JP3971496B2 - 自動車のフード用合成樹脂製パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一端側から入力される衝突外力に対してこれに直交する向きに延びた脆弱部を中心にして山形状に折り曲げ変形可能とした自動車のフード用合成樹脂製パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量化並びにコストの低減等を目的にして自動車外板の合成樹脂化が推進されており、本件出願人においても先に実開平4−120015号公報で開示されたものを初めとして各種の自動車外板用合成樹脂製パネルの提案を行っている。特に、衝突エネルギーの吸収・放散性を高めるため、一端側から入力される衝突外力に対してこれに直交する向きに延びた脆弱部を中心にして山形状に折り曲げ変形可能とした合成樹脂製パネルに関する提案も本件出願人により行われている(特願平8−284189号等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、エンジンフードでは、一端側を開放可能とするべく他端側の左右両側端にヒンジが一対設けられることが一般的であるが、このようにヒンジで両端が拘束されていると、エンジンからの放射熱による温度上昇に伴う熱膨張で中央部が盛り上がったり凹んだりする変形が発生する。この熱変形を防止するには、熱応力に対する剛性を十分に確保すれば良いが、前記のように折り曲げ変形可能な構成では、熱応力に対する剛性を高めることで衝突時の変形性が低下しがちであった。
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消し、衝突外力に対して所期の変形が確実になされる変形性と、熱応力による変形を抑制可能な剛性とを両立させることが可能なように構成された自動車のフード用合成樹脂製パネルを提供することを目的に案出されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明においては、車体前後方向の一端側を開放可能とするべく他端側の車体左右方向両側端に一対のヒンジが設けられ、一端側に加わる衝突外力に対して車体左右方向に延びた脆弱部を中心にして山形状に折り曲げ変形可能とした自動車のフード用合成樹脂製パネルの構成を、合成樹脂材のブロー成形により表壁(1)と裏壁(2)とからなる中空二重壁構造に形成され、前記脆弱部として、前記裏壁から前記表壁側に突出した山形状断面をなす折れビード(3)が設けられると共に、前記折れビードを挟んで一端側の部分には、その折れビードに直交する向きに縦リブ(10)が延設され、前記折れビードを挟んで他端側の部分には、その折れビードに沿う向きに概ね全長に渡って横リブ(11・12・13)が延設され、この縦リブ及び横リブが、前記裏壁から前記表壁側に突出した半円形をなす断面形状に形成されて、その頂部が前記表壁に融着接合されたものとした。特に前記縦リブ(10)が、車体左右方向に複数列んで設けられた構成とすると良い。さらに前記横リブ(11)が、前記折れビードに沿って車体左右方向に延在する左右方向部分(16)と、一端側に設けられたロック部材(8)と他端側に設けられた左右一対のヒンジ部材(7)の各取付部とを結ぶ線に概ね沿うように前記左右方向部分の両端部から延出された左右一対の傾斜部分(17)と、この傾斜部分の端部から前記折れビード側に延出された左右一対の前後方向部分(18)とからなる構成とすると良い。
【0006】
これによると、衝突外力が入力される一端側の部分における衝突外力に対する剛性が縦リブによって高められることから、衝突外力に伴う応力を脆弱部に集中させて脆弱部で確実に折れ曲げ変形させることが可能となる。他方、車体左右方向両側端が一対のヒンジで拘束されることによってパネルの中央部が盛り上がったり凹んだりする熱変形を、他端側の部分に設けた横リブにより抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明が適用されたフロントエンジンフードを示している。このエンジンフード1は、合成樹脂材のブロー成形により、車体外部に露出される表壁1とエンジンルームに面した裏壁2とからなる中空二重壁構造に形成されたものである。
【0009】
このエンジンフードの矢印Aで示す車体前後方向の中心部には、裏壁2から表壁1側に突出した山形状断面を有する脆弱部としての折れビード3が、紙面に直交する車体左右方向に延設されており、車体前方(図中左側)からの衝突により、図1中に想像線で示すように、折れビード3を中心にしてその前後の前半部4並びに後半部5が互いに折り重なる向きに折れ曲がることで衝突に伴う衝撃力を吸収するようになっている。
【0010】
後端側(図中右側)の車体左右方向両端部には、本エンジンフードを開閉自在に車体6に連結するためのヒンジ部材7が一対設けられている。一方、前端側の車体左右方向中心部には、本エンジンフードを車体6に対して係脱自在に結合するためのロック部材8が設けられている。
【0011】
エンジンフードの前半部4には、車体前後方向に真直に延びた縦リブ10が設されている。この縦リブ10は、裏壁2から表壁1側に突出した半円形をなす断面形状に形成されており、その頂部は表壁1に融着接合されている。この縦リブ10は、図2に示すように、車体左右方向に5条列んで設けられている。これにより、比較的大きく湾曲形成された前半部4が、衝突時の車体前方からの衝突外力によって変形・破壊するのが抑制される。
【0012】
一方、エンジンフードの後半部5には、概ね車体左右方向に延びた3条の横リブ11・12・13が設けられている。これらの横リブ11・12・13は、前半部4の縦リブ10と同様に、裏壁2から表壁1側に突出した半円形をなす断面形状に形成されており、その頂部が表壁1に融着接合されている。
【0013】
この他、表壁1と裏壁2とを相互に接合してエンジンフード全体の剛性を高めるために、頂部が表壁1に融着接合された半球殻状のラグ14が裏壁2に多数設けられている。
【0014】
後半部5の折れビード3寄りに設けられた横リブ11は、車体左右方向の概ね全長に渡って延設されており、折れビード3に沿って車体左右方向に延在する左右方向部分16と、この左右方向部分16の両端部から斜め後方に延出された左右一対の傾斜部分17と、これらの傾斜部分17の後端部から前方に延出された左右一対の前後方向部分18とからなっている。
【0015】
エンジンからの放射熱等による温度上昇に伴ってエンジンフードに熱応力が生じるが、横リブ11の左右方向部分16により、左右の両ヒンジ部材7により左右両端を拘束されたことでエンジンフードの中央部が盛り上がったり凹んだりする熱変形が抑制される。一方、傾斜部分17は、ロック部材8と左右一対のヒンジ部材7の各取付部とを結ぶ線に概ね沿うように延設されており、この傾斜部分17より、ロック部材8と左右一対のヒンジ部材7とにより拘束されたことでエンジンフードに生じる熱変形が抑制される。また、前後方向部分18により、エンジンフードの左右両側縁部の変形、特に図示しないフェンダとの合わせ目に生じるずれを抑制することができる。
【0016】
なお、本実施形態においては、エンジンフードについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トランクリッド等にも同様に適用可能である。
【0017】
【発明の効果】
このように本発明によれば、衝突外力が入力される一端側の部分における衝突外力に対する剛性が縦リブによって高められることで、衝突外力に伴う応力を脆弱部に集中させて脆弱部で確実に折れ曲げ変形させることができ、衝突エネルギーの確実な吸収を図ることが可能となると共に、他端側の部分に設けた横リブによって一対のヒンジで両端を拘束されることによって生じる熱変形を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたフロントエンジンフードを示す断面図。
【図2】図1に示したエンジンフードの裏面側を示す平面図。
【符号の説明】
1 表壁
2 裏壁
3 折れビード
4 前半部
5 後半部
6 車体
7 ヒンジ部材
8 ロック部材
10 縦リブ
11・12・13 横リブ
14 ラグ
16 左右方向部分
17 傾斜部分
18 前後方向部分
Claims (3)
- 車体前後方向の一端側を開放可能とするべく他端側の車体左右方向両側端に一対のヒンジが設けられると共に、一端側に加わる衝突外力に対して山形状に折り曲げ変形可能なように車体前後方向中心部に車体左右方向に延びた脆弱部が設けられた自動車のフード用合成樹脂製パネルであって、
合成樹脂材のブロー成形により表壁と裏壁とからなる中空二重壁構造に形成され、前記脆弱部として、前記裏壁から前記表壁側に突出した山形状断面をなす折れビードが設けられると共に、
前記折れビードを挟んで一端側の部分には、その折れビードに直交する向きに縦リブが延設され、前記折れビードを挟んで他端側の部分には、その折れビードに沿う向きに概ね全長に渡って横リブが延設され、この縦リブ及び横リブが、前記裏壁から前記表壁側に突出した半円形をなす断面形状に形成されて、その頂部が前記表壁に融着接合されたことを特徴とする自動車のフード用合成樹脂製パネル。 - 前記縦リブが、車体左右方向に複数列んで設けられたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のフード用合成樹脂製パネル。
- 前記横リブが、前記折れビードに沿って車体左右方向に延在する左右方向部分と、一端側に設けられたロック部材と他端側に設けられた左右一対のヒンジ部材の各取付部とを結ぶ線に概ね沿うように前記左右方向部分の両端部から延出された左右一対の傾斜部分と、この傾斜部分の端部から前記折れビード側に延出された左右一対の前後方向部分とからなることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の自動車のフード用合成樹脂製パネル。
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