JPH08306331A - 荷電粒子線照射装置 - Google Patents

荷電粒子線照射装置

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JPH08306331A
JPH08306331A JP7106252A JP10625295A JPH08306331A JP H08306331 A JPH08306331 A JP H08306331A JP 7106252 A JP7106252 A JP 7106252A JP 10625295 A JP10625295 A JP 10625295A JP H08306331 A JPH08306331 A JP H08306331A
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JP
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astigmatism
correction value
charged particle
particle beam
applied voltage
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JP7106252A
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English (en)
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Hiroyasu Shimizu
弘泰 清水
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 集束レンズに追加して静電レンズを設けた構
成であっても、静電レンズの印加電圧を変化させる毎に
非点収差補正器の補正値を調整する必要がない荷電粒子
線照射装置を提供する。 【構成】 集束レンズ4と、集束レンズ4とは別の静電
レンズ6と、非点収差補正器8と、を備えた荷電粒子線
照射装置において、静電レンズ6の印加電圧と、非点収
差が許容範囲に収まるときの非点収差補正器8の補正値
とを対応付ける規則を記憶したメモリ15aと、装置の
特定の使用条件に対応して非点収差補正器8の補正値が
設定された状態から静電レンズ6の印加電圧が変更され
たときメモリ15aが記憶する規則に従って変更後の印
加電圧に対応する非点収差補正器8の補正値を特定し、
その特定された値に非点収差補正器8の補正値を設定す
る制御装置15とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば走査型電子顕微
鏡のように目標物へ荷電粒子線を照射する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は走査型電子顕微鏡の一例を示すも
のである。この図において1は電子線源であって、そこ
から放射された電子線2は照射レンズ3および対物レン
ズ4により集束作用を受けて試料5上で焦点を結ぶ。制
御電源12から偏向器7に与えられる励磁電流の変化に
応じて試料5が電子線2で二次元的に走査され、その際
に放出される反射電子、二次電子や試料5に吸収された
電流が不図示の検出器で検出される。この検出器の検出
信号に基づいて試料5の像が形成される。ここで、上記
の顕微鏡では、光学系の各種の構成部品の加工誤差や組
立て誤差、あるいは使用に伴う汚れ等で非点収差が生じ
るため非点収差補正器8を備える。この非点収差補正器
8は、制御電源10からの励磁電流に応じた非対称磁場
を電子線2の軌道上に生じさせて非点収差を補正する。
また、最近では対物レンズ4の近傍に静電レンズ6を追
加したものがある。制御電源13から静電レンズ6に正
の電圧を印加すると、試料5からの二次電子が加速さ
れ、微小な孔(例えば半導体集積回路のコンタクトホー
ル)等でも明瞭に観察できる。なお、図7において9は
電子線源1からの電子線2の放射を制御する制御電源、
11は照射レンズ3の励磁電流を制御する制御電源、1
4は対物レンズ4の励磁電流を制御する制御電源であ
る。
【0003】また、いわゆる環境制御型の電子顕微鏡で
も対物レンズと試料との間に静電レンズが介装される。
その一例を図8により説明する。この例では、電子線源
(不図示)を収納した真空容器20の下端に、電子線を
通過させるアパーチャ21aを備えたアパーチャプレー
ト21が絶縁体22を介して装着され、これらの外側に
集束レンズとしての対物レンズ23が配置されている。
試料24の観察時には、可変電源25からアパーチャプ
レート21に正の電圧が印加され、かつアパーチャプレ
ート21と試料24との間に二次電子の増幅作用を有す
る気体(例えば水蒸気)が供給される。この状態で試料
24に電子線が照射されると、試料24から放出された
二次電子がアパーチャプレート21の電場と水蒸気等と
によって増幅されてアパーチャプレート21に取り込ま
れ、さらにアンプ26を介して不図示の処理装置へ導か
れる(例えば特開平6−60841号公報)。この例で
はアパーチャプレート21が二次電子の検出器と静電レ
ンズとを兼ねている。
【0004】以上の他にも、電子顕微鏡等の光学系の動
的焦点補正や自動焦点合わせを電磁式の集束レンズの励
磁電流の調整で行なうと応答性が悪いため、集束レンズ
とは別に静電レンズを追加し、その印加電圧を調整して
焦点調整を行なう例がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、集束レ
ンズとは別に静電レンズを設けた場合、集束レンズの軸
と静電レンズの軸とが一致しないことがある。この場
合、非点収差補正器にて非点収差を補正した状態から静
電レンズの電圧が変化すると、上記の軸ずれに起因して
非点収差が発生し、非点収差補正器の補正値を再調整す
る必要があった。
【0006】本発明の目的は、集束レンズに追加して静
電レンズを設けた構成であっても、静電レンズの印加電
圧を変化させる毎に非点収差補正器の補正値を手動調整
する必要がない荷電粒子線照射装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1に対
応付けて説明すると、請求項1の発明は、荷電粒子線に
集束作用を与える集束レンズ4と、集束レンズ4とは別
に設けられ、印加電圧に応じた電場を荷電粒子線の軌道
上に生じさせる静電レンズ6と、非点収差補正器8とを
備えた荷電粒子線照射装置に適用される。そして、装置
の特定の使用条件に対応して非点収差補正器8の補正値
が設定された状態から静電レンズ6の印加電圧が変更さ
れたとき、変更後の印加電圧に基づいて非点収差補正器
8の補正値を変更する補正値制御手段15を設けて上述
した目的を達成する。請求項2の発明は、荷電粒子線に
集束作用を与える集束レンズ4と、集束レンズ4とは別
に設けられ、印加電圧に応じた電場を荷電粒子線の軌道
上に生じさせる静電レンズ6と、非点収差補正器8とを
備えた荷電粒子線照射装置に適用される。そして、静電
レンズ6の印加電圧と、非点収差が許容範囲に収まると
きの非点収差補正器8の補正値とを対応付ける規則を記
憶した記憶手段15aと、装置の特定の使用条件に対応
して非点収差補正器8の補正値が設定された状態から静
電レンズ6の印加電圧が変更されたとき、記憶手段15
aが記憶する上記規則に従って変更後の印加電圧に対応
する非点収差補正器8の補正値を特定する特定手段15
と、非点収差補正器8の補正値を特定手段15にて特定
された値に設定する設定手段15とを設けて上述した目
的を達成する。請求項3の発明は請求項2の荷電粒子線
照射装置に適用され、静電レンズ6の印加電圧と、非点
収差が許容範囲に収まるときの非点収差補正器8の補正
値との関係が二以上の条件について与えられたとき、当
該与えられた条件に基づいて上記規則を導出する導出手
段15を設けた。請求項4の発明は請求項2の荷電粒子
線照射装置に適用され、静電レンズ6への印加電圧を非
点収差補正器8の補正値に変換する変換式を、導出手段
15が上記規則として導出する。請求項5の発明は請求
項2の荷電粒子線照射装置に適用され、設定手段15に
て非点収差補正器8の補正値が設定された後に静電レン
ズ6の印加電圧が一定のままで非点収差補正器8の補正
値が変更されたとき、当該変更後の補正値に対応して上
記規則を変更する規則変更手段15を設けた。請求項6
の発明は、荷電粒子線光学系に付設された静電レンズ6
の印加電圧を予め定められた複数の試験値に順次設定
し、上記複数の試験値のそれぞれについて非点収差が許
容範囲に収まるよう荷電粒子線光学系内の非点収差補正
器8の補正値を調整する試験手段15と、上記複数の試
験値と試験手段15にて調整された後の非点収差補正器
8の補正値との対応関係に基づいて、静電レンズ6の印
加電圧と、非点収差が許容範囲に収まるときの非点収差
補正器8の補正値とを対応付ける規則を導出する導出手
段15と、を備えた荷電粒子線照射装置により、上述し
た目的を達成する。なお、本発明にいう静電レンズは、
4極、8極等の電極を荷電粒子線の軌道の回りに配置し
て荷電粒子線を積極的に集束、あるいは拡散させるもの
に限らず、荷電粒子線の軌道に電場を生じさせ、その結
果として荷電粒子線にレンズ作用を与えるものすべてを
含む。例えば図8のアパーチャプレート21も静電レン
ズに含まれる。
【0008】
【作用】請求項1の発明では、装置の特定の使用条件に
対応して非点収差補正器8の補正値が設定された状態か
ら静電レンズ6の印加電圧が変更されると、補正値制御
手段15により変更後の印加電圧に基づいて非点収差補
正器8の補正値が変更される。請求項2の発明では、装
置の特定の使用条件に対応して非点収差補正器8の補正
値が設定された状態から静電レンズ6の印加電圧が変更
されると、記憶手段15aの記憶した上記規則に従って
変更後の印加電圧に対する非点収差補正器8の補正値が
特定され、その特定された値に非点収差補正器8の補正
値が設定されて非点収差が許容範囲内に補正される。請
求項3の発明では、静電レンズ6の印加電圧と非点収差
が許容範囲に収まるときの非点収差補正器8の補正値と
の関係を二以上の条件について導出手段15に与えると
上記規則が導出される。請求項4の発明では、静電レン
ズ6の印加電圧を非点収差補正器8の補正値に変換する
変換式が上記規則として導出される。請求項5の発明で
は、設定手段15による非点収差補正器8の補正値の設
定後に静電レンズ6の印加電圧が一定のままで非点収差
補正器8の補正値が変更されると、変更後の補正値に対
応して変更手段15により上記規則が変更される。請求
項6の発明では、試験手段15により静電レンズ6の印
加電圧を予め定められた複数の試験値に順次設定する
と、各試験値毎に非点収差が許容範囲に収まるよう非点
収差補正器8の補正値が調整される。そして、上記複数
の試験値と試験手段15にて調整された後の非点収差補
正器8の補正値との対応関係に基づいて、静電レンズ6
の印加電圧と、非点収差が許容範囲に収まるときの非点
収差補正器8の補正値とを対応付ける規則が導出手段1
5にて導出される。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0010】
【実施例】図1〜図6を参照して本発明を走査型電子顕
微鏡に適用した実施例を説明する。図1は本実施例の走
査型電子顕微鏡の概略を示し、図7との共通部分には同
一符号を付してある。図1から明らかなように、本実施
例では上述した図7の走査型電子顕微鏡に制御装置15
を追加している。この制御装置15は、静電レンズ6の
印加電圧に応じて非点収差補正器8の励磁電流を変更さ
せるべく図2,図4,図5の処理プログラムを保有す
る。なお、以下の説明では、非点収差補正器8が図6に
示すように、電子線の光軸AX(図1参照)の回りに9
0゜ピッチで配置される四極のx軸補正コイルCxと、
コイルCxに対して光軸Axの回りに45゜回転させて
配置される四極のy軸補正コイルCyとを備えるものと
し、コイルCxに対する励磁電流をIx、コイルCyに対
する励磁電流をIyとする。
【0011】図2は、静電レンズ6の印加電圧Vを非点
収差補正器8の励磁電流(Ix,Iy)に変換する変換式
の設定処理を示すフローチャートである。この処理の概
略は、静電レンズ6の印加電圧を予め定めた三つの電圧
1,V2,V3に順次切換え、各電圧毎に非点収差が解
消される励磁電流(Ix,Iy)を検出し、それらの結果
から変換式を求めるものである。以下詳細に説明する。
【0012】制御装置15に対して所定の変換式設定指
令が与えられると制御装置15は図2の処理を開始し、
まずステップS1で変数iを初期値1に設定し、ステッ
プS2で制御電源13に対して印加電圧Viを指示す
る。これにより制御電源13は指示された電圧Viを静
電レンズ13に印加する。続くステップS3では、非点
収差補正器8の制御電源10を制御して非点収差補正処
理を行なう。この非点収差補正処理としては、例えば非
点収差補正器8の励磁電流(Ix,Iy)の一方(例えば
x)を固定した状態で他方(例えばIy)を変化させつ
つ電子線のビーム径を検出してビーム径が最小となる位
置で他方の励磁電流Iyを固定し、次いで一方Ixの励磁
電流を変化させつつビーム径を検出してビーム径が最小
となる位置で一方の励磁電流Ixを固定する方法がある
(例えば特開平6−333526号公報参照)。その他
にも、電子線が試料面で焦線を結ぶときの励磁電流を二
方向の焦線のそれぞれについて検出し、検出された二組
の励磁電流の平均値を採る方法など各種の方法を選択し
てよい。なお、非点収差補正処理でどの程度まで非点収
差を補正するか、すなわち非点収差の許容範囲は顕微鏡
に要求される観察精度等に応じて適宜設定する。また、
電子線のビーム径は、例えば偏向器7の励磁電流を変化
させて試料5を電子線で走査し、試料5の特定のエッジ
を電子線が横切るときの試料5からの反射電子や二次電
子の強度変化を検出すれば特定できる。
【0013】非点収差補正処理が終了するとステップS
4へ進み、その時点での非点収差補正器8の励磁電流
(Ixi,Iyi)を制御電源10から読み込み、制御装置
15に付設されたメモリ15aに記憶する。次のステッ
プS5では、印加電圧V1,V2,V3のすべてについて
検出が終了したか否かを、変数iが3か否かによって判
断する。ステップS5で否定判断したときはステップS
6で変数iに1を加算してステップS2へ戻り、ステッ
プS5で肯定判断したときはステップS7へ進んで変換
式を導出し、導出された変換式をメモリ15aに記憶し
て変換式設定処理を終了する。
【0014】ここで、図3を参照して上記の変換式を説
明する。静電レンズ6の電圧V1,V2,V3に対して非
点収差が補正されたときの非点収差補正器8の励磁電流
を、それぞれ(Ix1,Iy1),(Ix2,Iy2),
(Ix3,Iy3)としたとき、これらの条件から静電レン
ズ6の電圧Vと非点収差補正器8の励磁電流(Ix
y)との関係は図3に示す二次曲線で近似できる。な
お、図3(a)は電圧Vと励磁電流Ixとの関係を、図
3(b)は電圧Vと励磁電流Iyとの関係をそれぞれ示
す。そして、図3の関係を式で表現すれば、
【数1】 となる。ただし、
【数2】 である。図2のステップS7では上記の式を変換式とし
て導出し、記憶する。
【0015】なお、図2の処理を開始する際の上記の変
換式設定指令は、例えば制御装置15に付設された不図
示の指令器からオペレータが適宜入力し、あるいは顕微
鏡の稼動時間が一定時間に達する毎または顕微鏡が立ち
上げられる毎に自動的に指令を与える。
【0016】次に、図4に示す補正値設定処理を説明す
る。制御電源13から静電レンズ6へ印加される電圧が
変更されると制御装置15は図4の処理を開始する。な
お、この電圧の変更は、上述した図2の処理における電
圧V1,V2,V3の切換えとは別の目的(例えば感度変
更)で行なわれるものである。図4の処理では、まずス
テップS11で制御電源13から変更後の電圧Vを読み
込み、ステップS12で先に求めた変換式に従って電圧
Vに対応した励磁電流(Ix,Iy)を算出し、ステップ
S13で算出された励磁電流(Ix,Iy)を非点収差補
正器8の制御電源10に指示する。これにより、指示さ
れた励磁電流(Ix,Iy)が制御電源10から非点収差
補正器8に与えられる。以上により、静電レンズ6の印
加電圧が変更される毎に上記の変換式に従って非点収差
が許容範囲内に補正されるよう非点収差補正器8の補正
値が自動的に設定変更される。なお、図4の処理が開始
された時点で変換式が制御装置15のメモリ15aに記
憶されていない場合には、図4の処理を一旦中断して図
2の処理を実行すればよい。
【0017】図4の処理を経た後に、非点収差が残る等
の理由で非点収差補正器8の励磁電流(Ix,Iy)がオ
ペレータにて手動調整された場合、制御装置15は図5
の変換式変更処理を開始する。この処理ではステップS
21で制御電源13から静電レンズ6の印加電圧(仮に
4とする)を、制御電源10から非点収差補正器8の
励磁電流(仮にIx4,Iy4とする)を読み込み、続くス
テップS22で下式のように変換式を変更する。
【数3】
【0018】以上の実施例では、対物レンズ4が集束レ
ンズを、制御装置15が補正値制御手段、特定手段、設
定手段、導出手段、規則変更手段および試験手段を、制
御装置15のメモリ15aが記憶手段を、それぞれ構成
する。より詳しくは、図2のステップS1〜ステップS
6が試験手段を、ステップS7が導出手段を、図4の処
理全体が補正値制御手段を、図4のステップS11およ
びS12が特定手段を、ステップS13が設定手段を、
図5の処理全体が規則変更手段をそれぞれ構成する。ま
た、励磁電流(Ix,Iy)が非点収差補正器の補正値に
相当する。なお、実施例では変換式を求める際の電圧設
定や非点収差の補正を自動化したが、それらの操作の一
方または両方をオペレータが手動にて実施し、電圧Vi
と励磁電流(Ixi,Iyi)との関係を制御装置15に入
力してもよい。変換式を計算機シュミレーション等で予
め求めて制御装置15に与えることで、図2の処理その
ものを省略してもよい。
【0019】実施例では静電レンズ6の電圧Vと非点収
差補正器8の励磁電流(Ix,Iy)との関係を三つの条
件(電圧V1,V2,V3)について測定し、それらの結
果から二次式を求めたが、変換式を決定する際の非点収
差補正の精度が十分でかつ非点収差の変化を直線で近似
できるときは二条件で変換式を求めてよい。直線で近似
できないときでもスプライン関数等の補間によって非点
収差を補正できる。非点収差の補正精度が十分でないと
きは多数の条件を設定し、最小二乗法等で近似するとよ
い。本発明は図1の構成の走査型電子顕微鏡に限らず、
その他にも集束レンズと静電レンズとが別々に設けられ
た各種の装置、例えば図8のような環境制御型の電子顕
微鏡、に適用できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
5の発明によれば、静電レンズの印加電圧が変更される
と、これに対応して非点収差が許容範囲に収まるように
非点収差補正器の補正値が自動的に変更されるから、静
電レンズの印加電圧が変更される毎に非点収差補正器の
補正値を手動で調整しなくても荷電粒子線のビーム径を
最小領域まで絞り込み、装置の性能(例えば電子顕微鏡
の分解能)を常に最大限に引き出すことができる。特に
請求項2の発明では、静電レンズの印加電圧と非点収差
補正器の補正値とを対応付ける規則を予め記憶手段に記
憶させているので、静電レンズの変更後の印加電圧に対
応した非点収差補正器の補正値を迅速に特定して非点収
差の補正を短時間で終了できる。請求項3の発明では、
静電レンズの印加電圧と非点収差補正器の補正値との関
係を二以上の条件について与えるだけで請求項2の規則
が導出されるので、規則の初期設定や変更が必要なとき
でも迅速に対応でき、導出された規則を記憶手段15a
に記憶させるだけで請求項2の発明の作用が得られるよ
うになる。請求項4の発明では、静電レンズの印加電圧
と非点収差補正器の補正値とを対応付ける規則が変換式
の型で与えられるので、印加電圧の設定変更に対して非
点収差補正器の補正値を容易に特定できる。複雑なテー
ブル形式やグラフ形式で規則を定義する場合と比べて記
憶手段を簡素化できる。請求項5の発明では、非点収差
補正器の補正値が設定された後の補正値の変更を上記規
則に反映させて非点収差の補正精度を高めることができ
る。請求項6の発明では、静電レンズの印加電圧と、非
点収差が許容範囲に収まるときの非点収差補正器の補正
値とを対応付ける規則を求めるために必要な操作が自動
化され、上記規則の初期設定や変更が容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る走査型電子顕微鏡の概略
を示す図。
【図2】図1の制御装置にて実行される変換式設定処理
を示すフローチャート。
【図3】図1の装置における静電レンズの印加電圧と非
点収差補正器の励磁電流との関係を近似的に示す図。
【図4】図1の制御装置にて実行される補正値設定処理
を示すフローチャート。
【図5】図1の制御装置にて実行される変換式変更処理
を示すフローチャート。
【図6】図1の非点収差補正器の例を示す図。
【図7】走査型電子顕微鏡の一般例を示す図。
【図8】環境制御型の電子顕微鏡の一例を示す図。
【符号の説明】
1 電子線源 2 電子線 3 照射レンズ 4 対物レンズ 5 試料 6 静電レンズ 7 偏向器 8 非点収差補正器 9,10,11,12,13,14 制御電源 15 制御装置 15a 制御装置のメモリ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線に集束作用を与える集束レン
    ズと、 前記集束レンズとは別に設けられ、印加電圧に応じた電
    場を前記荷電粒子線の軌道上に生じさせる静電レンズ
    と、 非点収差補正器と、を備えた荷電粒子線照射装置におい
    て、 装置の特定の使用条件に対応して前記非点収差補正器の
    補正値が設定された状態から前記静電レンズの印加電圧
    が変更されたとき、変更後の印加電圧に基づいて前記非
    点収差補正器の前記補正値を変更する補正値制御手段を
    設けたことを特徴とする荷電粒子線照射装置。
  2. 【請求項2】 荷電粒子線に集束作用を与える集束レン
    ズと、 前記集束レンズとは別に設けられ、印加電圧に応じた電
    場を前記荷電粒子線の軌道上に生じさせる静電レンズ
    と、 非点収差補正器と、を備えた荷電粒子線照射装置におい
    て、 前記静電レンズの印加電圧と、非点収差が許容範囲に収
    まるときの前記非点収差補正器の補正値とを対応付ける
    規則を記憶した記憶手段と、 装置の特定の使用条件に対応して前記非点収差補正器の
    前記補正値が設定された状態から前記静電レンズの印加
    電圧が変更されたとき、前記記憶手段が記憶する前記規
    則に従って変更後の印加電圧に対応する前記非点収差補
    正器の前記補正値を特定する特定手段と、 前記非点収差補正器の前記補正値を前記特定手段にて特
    定された値に設定する設定手段と、を設けたことを特徴
    とする荷電粒子線照射装置。
  3. 【請求項3】 前記静電レンズの印加電圧と、非点収差
    が許容範囲に収まるときの前記非点収差補正器の補正値
    との関係が二以上の条件について与えられたとき、当該
    与えられた条件に基づいて前記規則を導出する導出手段
    を設けたことを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線照
    射装置。
  4. 【請求項4】 前記静電レンズへの印加電圧を前記非点
    収差補正器の前記補正値に変換する変換式を、前記導出
    手段が前記規則として導出することを特徴とする請求項
    3記載の荷電粒子線照射装置。
  5. 【請求項5】 前記設定手段にて前記非点収差補正器の
    前記補正値が設定された後に前記静電レンズの前記印加
    電圧が一定のままで前記非点収差補正器の前記補正値が
    変更されたとき、当該変更後の前記補正値に対応して前
    記規則を変更する規則変更手段を設けたことを特徴とす
    る請求項2記載の荷電粒子線照射装置。
  6. 【請求項6】 荷電粒子線光学系に付設された静電レン
    ズの印加電圧を予め定められた複数の試験値に順次設定
    し、前記複数の試験値のそれぞれについて非点収差が許
    容範囲に収まるよう前記荷電粒子線光学系内の非点収差
    補正器の補正値を調整する試験手段と、 前記複数の試験値と前記試験手段にて調整された後の前
    記非点収差補正器の前記補正値との対応関係に基づい
    て、前記静電レンズの印加電圧と、非点収差が許容範囲
    に収まるときの前記非点収差補正器の補正値とを対応付
    ける規則を導出する導出手段と、を備えたことを特徴と
    する荷電粒子線照射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004030056A1 (ja) * 2002-09-24 2004-04-08 Nikon Corporation 荷電粒子線露光装置における非点収差補正方法、非点感度の決定方法、及び露光方法
JP2006032202A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置

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