JP4284247B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、より詳しくは、メモリセルアレイの特定領域に記憶された初期設定データを通常の動作(ユーザシーケンス)の前に読み出して(ROM読出し)初期設定を行う不揮発性半導体記憶装置に関する。
NAND型フラッシュメモリ等の半導体記憶装置において読出し、書き込み及び消去を誤りなく正確に行うには、半導体記憶装置を構成する全ての回路にその動作可能な最低限の電圧(以下、「リカバリ電圧」という)Vccmin以上の電圧を維持する必要がある。例えば、3V駆動のNAND型フラッシュメモリでは、このリカバリ電圧Vccminは2.1V程度である(図9(a)参照)。電源電圧がピーク電流の発生等によりリカバリ電圧Vccmin以下に下がった場合には、誤動作等の防止のため、実行中のシーケンスを停止して、各部の電圧を初期状態に戻す動作(リカバリ動作)が行われる。電源電圧がリカバリ電圧Vccmin以上に復帰するのを待って、停止されたシーケンスが再開される。
また、半導体記憶装置においては、不良セルを冗長セルで置換するためのリダンダンシデータや、タイマや電圧調整のためのトリミングデータ等の初期設定データを、電源投入後にヒューズ回路等の記憶部から読み出して各種初期設定を行っている(以下、この動作を「ROM読出し」という)。NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置においては、メモリセルアレイの特定の領域が初期設定データの記憶用に特別に割り当てられる(例えば、特許文献1参照)。
ROM読出しは、電源投入後、スペックで規定されている電源電圧の下限Vspmin(3V駆動のNAND型フラッシュメモリの場合、一例としてVspmin=2.7V(図9(a)参照))に達する前に開始され、終了されている必要がある。ROM読出しが開始されるときの電源電圧の値Vrmrdを、以下では、「ROM読出し開始電圧」という。3V駆動のメモリで、電源電圧のスペック下限Vspminが2.7Vである場合、ROM読出し開始電圧Vrmrdは、リカバリ電圧Vccmin(2.1V)とスペック下限Vspmin(2.7V)との間の、例えばVrmrd=2.3V程度に設定できる。
このROM読出しの際にも、その実行中、全てのメモリ内の回路が動作可能なリカバリ電圧Vccminを確保する必要がある。電源電圧が一旦ROM読出し開始電圧Vrmrdに達しROM読出しが開始された場合でも、ピーク電流の発生等により、電源電圧がリカバリ電圧Vccminを下回った場合には、ROM読出し動作は中断し、メモリセル各部の電圧を初期状態に戻すリカバリ動作を行う必要がある。ROM読出しにおける読出しの誤りは、その後のユーザシーケンスの動作に悪影響を及ぼすからである。
特開2003−178589号公報
3V駆動のメモリ(図9(a))の場合、上記の数値例でもスペック下限値Vspminとリカバリ電圧Vccminとの間の差(マージン)を0.6V取ることができる。従って、通常動作時(読出し、書き込み、消去等)において、電源電圧がリカバリ電圧を下回る可能性は低い。
しかし、より低電圧駆動のメモリでは、このマージンがより小さくならざるを得ないため、電源電圧のスペックの幅を大きく保ちつつ、ROM読出し動作を確実に行うことが困難となる。例えば、1.8V駆動のメモリでは、一例として、図9(b)に示すように、リカバリ電圧Vccminが1.45V程度、スペック下限値Vspminは1.65V程度、ROM読出し開始電圧Vrmrdは、その間の例えば1.5V程度となる。
この場合、ROM読出し開始電圧Vrmrdとスペック下限値Vspminとの間のマージンは0.15Vしかなく、ROM読出しが完了する前に、電源電圧スペック下限値Vspminに達してしまう可能性が高い。ROM読出し完了前にユーザの入力等が行われると、誤動作等の悪影響が生じる虞がある。しかし、これを防止するため、スペック下限値Vspminを高く設定すると、電源電圧のスペックの範囲が狭くなってしまう。また、ROM読出し開始電圧Vrmrdをリカバリ電圧Vccminに近づけると、ROM読出しを安定して行うことができなくなる。
本発明は、低電圧駆動の装置においても、ROM読出しを安定的に実行することを可能にすると共に、ユーザシーケンス実行時の電圧降下のマージンを大きく確保し、電源電圧のスペックの範囲を広く取ることができる不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
この発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルにより構成されたメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイのデータの読出し、書込み及び消去の動作を制御する制御回路と、アドレス信号により前記メモリセルアレイのメモリセル選択を行うデコード回路と、前記メモリセルアレイのデータを検知増幅するセンスアンプ回路と、電源電圧がリカバリ動作を必要とするリカバリ電圧レベルに達したことを検知する電圧レベル検知回路と、前記電源電圧が前記リカバリ電圧レベルとなったことを前記電圧レベル検知回路が検知した場合、読出し、書き込み及び消去の動作を停止して各部の電位を初期状態に戻すリカバリ動作を指示するリカバリ動作指示信号を生成する信号生成回路と、ユーザシーケンスが実行される場合に前記リカバリ動作指示信号を無効とし、電源投入後前記ユーザシーケンスの実行前に初期設定データを記憶部から読み出すROM読み出しが実行される場合には前記リカバリ動作指示信号を有効とする切替回路とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、低電圧駆動時においても、ROM読出しを安定的に実行することを可能にすると共に、ユーザシーケンス実行時の電圧降下のマージンを大きく確保し、電源電圧のスペックの範囲を広く取ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明の実施の形態によるEEPROMの構成を示す。メモリセルアレイ1は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルをマトリクス配列して構成される。不揮発性メモリセルは浮遊ゲートと制御ゲートが積層されたスタックト・ゲート型のMOSトランジスタ構造を有するものである。メモリセルアレイ1には不良セルを置き換えるための冗長ロウセルアレイ2aと冗長カラムセルアレイ2bが設けられている。またメモリセルアレイ1の初期設定データ領域3は、メモリの動作条件を決定するための初期設定データを書き込む領域として予め定められている。
図2は、メモリセルアレイ1の具体的な構成例を示す。この例では、16個のメモリセルが直列接続されたNANDセルユニットを構成している。ワード線WLが共通に配設された複数のNANDセルユニットは、データ消去の最小単位となるセルブロックを構成しており、複数のセルブロックB0、B1、・・・、Bnがビット線BLを共通にして配置される。この様なメモリセルアレイ1のうち、例えば図に破線で示したセルブロックBnが、初期設定データを記憶するための初期設定データ領域3として定められる。
初期設定データ領域3は、ビット線BL及びワード線WLの選択駆動により、データの書き込み、消去及び読み出しが可能ではあるが、後に説明するように、EEPROMの通常の動作(ユーザシーケンス)においては外部からはアクセスされない。従ってまた、データの一括消去或いはブロック単位の消去の際にも、この初期設定データ領域3は消去条件に設定されない。
初期設定データ領域3の最小単位は、NAND型EEPROMにおいては、消去最小単位であるNANDセルブロックである。これは本体セルと同じ構成であるため、レイアウトや回路動作については通常NANDセルブロックと同様であり、設計が容易である。
メモリセルアレイ1のビット線BLは、センスアンプ回路5を介してデータレジスタ6に接続される。メモリセルアレイ1のビット線BLおよびワード線WLを選択するために、カラムデコーダ7及びロウデコーダ4が設けられている。アドレスAD、データDA及びコマンドCMDはI/Oバッファ9に入力され、アドレスはアドレスレジスタ12に、コマンドはコマンドレジスタ12に取り込まれ、書き込みデータはデータレジスタ6に取り込まれる。
アドレスレジスタ12から発生されるロウアドレス、カラムアドレスはそれぞれロウデコーダ4、カラムデコーダ7でデコードされて、メモリセル選択がなされる。データ書き込み、消去に用いられる各種高電圧は、昇圧回路により構成された高電圧発生回路8により発生される。コマンドレジスタ10に取り込まれたコマンドは例えば制御回路11でデコードされ、この制御回路11によりデータ書き込み、消去のシーケンス制御がなされる。
データ書き込み時には、選択されたメモリセルでの書き込み動作、書き込み状態を確認するためのベリファイ動作を行い、書き込み不十分のメモリセルには再度書き込みを行うという制御がなされる。データ消去時にも同様に、選択されたブロックでの消去動作、消去状態を確認するためのベリファイ動作を行い、消去不十分の場合には再度消去を行うという制御がなされる。書き込みモード又は消去モードの設定により、上述した一連の書き込み又は消去の制御を行うのが、制御回路11である。
メモリセルアレイ1の初期設定データ領域3に書き込まれる初期設定データは、具体的には、(1)不良アドレスデータ、(2)データ読出し、書き込み及び消去の各種制御データ(電圧値データ、書き込み、消去の制御ループ数等の他、各動作モードにおけるリカバリ動作の実行の有無、実行する場合のリカバリ電圧の大きさ等のデータを含む)、(3)メモリ容量や仕様に関するコード、メーカコード等のチップ情報(IDコード)である。この初期設定データの初期設定データ領域3への書き込みは、チップをパッケージングした後、製品出荷の前に例えば、特定のコマンド入力により行うものとする。
即ち、ロウデコーダ4及びカラムデコーダ7は、初期設定データ領域3を含めてメモリセルアレイ1の全体をアクセス可能に構成されてはいるが、通常のデータ書き込み、読み出し動作では、初期設定データ領域3にはアドレスが割り当てられておらず、外部アドレスにより初期設定データ領域3を指定することはできない。特定のコマンドを入力したときにのみ、制御回路11はアドレスレジスタを制御して初期設定データ領域3をアクセスするに必要な内部アドレスを発生させ、これにより初期設定データ領域3に初期設定データを書き込みできるようになっている。
この様に初期設定データがメモリセルアレイ1の初期設定データ領域3に記憶されたEEPROMでは、電源投入時、初期設定データ領域3に書き込まれた初期設定データを読み出して動作条件の初期化が行われる(この読出しを、本明細書では、適宜「ROM読出し」と称する)。図1の場合、不良アドレスを記憶するための初期設定データラッチ回路13、高電圧発生回路8を制御する制御データを記憶するための初期設定データラッチ回路15、チップ情報を記憶するためのチップ情報データラッチ回路18、及びリカバリ動作情報を記憶するためのリカバリ動作情報データラッチ回路19を示している。この初期設定データ領域3のデータ読み出し(ROM読出し)と、その読み出しデータの初期設定データラッチ回路13、15、チップ情報データラッチ回路18及びリカバリ動作設定データラッチ回路19への転送制御は、制御回路11により自動的になされる。
即ち電源を投入すると、パワーオンリセット回路17が動作する。制御回路11はこの電源投入を検出して、電源安定化のための一定の待ち時間の後、ROM読み出しモードに設定され、引き続き初期設定データ領域3をスキャンするための、順次インクリメントされる内部アドレスをアドレスレジスタ12から発生させる。この初期設定データ領域3をアクセスする内部アドレスは前述のように通常の動作では割り当てられていない。そして、ロウデコーダ4及びカラムデコーダ7により選択された初期設定データ領域3のデータは、センスアンプ回路5により読み出されてデータレジスタ6に転送保持され、更にデータバスBUSを介して、初期設定データラッチ回路13、15、チップ情報データラッチ回路18及びリカバリ動作設定データラッチ回路19に転送されて保持される。以上の初期化動作の間、制御回路11は、レディ/ビジーバッファ16を介して外部にアクセス禁止を知らせるレディ/ビジー信号(R/B)=L(ビジー状態)を出す。
このようなROM読出し動作は、通常の動作(ユーザシーケンス)が誤動作なく実行されるため重要であり、誤読出し防止のため、前述のリカバリ電圧をキープして実行される必要がある。その一方で、ユーザシーケンス実行時においては、ROM読出しの際に設定されたリカバリ電圧をそのまま用いることは、却ってユーザシーケンスの円滑な実行を妨げる虞もある。この実施の形態では、ROM読出しの安定的な実行、及びユーザシーケンスの円滑な実行のために、電圧レベル検出回路20、信号生成回路21及び切替回路22が設けられている。
電圧レベル検知回路20と信号発生回路21の構成を、図3を参照して説明する。電圧レベル検知回路20は、同図(a)に示すように、例えば抵抗列201、及び比較器202、203を備えて構成される。抵抗列201は、抵抗R0〜R2を直列接続して構成され、一端に電源電圧Vccが与えられ、他端に接地電圧Vssが与えられている。比較器202は、抵抗R2とR1の接続ノードNode1の電圧と、基準電圧Vrefを入力端子に与えられ、出力信号N1を出力するように構成されている。比較器203は、抵抗R1とR0の接続ノードNode2の電圧と、基準電圧Vrefを入力端子に与えられ、出力信号N0を出力するように構成されている。出力信号N1は、電源電圧Vccがリカバリ電圧Vccmin(ここでは、1.45V)と等しくなったときに論理が切り替わるようにされている。また、出力信号N0は、電源電圧VccがROM読出し開始電圧(ここでは1.5V)と等しくなったときに論理が切り替わるようにされている(同図(b)参照)。抵抗値R0〜R2の抵抗値は、上記のような論理の切り替わりが生じるように設定されている。
また、信号発生回路21は、インバータ211、フリップフロップ回路212、及びインバータ213から構成されている。フリップフロップ回路212は、出力信号N1と、出力信号N0のインバータ211による反転信号を入力信号としている。その出力信号は、インバータ213により更に反転され、出力信号LOWVDDRSTnとして出力される。この出力信号LOWVDDRSTnは、ROM読出しの開始を指示するROM読出し指示信号として機能し得ると共に、リカバリ動作の開始を指示するリカバリ動作指示信号としても機能する。
この構成において、出力信号LOWVDDRSTnは、同図(b)に示すように、電源電圧VccがROM読出し開始電圧Vrmrd(1.5V)になったときに立ち上がり、その後電源電圧Vccがリカバリ電圧Vccmin(1.45V)に再び下がったときに立ち下がるヒステリシスを持った信号となる。
図4は、切替回路22の具体的構成の一例を示している。切替回路22は、インバータ221、NOR回路222、及びOR回路223を備えている。この構成により、ROM読出しモード以外のモード、即ちユーザシーケンスモード(読出し、書き込み、消去等)が実行される場合において、リカバリ動作設定データラッチ19のデータに基づき、リカバリ動作を実行するか否かを切り替える機能を有する。
インバータ221は、リカバリ動作設定データラッチ回路19から出力される信号NON_RCV(ある動作モードの場合に、リカバリ動作を行わないことを示す信号)を反転させた反転信号/NON_RCVを出力するものである。また、NOR回路222は、この反転信号/NON_RCVと、ROM読出しモードを示す信号ROMREAD(ROM読出し実行の際、”H”となり、それ以外は”L”となる)とを入力信号として、NOR出力信号IVLを出力する。
信号ROMREAD、反転信号/NON_RCVのいずれかが”H”である場合には、出力信号IVLは”L”となる。これにより、OR回路223の出力信号LOWVDDRSTn_newは、出力信号LOWDDRSTnと等しくなる。従って、電源電圧Vccがリカバリ電圧Vccminとなった場合には、リカバリ動作が行われる。
一方、信号ROMREAD、反転信号/NON_RCVが共に”L”である場合に、出力信号IVLは”H”となり、これにより、OR回路223の出力信号LOWVDDRSTn_newは、出力信号IVLと同じ”H”の波形となる。従って、電源電圧Vccがリカバリ電圧Vccmin以下となっても、リカバリ動作は実行されない。すなわち、出力信号IVLは、所定の動作モードが実行される場合にリカバリ動作を禁止するリカバリ動作禁止信号として機能するものである。
図5は、上述した初期設定動作の制御フローの例を示している。電源投入を検出すると、R/BがBusy状態にセットされる(S1)。信号ROMREADは”H”にセットされる。パワーオンリセット回路17によりパワーオンリセットがかかり(S2)、一定時間の待機(S3)の後、電源電圧Vccが、ROM読出し開始電圧Vrmrd以上となったことが電圧レベル検知回路20により検知されると(S5)、OR回路223の出力信号LOWVDDRSTn_newが”L”から”H”に立ち上がり(S6)、制御回路11がROM読出し動作を開始する(S7)。
ROM読出し動作の実行中において、電源電圧Vccが、リカバリ電圧Vccmin以下となったことが電圧レベル検知回路20により場合には(S8)、ROM読出し動作は中止される(S9)。電源電圧Vccがリカバリ電圧Vccminより大きい間は、ROM読出し動作は継続され(S10)、読出し完了までの間、電源電圧Vccの大きさは、電圧レベル検知回路20により検知され続ける(S11、S12)。なお、ROM読出し動作が終了したら、R/BをReady状態(スタンバイ状態)にセットする。
ROM読出し動作が終了すると、信号ROMREADは”H”から”L”に立ち下がる。そして、R/B=H(レディ状態)となり、ユーザシーケンスモード(通常の読み出し、書き込み及び消去)の実行が可能になる。このユーザシーケンスモードでは、アドレスが入力されると、アドレスレジスタ12に取り込まれたアドレスと、初期設定データラッチ回路13に保持されている不良アドレスとの一致が、一致検出回路14により検出される。一致検出されると、置換制御信号a,bが出力される。この置換制御信号a,bによりロウデコーダ4,カラムデコーダ7が制御されて、不良セルの冗長セルアレイによる置換が行われる。また、書き込み、消去、読み出しの各モードに応じて、初期設定データラッチ回路15に保持された制御データにより高電圧発生回路8が制御されて、必要な電圧が発生される。信号ROMREADは”L”とされているので、電源電圧Vccがリカバリ電圧Vccmin以下となっても、リカバリ動作は開始されない。したがって、この実施の形態では、ユーザシーケンス実行時の電源電圧のマージンが広く設定されており、ユーザシーケンスの円滑な実行が可能となっている。
次に、本発明の第2の実施の形態を、図6〜8を参照して説明する。
この実施の形態は、リカバリ電圧Vccminを、複数の動作モード(ここでは、動作モードA、Bの2種類とする)の違いに応じて複数通り設定することを可能にすることを想定する。このため、電圧レベル検知回路20、信号生成回路21、及び切替回路22に変更が加えられている点で、第1の実施の形態と異なっている。その他の部分は第1の実施の形態と共通しているので、詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態の電圧レベル検知回路20、及び信号生成回路21の構成例を図6に示す。電圧レベル検知回路20は、動作モードAに使用される第1リカバリ電圧Vccmin1を検出するための比較器202’と、動作モードBに使用され、この第1リカバリ電圧Vccmin1より大きい第2リカバリ電圧Vccmin2を検出するための比較器203’とを備えている。比較器204’は、図3の比較器203と同様、ROM読出し開始電圧Vrmrdを検出するためのものである。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態の出力信号LOWVDDRSTnに加えて、2種類の出力信号LOWVDDRSTnA及びLOWVDDRSTnBを生成している。前者は、図7に示すように、電源電圧VccがROM読出し開始電圧Vddminになると立ち上がり、第1リカバリ電圧Vccmin1になると立ち下がる信号である。後者は、図7に示すように、電源電圧VccがROM読出し開始電圧Vddminになると立ち上がり、第2リカバリ電圧Vccmin2になると立ち下がる信号である。
前者の信号を動作モードAで使用し、後者の信号をモードBで使用する等により、動作モードによって異なるリカバリ電圧を設定することができる。図8は、このような動作を得るための切替回路22の構成例である。それぞれの動作モードA、Bにおいて、リカバリ動作を行なわないように設定したい場合には、信号NON_RCVを”H”にすることにより、出力信号LOWVDDRSTn_newが、リカバリ電圧Vccminにおいて立ち下がらない信号とすることができる。
以上、発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の改変、追加及び置換等が可能である。例えば、次のような変更が可能である。
(1)前記切替回路は、動作モードを特定する動作モード特定信号の入力を受け、前記リカバリ動作禁止信号は、所定の動作モードを示す動作モード特定信号が入力された場合に入力される。
(2)前記切替回路は、前記初期設定データの読出しが実行されている間は、前記リカバリ動作指示信号を有効に設定する。
(3)前記切替回路は、読出し、書き込み及び消去モードを含むユーザシーケンスモードにおいては、前記リカバリ動作指示信号を無効に設定する。
(4)前記初期設定データに、前記リカバリ動作指示信号を有効化するか又は無効化するかを、動作モード毎に切り替えるための切替データが含まれ、前記切替回路は、読み出された前記切替データに基いて、前記リカバリ動作指示信号の有効/無効を切り替える。
この発明の第1の実施の形態によるEEPROMの構成を示す図である。 図1のメモリセルアレイ1の構成を示す図である。 図1の電圧レベル検知回路20、及び信号生成回路21の具体的構成の一例とその動作例を示す。 図1の切替回路22の具体的構成の一例を示す。 図1のEEPROMの動作を示すフローチャートである。 この発明の第2の実施の形態による電圧レベル検知回路20、及び信号生成回路21の具体的構成の一例を示す。 図6の回路の各種信号の波形を示す。 この発明の第2の実施の形態による切替回路22の構成例を示す。 従来のNAND型EEPROMにおいて、電源電圧のスペック下限値、ROM読出し開始電圧、及びリカバリ電圧の関係を示す。
符号の説明
1・・・メモリセルアレイ、 2a、2b・・・冗長セルアレイ、 3・・・初期設定データ領域、 4・・・ロウデコーダ、 5・・・センスアンプ回路、 6・・・データレジスタ、 7・・・カラムデコーダ、 8・・・高電圧発生回路、 9・・・I/Oバッファ、 10・・・コマンドレジスタ、 11・・・制御回路、 12・・・アドレスレジスタ、 13、15・・・初期設定データラッチ回路、 14・・・一致検出回路、 16・・・レディ/ビジーバッファ、 17・・・パワーオンリセット回路、 18・・・チップ情報データラッチ回路、 19・・・リカバリ動作設定データラッチ回路、 20・・・電圧レベル検知回路、 21・・・信号生成回路、 22・・・切替回路。

Claims (5)

  1. 電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルにより構成されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのデータの読出し、書込み及び消去の動作を制御する制御回路と、
    アドレス信号により前記メモリセルアレイのメモリセル選択を行うデコード回路と、
    前記メモリセルアレイのデータを検知増幅するセンスアンプ回路と、
    電源電圧がリカバリ動作を必要とするリカバリ電圧レベルに達したことを検知する電圧レベル検知回路と、
    前記電源電圧が前記リカバリ電圧レベルとなったことを前記電圧レベル検知回路が検知した場合、読出し、書き込み及び消去の動作を停止して各部の電位を初期状態に戻すリカバリ動作を指示するリカバリ動作指示信号を生成する信号生成回路と、
    ユーザシーケンスが実行される場合に前記リカバリ動作指示信号を無効とし、電源投入後前記ユーザシーケンスの実行前に初期設定データを記憶部から読み出すROM読み出しが実行される場合には前記リカバリ動作指示信号を有効とする切替回路と
    を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記切替回路は、前記リカバリ動作の実行を禁止するリカバリ動作禁止信号の入力を受け、このリカバリ動作禁止信号が入力された場合に、前記リカバリ動作指示信号を無効とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記メモリセルアレイは、その一部がメモリ動作条件を規定する初期設定データを記憶するための初期設定データ領域として設定され、
    前記電圧レベル検知回路は、電源投入後、前記電源電圧が前記リカバリ電圧レベルよりも高い初期設定電圧レベルとなったことをも検知するように構成され、
    前記信号生成回路は、電源投入後、前記電源電圧が前記初期設定電圧レベルとなったことを前記電圧レベル検知回路が検知した場合、前記制御回路に対し前記初期設定データの読出しを指示する初期設定データ読出し指示信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記信号発生回路で発生される初期設定データ読出し指示信号及びリカバリ動作指示信号は、前記電源電圧が前記初期設定電圧レベルに達すると立ち上がり、前記電源電圧が前記リカバリ電圧レベルに達すると立ち下がる信号として生成される請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記電圧レベル検知回路は、前記リカバリ電圧レベルとして複数の電圧レベルを検知するように構成され、
    前記複数の電圧レベルは、初期設定データに記憶される切替データに基いて動作モードごとに切り替えられることを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
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