JP4775068B2 - フード構造 - Google Patents

フード構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4775068B2
JP4775068B2 JP2006090300A JP2006090300A JP4775068B2 JP 4775068 B2 JP4775068 B2 JP 4775068B2 JP 2006090300 A JP2006090300 A JP 2006090300A JP 2006090300 A JP2006090300 A JP 2006090300A JP 4775068 B2 JP4775068 B2 JP 4775068B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hood
inner panel
bead
rigidity
hood inner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006090300A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007261459A (ja
Inventor
健介 福田
正浩 粟野
敬 伊藤
敦彦 古川
英孝 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp, Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2006090300A priority Critical patent/JP4775068B2/ja
Publication of JP2007261459A publication Critical patent/JP2007261459A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4775068B2 publication Critical patent/JP4775068B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Superstructure Of Vehicle (AREA)

Description

本発明は、フード構造に関する。
自動車等のエンジンルームの上部にあるフードの構造として、車体上面の外側に配設されるフードアウタパネルと、このフードアウタパネルの裏面のエンジンルーム側に配設されるフードインナパネルとを一体としてフードを構成したものが知られている。このようにフードは、フードアウタパネルとフードインナパネルとを重ね合わせて結合することにより、剛性を確保している。
このフードインナパネルの種類には骨型タイプや波型タイプ等がある。このうち骨型タイプのフードインナパネルは、複数個所に開口部が設けられ、フードインナパネルの形状が格子状の骨型となっている。しかし、この骨型タイプのフードインナパネルは、格子の形状によっては、車両が正面から物体と衝突する正突時における前方からの入力や、斜め前方斜めから物体と衝突する斜突時における前方からの入力に対して強度が高くなることがあり、このため、正突時や斜突時にフードが折れずに後方へ押され、フードの後端部が後方に移動してウィンドシールドガラスに接触し、ウィンドシールドガラスが破損する虞があった。
一方、波型タイプのフードインナパネルは、後部から前部に向かって延びる複数の凸条と凹条(以下、波型ビードという)が設けられ、これによりフードインナパネルの車幅方向断面の形状が波型となっている。この波型タイプのフードインナパネルは、フードアウタパネルとフードインナパネルとが空間を介した閉断面構造をとって結合することによりフード剛性を確保している。
この波型タイプのフードインナパネルを備えるフードは、歩行者との衝突時には複数の波型ビードで車両上方からの入力を吸収するため、歩行者の頭部障害対策として有効であるが、この波型ビードの延在方向によっては、正突時や斜突時における前方や前方斜めからの入力対して強度が高くなることがある。このため、正突時や斜突時にフードが折れずに後方へ押されてしまい、フードの後端部が後方に移動して、ウィンドシールドガラスに接触し、ウィンドシールドガラスが破損する虞があった。
このため、波型タイプのフードインナパネルを備えるフードに正突時や斜突時にフードが積極的に折れるようにフードインナパネルの車両前後方向の中央部において、凸状をなす折れビードを車幅方向と平行に横断するように設ける技術が知られている。このような構造のフードの一例が下記特許文献1に開示されている。
特開2005−75163号公報(図1、及び、図4参照)
しかしながら、上記特許文献1に開示されるフード構造では、折れビードが車幅方向と平行に設けられているため、正突時の衝撃を吸収する性能については十分なものであったが、斜突時の衝撃を吸収する性能については必ずしも十分なものであるとは言えなかった。
また、従来から、フードには、空気を取り入れたり、又は、エンジンルーム内の熱を放出するために通気口を設ける等、何らかの加工や部品が設置される場合が多々ある。図7に、従来の折れビードと通気口とを有する波型フードインナパネルの平面図を示す。図7に示すように、フードインナパネル32の略中央部には、エンジンルーム内に空気を取り込むための通気口30が設けられている。
この通気口30の周縁部には、この通気口30を補強する通気口補強部材31が設置されている。このため従来のように車両前後方向の中央部において、車幅方向と平行に折れビード33を設けた場合、この折れビード33は通気口30により完全に分断される形となる。
上記のように、従来の折れビード33を有する波型フードインナパネルに単純に通気口30を設けた場合、折れビード33が通気口30に分断されていることや、通気口30に設けられた通気口補強部材31の影響により、フードインナパネル32全体での剛性のバランスが崩れてしまう。
図8に、従来の折れビードと通気口とを有する波型フードインナパネルの斜突時の変形の様子を示す。図8に示すように、従来の折れビードと通気口とを有する波型フードインナパネルは、通気口30を設けこの通気口30の周縁部に通気口補強部材31を設けたため、斜突時にフードインナパネル32が意図した位置で折れなくなってしまう。
すなわち、折れビード33に沿って折れず、折れビード33のない部分で折れてしまう。このため、フードインナパネル32が後方に押されてしまい、ヒンジ34から脱落したフードインナパネル32の後端部が後方に移動して、ウィンドシールドガラス35に接触し、ウィンドシールドガラス35が破損する虞があった。
これらのことから、本発明は、自動車の衝突時、特に、斜突時にも積極的に意図した形に座屈することにより、衝突時の衝撃を吸収するフード構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は、
フードアウタパネルと、
前記フードアウタパネルの裏面側に配設されるフードインナパネルとからなる自動車のフード構造であって、
前記フードインナパネルは、
車幅方向外側の端部側から中央側に向かって斜め前に延在し、前記フードインナパネルの剛性を部分的に低下させる左右一対の第1剛性低下部と、
左右の前記第1剛性低下部の中央側端部間を連絡して車幅方向に延在し、前記フードインナパネルの剛性を部分的に低下させる第2剛性低下部とを備え
前記フードインナパネルを開閉可能に車体に結合するヒンジと、
前記フードインナパネルと前記ヒンジとの取付部を補強するヒンジリンフォースメントとを更に備え、
前記ヒンジリンフォースメントの車両前後方向における前方に、前記第1剛性低下部の車幅方向外側の端部を位置させる
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は
記第1剛性低下部、又は、前記第2剛性低下部の少なくとも一方は、その長さ方向に延在するビードにより形成される
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は
記ビードは、車両上方へ向け凸状に形成される
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は
記第1剛性低下部、又は、前記第2剛性低下部の少なくとも一方は、その長さ方向に沿って配列される複数の開口部により形成される
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は
フードインナパネルは、外気を導入、又は、エンジンルーム内の熱を放出する通気口を更に備え、
前記第1剛性低下部、又は、前記第2剛性低下部の少なくとも一方が、前記通気口の枠部の外周部により構成されている
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は
記フードインナパネルは、後部から前部に向かって延びる複数の凸条と凹条とを有し、車幅方向断面を波型形状に形成される
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るフード構造は
記複数の凸条と凹条は、車幅方向中央側に傾斜して延在し、
前記第1剛性低下部の車両前後方向に対する傾斜角は、前記複数の凸条と凹条の車両前後方向に対する傾斜角より大きく設定される
ことを特徴とする。
本発明に係るフード構造によれば、フードアウタパネルと、フードアウタパネルの裏面側に配設されるフードインナパネルとからなる自動車のフード構造であって、フードインナパネルは、 車幅方向外側の端部側から中央側に向かって斜め前に延在し、フードインナパネルの剛性を部分的に低下させる左右一対の第1剛性低下部と、左右の第1剛性低下部の中央側端部間を連絡して車幅方向に延在し、フードインナパネルの剛性を部分的に低下させる第2剛性低下部とを備えることにより、斜突時、及び、正突時等にフードインナパネルを第1剛性低下部、及び、第2剛性低下部において積極的に座屈させ、自動車の衝突時の衝撃を吸収することができる。
本発明に係るフード構造によれば、第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部の少なくとも一方は、その長さ方向に延在するビードにより形成されることにより、新たに部品を追加することなく、フードインナパネルを第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部において効率よく座屈させることができる。
本発明に係るフード構造によれば、ビードは、車両上方へ向け凸状に形成されることにより、斜突時、及び、正突時にフードインナパネルの第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部がフードアウタパネルに近接する方向(車両上方)に向かうように、フードインナパネルを効率よく座屈させることができる。
本発明に係るフード構造によれば、第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部の少なくとも一方は、その長さ方向に沿って配列される複数の開口部により形成されることにより、新たに部品を追加することなくフードインナパネルを第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部において効率よく座屈させることができる。
本発明に係るフード構造によれば、フードインナパネルは、外気を導入、又は、エンジンルーム内の熱を放出する通気口を更に備え、第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部の少なくとも一方が、通気口の枠部の外周部により構成されていることにより、外周部が周辺より剛性が低くなり、剛性低下部をなすため、フードインナパネルを確実に座屈させることができる。
本発明に係るフード構造によれば、フードインナパネルは、後部から前部に向かって延びる複数の凸条と凹条とを有し、車幅方向断面を波型形状に形成されることにより、凸条と凹条でフードの剛性を十分に確保し、衝突時には第1剛性低下部、又は、第2剛性低下部を座屈して衝撃を吸収し、且つ、凸条と凹条で歩行者の頭部障害を軽減することができる。
本発明に係るフード構造によれば、複数の凸条と凹条は、車幅方向中央側に傾斜して延在し、第1剛性低下部の車両前後方向に対する傾斜角は、複数の凸条と凹条の車両前後方向に対する傾斜角より大きく設定されることにより、凸条と凹条でフードの剛性が確保されていても、正突や斜突の際には、確実に第1剛性低下部で座屈させることができる。
本発明に係るフード構造によれば、フードインナパネルを開閉可能に車体に結合するヒンジと、フードインナパネルとヒンジとの取付部を補強するヒンジリンフォースメントとを更に備え、ヒンジリンフォースメントの車両前後方向における前方に、第1剛性低下部の車幅方向外側の端部を位置させることにより、剛性の高いヒンジリンフォースメントの前端部においてフードインナパネルを確実に座屈させることができる。
本発明に係るフード構造の一実施形態について図1から図6を用いて説明する。図1は実施例1に係るフードインナパネルの平面図、図2は図1にA−Aで示す断面での断面図、図3は波型ビード部に形成された斜めビード部の斜視図、図4は図1にC−Cで示す断面での断面図、図5は図4にD−Dで示す断面での断面図、図6は実施例1に係るフード構造の斜突時の変形の様子を示した図、図9は実施例2に係るフードインナパネルの平面図、図10は実施例3に係るフードインナパネルの斜視図、図11はその他の実施例に係る通気口の枠部の斜視図、図12は図11にE−Eで示す断面での断面図である。
なお、図中において、Frは車両前方方向を、In車幅方向内側を、Upは車両上方をそれぞれ示す。
以下、本実施例に係るフード構造の概要について説明する。図1に、本実施例に係るフードインナパネルの平面図を示す。図1に示すように、フードインナパネル10の略中央部には空気を取り入れる開口であるエアインレット11が設けられている。エアインレット11の周縁部にはエアインレット11を補強するエアインレット補強部材12が設置されている。
エアインレット11の前方(図1中、左側)には、車幅方向が長辺をなす平行四辺形状の開口であるエンジンルーム内の空気を排出するエアアウトレット13が2箇所設けられており、これらは左右対称をなしている。これらエアアウトレット13の周縁部には、エアアウトレット13を補強するエアアウトレット補強部材14が設置されている。
エアインレット13の車幅方向の側方(図1中、上下方向)には、波型ビード15(図3参照)が設けられている。この波型ビード15の前方側(図1中、左側)は、エアアウトレット補強部材14の上端部付近まで形成されており、波型ビード15の後方側は、フードインナパネル10の後端部付近まで形成されている。すなわち、この波型ビード15は、エアインレット補強部材12と、エアアウトレット補強部材14と、インナパネル10の後端部との間に設けられている。
波型ビード15は連続的な波形状、すなわち、複数の凸条と凹条により形成されている。このような形状により、車両が歩行者の身体などに衝突し、歩行者が車両に乗り上げて例えば頭部が車両上方からフード17に衝突した際には、波型ビード15が全体的に凹んで衝撃を吸収することで歩行者の保護を図ることができる。さらに、この波型ビード15が設置されている位置は歩行者と自動車とが衝突した際に頭部が当たる可能性が高い位置であるため、波型ビード15の設置がより効果的なものとなっている。
図2に、図1にA−Aで示す断面での断面図を示す。図2に示すように、フードインナパネル10は、上面にフードアウタパネル21が配置され、これらフードインナパネル10とフードアウタパネル21とによりフード17を形成している。フードインナパネル10の後端部の車幅方向の端部には、フード17を車体側に開閉可能に結合するためのヒンジ16がボルト締め等により取り付けられている。
フードインナパネル10のヒンジ16の取り付け位置であるヒンジ取り付け部10aは、フード17の開閉時などに大きな力が加わるため、フードインナパネル10のヒンジ取り付け部10aのヒンジ16とは反対側の面、すなわち上面側には、補強のためのヒンジリンフォースメント18が設置されている。
ヒンジリンフォースメント18の前方部分18aと後方部分18cはフードインナパネル10に沿った形状となっており、ヒンジリンフォースメント18の前方部分18aと後方部分18cは、フードインナパネル10に溶接により結合されている。また、ヒンジリンフォースメント18の前後方向での中央部分18bは、ヒンジリンフォースメント18とフードインナパネル10とにより、図2中の矢印Bで示すように断面が閉断面を形成している。
すなわち、このような閉断面構造によりヒンジ16側から加わる力を効率よく受け止めている。このように、ヒンジリンフォースメント18は、フード17の開閉時などに加わる力を受け止めるのに効果的な位置に配置されている。
以下、本実施例に係るフード構造の要部の構造について説明する。
フードインナパネル10の波型ビード15には、自動車の衝突時に座屈して衝撃を吸収する折れビードが車幅方向外側の端部側から中央側に向かって斜め方向に延びるように、車幅方向に左右に分けて左右にそれぞれ1本ずつ計2本、左右対称に設けられている。このビードを斜め折れビード19と呼ぶ。すなわち、斜め折れビード19は八字状に形成されている。本実施例では、斜め折れビード19が、課題を解決するための手段に記載する第1剛性低下部をなしている。
図3に、図1にEで示す波型ビードに形成された斜め折れビードの拡大図を示す。図3に示すように、本実施例に係る斜め折れビード19は、一見すると複数に分断されたような形状になっている。これは斜め折れビード19が波型ビード15を横切るように波型ビードの谷の部分の底面の高さを基準として設けられているためである。
このため、これら複数の斜め折れビード19は、一本の連続した斜め折れビード19と見なすことができる。このように、本実施例では分断された斜め折れビード19を一本の連続した斜め折れビード19に見立てて設けたが、実際に折れビード19を波型ビード15に添うように連続して設けてもよい。
図1に示すように、斜め折れビード19の車幅方向での外側の端部は、ヒンジリンフォースメント18の前端部の前方部分10bに位置している。また、斜め折れビード19の車幅方向内側の端部は、エアインレット補強部材12の前端部の前方(図1中、左側)と、エアアウトレット補強部材14の後端部の後方(図1中、右側)との間の部分10cに位置している。
すなわち、斜め折れビード19は、ヒンジリンフォースメント18の前端部の前方の部分10bから、エアインレット補強部材12の前端部の前方と、エアアウトレット補強部材14の後端部の後方との間の部分10cまでを連絡するように、左右対称に2本設けられている。
また、斜め折れビード19の設置角度は、自動車の斜突時の入力に対して垂直な方向をなすように設けられている。すなわち、斜め折れビード19の車両前後方向に対する傾斜角は、複数の凸条と凹条の車両前後方向に対する傾斜角より大きく設定する。これは、斜突時に斜め折れビード19に応力を集中させて、効率よく斜め折れビード19を座屈させるようにしたためである。さらに、この斜め折れビード19は、正突時の入力であっても応力が集中する程度の傾きであるため、正突時においても効率よく座屈させることができる。
また、左右の斜め折れビード19は、直接的にはビード等で連絡されてはいないが、エアインレット補強部材12で構成される枠部の外周前端部と、左右のエアアウトレット補強部材14で構成される枠部の外周後端部との間の部分が、周囲より剛性の低い剛性低下部を形成し、折れビードの役割を果たすことにより、左右の斜め折れビード19が車幅方向における中央側の端部同士を、直線的に連絡することができる。この左右の斜め折れビード19の連絡部を斜め折れビード連絡部20と呼ぶ。本実施例では、この斜め折れビード連絡部20が、課題を解決するための手段に記載する第2剛性低下部をなしている。
つまり、枠部を形成するエアインレット補強部材12、及び、エアアウトレット補強部材14は強度の高い部材であり、衝突時にはエアインレット補強部材12の外周前端部とエアアウトレット補強部材14の外周後端部とにより挟まれた部分でフードインナパネル10が座屈するため、この位置を折れビードの代わりとして利用している。これにより、正突時、斜突時、及び、オフセット衝突時等においても、斜め折れビード19を設けた位置でフードインナパネル10を座屈させることができる。
図3に示すように、斜め折れビード19は、フードインナパネル10の上面側から見たときに、波型ビード15の谷の底面に車両上方に向かって凸状をなすように形成されている。言い換えれば、斜め折れビード19は、フードインナパネル10の下面側から見たときには、凹状になっている。
図4に、図1にC−Cで示す断面での断面図を示す。図4に示すように、斜め折れビード19は、フードインナパネル10の車幅方向の端部の下面から波型ビード15の谷の部分の底面に一連の凸部として形成されている。
図5に、図4にD−Dで示す断面での断面図を示す。図5に示すように、実際には斜め折れビード19は、なだらかな形状の凸部となっている。本実施例では、このようになだらかな形状の凸部としたが、台形状の凸部としてもよいし、三角形状の凸部等としてもよい。また、これら凸部の代わりに開口を設けた場合であっても、凸部を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
以下、本実施例に係るフード構造と、従来の折れビードと開口部を有する波型フードとの、斜突時のフードインナパネルの変形の比較を行う。
初めに、従来の折れビードと開口部を有する波型フードの斜突時の変形の様子について説明する。
図8に、従来の折れビードと開口部とを有する波型フードインナパネルの斜突時の変形の様子を示す。図8に示すように、従来の折れビードと開口部とを有する波型フードインナパネルは、開口部30を設けたことにより、折れビード33が開口部33で分断され、さらに、この開口部30の周縁部に開口部補強部材31を設けたため、フードインナパネル32全体の剛性のバランスが崩れてしまうため、斜突時にフードインナパネル32が意図した位置で折れなくなってしまう。
すなわち、折れビード33に沿って折れず、このため、フードインナパネル32全体が後方(図8中、下方)に押されてしまい、ヒンジ34から脱落したフードインナパネル33の後端部が後方に移動して、ウィンドシールドガラス35に接触し、ウィンドシールドガラス35が破損する虞がある。
次に、本実施例に係るフード構造の斜突時の変形の様子について説明する。
図6に、本実施例に係るフード構造の斜突時の変形の様子を示す。図6に示すように、本実施例に係るフード構造では、斜め折れビード19が斜突の入力方向に垂直に交わるように設けられているため、応力を斜め折れビード19に集中させることができる。すなわち、斜め折れビード19に沿って効率よくフードインナパネル10を折ることができる。
また、フードインナパネル10は斜め折れビード連絡部20でも折れるため、さらに効率よく斜め折れビード19に沿ってフードインナパネル10を折ることができる。すなわち、斜め折れビード19に沿って折れ、斜め折れビード19のない部分、及び、斜め折れビード連絡部20のない部分での折れを最小限に抑えることができる。このため、斜突時にフードインナパネル10全体が後方(図6中、下方)に押されることがなくなり、ヒンジ16から脱落したフードインナパネル10の後端部が後方に移動して、ウィンドシールドガラス22に接触して、ウィンドシールドガラス22が破損する虞がない。
本実施例では、フードインナパネルの材質は、アルミニウムとしたが、これ以外にも鋼板や樹脂を用いることもできる。つまり、フードインナパネルの材質に関わらず、本実施例に係るフード構造を適用することにより、フードインナを狙いどおりに折ることができる。
このように、本実施例に係るフード構造によれば、フードアウタパネル21と、フードアウタパネル21の裏面側に配設されるフードインナパネル10とからなる自動車のフード構造であって、フードインナパネル10は、車幅方向外側の端部側から中央側に向かって斜め前に延在し、フードインナパネル10の剛性を部分的に低下させる左右一対の斜め折れビード19と、左右の斜め折れビード19の中央側端部間を連絡して車幅方向に延在し、フードインナパネル10の剛性を部分的に低下させる斜め折れビード連絡部20とを備えることにより、斜突時、及び、正突時等にフードインナパネル10を斜め折れビード19、及び、斜め折れビード連絡部20において積極的に座屈させ、自動車の衝突時の衝撃を吸収することができる。
また、斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部20の少なくとも一方は、その長さ方向に延在するビードにより形成されることにより、新たに部品を追加することなく、フードインナパネル10を斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部20において効率よく座屈させることができる。
また、ビードは、車両上方へ向け凸状に形成されることにより、斜突時、及び、正突時にフードインナパネルの斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部20がフードアウタパネル21に近接する方向(車両上方)に向かうように、フードインナパネル10を効率よく座屈させる
また、フード17は、外気を導入、又は、エンジンルーム内の熱を放出するエアインレット11、及び、エアアウトレット13と、フードインナパネル10に取り付けられ、エアインレット11、及び、エアアウトレット13の周縁部に沿って配置される枠部を形成するエアインレット補強部材12、及び、エアアウトレット補強部材14とを更に備え、斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部20の少なくとも一方が、エアインレット補強部材12、及び、エアアウトレット補強部材14の外周縁部で構成されていることにより、外周縁部が周辺より剛性が低く、剛性低下部をなすため、フードインナパネル10を確実に座屈させることができる。
また、フードインナパネル10は、後部から前部に向かって延びる複数の凸条と凹条とを有し、車幅方向断面を波型形状に形成されることにより、凸条と凹条でフード17の剛性を十分に確保し、衝突時には斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部20を座屈して衝撃を吸収し、且つ、凸条と凹条で歩行者の頭部障害を軽減することができる。
また、複数の凸条と凹条は、車幅方向中央側に傾斜して延在し、斜め折れビード19の車両前後方向に対する傾斜角は、複数の凸条と凹条の車両前後方向に対する傾斜角より大きく設定されることにより、凸条と凹条でフード17の剛性が確保されていても、正突や斜突の際には、確実に斜め折れビード19で座屈させることができる。
また、フード17を開閉可能に車体に結合するヒンジ16と、フードインナパネル10とヒンジ16との取付部を補強するヒンジリンフォースメント18とを更に備え、ヒンジリンフォースメント18の車両前後方向における前方に、斜め折れビード19の車幅方向外側の端部を位置させることにより、剛性の高いヒンジリンフォースメント18の前端部においてフードインナパネル10を確実に座屈させることができる。
本実施例2に係るフード構造では、波型ビードが全面に亘って形成されたフードインナパネルに斜め折れビード、及び、斜め折れビード連絡部を設けた。すなわち、実施例1に係るフード構造で、エアインレット、及び、エアアウトレットを設けていないものに相当する。このように、エアインレット、及び、エアアウトレットを設けていないということ以外は、実施例1に係るフード構造と略同様である。
以下、本実施例に係るフード構造について説明する。図9に実施例2に係るフードインナパネルの平面図を示す。図9に示すように、波型ビード15の車幅方向側端側から中央側に向かって左右一対の斜め折れビード19を設ける。さらに、左右の斜め折れビード19の中央側端部間を連絡して車幅方向に延在する直線ビード23を設ける。
このように、本実施例に係るフード構造によれば、フードアウタパネル21と、フードアウタパネル21の裏面側に配設されるフードインナパネル10とからなる自動車のフード構造であって、フードインナパネル10は、車幅方向外側の端部側から中央側に向かって斜め前に延在し、フードインナパネル10の剛性を部分的に低下させる左右一対の斜め折れビード19と、左右の斜め折れビード19の中央側端部間を連絡して車幅方向に延在し、フードインナパネル10の剛性を部分的に低下させる直線折れビード23とを備えることにより、斜突時、及び、正突時等にフードインナパネル10を斜め折れビード19、及び、直線折れビード23において積極的に座屈させ、自動車の衝突時の衝撃を吸収することができる。
本実施例3に係るフード構造は、実施例1、又は、実施例2に係るフード構造において、斜め折れビードが形成されている部分に開口部を形成し、この開口部を剛性低下部とした。このように、斜め折れビード、又は、斜め折れビード連絡部を開口部により形成したこと以外は、実施例1、又は、実施例2に係るフード構造と略同様である。
以下、本実施例に係るフード構造について説明する。図10に実施例3に係るフードインナパネルの斜視図を示す。図10に示すように、波型ビード15の谷部に開口部24を設ける。この開口部24を設ける位置は実施例1、又は、実施例2の斜め折れビードを設けた位置と同じである。
このように、本実施例に係るフード構造によれば、左右の斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部の少なくとも一方は、その長さ方向に沿って配列される複数の開口部24により形成されることにより、新たに部品を追加することなくフードインナパネル10を斜め折れビード19、又は、斜め折れビード連絡部において効率よく座屈させることができる。
尚、上記した各実施例では、枠部として補強部材12、14を取り付けた構造としたが、枠部は周辺より剛性が高ければよく、例えば図11、及び、図12に示すように、フードアウタパネル21の通気口周縁部に設けたフランジ部30とフードインナパネル10の通気口周縁部を対面させて溶接した構造としてエアインレット11、又は、エアアウトレット13の周縁部に沿って枠部を形成してもよい。
また、フードアウタパネル21とフードインナパネル10は、溶接に限ることなく、接着剤やボルト結合でもよい。
実施例1に係るフードインナパネルの平面図である。 図1にA−Aで示す断面での断面図である。 波型ビード部に形成された斜めビード部の斜視図である。 図1にC−Cで示す断面での断面図である。 図4にD−Dで示す断面での断面図である。 実施例1に係るフード構造の斜突時の変形の様子を示した図である。 従来の折れビードと通気口とを有する波型フードインナパネルの平面図である。 従来の折れビードと通気口とを有する波型フードインナパネルの斜突時の変形の様子を示した図である。 実施例2に係るフードインナパネルの平面図である。 実施例3に係るフードインナパネルの斜視図である。 その他の実施例に係る通気口の周縁部に形成された枠部の斜視図である。 図11にE−Eで示す断面での断面図である。
符号の説明
10 フードインナパネル
11 エアインレット(通気口)
12 エアインレット補強部材(補強部材)
13 エアアウトレット(通気口)
14 エアアウトレット補強部材(補強部材)
15 波型ビード
16 ヒンジ
17 フード
18 ヒンジリンフォースメント
19 斜め折れビード(第1剛性低下部)
20 斜め折れビード連絡部(第2剛性低下部)
21 フードアウタパネル
22 ウィンドシールドガラス
23 直線ビード(第2剛性低下部)
24 開口部
30 フランジ

Claims (7)

  1. フードアウタパネルと、
    前記フードアウタパネルの裏面側に配設されるフードインナパネルとからなる自動車のフード構造であって、
    前記フードインナパネルは、
    車幅方向外側の端部側から中央側に向かって斜め前に延在し、前記フードインナパネルの剛性を部分的に低下させる左右一対の第1剛性低下部と、
    左右の前記第1剛性低下部の中央側端部間を連絡して車幅方向に延在し、前記フードインナパネルの剛性を部分的に低下させる第2剛性低下部とを備え
    前記フードインナパネルを開閉可能に車体に結合するヒンジと、
    前記フードインナパネルと前記ヒンジとの取付部を補強するヒンジリンフォースメントとを更に備え、
    前記ヒンジリンフォースメントの車両前後方向における前方に、前記第1剛性低下部の車幅方向外側の端部を位置させる
    ことを特徴とするフード構造。
  2. 請求項1に記載のフード構造であって、
    前記第1剛性低下部、又は、前記第2剛性低下部の少なくとも一方は、その長さ方向に延在するビードにより形成される
    ことを特徴とするフード構造。
  3. 請求項2に記載のフード構造であって、
    前記ビードは、車両上方へ向け凸状に形成される
    ことを特徴とするフード構造。
  4. 請求項1に記載のフード構造であって、
    前記第1剛性低下部、又は、前記第2剛性低下部の少なくとも一方は、その長さ方向に沿って配列される複数の開口部により形成される
    ことを特徴とするフード構造。
  5. 請求項1に記載のフード構造であって、
    前記フードインナパネルは、外気を導入、又は、エンジンルーム内の熱を放出する通気口を更に備え、
    前記第1剛性低下部、又は、前記第2剛性低下部の少なくとも一方が、前記通気口の枠部の外周部により構成されている
    ことを特徴とするフード構造。
  6. 請求項1、乃至、請求項5のいずれかに記載のフード構造であって、
    前記フードインナパネルは、後部から前部に向かって延びる複数の凸条と凹条とを有し、車幅方向断面を波型形状に形成される
    ことを特徴とするフード構造。
  7. 請求項6に記載のフード構造であって、
    前記複数の凸条と凹条は、車幅方向中央側に傾斜して延在し、
    前記第1剛性低下部の車両前後方向に対する傾斜角は、前記複数の凸条と凹条の車両前後方向に対する傾斜角より大きく設定される
    ことを特徴とするフード構造。
JP2006090300A 2006-03-29 2006-03-29 フード構造 Expired - Fee Related JP4775068B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006090300A JP4775068B2 (ja) 2006-03-29 2006-03-29 フード構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006090300A JP4775068B2 (ja) 2006-03-29 2006-03-29 フード構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007261459A JP2007261459A (ja) 2007-10-11
JP4775068B2 true JP4775068B2 (ja) 2011-09-21

Family

ID=38634869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006090300A Expired - Fee Related JP4775068B2 (ja) 2006-03-29 2006-03-29 フード構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4775068B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5067262B2 (ja) * 2008-05-29 2012-11-07 マツダ株式会社 車両用フード構造
JP6176124B2 (ja) * 2014-01-16 2017-08-09 トヨタ自動車株式会社 歩行者保護エアバッグ装置のフード搭載構造
US10207749B2 (en) 2014-12-16 2019-02-19 Sabic Global Technologies B.V. Polymeric engine hood assembly, vehicle front end module, vehicles comprising the same and methods of making the same
JP2016203859A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 カルソニックカンセイ株式会社 コンソールボックス
JP6443399B2 (ja) * 2016-06-13 2018-12-26 スズキ株式会社 車両用フードインナパネル

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3322374B2 (ja) * 1994-08-19 2002-09-09 スズキ株式会社 自動車のフード構造
JPH08258669A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Toyota Motor Corp フードエアバッグ装置
JP3971496B2 (ja) * 1998-01-23 2007-09-05 本田技研工業株式会社 自動車のフード用合成樹脂製パネル
JP2005178422A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Toyota Motor Corp 車両用フード構造
JP2006044311A (ja) * 2004-07-30 2006-02-16 Toyota Motor Corp 車両用フード構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007261459A (ja) 2007-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1609686B1 (en) Vehicle hood
EP1894792B1 (en) Vehicle bumper structure
JP4664874B2 (ja) 自動車用フード
JP5034639B2 (ja) 自動車の前部構造
JP7222816B2 (ja) 車両用フード
JP4271164B2 (ja) 自動車の前部車体構造
JP4775068B2 (ja) フード構造
CN102126473A (zh) 用于车辆保险杠杆的防钻撞部件
JP6919187B2 (ja) 車体フロア構造
JP4801524B2 (ja) 自動車用フード
JP2004203158A (ja) 自動車の前部構造
CN110576909B (zh) 车辆的后部结构
JP5207228B2 (ja) 車両用インナパネル
JP4407476B2 (ja) 車両のカウル構造
JP5966881B2 (ja) 自動車の脚払い構造
JP6961666B2 (ja) 車体側部構造
JP4556769B2 (ja) 車体構造
JP4492431B2 (ja) フードパネル
JP5542082B2 (ja) 車輌用フードパネル
JP4798485B2 (ja) 車両のフロントバンパー構造
EP3932749B1 (en) Vehicle front body structure and vehicle
JP7228134B2 (ja) アンダーランプロテクタ構造
JP7000384B2 (ja) アンダーカバー
US11318997B2 (en) Hood structure
JP5966895B2 (ja) 自動車の脚払い構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110531

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4775068

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees