JP4284114B2 - グローブリッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のインストルメントパネルに形成されたグローブボックス配設用の開口部を開閉するグローブリッドに関し、特に、車両衝突時にグローブリッドと対向する乗員席に座っている乗員を保護するグローブリッド構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一般に、車両のインストルメントパネルの助手席側には、物品収納用のグローブボックスが設けられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、グローブボックス配設用の開口部がインストルメントパネルの助手席と対向する箇所に形成され、この開口部には該開口部を開閉するグローブリッドが取り付けられている。
【0003】
上記特許文献1のグローブリッドは、平面視で車両の左右方向に長い矩形状をなしており、グローブボックス配設用の開口部を閉じた状態で助手席乗員側に位置するパネル状のリッドアウターに、その反対側に位置するリッドインナーを組み付けて構成されている。リッドインナーの上下左右の各辺部に対応する箇所には、該リッドインナー内面から起立しかつ各辺部に沿って延びる起立壁がそれぞれ形成されている。そして、上記リッドアウターとリッドインナーとを組み付ける際には、これら両部材を重合させると共にリッドインナーの起立壁先端をリッドアウター内面に当接させて振動溶着により一体化するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2572653号公報(第3頁、図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両のインストルメントパネルの助手席側には、車両衝突時に助手席乗員を保護するためのエアバッグ装置を配設する場合があり、この場合、エアバッグ装置はグローブボックスの上方に位置している。
【0006】
また、インストルメントパネルのデザインにより、グローブリッドの上辺部近傍をグローブボックス配設用の開口部上縁よりも助手席乗員側へ膨出させて形成する場合がある。
【0007】
このようにグローブリッドの上辺部近傍を膨出させると、車両衝突時にエアバッグ装置が何らかの原因で万が一作動しなかった場合に、衝突による反動で助手席に座っている乗員が前のめりになり、頭部がグローブリッドの上部に衝突することがある。このとき、上記特許文献1のグローブリッドにおいては、リッドインナーの各起立壁の先端全体がリッドアウター内面に溶着されているため、グローブリッドの剛性が高くなっている。このため、乗員の頭部が衝突した際にグローブリッドが変形し難く、その結果、頭部に加わる衝撃力の吸収が行われず、乗員の保護性能が十分でない。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、グローブリッドの上辺部近傍をインストルメントパネルのグローブボックス配設用の開口部上縁よりも乗員席側へ膨出させた場合に、車両衝突時に乗員の頭部がグローブリッドの上部に衝突した際、その衝撃力を吸収できるようにして、乗員の保護性能を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、リッドインナーの上部起立壁に、リッドアウター内面に溶着される溶着部と、リッドアウター内面との間に隙間を有する非溶着部とを交互に形成するようにした。
【0010】
具体的には、パネル状のリッドインナーとリッドアウターとを重合させて振動溶着により一体的に組み付けられ、平面視略矩形状をなすとともに少なくとも車幅方向に延びる上辺部の下部に乗員側へ向けて膨出するように湾曲した湾曲部が形成され、上記インストルメントパネルの乗員席側と対向するように開口された開口部に開閉自在に取り付けられるグローブリッドを対象とする。
【0011】
そして、上記上辺部に対応するリッドインナー側には、上記リッドアウター側へ向けて一体的に起立して車幅方向に延びる板状上部起立壁を形成し、上記上部起立壁の車幅方向両端側には、それぞれ、上記リッドアウター内面に先端が溶着される溶着部と、上記リッドアウター内面に対して隙間を有する非溶着部とが交互に複数車幅方向に形成されるように切欠部を形成する構成とする。
【0012】
この構成によれば、車両衝突時に乗員の頭部がグローブリッドの上部に衝突すると、このグローブリッドの上部に押圧力が瞬間的に作用する。このとき、リッドインナーの上部起立壁の車幅方向両端側、それぞれ、断続的にリッドアウター内面に溶着されており、加えて、溶着されていない部分にはリッドアウター内面との間に隙間が形成されているため、上記上部起立壁の剛性が適切に弱められ、上記押圧力によりグローブリッドの上部が撓み変形し易くなっている。従って、乗員の頭部に加わる衝撃力がグローブリッドの変形により効果的に吸収され、よって、乗員の保護性能が高まる。
【0013】
請求項2の発明では、グローブリッドの左右両側辺部の少なくとも一方に対応するリッドインナーに側壁を形成し、この側壁から車幅方向内側へ離間し該側壁と略平行に延びる複数の側部起立壁を上下方向に間隔をあけて形成し、各側部起立壁及び側壁に連なる溶着リブを複数形成するようにした。
【0014】
具体的には、パネル状のリッドインナーとリッドアウターとを重合させて振動溶着により一体的に組み付けられ、平面視略矩形状をなすとともに少なくとも車幅方向に延びる上辺部がインストルメントパネルから車室側へ向けて膨出するように形成され、上記インストルメントパネルの乗員席側と対向するように開口された開口部に開閉自在に取り付けられるグローブリッドを対象とする。
【0015】
そして、上記上辺部に連なる左右両側辺部の少なくとも一方に対応するリッドインナー側には、上記リッドアウター側へ向けて一体的に起立する側壁を形成し、上記側壁上部から車幅方向内側へ離間し、上記リッドアウター側へ向けて一体的に起立しかつ上記側壁と略平行に延びる複数の板状側部起立壁を上下方向に間隔をあけて形成し、上記各側部起立壁及び側壁間で車幅方向に延びかつ両端が該側部起立壁及び側壁に連なって上記リッドアウター内側へ向けて一体的に起立し先端がリッドアウター内面に溶着される溶着リブを複数形成する構成とする。
【0016】
この構成によれば、各溶着リブが側壁及び側部起立壁と一体化しているので、振動溶着時の振動により溶着リブの破損や撓みが起こり難くなり、溶着を確実にすることができる。その結果、リッドアウター及びリッドインナーが一体化したグローブリッドが構成される。
【0017】
また、車両衝突時に乗員の頭部がグローブリッドの上部側方(コーナ部付近)に衝突すると、グローブリッドの上部側方に押圧力が瞬間的に作用する。このとき、リッドインナーの上部側方は溶着リブに連なる側部起立壁が各溶着リブ毎に独立しているので、グローブリッドの上部側方は剛性が適切に弱められ、上記押圧力により撓み変形し易くなっている。従って、乗員の頭部に加わる衝撃力がグローブリッドの変形により効果的に吸収され、乗員の保護性能が高まる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両の前側を、また「後」とは車両の後側を、さらに「左」とは車幅方向左側を、さらにまた「右」とは車幅方向右側をそれぞれ表すこととしている。
【0020】
図2は、本発明の実施形態に係るグローブリッド1が配設された車両のインストルメントパネル3を示し、このインストルメントパネル3は、右側にステアリングホイール(図示せず)を備えた右ハンドル車用に構成されていて、車室の前端部に配設されている。
【0021】
上記インストルメントパネル3はアッパパネル5とロアパネル7とからなり、アッパパネル5の右側にはメータフード9が形成され、ロアパネル7左側には、物品収納用のグローブボックスGが配設されている。
【0022】
上記ロアパネル7左側の上縁部であるアッパパネル5との境界部分は、左右方向に延びる直線状に形成され、このロアパネル7左側の上縁部11近傍は、アッパパネル5左側の下縁部よりも助手席乗員側へ膨出するように形成されている。このロアパネル7左側の助手席乗員と対向する箇所、即ちロアパネル7左側の左右方向略中央部には、上記グローブボックスGを配設するための開口部13が形成されている。
【0023】
グローブボックスGは、助手席乗員側に位置するパネル状のリッドアウター21に、その反対側(内面側)に位置するリッドインナー23を組み付けてなるグローブリッド1を備えている。さらに、上記リッドインナー23は物品収納用のボックス部37を一体的に備えていて、このボックス部37下部側方に形成された支軸(図示せず)を支点として上記開口部13内を回動することにより、上記グローブリッド1が上記開口部13を開閉するようになっている。
【0024】
上記ロアパネル7の開口部13は、左右方向に長い矩形状に形成されていて、上辺部は、ロアパネル7のアッパパネル5との境界部分で左右方向に延びており、下辺部は、ロアパネル7の下縁で上記上辺部と平行に延びている。また、左右両側辺部も互いに平行に上下方向に延びている。
【0025】
上記グローブリッド1は、図3に示すように、上記グローブボックスG配設用の開口部13に対応する平面視矩形状に形成されている。このグローブリッド1のリッドアウター21とリッドインナー23との間には、図示しないが中空部が形成されている。このグローブリッド1の上辺部近傍は、上記ロアパネル7左側の上縁部11と同様に開口部13の上縁よりも助手席乗員側に位置するように膨出していて、上記リッドアウター21の助手席乗員側の面である表面が上記ロアパネル7左側の表面と連続している。
【0026】
上記リッドアウター21の上部は、図4にも示すように、左右方向に延びる平坦面状に形成された上側平坦部21aとされている。この上側平坦部21aの下部には、上記グローブリッド1の助手席乗員側への膨出部分を形成する湾曲部21bが連なっている。この湾曲部21bの下部には、下部が前方へ傾斜した比較的広い斜面部21cが連なっている。また、リッドアウター21の左右両縁部には、該リッドアウター21の内面からリッドインナー23側へ向けて一体的に起立するアウター側側壁25が形成されている。該アウター側側壁25はリッドアウター21の上縁から下縁に亘って連続して延びている。
【0027】
また、上記リッドアウター21内面の上側平坦部21aと湾曲部21bとの境界部分には、上記リッドインナー23の上縁部を保持するための保持リブ27が左右に複数並設されている。各保持リブ27は、上側平坦部21aの内面との間にリッドインナー23側へ開放するV字状断面の溝28を形成するように、リッドアウター21内面から突出して左右に延びている。また、各保持リブ27の左右両縁部には、この保持リブ27に直交して延びかつリッドアウター21内面に連なる一対の片部29が一体に形成されている。
【0028】
一方、上記リッドインナー23は、図1に示すように、リッドアウター21に沿うように延びる矩形の板状部31を備えており、この板状部31の略中央部には、左右方向に長い矩形の中央開口部33が形成されている。この中央開口部33の左右両側縁及び下縁には、上記ボックス部37の後端部が一体に連なっている。このボックス部37は、図3に示すように、リッドアウター21と反対側へ膨出するように形成されていて、その膨出部分の上面全体に収納口37aが形成されている。上記板状部31の中央開口部33は、リッドインナー23の板状部31をリッドアウター21の内面に重合させることにより、該リッドアウター21により閉塞されるようになっている。すなわち、この実施形態では、グローブリッド1は、ボックス部37が一体に形成されたリッドインナー23の板状部31及び該リッドインナー23に後述のように溶着されたリッドアウター21により構成されている。尚、図1中39は、中央開口部33の上縁からリッドアウター21内面へ向けて突出する上部壁である。
【0029】
板状部31のグローブリッド1上辺部に対応する箇所には、リッドアウター21内面へ向けて一体的に起立する板状上部起立壁41が形成されている。また、板状部31のグローブリッド1左右両側辺部に対応する箇所には、リッドアウター21内面へ向けて一体的に起立するインナー側側壁43がそれぞれ形成されている。これらインナー側側壁43は、上記リッドアウター21のアウター側側壁25の内側に嵌合するように形成されている。尚、図1中45は、リッドインナー23内面から突出して上部起立壁41内面に連なる三角形状の補強用リブである。
【0030】
上記上部起立壁41は、上記リッドアウター21の上側平坦部21a内面と保持リブ27との間の溝28に挿入保持されるようになっている。上部起立壁41の左側(リッドインナー23の左側コーナ近傍)には、複数の切欠部47が左右方向に間隔をあけて並設されている。各切欠部47は、上部起立壁41の先端から基端側へその高さ方向の約半分の範囲に亘って形成されており、この切欠部47の幅は、上部起立壁41の基端側へ行くほど狭くなっている。また、この切欠部47の底縁は左右方向に延びる直線状に形成されている。すなわち、上記上部起立壁41の左側は、複数の切欠部47及び凸部53が左右方向に交互に連なる形状となっている。
【0031】
そして、上記リッドインナー23をリッドアウター21へ重合させた状態では、各凸部53がリッドアウター21内面に当接する一方、各切欠部47の底縁とリッドアウター21内面との間には隙間が形成される。この状態で図示しない振動溶着機によりリッドアウター21もしくはリッドインナー23を左右方向に振動させることによって、凸部53の先端のみがリッドアウター21内面に溶着される。つまり、凸部53が溶着部とされる一方、切欠部47がリッドアウター21内面に溶着されない非溶着部とされている。尚、図示しないが、上部起立壁41の右側にも左側と同様の切欠部47が複数形成されていて、溶着部と非溶着部とが交互に並設されている。
【0032】
また、板状部31上側の左端側には、リッドアウター21側へ膨出する膨出部55が上下方向に長く形成されている。この膨出部55の内面(リッドアウター21側の面)には、インナー側側壁43から左右方向内側である右側へ離間し、リッドアウター21内面へ向けて一体的に起立する複数の第1側部起立壁59が上下方向に間隔をあけて形成されている。各第1側部起立壁59は、上記インナー側側壁43と略平行に延びていて、側面視略矩形状に形成されている。第1側部起立壁59及び上記インナー側側壁43のリッドインナー23内面からの高さは略同じに設定されている。
【0033】
さらに、板状部31の膨出部55対応箇所には、複数の上部溶着リブ61が第1側部起立壁59に対応して上下方向に間隔をあけて並設されている。各上部溶着リブ61は、上部起立壁41の凸部53と同様にリッドアウター21内面に振動溶着されるものであり、板状部31内面からリッドアウター21内面へ向けて一体的に起立して左右方向に延び、その左縁はインナー側側壁43に連なる一方、右縁は第1側部起立壁59に連なっている。上部溶着リブ61の先端は、インナー側側壁43及び第1側部起立壁59よりもリッドアウター21側へ突出していて、この先端がリッドアウター21内面に振動溶着されるようになっている。
【0034】
また、板状部31内面の膨出部55よりも下側には、複数の下部溶着リブ63が間隔をあけて並設されている。各下部溶着リブ63は、上記上部起立壁41の凸部53と同様にリッドアウター21内面に振動溶着されるものであり、該下部溶着リブ63は板状部31内面から起立して一体的に延びている。この下部溶着リブ63及び上部溶着リブ61の左右方向の寸法は下部溶着リブ63の方が長く設定され、この下部溶着リブ63の右縁は膨出部55よりも右側に位置している。また、板状部31内面には、下部溶着リブ63の右縁に連なりかつリッドアウター21内面へ向けて一体的に起立する第2側部起立壁65が形成されている。該第2側部起立壁65は上下方向に連続していて、この第2側部起立壁65及びインナー側側壁43のリッドインナー23内面からの高さは略同じに設定されている。
【0035】
また、図示しないが、板状部31の右端側は左端側と同様に構成されており、第1側部起立壁及び上部溶着リブが形成され、これら起立壁及びリブの下側には第2側部起立壁及び下部溶着リブが形成されている。
【0036】
上記グローブリッド1(グローブボックスG)を組み付けるには、まず、リッドアウター21とリッドインナー23とを図示しない振動溶着機にセットする。その後、リッドアウター21とリッドインナー23とを近接させて、リッドインナー23の上部起立壁41をリッドアウター21の溝28に挿入して該上部起立壁41を保持リブ27により保持し、該上部起立壁41と上部及び下部溶着リブ61,63とをリッドアウター21内面にそれぞれ当接させる。この状態で、リッドアウター21もしくはリッドインナー23を左右方向に振動させることによって上部起立壁41、凸部53、上部溶着リブ61及び下部溶着リブ63がリッドアウター21内面に摺接して溶融し、冷却後リッドアウター21に溶着される。このリッドアウター21もしくはリッドインナー23を振動させるときには、保持リブ27により上部起立壁41がリッドアウター21の湾曲部21b側へ移動するのが規制されているため、該上部起立壁41が正規の溶着位置からずれることはなく、確実に溶着される。
【0037】
また、リッドアウター21及びリッドインナー23の溶着の際、上部溶着リブ61の左右両縁部が第1側部起立壁59及びインナー側側壁43に連なっていてこれらが一体化しており、また、下部溶着リブ63が同様に第2側部起立壁65及びインナー側側壁43と一体化しているので、各溶着リブ61,63の破損や撓みが起こり難くなっている。これにより、溶着を確実にすることができる。
【0038】
上記のようにしてリッドアウター21及びリッドインナー23を組み付けてグローブリッド1(グローブボックスG)を構成した後、該グローブリッド1をインストルメントパネル3の開口部13に取り付ける。このグローブリッド1をインストルメントパネル3に取り付けると、開口部13を閉じた状態では、グローブリッド1のリッドアウター21の上辺部近傍がインストルメントパネル3の開口部13上縁よりも助手席乗員側に位置する。
【0039】
また、このグローブボックスGを使用するときには、上記開口部13を閉じている状態からグローブリッド1のリッドアウター21を乗員側へ引くように操作することにより、インストルメントパネル3の開口部13が開かれ、ボックス部37の収納口37aが乗員側に臨んで、ボックス部37への物品の出し入れが可能となる。一方、グローブボックスGを使用しないときには、ボックス部37がインストルメントパネル3内に収まるようにグローブリッド1を操作することにより、リッドインナー23と一体のリッドアウター21によって開口部13が閉じられる。
【0040】
したがって、この実施形態では、車両衝突時に、助手席乗員の頭部が開口部13を閉じた状態にあるグローブリッド1の上部に衝突することがあり、この乗員の頭部がグローブリッド1の上部左側又は右側(上部コーナ近傍)に衝突した際には、リッドアウター21に対してリッドインナー23側への押圧力が瞬間的に作用する。このとき、リッドインナー23の上部起立壁41の切欠部47の底縁とリッドアウター21内面との間に隙間が形成されていて、上部起立壁41とリッドアウター21内面とが断続的に溶着されているため、グローブリッド1の上部は剛性が適切に弱められて撓み変形し易くなっている。従って、グローブリッド1上部が上記頭部の衝突により容易に変形し、この変形により頭部に加わる衝撃力が吸収され、乗員の保護性能を高めることができる。
【0041】
また、リッドインナー23の上部溶着リブ61に連なる第1側部起立壁59が間隔をあけて形成されているため、グローブリッド1の上部側方(上部コーナ近傍)は剛性が適切に弱められて撓み変形し易くなっている。従って、乗員の頭部がグローブリッド1の上部側方に衝突した場合に、乗員の保護性能を高めることができる。
【0042】
さらに、上部起立壁41の切欠部47及び第1側部起立壁59は、グローブリッド1の左右方向の上部コーナ近傍に形成されているので、特にリッドインナー23の上部起立壁41及びインナー側側壁43、リッドアウター21のアウター側側壁25及び上側平坦部21aによって剛性が高くなっているコーナ近傍の剛性が適切に弱められ、頭部に加わる衝撃力を吸収できて、乗員の保護性能を高めることができる。
【0043】
尚、上記実施形態では、グローブリッド1のリッドインナー23に物品収納用のボックス部37を一体的に形成してグローブボックスGを構成するようにしたが、これに限らず、図示しないが、グローブリッドとボックス部とを別体にし、ボックス部をインストルメントパネル3に固定、もしくは、インストルメントパネル3自体にグローブボックス部を一体成形してグローブリッドのみが該ボックス部の開口部すなわちインストルメントパネルの開口部を開閉可能に構成してもよい。
【0044】
また、リッドインナー23の上部起立壁41の切欠部47は、左側及び右側いずれか一方にのみ設けるようにしてもよいし、左右方向中央部に亘って設けるようにしてもよい。また、上部溶着リブ61及び第1側部起立壁59も、左側及び右側のいずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態では、リッドインナー23の上部起立壁41に切欠部(非溶着部)47及び凸部(溶着部)53を交互に形成する構造と、複数の上部溶着リブ61及び該溶着リブ61に連なる第1側部起立壁59を上下方向に間隔をあけて形成する構造との両方を備えたグローブリッド1について説明したが、グローブリッド1には、これら2つの構造のうち一方の構造のみ設けるようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、インストルメントパネル3は、アッパパネル5とロアパネル7とを備え、このロアパネル7にグローブボックスGを取付けた形態を示したが、アッパパネル及びロアパネルに分割することなく、両パネルを一体成形したインストルメントパネルを成形し、該パネルの下部にグローブボックスGを取付けるようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係るグローブリッドによると、リッドインナーの上部起立壁の車幅方向両端側に、それぞれ、リッドアウター内面に溶着される溶着部と、リッドアウター内面との間に隙間を有する非溶着部とを交互に並設したので、グローブリッド上部の剛性が適切に弱められる。これにより、車両衝突時にグローブリッドの上部に乗員の頭部が衝突すると、該グローブリッドの上部が容易に変形して乗員の頭部に加わる衝撃力を吸収でき、よって、乗員の保護性能を高めることができる。
【0048】
請求項2記載の発明によると、リッドインナーに側壁及び側部起立壁に連なるように溶着リブを形成したので、リッドインナー及びリッドアウターの溶着を確実にすることができる。また、上記溶着リブに連なる側部起立壁が上下方向に間隔をあけて独立して複数形成されているので、グローブリッド上部側方の剛性が適切に弱められる。これにより、車両衝突時にグローブリッドの上部側方に乗員の頭部が衝突すると、該グローブリッドの上部側方が容易に変形して乗員の頭部に加わる衝撃力を吸収でき、よって、乗員の保護性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リッドインナー左側上部をリッドアウター側から見た斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態に係るインストルメントパネルの斜視図である。
【図3】 グローブリッド(グローブボックス)の斜視図である。
【図4】 リッドアウター左側上部をリッドインナー側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 グローブリッド
3 インストルメントパネル
13 開口部
21 リッドアウター
23 リッドインナー
41 上部起立壁
43 インナー側側壁
47 切欠部(非溶着部)
53 凸部(溶着部)
59 第1側部起立壁
61 上部溶着リブ

Claims (2)

  1. パネル状のリッドインナー(23)とリッドアウター(21)とを重合させて振動溶着により一体的に組み付けられ、平面視略矩形状をなすとともに少なくとも車幅方向に延びる上辺部(21a)の下部に乗員側へ向けて膨出するように湾曲した湾曲部(21b)が形成され、上記インストルメントパネル(3)の乗員席側と対向するように開口された開口部(13)に開閉自在に取り付けられるグローブリッド(1)であって、
    上記上辺部(21a)に対応するリッドインナー(23)側には、上記リッドアウター(21)側へ向けて一体的に起立して車幅方向に延びる板状上部起立壁(41)が形成され、
    上記上部起立壁(41)の車幅方向両端側には、それぞれ、上記リッドアウター(21)内面に先端が溶着される溶着部と、上記リッドアウター(21)内面に対して隙間を有する非溶着部とが交互に複数車幅方向に形成されるように切欠部(47)が形成されていることを特徴とするグローブリッド(1)
  2. パネル状のリッドインナー(23)とリッドアウター(21)とを重合させて振動溶着により一体的に組み付けられ、平面視略矩形状をなすとともに少なくとも車幅方向に延びる上辺部(21a)の下部に乗員側へ向けて膨出するように湾曲した湾曲部(21b)が形成され、上記インストルメントパネル(3)の乗員席側と対向するように開口された開口部(13)に開閉自在に取り付けられるグローブリッド(1)であって、
    上記上辺部(21a)に連なる左右両側辺部の少なくとも一方に対応するリッドインナー(23)側には、上記リッドアウター(21)側へ向けて一体的に起立する側壁(43)が形成され、
    上記側壁(43)上部から車幅方向内側へ離間し、上記リッドアウター(21)側へ向けて一体的に起立しかつ上記側壁(43)と略平行に延びる複数の板状側部起立壁(59)が上下方向に間隔をあけて形成され、
    上記各側部起立壁(59)及び側壁(43)間で車幅方向に延びかつ両端が該側部起立壁(59)及び側壁(43)に連なって上記リッドアウター(21)内側へ向けて一体的に起立し先端がリッドアウター(21)内面に溶着される溶着リブ(61)が複数形成されていることを特徴とするグローブリッド(1)
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