JP2019067197A - 故障予兆検知手法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の設備診断の手法では、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等を設備診断の対象に含めることは困難であった。【解決手段】本発明では、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等の各々から生じる大量のデータを自動的に収集して迅速に分析を行う手法が必要である。そこで、本発明では、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)と呼ばれる、コンピュータ以外のモノをインターネットに接続する技術(安価なMEMSセンサ・回線・クラウド)を、設備診断に用いて大量の生データを迅速かつ的確に分析することができるシステム、方法、装置及びプログラム等を提供する。【選択図】図1
Description
本発明は、製造・公共インフラなどの設備に含まれる機械、装置、機器等が故障する予兆を検知する方法等に関する。具体的には、IoT(Internet of Things)の技術を利用して、センサ等によって設備の状態を時系列のデータとして収集し、収集したデータを機械学習の手法を用いることで、故障予兆検知(設備診断)をより手軽に、多くの製品・設備へ適用可能な故障予兆検知システム、装置及びプログラムに関する。
製造・公共インフラなど「設備」の所有者にとって、設備保全は重要課題である。設備保全では、機械、装置、機器等を含む設備の劣化が始まる前に補修する予防保全が重要となる。設備の予防保全を実現するためには、設備の劣化箇所と劣化程度の正確な見極める必要があり、故障予兆の検知等の設備診断が重要となる。
従来の設備診断は、生産設備分野を中心に、上下水道設備・橋梁・ビルなど大規模な設備の設備診断が中心である。例えば、特開2016−148628号公報(特許文献1)には、機械設備の振動を電気エネルギーに変換する圧電素子を含むセンサからデータを収集して、機械設備の運転状況と異常の有無を監視するシステムが記載されている。その他、設備診断の一例としては、高価な圧電素子センサ(ISO規定)と専用の計測器を用いて、専門家が設備からデータ収集し、専用解析ソフトウェアを使用して、データ分析を行っている。
また、特開2015−172945号公報(特許文献2)に記載された、プラントや設備などの出力する多次元時系列データをもとに異常を早期に検知し、現象の診断を行う状態監視方法では、設備あるいは製造装置、計測装置の出力する時系列のセンサ信号およびイベント信号に基づく設備状態監視において、イベント信号に基づき稼動状態別のモード分割を行い、センサ信号に基づきモード毎に正常モデルを作成し、正常モデルとセンサ信号の比較により異常測度を算出し、モード毎に正常モデル作成に用いた学習データの十分性をチェックし、学習データの十分性に応じて感度を設定した上で異常測度に基づく異常識別を行っている。
しかしながら、従来の設備診断の手法では、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等を設備診断の対象に含めることは困難であった。すなわち、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等の設備を診断の対象とした場合、当該設備に含まれるポンプ・モーター・機械・精密機器等の各々に、従来の圧電素子センサ等の高価なセンサを設置する必要があり、コスト(費用対効果)の観点から非現実的であった。そして、センサによって収集される大量のデータを迅速に分析することも困難であった。
このような課題を解決するために、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等の各々から生じる大量のデータを自動的に収集して迅速に分析を行う手法が必要である。そこで、本発明では、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)と呼ばれる、コンピュータ以外のモノをインターネットに接続する技術(安価なMEMSセンサ・回線・クラウド)を、設備診断に用いて大量の生データを迅速かつ的確に分析することができるシステム、方法、装置及びプログラム等を提供する。
具体的には、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等の各々に設置された、IoTでしばしば用いられる安価なセンサから、各々の状態を示す生データを収集して、IoTゲートウェイ機器を介してサーバ(クラウド)に自動的に送信して、当該生データを記憶装置に蓄積して、当該記憶装置に蓄積された大量の生データを迅速かつ的確に分析するシステム等を提供する。
そして、大量の生データを分析する手法として、従来、目的音を含む環境音の信号である音響信号から、より高精度に目的音を復元する等の技術分野で用いられている短時間フーリエ変換(STFT;Short Time Fourier Transform)及び非負値行列因子分析(Non−negative Matrix Factorization)による音響信号の解析手法を、設備診断に応用した故障予兆検知手法を提案する。
本発明の1つの実施形態に係る故障予兆検知システムは、設備の状態を示すデータを少なくとも記憶したサーバを備え、
前記サーバは、
前記データに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成し、
前記スペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出し、
前記時系列クラスタと前記周波数クラスタとに基づいて前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行い、前記分析処理の結果の通知を行うこと
を特徴とする。
前記サーバは、
前記データに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成し、
前記スペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出し、
前記時系列クラスタと前記周波数クラスタとに基づいて前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行い、前記分析処理の結果の通知を行うこと
を特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記分析処理は、
前記周波数クラスタにおけるピークの分散を求めるステップと、
前記時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成するステップと、
前記スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求めるステップと、
前記スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めるステップと
を含むことを特徴とする。
前記周波数クラスタにおけるピークの分散を求めるステップと、
前記時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成するステップと、
前記スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求めるステップと、
前記スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めるステップと
を含むことを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記故障予兆検知システムは、前記サーバに接続された端末装置をさらに含み、
前記分析処理の結果の通知は、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に、前記分析処理の結果に関する、グラフ及び数値の少なくとも一方を含む表示であることを特徴とする。
前記分析処理の結果の通知は、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に、前記分析処理の結果に関する、グラフ及び数値の少なくとも一方を含む表示であることを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記分析処理は、さらに、前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合に基づいてロジスティック回帰を行い、前記ロジスティック回帰の結果に基づいて、前記設備が正常であるか異常であるかを判定する判定処理を行うステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記分析処理の結果の通知は、前記判定処理の結果が異常である場合に、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方で鳴る警告音、又は前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に表示される、前記設備に異常が発見された旨の表示であることを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記判定処理において、前記ロジスティック回帰は、正常か異常かの2値判定を行うものであり、
前記2値判定は前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合の3つの指標からなる空間内における境界超平面から評価対象データまでの距離の正負に基づいて行い、
前記境界超平面からの距離は、異常度合いを表す異常指数であることを特徴とする。
前記2値判定は前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合の3つの指標からなる空間内における境界超平面から評価対象データまでの距離の正負に基づいて行い、
前記境界超平面からの距離は、異常度合いを表す異常指数であることを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記サーバは、さらに、前記判定処理を一定の間隔で繰り返し実行して、前記異常指数を時系列的に取得して、時系列異常指数データを生成し、
前記時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、
前記設備と同種の設備から収集した評価対象データに対して、前記劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することを特徴とする。
前記時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、
前記設備と同種の設備から収集した評価対象データに対して、前記劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システムの好ましい実施形態として、前記障害時期の結果の通知は、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方で鳴る警告音、又は前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に表示される、前記結果の表示であることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態に係る故障予兆検知装置は、設備の状態を示すデータを収集するデータ収集蓄積部と、
前記データ蓄積部により収集された前記データを少なくとも記憶した記憶部と、
前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行う異常検知部と、
前記分析処理の結果の通知を行う通知部と
を備え、
前記異常検知部は、前記データに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成し、前記スペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出し、前記時系列クラスタと前記周波数クラスタとに基づいて、前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行うこと特徴とする。
前記データ蓄積部により収集された前記データを少なくとも記憶した記憶部と、
前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行う異常検知部と、
前記分析処理の結果の通知を行う通知部と
を備え、
前記異常検知部は、前記データに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成し、前記スペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出し、前記時系列クラスタと前記周波数クラスタとに基づいて、前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行うこと特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知装置の好ましい実施形態として、前記異常検知部は、
前記周波数クラスタにおけるピークの分散を求め、
前記時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成し、
前記スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求め、
前記スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めること
を行うことを特徴とする。
前記周波数クラスタにおけるピークの分散を求め、
前記時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成し、
前記スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求め、
前記スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めること
を行うことを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知装置の好ましい実施形態として、前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合に基づくロジスティック回帰を行い、前記ロジスティック回帰の結果に基づいて、前記設備が正常であるか異常であるかを判定する判定処理を行う故障傾向予測部をさらに含むことを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知装置の好ましい実施形態として、前記故障傾向予測部は、前記判定処理を一定の間隔で繰り返し実行して、前記異常指数を時系列的に取得して、時系列異常指数データを生成し、
前記時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、
前記設備と同種の設備から収集した評価対象データに対して、前記劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することを特徴とする。
前記時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、
前記設備と同種の設備から収集した評価対象データに対して、前記劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することを特徴とする。
本発明の別の実施形態に係るプログラムは、1以上のプロセッサを含むサーバによって実行されることで、前記サーバを故障予兆検知装置として機能させることを特徴とする。
本発明に係る故障予兆検知システム、装置及びプログラムを用いることで、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等の各々にIoTでしばしば用いられる安価なセンサが設置されたとしても、各々の状態を示す生データを収集して、IoTゲートウェイ機器を介してサーバ(クラウド)に自動的に送信して、当該生データを記憶装置に蓄積して、当該記憶装置に蓄積された大量の生データを迅速かつ的確に分析することができる。
また、判定処理を繰り返し実行することによって得られる時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を得ることができる。当該劣化曲線は、評価対象が同じであれば近似すると予測され、同種の評価対象からのデータを収集、評価することで、障害時期の予測が可能になる。
以下に図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る故障予兆検知システムにおける機器等の構成概要を示す。故障予兆検知システムは、対象設備・機械10と、該対象設備・機械10に設置されたセンサ20と、センサ20から送信されるデータ(生データ)を受信するIoTゲートウェイ30とを含む。また、故障予兆検知システムは、IoTゲートウェイ30から送信されるデータを伝送するためのモバイル回線40と、モバイル回線40を介してIoTゲートウェイ30から送信されたデータを受信して故障予兆検知のための分析処理、判定処理等を行うサーバを含むクラウド50とをさらに含む。
対象設備・機械10は、例えば、ベアリング、ポンプ、モーター、発電機等の回転機械や、橋梁等である。センサ20は、IoTでしばしば用いられる安価なセンサであり、例えば、振動センサ、圧力センサ、電圧センサ、回転数センサ等であり、各種センサを各々実装したMEMS(Micro Electro Mechanical systems)センサを用いることもできる。
センサ20は、対象設備・機械10に取り付けられて、無線通信又は有線通信等の通信手段を用いて、振動、圧力、電圧、回転数等のデータ(生データ)を送信することができる。センサ20は、対象設備・機械10に複数取り付けることもできる。IoTゲートウェイ30は、センサ20に接続することができ、センサ20から送信されるデータ(生データ)を受信することができる。
IoTゲートウェイ30は、センサ20から得られたデータに対して高速フーリエ変換(FFT)等のエッジ処理を行うことができる。また、IoTゲートウェイ30は、センサ20から得られたデータ又はエッジ処理後のデータを、モバイル回線40を介してクラウド50に送信することができる。モバイル回線40は、IoTゲートウェイ30とクラウド50とを接続する無線又は有線のネットワークである。
クラウド50は、1つ以上のサーバを含み、IoTゲートウェイ30から送信されたデータをサーバの記憶部に記憶することができる。クラウド50におけるサーバでは、対象設備・機械10の異常検知、故障予兆検知、遠隔保守、操作画面(UI)、データ蓄積等の分析・判定処理を行うことができる。サーバは、プロセッサ、メモリ、ハードディスク、ネットワークインタフェース等の一般的なコンピュータのハードウェア資源を備えることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る故障予兆検知システムにおけるサーバの構成を示す。クラウド50に含まれる故障予兆検知サーバ60は、データ収集蓄積部61、異常検知部62、故障傾向予測部63、可視化通知部64及び記憶部65を含むことができる。データ収集蓄積部61、異常検知部62、故障傾向予測部63、可視化通知部64の各々は、故障予兆検知サーバ60のCPUが、故障予兆検知サーバ用のプログラムを実行することで、CPUをデータ収集蓄積部61、異常検知部62、故障傾向予測部63及び可視化通知部64として機能させることができる。
また、データ収集蓄積部61、異常検知部62、故障傾向予測部63及び可視化通知部64の少なくとも一部を、特定用途向け集積回路(ASIC)等でハードウェア的に実装することも可能である。故障予兆検知サーバ60のメモリ又はハードディスク等の記憶手段を利用することで、記憶部65を実現することができる。記憶部65は、外部記憶装置であってもよい。
データ収集蓄積部61は、IoTゲートウェイ30からモバイル回線40を介して送信されたデータを収集(受信)して、故障予兆検知サーバ60の記憶部65に蓄積(記憶)することができる。記憶部65に蓄積されるデータは、センサ20によって対象設備・機械10の振動、音等の動作に関するデータを一定の時間間隔で計測された時系列データである。例えば、対象設備・機械10の振動に関するデータは、一般的な音声データとどうおよう、一定のサンプリングレートに基づいて音圧レベルを測定したものであり、これが後述するSTFTの入力となる。
0 -0.000343
1 0.000875
2 0.002021
3 0.001737
4 0.003998
5 0.002868
6 0.001494
7 0.001356
8 0.000019
9 -0.000699
10 -0.001491
……(中略)………
122870 0.001349
122871 0.002015
122872 0.001357
122873 0.002125
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異常検知部62は、記憶部65に蓄積されたデータを用いて、対象設備・機械10に異常があるか否かを判定するための分析処理を行うことができる。具体的には、まず、異常検知部62は、記憶部65に蓄積されたデータに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成する。次に、異常検知部62は、生成したスペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出する。最後に、異常検知部62は、抽出した時系列クラスタと周波数クラスタとに基づいて、対象設備・機械10に異常があるか否かを、時系列クラスタ及び周波数クラスタの少なくとも一方における音圧等のデータの大きさ(スペクトルデータのおけるパワー総量)が所定のしきい値よりも大きいか否か等によって判定する。
より具体的には、異常検知部62は、周波数クラスタにおけるピークの分散を求め、他方、時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成し、巣対スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求め、スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めることができる。
故障傾向予測部63は、異常検知部62で得られたピークの分散、ピークの数及びピークの均等度合に基づくロジスティック回帰を行い、その結果に基づいて、対象設備・機械10が正常であるか異常であるかを判定する判定処理を行うことができる。
故障傾向予測部63は、判定処理を一定の間隔で繰り返し実行して、異常指数を時系列的に取得して、時系列異常指数データを生成することができる。そして、故障傾向予測部63は、時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、対象設備・機械10と同種の設備から収集した評価対象データに対して、劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として、故障予兆検知サーバ60に接続された端末等に通知することができる。
図3は、サーバでの故障予兆検知処理の流れの一例を示す。故障予兆検知サーバ60は、CPUでプログラムを実行することで、故障予兆検知処理を行うことができる。最初に、対象設備・機械10の挙動(振動、動作音等)を計測して収集したデータに対してSTFTを行う(ステップS100)。次に、故障予兆検知サーバ60は、STFT後のデータに対してNMFを行う(ステップS200)。最後に、故障予兆検知サーバ60は、NMFによって抽出された特徴について評価を行う(ステップS300)。なお、図3に示すステップS100及びS200は、故障予兆検知サーバ60ではなく、IoTゲートウェイ30で行うようにしてもよい。
図4は、STFT処理の流れの一例を示し、図5は図4に示すSTFT処理の概要を示す。図3に示すステップS100は、例えば、図4に示すとおり、ステップS110からS130の3つのステップに分けることができる。ステップS110では、時系列データを時間軸で区切り複数の区間データを生成する。これは、図5に示すとおり、対象設備・機械10から収集した生データ(時系列データ)の波形グラフ(縦軸は振動、音圧等の大きさを示す値(パワー値)、横軸は時間)を一定の時間間隔で各区間に区切ることに相当する。
ステップS120では、ステップS110で得られた区間データの各々に対して高速フーリエ変換(FFT)処理を行う。各区間データにFFTを行うことで、図5に示すとおり、各区間データのスペクトルデータ(例えば、周波数×音圧)を得ることができる。そして、ステップS130では、FFT後のスペクトルデータを時系列に並べたスペクトログラム(spectrogram)を出力する。スペクトログラムは、縦軸が周波数、横軸が時間で表させるグラフであり(図5参照)、グラフの色(色の濃淡)がデータの大きさ(音圧、パワー値等)を表す。
STFTは、時間軸上の窓関数をずらしながらかけていき、それをフーリエ変換するものであり、以下のように数式表現される。
ここで、w(t)は窓関数であり、i は虚数単位である。出力STFTx,w(t,ω)は、時刻 t 角周波数 ω のスペクトルを表現する複素数である。
例えば、式(2)の出力は、下記のような形式で、周波数17 × 時系列513 の行列データとして得ることができ、個々の要素がパワー値である。この行列データが図5に示すスペクトログラムに対応する。
array([[ 0.017394 , 0.01730533, 0.03368477, ..., 0.03192598, 0.01810419, 0.03244488],
[ 0.01290206, 0.03566817, 0.04915735, ..., 0.03468193, 0.02229243, 0.02913435],
[ 0.02162963, 0.03066547, 0.05931597, ..., 0.04909684, 0.01218216, 0.02051788],
...,
[ 0.12319323, 0.11091561, 0.07776517, ..., 0.14410813, 0.1285553 , 0.0894684 ],
[ 0.04839895, 0.0519086 , 0.02888464, ..., 0.05779596, 0.05489284, 0.06868766],
[ 0.00869189, 0.00967997, 0.00575475, ..., 0.03120314, 0.01955723, 0.00091373]], dtype=float32)
array([[ 0.017394 , 0.01730533, 0.03368477, ..., 0.03192598, 0.01810419, 0.03244488],
[ 0.01290206, 0.03566817, 0.04915735, ..., 0.03468193, 0.02229243, 0.02913435],
[ 0.02162963, 0.03066547, 0.05931597, ..., 0.04909684, 0.01218216, 0.02051788],
...,
[ 0.12319323, 0.11091561, 0.07776517, ..., 0.14410813, 0.1285553 , 0.0894684 ],
[ 0.04839895, 0.0519086 , 0.02888464, ..., 0.05779596, 0.05489284, 0.06868766],
[ 0.00869189, 0.00967997, 0.00575475, ..., 0.03120314, 0.01955723, 0.00091373]], dtype=float32)
図6は、NMF処理の流れの一例を示し、図7は図6に示すNMF処理の概要を示す。図3に示すステップS200は、例えば、図6に示すとおり、ステップS210からS220の2つのステップに分けることができる。ステップS210では、STFTによって得られたスペクトログラムから時系列成分の特徴を抽出し、時系列クラスタを生成することができる。ステップS220では、STFTによって得られたスペクトログラムから周波数成分の特徴を抽出し、周波数クラスタを生成することができる。ステップS210とステップS220とは、逆順で行ってもよく同時でもよい。ここで、STFTの出力である時刻×周波数の行列をNMFで分解した二つの行列を、それぞれ周波数クラスタ、時系列クラスタと呼ぶ。
図7に示される(b)時系列クラスタ(時系列成分)は(a)元のスペクトログラムから抽出されたものであり、この時系列クラスタ(時系列成分)の抽出工程は図6のステップS210に相当する。図7に示される(c)周波数クラスタ(周波数成分)は(a)元のスペクトログラムから抽出されたものであり、この周波数クラスタ(周波数成分)の抽出工程は図6のステップS220に相当する。時系列成分及び周波数成分の値の大きさは色(色の濃淡)で表される。例えば、図7の(a)スペクトログラム、(b)時系列クラスタ、(c)周波数クラスタでは、薄い色は大きい値を表し、濃い色は小さい値を表す。
図7(b)及び(c)に示される一例では、周波数クラスタは、3つの周波数成分があり、高周波の周波数成分(図7(c)の横軸の目盛「1」)に対応する時系列成分に、薄い色の箇所(大きい値)に強い周期性がある(図7(b)の時系列成分の縦軸の目盛「1」)ことを表す。
NMFは、非負値の要素を持つI×Jの行列Xを、I×Kの大きさを持つ行列T, K×Jの大きさを持つ行列V の二つに分解する解析手法である。この時、K はI, Jのいずれをも超えない基底数であり、二つの行列の積T×Vが入力データであるXに近似するように分解する。
例えば、式(3)に基づく処理の例は、次のとおりである。入力の行列Xを
array([[1, 1, 2, 3, 1],
[0, 1, 0, 1, 1],
[2, 0, 4, 4, 0],
[3, 0, 6, 6, 0]])
とする(4×5の行列)。
array([[1, 1, 2, 3, 1],
[0, 1, 0, 1, 1],
[2, 0, 4, 4, 0],
[3, 0, 6, 6, 0]])
とする(4×5の行列)。
基底=2としてTとVに分解し、Tは4×2の行列
array([[ 2.35561816e+00, 1.69609836e+00],
[ 2.34969514e+00, 2.96149496e-10],
[ 1.60294110e-02, 3.39945280e+00],
[ 2.43321550e-02, 5.09913205e+00]])
となり、Vは2×5の行列
array([[ 1.34582225e-03, 4.25018129e-01, 2.69363870e-03,4.26665979e-01, 4.25018129e-01],
[ 5.88283539e-01, 1.70399572e-26, 1.17656687e+00,1.17474763e+00, 3.66130734e-26]])
になる。
array([[ 2.35561816e+00, 1.69609836e+00],
[ 2.34969514e+00, 2.96149496e-10],
[ 1.60294110e-02, 3.39945280e+00],
[ 2.43321550e-02, 5.09913205e+00]])
となり、Vは2×5の行列
array([[ 1.34582225e-03, 4.25018129e-01, 2.69363870e-03,4.26665979e-01, 4.25018129e-01],
[ 5.88283539e-01, 1.70399572e-26, 1.17656687e+00,1.17474763e+00, 3.66130734e-26]])
になる。
TとVの積は、元のXと同じ4×5の行列となり、Xを近似するように分解される。
array([[ 1.00095699e+00, 1.00118042e+00, 2.00191832e+00,2.99754965e+00, 1.00118042e+00],
[ 3.16227217e-03, 9.98663032e-01, 6.32923011e-03,1.00253498e+00, 9.98663032e-01],
[ 1.99986370e+00, 6.81279026e-03, 3.99972672e+00,4.00033832e+00, 6.81279026e-03],
[ 2.99976819e+00, 1.03416070e-02, 5.99953538e+00,6.00057498e+00, 1.03416070e-02]])
STFTの出力である時刻×周波数の行列をNMFで分解した二つの行列が、それぞれ周波数クラスタ、時系列クラスタである。
array([[ 1.00095699e+00, 1.00118042e+00, 2.00191832e+00,2.99754965e+00, 1.00118042e+00],
[ 3.16227217e-03, 9.98663032e-01, 6.32923011e-03,1.00253498e+00, 9.98663032e-01],
[ 1.99986370e+00, 6.81279026e-03, 3.99972672e+00,4.00033832e+00, 6.81279026e-03],
[ 2.99976819e+00, 1.03416070e-02, 5.99953538e+00,6.00057498e+00, 1.03416070e-02]])
STFTの出力である時刻×周波数の行列をNMFで分解した二つの行列が、それぞれ周波数クラスタ、時系列クラスタである。
図8は、抽出特徴評価処理の流れの一例を示す。図3に示すステップS300は、例えば、図8に示すとおり、ステップS310からS360の6つのステップを含むことができる。NMFで分解された周波数クラスタ、時系列クラスタから、ベアリングを初めとする回転体等の対象設備・機械10の異常を表すと考えられる指標をステップS310からS360の工程で導出することができる。
ステップS310では、周波数クラスタにおけるピークの分散を求める。異なる周波数成分が抽出されることは、時間軸上にムラがあり、回転体の回転等が均一でないことを示し、異常であることを示す。
ステップS320は、ステップS310に並列に実行することができ、時系列クラスタの各成分を、FFT処理を行い、スペクトルデータを生成する。次に、ステップS330で、生成されたスペクトルデータにおいて、パワー総量(パワー値の合計)の5%を超えるピークの数を求める。ここでは、5%をしきい値としているが、この値に限定されるものではない。例えば、ベアリング等の回転体が対象設備・機械10である場合、ピークは、スムーズに回転している回転体には周期性が無く、大きなスペクトルピークは大きな周期性を示し、回転体の異常を表す。
ステップS340は、ステップS330に並列に実行することができ、時系列クラスタの各成分を、FFT処理を行って得られたスペクトルデータにおいて、ピークが均等に並んでいる度合を求める。例えば、スペクトルピークが均等に並ぶ、つまり基底周波数の2倍、3倍、4倍といった倍音成分の存在は、より大きな規則性、周期性を表すものである。
ステップS350では、ピークの分散、ピークの数、ピークの均等度合の3つの指標に基づいてロジスティック回帰を行い、ステップS360では、ロジスティック回帰により分析した結果に基づいて正常/異常を判定する。評価指標の指数化の具体例として、ロジスティック回帰は、正常/異常の2値判定を行うものであるが、この判定は3つの指標からなる空間内における境界超平面から評価対象データまでの距離の正負に基づいて行われる。
この時、境界超平面からの距離は、空間内における確率密度に基づいており、評価対象を長期間継続的に評価した時の、正常から異常に移行していく過程は、境界超平面からの距離として捉えることができる。よって、この境界超平面からの距離を、異常度合いを表す異常指数とする。つまり、故障予兆検知サーバ60は、異常指数に基づいて対象設備・機械10に異常があるか否かの判定処理を行うことができる。
異常指数の継続評価の一例として、この異常指数は、単なる数値であり、これを継続して観測することで正常から異常に至る劣化曲線が得られる。この劣化曲線は、評価対象が同じであれば近似すると予測され、同種の評価対象からのデータを収集、評価することで、障害時期の予測が可能になる。つまり、故障予兆検知サーバ60は、上述の判定処理を一定の間隔で繰り返し実行して、異常指数を時系列的に取得して、時系列異常指数データを生成することができる。
そして、故障予兆検知サーバ60は、時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、対象設備・機械10と同種の設備から収集した評価対象データに対して、劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することができる。
また、故障予兆検知サーバ60は、図7(a)から(c)に示すスペクトログラム、時系列クラスタ、周波数クラスタに関するグラフ及び数値の少なくとも一方を、分析処理の結果として、故障予兆検知サーバ60及び該故障予兆検知サーバ60に接続された端末装置の少なくとも一方の表示手段に表示することができる。
故障予兆検知サーバ60は、異常指数又は時系列異常指数データに基づいた判定処理の結果が異常である場合に、故障予兆検知サーバ60及び該故障予兆検知サーバ60に接続された端末装置の少なくとも一方において警告音を鳴らしたり、モニタ等の表示手段に異常である旨を表示したりすることができる。
図9は、エンベロープ処理(従来手法)による異常検知の例と本発明に係る故障予兆検知手法による異常検知の例とを比較した概略図である。エンベロープ処理は、包絡線処理とも呼ばれ、振幅の外形を取り出す処理である。図9に示すエンベロープ処理(従来手法)では、対象設備・機械10からセンサ20で収集したデータ(生データ)に対してエンベロープ処理(従来手法)を行った後、FFT処理を行っている。一方、図9に示す本発明に係るSTFT+NMF処理では、対象設備・機械10からセンサ20で収集したデータ(生データ)に対して、STFTとNMFを行って周波数クラスタ及び時系列クラスタを生成し、生成された周波数クラスタ及び時系列クラスタに対してFFT処理を行っている。
従来のエンベロープ処理は、データの性質(ベアリング傷、アライメントずれ)に特化しており、エンベロープ処理においてフィルタ(ハイパス、ローパス)する周波数があらかじめわかっている必要がある(例えば、検出対象に固有の共振周波数)。図9に示す例では、対象設備・機械10のベアリング傷等によるスパイク状の振動は、倍音成分(基底周波数とその2倍、3倍、…の集合)として検出される。この例では、STFT+NMFがより的確に倍音成分を捉えていることがわかる。本発明にかかるSTFT+NMF処理は、周波数クラスタ及び時系列クラスタを生成するクラスタリングがデータにおけるノイズを減らす効果がある。
このように、本発明に係るSTFT+NMFでは、従来のエンベロープと同等以上の効果が得られ、NMFは教師無し機械学習であり、与えたデータの中に存在する周波数成分がクラスタリングにより分類される。このため予め検出対象の振動周波数がわかっている必要が無く、多様な事象に対応できる可能性がある。
以上のように、本発明に係る故障予兆検知システム、装置及びプログラムを用いることで、小規模なポンプ・モーター・機械・精密機器等の各々にIoTでしばしば用いられる安価なセンサが設置されたとしても、各々の状態を示す生データを収集して、IoTゲートウェイ機器を介してサーバ(クラウド)に自動的に送信して、当該生データを記憶装置に蓄積して、当該記憶装置に蓄積された大量の生データを迅速かつ的確に分析することができる。
本発明の故障予兆検知システム等は、IoTゲートウェイを用いてセンサ等のIoTデバイスからデータを収集する等のIoTの技術分野において利用可能である。
10 対象設備・機械
20 センサ
30 IoTゲートウェイ
40 モバイル回線
50 クラウド
60 故障予兆検知サーバ
61 データ収集蓄積部
62 異常検知部
63 故障傾向予測部
64 可視化通知部
65 記憶部
20 センサ
30 IoTゲートウェイ
40 モバイル回線
50 クラウド
60 故障予兆検知サーバ
61 データ収集蓄積部
62 異常検知部
63 故障傾向予測部
64 可視化通知部
65 記憶部
Claims (13)
- 設備の状態を示すデータを少なくとも記憶したサーバを備え、
前記サーバは、
前記データに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成し、
前記スペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出し、
前記時系列クラスタと前記周波数クラスタとに基づいて前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行い、前記分析処理の結果の通知を行うこと
を特徴とする故障予兆検知システム。 - 前記分析処理は、
前記周波数クラスタにおけるピークの分散を求めるステップと、
前記時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成するステップと、
前記スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求めるステップと、
前記スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めるステップと
を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の故障予兆検知システム。 - 前記サーバに接続された端末装置をさらに含み、
前記分析処理の結果の通知は、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に、前記分析処理の結果に関する、グラフ及び数値の少なくとも一方を含む表示であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の故障予兆検知システム。 - 前記分析処理は、さらに
前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合に基づいてロジスティック回帰を行い、前記ロジスティック回帰の結果に基づいて、前記設備が正常であるか異常であるかを判定する判定処理を行うステップを含むこと
を特徴とする請求項2又は3に記載の故障予兆検知システム。 - 前記分析処理の結果の通知は、前記判定処理の結果が異常である場合に、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方で鳴る警告音、又は前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に表示される、前記設備に異常が発見された旨の表示であること
を特徴とする請求項4に記載の故障予兆検知システム。 - 前記判定処理において、前記ロジスティック回帰は、正常か異常かの2値判定を行うものであり、
前記2値判定は前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合の3つの指標からなる空間内における境界超平面から評価対象データまでの距離の正負に基づいて行い、
前記境界超平面からの距離は、異常度合いを表す異常指数であることを特徴とする請求項4又は5に記載の故障予兆検知システム。 - 前記サーバは、さらに、前記判定処理を一定の間隔で繰り返し実行して、前記異常指数を時系列的に取得して、時系列異常指数データを生成し、
前記時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、
前記設備と同種の設備から収集した評価対象データに対して、前記劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することを特徴とする請求項6に記載の故障予兆検知システム。 - 前記障害時期の結果の通知は、前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方で鳴る警告音、又は前記サーバ及び前記端末装置の少なくとも一方の表示手段に表示される、前記結果の表示であることを特徴とする請求項7に記載の故障予兆検知システム。
- 設備の状態を示すデータを収集するデータ収集蓄積部と、
前記データ蓄積部により収集された前記データを少なくとも記憶した記憶部と、
前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行う異常検知部と、
前記分析処理の結果の通知を行う通知部と
を備え、
前記異常検知部は、前記データに対して短時間フーリエ変換(STFT)を行って、時間×周波数×音圧の3次元データであるスペクトログラムを生成し、前記スペクトログラムに対して非負値行列因子分析(NMF)を行って、時系列成分を含む時系列クラスタと周波数成分を含む周波数クラスタとを抽出し、前記時系列クラスタと前記周波数クラスタとに基づいて、前記設備に異常があるか否かを判定するための分析処理を行うこと特徴とする故障予兆検知装置。 - 前記異常検知部は、
前記周波数クラスタにおけるピークの分散を求め、
前記時系列クラスタの各成分に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って、スペクトルデータを生成し、
前記スペクトルデータにおいてパワー総量の所定のしきい値を超えるピークの数を求め、
前記スペクトルデータにおいてピークが均等に並んでいる均等度合を求めること
を行うことを特徴とする請求項9に記載の故障予兆検知装置。 - 前記ピークの分散、前記ピークの数及び前記ピークの均等度合に基づくロジスティック回帰を行い、前記ロジスティック回帰の結果に基づいて、前記設備が正常であるか異常であるかを判定する判定処理を行う故障傾向予測部をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の故障予兆検知装置。
- 前記故障傾向予測部は、前記判定処理を一定の間隔で繰り返し実行して、前記異常指数を時系列的に取得して、時系列異常指数データを生成し、
前記時系列異常指数データに基づいて、正常から異常に至る劣化曲線を生成し、
前記設備と同種の設備から収集した評価対象データに対して、前記劣化曲線を用いて予測された障害時期を結果として通知することを特徴とする請求項11に記載の故障予兆検知装置。 - 1以上のプロセッサを含むサーバによって実行されることで、前記サーバを請求項9から12のいずれか1項に記載の故障予兆検知装置として機能させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2017192785A JP2019067197A (ja) | 2017-10-02 | 2017-10-02 | 故障予兆検知手法 |
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