JP4103884B2 - 異音検査方法及び異音検査装置 - Google Patents

異音検査方法及び異音検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、検査対象から生じる被検査音に含まれる異音を検出して検査対象を検査する異音検査方法及び異音検査装置に関し、特に、検査対象の摺動部から生じる摩擦音に含まれる異音を検出して検査対象を検査する異音検査方法及び異音検査装置に関する。
検査対象が発生する音を採取して、採取された音に含まれる異音を検出して検査対象の異常状態を検査する異音検査は、様々な分野で広く行われている。
例えば、カーエアコンのそれぞれの空気吹出口において、吹出口が開状態なる位置と閉状態となる位置の間で開口部に沿って摺動し、空調空気を吹き出す吹出口を選択するフィルムシャッタのような摺動部を有する製品では、傷や付着物等によって、部品同士が摺動する際に異音を生じる。したがって、このような摺動部を有する製品については、摺動部が生じる異音を検出して部品の良否を判定する摩擦異音検査が行われている。
摩擦異音検査方法では、検査対象が発生した異音である摩擦音(被検査音)を検出する。この異音は連続する摩擦音であり、その音圧と継続時間との積(即ち音圧値の時間積分値)を求めることにより、検出または異常の有無についての評価を行うことが可能である。
しかし、このような異音検査が行われる工場内には、検査対象の周囲で動作する電動ドライバーの動作音やエアブロー音、または工場内放送などの外乱ノイズ(例えば工場内で発生する)が存在し、異音検出または評価に影響を生じていた。また、打撃音のような瞬間的な大きな音圧を有する雑音は、たとえ継続時間が短くてもその音圧との積は大きくなり、異音検出または評価に影響を生じていた。したがって、従来の摩擦異音検査は、外部から到来する外乱ノイズを遮断するために一般に防音ボックス内で行われていた。
なお、本発明に関して記載すべき先行技術文献はない。出願人が知っている先行技術が文献公知発明に係るものではないからである。
しかし、従来の防音ボックスを使用するには大きな設置スペースを必要とするため、例えば工場の製造ラインに構築するのは経済的ではない。
また、外乱ノイズの影響により不良品の誤検知が頻発すると、生産ラインの歩留まりが低下し、生産効率の低下とコストの増大を招くことになる。したがって、被検査音に含まれる摩擦音成分の有無を検出して検査結果を検証する必要がある。
さらに、被検査音信号に含まれる雑音成分を平滑化する手段として、移動平均フィルタやメディアンフィルタがあるが、被検査音である摩擦音に比べて非常に大きな雑音成分が入力された場合、これらフィルタでは雑音成分を十分に除去することができずSN比が悪い。また、雑音成分を十分に除去するためにサンプル数を増加させると、演算量の増加に伴い演算時間が増加するなど不利を生じ、また雑音成分以外の音成分に対しても悪影響を及ぼす。
上記目的を鑑みて、異音検査に使用した被検査音を分析して、異音検査の検査結果を検証することが可能な、異音検査方法及び異音検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は被検査音である音信号に含まれる、音圧レベルが大きくかつ持続時間が短い外界ノイズを、少ない処理量で低減することにより、ノイズの少ない被検査音を使用して異音検査を行うことが可能な異音検査方法及び異音検査装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は外乱ノイズを除去することにより良好なSN比の被検査音を使用する異音検査方法及び異音検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、異音検査において不良と判定されたとき、異音検査に使用された被検査音信号を時間周波数信号に変換して、この時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出し、この抽出された特徴量と既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量とを比較し、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれているか否かを判定して、前記行なわれた異音検査の正当性を検証することとする。
すなわち、本発明の第1形態に係る異音検査方法は、検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力ステップと、この音信号に基づき検査対象の異音検査を行う異音検査ステップと、異音検査ステップにおいて不良と判定されたとき、異音検査ステップによる検査の正当性を検証する正当性検証ステップとを有し、さらに、この正当性検証ステップは、音信号を、時間周波数領域におけるこの音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換ステップと、時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、音信号について抽出された特徴量と既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量とを比較し、音信号に既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量判定ステップと、を有し、特徴量判定ステップにて既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、異音検査ステップによる検査の正当性を否定する。
さらに、本発明の第2形態に係る異音検査装置は、検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力手段と、音信号入力手段にて入力される音信号を記憶する音信号記憶手段と、音信号に基づき検査対象の異音検査を行う異音検査手段と、異音検査手段において不良と判定されたとき、異音検査手段による検査の正当性を検証する正当性検証手段とを備え、さらに正当性検証手段は、記憶手段に記憶される音信号を、時間周波数領域における音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換手段と、時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、既知の雑音成分について予め定められる基準特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、音信号について抽出された特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた特徴量と、を比較し、音信号に既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量手段と、を有し、特徴量判定手段にて既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、異音検査手段による検査の正当性を否定する。
さらに、音圧レベルが大きくかつ持続時間が短い外界ノイズを少ない処理量で低減するために、本発明では、入力される被検査音の音信号のうち、所定の音圧レベル以上の音信号であり、かつその存続時間が所定時間以下である音信号部分の信号値を低減する。
すなわち、本発明の第1形態に係る異音検査方法においては、前記異音検査ステップは、前記の音信号入力ステップにて入力される音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出ステップと、検出された信号区間の信号値を減衰する音信号低減ステップとを有し、音信号低減ステップにより信号値が減衰された前記音信号に基づき異音検査を行うこととしてよい。
または、異音検査ステップは、前記の音信号入力ステップにて入力される音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出ステップと、入力される音信号のうち、検出された信号区間以外の信号区間の信号値を減衰する音信号低減ステップとを有し、音信号低減ステップにより信号値が減衰された音信号に基づき、異音検査を行うこととしてよい。
このような信号低減処理は、音信号入力ステップにて入力される音信号そのものに対して施してもよく、または音信号入力ステップにて入力される音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割しておき、これら分割された各周波数帯域信号のそれぞれに対して施してもよい。
また、本発明の第2形態に係る異音検査装置においては、前記の異音検査手段は、音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出手段と、検出された前記信号区間の信号値を減衰する音信号低減手段と、を備え、音信号低減手段により信号値が減衰された音信号に基づき、異音検査を行うこととしてよい。
または、前記異音検査手段は、音信号のうちその信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出手段と、音信号のうち、検出された信号区間以外の信号区間の信号値を減衰する音信号低減手段と、を備え、音信号低減手段により信号値が減衰された音信号に基づき、異音検査を行うこととしてよい。
このような信号低減処理は、音信号入力手段にて入力される音信号そのものに対して施してもよく、またはこの音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割しておき、これら分割された各周波数帯域信号のそれぞれに対して施してもよく、異音検査手段は、そのための信号分割手段を備えることとしてよい。
さらに、本発明では外乱ノイズを除去することにより良好なSN比の被検査音を実現するために、同じ被検査音を複数回採取してこれらを比較して同じタイミングで発生する音信号のみを抽出し、これを真正信号として使用する。これは、時間を隔てて複数回採取した被検査音内に、同一タイミングで同じ外乱ノイズが到来する確率は低いという経験則に基づき、複数回採取した被検査音の各音信号を「重ね合わせ」ることにより、その重複部分を真正信号として抽出し重複しない部分を外乱ノイズとして除去することを企図するものである。さらに本発明では、これら複数回採取した被検査音を複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割し、各音信号について同じ周波数帯域の周波数帯域信号同士を比較する。これにより、時間を隔てて複数回採取した各被検査音内に、異なる周波数帯域特性の雑音が同一タイミングで到来した場合においても雑音成分として識別可能とする。
すなわち、本発明の第1形態に係る異音検査方法においては、前記の音信号入力ステップは、同じ被検査音を複数回採取した各音信号のそれぞれを入力し、前記の異音検査ステップは、音信号入力ステップにて入力される各音信号のそれぞれを複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップと、複数回採取された各音信号について、同じ周波数帯域の周波数帯域信号同士を比較し、全ての音信号について周波数帯域信号が存在する信号区間を各周波数帯域ごとに検出する信号区間検出ステップと、複数回採取された音信号のいずれかに係る検出した信号区間に存在する周波数帯域信号を抽出する周波数帯域信号抽出ステップとを有し、周波数帯域信号抽出ステップにより抽出された前記周波数帯域信号に基づき異音検査を行うこととしてよい。
また、本発明の第2形態に係る異音検査装置においては、さらに検査対象から被検査音を発生させる被検査音発生手段と、被検査音発生手段による被検査音の発生と同期して前記被検査音を採取する音信号取得手段と、を備え、音信号入力手段は、同じ被検査音を複数回採取した各音信号のそれぞれを入力し、記憶手段は、前記各音信号をそれぞれ記憶し、異音検査手段は、記憶された各音信号のそれぞれを、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割手段と、複数回採取された各音信号について、同じ周波数帯域の周波数帯域信号同士を比較し、全ての音信号について周波数帯域信号が存在する信号区間を各周波数帯域ごとに検出する信号区間検出手段と、複数回採取された音信号のいずれかに係る、検出した信号区間に存在する周波数帯域信号を抽出する周波数帯域信号抽出手段とを備え、周波数帯域信号抽出手段により抽出された前記周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うこととしてよい。
また、異音検査に使用したその雑音成分を低減した音信号やその周波数帯域信号そのものを使用して、異音検査の正当性を検証することとすることとしてもよい。上記のごとく異音検査の際に周波数帯域信号を使用する場合には、雑音成分が低減された前記各周波数帯域信号を合成して復元された音信号を異音検査の検証に使用してよい。
すなわち、本発明の第1形態に係る異音検査方法においては、検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力ステップと、入力される音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップと、各周波数帯域信号の雑音成分を低減する雑音成分低減ステップと、雑音成分低減ステップにより雑音成分を低減された各周波数帯域信号に基づき検査対象の異音検査を行う異音検査ステップと、異音検査ステップにおいて不良と判定されたとき、異音検査ステップによる検査の正当性を検証する正当性検証ステップとを有し、さらにこの正当性検証ステップは、雑音成分低減ステップにより雑音成分を低減された各周波数帯域信号を合成して音信号を復元する音信号復元ステップと、復元された音信号を、時間周波数領域における音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換ステップと、時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、復元された音信号について抽出された特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、復元された音信号に既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量判定ステップと、を有し、特徴量判定ステップにて既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、異音検査ステップによる検査の正当性を否定することとしてよい。
また、本発明の第2形態に係る異音検査装置においては、検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力手段と、入力される音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割手段と、各周波数帯域信号の雑音成分を低減する雑音成分低減手段と、雑音成分低減手段により雑音成分を低減された各周波数帯域信号に基づき前記検査対象の異音検査を行う異音検査手段と、異音検査手段において不良と判定されたとき、異音検査手段による検査の正当性を検証する正当性検証手段とを備え、さらに正当性検証手段は、雑音成分低減手段により雑音成分を低減された各周波数帯域信号を合成して音信号を復元する音信号復元手段と、復元された音信号を、時間周波数領域における音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換手段と、時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、既知の雑音成分について予め定められる基準特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、復元された音信号について抽出された特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、復元された音信号に既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量判定手段と、を備え、特徴量判定手段にて既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、異音検査手段による検査の正当性を否定することとしてよい。
異音検査の正当性に際して抽出される特徴量は、上記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域についての特徴量として抽出する。例えば、特徴量は、このように画定された領域の周波数帯域、周波数帯域幅、時間幅、及び/又は面積としてよい。また、抽出される特徴量は、例えば、画定された領域内の各点を変量とする回帰直線の傾き方向としてよく、さらにまた例えば、抽出される特徴量は、画定された領域の真円度としてもよい。
上記特徴量は、上記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域における上記時間周波数信号強度の積分値として抽出することとしてもよい。
既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量は、雑音成分が持ちうる特徴量の範囲として定められることとしてよい。このとき被検査音にかかる音信号について抽出された特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量との比較は、この音信号について抽出された特徴量が、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量の範囲にあるとき、音信号に既知の雑音成分が含まれていると判定することによって実行される。
本発明において、異音検査に使用した被検査音を分析して検査結果を検証することにより、外乱ノイズの影響による不良品の誤検知を防止し、生産ラインの歩留まり低下、生産効率低下及びコストの増大を防止することが可能となる。
また、入力される被検査音の音信号のうち、所定の音圧レベル以上の音信号であり、かつその存続時間が所定時間以下である音信号部分の信号値を低減することにより、飛躍的に少ない処理量で被検査音信号に含まれる雑音信号を低減することが可能となる。また、このように雑音が低減された被検査音を使用することにより、摩擦異音検査の検査結果の精度向上を図ることが可能となる。
さらに、同じ被検査音を複数回採取してこれらを比較して同じタイミングで発生する音信号のみを抽出しこれを真正信号として使用することにより、被検査音に含まれる外乱ノイズを除去して良好なSN比で真正音信号を抽出することが可能となる。また、このように雑音が除去された被検査音を異音検査に使用することにより、その検査結果の精度向上を図ることが可能となる。
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本実施例に係る異音検査装置の全体構成図である。以下の説明では、検査対象物の摺動部分を摺動させ、その際に検査対象が発生する摩擦音を採取して、採取された音に含まれる異音を検出して検査対象の異常状態を検査する異音検査装置を例示するが、本発明はこれに限定されることなく、種々の異音検査装置に適用可能である。
異音検査装置1は、検査対象物4の摺動部分を摺動させ、検査対象物4から被検査音である摩擦音を発生させる摺動部3と、摺動部3が検査対象物4の摺動部分を摺動させる時に生成するタイミング信号に同期して、摩擦音を採取しそのアナログ音信号を生成するマイク部2と、マイク部2により生成されたアナログ音信号を、所定の定格の入力信号に増幅する増幅器11と、増幅器11により増幅されたアナログ音信号を所定のサンプリング周期Δtでサンプリングして、ディジタル音信号に変換するアナログディジタル変換器12を備える。
なお、アナログディジタル変換器12は、例えば入力アナログ音信号の各サンプリング周期Δi内の各時刻ti(iは自然数)における信号値をサンプリングして、これを量子化したディジタル信号値の列をディジタル音信号として出力するものであるとしてよい。
さらに異音検査装置1は、アナログディジタル変換器12により変換された音信号のうちノイズ成分を低減し又は除去した音信号を抽出する、ディジタルフィルタ13を備える。なお、ディジタルフィルタ13は、ノイズ成分を低減し又は除去した音信号そのものを抽出して出力するように構成することとしてもよいが、後述するように音信号を複数の周波数帯域信号に分割した各周波数帯域信号を出力するように構成してもよい。
また、異音検査装置1は、ディジタルフィルタ13により抽出された音信号又はその周波数帯域信号に基づいて、例えばその摩擦音の音圧レベルと存続時間の積(時間積分値)が大きいとき、異音(即ち対象物が不良である)と判断する判定器14と、判定器14の判定結果を表示する表示器15と、判定器14の判定により異音を検出したときにオペレータに警報を行う警報器16などを備える。さらにまた、異音検査装置1は、判定器14が異音と判定したとき判定器14による検査の正当性を検証する検査結果検証器17を備える。
図2(A)は、図1のディジタルフィルタ13の構成図である。ディジタルフィルタ13は、前段のアナログディジタル変換器12により変換された音信号を入力する入力端と処理済みの音信号を後段の判定器14に出力する出力端とを有する演算器21を備える。演算器21は例えばディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などで構成される。
演算器21のデータバス22にはフィルタパラメータ記憶部23と、原音記憶部24と、作業領域用記憶部25の各記憶部が接続され、演算器21とデータの授受が可能である。なお、図2(A)にはこれら記憶部を分割して記載したが、これらは単一の記憶素子をして実現してもよい。
フィルタパラメータ記憶部23には、ディジタルフィルタ13が動作するために演算器21が使用する各種パラメータが記憶され、後述する所定の閾値Vt1及びVt2並びに所定長Δt1、Δt2及びΔt3などのパラメータも、このフィルタパラメータ記憶部23に記憶される。また、原音記憶部24には、アナログディジタル変換器12から逐次入力される音信号が、ディジタルフィルタ13により処理されて判定器14に逐次出力されるまで、一時的に記憶される。
作業領域用記憶部25には、演算器21がその動作のために使用する各変数が記憶される。後述のテーブル1〜5もこの作業領域用記憶部25内に記憶される。
図2(B)は、図1の検査結果検証器17の構成図である。検査結果検証器17は、前段のアナログディジタル変換器12により変換された音信号、または後述するディジタルフィルタ13からの周波数帯域信号又は音信号、及び判定器14からの判定結果信号を入力する入力端と、判定器14の判定結果に対する検証結果信号を表示器15及び警報機16へ出力する出力端とを有する演算器31を備える。演算器31は例えばディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などで構成してよい。
演算器31のデータバス32には特徴量記憶部33と、原音記憶部34と、作業領域用記憶部35と、の各記憶部が接続され、演算器31とデータの授受が可能である。なお、図2(B)にはこれら記憶部を分割して記載したが、これらは単一の記憶素子をして実現してもよい。
特徴量記憶部33には、後述のように既知の雑音成分について予め測定され又は定められた基準特徴量やその範囲が記憶される。この基準特徴量は検査結果検証器17が判定器14の判定結果を検証するために演算器31に使用される。また、音信号記憶部34は、アナログディジタル変換器12から入力される音信号、又はディジタルフィルタ13から入力される周波数帯域信号又は音信号を一時的に記憶することが可能である。
作業領域用記憶部35には、演算器31がその動作のために使用する各変数が記憶される。後述の時間周波数信号強度画像もこの作業領域用記憶部35に記憶される。
なお、本説明では、ディジタルフィルタ13、判定器14及び検査結果検証器17を個別のユニットに分けた構成としたが、これらを一体に構成してよく、前述のDSP、データ処理ユニット(DPU)や中央処理ユニット(CPU)とメモリ装置とを組み合わせて実現することが可能である。
なお、マイク部2は、本発明に係る異音検査装置の音信号入力手段及び音信号取得手段をなし、摺動部3は、本発明に係る異音検査装置の被検査音発生手段をなす。なお音信号入力手段は、実施例のようなマイク装置に限らず、例えば音声入力端子、メディア再生装置など音声信号の入力が可能な手段であれば好適に採用することが可能である。
さらに、原音記憶部24及び音信号記憶部34は、本発明に係る異音検査装置の記憶手段をなし、ディジタルフィルタ13及び判定器14は、本発明に係る異音検査手段をなし、検査結果検証部17は、本発明に係る正当性検証手段をなし、演算器31及び作業領域用記憶部35は、本発明に係る異音検査装置及び音信号検査装置の信号変換手段及び特徴量抽出手段をなし、演算器31は、本発明に係る異音検査装置及び音信号検査装置の特徴量判定手段をなし、演算器21及び作業領域用記憶部25は、本発明に係る異音検査装置の信号区間検出手段、音信号低減手段、周波数帯域信号低減手段及び周波数帯域信号抽出手段をなし、演算器21は信号分割手段をなす。
また、ディジタルフィルタ13は、本発明に係る異音検査装置の雑音成分低減手段をなし、演算器21及び/又は演算器31は本発明に係る異音検査装置の音信号復元手段をなす。
図3を参照して本発明の実施形態に係る異音検査方法の概略を説明する。図3は本発明の実施例に係る異音検査方法の全体フローチャートである。
まず、ステップS1において、摺動部3は、検査対象物4の摺動部分を摺動させて摩擦音を時間を隔てて複数回発生させ、ステップS2において、マイク部2は、これら摩擦音をそれぞれ採取し各アナログ音信号を生成し異音検査装置1内に入力する。このときマイク部2は、検査対象物4の摺動開始時に摺動部3が生成する開始タイミング信号及び摺動停止時に生成する停止タイミング信号を取り込んで、これらのタイミング信号に同期して被検査音の採取開始及び停止をそれぞれ行う。したがって、マイク部2が生成する各音信号に含まれる各回の各被検査音は、それぞれの音信号中の同じ時刻に存在する。
そして、これら複数回採取した各音信号は、増幅器11により所定の定格の入力信号に増幅され、アナログディジタル変換器12にてディジタル信号に変換されて、ディジタルフィルタ13内の原音記憶部24及び検査結果検証器17の音信号記憶部34に記憶される。なお、以下の説明において簡単のため摺動部3が被検査音を発生させる回数を2回とする。その後、ディジタルフィルタ13内の原音記憶部24に記憶された音信号は、ディジタルフィルタ13によって後述のようにノイズ低減又はノイズ除去処理がなされて、判定器14に入力される。
ステップS4において、判定器14はディジタルフィルタ13により抽出された音信号又はその周波数帯域信号に基づいてその摩擦音が異音であるか否か(即ち検査対象が良品であるか否か)を判断し、その摩擦音が正常であればステップS5へ進み良品であると決定して処理を終了する。一方その摩擦音が異音である(即ち検査対象が不良品である)と判断する場合には、その旨を示す検査結果信号を検査結果検証器17に出力する。
ステップS6において、検査結果検証器17は、音信号記憶部34に記憶された音信号に既知の雑音成分が含まれているか否かを判定し、ステップS7において既知の雑音成分が含まれていると判定した場合、ステップS3の異音検査結果が正当ではないと判定して、ステップS9において検査対象が良品であると決定して処理を終了する。一方、ステップS7において既知の雑音成分が含まれていないと判定した場合、ステップS3の異音検査結果が正当であると判定して、ステップS8において検査対象が不良品であると決定して処理を終了する。
図3の正当性検証ステップ(S6)における検証方法を、図4〜図12を参照して説明する。図4は、図3の正当性検証ステップ(S6)を実現するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS21において、演算器31は、音信号記憶部34に記憶された音信号を時間周波数領域における該音信号の信号強度分布である時間周波数信号に変換し、時間周波数信号画像を生成する。この変換には、例えば連続ウェーブレット変換を使用してよい。図5(A)にこのように変換された時間周波数信号画像を示す。図5(A)において横軸は時間変化を示し、縦軸は周波数変化を示す。また図5(A)における明暗は信号強度を示し、明度が高い領域ほど信号強度が強いことを示す。作成された時間周波数信号画像は、検査結果検証器17の作業領域用記憶部35に記憶される。
ステップS22において、演算器31は、変換された時間周波数信号のうち異音検査に影響がない周波数帯域に係る信号成分を破棄する。具体的には作業領域用記憶部35に記憶される時間周波数信号画像の所定の周波数帯域部分をマスキングする。その様子を図5(B)に示す。図5(B)では、時間周波数信号画像のうち上部分と下部分とがマスクされ、これらの部分の信号強度が0にセットされる。
ステップS23において、演算器31は、ステップS22でマスク処理した時間周波数信号画像のオープニング処理(膨張処理)を行う。すなわち時間周波数信号画像のうち強度の高い領域をその周囲に膨張させ近接した複数の領域を融合する。このオープニング処理によりかすれ等により分離している領域を一つの領域として扱うことが可能となる。その様子を図5(C)に示す。
ステップS24において、演算器31は、所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域を画定する。これらの領域を図6(A)のハッチング部分に示す。さらにステップS25において、これら画定された各領域のうち異音検査に影響を与えない小さな領域を消去し、残った領域についてラベルA1〜A6を付与して各領域を識別する識別子とする。その様子を図6(B)に示す。
さらにステップS26において、演算器31は、ステップS25にてラベルを付与した各領域A1〜A6のそれぞれについて特徴量を抽出する。この特徴量の例は、例えば図7(A)に示すように当該領域40が占める周波数帯域、周波数帯域幅Δf、時間幅Δtや、当該領域40の面積(ピクセル数)A、方向及び真円度としてよい。
ここに、当該領域40の真円度は、図7(B)に示すように当該領域40の重心BCから測定した各方位(i)に関する、重心BC〜領域40の境界の間の距離r(i)の偏差を算出することにより求めてよい。また、当該領域の方向は、この領域内の各点(各ピクセル)を変量とし、この領域の重心を通過する回帰直線の傾き方向として求めることとしてよく、最小二乗法により算出することとしてよい。このような方向は当該領域に対応する音信号の周波数の時間的変化を示す。図6(C)の各矢印は、それぞれの領域の方向を求めた様子を示している。
さらに特徴量は、図8に示すように、上記の時間周波数信号が所定強度I以上となる時間周波数平面の領域Aを画定し、この領域Aにおいて時間周波数信号強度を面積分して得られる積分値Vとしてもよい。
そして、ステップS27において、演算器31は、このように抽出された被検査音の特徴量と既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、音信号にこの既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する。例えば、演算器31は、音信号について抽出された特徴量が、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量の範囲にあるとき、音信号に既知の雑音成分が含まれていると判定する。
具体的には、ある既知の雑音成分の基準特徴量として周波数帯域がf1≦ 周波数f ≦ f2と定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の周波数帯域fsbが、既知の雑音成分の所定の周波数帯域にあるとき、すなわち
f1≦ fsb ≦ f2 (1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として周波数帯域幅の範囲がfdw1≦ 周波数帯域幅fw ≦ fdw2と定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の周波数帯域幅fswが、既知の雑音成分の所定の周波数幅の範囲にあるとき、すなわち
fdw1 ≦ fsw ≦ fdw2 (2−1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として周波数帯域幅の範囲が幅fdw以上であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の周波数帯域幅fswが既知の雑音成分の帯域幅の範囲内にあるとき、すなわち
fdw ≦ fsw (2−2)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
さらに、この反対に、ある既知の雑音成分の基準特徴量として周波数帯域幅の範囲が幅fdw以下であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の周波数帯域幅fswが、
fdw ≧ fsw (2−3)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として時間幅の範囲がtdw1≦ 時間幅tw ≦ tdw2と定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の時間幅tswが、既知の雑音成分の所定の時間幅の範囲にあるとき、すなわち
tdw1 ≦ tsw ≦ tdw2 (3−1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として時間幅の範囲が幅tdw以上であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の時間幅tswが既知の雑音成分の時間幅の範囲内にあるとき、すなわち
tdw ≦ tsw (3−2)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
さらに、この反対に、ある既知の雑音成分の基準特徴量として時間幅の範囲が幅tdw以下であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の時間幅fswが、
fdw ≧ fsw (3−3)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として、その時間周波数信号が所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域の面積の範囲が、Ad1≦ 面積A ≦ Ad2と定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の面積Asが、既知の雑音成分に係る前記時間周波数領域の面積の範囲にあるとき、すなわち
Ad1 ≦ As ≦ Ad2 (4−1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記時間周波数領域の面積の範囲が面積Ad以上であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の面積Asが既知の雑音成分に係る前記時間周波数領域の面積の範囲内にあるとき、すなわち
Ad ≦ As (4−2)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
さらに、この反対に、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記時間周波数領域の面積の範囲が面積Ad以下であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の時間幅Asが、
Ad ≧ As (4−3)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として、その時間周波数信号が所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域の方向が時間周波数平面の時間軸とのなす角度θの範囲が、θd1≦ 角度θ ≦ θd2と定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の方向が前記時間軸となす角θsが、既知の雑音成分に係る前記時間周波数領域の方向の範囲にあるとき、すなわち
θd1 ≦ θs ≦ θd2 (5−1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記時間周波数領域の前記時間軸とのなす角度θの範囲が角度θd以上であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の方向が前記時間軸となす角度θsが、既知の雑音成分に係る前記角度の範囲内にあるとき、すなわち
θd ≦ θs (5−2)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
さらに、この反対に、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記時間周波数領域の前記時間軸となす角度θの範囲がθd以下であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の方向が前記時間軸となす角度θsが、
θd ≧ θs (5−3)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として、その時間周波数信号が所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域の真円度Cの範囲が、Cd1≦ 角度C ≦ Cd2と定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の真円度Csが、既知の雑音成分に係る前記時間周波数領域の真円度の範囲にあるとき、すなわち
Cd1 ≦ Cs ≦ C2 (6−1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記時間周波数領域の真円度の範囲がCd以上であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の真円度Csが、既知の雑音成分に係る前記角度の範囲内にあるとき、すなわち
Cd ≦ Cs (6−2)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
さらに、この反対に、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記時間周波数領域の真円度Cの範囲がCd以下であると定められている場合には、演算器31は、被検査音の当該領域40の真円度Cdが、
Cd ≧ Cs (6−3)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、ある既知の雑音成分の基準特徴量として、その時間周波数信号が所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域における時間周波数信号強度の積分値(体積)Vが、Vd1≦ 体積V ≦ Vd2と定められている場合には、演算器31は、被検査音についてその時間周波数信号が所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域における時間周波数信号強度の積分値(体積)Vsが、既知の雑音成分に係る体積の範囲にあるとき、すなわち
Vd1 ≦ Vs ≦ Vd2 (7−1)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
また、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記体積Vの範囲が体積Vd以上であると定められている場合には、演算器31は、被検査音に係る前記体積Vsが既知の雑音成分に係る前記体積の範囲内にあるとき、すなわち
Vd ≦ Vs (7−2)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
さらに、この反対に、既知の雑音成分の基準特徴量として、前記体積Vの範囲がVd以下であると定められている場合には、演算器31は被検査音の前記体積Vが、
Vd ≧ Vs (7−3)
を満たすとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていると判断し、反対に満たさないとき、当該領域40に既知の雑音成分が含まれていないと判断する。
なお、これら既知の雑音成分の基準特徴量の範囲は、予め既知の雑音を多数採取して、この採取した雑音の音信号に、演算器31が上記ステップS21〜S26を施すことにより得られた特徴量の範囲を求めて予め定め、前記特徴量記憶部33に記憶されることとしてよい。
図9〜図12に、このようにして得られた既知の雑音成分の基準特徴量と、その範囲の例示を示す。図9(A)は電動ドライバー音を入力した音信号の時間周波数信号画像であり、図9(B)は図9(A)の画像を所定の周波数帯域部分をマスキングした時間周波数信号画像であり、図9(C)は、図9(B)の画像に上記オープニング処理(膨張処理)を施した画像であり、図9(D)は、図9(C)の画像のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域を画定したものである。
図示するように電動ドライバー音に係る時間周波数信号のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域は非常に面積が小さい。したがって電動ドライバー音についての基準特徴量の範囲として、所定の面積Ad以下であると定めてよい。
図10(A)はエアーブロー音を入力した音信号の時間周波数信号画像であり、図10(B)は図10(A)の画像を所定の周波数帯域部分をマスキングした時間周波数信号画像であり、図10(C)は、図10(B)の画像に上記オープニング処理(膨張処理)を施した画像であり、図10(D)は、図10(C)の画像のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域を画定したものである。
図示するようにエアーブロー音に係る時間周波数信号のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域は面積が大きく、また真円度が大きい。したがってエアーブロー音についての基準特徴量の範囲として、所定の面積Ad以上かつ所定の真円度Cd以上であると定めてよい。
図11(A)は工場内放送音を入力した音信号の時間周波数信号画像であり、図11(B)は図11(A)の画像を所定の周波数帯域部分をマスキングした時間周波数信号画像であり、図11(C)は、図11(B)の画像に上記オープニング処理(膨張処理)を施した画像であり、図11(D)は、図11(C)の画像のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域を画定したものである。
図示するように工場内放送音に係る時間周波数信号のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域は面積が大きく、また係る領域の方向は時間軸と平行に近い。したがって工場内放送音についての基準特徴量の範囲として、所定の面積Ad以上かつ方向Asが水平(すなわち|As|<Ad、又は|180°ーAs|<Ad)であると定めてよい。
図12は部品供給時のローラ音を入力した音信号の時間周波数信号画像に係る所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域を画定したものである。
図示するように部品供給時のローラ音に係る時間周波数信号のうち所定の閾値以上の信号強度となる時間周波数領域は、周波数帯域幅が狭く、方向は時間軸に直角に近く、真円度は小さく、周波数帯域は高く、時間幅は狭い。かかるローラ音の基準特徴量の範囲として、それぞれ所定の周波数帯域幅fdw以下、かつ真円度Cd以下、かつ周波数帯域fdb以上、かつ時間幅tdw以下、かつ方向Asが垂直(すなわち|90°ーAs|<Ad、又は|270°ーAs|<Ad)であると定めてよい。
また、上記体積Vを特徴量を使用する雑音成分には、例えば、フィルムシャッタの摺動時に撓んだフィルムシャッタが復元するときに生じる打撃音がある。かかる雑音は、音圧が高くその体積Vが大きくなる。したがって、かかる打撃音の基準特徴量の範囲として、所定の周波数帯域幅Vd以上であると定めてよい。
ステップS27において、ステップS3の異音検査に使用された音信号について画定された各領域A1〜A6のそれぞれについて、既知の雑音成分を含むか否かを判定し、前記各領域A1〜A6のいずれかが既知の雑音成分を含むと判定した場合、ステップS3の異音検査結果が正当ではないと判定して、ステップS9において検査対象が良品であると決定する。
反対に、ステップS3の異音検査に使用された音信号について画定された各領域A1〜A6のいずれも既知の雑音成分を含まない場合には、ステップS3の異音検査結果が正当であると判定してステップS9において検査対象が不良品であると決定する。
続いて、ディジタルフィルタ13及び判定器14による図3の異音検査ステップ(S3)における異音検査方法を、図13を参照して説明する。図13は、図3の異音検査ステップ(S3)を実現するサブルーチンのフローチャートである。
異音検査ステップ(S3)は、図3の音信号入力ステップ(S2)にて入力される音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップ(S31)と、所定のレベル以上の信号強度を有し、かつその存続時間が所定時間以下となる周波数帯域信号(すなわちスパイク雑音成分)を低減するスパイク雑音低減処理ステップ(S32)と、図3の音信号入力ステップ(S2)にて複数回採取した音信号の各周波数帯域成分を比較して同じタイミングかつ同じ周波数帯域で発生する周波数帯域信号のみを抽出しそれ以外の周波数帯域信号を除去する重ね合わせ雑音除去処理ステップ(S33)と、ステップS32及びS33により雑音成分が低減及び除去された周波数帯域信号に基づき、判定器14により図3の音信号入力ステップ(S2)にて入力される音信号が異音であるか否かを判定する異音判定ステップ(S34)からなる。
ステップS31において、ディジタルフィルタ13内の演算器21は原音記憶部24に記憶された各音信号のそれぞれを、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する。演算器21による各周波数帯域信号への各音信号の分割には、離散ウェーブレット変換を使用してよい。
次にステップS32におけるスパイク雑音の低減方法を図14(A)〜(D)及び図15(A)〜(E)を参照して説明する。
図14(A)はスパイク雑音低減処理ステップ(S32)の全体フローチャートである。スパイク雑音低減処理ステップは、基本的に閾値チェックステップ(S41)と、連続性チェックステップ(S42)と、区間長チェックステップ(S43)と、信号減衰ステップ(S44)とからなる。
閾値チェックステップ(S41)では、図13の信号分割ステップ(S31)において分割された各周波数帯域信号のそれぞれについて、各周波数帯域信号のうち、信号レベルが所定の閾値レベルを超える信号部分の区間を選択する。
連続性チェックステップ(S42)では、信号レベルが所定の閾値レベルを超えない信号部分についてその区間の区間長が所定長Δt1より短い場合、この区間も振幅が所定の閾値レベルを超える連続音の一部とみなして選択しステップ(S41)で選択された区間と合成する。これにより振幅が所定の閾値レベルを超える連続音に係る信号部分の区間が選択される。
区間長チェックステップ(S43)では、連続性チェックステップ(S42)で選択された連続音信号部分のうち、その区間の区間長が所定長Δt2より短い区間を選択する。これにより、振幅が所定の閾値レベルを超えるが、その存続時間が所定長Δt2に対応する時間より短い連続音である雑音成分を選択することができる。
信号減衰ステップ(S44)では、図13の信号分割ステップ(S31)において分割された各周波数帯域信号のうち、ステップS43で選択した区間の信号値を減衰又は消去する。
図14(A)の各ステップS41、S42及びS43の処理について、以下説明する。図14(B)、図14(C)及び図14(D)は、図14(A)の各ステップS41、S42及びS43を示す各サブルーチンを示す。
また、図15(A)は、図13の信号分割ステップ(S31)において分割された各周波数帯域信号のうちのある周波数帯域の周波数帯域信号のタイムチャートであり、図15(B)〜(D)は、それぞれ図15(A)に示される周波数帯域信号に対して図14(A)のステップS41、S42及びS43で行われる区間選択の状態を表す。
上述の通り、アナログディジタル変換器12を経てディジタルフィルタ13に入力されるディジタル音信号は、入力アナログ音信号の各サンプリング周期Δi内の各サンプリング時刻ti(iは自然数)における信号値をサンプリングして、これを量子化したディジタル信号値の列として与えられる。
そして、図13のステップS31で、これらディジタル変換された各音信号を各周波数帯域成分へと分割して生成された各周波数帯域信号もまた、図15(A)に示すように同様の形式のディジタル信号、すなわち各時刻tiにおける当該周波数帯域における信号強度を示すディジタル信号値の列として与えられる。
図示するとおり、周波数帯域信号は、その各サンプリング時刻であるt3、t5、t8、t11、t14、t17、t20、t23、t26、t29、t32、t35、t38及びt41において、ちょうどその絶対値が所定の第1閾値Vt1を超えた値をとる。ここに、第1閾値の例としてVt1=100とする。
また、時刻t2及びt4、時刻t4及びt6、時刻t7及びt9、時刻t10及びt12、時刻t13及びt15、時刻t16及びt18、時刻t19及びt21、時刻t22及びt24、時刻t25及びt27、時刻t28及びt30、時刻t31及びt33、時刻t34及びt36、時刻t37及びt39、時刻t40及びt42は、それぞれ、時刻t3、t5、t8、t11、t14、t17、t20、t23、t26、t29、t32、t35、t38及びt41の前後のサンプリング周期内の時刻である。
入力信号のこれら各時刻と各時刻における信号値とを、下記表1の第1列と第2列とにそれぞれ示す。
図14(A)の閾値チェックステップS41に対応する図14(B)に示すサブルーチンでは、ステップS51において、各時刻tiについてその時刻tiの信号値Vの絶対値が第1閾値Vt1を超えるとき、その時刻tiを含むサンプリング周期Δi(以下単に「区間Δi」と記す)を選択する。選択された区間を図15(B)に示す。
各時刻を含む区間Δiの選択状態は、前記作業領域用記憶部25に設けられた2値データテーブル1(以下単に「テーブル1」と記す)に記憶される。テーブル1の内容を、前記表1の第3列及び第4列に示す。
テーブル1は、区間Δiと区間Δiに対する選択状態とをそれぞれ記憶するテーブルであり、選択状態は状態「ON」で示され、被選択状態はOFFで示される(後述する他のテーブルについても同様とする)。
図15(A)の例では、区間Δ3〜Δ5、Δ8〜Δ11、Δ14〜Δ17、Δ20〜Δ23、Δ26〜Δ29、Δ32〜Δ35及びΔ38〜Δ41の区間で、信号値Vの絶対値が第1閾値Vt1を超えているためこれらの区間が選択される。
図14(A)の連続性チェックステップS42に対応する図14(C)に示すサブルーチンでは、ステップS52において、各時刻tiについてその時刻tiの信号値Vの絶対値が第1閾値Vt1以下となる連続区間であって、かつその区間長が所定長Δt1より短い区間Δiが選択される。
図15(B)の例では、区間Δ6〜Δ7、Δ12〜Δ13、Δ18〜Δ19、Δ24〜Δ25、Δt36〜Δ37で、信号値が第1閾値Vt1以下でありかつその区間長が所定長Δt1より短いため選択される。一方で区間Δ30〜Δ31の区間でも信号値が第1閾値Vt1以下であるが区間長が所定長Δt1より長いため、ここでは選択されない。
その後ステップS53において、ステップS51及びS52で選択された区間が合成されて選択される。そしてその選択状態は、前記作業領域用記憶部25に設けられた2値データテーブル2(以下単に「テーブル2」と記す)に記憶される。
選択状態を図15(C)に示し、テーブル2の内容を表1の第3列及び第5列に示す。
図14(A)の区間長チェックルーチンS43に対応する図14(D)に示すサブルーチンでは、ステップS54において、前記ステップS53で構成した区間のうち区間長がΔt2より短い区間を選択する。図15(C)の例では、区間Δ3〜Δ29の区間長はΔt2より長く、区間Δ32〜Δ41の区間長はΔt2より短い。したがって区間Δ32〜Δ41だけが選択される。選択状態は、前記作業領域用記憶部25に設けられた2値データテーブル3(以下単に「テーブル3」と記す)に記憶される。選択状態を図15(D)に示し、テーブル3の内容を表1の第3列及び第6列に示す。
以上ステップS51〜S54により、信号の振幅が所定の閾値レベルを超えるが、その存続時間が所定長Δt2に対応する時間より短い連続音を選択することができる。したがって所定長Δt1を周波数帯域信号の周波数に基づいて適切に選び、及びΔt2を被検査音について想定される最小持続時間に基づいて適切に選ぶことにより、存続時間が所定長Δt2より短い雑音成分を選択することが可能となり、これに続くステップS44でこの雑音成分を減衰することができる。
また、区間長チェックルーチン43に代えて、連続性チェックルーチンS42で選択された連続信号部分のうち、その区間の区間長が所定長Δt2以上の区間を選択してから、選択状態と被選択状態を反転して作業領域用記憶部25にテーブルとして記憶し(図4(E)参照)、続く信号減衰ステップS44において、図13の信号分割ステップ(S31)において分割された各周波数帯域信号のうち選択した区間の信号値を減衰又は消去することとしてよい。
これは、異音検査対象とする摩擦音は、連続性チェックステップS42で選択された連続音信号部分のうち、その区間の区間長が所定長Δt2以上の区間に含まれているため、この区間以外の区間ごと信号を減衰させることにより、これに含まれる雑音成分も減衰することが可能となるからである。
図16(A)〜図16(C)及び図17(A)〜図17(E)を参照して本発明に係る音信号処理方法の代替実施例を以下に説明する。
図16(A)は図14(A)に示す閾値チェックステップS41に対応する代替実施例に係るサブルーチンのフローチャートであり、図16(B)は図14(A)に示す連続性チェックステップS42に対応する代替実施例に係るサブルーチンのフローチャートであり、図16(C)は図14(A)に示す区間長チェックステップS43に対応する代替実施例に係るサブルーチンのフローチャートである。
また、図17(A)は図15(A)と同じ周波数帯域信号のタイムチャートであり、図17(B)〜(D)は、それぞれ入力された被検査音に対して図16(A)〜図16(C)のフローチャートに示す処理で行われる区間選択の状態を表す。
図16(A)に示す閾値チェックルーチンS41(S55)では、演算器21は、周波数帯域信号のうち、信号レベルの絶対値Vが所定の閾値レベルVt1以下の信号部分の区間を選択する。すなわち各時刻tiについてその時刻tiの信号値Vの絶対値が第1閾値Vt1以下のとき、その時刻tiを含むサンプリング周期(区間)Δiを選択する。
図17(A)の例では、区間Δ1〜Δ2、Δ6〜Δ7、Δ12〜Δ13、Δ18〜Δ19、Δ24〜Δ25、Δ30〜Δ31、Δ36〜Δ37、及びΔ42〜Δ43の区間で、信号値Vの絶対値が第1閾値Vt1以下となり、これらの区間が選択される。選択された区間はテーブル1に記憶される。区間の選択状態を図17(B)に示し、テーブル1の内容を表2の第3列及び第4列に示す。
図16(B)に示す連続性チェックルーチンS42(S56)では、閾値チェックルーチンS41で選択した区間のうち、その区間長が所定長Δt1以上の区間を選択する。これにより所定の閾値レベルより大きい連続音以外の信号部分の区間が選択される。
図17(B)の例では、区間Δ1〜Δ2、Δ30〜Δ31、及びΔ42〜Δ43の区間長はΔt1より長く、これらの区間が選択される。
選択された区間はテーブル2に記憶される。区間の選択状態を図17(C)に示し、テーブル2の内容を表2の第3列及び第5列に示す。
図16(C)に示す区間長チェックルーチンS43(S57)では、連続性チェックルーチンS42(S56)で選択されない区間のうち、区間長が所定長Δt2より短い区間を選択する。これにより、周波数帯域信号の振幅レベルが所定の閾値レベルを超えるが、その存続時間が所定長Δt2に対応する時間より短い連続音である雑音成分を選択することができる。
図17(C)の例では、区間Δ3〜Δ29及びΔ32〜Δ41が連続性チェックルーチンS42(S56)で選択されなかったが、そのうち区間Δ32〜Δ41の区間長が所定長Δt2より短いので、区間Δ32〜Δ41が選択される。
選択された区間はテーブル3に記憶される。区間の選択状態を図17(D)に示し、テーブル3の内容を表2の第3列及び第6列に示す。
以上ステップS55、S56、S57によっても、振幅レベルが所定の閾値レベルを超えるが、その存続時間が所定長Δt2に対応する時間より短い連続音を選択することができる。
区間長チェックルーチンS43(または、ステップS57)に代えて、連続性チェックルーチンS42(S56)で選択されない区間のうち、区間長が所定長Δt2以上の区間を選択してから、選択状態と被選択状態を反転して作業領域用記憶部25にテーブルとして記憶し(図6(E)参照)、続く信号減衰ルーチンS54において、図13の信号分割ステップ(S31)において分割された各周波数帯域信号のうち選択した区間の信号値を減衰又は消去することとしてよい。
図18に示すように、図3の異音検査ステップ(S3)は、信号分割ステップ(S31)とスパイク雑音低減処理ステップ(S32)の順序を入れ替えてもよい。すなわち、ディジタルフィルタ13の演算器21は、スパイク雑音低減処理ステップ(S32)において、音信号入力ステップ(S2)にて入力され原音記憶部24に記憶される音信号のうち、所定のレベル以上の音圧を有しかつその存続時間が所定時間以下となる音信号部分を低減したのち、係る音信号を信号分割ステップ(S31)にて各周波数帯域信号に分割することとしてよい。
各周波数帯域信号のそれぞれと音信号とは同じ形式のディジタル信号に生成することが可能であり、よって音信号に対するスパイク雑音低減処理は、図14〜図17を参照して説明した各周波数帯域信号のそれぞれに対するスパイク雑音低減処理と同様に行うことが可能であるため、ここに説明を省略する。
次にステップS33における重ね合わせ雑音除去処理方法を図19〜図24を参照して説明する。
図19は、は重ね合わせ雑音除去処理ステップ(S33)の全体フローチャートであり、図20は、信号分割ステップ(S31)により各周波数帯域信号に分割され、スパイク雑音低減処理ステップ(S32)にてそれぞれスパイク雑音が低減された各周波数帯域信号の波形図を示す。ここに図20(A)は、第1回目に採取した音信号を各周波数帯域1〜6に分割した各周波数帯域信号の波形図を示し、図20(B)は、第2回目に採取した音信号を各周波数帯域1〜6に分割した各周波数帯域信号の波形図を示す。
ステップS61において、ディジタルフィルタ13内の演算器21は、後述に例示する方法によって、各音信号について同じ周波数帯域の周波数帯域信号同士を比較する。そして、2つの音信号の双方について周波数帯域信号が存在する信号区間(時間区間)を各帯域ごとに検出する。
図20(A)及び(B)に示す例では、周波数帯域2、4及び5のそれぞれの信号区間61、62及び63には2つの音信号の双方について周波数帯域信号が存在するが、図20(A)に示す周波数帯域3、4及び5のそれぞれの信号区間64、65及び65には、1回目に採取した音信号については周波数帯域信号が存在するが2回目に採取した音信号については周波数帯域信号が存在しない。
反対に、図20(B)に示す周波数帯域1の信号区間71、周波数帯域2の信号区間72、周波数帯域3の信号区間73〜75、周波数帯域4の信号区間76、周波数帯域5の信号区間77及び78、並びに周波数帯域6の信号区間79には、2回目に採取した音信号については周波数帯域信号が存在するが1回目に採取した音信号については周波数帯域信号が存在しない。
ここで、各音信号に含まれる真正な各被検査音(摺動部3によって発生させた被検査音)はそれぞれの音信号中の同じ時刻に存在し、かつ両者は同じ周波数特性を持つので、真正な各被検査音は複数回取得された全ての音信号について、同時刻に同じ周波数帯に信号成分を含む。したがって、演算器21は、これら2つの音信号の双方について周波数帯域信号が存在する周波数帯域2、4及び5のそれぞれの信号区間61、62及び63を真正な被検査音を含む信号区間として検出する。
ステップS62において、演算器21は、ステップS61で検出した各信号区間に存在する各周波数帯域信号のみを、前記2回採取された各音信号のいずれかから抽出する。これによりステップS61で検出した信号区間以外の信号区間に存在する音信号(ノイズ成分)が除去される。このように抽出された周波数帯域信号を図21に示す。演算器21は、抽出した各周波数帯域信号を後段の判定器14に出力することとしてもよく。またはこれら抽出した各周波数帯域信号を離散ウェーブレット逆変換によって音信号に合成(復元)して後段の判定器14に出力することとしてもよい。
判定器14は、図13のステップS34において、ディジタルフィルタ13により抽出された周波数帯域信号又は復元された音信号に基づいて、例えばその摩擦音の音圧レベルと存続時間の積(時間積分値)が大きい場合には採取した被検査音が異音であると判定し、それ以外の場合には採取した被検査音が正常な摩擦音であると判定する。
図22は、上記ステップS61にて、各音信号について同じ周波数帯域の周波数帯域信号同士を比較するため方法の具体例を示すフローチャートである。図23(A)は、スパイク雑音低減処理ステップ(S32)にてそれぞれスパイク雑音が低減された、ある周波数帯域における周波数帯域信号のタイムチャートである。
図23(A)に示すように、周波数帯域信号は、サンプリング時刻であるt3、t5、t8、t11、t14、t17、t20、t23、t26及びt29において、その絶対値が所定の閾値Vt2を超えるものとする。なおVt2=100として以下説明を続ける。なお、時刻t32〜t41における周波数帯域信号は、前段のスパイク雑音低減処理ステップ(S32)によって、その信号値が低減されている。
また、時刻t2及びt4、時刻t4及びt6、時刻t7及びt9、時刻t10及びt12、時刻t13及びt15、時刻t16及びt18、時刻t19及びt21、時刻t22及びt24、時刻t25及びt27、時刻t28及びt30、時刻t31及びt33、時刻t34及びt36、時刻t37及びt39、時刻t40及びt42は、それぞれ、時刻t3、t5、t8、t11、t14、t17、t20、t23、t26、t29、t32、t35、t38及びt41の、前後のサンプリング時刻である。
これら各時刻と各時刻における周波数帯域信号の信号値とを、下記表3の第1列と第2列とにそれぞれ示す。
まず、図22のステップS71において、各音信号の各周波数帯域について、各サンプリング時刻tiの周波数帯域信号の信号値Vの絶対値が閾値Vt2を超えるとき、そのサンプリング時刻tiを含むサンプリング周期Δi(以下単に「区間Δi」と記す)を選択する。選択された区間を図23(B)に示す。各区間Δiの選択状態は、前記作業領域用記憶部25に設けられた2値データテーブル4(以下単に「テーブル4」と記す)に記憶される。テーブル4の内容を、前記表3の第3列及び第4列に示す。
図23(A)の例では、区間Δ3〜Δ5、Δ8〜Δ11、Δ14〜Δ17、Δ20〜Δ23及びΔ26〜Δ29の区間で、信号値Vの絶対値が閾値Vt2を超えており、これらの区間が選択される。
続くステップS72において、各音信号の各周波数帯域について、周波数帯域信号Vの絶対値が閾値Vt2以下となる連続区間であって、かつその区間長が所定長Δt3より短い区間に含まれる区間Δiを選択する。
図13(B)の例では、区間Δ6〜Δ7、Δ12〜Δ13、Δ18〜Δ19、Δ24〜Δ25で、信号値の絶対値が閾値Vt2以下であり区間長がかつその所定長Δt3より短いため選択される。
その後ステップS73において、各音信号の各周波数帯域毎に、ステップS71及びS72で選択された区間が合成される。そしてその選択状態は、前記作業領域用記憶部25に設けられた2値データテーブル5(以下単に「テーブル5」と記す)に記憶される。
選択状態を図23(C)に示し、テーブル5の内容を表3の第3列及び第5列に示す。
上記S71〜S73までの処理によって、テーブル5には、各音信号の各周波数帯域毎に、各周波数帯域信号の信号が存在する信号区間及び信号が存在しない信号区間とを、それぞれ「ON」及び「OFF」の2値データで表現する区間選択データが形成される。上記S71〜S73までの処理を、それぞれ図20(A)及び図20(B)に例示した2回の音信号に係る周波数帯域信号に適用した結果を図24(A)及び図24(B)に示す。
そして、ステップS74において、これら2回の音信号の同じ周波数帯域同士でステップS73で合成した区間同士の論理積を求めることにより、図24(C)に示すとおり2つの音信号の双方に周波数帯域信号が存在する信号区間を各帯域ごとに検出する。
図25は、本発明の実施例に係る異音検査方法の代替例の全体フローチャートであり、図26は図25に対応して実行される異音検査ステップS3のフローチャートである。図25に示す異音検査方法では、雑音成分を低減及び除去した周波数帯域信号を音信号に復元して、この復元された音信号に基づきステップS6の正当性検証を行う。
このため、ディジタルフィルタ13内の演算器21は、スパイク雑音低減処理ステップ(S32)及び重ね合わせ雑音除去処理ステップ(S33)を経た周波数帯域信号を離散ウェーブレット逆変換などにより音信号に復元して、検査結果検証器17に出力することとしてよい。
または、ディジタルフィルタ13はスパイク雑音低減処理ステップ(S32)及び重ね合わせ雑音除去処理ステップ(S33)を経た周波数帯域信号を検査結果検証器17に出力し、検査結果検証器17内の演算器31は、この周波数帯域信号を音信号に復元することとしてよい。
そして、検査結果検証器17内の演算器31は、図4の信号変換ステップS21において、復元された音信号を連続ウェーブレット変換などにより時間周波数信号に変換して、後段処理S22〜S27を実行して異音検査の正当性を検証することとしてよい。
なお、この代替実施例における検査結果検証器17の検証方法は、図4を参照して上記説明した方法と同様であり、ディジタルフィルタ13によるスパイク雑音低減処理方法は、図14〜図18を参照して上記説明した方法と同様であり、ディジタルフィルタ13による重ね合わせ雑音除去処理方法は、図19〜図24を参照して上記説明した方法と同様であるため、ここに説明を省略する。
本発明は、検査対象から生じる被検査音に含まれる異音を検出して検査対象を検査する異音検査方法及び異音検査装置に利用可能であり、特に、検査対象の摺動部から生じる摩擦音に含まれる異音を検出して検査対象を検査する異音検査方法及び異音検査装置に利用可能である。
本発明の実施例に係る異音検査装置の全体構成図である。 (A)は、図1のディジタルフィルタの構成図であり、(B)は、図1の検査結果検証器の構成図である。 本発明の実施例に係る異音検査方法の全体フローチャートである。 図3の正当性検証ステップ(S6)を実現するサブルーチンのフローチャートである。 図4の正当性検証ルーチンの説明図(その1)である。 図4の正当性検証ルーチンの説明図(その2)である。 時間周波数信号の特徴量を説明する図である。 時間周波数信号の特徴量である時間周波数信号強度の積分値を説明する図である。 電動ドライバー音について定められる特徴量を説明する図である。 エアーブロー音について定められる特徴量を説明する図である。 工場内放送音について定められる特徴量を説明する図である。 ローラー音について定められる特徴量を説明する図である。 図3の異音検査ステップ(S3)を実現するサブルーチンのフローチャートである。 スパイク雑音低減処理ステップ(S32)フローチャートである。 図14に示すフローチャートによるスパイク雑音低減方法の説明図である。 スパイク雑音低減処理ステップ(S32)の代替例のフローチャートである。 図16に示すフローチャートによるスパイク雑音低減方法の説明図である。 図13に示す異音検査ステップの第1代替例のフローチャートである。 重ね合わせ雑音低減処理ステップ(S33)フローチャートである。 (A)は、第1回目に採取した音信号を各周波数帯域に分割した各周波数帯域信号の波形図を示し、(B)は、第2回目に採取した音信号を各周波数帯域に分割した各周波数帯域信号の波形図を示す。 図20(A)及び(B)に示す信号に基づき本発明により真正信号を抽出した波形図である。 図19のフローチャートのステップS61を実現するルーチンのフローチャートである。 図22に示すフローチャートによる周波数帯域信号の処理方法の説明図である。 (A)は図23に示す方法により図20(A)に示す周波数帯域信号を処理した信号のタイムチャートであり、(B)は同様に図20(B)に示す周波数帯域信号を処理した信号のタイムチャートであり、(C)は(A)及び(B)に示す信号同士の論理積を得た信号のタイムチャートである。 本発明の実施例に係る異音検査方法の代替例の全体フローチャートである。 図13に示す異音検査ステップの第2代替例のフローチャートである。
符号の説明
1 異音検査装置
4 検査対象
13 ディジタルフィルタ
17 検査結果検証器
21、31 演算器
22、32 データバス
23、24、25、33、34、35 記憶部

Claims (52)

  1. 検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力ステップと、
    前記音信号に基づき前記検査対象の異音検査を行う異音検査ステップと、
    前記異音検査ステップにおいて不良と判定されたとき、前記異音検査ステップによる検査の正当性を検証する正当性検証ステップとを有する異音検査方法であって、
    前記正当性検証ステップは、
    前記音信号を、時間周波数領域における該音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換ステップと、
    前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    前記音信号について抽出された前記特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量判定ステップと、を有し、
    前記特徴量判定ステップにて前記既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、前記異音検査ステップによる検査の正当性を否定することを特徴とする異音検査方法。
  2. 前記特徴量判定ステップは、前記音信号について抽出された前記特徴量が、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量の範囲にあるとき、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれていると判定することを特徴とする請求項1に記載の異音検査方法。
  3. 前記特徴量抽出ステップは、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域の特徴量を抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の異音検査方法。
  4. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の周波数帯域及び/又は周波数帯域幅であることを特徴とする請求項3に記載の異音検査方法。
  5. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の時間幅であることを特徴とする請求項3に記載の異音検査方法。
  6. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の面積であることを特徴とする請求項3に記載の異音検査方法。
  7. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域内の各点を変量とする回帰直線の傾き方向であることを特徴とする請求項3に記載の異音検査方法。
  8. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の真円度であることを特徴とする請求項3に記載の異音検査方法。
  9. 前記特徴量抽出ステップは、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域における前記時間周波数信号強度の積分値を、前記特徴量として抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の異音検査方法。
  10. 前記異音検査ステップは、
    前記音信号入力ステップにて入力される音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出ステップと、
    検出された前記信号区間の信号値を減衰する音信号低減ステップと、を有し、
    前記音信号低減ステップにより信号値が減衰された前記音信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  11. 前記異音検査ステップは、
    前記音信号入力ステップにて入力される音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出ステップと、
    前記入力される音信号のうち、検出された前記信号区間以外の信号区間の信号値を減衰する音信号低減ステップと、を有し、
    前記音信号低減ステップにより信号値が減衰された前記音信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  12. 前記異音検査ステップは、
    前記音信号入力ステップにて入力される音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップと、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出ステップと、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、検出された前記信号区間の信号値を減衰する周波数帯域信号低減ステップと、を有し、
    前記周波数帯域信号低減ステップにより信号値が減衰された前記各周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  13. 前記異音検査ステップは、
    前記音信号入力ステップにて入力される音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップと、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出ステップと、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、各周波数帯域信号のうち検出された前記信号区間以外の区間の信号値を減衰する周波数帯域信号低減ステップと、を有し、
    前記周波数帯域信号低減ステップにより信号値が減衰された前記各周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  14. 前記音信号入力ステップは、同じ被検査音を複数回採取した各音信号のそれぞれを入力し、
    前記異音検査ステップは、
    前記音信号入力ステップにて入力される各音信号のそれぞれを、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップと、
    前記の複数回採取された各音信号について、同じ周波数帯域の前記周波数帯域信号同士を比較し、全ての前記音信号について周波数帯域信号が存在する信号区間を各周波数帯域ごとに検出する信号区間検出ステップと、
    前記複数回採取された音信号のいずれかに係る、前記の検出した信号区間に存在する周波数帯域信号を抽出する周波数帯域信号抽出ステップと、を有し
    前記周波数帯域信号抽出ステップにより抽出された前記周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  15. 検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力ステップと、
    入力される前記音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割ステップと、
    前記各周波数帯域信号の雑音成分を低減する雑音成分低減ステップと、
    前記雑音成分低減ステップにより雑音成分を低減された前記各周波数帯域信号に基づき前記検査対象の異音検査を行う異音検査ステップと、
    前記異音検査ステップにおいて不良と判定されたとき、前記異音検査ステップによる検査の正当性を検証する正当性検証ステップとを有する異音検査方法であって、
    前記正当性検証ステップは、
    前記雑音成分低減ステップにより雑音成分を低減された前記各周波数帯域信号を合成して音信号を復元する音信号復元ステップと、
    復元された前記音信号を、時間周波数領域における該音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換ステップと、
    前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    前記復元された音信号について抽出された前記特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、該復元された音信号に前記既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量判定ステップと、を有し、
    前記特徴量判定ステップにて前記既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、前記異音検査ステップによる検査の正当性を否定することを特徴とする異音検査方法。
  16. 前記特徴量判定ステップは、前記音信号について抽出された前記特徴量が、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量の範囲にあるとき、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれていると判定することを特徴とする請求項15に記載の異音検査方法。
  17. 前記特徴量抽出ステップは、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域の特徴量を抽出することを特徴とする請求項15又は16に記載の異音検査方法。
  18. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の周波数帯域及び/又は周波数帯域幅であることを特徴とする請求項17に記載の異音検査方法。
  19. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の時間幅であることを特徴とする請求項17に記載の異音検査方法。
  20. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の面積であることを特徴とする請求項17に記載の異音検査方法。
  21. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域内の各点を変量とする回帰直線の傾き方向であることを特徴とする請求項17に記載の異音検査方法。
  22. 前記特徴量抽出ステップで抽出される特徴量は、画定された前記領域の真円度であることを特徴とする請求項17に記載の異音検査方法。
  23. 前記特徴量抽出ステップは、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域における前記時間周波数信号強度の積分値を、前記特徴量として抽出することを特徴とする請求項15又は16に記載の異音検査方法。
  24. 前記雑音成分低減ステップは、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出ステップと、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、検出された前記信号区間の信号値を減衰する周波数帯域信号低減ステップと、
    を有することを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  25. 前記雑音成分低減ステップは、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出ステップと、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、各周波数帯域信号のうち検出された前記信号区間以外の区間の信号値を低減する周波数帯域信号低減ステップと、
    を有することを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  26. 前記音信号入力ステップは、同じ被検査音を複数回採取した各音信号のそれぞれを入力し、
    前記信号分割ステップは、前記各音信号のそれぞれを、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割し、
    前記雑音成分低減ステップは、
    前記の複数回採取された各音信号について、同じ周波数帯域の前記周波数帯域信号同士を比較し、全ての前記音信号について周波数帯域信号が存在する信号区間を各周波数帯域ごとに検出する信号区間検出ステップと、
    前記複数回採取された音信号のいずれかに係る、前記の検出した信号区間に存在する周波数帯域信号を抽出する周波数帯域信号抽出ステップと、
    を有することを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の異音検査方法。
  27. 検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力手段と、
    前記音信号入力手段にて入力される前記音信号を記憶する音信号記憶手段と、
    前記音信号に基づき前記検査対象の異音検査を行う異音検査手段と、
    前記異音検査手段において不良と判定されたとき、前記異音検査手段による検査の正当性を検証する正当性検証手段とを備える異音検査装置であって、
    前記正当性検証手段は、
    前記記憶手段に記憶される前記音信号を、時間周波数領域における該音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換手段と、
    前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    既知の雑音成分について予め定められる基準特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、
    前記音信号について抽出された前記特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量手段と、を備え、
    前記特徴量判定手段にて前記既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、前記異音検査手段による検査の正当性を否定することを特徴とする異音検査装置。
  28. 前記特徴量判定手段は、前記音信号について抽出された前記特徴量が、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量の範囲にあるとき、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれていると判定することを特徴とする請求項27に記載の異音検査装置。
  29. 前記特徴量抽出手段は、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域の特徴量を抽出することを特徴とする請求項27又は28に記載の異音検査装置。
  30. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の周波数帯域及び/又は周波数帯域幅であることを特徴とする請求項29に記載の異音検査装置。
  31. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の時間幅であることを特徴とする請求項29に記載の異音検査装置。
  32. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の面積であることを特徴とする請求項29に記載の異音検査装置。
  33. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域内の各点を変量とする回帰直線の傾き方向であることを特徴とする請求項29に記載の異音検査装置。
  34. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の真円度であることを特徴とする請求項29に記載の異音検査装置。
  35. 前記特徴量抽出手段は、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域における前記時間周波数信号強度の積分値を、前記特徴量として抽出することを特徴とする請求項27又は28に記載の異音検査装置。
  36. 前記異音検査手段は、
    前記音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出手段と、
    検出された前記信号区間の信号値を減衰する音信号低減手段と、を備え、
    前記音信号低減手段により信号値が減衰された前記音信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項27〜35のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  37. 前記異音検査手段は、
    前記音信号のうち、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出手段と、
    前記音信号のうち、検出された前記信号区間以外の信号区間の信号値を減衰する音信号低減手段と、を備え、
    前記音信号低減手段により信号値が減衰された前記音信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項27〜35のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  38. 前記異音検査手段は、
    前記音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割手段と、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出手段と、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、検出された前記信号区間の信号値を減衰する周波数帯域信号低減手段と、を備え、
    前記周波数帯域信号低減手段により信号値が減衰された前記各周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項27〜35のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  39. 前記異音検査手段は、
    前記音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割手段と、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出手段と、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、各周波数帯域信号のうち検出された前記信号区間以外の区間の信号値を減衰する周波数帯域信号低減手段と、を備え、
    前記周波数帯域信号低減手段により信号値が減衰された前記各周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項27〜35のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  40. さらに、前記検査対象から被検査音を発生させる被検査音発生手段と、前記被検査音発生手段による被検査音の発生と同期して前記被検査音を採取する音信号取得手段と、を備え、
    前記音信号入力手段は、同じ被検査音を複数回採取した各音信号のそれぞれを入力し、
    前記記憶手段は、前記各音信号をそれぞれ記憶し、
    前記異音検査手段は、
    記憶された前記各音信号のそれぞれを、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割手段と、
    前記複数回採取された各音信号について、同じ周波数帯域の前記周波数帯域信号同士を比較し、全ての前記音信号について周波数帯域信号が存在する信号区間を各周波数帯域ごとに検出する信号区間検出手段と、
    前記複数回採取された音信号のいずれかに係る、前記の検出した信号区間に存在する周波数帯域信号を抽出する周波数帯域信号抽出手段と、を備え
    前記周波数帯域信号抽出手段により抽出された前記周波数帯域信号に基づき、異音検査を行うことを特徴とする請求項27〜35のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  41. 検査対象から生じる被検査音を採取した音信号を入力する音信号入力手段と、
    入力される前記音信号を、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割する信号分割手段と、
    前記各周波数帯域信号の雑音成分を低減する雑音成分低減手段と、
    前記雑音成分低減手段により雑音成分を低減された前記各周波数帯域信号に基づき前記検査対象の異音検査を行う異音検査手段と、
    前記異音検査手段において不良と判定されたとき、前記異音検査手段による検査の正当性を検証する正当性検証手段とを備える異音検査装置であって、
    前記正当性検証手段は、
    前記雑音成分低減手段により雑音成分を低減された前記各周波数帯域信号を合成して音信号を復元する音信号復元手段と、
    復元された前記音信号を、時間周波数領域における該音信号の信号強度を示す時間周波数信号に変換する信号変換手段と、
    前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数信号成分についてその特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    既知の雑音成分について予め定められる基準特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、
    前記復元された音信号について抽出された前記特徴量と、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量と、を比較し、該復元された音信号に前記既知の雑音成分が含まれているか否かを判定する特徴量判定手段と、を備え、
    前記特徴量判定手段にて前記既知の雑音成分が含まれていると判定されたとき、前記異音検査手段による検査の正当性を否定することを特徴とする異音検査装置。
  42. 前記特徴量判定手段は、前記音信号について抽出された前記特徴量が、既知の雑音成分について予め定められた基準特徴量の範囲にあるとき、該音信号に前記既知の雑音成分が含まれていると判定することを特徴とする請求項41に記載の異音検査装置。
  43. 前記特徴量抽出手段は、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域の特徴量を抽出することを特徴とする請求項41又は42に記載の異音検査装置。
  44. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の周波数帯域及び/又は周波数帯域幅であることを特徴とする請求項43に記載の異音検査装置。
  45. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の時間幅であることを特徴とする請求項43に記載の異音検査装置。
  46. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の面積であることを特徴とする請求項43に記載の異音検査装置。
  47. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域内の各点を変量とする回帰直線の傾き方向であることを特徴とする請求項43に記載の異音検査装置。
  48. 前記特徴量抽出手段で抽出される特徴量は、画定された前記領域の真円度であることを特徴とする請求項43に記載の異音検査装置。
  49. 前記特徴量抽出手段は、前記時間周波数信号が所定強度以上となる時間周波数平面の領域を画定し、この領域における前記時間周波数信号強度の積分値を、前記特徴量として抽出することを特徴とする請求項41又は42に記載の異音検査装置。
  50. 前記雑音成分低減手段は、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長よりも短い信号区間を検出する信号区間検出手段と、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、検出された前記信号区間の信号値を減衰する周波数帯域信号低減手段と、
    を備えることを特徴とする請求項41〜49のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  51. 前記雑音成分低減手段は、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、その信号値の絶対値が所定の閾値以下となる信号区間が第1所定長以上連続しない信号区間であって、かつその区間長が第2所定長以上となる信号区間を検出する信号区間検出手段と、
    前記各周波数帯域信号のそれぞれについて、各周波数帯域信号のうち前記検出された信号区間以外の区間の信号値を低減する周波数帯域信号低減手段と、
    を備えることを特徴とする請求項41〜49のいずれか一項に記載の異音検査装置。
  52. さらに、前記検査対象から被検査音を発生させる被検査音発生手段と、前記被検査音発生手段による被検査音の発生と同期して前記被検査音を採取する音信号取得手段と、同じ被検査音を複数回採取され前記音信号入力手段に入力される各音信号をそれぞれ記憶する記憶手段と、を備え、
    前記信号分割手段は、記憶された前記各音信号のそれぞれを、複数の周波数帯域についての各周波数帯域信号に分割し、
    前記雑音成分低減手段は、
    前記の複数回採取された各音信号について、同じ周波数帯域の前記周波数帯域信号同士を比較し、全ての前記音信号について周波数帯域信号が存在する信号区間を各周波数帯域ごとに検出する信号区間検出手段と、
    前記複数回採取された音信号のいずれかに係る、前記の検出した信号区間に存在する周波数帯域信号を抽出する周波数帯域信号抽出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項41〜49のいずれか一項に記載の異音検査装置。
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