    前記第2ステップで合焦状態が得られたときのコイル電流の値に基づき、前記ヒステリシス特性情報を演算する第3ステップと
    を含む、請求項に記載の方法。
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