JP2009257862A - 回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転機械等の設備の発生する音信号の持つ自己回帰モデルの固有の回帰係数を利用して、点検時の設備の正常,異常を判定する診断方法を提供する。
【解決手段】回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法であって、設備の稼働時に発生する音信号を測定し、最小自乗法と最大エントロピー法とを用いて固有の自己回帰モデルの回帰係数を算出して記憶し、該回帰係数を前記設備の点検測定時に発生する音信号に適用して残差を算出し、該残差の大小の比較により測定時の設備の正常,異常を判定するようにしたことを特徴とする回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法にある。
【選択図】図9
【解決手段】回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法であって、設備の稼働時に発生する音信号を測定し、最小自乗法と最大エントロピー法とを用いて固有の自己回帰モデルの回帰係数を算出して記憶し、該回帰係数を前記設備の点検測定時に発生する音信号に適用して残差を算出し、該残差の大小の比較により測定時の設備の正常,異常を判定するようにしたことを特徴とする回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法にある。
【選択図】図9
Description
本発明は回転機械等の設備の発生する音信号を解析して正常,異常を判定するようにした健全性診断方法に関するものである。
この種の設備の音による健全性の診断方法としては、診断時の音信号の周波数パターンを正常時の周波数パターンと比較して解析する方法、診断時の音信号のインパルス応答出力を正常時のインパルス応答出力と比較して解析する方法がある。
しかしながら、周波数パターンの解析方法では音信号の絶対値は不要であるが正常時の周波数パターン情報が必須であり、インパルス応答の解析方法では音信号の絶対値と正常時のインパルス応答出力の双方の情報を必須とし、いずれの方法も正常時に測定した情報と比較することによって現状に変化がみられるかどうかという診断方法であるため、事前に正常時の精密な情報を準備しておかなければならないという課題があった。
本発明は、回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法であって、設備の稼働時に発生する音信号を測定し、音の構造式
に基づいて、式
を最小にする最小自乗法と最大エントロピー法とを用いて固有の自己回帰モデルの回帰係数を算出して記憶し、該回帰係数を前記設備の点検測定時に発生する音信号に適用して残差を算出し、該残差の大小の比較により測定時の設備の正常,異常を判定することで、正常時の情報がなくとも現状の健全性を診断することができるようにして、かかる課題を解決するようにしたのである。
本発明は、回転機械等の設備の発生する音信号の持つ固有の自己回帰モデルの回帰係数を適用して点検時の音信号を解析するようにしたので、設備の健全性を簡易且つ迅速に判定することができるという効果を生ずる。
本発明は、回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法であって、設備の稼働時に発生する音信号を測定し、音の構造式
に基づいて、式
を最小にする最小自乗法と最大エントロピー法とを用いて固有の自己回帰モデルの回帰係数を算出して記憶し、該回帰係数を前記設備の点検測定時に発生する音信号に適用して残差を算出し、該残差の大小の比較により測定時の設備の正常,異常を判定するようにしたのである。残差の大小は残差パワー比と残差スペクトルを抽出して比較するのである。
以下、回転機械の発生する音信号を測定し,これを自己回帰モデルの回帰係数で分析し,基準となる信号からのずれを検出することによって設備の健全性、すなわち正常,異常を判定する本発明の診断方法について説明する。
自己回帰モデルは、本来いわゆる予測制御システムで利用される技術であり、たとえば慣性系のように2次の微分方程式で表現されるようなシステムでは過去から現在までの運動がわかれば将来の運動が予測できるという原理に基づくものである。バネに吊された錘の上下運動,振り子の運動などがこれに当たる。単弦運動の方程式、
自己回帰モデルでは,過去の測定値の1次結合で現在の値を推定する。式(6)において添字のiは離散時間間隔δtで測定対象を数値化したときの時刻iδtを意味している。
式(4)における係数列
は自己回帰モデルの回帰係数であり,この数列によってシステムの挙動が決定されることとなる。
安定した(線形)システムは慣性系の振動状態にあって,そこから定常音が放射されるので、このシステムは固有の自己回帰係数を持っていることになる。そこで、自己回帰モデルによる予測値と実際の値の差をあらわす残差パワー,残差スペクトルを算出してその変動からシステムの変化を調べるようにしたのである。
自己回帰モデルによる残差は、
自己回帰モデルによる残差は、
であり、本来、回帰係数はこの残差を最小、あるいは白色化(ランダムノイズ化=ホワイトノイズ化)することを前提として決定されているものであるから、システムの状態が回帰係数を決定した時と同じ状態であれば、残差は最小となり、また残差スペクトルは白色(周波数に対して平坦)となる。またシステムに異常が生じたときは、残差が増加し、残差スペクトルに卓越周波数成分が生じることとなる。
図1は入力信号と回帰係数による予測値との残差の分析結果を示すもので、残差(図中「出力」と表示)パワーは、入力信号パワーの0.001%以下であって、自己回帰モデルによって良好に説明されていることが理解される。なお、入力信号のパワーと残差パワーの比率は一定であるので、入力信号レベルが変化してもパワー比に変化は生じない。
図2は同一システムの信号が重合した場合の計算結果を示すものであって、5ms以降の時間で同一信号の振幅を1/2にして重ねてあるが、残差信号に変化はみられない。すなわち、同一の信号源からの信号の場合、多少の重複は自己回帰モデルでの記述に影響を与えないことが理解される。
図3は回帰係数の異なる系列信号が混入した場合の結果を示すものである。図3では時刻5ms以降に元信号の2倍の周波数を持つ信号を加えている。図3(2)に示すように、残差信号は時刻5msで急激に振幅を増大して,あらかじめ与えられた回帰係数では適合できなくなっていることが判明している。この図3(2)からシステムに変化(異常)が生じ,その変化の始めの時刻が5msであると判断することができる。
図4は、その周波数スペクトルを示すものである。図4(1)は,入力信号の周波数スペクトルであり,中心周波数約7.5kHzの比較的線スペクトルに近いものである。なお、スペクトル解析は最大エントロピー法(MEM)によって行っている。自己回帰モデルの回帰係数の計算も同様である。
図4(2)は、他系列音信号が混入していない場合の残差のスペクトルを示すものである。完全に白色化されてはいないが、ほぼ全周波数範囲に亘って分布するスペクトルとなっており、残差がランダムノイズ化されているものと考えられる。
これに対し,図4(3)は、周波数が対象信号の2倍となる他系列音信号を混入させた場合の残差スペクトルを示すものであり,周波数成分は15から20kHzの高い帯域に集中して白色化(ランダムノイズ化)されていないことがわかる。すなわち、高域周波数成分を持つ外からの信号が混入したと判定することができるのである。
図4(2)は、他系列音信号が混入していない場合の残差のスペクトルを示すものである。完全に白色化されてはいないが、ほぼ全周波数範囲に亘って分布するスペクトルとなっており、残差がランダムノイズ化されているものと考えられる。
これに対し,図4(3)は、周波数が対象信号の2倍となる他系列音信号を混入させた場合の残差スペクトルを示すものであり,周波数成分は15から20kHzの高い帯域に集中して白色化(ランダムノイズ化)されていないことがわかる。すなわち、高域周波数成分を持つ外からの信号が混入したと判定することができるのである。
次に同一システムに対しての安定性を検証する。なお、ここでは検証を容易にするために回転機械ではなく同一橋梁の同一部材(測定点は異なる)を弾性波レーダ装置により測定したデータを元に診断方法の安定性について実験した。同一橋梁の同一部材の断面は設計上同じ形状であり、弾性波レーダ装置による測定波形,スペクトルも類似しているので、このような信号では最初に測定した断面で自己回帰モデルの回帰係数を基準点として設定し、他の測定点での予測誤差(残差)からその測定点が基準点と異なるグループか否かを検証するようにした。
まず,測定点1を基準点とし、この音信号を用いて自己回帰モデルの回帰係数を決定した。図5(1)が測定点1の信号とその残差を示すものである。残差のパワー比は0.035%と小さいものとなっている。図5(2)は測定点2での入力信号と残差を示すもので、測定点2は測定点1と隣接点であるが位置が異なることによって残差は0.153%とやや大きくなっている。
図5(3)は基準点から1.4m離れた測定点3での測定結果を示すもので、残差パワー比は測定点2ほどではないが,図5(4)に示すように残差スペクトルは平坦(白色化)ではない。
図5(5)は,同一断面としては最も遠い測定点4のものであり,基準点からの距離は約5mである。残差はごく小さいものとなっている。
これに対して図5(6)は同一橋梁ではあるが異なった部位(基準点とした部位は桁,図5(6)はスラブ)で計測したもので、残差パワー比は0.76%とこれまでと比較して著しく大きいものとなった。
図5(7)は,基準点とした橋梁とは異なった別の橋梁での測定結果を示すもので、残差パワー比は1.66%と非常に大きくなった。
図5(3)は基準点から1.4m離れた測定点3での測定結果を示すもので、残差パワー比は測定点2ほどではないが,図5(4)に示すように残差スペクトルは平坦(白色化)ではない。
図5(5)は,同一断面としては最も遠い測定点4のものであり,基準点からの距離は約5mである。残差はごく小さいものとなっている。
これに対して図5(6)は同一橋梁ではあるが異なった部位(基準点とした部位は桁,図5(6)はスラブ)で計測したもので、残差パワー比は0.76%とこれまでと比較して著しく大きいものとなった。
図5(7)は,基準点とした橋梁とは異なった別の橋梁での測定結果を示すもので、残差パワー比は1.66%と非常に大きくなった。
以上の結果から、基準となる音信号のものとシステムが異なる場合には明らかに残差パワー比が大きくなることが判明した。すなわち、残差パワーを手がかりとして測定対象となっているシステムが基準のシステムと同一(状態)であるかどうかを判別できるということが検証されたのである。
図6は残差スペクトルと基準音信号,測定音信号のスペクトルを示すもので、残差は基準音信号の周波数構成と測定音信号の周波数構成の違いを示し、実際的には基準音信号と測定音信号問の伝達関数に比例するものである。よって図6は残差スペクトルの強度とパワー比(伝達関数)の関係を示したものとなる。線形関係からややずれてはいるが、これは周波数解析をMEM(最大エントロピー法)で行ったために生じた誤差と考えられる。つまり、基準点音信号と測定点音信号の周波数構成が同じであれば、両者の伝達関数は周波数によらず一定であるから、残差が白色化されていることと同じであるといえる。
回転機械の故障などによって周波数構成が時刻とともに変化する場合などでは、この周波数による健全性の評価が適している。指標化方法としては、残差スペクトルが白色ノイズからどの程度離れているかということに注目できる。この指標値の定量化は周波数範囲を限定して、その中での残差スペクトルの変動係数によって可能である。すなわち、残差スペクトルが白色化されたものであれば、変動係数は0である。測定データのスペクトルが基準データのスペクトルから離れれば離れるほど変動係数は大きくなるのである。
設定した回帰係数を用いた自己回帰モデルで残差信号の回帰写像を求めると残差は白色化されたランダムノイズとなるから、図8(1)のように、相関係数がほぼ0に近くなる円形状の分布を示すことになる。
一方、残差スペクトルが白色化されていない場合には、図8(2)のように、相関を持つ分布が得られることとなる。
図8(3)は、同一構造で異なった測定点における音信号の波形データに基準点での回帰係数を適用した場合の残差の回帰写像を求めたものである。分布の形状は基準点の場合に類似してランダムノイズの様相となる。これらの解析から、残差の回帰写像を描くようにすれば、システムが基準点音信号(正常時)と同種(同状態)であるか否かを視認によって判断することができるということが理解される。
一方、残差スペクトルが白色化されていない場合には、図8(2)のように、相関を持つ分布が得られることとなる。
図8(3)は、同一構造で異なった測定点における音信号の波形データに基準点での回帰係数を適用した場合の残差の回帰写像を求めたものである。分布の形状は基準点の場合に類似してランダムノイズの様相となる。これらの解析から、残差の回帰写像を描くようにすれば、システムが基準点音信号(正常時)と同種(同状態)であるか否かを視認によって判断することができるということが理解される。
以上の数値計算による実験結果から自己回帰モデルを利用した設備の診断方法の成立性が実証された。設備の診断のためには基準となる音信号が必要であるが、これは設備が健全と判断される状況での測定音信号を元にすることができる。
設備の状況変化は、残差スペクトルの変動係数という数値処理が可能であり、この変動係数が一定の水準に達した場合に測定対象の設備が「異常な状態,不健全な状態」になったと判別することとしたのである。
また日常的な検査においては、残差成分の回帰写像を視認可能に図示化し、その形状より容易に測定対象の設備の状況を視認判断することができることとなる。当然、残差スペクトルの変動係数などの数的な指標によって経時変化を把握することもできる。
設備の状況変化は、残差スペクトルの変動係数という数値処理が可能であり、この変動係数が一定の水準に達した場合に測定対象の設備が「異常な状態,不健全な状態」になったと判別することとしたのである。
また日常的な検査においては、残差成分の回帰写像を視認可能に図示化し、その形状より容易に測定対象の設備の状況を視認判断することができることとなる。当然、残差スペクトルの変動係数などの数的な指標によって経時変化を把握することもできる。
以上の検証を踏まえて回転機械等の設備の診断に音信号を利用する場合、音の測定位置とマイクロフォンの方向が重要となる。測定点が適切でないと、他の機器などからの音の混入が影響して設備の状況を誤判断することが考えられるからである。また,同時にマイクロフォンの方向についても規定方向から大きくずれないようにすることとが肝要となる。
測定対象となる回転機械が正常に稼働している状態で発生する音は、対象の回転機械の回転速度に比例した周波数成分を持っている。その周波数構成は、機械の形状,音信号発生源の状態などによって異なるが、基本的には基本周波数に対して調和関係にある周波数によって構成されるものである。
これに対し、回転機械が故障した場合、音の発生周波数は回転速度と調和関係にはあるものの、音としては雑音あるいは衝撃音のように広帯域でハーモニックな関係にない周波数特性を持つ音が派生することとなる。人の聴覚による診断では周波数の非調和性など、いわゆる「音色」の変化(音の清濁)、音圧レベルの時間変動、場合によってはその不規則性などの知覚に基づくものとなる。
また、実現場での音の測定では、対象とする音以外の雑音(外来雑音)があるが、この雑音は対象から発生する音と相関のない場合が多いと考えられる。また雑音ではないが対象機械の音が反射して測定音に混入することがある。この場合の反射音は、音信号自体の周期性は発生源と同じでありながら反射する場所によって位相が異なり、波形で見ると干渉による音圧変化が生ずるものとなる。
このような測定音の構造を方程式で示すと次のようになる。
これに対し、回転機械が故障した場合、音の発生周波数は回転速度と調和関係にはあるものの、音としては雑音あるいは衝撃音のように広帯域でハーモニックな関係にない周波数特性を持つ音が派生することとなる。人の聴覚による診断では周波数の非調和性など、いわゆる「音色」の変化(音の清濁)、音圧レベルの時間変動、場合によってはその不規則性などの知覚に基づくものとなる。
また、実現場での音の測定では、対象とする音以外の雑音(外来雑音)があるが、この雑音は対象から発生する音と相関のない場合が多いと考えられる。また雑音ではないが対象機械の音が反射して測定音に混入することがある。この場合の反射音は、音信号自体の周期性は発生源と同じでありながら反射する場所によって位相が異なり、波形で見ると干渉による音圧変化が生ずるものとなる。
このような測定音の構造を方程式で示すと次のようになる。
対象の回転機械の音をG、測定点までの伝達系をA、雑音はNである。Bφは反射系を示すものであるが、あまり考慮する必要はないと考えられる。自己回帰モデルによる解析では、発生源が2階常微分方程式で記述できる慣性系の振動であることを前提としているが、一般的に回転機械はそのような音の発生機構を持っている。なぜならば音の発生が空気と接した機械表面の振動に起因しているからである。
システムにノイズがない状態で測定した音信号を基に自己回帰モデルの回帰係数を求め、その係数による予測値と実際の実測値の残差(誤差)を求める。ここで、自己回帰モデルの回帰係数は、
システムにノイズがない状態で測定した音信号を基に自己回帰モデルの回帰係数を求め、その係数による予測値と実際の実測値の残差(誤差)を求める。ここで、自己回帰モデルの回帰係数は、
故障した回転機械が基本的に持つ振動以外の振動を発生させている状況では、故障を原因として発生する音が基本周波数と調和関係にあれば音色の違いとして知覚される。ベアリングの破損のように発生周期は調和関係になっていても個別の音が衝撃を伴う場合を考えると,音の構造は式(8)のようになる。
故障した回転機械の設備では、Nは衝撃による広帯域音、Bφは発生の周期性の伴う音となる。この場合、自己回帰モデルの回帰係数を同様の方法によって算出すると、回帰係数はA+Bφと適合するような係数ベクトルとなり、故障していない状態の自己回帰係数とはやや異なるものとなる。よって、健全時からどのように故障したかを判定するためには健全時の情報を保持している必要があることとなる。
健全時の自己回帰モデルの回帰係数を保存していない場合、Bφの影響によって自己回帰モデルのみとは適合しない残差(回帰写像で相関を持つ)と、Nによる残差(残差パワーの上昇)が発生することとなる。つまり、解析結果を残差の回帰写像での相関係数および残差パワーで表現される空間上の点で示すと、その位置関係から問題点を推定するこことが可能となるのである。
健全時の自己回帰モデル係数が保存されていれば,健全状態からの変化を知ることができる、という点において,健全時の自己回帰モデル係数は意味を持つこととなるが、健全性の判定では補助的な役割にとどまるものとなる。
健全時の自己回帰モデル係数が保存されていれば,健全状態からの変化を知ることができる、という点において,健全時の自己回帰モデル係数は意味を持つこととなるが、健全性の判定では補助的な役割にとどまるものとなる。
図9は本発明の診断方法の実行装置と解析結果を視認できるようにした表示画像の1例を示すものである。たとえばポンプ用モータ等の回転機械(図示してない)を診断対象とした場合、音信号の測定に最適の測定点をあらかじめ決定しておいて、この測定点にベース1を固定し、該ベース1に測定点情報を記憶させたICタグ2を取付固定しておいて、携帯型でマイクロフォン3付の解析装置4を正しくベース1上に置いて測定を開始するのである。解析装置4はICタグ2から測定点の情報を読取り、マイクロフォン3にて集音した音信号の測定波形を自己回帰モデルで解析し,残差スペクトル,残差スペクトルの時間変化特性を分析することで設備の正常,異常を判定評価するようにしたのである。図9の表示画像例では、残差パワー比の数値とグラフの表示欄(a)、回帰写像と相関関数値の表示欄(b)、測定データの評価の表示欄(c)を設けており、この例においては評価基準を残差パワー比が2.5%以上、残差回帰写像相関係数値が0.1以上であれば異常(非健全)であると評価するように設定していることで、パワー比=5.7%、相関関数=0.015という解析結果から画像の右側に「注意」(d)の文字が表示されているという状態を示している。なお、評価基準の設定値内のときには「健全」などの文字を表示するのである。
本発明は、回転機械等の設備の正常,異常を簡易にして迅速に判定することのできる健全性診断方法として各種の設備において広く利用することができるものである。
1はベース
2はICタグ
3はマイクロフォン
4は解析装置
2はICタグ
3はマイクロフォン
4は解析装置
Claims (2)
- 回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法であって、設備の稼働時に発生する音信号を測定し、音の構造式
- 残差の大小は残差パワー比と残差スペクトルにて比較する請求項1に記載の健全性診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008105498A JP2009257862A (ja) | 2008-04-15 | 2008-04-15 | 回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2008105498A JP2009257862A (ja) | 2008-04-15 | 2008-04-15 | 回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009257862A true JP2009257862A (ja) | 2009-11-05 |
Family
ID=41385476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008105498A Pending JP2009257862A (ja) | 2008-04-15 | 2008-04-15 | 回転機械等の設備の音信号による健全性診断方法 |
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- 2008-04-15 JP JP2008105498A patent/JP2009257862A/ja active Pending
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