JPH1139288A - 離散ウェーブレット変換を用いた流体ベクトルデータ 圧縮方法 - Google Patents

離散ウェーブレット変換を用いた流体ベクトルデータ 圧縮方法

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JPH1139288A
JPH1139288A JP9196147A JP19614797A JPH1139288A JP H1139288 A JPH1139288 A JP H1139288A JP 9196147 A JP9196147 A JP 9196147A JP 19614797 A JP19614797 A JP 19614797A JP H1139288 A JPH1139288 A JP H1139288A
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兆古 斎藤
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定された流体ベクトルデータを容易に且つ
効率良く圧縮させることができ、且つ、流体ベクトルデ
ータに含まれるノイズデータを効果的に削減させること
のできる、新しい離散ウェーブレット変換を用いた流体
ベクトルデータ圧縮方法を提供する。 【解決手段】 流体ベクトルデータを各方向成分毎に分
け、各方向成分毎のデータをそれぞれ離散ウェーブレッ
ト変換することによりウェーブレットスペクトラムを計
算し、得られた各方向成分毎のウェーブレットスペクト
ラムにおいてマザー・ウェーブレット近傍のスペクトラ
ム以外のスペクトラムをゼロとすることにより、各方向
成分毎の圧縮ウェーブレットスペクトラムを生成し、こ
れらの圧縮ウェーブレットスペクトラムそれぞれに離散
ウェーブレット逆変換を施すことにより、各方向成分毎
の圧縮ベクトルデータを得て、そして、各方向成分毎の
圧縮デベクトルータを足し合わせることにより、前記流
体ベクトルデータを圧縮した圧縮流体ベクトルデータを
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、離散ウェーブレ
ット変換を用いた流体ベクトルデータ圧縮方法に関する
ものである。さらに詳しくは、この発明は、測定された
流体ベクトルデータを効率良く、且つ簡易に圧縮するこ
とができ、さらに、圧縮と同時に、流体ベクトルデータ
に含まれるノイズベクトルデータを効果的に削減するこ
とのできる、新しい離散ウェーブレット変換を用いた流
体ベクトルデータ圧縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、データの圧縮方法
として、離散ウェーブレット変換を用いた方法が知られ
ている。この離散ウェーブレット変換を用いた方法は、
データを離散ウェーブレット変換することにより、その
データの持つ情報をマザー・ウェーブレット近傍に集中
させて、集中された情報のみを用いることにより、元の
データを圧縮するものである。
【0003】しかしながら、従来では、このような離散
ウェーブレット変換の対象となるデータはスカラーデー
タのみであり、ベクトルデータを離散ウェーブレット変
換により圧縮することは行われていなかった。これは、
ベクトルデータが空間座標上の一点で多成分からなるデ
ータであるために、そのままではウェーブレット変換を
施しても、マザー・ウェーブレット近傍に情報を集める
ことができないためである。
【0004】ベクトルデータとしては、たとえば、コイ
ルにより発生される渦電流や、気圧、雲、気温、風など
の気象データや、潮流などの海洋データなどの流体を表
すデータがある。このような流体ベクトルデータは、各
測定位置における物理量の大きさだけでなく、その方向
をも含んでいるため、膨大な情報量を有し、その計算、
転送、保存などのために多大な時間および資源が必要で
あるといった問題があった。
【0005】たとえば、励磁コイルにより発生される渦
電流は、金属加工や食品調理など幅広い分野で利用され
ている誘導加熱において非常に重要な物理量であり、こ
の渦電流を効果的に発生させて利用するためには、励磁
コイルの形状を、発生される渦電流の分布を把握して設
計等する必要がある。渦電流の分布を把握するために
は、渦電流分布領域における複数箇所においてその大き
さおよび方向を測定する必要があり、膨大な情報量のベ
クトルデータとなってしまう。このため、コンピュータ
等による計算量や必要メモリー量が多大なものとなり、
渦電流の分布を簡易に把握することは困難であった。
【0006】気象ベクトルデータや海洋ベクトルデータ
も、風や潮流などの物理量の全体の分布を正確に知るた
めには、多数の測定箇所においてその大きさおよび方向
データを測定しなければならず、膨大なデータ量とな
る。一方、このようなベクトルデータには、しばしば、
流体の分布を把握するには不必要なデータ、つまりノイ
ズベクトルデータが含まれている。このため、流体分布
の把握に必要なデータは残しておき、ノイズベクトルデ
ータだけを削除して、高精度な流体分布の解析の実現が
望まれている。
【0007】たとえば、粉粒体を圧縮空気で輸送する管
路輸送は、従来より様々な産業分野において活用されて
いる。この管路輸送において用いられる輸送用管路の中
は、粉粒体と圧縮空気流体との二つの流体が存在する固
気二相流状態になっており、粉流体壁面非接触輸送や低
圧損輸送などのような、より効率の良い粉流体の輸送を
実現させるためには、管路内の固気二相流状態における
粉粒体の速度分布と気流の速度分布との関係を明らかに
することが非常に重要である。
【0008】しかしながら、このような固気二相流状
態、特に混合比が高く多数の粉流体が輸送される固気二
相流状態においては、完全な球形ではない粉粒体が存在
すると、この非完全球形粉粒体の後方に非定常非対称の
ウェークが発生し、さらにそのウェークが互いに干渉し
合って、粉粒体近傍の圧力分布が非定常非対称に変化す
るために、混相流内の粉粒体の挙動が非常に複雑なもの
となり、よって、速度分布の解析を行うことが困難であ
った。
【0009】また、粉粒体の速度分布を表す速度ベクト
ルデータも非常に膨大なデータ量であり、このために、
コンピュータ等によりデータ処理を行い速度分布の解析
を行うのに必要な時間や費用が多大なものとなってい
た。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたも
のであり、測定された流体ベクトルデータを容易に且つ
効率良く圧縮させることができ、且つ、流体ベクトルデ
ータに含まれるノイズベクトルデータを効果的に削減さ
せることのできる、新しい離散ウェーブレット変換を用
いた流体ベクトルデータ圧縮方法を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、測定された流体のベクトルデー
タを離散ウェーブレット変換を用いて圧縮する方法であ
って、流体ベクトルデータを各方向成分毎に分け、各方
向成分毎のデータをそれぞれ離散ウェーブレット変換す
ることによりウェーブレットスペクトラムを計算し、得
られた各方向成分毎のウェーブレットスペクトラムにお
いてマザー・ウェーブレット近傍のスペクトラム以外の
スペクトラムをゼロとすることにより、各方向成分毎の
圧縮ウェーブレットスペクトラムを生成し、これらの圧
縮ウェーブレットスペクトラムそれぞれに離散ウェーブ
レット逆変換を施すことにより、各方向成分毎の圧縮ベ
クトルデータを得て、そして、各方向成分毎の圧縮ベク
トルデータを足し合わせることにより、前記流体ベクト
ルデータを圧縮した圧縮流体ベクトルデータを得ること
を特徴とする離散ウェーブレット変換を用いた流体ベク
トルデータ圧縮方法(請求項1)を提供する。
【0011】また、この発明は、上記の流体ベクトルデ
ータ圧縮方法において、流体ベクトルデータのデータ数
が2のべき乗数でない場合において、流体ベクトルデー
タを各方向成分毎に分ける前に、流体ベクトルデータに
ゼロ要素を加えることにより、そのデータ数を2のべき
乗数にし、また、各方向成分毎の圧縮ベクトルデータを
足し合わせることにより得られる圧縮流体ベクトルデー
タから、加えた前記ゼロ要素と同じ個数の要素を取り除
くことにより、ゼロ要素を加える前の流体ベクトルデー
タのデータ数と同じデータ数の圧縮流体ベクトルデータ
とすること(請求項2)をその態様としている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の離散ウエーブ
レット変換を用いた流体ベクトルデータ圧縮方法におけ
る各圧縮過程を例示したものである。この図1に例示し
たように、この発明の流体ベクトルデータ圧縮方法で
は、まず、測定された流体ベクトルデータを方向成分毎
に分ける。ベクトルデータは大きさだけでなく方向成分
を持っているので、その方向成分毎にベクトルデータを
分ける。たとえば、ベクトルデータの方向が東西南北方
向として表されている場合には、各東西南北方向成分毎
に分け、また、ベクトルデータの方向がxy座標系で表
されている場合では、たとえばx方向成分、y方向成分
に分けるようにする。
【0013】このようにして分けられた各方向成分のデ
ータそれぞれに離散ウェーブレット変換を施し、各方向
成分のウェーブレットスペクトラムを得る。離散ウェー
ブレット変換は、変換対象のデータの持つ情報をマザー
・ウェーブレットの近傍に集中させるという特性を有し
ている。このため、離散ウェーブレット変換を施された
各方向成分データの大部分の情報は、それぞれのウェー
ブレットスペクトラムにおけるマザー・ウェーブレット
近傍に集められる。
【0014】よって、各方向成分のウェーブレットスペ
クトラムを、マザー・ウェーブレット近傍のスペクトラ
ムのみをそのまま残し、その部分以外のスペクトラムを
ゼロとすることにより圧縮し、圧縮ウェーブレットスペ
クトラムを生成する。次いで、生成された各方向成分の
圧縮ウェーブレットスペクトラムに離散ウェーブレット
逆変換を施すことにより、各方向成分の圧縮ベクトルデ
ータを算出する。
【0015】そして、各方向成分毎の圧縮ベクトルデー
タを足し合わせることにより、元の流体ベクトルデータ
を圧縮した圧縮流体ベクトルデータを得る。このように
して、この発明の離散ウェーブレット変換を用いた流体
ベクトルデータの圧縮方法により、測定された流体ベク
トルデータを高精度で表すことのできる、測定データ量
よりも少ないデータ量によりなる圧縮流体ベクトルデー
タを簡易に得ることができ、よって、計算量や必要メモ
リー量を減少させ、流体ベクトルデータを、より少ない
時間や資源で、容易に扱うことができるようになる。
【0016】ところで、離散ウェーブレット変換を施す
ことにより得られるウェーブレットスペクトラムにおい
て、マザー・ウェーブレット近傍以外のスペクトラム
は、ベクトルデータの高周波成分を多く含んでいる。こ
の高周波成分は、ベクトルデータにおけるノイズベクト
ルデータを表している。したがって、上述のようにマザ
ー・ウェーブレット近傍以外のスペクトラムをゼロとす
ることは、このような高周波成分の値をゼロとするこ
と、つまり、高周波成分を削減することと同じ効果を有
しいる。
【0017】よって、この発明により、流体ベクトルデ
ータを圧縮させると同時に、ベクトルデータにおけるノ
イズベクトルデータを、ノイズベクトルデータ以外の流
体分布を把握するために必要なデータは残したままで、
効果的に且つ簡易に減少させることができ、流体分布を
より正確に把握することができるようになる。以下、実
施例を示し、さらに詳しくこの発明の実施の形態につい
て説明する。
【0018】
【実施例】
(実施例1)粉流体を圧縮空気で輸送する管路輸送にお
ける圧縮空気の速度分布を粉粒体の速度分布から解析す
る際において、この発明の離散ウェーブレット変換を用
いた流体ベクトルデータ圧縮方法により、粉粒体の速度
分布を表す速度ベクトルデータを圧縮し、且つ、粉粒体
の速度ベクトルデータに含まれるノイズベクトルデータ
を削減させる。
【0019】図2は、粉粒体が圧縮空気により輸送され
ている輸送管を例示した概念図である。この図2に例示
した矩形の輸送管内において点線で示した2次元平面A
の領域における単相気流の速度分布を解析する。固気二
相流状態において、粉粒体が混入されていない場合の単
層気流の速度ベクトルデータをva 、粉粒体が存在する
ことによる付加的な気流の速度変動ベクトルデータ、つ
まり非完全球形の粉粒体によって発生されるウェークの
影響を受けて変動される気流の速度変動ベクトルデータ
をvapとすると、実際の気流の速度ベクトルデータVa
は、単層気流の速度ベクトルデータva と付加的な気流
の速度変動ベクトルデータvapとを足し合わせることに
より求められる。つまり、
【0020】
【数1】Va =va +vap となる。但し、単層気流の速度ベクトルデータva は、
その時間平均的な速度変動が0であり、また、付加的な
気流の速度変動ベクトルデータvapはランダムなノイズ
成分であると見做す。
【0021】このように求められる付加的変動ベクトル
を含んだ気流の速度ベクトルデータVa が、輸送管内を
流れる粉粒体の速度ベクトルデータVp に影響を与え
る。よって、実際の粉粒体の速度ベクトルデータV
p は、気流の速度ベクトデータVaの流体力から求まる
ので、次式、
【0022】
【数2】Vp =K・Va で表されるとする。但し、Kは定数である。数1および
数2から明らかなように、粉粒体の速度ベクトルデータ
P は、付加的な気流の速度ベクトルデータvapの影響
を受けていることがわかる。非完全球形の粉粒体が存在
しない場合では、通常、付加的な気流の速度ベクトルv
apが0となるため、粉粒体の速度ベクトルデータV
p は、単層気流の速度ベクトルv apのみに比例したもの
となる。
【0023】したがって、このような粉粒体の速度ベク
トルデータVp から、付加的な気流の速度ベクトルデー
タvapの影響を受けて発生されているノイズベクトルデ
ータを除去することにより、単層気流の速度ベクトルデ
ータvapのみに比例した粉粒体の速度ベクトルデータを
求め、これにより単相気流の速度ベクトルデータを推定
するこができる。
【0024】ここでは、数2における定数Kを1と仮定
する。図3は、2次元平面A領域におけるノイズベクト
ルデータを含んだ粉粒体の速度ベクトルデータを例示し
たものであり、速度ベクトルデータは16×16個のデ
ータにより構成されている。まず、この図3に例示した
16×16個の粉粒体の速度ベクトルデータを、x方向
成分とy方向成分とに分ける。
【0025】x方向成分とy方向成分それぞれに、離散
ウェーブレット変換を施し、各ウェーブレットスペクト
ラムを求める。x方向成分のウェーブレットスペクトラ
ムには、前述のように、そのマザー・ウェーブレット近
傍に、粉粒体のx方向成分の速度ベクトルデータの情報
が集められており、それ以外の部分には、x方向成分の
速度ベクトルデータに含まれるノイズベクトルデータを
表す高周波成分が存在している。
【0026】また、同様に、y方向成分のウェーブレッ
トスペクトラムにおいても、マザー・ウェーブレット近
傍以外のスペクトラムは、y方向成分の速度ベクトルデ
ータに含まれるノイズベクトルデータを含んでいる。よ
って、これらx方向成分およびy方向成分それぞれのウ
ェーブレットスペクトラムにおいて、マザー・ウェーブ
レット近傍である1行1列目から8行8列目までのスペ
クトラムをそのまま残し、それ以外のスペクトラムをゼ
ロとする。
【0027】このようにして得られたx方向成分および
y方向成分の圧縮ウェーブレットスペクトラムそれぞれ
に離散ウェーブレット逆変換を施し、各方向成分の圧縮
速度ベクトルデータを算出する。そして、x方向成分の
圧縮速度ベクトルデータおよびy方向成分の圧縮速度ベ
クトルデータとを足し合わせる、具体的には互いの同じ
行列数目のベクトルデータを各々足し合わせることによ
り、粉粒体の圧縮速度ベクトルデータを得る。
【0028】この粉粒体の圧縮速度ベクトルデータは、
上記ステップにおけるマザー・ウェーブレット近傍以外
の高周波成分を含んだスペクトラム領域を0としたこと
により、データ量が削減され、且つ、ノイズベクトルデ
ータも削減されている。図4は、このようにして得られ
た粉粒体の圧縮速度ベクトルデータを例示したものであ
る。
【0029】この図4と図3とを比較すると、図3に示
した粉粒体の速度ベクトルデータからノイズベクトルデ
ータが削減されていることがわかる。上述のように数2
における定数Kを1としているので、この図4に示した
粉粒体の圧縮速度ベクトルデータが、単相気流の速度ベ
クトルデータの推定データを表すことになる。
【0030】図5は、予め求めておいた、粉粒体が混入
されていない時の単相気流の速度ベクトルデータを例示
したものである。この図5の単相気流の速度ベクトルデ
ータは、中心付近の旋回速度が1.0m/sである旋回
流なっている。この図5と図4とを比較すると、図4の
この発明による粉粒体の圧縮速度ベクトルデータ、すな
わち単相気流の推定速度ベクトルデータは、図5の実際
の単相気流の速度ベクトルデータに非常に近いものとな
っていることがわかる。
【0031】したがって、この発明の離散ウェーブレッ
ト変換を用いた流体ベクトルデータデータの圧縮方法に
より、粉粒体の速度ベクトルデータデータを圧縮させ、
且つノイズベクトルデータも削減させることができるた
め、より容易に且つ正確に単相気流の速度ベクトルデー
タを推定し、よって、単相気流の速度分布を高精度で解
析することができる。
【0032】もちろん、上述のような固気二相粒状態に
おける粉粒体や気流の速度ベクトルデータだけではな
く、気象ベクトルデータや海洋ベクトルデータなどの流
体ベクトルデータに対しても、同様にして、データ量の
圧縮、およびノイズベクトルデータの効果的な削減を実
現させてることができ、流体分布の解析を精度良く、且
つ簡易に行うことができるようになる。
【0033】ところで、この発明の流体ベクトルデータ
圧縮方法において用いられる離散ウェーブレット変換
は、変換の対象となるデータの個数が2のべき乗数でな
ければ行うことができない。この発明の方法では、上述
のように、離散ウェーブレット変換を流体ベクトルデー
タの各方向成分毎のデータに施す。従って、この各方向
成分毎のデータが2のべき乗数である必要がある。
【0034】上述の実施例1においては、粉粒体の速度
ベクトルデータのデータ数は、16×16=256で、
2のべき乗数であるため、そのまま離散ウェーブレット
変換を施すことができる。しかしながら、実際には、測
定された流体ベクトルデータが2のべき乗数ではくあい
場合がある。
【0035】そこで、このように離散ウェーブレット変
換の変換対象である流体ベクトルデータのデータ数が2
のべき乗数でない場合においても、したがって、この発
明では、離散ウェーブレット変換の対象データである流
体ベクトルデータのデータ数が2のべき乗数ではない場
合において、以下のようなステップを上述した各処理ス
テップに組み込むようにする。
【0036】まず、測定された2のべき乗数ではないデ
ータ数の流体ベクトルデータに、それを各方向成分毎に
分ける前に、ゼロ要素を加えることにより、その流体ベ
クトルデータのデータ数を2のべき乗数にする。ゼロ要
素は、2のべき乗数とするのに必要な個数を、流体ベク
トルデータの端部に加えるようにする。具体的には、た
とえば流宅ベクトルデータが15×15、つまり15行
15列(=225個)の行列をなしている場合では、1
5行15列以上であって、且つそれに一番近い2のべき
乗数である16行16列(=256個)の行列とするた
めに、たとえば全要素がゼロである15行1列のゼロ行
列を加え、次いで1行16列のゼロ行列を加えるように
してもよい。この他にもいろいろとゼロ要素の加え方は
あるが、流体ベクトルデータの各要素はそのままで、そ
ん端部に必要な数のゼロ要素が加えられて、2のべき乗
数となればよい。
【0037】そして、このようにしてゼロ要素が加えら
れて2のべき乗数となった流体ベクトルデータに対し
て、上述のような各処理を施していく。さらに、離散ウ
ェーブレット逆変換が施されて得られた各方向成分毎の
圧縮ベクトルデータを足し合わせることにより得られる
圧縮流体ベクトルデータのデータ数は2のべき乗数のま
まであるので、この圧縮流体ベクトルデータの端部か
ら、先に加えたゼロ要素個数分の要素を削除して、圧縮
流体ベクトルデータのデータ数を、ゼロ要素を加える前
の元の流体ベクトルデータのデータ数と同じにする。
【0038】たとえば、上述のように15行15列行列
をなす流体ベクトルデータがゼロ要素を加えられて16
行16列にされた場合では、得られる圧縮流体ベクトル
データは16行16列であるので、その端部から、先に
加えたゼロ要素の個数と同じ個数である15行1列分の
行列および1行16列分の行列を取り除くことにより、
元の15行15列の流体ベクトルデータと同じ個数の1
5行15列圧縮流体ベクトルデータを得ることができ
る。
【0039】このように、この発明の離散ウェーブレッ
ト変換を用いた流体ベクトルデータ圧縮方法により、流
体ベクトルデータが2のべき乗数ではない場合において
も、ノイズベクトルデータが削減された圧縮流体ベクト
ルデータを、簡易に得ることができる。この発明は以上
の例に限定されるものではなく、細部については様々な
態様が可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の離
散ウェーブレット変換を用いた流体ベクトルデータ圧縮
方法によって、測定された流体ベクトルデータのデータ
量を非常に優れた圧縮率で圧縮するともに、その測定流
体ベクトルデータを高精度で再現することができ、且
つ、測定流体ベクトルデータに含まれているノイズベク
トルデータを効果的且つ簡易に削減させることができる
ため、流体分布の把握をより正確に、且つ少ないデータ
量で簡易に行えるようなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の離散ウェーブレット変換を用いた流
体ベクトルデータ圧縮方法における各圧縮過程を例示し
た図である。
【図2】管路輸送において用いられる輸送管の一例を示
した概念図である。
【図3】図2の輸送管内における粉粒体の速度ベクトル
データを例示した図である。
【図4】この発明の離散ウェーブレット変換を用いた流
体ベクトルデータ圧縮方法により得られた粉粒体の圧縮
速度ベクトルデータを例示した図である。
【図5】実際の単相気流の速度ベクトルデータを例示し
た図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定された流体のベクトルデータを離散
    ウェーブレット変換を用いて圧縮する方法であって、 流体ベクトルデータを各方向成分毎に分け、 各方向成分毎のデータをそれぞれ離散ウェーブレット変
    換することによりウェーブレットスペクトラムを計算
    し、 得られた各方向成分毎のウェーブレットスペクトラムに
    おいてマザー・ウェーブレット近傍のスペクトラム以外
    のスペクトラムをゼロとすることにより、各方向成分毎
    の圧縮ウェーブレットスペクトラムを生成し、 これらの圧縮ウェーブレットスペクトラムそれぞれに離
    散ウェーブレット逆変換を施すことにより、各方向成分
    毎の圧縮ベクトルデータを得て、 そして、各方向成分毎の圧縮ベクトルデータを足し合わ
    せることにより、前記流体ベクトルデータを圧縮した圧
    縮流体ベクトルデータを得ることを特徴とする離散ウェ
    ーブレット変換を用いた流体ベクトルデータ圧縮方法。
  2. 【請求項2】 流体ベクトルデータのデータ数が2のべ
    き乗数でない場合において、流体ベクトルデータを各方
    向成分毎に分ける前に、流体ベクトルデータにゼロ要素
    を加えることにより、そのデータ数を2のべき乗数に
    し、また、各方向成分毎の圧縮ベクトルデータを足し合
    わせることにより得られる圧縮流体ベクトルデータか
    ら、加えた前記ゼロ要素と同じ個数の要素を取り除くこ
    とにより、ゼロ要素を加える前の流体ベクトルデータの
    データ数と同じデータ数の圧縮流体ベクトルデータとす
    ることを特徴とする請求項1の流体ベクトルデータ圧縮
    方法。
JP9196147A 1997-07-22 1997-07-22 離散ウェーブレット変換を用いた流体ベクトルデータ 圧縮方法 Pending JPH1139288A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001099757A (ja) * 1999-09-29 2001-04-13 Takasago Thermal Eng Co Ltd ベアリングの異常検出方法
CN105675251A (zh) * 2016-03-24 2016-06-15 江苏理工学院 流场二维空间多尺度测量系统及其测量方法
CN105841921A (zh) * 2016-03-24 2016-08-10 江苏理工学院 一种湍流流场多尺度的测量系统及其测量方法
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