JP6281273B2 - 音響装置の検査装置及び音響装置の検査方法並びに音響装置の検査プログラム - Google Patents

音響装置の検査装置及び音響装置の検査方法並びに音響装置の検査プログラム Download PDF

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Description

本発明は、音響装置の検査装置及び音響装置の検査方法並びに音響装置の検査プログラムに関する。
基板などのワークに音声を出力する音響装置、例えばブザーを取り付ける製造工程では、ワークにブザーを取り付けた後で、ブザーの動作チェックを行っている。このとき、ブザーの筐体のカシメが弱かったり、ブザーとワークの固定が甘かったりすると、ブザー音の出力時に筐体やワークの間で共振が発生したり、筐体とワークの間の摩擦が生じたりして異音が発生することがある。
ここで、異音の発生を調べる方法としては、製造ラインの試験工程で作業員が異音の有無を直接に聞いて判定することがあげられる。しかし、この方法では、異音の有無を作業者の感覚で判定することになるので客観性に欠けることがある。そこで、従来では、ブザーを鳴動させたときの音圧と振動を同時に測定することで、ブザー音を精度良く計測できるようにしている。例えば、音声の出力と同時に振動が生じる製品では、振動レベルが高い周波数で算出した音響放射係数を用いて他の周波数の音響放射係数を近似すると、音響放射係数を用いてブザーで発生した音を精度良く取得することが可能になる。
ところが、製品を大量に生産する製造ラインでは、製品をコンベア装置で搬送する際にコンベア装置の振動が製品に伝わって製品が振動することがある。また、工場の騒音、例えば、製品に付着したダストを除去するときに使用するエアーブローの動作音が音圧データとして集音されることがある。これらの音や振動は、ブザーで発生した音の測定精度を低下させる要因になる。そこで、製品からの音圧と振動を測定し、振動の大きさが閾値を越えたときや、製品の一部を駆動させたことに起因して振動が発生したことが明らかな場合には、そのときに発生した音を時系列の音圧データから取り除いて解析する。
特開平1−69921号公報 特開2003−279401号公報 特開2004−317248号公報
しかしながら、一定条件化で音圧データを取り除いてデータ解析を行うためには、振動の閾値を製品の種類毎に予め設定する必要があった。また、製品に個体差がある場合や、製造ラインの環境が変化した場合、複数の製造ラインがある場合に製造ライン毎に振動に偏差が生じる。このために、従来では、製造ライン毎に音圧及び振動を測定して閾値を設定する必要があり、作業効率が悪かった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製品の種類や、製造ラインの環境が変化しても音響装置の試験を確実に行えるようにすることを目的とする。
実施形態の一観点によれば、検査対象物から出力された音声の周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化する第1の正規化部と、前記検査対象物の周囲で発生した振動の周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化する第2の正規化部と、正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べ、振幅が小さい方の値を選択する選択部と、前記選択部で選択したデータを周波数毎に並べた周波数スペクトルからなる1つの検査用スペクトルを作成するスペクトル作成部と、前記検査用スペクトルのピーク高さから前記検査対象物から生じる異音の有無を判定する判定部と、を含むことを特徴とする音響装置の検査装置音響装置の検査装置が実現される。
また、実施形態の別の観点によれば、検査対象物から出力された音声の音圧データを取得し、前記音圧データと同時に前記検査対象物の周囲で発生した振動の振動データを取得し、前記音圧データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、前記振動データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べ、振幅が小さい方の値を取得して周波数毎に並べた周波数スペクトルからなる1つの検査用スペクトルを作成することを特徴とする音響装置の検査方法が実現される。
さらに、実施形態の別の観点によれば、検査対象物から出力された音声の音圧データを取得し、前記音圧データと同時に前記検査対象物の周囲で発生した振動の振動データを取得し、前記音圧データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、前記振動データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べ、振幅が小さい方の値を取得して周波数毎に並べた周波数スペクトルからなる1つの検査用スペクトルを作成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする音響装置の検査プログラムが実現される。
音圧データと振動データを直接に比較して外乱のノイズを除去することが可能になり、閾値を使用せずに外来ノイズの影響を除去した音響装置の検査が可能になる。
図1は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置で作成される音圧の正規化された周波数スペクトルの一例を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置で作成される振動の正規化された周波数スペクトルの一例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置で作成される音圧と振動の正規化された周波数スペクトルの一例を重ねて示すと共に一部を拡大した図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置において音圧と振動の正規化された周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比較する処理の一例を説明する図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置で作成される音圧と振動の正規化された周波数スペクトルの比較結果の一例を示す共に一部を拡大した図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る音響装置の検査装置で作成される音響装置の検査用の音圧の周波数スペクトルの一例を示す図である。
発明の目的及び利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素及び組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、典型例及び説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
図1に製造ラインの概略構成を示す。
製造ライン1は、ワーク2を搬送するコンベア装置3を有すると共に、音響装置の検査装置4(以下、単に検査装置とする)が設けられている。検査装置4は、ワーク2に取り付けられたブザー5などの音響装置で発生した音を収集する集音装置であるマイクロフォン6と、ワーク2で発生した振動を検出する振動センサ7を有する。振動センサ7は、ワーク2に非接触で振動を計測できるタイプを使用することが好ましい。
検査装置4は、マイクロフォン6と振動センサ7で取得したデータを解析するデータ処理装置8を有する。データ処理装置8は、音圧データが入力される第1の入力回路11を有する。第1の入力回路11は、例えば、マイクロフォン6から出力されるアナログの音圧データをデジタル変換するA/D(Analog/digital)変換器を有する。第1の入力回路11の出力は、第1のフーリエ変換器12に接続されている。第1のフーリエ変換器12は、時系列の音圧データを高速フーリエ変換(FFT)して周波数スペクトルを作成する。第1のフーリエ変換器12の出力は、第1の正規化部13に接続されている。第1の正規化部13は、音圧データの周波数スペクトルの振幅の最大値が「1」になるように音圧データの周波数スペクトルを正規化する。
また、データ処理装置8は、振動データが入力される第2の入力回路21を有する。第2の入力回路21は、例えば、振動センサ7から出力されるアナログの振動データをデジタル変換するA/D変換器を有する。第2の入力回路21の出力は、第2のフーリエ変換器22に接続されている。第2のフーリエ変換器22は、時系列の振動データを高速フーリエ変換して周波数スペクトルを作成する。第2のフーリエ変換器22の出力は、第2の正規化部23に接続されている。第2の正規化部23は、振動データの周波数スペクトルの振幅の最大値が「1」になるように振動データの周波数スペクトルを正規化する。
2つの正規化部13,23の出力は、最小値選択部25に接続されている。最小値選択部25は、2つの正規化された周波数スペクトルの振幅の最小値を所定の周波数ビン毎に選択し、振幅の最小値で構成された周波数スペクトル(再構築スペクトル)を構築する。最小値選択部25の出力は、スペクトル作成部である乗算器26に接続されている。乗算器26には、再構築スペクトルと、正規化された音圧データの周波数スペクトルとが入力され、音圧スペクトルが作成される。乗算器26には、判定部27に接続されている。判定部27は、音圧スペクトルのピーク位置やピーク高さに基づいて、ブザー5が正常に動作しているか決定し、ワーク2の良否を判定する。
なお、検査装置4のデータ処理装置8は、コンピュータに音響装置の検査プログラムを実行させることにより各部12,13,22,23,25〜27を実現するように構成しても良い。この場合のデータ処理装置8は、不図示の記憶装置に記憶させた音響装置の検査プログラムをCPU(Central Processing Unit)に展開することで各部12,13,22,23,25〜27の処理を実行させる。また、音響装置の検査プログラムは、データ処理装置8外に配置された不図示の記憶装置に保存され、必要に応じてデータ処理装置8に読み込んでも良い。
ワーク2としては、例えば、情報端末や、携帯機器、家電製品など様々な製品があげられる。音響装置は、信号入力によって所定の音声を出力できるものであれば良く、ブザー5に限定されない。ブザー5は、例えば、複数のパーツを組み合わせた筐体を有し、筐体をワーク2に固定させることによってワーク2に取り付けられている。また、ブザー5の筐体は、1つのパーツから製造しても良い。ブザー5のワーク2への取り付けは、不図示の前工程で実施される。また、検査装置1の近くには、エアーブロー装置や、他の装置の動作音などの工場騒音の発生源31が配置されている。
次に、検査装置4を用いたワーク2の異音検査方法について説明する。
まず、ワーク2には、前工程でブザー5が取り付けられた後、コンベア装置3に搬入される。コンベア装置3上のワーク2が検査位置に到達したら、データ処理装置8又は他の不図示の制御装置の指令に基づいてブザー5が鳴動させられる。このときにブザー音と共にワーク2やブザー5に振動が発生する。以下において、ブザー音は、例えば、1kHzの周波数を有するものとする。また、エアーブロー音などの工場騒音が3kHzに発生しているものとする。また、コンベア装置3などに試験に悪影響を及ぼす振動は発生していない。
図2のステップS101Aに示すように、検査装置4は、マイクロフォン6を使用してブザー音の音圧データを収集する。このとき、マイクロフォン6には、ブザー5から出力されるブザー音の他に、ブザー5やワーク2から生じる他の音や、工場騒音の発生源31などの異音も取り込まれる。ステップS102Aで、音圧データは、第1の入力回路11でデジタル変換され、第1のフーリエ変換器12で高速フーリエ変換されることによって周波数スペクトルに変換される。さらに、ステップS103Aでは、周波数スペクトルが第1の正規化部13において振幅の最大値が「1」となるように正規化される。これによって、例えば、図3に示すような音圧データの正規化スペクトルFS1が得られる。図3は、横軸が周波数、縦軸が振幅になっており、マイクロフォン6で集音した音圧の周波数変化を示している。音圧の振幅の正規化スペクトルFS1は、ブザー音の1kHzにピークを有する。正規化スペクトルFS1は、最大ピークである周波数1kHzのピークが最大値「1」になるように振幅が正規化されている。さらに、ブザー音の高調波に相当する2kHzと3kHzのそれぞれにもピークが発生している。3kHzのピークは、ブザー音の高調波のピークに異音のピークが重なることにより、振幅が大きくなっている。
また、ステップS101Aの音圧データの取得と同時に、ステップS101Bにおいて、振動センサ7がワーク2やブザー5に生じた振動を取得する。ステップS102Bで、振動データは、第2の入力回路21でデジタル変換され、第2のフーリエ変換器22で高速フーリエ変換されることによって周波数スペクトルに変換される。さらに、ステップS103Bで、振動データは、第2の正規化部23において振幅の最大値が「1」となるように正規化される。これによって、例えば、図4に示すような振動データの正規化スペクトルFS2が得られる。図4は、横軸が周波数、縦軸が振幅になっており、振動センサ7で計測した振動の振幅の周波数変化を示している。振動の正規化スペクトルFS2は、ブザー音の1kHzにピークを有する。正規化スペクトルFS2は、最大ピークである周波数1kHzのピークが最大値「1」になるように振幅が正規化されている。さらに、ブザー音の高調波に相当する2kHzと3kHzのそれぞれにもピークが発生している。
ここで、2つの正規化スペクトルFS1,FS2について説明する。
ブザー5を鳴動させたときにブザー5の筐体が振動等すると、本来のブザー音に加えて異音が発生する。ブザー5の筐体が振動することから、振動センサ7にも振動波形が現れる。即ち、ブザー5の鳴動に伴って異音が発生した場合には、音圧データと振動データに同様の反応が現れる。例えば、図3及び図4の正規化スペクトルFS1,FS2では、ブザー5が1kHzで鳴動し、これに伴う高調波が2kHzと3kHzで発生している。2kHz及び3kHzの高調波を示すピークは、2つの正規化スペクトルFS1,FS2のそれぞれに発生している。
また、エアーブロー音などの工場騒音が発生した場合には、工場騒音がマイクロフォン6に取り込まれて周波数スペクトルにピークが発生する。エアーブロー音が3kHzの周波数の騒音であった場合には、図3の音圧の正規化スペクトルのピークが、工場騒音に相当する音圧、例えば、15db程度高くなる。3kHzには、ブザー5の異音もピークを有するので、工場騒音と異音が重畳されたピークが大きくなっている。一方、エアーブローに伴う空気振動は、ワーク2などの個体を振動させるパワーはない。従って、エアーブロー音による振動データの変化は生じない。このため、図4の振動の正規化スペクトルFS1は、3kHzにブザー音に起因するピークのみが現れる。このことから、振動の正規化スペクトルFS2の3kHzのピーク高さは、音圧データの正規化スペクトルFS1に比べて低くなる。
ここで、コンベア装置3に振動が発生したときには、その振動が振動センサ7で検出されることがある。この場合には、振動の正規化スペクトルFS2にコンベア装置3の振動に起因するピークが現れる。一方、コンベア装置3が振動しても音が発生しなければ、マイクロフォン6で収集する音圧データには影響が出ない。このために、音圧データの正規化スペクトルFS1にコンベア装置3の振動に起因するピークは発生しない。このように、音圧の正規化スペクトルFS1と、振動の正規化スペクトルFS2では、同じ測定対象からのデータを同時に取得した場合に、外来ノイズの発生源の種類に応じて一方の正規化スペクトルFS1,FS2のみに変動が生じる。
次に、図2のステップS104で、最小値選択部25で2つの正規化スペクトルFS1,FS2を比較し、最小値のみを抽出して再構築スペクトルを作成する。ここで、2つの正規化スペクトルFS1,FS2は、振幅の最大値の周波数がブザー音の周波数である1kHzであり、振幅の最大値となる1kHzのピーク値が「1」になるように正規化されているために直接比較することができる。2つの正規化スペクトルFS1,FS2の最小値を採用するのは、2つのスペクトルのうち、ピーク値が小さい方は、外来ノイズの影響を全く受けていないか、外来ノイズの影響を殆ど受けていないと考えられるためである。図3及び図4の正規化スペクトルFS1,FS2の例では、工場騒音の影響は、音圧の正規化スペクトルFS1のみに現れ、振動の正規化スペクトルFS2には現れない。従って、2つの正規化スペクトルFS1,FS2のうち、ピーク値が相対的に小さい振動の正規化スペクトルFS2のピーク値を採用すれば、工場騒音の影響を除去できる。また、コンベア装置3の振動に起因する外来ノイズが生じた場合、振動による外来ノイズの影響は、振動の周波数スペクトルFS2のみに現れ、音圧の周波数スペクトルFS1には現れない。従って、2つの正規化スペクトルFS1,FS2のうち、ピーク値が相対的に小さい音圧の正規化スペクトルFS1のピーク値を採用すれば、コンベア装置3の振動の影響を除去できる。
さらに、ステップS105で、最小値選択部25が、2つの正規化スペクトルFS1,FS2の最小値のみを選択したスペクトル(再構築スペクトル)を構築する。この後、ステップS106で、音圧の正規化スペクトルFS1を用いて再構築スペクトルの縦軸を音圧レベルに変換する。これによって、工場騒音や外部の振動に起因するノイズが除去された音圧の周波数スペクトルが得られる。この後、ステップS107で、判定部27において、THD(Total Harmonic Distortion:全高周波歪み率)やdBc(基本波に対する高周波等の相対比率)を使用し、ブザー5や、ブザー5が取り付けられたワーク2の良否判断を行う。
ここで、ステップS104の最小値選択処理と、ステップS105のスペクトル再構築処理の具体例について、図5のグラフと、図6の表、図7を参照して説明する。なお、図5は、2つの正規化スペクトルFS1,FS2を重ねて表示したものである。さらに、横軸の2700Hzから3300Hzまでの波形を抽出して拡大して示している。図6は、2つの正規化スペクトルFS1,FS2の周波数ビン毎の最小値を抽出した結果を示す。図7は、再構築スペクトルRF1を示し、下側部分は上側部分の周波数領域の一部を拡大して示している。そして、図5、図7においては、横軸が周波数を示し、縦軸が振幅を示す。
図5に示すように、2つの正規化スペクトルFS1,FS2を重ねて表示すると、周波数によっては正規化スペクトルFS1の振幅が大きいところと、正規化スペクトルFS2の振幅が大きいところがある。特に、周波数3000Hzでは、音圧の正規化スペクトルFS1の振幅が、振動の正規化スペクトルFS2の振幅より大きくなっている。これは、音圧の正規化スペクトルFS1には、ブザー音に加えて工場騒音がマイクロフォン6を通して収集されているためである。
図6に示すように、最小値選択部25は、周波数ビンを10Hzとし、この範囲内の音圧と振動の振幅の最小値を抽出し、両者を比較する。例えば、2700Hzでは、音圧の振幅が−70であり、振動の振幅が−55である。従って、2700Hzでは、音圧の−70が選択される。同様に、3000Hzでは振動の−30が選択され、3010Hzでは振動の−35が選択される。そして、2つの正規化スペクトルFS1,FS2の最小値のみを採用して正規化スペクトルを再構築すると、図7に示すような、再構築スペクトルRF1が作成される。再構築スペクトルRF1では、3kHzは振幅が小さい振動の正規化スペクトルFS2の値が採用されるので、ピークに含まれる工場騒音の成分が取り除かれ、ブザー5からの音の成分のみが残る。
さらに、ステップS106の音圧スペクトルの作成処理と、ステップS107の判定処理の具体例について、図8を参照して説明する。図8は、検査用スペクトルである音圧の周波数スペクトルFS0の一例が示されている。図8の横軸は、周波数を示し、縦軸は音圧レベルを示す。
乗算器26が再構築スペクトルRF1と音圧の正規化スペクトルFS1に基づいて図8に示すような音圧の周波数スペクトルFS0を作成したら、判定部27が音圧の周波数スペクトルFS0に基づいて、ブザー5を評価する。判定処理には、例えば、THDや、dBcを用いる。例えば、THDは、基本波の実効値V1と、第2次高調波の実効値V2、第3の字高調波の実効値V3を用いて、以下のように算出できる。
Figure 0006281273
THDの値が小さいほど、歪みが小さくなるので、THDの値が予め定められた閾値以下であれば、ブザー5及びワーク2は正常であると判定する。一方、THDの値が閾値を上回ったときには、ブザー5又はワーク2に異常があると判定する。
以上、説明したように、検査装置4は、音圧データと同時に振動データを取得し、2つのデータの周波数スペクトルを正規化したので、2種類の周波数スペクトルを直接比較することが可能になる。これによって、2つの周波数スペクトルの最小値を採用して検査用の周波数スペクトルを作成することが可能になり、外来ノイズを除去することが可能になる。閾値を使用せずに外来ノイズの影響を除去した音響装置の検査が可能になる。また、所定の周波数ビン毎に最小値を選択するようにしたので、情報の処理量を低減しつつ、外来ノイズを除去できる。
ここで挙げた全ての例及び条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明及び概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例及び条件に限定することなく解釈するものであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換及び変形を施すことができる。
2 ワーク
5 ブザー
4 検査装置
8 データ処理装置
12 第1の正規化部
22 第2の正規化部
25 最小値選択部
26 乗算器(スペクトル作成部)
27 判定部
FS0 音圧の周波数スペクトル(検査用スペクトル)
FS1,FS2 正規化スペクトル

Claims (5)

  1. 検査対象物から出力された音声の周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化する第1の正規化部と、
    前記検査対象物の周囲で発生した振動の周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化する第2の正規化部と、
    正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べ、振幅が小さい方の値を選択する選択部と、
    前記選択部で選択したデータを周波数毎に並べた周波数スペクトルからなる1つの検査用スペクトルを作成するスペクトル作成部と、
    前記検査用スペクトルのピーク高さから前記検査対象物から生じる異音の有無を判定する判定部と、
    を含むことを特徴とする音響装置の検査装置。
  2. 前記選択部は、所定幅の周波数ビン毎に正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の音響装置の検査装置。
  3. 検査対象物から出力された音声の音圧データを取得し、
    前記音圧データと同時に前記検査対象物の周囲で発生した振動の振動データを取得し、
    前記音圧データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、
    前記振動データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、
    正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べ、振幅が小さい方の値を取得して周波数毎に並べた周波数スペクトルからなる1つの検査用スペクトルを作成することを特徴とする音響装置の検査方法。
  4. 正規化した2つの周波数スペクトルの振幅は所定幅の周波数ビン毎に比較することを特徴とする請求項3に記載の音響装置の検査方法
  5. 検査対象物から出力された音声の音圧データを取得し、
    前記音圧データと同時に前記検査対象物の周囲で発生した振動の振動データを取得し、
    前記音圧データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、
    前記振動データの周波数スペクトルを振幅の最大値を使用して正規化し、
    正規化した2つの周波数スペクトルの振幅を周波数毎に比べ、振幅が小さい方の値を取得して周波数毎に並べた周波数スペクトルからなる1つの検査用スペクトルを作成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする音響装置の検査プログラム。
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