JP4283391B2 - ベアリングの異常検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,回転機器のベアリング接触面の圧痕や傷など,破壊に至る前の異常状態を振動加速度で精度良く検出する,ベアリングの異常検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ベアリングの劣化は,アンバランスなど初期の取付不良を除くと,運転時間の経過に伴い進行する。そしてこれまでは,ベアリングの破壊に対して事前の時間計画保全や状態監視保全が行われている。
【0003】
時間計画保全とは,実運転時間,または停止している時間を含む設置からの経過時間に対し,一定間隔で点検,給油,交換などの保全を行う時間計画に基づく予防保全である。保全の時間間隔は,一般的に過去の破壊事例や加速試験などで得た故障間隔の平均値を参考に,安全性を見込んだ短めの時間で取り決めている。多くのベアリングでは,破壊の前に保全が行われるため運用での不都合がない。
しかしながら設置環境や使用条件などにより,劣化の急激な進行によって保全の前に破壊したり,劣化の進行が穏やかで時間間隔の余裕が過剰となり正常なベアリングまでも保全するといった事態が生ずるおそれがある。
【0004】
一方予知状態監視保全とは,ベアリングの破壊の兆候を監視し,監視値が正常の管理範囲を超えた場合に保全を実施する状態監視に基づく予防保全である。監視する項目は,モータの電流値,ベアリングの発熱,異音,振動加速度などである。特に,振動加速度による監視は,確立された技術であって,例えば出願人が先に開示した特公平2−59420においては,振動加速度の周波数成分を監視することで,ベアリングの破壊を予知判断している。
【0005】
より詳述すれば,ベアリングの構成部位,すなわち内輪,外輪,玉(転動体)の傷が衝突する周期を監視周波数と呼び,一定時間でサンプリングした振動加速度を高速フリーエ変換することでその周波数成分を分析し,パワースペクトルを得る。そしてこのパワースペクトルから監視周波数ごとの振動加速度を抽出し,正常時からの増加倍数で正常,注意,異常を判断するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,ベアリングの破壊進行において初期段階における浅い傷などでは,傷の成長と傷断面の鈍りとが繰り返されるため,傷とベアリング構成部材の接触面が衝突することで発生する振動加速度の周期が非定常なものとなる。傷が成長したときの監視では,監視周波数での振動加速度が大きいが,傷断面が鈍った時の監視では,監視周波数での振動加速度が小さくなる。つまり,監視の時期により振動加速度が変動し,増加倍数の判断が正常と異常とを繰り返す一貫性のない結果となってしまう。これでは状態監視保全での計画立案に有効な情報とならないおそれがある。
【0007】
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり,計測した振動加速度のデータのうちの非定常の部分を除去した後に,従前の高速フーリエ変換による周波数分析等を行うことによって,初期段階における監視精度を向上させることをその目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため,請求項1のベアリングの異常検出方法は,回転機器の軸受部からの振動加速度を計測し,高速フーリエ変換によって周波数成分を分析してパワースペクトルを得た後,該パワースペクトルから監視周波数ごとの振動加速度を抽出して,正常時からの増加度合い,例えば増加倍数等で前記軸受部に装着されているベアリングの異常を検出する方法において,前記高速フーリエ変換の前に,まず振動加速度を離散ウェーブレット変換してウェーブレット係数を求める工程と,前記ウェーブレット係数のうち,所定のしきい値を越えるウェーブレット係数の部分を除去する工程と,前記除去した後のウェーブレット係数の部分を離散ウェーブレット逆変換して補正振動加速度を得る工程とを有している。そしてこのようにして求めた補正振動加速度に対して,従前の高速フーリエ変換を行ってして周波数分析を行って,パワースペクトルを得ることを特徴としている。なお所定のしきい値は,解像度に応じて設定しても良い。
【0009】
この場合前記しきい値としては,請求項2に記載したように,前記回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間に,例えば毎秒10回転の回転機器では10回転する間サンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値にその標準偏差の2倍の値をプラスマイナスした値を提案できる。すなわち,ウェーブレット係数の平均値をX,標準偏差をYとしたとき,しきい値=X±2Yの値を提案できる。その他に請求項3のように,しきい値=X±3Yや,請求項4のようにしきい値=3Xや,請求項5のようにしきい値=6Xとしてもよい。
【0010】
本発明では,前記高速フーリエ変換によって周波数分析を行う前に,振動加速度(デジタル信号)を離散ウェーブレット変換してウェーブレット係数を求め,その後前記ウェーブレット係数のうち,所定のしきい値を越えるウェーブレット係数を非定常のものとみなして除去し,その後前記除去した後のウェーブレット係数を離散ウェーブレット逆変換して,再度返還前の物理量である振動加速度に戻し,そのように除去した後の補正振動加速度を,通常の高速フーリエ変換してパワースペクトルを得るようにしている。
したがって,回転機器の運転初期段階における非定常な部分を低減させて安定した監視が行え,監視結果の精度を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について,発明の効果を検証するために用いた試験装置で説明すると,図1は,本実施の形態にかかる検出方法,並びに検出対象とした,クリーンルームなどに清浄空気を供給するファンフィルタユニット1の構成の概略を示している。
【0012】
このファンフィルタユニット1は,ケーシング2の下面にフィルタ3が装着されており,またケーシング2内には,ファン4を回転駆動させるモータ5が収納されている。モータ5のロータ6の軸受部7,8には,各々ベアリング(図示せず)が設けられており,ロータ6のシャフト9を支持している。
【0013】
本発明を実施するための各種計測器は,次のような構成を有している。まずロータ6のシャフト9の回転を計測するためのパルス発信器11がケーシング2内に設置されており,そのパルス信号は,回転計12に入力され,シャフト9の回転数が計測できる。上側に位置する軸受部7には,加速度センサ13が取り付けられており,この加速度センサ13からの信号(振動加速度信号)は,振動計14に入力される。またモータ5の上方には,パラボラ型集音装置15が設置されており,集音した音は,騒音計16に入力される。
そしてこれら各回転計12,振動計14,騒音計16からの信号(アナログデータ)は,アナログデータレコーダ17に入力されて記録される。
なお本発明を用いて現場の機器を実際に監視する場合には,振動加速度センサを軸受部に取り付け,該センサからの信号を信号の処理装置に入力する構成となる。
【0014】
アナログデータレコーダ17で記録されたデータは,例えばパソコンなどの処理装置21において,データ処理される。この処理装置21では,図2に示した一連の処理がなされるうになっている。
【0015】
まずアナログデータレコーダ17で記録された振動加速度の計測信号(アナログデータ)をデジタル信号に変換して,振動加速度の離散値(デジタルデータ)が求められる。次いでこの離散値に対して図3に示したようなデジタルフィルタ31による処理がなされる。
【0016】
デジタルフィルタ31の処理は,図3に示したように,原信号(振動加速度の離散値のデジタルデータ)に対して,まず離散ウェーブレット変換がなされる。離散ウェーブレット変換は,(1)式に示す平均値がゼロで時間原点を離れると急速に振幅が小さくなる基本関数Ψ(t)(マザーウェーブレットと呼ぶ)の形状を選択し,パラメータa,bを通常は2のべき乗とすることで,正規直交化した(2)式でウェーブレット関数を離散化する。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】
ここで,jをレベルと呼び,1/2jがサンプリング周波数の解像度となる。2jkは時間方向への移動を表す。信号f(t)はΨj,k(t)を用いて(3)式に示したように,級数展開が可能である。また,展開係数は(4)式で与えられ,これを離散ウェーブレット変換とよぶ。
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】
【0022】
ここに,Ψ*jk(t)は離散ウェーブレットの複素共役である。またcj,kは離散ウェーブレット変換によって得られるウェーブレット係数で,信号の時間―周波数分布を示す。また,(3)式は逆変換に相当する。ここで,離散ウェーブレット変換のj+1レベル以上での低解像度の和をAj,jレベルまでの高解像度をDjとすると,逆変換により構成する信号Sは,(5)式となる。
【0023】
【数5】
【0024】
ここでは,解析にDaubechies4次の正規直行ウェーブレットを選定した。
【0025】
そして離散ウェーブレット変換によって得たウェーブレット係数については,所定のしきい値,すなわち監視時の計測値に基づいて定めたしきい値を越えたものについて除去される処理がなされる。このようにしきい値は,監視開始後の計測値を基に算出して取り決めながら判断する。そして前記した除去処理によって周期が非定常に変化する振動加速度の成分が除去されることになる。
すなわち,離散ウェーブレット変換(DWT)で得られたウェーブレット係数が,予め定めたしきい値の範囲を超えた場合は,劣化などの経年的に増加する振動加速度に,非周期的な成分が合成したもの,つまりは,ベアリングの異常を判断するにあたって障害となるノイズと考え,ウェーブレット係数を該しきい値に変換する。
【0026】
なお前記しきい値は,ベアリングの寸法や軸の回転周期により異なる。しきい値の設定方法として,例えば発明者らの知見によれば,例えば前記回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間にサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をX,標準偏差をYとしたとき,しきい値=X±2Yとすることが提案できる。たとえば軸の回転数が1秒間で約10回転の場合,データサンプリング周期を1/20000秒とすると,通常のパソコンで解析できるデータ個数は,約20000点(1秒間)といえる。したがって,この場合,10回転分のデータ,すなわち約1秒間のデータをサンプリングすればよい。
【0027】
その他のしきい値としては,回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間にサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をX,標準偏差をYとしたとき,しきい値=X±3Y,しきい値=3X,しきい値=6Xが提案できる。いずれもサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をXに基づいている。
【0028】
そのようにしてしきい値によって,ノイズを除去した後のウェーブレット係数を,離散ウェーブレット逆変換(iDWT)することで,変換前と同じ物理量である振動加速度に戻した再構成信号,本発明でいうところの補正振動加速度が得られる。
【0029】
再び図2に示したように,このようにして得た再構成信号について高速フーリエ変換(FFT)がなされ,振動加速度のパワースペクトルが得られる。後はこれまでの周波数解析による異常診断手法と同様な処理がなされる。すなわち,周波数解析による監視では,時間波形が正弦波の加重和であるとして高速フーリエ変換により周波数ごとの強度を求めてパワースペクトルを得る。そしてシャフト9の回転周波数の次数倍,および軸受部7,8の寸法をパラメータとした監視周波数での振動加速度から故障の兆候が検出されるのである。
【0030】
本実施の形態においては,軸受部の発生原因に対する監視周波数は,次のように設定されている。
外輪の傷:3.19×Fr=1/2{1−d/D・cosα}・Z
内輪の傷:2.06×Fr=1/2{1+d/D・sinα}・Z
転動体の傷:4.82×Fr=1/2(D/d){1・(d/D)2・sin2α}
ここで,Fr:シャフト9の回転周期[Hz]
D:ピッチ円(転動体と転動体との距離)の直径[25.5mm]
d:転動体の径[5.95mm]
α:転動体の接触角[30deg]
Z:転動体の数[8個]
である。
なおシャフト9軸の回転周期は,フィルタ3の圧力損失などにより試験途中で変化するため,パラメータとしてある。
【0031】
そして前記監視周波数での振動加速度の増加度合いにより,軸受部7のベアリングの異常を診断する処理がされる。かかる診断にあたっては,例えば出願人が先に開示した特公平2−59420号に開示の技術が適用できる。
【0032】
本実施の形態にかかる検出方法を実施するための装置構成等は以上のように構成されており,次に実際に前記ファンフィルタユニット1のモータ5の軸受部7のベアリングについて,前記構成によってその異常の検出を実際に行った実験結果を次に示す。
【0033】
本実験においては,軸受故障が加速的に進行するように予め軸受部7の外面に回転方向と垂直に溝状の傷を付けた。さらに,軸受箱との隙間(保持器にベアリングを納めた場合の軸受部材の外輪の外表面と,保持器の内側との隙間)を通常交差より30μm大きくして,軸受部7に揺動運動を生じさせた。そしてファンフィルタユニット1を連続運転し,1日1回アナログデータレコーダ17を用いて各種センサから電圧出力をVTRテープに自動記録した。データの解析には,記録テープの再生信号をPCに入力し,サンプリング周波数1/20000sec,分解度12bitでA/D変換した離散データを用いた。
【0034】
なおデータの採取時期に関しても付言しておくと,予め10秒間(データ数200000個)の振動加速度の片振幅から求めた試験開始当初(98年8月1日〜15日)の平均値を初期値とした増加倍率(=監視日の値/初期値)を調べた。その結果,98年12月までは,ほぼ1倍であるが,99年1月以降,緩やかな増加傾向を示していることが判明した。そして2月中旬からは,急激に大きくなり,保全を必要とする振動加速度のしきい値レベルの3倍に達した。この結果から,軸受部7の故障の兆候は,99年1月から検出できると判断し,これ以降2ヶ月間のデータに対して周波数解析を行うようにした。
【0035】
すなわち,まずアナログデータレコーダ17によって記録されたデータをサンプリング周波数1/20000sec,分解度12bitでA/D変換して振動加速度の離散データを得る。そしてその後デジタルフィルタ31による処理を行う。そしてこのデジタルフィルタ31での処理によって,監視開始後の計測値から定めたしきい値を越えたものについては,これを除去する。
【0036】
デジタルフィルタ31の逆変換に用いるウェーブレット係数のしきい値については,解析期間でのウェーブレット係数の変動から簡易的に判断したが,解像度ごとに求めたウェーブレット係数の標準偏差で判断したところ,ウェーブレット係数のレベルj=1,j=2で不連続な変動を示していることがわかった。j=1は,故障の兆候を示しているため,j=2の周波数成分がノイズと考えられる。よって,デジタルフィルタ31の逆変換に用いるウェーブレット係数のしきい値については,効果の検証という意味合いから,簡易的ではあるが,j=2をゼロとした。すなわちj=2のウェーブレット係数のしきい値を0とした。
【0037】
後は,そのようにしてノイズ成分を除去した後のものを離散ウェーブレット逆変換を行い本発明でいう補正振動加速度を得る。その後この補正振動加速度を高速フーリエ変換して,振動加速度のパワースペクトルを得た。ついで前記した監視周波数における振動加速度の変化を調べた。高速フーリエ変換の計算上県は,周波数分解能を0.61Hz,窓関数をハニングとして10秒間のデータを加算平均した。
【0038】
その結果を図4〜図6に示す。図4は外輪の傷を監視する監視周波数での振動加速度の変化,図5は転動体の傷を監視する監視周波数での振動加速度の変化,図6は内輪の傷を監視する監視周波数での振動加速度の変化を示している。比較のため,全く同一条件でデジタルフィルタ31による図3の処理を行わなかった場合,すなわち従来の方法による検出方法による振動加速度の変化を図7〜図9に示した。図7は外輪の傷を監視する監視周波数での振動加速度の変化,図8は転動体の傷を監視する監視周波数での振動加速度の変化,図9は内輪の傷を監視する監視周波数での振動加速度の変化を示している。
【0039】
これら各図を比較すればわかるように,本実施の形態による検出方法では従来手法よりも監視結果の日変動が低減しており,そのためより安定した監視が行え,診断の精度が向上している。特に所期の段階(1月1日〜2月8日)での日変動が大幅に低減している。図10に,振動加速度の回帰分析で求めた回帰直線と実データとの残差2乗和について,従来手法と実施の形態の場合によるものの各々を表にして示した。これによれば,本実施の形態のように,デジタルフィルタ31による前処理を行うことで,残差2乗和が従来の約1/2となり,変動の少ない増加傾向を示していることが判る。これは振動加速度のノイズ成分を除去したことで,日変動が小さくなり,再現性のある診断が行えることを示したものといえる。
【0040】
なお前記実験例では,効果の検証という意味合いから,簡易的に,j=2のウェーブレット係数のしきい値を0としたが,もちろん本発明は,この例に限定されるものではなく,監視開始後の計測値のサンプリングデータのウェーブレット係数の平均値や標準偏差などに基づいて定めることができる。
【0041】
なお前記実施の形態では,軸受部7に直接加速度センサ13を取り付けて振動加速度を計測して周波数分析を行ったものであるが,ケーシング2表面から空間に伝播して発生する異音に対しても,振動加速度と同様のデジタルフィルタ31による処理によって非定常成分としてのノイズを除去して処理しても,ベアリングの初期段階での異常検出を精度良く実施することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば,振動加速度を周波数成分を監視して回転機器のベアリングの異常を検出するにあたり,特に初期段階における監視精度を向上させることができ,より信頼性の高い,ベアリングの監視,診断を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を実施するための装置構成及び被検査対象であるファンフィルタユニットの構成の概略を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の処理の流れを示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態で用いたデジタルフィルタでの信号処理を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態によるベアリングの外輪の傷を調べる監視周波数の振動加速度の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態によるベアリングの転動体の傷を調べる監視周波数の振動加速度の変化を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態によるベアリングの内輪の傷を調べる監視周波数の振動加速度の変化を示すグラフである。
【図7】従来手法によるベアリングの外輪の傷を調べる監視周波数の振動加速度の変化を示すグラフである。
【図8】従来手法によるベアリングの転動体の傷を調べる監視周波数の振動加速度の変化を示すグラフである。
【図9】従来手法によるベアリングの内輪の傷を調べる監視周波数の振動加速度の変化を示すグラフである。
【図10】従来手法と本実施の形態とにおける振動加速度の回帰分析で求めた回帰直線と実データとの残差2乗和を示す図表である。
【符号の説明】
1 ファンフィルタユニット
2 ケーシング
5 モータ
7,8 軸受部
9 シャフト
13 加速度センサ
14 振動計
17 アナログデータレコーダ
21 処理装置
31 デジタルフィルタ
Claims (5)
- 回転機器の軸受部からの振動加速度を計測し,高速フーリエ変換によってパワースペクトルを得た後,該パワースペクトルから監視周波数ごとの振動加速度を抽出して,正常時からの増加度合いに基づいて前記軸受部に装着されているベアリングの異常を検出する方法において,
前記高速フーリエ変換の前に,振動加速度を離散ウェーブレット変換してウェーブレット係数を求める工程と,
前記ウェーブレット係数のうち,所定のしきい値を越えるウェーブレット係数の部分を除去する工程と,
前記除去した後のウェーブレット係数の部分を離散ウェーブレット逆変換して補正振動加速度を得る工程とを有し,
前記補正振動加速度を高速フーリエ変換してパワースペクトルを得るようにしたことを特徴とする,ベアリングの異常検出方法。 - 前記しきい値は,前記回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間にサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をX,標準偏差をYとしたとき,
しきい値=X±2Y
であることを特徴とする,請求項1に記載のベアリングの異常検出方法。 - 前記しきい値は,前記回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間にサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をX,標準偏差をYとしたとき,
しきい値=X±3Y
であることを特徴とする,請求項1に記載のベアリングの異常検出方法。 - 前記しきい値は,前記回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間にサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をXとしたとき,
しきい値=3Xであることを特徴とする,請求項1に記載のベアリングの異常検出方法。 - 前記しきい値は,前記回転機器の軸受部の軸が約1秒間に回転する間にサンプリングしたデータのウェーブレット係数の平均値をXとしたとき,
しきい値=6Xであることを特徴とする,請求項1に記載のベアリングの異常検出方法。
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- 1999-09-29 JP JP27649399A patent/JP4283391B2/ja not_active Expired - Lifetime
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