JP2014010139A - 動的設備の状態監視システムとその方法とそのプログラム - Google Patents

動的設備の状態監視システムとその方法とそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】狭空間や剛性の低い環境下において駆動周波数の近い複数の機械設備が配置、駆動されている場合に、簡易な構成で処理を行いつつも、高精度かつ高効率な状態監視が可能な動的設備の状態監視システムを提供する。
【解決手段】n個のセンサと、n個の合成振動波形信号を得る周波数測定部と、n個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理部と、n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理部と、スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理部と、正常時の振動波形信号と振動波形信号の差分を演算する残差算出部と、振動源が正常でないと判断する評価部とを有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の振動源から発生する合成振動波形を分離可能な動的設備の状態監視システムとその方法に係り、特に、振動波形の距離減衰による強度変化もしくは音響波形の指向性変化を利用して合成振動波形を分離することで、不具合を生じている動的設備の特定を可能とする動的設備の状態監視システムとその方法及びそのプログラムに関する。
回転電動機などの回転装置や歯車あるいは転がり軸受などを備えた動的設備においては、回転軸のミスアライメント、アンバランス又は軸受損傷、あるいは歯車部品における傷や摩耗によって正常時とは異なる振動が生じることが知られている。
このような振動は、電源周波数、回転軸の回転数、傷や摩耗の発生箇所によってその周波数や強度(振幅)が異なり、正常時に検知される振動周波数の特性とも異なるが、正常時に検知される振動周波数と混在して合成振動波形として測定されるため、異常に基づく振動波形のみを分離して分析しなければ発生している異常を検出することも困難であり、その内容を把握することも困難であった。
また、実際に生産工場や化学プラントあるいは発電所等のように複数の動的設備が同一のフロアに設置され、近接した駆動周波数にて駆動されている状態も一般的であり、それらの設備の状態監視を行うことも必要とされている。
このような状況下、従来、合成された波形から特定の波形を分離するための技術が開発されてきている。
例えば、特許文献1には、「波形分離プログラム及びその方法」という名称で、一方の基本波形すら判明していない複数合成波形が存在する場合にそれぞれの波形を波形分離することができる波形分離プログラムが開示されている。
この波形分離プログラムでは、一方の合成波形を任意倍して他方の合成波形との差分波形を求め、求めた差分波形のうち1つを基本波形として仮定しこの基本候補波形を任意倍して分離波形として仮定しこの分離候補波形と同様に求めたもう一つの分離候補波形とを合成し合成波形として仮定し合成候補波形と一方の合成波形とを比較して第1の誤差を求め、他方の合成波形とも比較して第2の誤差を求め、前記各手段を用いて複数の合成候補波形を求めて第1の誤差及び第2の誤差をさらに求め、その中で第1の誤差と第2の誤差との和が最小であり、合成候補波形を構成する基本候補波形の組み合せが同じである合成候補波形を特定し、その合成候補波形を構成する分離候補波形を出力するというものである。
また、特許文献2では、「雑音除去方法、雑音除去装置及びプログラム」という名称で楽音信号にパルシブなノイズを除去する技術が開示されている。この技術では、パルシブなノイズが含まれる一定時間分、パルシブなノイズが含まれない部分をシフトして合成波形を得るというものである。
特開2007−93555号公報 特開2005−309464号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、時間領域における処理であり、合成候補波形の誤差の和を最小にするという原理で波形の分離を行っている。この手法では分離すべき周波数成分を完全に取除く事(0にする事)は不可能であるという課題があった。また、特許文献1に開示される発明では動的設備の正常時に発生する統計的にランダムな性質を持つ周波数成分を正確に再現または残す事は不可能であるため設備の状態監視を高精度で行う上で必要な情報を得ることは困難であるという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、異常に基づく振動波形を分離するというよりも削除してしまうので、重畳している正常な振動波形も削除されてしまい、精度の高い分離方法とは言えないという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、狭空間や剛性の低い環境下において駆動周波数の近い複数の機械設備が配置、駆動されている場合に、簡易な構成で処理を行いつつも、高精度かつ高効率な状態監視が可能な動的設備の状態監視システムとその方法とそのプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明に係る動的設備の状態監視システムにおいては、n(n:2以上の整数)個の振動源が存在する環境において、前記n個の振動源から発生する合成振動波形を分離可能な動的設備の状態監視システムであって、前記n個の振動源から発生する合成振動波を受信可能なn個のセンサと、前記n個のセンサで受信された合成振動波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号を得る周波数測定部と、前記周波数測定部で得られたn個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換(以下、高速フーリエ変換をFFTと呼ぶこともある)処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理部と、前記高速フーリエ変換処理部で得られたn個のスペクトル信号に対して、スペクトル毎に強度の差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0として、前記n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理部と、前記波形分離処理部で分離されたスペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理部と、予め測定した前記最も近接する振動源からの正常時の振動波形信号と前記逆高速フーリエ変換処理部から得られた前記最も近接する振動源からの振動波形信号の差分を演算する残差算出部と、前記差分を所望のしきい値と比較して前記しきい値よりも乖離が大きい場合に前記最も近接する振動源が正常でないと判断する評価部と、を有することを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視システムにおいては、波形分離処理部がスペクトル毎にn個のスペクトル信号とそのスペクトル信号自身以外のスペクトル信号との差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0とすることで、距離減衰したスペクトル信号を排除して、そのセンサからの合成振動波形信号の中から最も近接する振動源からの振動波形信号として抽出する作用を有する。また、残差出力部で最も近接する振動源の振動波形信号とその正常時の振動波形信号の差分を演算し、評価部はその差分と所望のしきい値を比較して乖離が大きい場合に、先の波形分離処理部で抽出された振動波形信号が正常ではないと評価し、もって最も近接する振動源が正常でないと評価するように作用する。
なお、n個のセンサは必ずしもn個存在しなければならないというわけではなく、動的設備が定常状態で稼働されている場合では例えば1個のセンサをn個の振動源近傍にそれぞれ移動させて、すなわち、n回受信に用いてもよい。すなわち、このn個のセンサは「のべ」n個のセンサの意である。以下、本願において同様である。
請求項2記載の発明に係る動的設備の状態監視システムは、請求項1記載の動的設備の状態監視システムにおいて、前記周波数測定部で得られたn個の合成振動波形信号をエンベロープ処理するエンベロープ処理部を備え、前記高速フーリエ変換処理部は、前記エンベロープ処理部で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号を入力し、高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得ることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視システムにおいては、請求項1に記載の発明に作用に加えて、エンベロープ処理部が生の合成振動波形の絶対値をとり、これをローパスフィルタによって平滑化する作用を有する。従って、このエンベロープ処理部で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号には細かい衝撃的な自由振動成分は存在せず、動的設備の回転軸のミスアライメント、アンバランス又は軸受損傷、あるいは歯車部品における傷や摩耗に伴う異常振動の周期にあわせて緩やかに変動する合成振動波形信号が生成されるという作用を有する。
請求項3記載の発明に係る動的設備の状態監視システムは、請求項1又は請求項2に記載の動的設備の状態監視システムにおいて、前記n個の振動源から発生する合成振動波は合成音波であり、前記合成振動波を受信可能なn個のセンサに代えて、単一指向性を備えて方向をn回転換して前記n個の振動源から発生する合成音波を測定可能なマイクロホンを備え、前記周波数測定部は、前記マイクロホンで受信された合成音波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号としてn個の合成音波形信号を得ることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視システムにおいては、請求項1及び請求項2におけるn個のセンサに代えて、単一指向性を備えた1個のマイクロホンを用いて方向をn回転換させることで、この1個のマイクロホンがn個のセンサと同様にn個の合成音波形信号を受信するように作用する。その他の作用は、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用と同様である。
請求項4記載の発明に係る動的設備の状態監視方法は、n(n:2以上の整数)個の振動源が存在する環境において、前記n個の振動源から発生する合成振動波形を分離可能な動的設備の状態監視方法であって、前記n個の振動源から発生する合成振動波をn個のセンサを用いて受信する受信工程と、前記受信工程で受信された合成振動波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号を得る周波数測定工程と、前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理工程と、前記高速フーリエ変換処理工程で得られたn個のスペクトル信号に対して、スペクトル毎に強度の差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0として、前記n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理工程と、前記波形分離処理工程で分離されたスペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理工程と、予め測定した前記最も近接する振動源からの正常時の振動波形信号と前記逆高速フーリエ変換処理工程で得られた前記最も近接する振動源からの振動波形信号の差分を演算する残差算出工程と、前記差分を所望のしきい値と比較して前記しきい値よりも乖離が大きい場合に前記最も近接する振動源が正常でないと判断する評価工程と、を有することを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視方法においては、請求項1に記載される動的設備の状態監視システムを方法発明として捉えたものであり、その作用は請求項1記載の動的設備の状態監視システムと同様である。
請求項5記載の発明に係る動的設備の状態監視方法は、請求項4記載の動的設備の状態監視方法において、前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号をエンベロープ処理するエンベロープ処理工程を備え、前記高速フーリエ変換処理工程は、前記エンベロープ処理工程で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号を入力し、高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得ることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視方法においては、請求項2に記載される動的設備の状態監視システムを方法発明として捉えたものであり、その作用は請求項2記載の動的設備の状態監視システムと同様である。
請求項6記載の発明に係る動的設備の状態監視方法は、請求項4又は請求項5に記載の動的設備の状態監視方法において、前記n個の振動源から発生する合成振動波は合成音波であり、前記受信工程は、前記n個のセンサに代えて、単一指向性を備えて方向をn回転換して前記n個の振動源から発生する合成音波をマイクロホンを用いて測定する受信工程であって、前記周波数測定工程は、前記マイクロホンで受信された合成音波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号としてn個の合成音波形信号を得ることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視方法においては、請求項3に記載される動的設備の状態監視システムを方法発明として捉えたものであり、その作用は請求項3記載の動的設備の状態監視システムと同様である。
請求項7記載の発明に係る動的設備の状態監視プログラムは、コンピュータによって、n個の振動源から発生する合成振動波形を分離するために実行される動的設備の状態監視プログラムであって、前記n個の振動源から発生する合成振動波をn個のセンサを用いて受信する受信工程と、前記受信工程で受信された合成振動波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号を得る周波数測定工程と、前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理工程と、前記高速フーリエ変換処理工程で得られたn個のスペクトル信号に対して、スペクトル毎に強度の差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0として、前記n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理工程と、前記波形分離処理工程で分離されたスペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理工程と、予め測定した前記最も近接する振動源からの正常時の振動波形信号と前記逆高速フーリエ変換処理工程で得られた前記最も近接する振動源からの振動波形信号の差分を演算する残差算出工程と、前記差分を所望のしきい値と比較して前記しきい値よりも乖離が大きい場合に前記最も近接する振動源が正常でないと判断する評価工程と、を実行させることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視プログラムにおいては、請求項4に記載される動的設備の状態監視方法をプログラム発明として捉えたものであり、その作用は請求項4記載の動的設備の状態監視方法と同様である。
請求項8記載の発明に係る動的設備の状態監視プログラムは、前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号をエンベロープ処理するエンベロープ処理工程を備え、前記高速フーリエ変換処理工程は、前記エンベロープ処理工程で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号を入力し、高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得ることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視プログラムにおいては、請求項5に記載される動的設備の状態監視方法をプログラム発明として捉えたものであり、その作用は請求項5記載の動的設備の状態監視方法と同様である。
という作用を有する。
請求項9記載の発明に係る動的設備の状態監視プログラムは、前記n個の振動源から発生する合成振動波は合成音波であり、前記受信工程は、前記n個のセンサに代えて、単一指向性を備えて方向をn回転換して前記n個の振動源から発生する合成音波をマイクロホンを用いて測定する受信工程であって、前記周波数測定工程は、前記マイクロホンで受信された合成音波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号としてn個の合成音波形信号を得ることを特徴とする。
上記構成の動的設備の状態監視プログラムにおいては、請求項6に記載される動的設備の状態監視方法をプログラム発明として捉えたものであり、その作用は請求項6記載の動的設備の状態監視方法と同様である。
本発明の請求項1記載の動的設備の状態監視システムによれば、センサで受信され周波数測定部で得られた合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理部でスペクトル信号に変換されるため、スペクトル毎に波形分離処理部でn個の振動源の合成振動波形信号から最も近接する振動源の振動波形信号を抽出することができる。従って、異常となっている振動源の特定が容易かつ高精度に可能である。
また、センサを振動源の数と同じn個設けることで、いずれの振動源から異常な振動が発生しているかどうかを検出することが可能であり、波形分離処理部はそのn個のセンサから受信されたn個の合成振動波形信号を前述のとおりスペクトル毎にそれぞれ比較して差分を取り、すべての差分が正となるスペクトルのスペクトル信号を残して、他のセンサから得られたそのスペクトルのスペクトル信号は0とすることで、振動源に最も近接したセンサで受信された振動波形のみを効率的かつ高精度に分離することができる。
従って、動的設備の状態監視を効率的かつ高精度に実施することができる。
さらには、動的設備の状態監視が効率的かつ高精度に実施できるようになれば、時間基準保全(Time Based Maintenance)に基づいたメンテナンス政策においてはメンテナンス間隔をより長くすることができるためメンテナンスコストの抑制や予備部品の在庫数を抑えることができるなどの長所がある。さらに、設備等の突発停止を未然に防ぐことができるため損傷を最小限に抑えることができる。
本発明の請求項2記載の動的設備の状態監視システムによれば、エンベロープ処理部を備えて合成振動波形を平滑化することができるので、ノイズを排除することができる。従って、合成振動波形に含まれる異常振動に伴う振動波形をより抽出し易くすることができる。
本発明の請求項3記載の動的設備の状態監視システムによれば、動的設備から生じる音を測定することでその状態監視を行うことが可能である。また、単一指向性のあるマイクロホンを用いて方向をn回転換することでセンサの数を減らすことが可能であり、より効率的に音波の測定を行うことができると同時にコストを低減することも可能である。
本発明の請求項4記載の動的設備の状態監視方法は請求項1に記載の動的設備の状態監視システムを方法発明として捉えた発明であるので、その効果は請求項1に記載の発明と同様である。
本発明の請求項5記載の動的設備の状態監視方法は請求項2に記載の動的設備の状態監視システムを方法発明として捉えた発明であるので、その効果は請求項2に記載の発明と同様である。
本発明の請求項6記載の動的設備の状態監視方法は請求項3に記載の動的設備の状態監視システムを方法発明として捉えた発明であるので、その効果は請求項3に記載の発明と同様である。
本発明の請求項7記載の動的設備の状態監視プログラムは請求項4に記載の動的設備の状態監視方法をソフトウェア発明として捉えた発明であるので、その効果は請求項4に記載の発明と同様である。
本発明の請求項8記載の動的設備の状態監視プログラムは請求項5に記載の動的設備の状態監視方法をソフトウェア発明として捉えた発明であるので、その効果は請求項5に記載の発明と同様である。
本発明の請求項9記載の動的設備の状態監視プログラムは請求項6に記載の動的設備の状態監視方法をソフトウェア発明として捉えた発明であるので、その効果は請求項6に記載の発明と同様である。
本発明の実施の形態に係る動的設備の状態監視システムのシステム構成図である。 本実施の形態に係る動的設備の状態監視システムにおける信号処理のフローチャートである。 本発明の実施例の動的設備の状態監視システムを用いて行った試験における監視対象の動的設備の構成とセンサの配置を示す写真である。 (a)は実施例における主軸側のセンサ及び振動周波数測定部で測定された合成振動波形信号を示すグラフであり、(b)は従動軸側のセンサ及び振動周波数測定部で測定された合成振動波形信号を示すグラフである。 (a)は実施例における主軸側のセンサ及び振動周波数測定部で測定された合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理部によって高速フーリエ変換処理した合成振動波形スペクトル信号を示すグラフであり、(b)は実施例における従動軸側のセンサ及び振動周波数測定部で測定された合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理部によって高速フーリエ変換処理した合成振動波形スペクトル信号を示すグラフである。(c)は(a)に示す合成振動波形スペクトル信号の周波数の0から70Hzの範囲を抽出したグラフであり、(d)は(b)に示す合成振動波形スペクトル信号の周波数の0から70Hzの範囲を抽出したグラフである。 実施例における主軸側の合成振動波形スペクトル信号を波形分離処理部で波形分離処理した分離振動波形スペクトル信号と波形分離処理されたスペクトル信号を併せて示すグラフである。 実施例における従動軸側の合成振動波形スペクトル信号を波形分離処理部で波形分離処理した分離振動波形スペクトル信号と波形分離処理されたスペクトル信号を併せて示すグラフである。 実施例における主軸側の合成振動波形信号と分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号とを比較して示すグラフである。 (a)は図8で示した主軸側の合成振動波形信号と分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号との差分をとった差分振動波形信号を示すグラフであり、(b)は同様に従動軸側の合成振動波形信号と分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号との差分をとった差分振動波形信号を示すグラフである。 (a)は図9(a)に示される差分振動波形信号を高速フーリエ変換して、周波数を横軸としてパワースペクトル表示したグラフであり、(b)は図9(b)に示される差分振動波形信号を高速フーリエ変換して、周波数を横軸としてパワースペクトル表示したグラフである。
本発明の実施の形態に係る動的設備の状態監視システムについて、図1を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る動的設備の状態監視システムのシステム構成図であり、図2は本実施の形態に係る動的設備の状態監視システムにおける信号処理のフローチャートである。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る動的設備の状態監視システム1は、センサ2、振動周波数測定部3、エンベロープ処理部4、高速フーリエ変換処理部5、波形分離処理部6、逆高速フーリエ変換処理部7、残差算出部8、評価部9及び出力部10と、測定信号や処理された信号、更には評価のためのしきい値を格納する合成振動波形データベース11、スペクトルデータベース12、分離波動波形データベース13及び評価データベース14を備えている。これらの構成要素からなる動的設備の状態監視システム1はセンサ2は複数設けられるものの演算処理としては複雑なものはなく、簡素に構成されるものである。
以下、これらのシステム構成について図1及び図2を参照しながら説明する。
図1において、センサ2は複数設けられ、振動源である電動回転機等が複数設置されている動的設備の近傍に配置されて、複数の振動源からの合成振動波形を検知する(図2におけるステップS1)。振動周波数測定部3は、これら複数のセンサ2からの合成振動波を処理してセンサ2の数(この数を本実施の形態においてはn個とする)ほど合成振動波形信号15を得る(図2におけるステップS1)。個々のセンサ2は振動源に対応させるため、その数は振動源の数に一致させておくことが望ましい。なぜなら、本手法は振動波形の距離減衰による強度変化を利用して合成波形を高精度に分離しているからである。各振動源の振動を近傍にてそれぞれ計測する必要があるため、各振動源の個数に対応したセンサ2の数が必要である。しかしながら、状態監視対象の動的設備が定常状態で稼動されている場合では、単一のセンサを各振動源の近傍に移動し計測時刻をずらすことも可能であり、同等の効果を得ることができる。すなわち、センサ2の数は「のべ数」でよいのである。なお、本実施の形態では動的設備に含まれる振動源もn個であるものとする。
なお、振動周波数測定部3で生成された合成振動波形信号15は、振動周波数測定部3によって合成振動波形データベース11に読み出し可能に格納される(図2におけるステップS1)。
振動周波数測定部3で生成されたセンサ2の数、すなわちn個の合成振動波形信号15は、エンベロープ処理部4によって振動周波数測定部3から直接又は合成振動波形データベース11から読み出されて入力され、平滑処理される(図2におけるステップS2)。
エンベロープ処理部4はいわゆるローパスフィルタを備えており、衝撃的な高周波成分を排除し、動的設備の回転軸のミスアライメントやアンバランスあるいは軸受損傷による異常振動、あるいは歯車部品における傷や摩耗に伴う異常振動の周期にあわせて緩やかに変動する合成振動波形信号を生成することが可能である。このエンベロープ処理部4は必ずしも必要ではないが、動的設備の状態監視システム1による異常の有無の評価の精度を向上させるためには設けておくことが望ましい。エンベロープ処理部4で生成されたエンベロープ処理後合成波動波形信号16は、エンベロープ処理部4によって合成振動波形データベース11に読み出し可能に格納される(図2におけるステップS2)。
エンベロープ処理部4で生成されたn個のエンベロープ処理後合成波動波形信号16は、あるいはエンベロープ処理部4を備えていない場合は、振動周波数測定部3で生成されたn個の合成振動波形信号は、高速フーリエ変換処理部5によってそれぞれエンベロープ処理部4あるいは振動周波数測定部3から直接又は合成振動波形データベース11から読み出され、高速フーリエ変換処理部5に入力される(図2におけるステップS3)。
高速フーリエ変換処理部5では、n個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理してn個の合成振動波形スペクトル信号17を生成する(図2におけるステップS3a)。さらに、高速フーリエ変換処理部5では、この合成振動波形スペクトル信号17の実効値(二乗平均値)を演算して、合成振動波形パワースペクトル信号24を得る(図2におけるステップS3b)。この合成振動波形パワースペクトル信号24は、スペクトル毎にその強度を信号として含んでいるため、複数の振動源のいずれかから発生する固有の振動数を備えた異常について解析する場合には適していると考えられる。この高速フーリエ変換処理部5で生成された合成振動波形スペクトル信号17及び合成振動波形パワースペクトル信号24は、高速フーリエ変換処理部5によってスペクトルデータベース12に読み出し可能に格納される(図2におけるステップS3a,S3b)。
なお、図2に示されるとおり、ステップS1からステップS3a,S3bまでを繰り返し実施して平均値を取り、SN比の向上を図ってもよい。
波形分離処理部6は、高速フーリエ変換処理部5で生成されたn個の合成振動波形パワースペクトル信号24のそれぞれと自身を除く他の(n−1)個の合成振動波形パワースペクトル信号24との間でスペクトル毎に強度の差分を取る(図2におけるステップS4)。従って、n(n−1)個の差分がスペクトル毎に得られるが、いずれの他のパワースペクトル信号に対しても正となるスペクトルのパワースペクトル信号の周波数を検出する。波形分離処理部6によってその周波数が検出されると、波形分離処理部6は、高速フーリエ変換処理部5から直接又はスペクトルデータベース12から合成振動波形スペクトル信号17を読み出して、その周波数に関するスペクトル信号は残し、他の周波数のスペクトル信号は0(ゼロ)とする処理を実行する。従って、この波形分離処理をゼロ処理とも呼んでいる。波形分離処理部6において、ゼロ処理の際に合成振動波形パワースペクトル信号24を用いることで、差分を取った際の精度の向上を図ることができる。
この波形分離処理によって、n個の合成振動波形スペクトル信号17の中でそのスペクトルのスペクトル信号が最大のセンサ2で検知された合成振動波形信号のそのスペクトルにおけるスペクトル信号を残して、他のセンサ2における合成振動波形スペクトル信号17では、そのスペクトルにおけるスペクトル信号を0とすることができる。すなわち、いずれのセンサ2で当該スペクトルに係る振動波形が検出されたかに関する情報を得ることが可能である。
しかも、例えばこのスペクトルの近傍に他の振動源から発生している振動波形に係るスペクトル信号が含まれている場合でも、その他の振動源に最も近接するセンサ2によって最も強い信号として検知されるため、この振動源から発生している合成振動波形スペクトル信号17に対しては、前述のとおりその近傍のスペクトルにおけるスペクトル信号が0となるので、そのスペクトル近傍の他の振動源からのスペクトル信号が排除されることになる。
従って、そのセンサ2に最も近接する振動源からの振動波形のスペクトル信号として他の振動波形成分から分離することができるのである。本願では、このように分離された振動波形のスペクトル信号を分離振動波形スペクトル信号18という。
このような処理をすべてのスペクトル帯域で実施することで、特定のセンサ2において示される特徴的なスペクトル信号で、そのセンサ2に最も近接する振動源からの固有の振動波形が検出されていることが理解できるのである。
この波形分離処理部6ではそれぞれのセンサ2で受信される合成振動波形から得られる合成振動波形スペクトル信号17に対してそれぞれのセンサ2に最も近接する振動源からの固有の振動波形を検出することが可能である。
波形分離処理部6で処理された後の分離振動波形スペクトル信号18は、波形分離処理部6によってスペクトルデータベース12に読み出し可能に格納される(図2におけるステップS4)。
逆高速フーリエ変換処理部7は、波形分離処理部6で最も近接する振動源からの振動波成分のみが分離されたスペクトル信号、すなわち分離振動波形スペクトル信号18を入力して、これを逆高速フーリエ変換するものである。従って、この逆高速フーリエ変換処理部7では、それぞれのセンサ2から最も近接する振動源からの振動波形信号、すなわち分離振動波形信号19を得ることができる(図2におけるステップS5)。
なお、分離振動波形スペクトル信号18は、逆高速フーリエ変換処理部7によって波形分離処理部6から直接又はスペクトルデータベース12から読み出されて、逆高速フーリエ変換処理部7によって処理される。
逆高速フーリエ変換処理部7で生成された分離振動波形信号19は、逆高速フーリエ変換処理部7によって読み出し可能に分離波動波形データベース13に格納される(図2におけるステップS5)。
残差算出部8は、n個のセンサ2のそれぞれに最も近接する振動源から検出された分離振動波形信号19と、その振動源における正常時の波動波形信号、すなわち正常時振動波形信号20との差分を演算するものである(図2におけるステップS6)。分離振動波形信号19は、逆高速フーリエ変換処理部7から直接又は分離波動波形データベース13から読み出して、また、正常時振動波形信号20は予め分離波動波形データベース13に格納されているため、これを読み出して差分を演算し、差分振動波形信号21を生成する。これによって、もし正常時振動波形信号20と分離振動波形信号19に差が生じていれば、センサ2が最も近接する振動源において何らかの異常が生じている可能性があると考えられる。
残差算出部8で生成された差分振動波形信号21は、残差算出部8によって読み出し可能に分離波動波形データベース13に格納される(図2におけるステップS6)。
評価部9は、残差算出部8で得られた差分振動波形信号21に対して、予め評価データベース14に格納しておいた差分信号しきい値22を比較し、乖離が大きい場合にはその振動源に異常が生じていると評価するものである(図2におけるステップS7)。評価部9による評価結果23としては、差分振動波形信号21と差分信号しきい値22の差と異常の有無が含まれ、この評価結果23は評価部9によって読み出し可能に評価データベース14に格納される(図2におけるステップS7)。
乖離が大きいか否かは、差分信号しきい値22との差に依存するもので、差分振動波形信号21が差分信号しきい値22を超えて大きな場合には乖離が大きいと判断されるものである。差分信号しきい値22の設定は監視対象となっている動的設備や異常の発生箇所やその種類、あるいは監視の目的の重要性等によって実施されるもので、その数値の大小は適宜決定されるとよい。
出力部10は、これまで説明した振動周波数測定部3から評価部9までの動的設備の状態監視システム1の構成要素で処理された信号やその処理に用いられた信号や値、処理によって生成された信号を出力可能なものである(図2におけるステップS8)。具体的にはCRT、液晶、プラズマあるいは有機ELなどによるディスプレイ装置やタブレット、あるいはプリンタ装置などの表示装置、さらには外部装置への伝送を行うためのトランスミッタなどの発信装置などが考えられる。もちろん、外部装置への伝送のための出力に対するインターフェースのようなものであってもよい。出力の際には、出力部10は、図1に記載される動的設備の状態監視システム1の構成要素(センサ2、振動周波数測定部3〜評価部9)から直接読み出してもよいし、動的設備の状態監視システム1のそれぞれのデータベース(合成振動波形データベース11、スペクトルデータベース12、分離波動波形データベース13、評価データベース14)から読み出してもよい。
本実施の形態においては、動的設備を構成する振動源において発生する振動波を測定することでその振動源における異常の有無の評価を行う状態監視について説明したが、もちろん、この振動波には音波も含まれ、これまでの説明における振動波を音波として考えても成立する。その際には、n個のセンサ2に代えて単一指向性を備えて方向をn回転換することで、n個の振動源から発生する合成音波をn回測定可能なマイクロホンを備えてもよい。このようなマイクロホンとして具体的には、単一指向性を持つマイクロホンや単一指向性を持たせるためにパラボラ集音器を装着したマイクロホンが考えられる。このようなマイクロホンを使用する場合には、マイクロホンの方向を変えつつ音波の受信を行い、その波動伝播方向を推定することで状態監視を行うことが可能である。例えばn回方向を変えて測定した場合には、それぞれの方向毎に合成振動波形信号15が得られ、最もその方向に近い振動源を検知するということになる。従って、精度を高めるためには単一指向性を持たせることが重要なのである。
単一指向性を備えたマイクロホンの方向を転換させながら音波を受信することで、複数のセンサを設置するよりも設置が容易で、しかもその構成が簡素となり、コストも低減可能である。しかも、方向転換によってある程度音波の伝播方向が予め理解されるため、少ない測定で効率的に合成振動波形信号15を測定可能である。
さらに、振動周波数測定部3は音周波数測定部として成立し、測定される信号も合成振動波形信号15は合成音波形信号、エンベロープ処理後合成波動波形信号16はエンベロープ処理後合成音波形信号、合成振動波形スペクトル信号17は合成音波形スペクトル信号、合成振動波形パワースペクトル信号24は合成音波形パワースペクトル信号、分離振動波形スペクトル信号18は分離音波形スペクトル信号、分離振動波形信号19は分離音波形信号、正常時振動波形信号20は正常時音波形信号、差分振動波形信号21は差分音波形信号としても成立するのである。
さらに、本実施の形態においては、動的設備の状態監視システム1を図1を主として図2も用いて説明したが、他の実施の形態としては、動的設備の状態監視方法とその方法をコンピュータを実行するためのプログラムとして捉えた動的設備の状態監視プログラムがある。
これらの他の実施の形態の内容については図2に記載されるステップ(工程)の流れに示すとおりである。
すなわち、ステップS1からステップS8までのステップを実行することで動的設備の状態監視方法に関する実施の形態となり、さらに、これらの工程をコンピュータを用いて実行させることで動的設備の状態監視プログラムとなるのである。以下に具体的に説明するが、各工程における処理内容の説明については、既に動的設備の状態監視システム1の説明の際に実施明しているので省略する。
具体的には、図2に示されるように合成振動波形測定としてのステップS1では、センサ2及び振動周波数測定部3というハードウェアを用いて、合成振動波形信号15を得て合成振動波形データベース11に読み出し可能に格納する。
ステップS2では、エンベロープ処理部4が、振動周波数測定部3から直接又は合成振動波形データベース11から合成振動波形信号15を読み出して、エンベロープ処理して、エンベロープ処理後合成波動波形信号16を得て、同じく合成振動波形データベース11に読み出し可能に格納する。但し、前述のとおりこのエンベロープ処理の工程は必ずしも必要ではないが、動的設備の状態監視方法又はそのプログラムによる異常の有無の評価の精度を向上させるためには設けておくことが望ましい。
ステップS3aでは、高速フーリエ変換処理部5が、エンベロープ処理部4から直接又は合成振動波形データベース11からエンベロープ処理後合成波動波形信号16を読み出して、高速フーリエ変換処理して、合成振動波形スペクトル信号17を得て、スペクトルデータベース12に読み出し可能に格納する。
ステップS3bでは、高速フーリエ変換処理部5が、合成振動波形スペクトル信号17の実効値(二乗平均値)を演算して、合成振動波形パワースペクトル信号24を得て、スペクトルデータベース12に読み出し可能に格納する。
前述のとおり、ステップS1からステップS3を所望の回数繰り返し実施して平均値を取り、SN比の向上を図るとよい。
ステップS4では、波形分離処理部6が、高速フーリエ変換処理部5から直接又はスペクトルデータベース12から合成振動波形パワースペクトル信号24を読み出してゼロ処理を行う周波数と残す周波数を解析する。その後、波形分離処理部6は、合成振動波形スペクトル信号17を読み出して、先のゼロ処理を行う周波数についてはゼロ処理を行う波形分離処理して、分離振動波形スペクトル信号18を得て、スペクトルデータベース12に読み出し可能に格納する。
ステップS5では、逆高速フーリエ変換処理部7が、波形分離処理部6から直接又はスペクトルデータベース12から分離振動波形スペクトル信号18を読み出して、逆高速フーリエ変換処理して、分離振動波形信号19を得て、分離波動波形データベース13に読み出し可能に格納する。
ステップS6では、残差算出部8が、逆高速フーリエ変換処理部7から直接又は分離波動波形データベース13から分離振動波形信号19を読み出して、さらに、分離波動波形データベース13から正常時振動波形信号20を読み出して、差分を演算して、差分振動波形信号21を得て、分離波動波形データベース13に読み出し可能に格納する。
ステップS7では、評価部9が、残差算出部8から直接又は分離波動波形データベース13から差分振動波形信号21を読み出して、さらに評価データベース14から差分信号しきい値22を読み出して、これらを比較して、差分振動波形信号21が差分信号しきい値22を超えていれば、センサ2で測定された最も近接する動的設備の振動源に異常が発生していると評価し、超えていなければ異常が発生していないと評価する異常の有無に関する評価結果23を評価データベース14に読み出し可能に格納する。
ステップS8では、出力部10が、動的設備の状態監視システム1の構成要素あるいは動的設備の状態監視システム1のデータベースからそれぞれ出力したいと考えられる信号や値、あるいは評価結果を読み出して出力するものである。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る動的設備の状態監視システムあるいはその方法、プログラムにおいては、簡素な構成を備えつつ、動的設備における振動源に最も近接したセンサで受信された振動波形のみを効率的かつ高精度に分離することができる。また、そのことによって、狭空間や剛性の低い環境下において駆動周波数の近い複数の動的設備が配置、駆動されている場合に、それらの動的設備の状態監視を効率的かつ高精度に実施することができる。さらに、エンベロープ処理を行うことで、合成振動波形を平滑化することができ、ノイズを排除することができる。従って、合成振動波形に含まれる異常振動に伴う振動波形をより抽出し易くすることができ、状態監視の制度をさらに高めることができる。
本発明の実施例に係る動的設備の状態監視システム1について、図3乃至図10を参照しながら説明する。
図3は本発明の実施例の動的設備の状態監視システムを用いて行った試験における監視対象の動的設備の構成とセンサの配置を示す写真である。図3において、動的設備は図には示されない電源とその電源で駆動される電動機に接続される主軸30と、この主軸30にはローター34と主軸側ギア32が設けられており、この主軸側ギア32に噛合する従動軸側ギア33が従動軸31に設けられている。
このローター34には負荷錘によるアンバランス及び従動軸側ギア33には1ヶ所(歯車2枚分)の局所摩耗を発生させるように人為的な不具合を形成させている。
また、主軸30には主軸側センサ35が設置され、従動軸31には従動軸側センサ36が設置されて、それぞれ振動波形を受信している。
このように構成される動的設備では、電動機の周波数は60Hz、主軸30の回転数Nは500(rpm)であるので、主軸30の回転周波数f1はf1=N/60=500/60で約8.33Hzとなり、その高調波として、2次成分は16.88Hz、3次成分は24.93Hz、4次成分は33.24Hzとなる。また、主軸側ギア32の歯数Z1は40であり、従動軸側ギア33の歯数Z2は43であるので、従動軸31の回転周波数f2は、f2=f1・Z1/Z2=約7.75Hzとなり、その高調波として、2次成分は15.44Hz、3次成分は23.19Hz、4次成分は30.64Hzとなる。従って、前述のような人為的な不具合からこれらの周波数において異常成分が含まれることになるのである。
なお、本実施例では、振動のサンプリング周波数は5kHzであり、カットオフ周波数は400Hzとしている。
この図3では示されていないが、主軸側センサ35と従動軸側センサ36で受信された振動波形は、先に説明した実施の形態に係る動的設備の状態監視システム1と同様な構成を備えて主軸30に関連して発生する振動波形と従動軸31に関連して発生する振動波形として分析処理が可能となっている。従って、本実施例においても既に実施の形態において説明した構成要素については同一の符号を用いて説明し、その構成に関する説明については省略する。但し、本実施例では主軸側センサ35と従動軸側センサ36の2つのセンサを用いて振動波形を受信することから主軸側で受信した振動波形と従動軸側で受信した振動波形を区別するため、それぞれに関係する信号では主軸側ではa、従動軸側ではbという従属文字を付すこととする。
本実施例では、主軸30側のローター34には人工的にアンバランスを施しており、従動軸31側の従動軸側ギア33には人工的に局所摩耗を施して、それぞれの軸上に異常の状態を模している。
本実施例では、今回の動的設備の状態監視システム1が実際に動的設備の状態監視を精度よく実施できるかどうかを図3に示す構成によって試験したので、これについて説明する。
図4の(a)は実施例における主軸側センサ35及び振動周波数測定部3で測定された合成振動波形信号15aを示すグラフであり、(b)は従動軸側センサ36及び振動周波数測定部3で測定された合成振動波形信号15bを示すグラフである。いずれのグラフも横軸は時間(s:秒)であり、縦軸は強度(単位はV(ボルト))である。なお、この強度のボルトは振動周波数測定部3の出力を示すものである。
この図4に示されるグラフでは主軸側センサ35では、主電源の60Hzに関係する振動波形や主軸側ギア32の関係する振動波形等の正常なものはもちろんのこと、ローター34のアンバランスに基づく異常な振動波形に加えて従動軸側ギア33の局所摩耗に伴う異常な振動波形等が重畳して受信される。
一方、従動軸側センサ36でも、主電源の60Hzに関係する振動波形はもちろんのこと、従動軸側ギア33の局所摩耗に伴う異常な振動波形に加えて、ローター34のアンバランスに基づく異常な振動波形に関するものも重畳して受信される。
しかしながら、これら(a),(b)のグラフを見ても、いずれの振動波形がいずれの正常、あるいは異常な構成から発生するものであるかを判別するのは困難であるので、今回の実施の形態に係る動的設備の状態監視システム1を用いてその効果について試験を行ったのである。
図4(a),(b)として示される合成振動波形信号15a,15bは、先に実施の形態を示して説明したとおり、エンベロープ処理部4でエンベロープ処理して、それぞれ図示しないエンベロープ処理後合成波動波形信号16a,16bとして生成され、これらをそれぞれ高速フーリエ変換処理部5で高速フーリエ変換処理して、合成振動波形スペクトル信号17a,17bを生成した。
本実施例ではエンベロープ処理を実施しているが、エンベロープ処理を行わなくとも十分な精度が得られるようであれば、既に述べているが特にこのエンベロープ処理を行わなくともよい。
図5は、(a)は実施例における主軸側センサ35及び振動周波数測定部3で測定された合成振動波形信号15aを高速フーリエ変換処理部5によって高速フーリエ変換処理した合成振動波形スペクトル信号17aを示すグラフであり、(b)は実施例における従動軸側センサ36及び振動周波数測定部3で測定された合成振動波形信号15bを高速フーリエ変換処理部5によって高速フーリエ変換処理した合成振動波形スペクトル信号17bを示すグラフである。(c)は(a)に示す合成振動波形スペクトル信号17aの周波数の0から70Hzの範囲(四角形で囲んで示す箇所)を抽出したグラフであり、(d)は(b)に示す合成振動波形スペクトル信号17bの周波数の0から70Hzの範囲(四角形で囲んで示す箇所)を抽出したグラフである。いずれも横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は強度を示すFFT値(単位はV(ボルト))である。
このように低周波数の部分を抽出して示したり、この部分の信号を処理するのは、本願発明が構造上の異常に対する状態監視を目的とするものであることによるものである。従って、本実施例においても、実際にローターのアンバランスやギアの局所摩耗という機械的な異常に基づく振動を人工的に発生させているのである。図5(a)〜(d)において、60Hzの周波数にピークが生じているのは駆動電源の周波数であるためである。
このように示される合成振動波形スペクトル信号17aに対して、波形分離処理部6によるゼロ処理を実行した分離振動波形スペクトル信号18aをゼロ処理された信号も併せて示すのが図6であり、合成振動波形スペクトル信号17bに対する分離振動波形スペクトル信号18bについて同様に示したのが図7である。図6,7のいずれも横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は強度を示すFFT値(単位はV(ボルト))である。
図6では符号X、図7では符号Yで示す部分がゼロ処理を行った箇所であり、それぞれの図においてその波形分離処理を行った周波数、すなわち残った周波数を実線で示し、他の箇所、すなわちゼロ処理を行った箇所は点線で示している。具体的には、図6において、従動軸31において発生する振動波形が受信される場合、主軸側センサ35よりも従動軸側センサ36において高いので、主軸側センサ35では従動軸31で発生する振動波形に関する信号がゼロ処理される。すなわち、周波数で言えば、高調波も含めて符号Xで示される7.75Hz,15.44Hz,23.19Hz,30.64Hzである。
図7では同様に、符号Yで示される周波数8.33Hz,16.88Hz,24.93Hz,33.24Hzである。なお、60Hzは図6,7共にゼロ処理しているが、これは電源周波数であることが明らかであるためである。
図8は、実施例における主軸30側の合成振動波形信号と分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号とを比較して示すグラフである。図8の横軸は時間(s:秒)であり、縦軸は強度(単位はV(ボルト))である。また、実線で示す部分が合成振動波形信号であり、点線で示す部分が分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号である。
図8において、実線で示される主軸側センサ35において受信される合成振動波形信号15aには従動軸31で発生している動的設備の異常に基づく振動波形も含まれているものの、点線で示される波形分離処理部6によってゼロ処理された分離振動波形スペクトル信号18aでは、従動軸31で発生している動的設備の異常に基づく振動波形が排除されている。従って、主軸30で発生している振動波形のみが残ることになり、主軸30近傍で発生している異常を検知することができる。
図9は(a)は図8で示した主軸側の合成振動波形信号と分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号との差分をとった差分振動波形信号を示すグラフであり、(b)は同様に従動軸側の合成振動波形信号と分離振動波形スペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理した後の分離振動波形信号との差分をとった差分振動波形信号を示すグラフである。
図9(a)では、主軸30側の合成振動波形信号15aと波形分離処理部6によってゼロ処理した後の主軸側センサ35の分離振動波形信号19a(図示せず)の差分を取って差分振動波形信号を求めているので、従動軸31側の異常残差成分のみが現れている。その理由は、分離振動波形信号19aでは従動軸31側の異常成分のみが削除され、主軸30側の異常成分のみが乗っているため、主軸30側と従動軸31側の両方が重畳している合成振動波形信号15aとの差分を取ると、相手方の従動軸31側の異常残差成分のみが現れるのである。(b)も同様に、従動軸31側の合成振動波形信号15bと分離振動波形信号19b(図示せず)の差分を取っているので、主軸30側の異常残差成分のみが現れている。
本実施例では、差分の対象として、異常が発生しているときの合成振動波形信号15a,15bを選択しているので、主軸側センサ35では従動軸31側の異常残差成分が現れ、従動軸側センサ36では主軸30側の異常残差成分が現れているが、これを実施の形態で説明したように、正常時振動波形信号20a,20b(図示せず)を選択するならば、いずれの異常成分も重畳していないので、今度は最も近接する動的設備の構成要素からの異常残差成分、すなわち、差分振動波形信号21a,21b(図示せず)を検出することが可能である。
いずれにしても残差が検出されることから、異常振動波形に関する情報が得られ、それらの強度に対して実施の形態で説明した差分信号しきい値22a,22b(図示せず)を用いることで、異常の有無や程度を評価することが可能である。その評価結果として評価結果23を得て出力することができるのである。
図10(a),(b)はそれぞれ図9(a),(b)に示される差分振動波形信号を、再度高速フーリエ変換してパワースペクトル表示したグラフである。図10(a)によれば、主軸側センサ35からの出力として従動軸31側の振動波形成分である7.75Hz,15.44Hz,23.19Hz,30.64Hzが検出されていることが理解できる。また、(b)では従動軸側センサ36からの出力として主軸30側の振動波形成分である8.33Hz,16.88Hz,24.93Hz,33.24Hzが検出されていることが理解できる。すなわち、近接する周波数が混在している環境でも極めて精度高く分離できていることが理解できるのである。
これらの評価やその出力については既に図9(a),(b)を参照しながら説明したとおりである。
なお、本実施例では得られた信号やしきい値などについては特にデータベースに読み出し可能に格納したり、データベースから読み出したりする操作については説明は省略しているが、実際には実施の形態で説明したとおりに実施するものである。
請求項1乃至請求項9に記載された発明は、製造・加工プラントや発電プラントなどのような動的設備の状態監視システムとして適用可能である。
1…動的設備の状態監視システム 2…センサ 3…振動周波数測定部 4…エンベロープ処理部 5…高速フーリエ変換処理部 6…波形分離処理部 7…逆高速フーリエ変換処理部 8…残差算出部 9…評価部 10…出力部 11…合成振動波形データベース 12…スペクトルデータベース 13…分離波動波形データベース 14…評価データベース 15,15a,15b…合成振動波形信号 16,16a,16b…エンベロープ処理後合成波動波形信号 17,17a,17b…合成振動波形スペクトル信号 18,18a,18b…分離振動波形スペクトル信号 19,19a,19b…分離振動波形信号 20,20a,20b…正常時振動波形信号 21,21a,21b…差分振動波形信号 22,22a,22b…差分信号しきい値 23…評価結果 24…合成振動波形パワースペクトル信号 30…主軸 31…従動軸 32…主軸側ギア 33…従動軸側ギア 34…ローター 35…主軸側センサ 36…従動軸側センサ X,Y…ゼロ処理周波数

Claims (9)

  1. n(n:2以上の整数)個の振動源が存在する環境において、前記n個の振動源から発生する合成振動波形を分離可能な動的設備の状態監視システムであって、
    前記n個の振動源から発生する合成振動波を受信可能なn個のセンサと、
    前記n個のセンサで受信された合成振動波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号を得る周波数測定部と、
    前記周波数測定部で得られたn個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換(以下、高速フーリエ変換をFFTと呼ぶこともある)処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理部と、
    前記高速フーリエ変換処理部で得られたn個のスペクトル信号に対して、スペクトル毎に強度の差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0として、前記n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理部と、
    前記波形分離処理部で分離されたスペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理部と、
    予め測定した前記最も近接する振動源からの正常時の振動波形信号と前記逆高速フーリエ変換処理部から得られた前記最も近接する振動源からの振動波形信号の差分を演算する残差算出部と、
    前記差分を所望のしきい値と比較して前記しきい値よりも乖離が大きい場合に前記最も近接する振動源が正常でないと判断する評価部と、
    を有することを特徴とする動的設備の状態監視システム。
  2. 前記周波数測定部で得られたn個の合成振動波形信号をエンベロープ処理するエンベロープ処理部を備え、前記高速フーリエ変換処理部は、前記エンベロープ処理部で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号を入力し、高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得ることを特徴とする請求項1記載の動的設備の状態監視システム。
  3. 前記n個の振動源から発生する合成振動波は合成音波であり、前記合成振動波を受信可能なn個のセンサに代えて、単一指向性を備えて方向をn回転換して前記n個の振動源から発生する合成音波を測定可能なマイクロホンを備え、前記周波数測定部は、前記マイクロホンで受信された合成音波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号としてn個の合成音波形信号を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動的設備の状態監視システム。
  4. n(n:2以上の整数)個の振動源が存在する環境において、前記n個の振動源から発生する合成振動波形を分離可能な動的設備の状態監視方法であって、
    前記n個の振動源から発生する合成振動波をn個のセンサを用いて受信する受信工程と、
    前記受信工程で受信された合成振動波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号を得る周波数測定工程と、
    前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理工程と、
    前記高速フーリエ変換処理工程で得られたn個のスペクトル信号に対して、スペクトル毎に強度の差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0として、前記n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理工程と、
    前記波形分離処理工程で分離されたスペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理工程と、
    予め測定した前記最も近接する振動源からの正常時の振動波形信号と前記逆高速フーリエ変換処理工程で得られた前記最も近接する振動源からの振動波形信号の差分を演算する残差算出工程と、前記差分を所望のしきい値と比較して前記しきい値よりも乖離が大きい場合に前記最も近接する振動源が正常でないと判断する評価工程と、
    を有することを特徴とする動的設備の状態監視方法。
  5. 前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号をエンベロープ処理するエンベロープ処理工程を備え、前記高速フーリエ変換処理工程は、前記エンベロープ処理工程で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号を入力し、高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得ることを特徴とする請求項4記載の動的設備の状態監視方法。
  6. 前記n個の振動源から発生する合成振動波は合成音波であり、前記受信工程は、前記n個のセンサに代えて、単一指向性を備えて方向をn回転換して前記n個の振動源から発生する合成音波をマイクロホンを用いて測定する受信工程であって、前記周波数測定工程は、前記マイクロホンで受信された合成音波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号としてn個の合成音波形信号を得ることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の動的設備の状態監視方法。
  7. コンピュータによって、n個の振動源から発生する合成振動波形を分離するために実行される動的設備の状態監視プログラムであって、
    前記n個の振動源から発生する合成振動波をn個のセンサを用いて受信する受信工程と、
    前記受信工程で受信された合成振動波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号を得る周波数測定工程と、
    前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号を高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得る高速フーリエ変換処理工程と、
    前記高速フーリエ変換処理工程で得られたn個のスペクトル信号に対して、スペクトル毎に強度の差分を取って、他のいずれのスペクトル信号に対しても差分が正となるスペクトルのスペクトル信号のみを残して、他のスペクトルのスペクトル信号については0として、前記n個の振動源の内、最も近接する振動源から発生する振動波成分のみを分離する波形分離処理工程と、
    前記波形分離処理工程で分離されたスペクトル信号を逆高速フーリエ変換処理して最も近接する振動源からの振動波形信号を得る逆高速フーリエ変換処理工程と、
    予め測定した前記最も近接する振動源からの正常時の振動波形信号と前記逆高速フーリエ変換処理工程で得られた前記最も近接する振動源からの振動波形信号の差分を演算する残差算出工程と、前記差分を所望のしきい値と比較して前記しきい値よりも乖離が大きい場合に前記最も近接する振動源が正常でないと判断する評価工程と、
    を実行させることを特徴とする動的設備の状態監視プログラム。
  8. 前記周波数測定工程で得られたn個の合成振動波形信号をエンベロープ処理するエンベロープ処理工程を備え、前記高速フーリエ変換処理工程は、前記エンベロープ処理工程で生成されるエンベロープ処理後合成振動波形信号を入力し、高速フーリエ変換処理してスペクトル信号を得ることを特徴とする請求項7記載の動的設備の状態監視プログラム。
  9. 前記n個の振動源から発生する合成振動波は合成音波であり、前記受信工程は、前記n個のセンサに代えて、単一指向性を備えて方向をn回転換して前記n個の振動源から発生する合成音波をマイクロホンを用いて測定する受信工程であって、前記周波数測定工程は、前記マイクロホンで受信された合成音波をそれぞれ処理してn個の合成振動波形信号としてn個の合成音波形信号を得ることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の動的設備の状態監視プログラム。
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