JP5197853B2 - モニタリング装置 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るモニタリング装置は、例えば工場やビルで稼働している機器の状態をユーザが移動しながら検査(観測)する際に使用されることを想定している。
本実施形態に係るモニタリング装置100は、集音部101、周波数分析部102、コンター生成部103、コンター格納部104、コンター判定部105、および通知部106を含む。
通知部106は、コンター判定部105から判定結果を受け取り、判定結果をユーザまたは外部の他のシステムへ通知する。
ステップS201では、集音部101が機器ごとに正常に稼働した場合の稼働音を収録する。具体的には、測定空間内に設置されている機器をそれぞれ個別に稼働させたのち、測定空間に設定した任意の測定点において、機器の稼働音を含む環境音を収録する。
ステップS205では、コンター生成部103で生成したコンター図を基本データとしてコンター格納部104に格納する。以上で本実施形態に係るモニタリング装置の基本データ生成の動作を終了する。
ここでは、図3(a)に示すように、測定空間内に機器A、機器B、および機器Cの3つの機器が稼働している状態を想定する。図3(b)には、機器ごとに単独で稼働させたときの環境音を一定間隔でサンプリングしたのち高速フーリエ変換を行った結果である音圧レベルと周波数との関係を示す。図3(b)に示すように、機器ごとに異なる特徴周波数成分を得ることができる。
図3(c)には、機器ごとの特徴周波数成分の音圧レベルをもとに生成したコンター図を示す。特徴周波数成分の音圧レベルの等しい測定点を結ぶことにより、機器A、機器B、および機器Cそれぞれのコンター図を生成することができる。
図4(a)、図4(b)、および図4(c)は、機器A、機器B、および機器Cがそれぞれ単独で稼働している状態のコンター図であり、図3に示す図と同様である。
具体的に、機器Aの特徴周波数成分が100Hzであり、機器Bの特徴周波数成分が500Hzであり、機器Cの特徴周波数成分が700Hzである場合を想定する。図4(d)の例では、機器Aを単独で稼働させたときの100Hzの周波数成分と、機器Bを単独で稼働させたときの100Hzの成分の和を測定点ごとに計算し、機器Aおよび機器Bの2つの機器を稼働させた場合の機器Aの特徴周波数成分とすればよい。同様に図4(f)の例では、機器Bの特徴周波数成分(500Hz)は、機器Bを単独で稼働させたときの500Hzの周波数成分と、機器Cを単独で稼働させたときの500Hzの成分の和を算出すればよい。
ステップS501およびステップS502は、ステップS201およびステップS202と同様の動作を行う。
ユーザが図6(a)に示す位置において観測を行うと仮定する。そして、図6(a)の位置において環境音を観測し、フーリエ変換を行った結果を図6(b)に示す。図6(b)に示すような特徴周波数成分と音圧レベルとの関係を得ることができ、機器A、機器B、および機器Cの各特徴周波数成分を得ることができる。このような環境音の特徴周波数成分の抽出を周波数分析部102により一定間隔でサンプリングして行うことで、各特徴周波数成分の音圧レベルの変動があるかどうか、または各特徴周波数成分ではない周波数に音圧レベルのピークがあるかどうかを判定することができる。
本実施形態では、コンター図の生成に用いるパラメータとして、音質メトリクスを使用する点が第1の実施形態とは異なる。音質メトリクスとは、音響心理学の考え方に基づいて音質の違いを判定する指標である。具体的には、例えば音の大きさを表す指標であるラウドネス、音の甲高さを表す指標であるシャープネス、音の粗さ感を表す指標であるラフネス、音の変動感を表す指標である変動強度がある。
本実施形態に係るモニタリング装置の構成について図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係るモニタリング装置700は、集音部101、周波数分析部102、コンター格納部104、コンター判定部105、通知部106、音質メトリクス算出部701、およびコンター生成部702を含む。
集音部101、周波数分析部102、コンター格納部104、コンター判定部105、および通知部106については、第1の実施形態と同様の動作を行うためここでの説明は省略する。
ステップS801からステップS803までの処理は、図2に示すステップS201からステップS203までと同様の処理を行う。
ステップS806では、コンター生成部103が生成したコンターをコンター格納部104に格納する。以上で基本データ生成の動作を終了する。
ステップS901およびステップS902の処理は、図8に示すステップS801およびステップS802と同様の処理である。
図10(a)は、機器Aが発生する周波数fA成分の音圧レベルのコンターを示す。また、星印はユーザ1001がいる場所を示す。なお、簡単のため、壁の反射等を考慮せずに音圧レベルのコンターを示す。音圧レベルのコンターは、すでに実測および解析で評価済みとする。図10(a)はユーザ1001が機器Aから発生する周波数fA成分の音圧レベル2の音を聴いている様子を示す。
図10(b)は、全ての機器が正常に稼働している場合の機器A、機器B、機器C、および機器Dから発生するそれぞれの特徴周波数成分fA,fB,fC,およびfDの等音圧レベル線を示す。複数の機器の異なる特徴周波数の等音圧レベル線の情報から、ユーザ1001がいる位置を特定することができる。さらに、サンプリング速度を速くすることによりユーザ1001の動きも特定できる。
Claims (4)
- 少なくとも1つ以上の機器が存在する測定空間内の環境音を収録する集音部と、
前記環境音をサンプリングして周波数分析し、機器の稼働音の周波数成分の中で最も音圧レベルが高い周波数成分を特徴周波数成分として抽出する分析部と、
前記特徴周波数成分の音圧レベルに基づいて、音質の違いを判定する指標である音質メトリクスを算出する算出部と、
予め機器の稼働状態に応じて算出された基本音質メトリクスの等しい測定点を結んだコンターデータが格納された格納部と、
前記格納部に格納されたコンターデータの基本音質メトリクスと前記算出部により算出された音質メトリクスが一致する測定点があるかどうかを判定する判定部と、を具備し、
前記判定部は、前記音質メトリクスの変動が閾値より小さくかつ該音質メトリクスと前記基本音質メトリクスとが一致する場合は、前記機器の稼働状態が正常であると判定し、該音質メトリクスと該基本音質メトリクスとが一致しない場合または該音質メトリクスのレベルの変動が前記閾値以上である場合は、前記機器の稼働状態が異常であると判定し、前記音質メトリクスのレベルが一定時間変化しない場合は、前記機器およびユーザの少なくともどちらか一方が異常であると判定することを特徴とするモニタリング装置。 - 前記算出部は、前記音質メトリクスとして、音の大きさを表す指標であるラウドネスと音の甲高さを表す指標であるシャープネスとを算出することを特徴とする請求項1に記載のモニタリング装置。
- 前記算出部は、前記音質メトリクスとしてさらに、音の粗さ感を表す指標であるラフネス、音の変動感を表す指標である変動強度、および音の突発性を表す指標であるインパルシブネスを算出することを特徴とする請求項3に記載のモニタリング装置。
- 少なくとも1つ以上の機器が存在する測定空間内の環境音を収録する集音部と、
前記環境音をサンプリングして周波数分析し、機器の稼働音の周波数成分の中で最も音圧レベルが高い周波数成分を特徴周波数成分として抽出する分析部と、
予め機器の稼働状態に応じて抽出された基本音圧レベルの等しい測定点を結んだコンターデータが格納された格納部と、
前記格納部に格納されたコンターデータの基本音圧データと前記算出部により算出された音圧データとが一致する測定点があるかどうかを判定する判定部と、を具備し、
前記判定部は、前記音圧レベルの変動が閾値より小さくかつ該音圧レベルと前記基本音圧レベルとが一致する場合は、前記機器の稼働状態が正常であると判定し、該音圧レベルと該基本音圧レベルとが一致しない場合または該音圧レベルの変動が前記閾値以上である場合は、前記機器の稼働状態が異常であると判定し、該音圧レベルが一定時間変化しない場合は、前記機器およびユーザの少なくともどちらか一方が異常であると判定することを特徴とするモニタリング装置。
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