JPH1164089A - 波動診断装置 - Google Patents

波動診断装置

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JPH1164089A
JPH1164089A JP22172597A JP22172597A JPH1164089A JP H1164089 A JPH1164089 A JP H1164089A JP 22172597 A JP22172597 A JP 22172597A JP 22172597 A JP22172597 A JP 22172597A JP H1164089 A JPH1164089 A JP H1164089A
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filter
wave
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plant
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JP22172597A
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Seiichiro Suzuki
木 成一郎 鈴
Makoto Ochiai
合 誠 落
Masatake Sakuma
正 剛 佐久間
Koji Hikuma
隈 幸 治 日
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラント内部の波動信号を利用して、プラン
トを構成する機器の異常を、その方向や位置まで含め
て、正確かつ迅速に検出することを可能にする。 【解決手段】 プラント等の場の波動を検出するための
複数の音響波動検出素子2を配置した音響波動受信部1
を設け、この音響波動受信部1からの検出信号に対し
て、フィルタ処理部3により、ゲインと位相を有するフ
ィルタ特性を付加し、これらのフィルタ処理手段3の出
力を合成部4により合成してプラントフィルタ判断部5
に与え、このプラントフィルタ判断部5の出力と、参照
信号を、比較手段により比較し、この比較結果に基づい
て、フィルタ特性変更手段を通じて、プラントフィルタ
判断部5のフィルタ特性を可変すると共に、適応信号処
理部7を通じて、フィルタ処理部3の特性を適応的に可
変することにより、場が高反射環境であっても、反射の
影響を除外した波動の検知が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波動診断装置に係
り、特にプラント等における振動や音響のような波動の
成分を分析して、波動源の異常診断を行う波動診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラントは、振動や音響を発生
しながら運転されることが多いが、プラントに異常が発
生すると、発生している振動や音響などの波動に、その
兆候を見いだすことができる。このため、このような波
動をプラントの異常検出に適用しようとする試みは、長
年実行されてきた。しかし、プラント内部は、振動や音
響のレベルが高く、波動暴露の高い場所である。また、
プラント機器は、箱構造の密閉性のよい筐体に収容され
ていることも多く、反射音響による影響や、共鳴や共振
による振動などが発生すると、波動の出具合は、非常に
複雑なものになってくる。
【0003】このように、高い難点レベルで、しかも複
雑な状態で発生する波動を通じて、プラントの異常を発
見することは、極めて困難であり、巡視作業者の長年の
熟練と勘に頼ることが多かった。しかし、このような感
覚的な判断は、誤判断も多く、また騒音レベルが高すぎ
る場合は、耳栓などの保護具を使用する都合から、正確
な音響の聞き取りができないケースもあり、プラントの
異常診断における信頼性を著しく損ねていた。また、プ
ラントによっては、巡視作業者の立入が、非常に危険な
場合もあり、人手による異常判断は、普遍的に適用でき
る方法とは言い難いという側面もあった。
【0004】このような背景から、プラントの発生す
る、振動や音響などの波動を、定量的、定性的に、客観
的に測定し、その異常を、遠隔から安全かつ速やかに検
出できるような診断装置に対する要求が非常に強かっ
た。
【0005】このために、従来から、波動検出用のアレ
イ状マイクロフォンを配置して、特定の方向に指向性を
持たせて、特定の機器からの音響を測定し、この音響信
号から、その機器の状態を診断しようとする試みはなさ
れてきた。しかしながら、建物内のプラントでは、機器
からの発生音響は、壁面で複雑に多重反射を起こしなが
ら拡散するため、このような音場において、異常音の発
生部位を特定することは極めて困難であった。つまり、
反射波動は、プラントを収容する筐体が大きいため、拡
散性を有する音場を形成するため、発生した音響は、観
測点では、ランダムに観測されることになり、方向の特
定が極めて困難になる。
【0006】一方、プラント内部の音響特性を予め測定
しておき、多重反射による影響を除去する試みもなされ
てきたが、プラント内に設置される機器は、異なる場所
に置かれており、個々の機器ごとに事前に時間をかけ
て、多重反射の状態を測定することは、ほとんど不可能
に近かった。
【0007】このように、プラント内部の機器の配置状
況と、音による診断結果を対応させることは、異常部位
の特定のために、非常に重要であるにもかかわらず、こ
れらの相関を、事前に正確に捕まえておくことは、非常
に難しい。
【0008】ところで、プラント機器の設計時点では明
らかでなかった異常現象が、実際にプラントを運転した
時に、波動異常として現れるケースも多いが、一見正常
に動作しているように見えるため、現場で運転者が、主
に経験と勘に頼って補修する場合も少なくなかった。し
かし、このような対処方法では、設計レベルに対するフ
ィードバックが十分に行われないため、将来の根本的な
設計問題への対応が不十分になってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の波動診断装置は、プラント内の機器の配置状態や、
プラント筐体の存在に起因する波動反射が多数存在する
場合に、異常波動の方向や位置を高精度で特定できない
という問題点がある。更に、事前に多重反射を測定して
おいて、これをキャンセルすることにより異常位置の特
定ができた場合にも、複雑に入り組んでいるプラント内
の機器の詳細な状態までは捕らえることができず、また
初期の運転段階では、設計の異常なのか、現場で対処す
べき異常なのかが判断できず、設計レベルへのフィード
バックが十分になされないという問題点があった。
【0010】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解消し、プラント内部の波動信号を利用して、プラン
トを構成する機器の異常を、その方向や位置まで含め
て、正確かつ迅速に検出することを可能にすると共に、
運転段階で明らかになった設計ミスを、リアルタイムに
設計データベースに反映できる波動診断装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、場の波動を検出するための複数の波動検
出素子を配置した波動検出手段と、前記波動検出手段の
出力に対して、ゲインと位相の情報を有するフィルタ特
性を付加するフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理手
段の出力を合成する合成手段と、前記合成手段の出力に
場のフィルタ特性を乗算する場フィルタ判断手段と、前
記場フィルタ判断手段の出力と参照信号とを比較する比
較手段と、前記比較手段の出力に基づいて、前記場フィ
ルタ判断手段のフィルタ特性を変化させるフィルタ特性
変更手段と、前記比較手段の出力に基づいて、前記フィ
ルタ処理手段の特性を、適応的に変化させる、適応信号
処理手段と、を備えることを特徴とする波動診断装置を
提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。
【0013】実施形1.図1は、本発明の実施形1の波
動診断装置の概略構成図である。図において示すよう
に、プラント等の音響、振動などの波動は、音響波動受
信部(波動検出手段)1に取りつけられた複数の音響波
動検出素子2によって検出される。なお、音響波動検出
素子2は、検出物体に対応して配置されており、対象と
する上限周波数の波長内に、少なくとも2つが入るよう
に配置される。
【0014】フィルタ処理部(フィルタ処理手段)3
は、音響波動検出素子2ごとに対応して設置され、音響
波動検出素子2からの検出信号をフィルタ処理する。な
お、このフィルタ処理部3は、プラント内の反射特性
を、例えばモデル化した多次元モデルや、インパルス応
答関数などの形で、ゲインと位相特性が与えられてい
る。
【0015】合成部4は、音響波動検出素子2の出力を
合成するものであり、音響波動検出素子2の出力の和を
演算する機能を有する。
【0016】ちなみに、この実施形では、フィルタ出力
の和を求める構成であるが、フィルタ処理部3における
フィルタ特性に、負の特性を乗ずれば、差分をこの合成
部4で求めることと等価となる。
【0017】合成部4からの出力は、プラントフィルタ
判断部(場フィルタ判断手段)5に入力される。このプ
ラントフィルタ判断部5は、この波動診断装置の出力特
性をどのような特性にするかを判定する。すなわち、プ
ラントの置かれた場に従って設定すべきフィルタ特性を
判断する場フィルタ判断部として作用する。。
【0018】プラントフィルタ判断部5の出力は、比較
部(比較手段)8において、参照信号aと比較される。
なお、参照信号aとしては、モニタの対象とする機器の
代表信号を用いる。例えば、ポンプ音の特性を考慮する
のであれば、ポンプ近傍の音場をマイクロフォンにより
検知して、その信号をポンプ音の代表音とする。もしく
は、モータの振動を、モータ表面に取りつけた加速度計
により測定して、これを代表値としてもよい。
【0019】比較部8の出力は、フィルタ特性設定部
(フィルタ特性変更手段)6への入力信号として用いら
れるが、フィルタ特性設定部6は、比較部8の出力が最
小となるように、プラントフィルタ判断部5の係数特性
を変更する。これにより、プラントフィルタ判断部5
は、参照信号aと同一となる係数を適応的に変更するよ
うに動作する。
【0020】これにより、特定の機器の音もしくは振動
だけの信号を抽出した異常の判断が可能となる。
【0021】更に、比較部8の出力は、フィルタ処理部
3の係数特性を適応的に変更する、適応信号処理部(適
応信号処理手段)7への入力信号としても用いられる。
【0022】以上述べたような構成において、プラント
内部の波動特性は、振動や音響もしくは光などの波動を
検出することによりなされる。振動は、例えば加速度計
により、音響はマイクロフォンにより、光は光電変換器
などにより検知する。なお、本実施形では、音響を検出
する場合について説明する。
【0023】プラント内の高反射環境で特定の方向の音
響信号を検出するために、音響波動受信部1には、マイ
クロフォン等の音響波動検出素子2を、アレイ状に配置
する。これは、幾何学的に特定の方向に対する波面を、
フィルタ処理部3の位相遅れを種々に調整することによ
り、強調するためである。
【0024】例えば、フィルタ処理部3の遅れを、音響
波動検出素子2の間隔dに対して、d・sinθ/cだ
け、順次遅らせると、特定の方向θに強い指向性を得る
ことができる。ここで、cは音速である。これは、ラン
ダムに入射する音響波の位相をθ方向にだけ揃えること
により、θ方向以外の音響成分は、相関が非常に低くな
ることを利用している。
【0025】しかしながら、このように単純な遅れだけ
では、高反射環境では十分な指向性が得られないことが
ある。その時には、次に説明するような特性のフィルタ
を、フィルタ処理部3に持たせる。参照信号aは、ある
特定方向に指向性を持たせるための訓練信号とする。こ
の訓練信号を参照して、適応信号処理部7は、フィルタ
処理部3に適応動作をさせる。
【0026】さて、検知対象物体と音響波動検出素子2
との間の音響特性をL、対象物体と参照信号aとの間の
音響特性をHとすると、フィルタ処理部3には、適応信
号処理部7の最適動作状態では、フィルタ特性G=H/
Lが適応的に設定される。この音響特性は、プラント内
の高反射環境を忠実に実現したインパルス応答関数とな
る。
【0027】参照信号aとして、音響波動検出素子2の
信号を用いると、特定方向に対する音響信号を検知しな
いような、図2の特性図に、フィルタ特性カーブbで示
すような空間ノッチフィルタを構成させることができ
る。これは、特定方向だけを向いた検知用の音響波動検
出素子2と参照用の音響波動検出素子2との誤差が最小
となるように適応信号処理部7が動作するためである。
【0028】したがって、図3の特性図に、フィルタ特
性カーブcで示すように、空間ノッチを多数構成させる
ことにより、特定方向への指向性を持たせることも可能
となる。つまり、このような特性であれば、従来は困難
であった、反射環境での指向性を実現することができ
る。
【0029】さらには、このような適応信号処理部7を
用いて、フィルタ処理部3の特性を自由に変化できる構
成とすることにより、この波動診断装置を、例えば機械
的に回転させたり、移動させたりして、走査動作させな
くても、任意の方向だけに指向性を得ることが可能とな
る。
【0030】なお、図4に示すように、音響波動受信部
1を回転台20に取りつけて、任意に回転走査できるよ
うに設定しておけば、よりフレキシブルな運用が可能と
なり、より性能を高められることはもちろんである。例
えば、広い場所では、音響波動受信部1を回転台20上
で回転させて任意の方向への指向性を実現し、狭い場所
では、回転台20上での自由な運動が制限されるので、
フィルタ処理部3の特性を変化させて、任意の方向への
指向性を得るようにするなどの運用が可能となる。
【0031】実施形2.図5は、本発明の実施形2の波
動診断装置の概略構成図であり、特に、音響波動受信部
を、パラボラ状にした構造を示すものである。図におい
て示すように、音響波動検出素子2は、パラボラ形状の
パラボラ受音部9に配置され、パラボラ受音部9の焦点
には、マイクロフォン10が取りつけられている。
【0032】以上述べたような構成において、パラボラ
受音部9で反射された音響波動は、パラボラ受音部9が
構成するパラボラの焦点に収束され、この位置に取りつ
けられたマイクロフォン10により、高指向性での音響
検出が可能となる。
【0033】更に、マイクロフォン10の出力信号を参
照信号aとして、比較部8に入力し、パラボラ受音部9
の面上に配置された音響波動検出素子2の出力信号との
間で、適応信号処理部7による適応動作をさせることに
より、フィルタ処理部3の係数を更新させる。
【0034】以上のような構成によれば、音響波動検出
素子2による検出信号、つまりフィルタ処理部3への入
力信号と、参照信号aとは、高い相関性があるために、
フィルタ処理部3に対して、適応信号処理部7により、
精度の高いフィルタ係数を設定することができる。
【0035】なお、上記の各実施形では、適応制御によ
り、プラントを運転する時に発生する波動信号を直接用
いて、波動特性を設定しているが、より精度の高い設定
をするために、例えば加振器やスピーカから、既知のラ
ンダム信号を発生させて、ある特定の位置からの信号を
故意に強調させるようにしてもよい。この場合、ランダ
ム信号として、例えばM系列信号を用いれば、計算機に
よる演算だけで、容易に高いランダム性を得ることがで
きるので、極めて容易に精度を高めることが可能とな
る。
【0036】現実に、フィルタ処理部3で得られるイン
パルス応答特性は、図6の波形図で示されるように、多
重反射の条件を反映した特性を示す。空間内の減衰が少
ない場合は、この状態がかなり長い時間継続する。この
ような空間特性を、例えば、FIRフィルタのように、
ある程度限定された時間窓で実現する場合には、反射条
件を有限時間で切断してしまうことになる。そこで、音
響信号として、本当に必要なのは、検知対象から放射さ
れた波が最初に到達する一波だけであるので、この場
合、図7の波形図に示すように、FIRフィルタのイン
パルス応答関数の第一波、ないしは最初の数波だけで故
意に限定させる構成とする。
【0037】このようにすれば、他の多重反射の影響を
最小限に抑制させることができる。更に、演算量につい
ても、従来は、100点以上の畳み込み演算が必要であ
ったのに対して、数10点の畳み込み演算で済むので、
格段に低減させることが可能である。また、使用するメ
モリ量の低減や、サンプリング時間の向上なども可能と
なる。メモリ量の低減は、ハードウエアの簡略化を可能
とし、サンプリング時間の向上は、超音波などの数10
kHzの高い周波数への対応を可能とするので、検知能
力の向上を、安価に達成することができる。
【0038】更に、フィルタ処理部3に用いるフィルタ
係数に窓関数を乗じても、同様の効果を得ることができ
る。また、窓関数に種々の特性を含めることもできる。
【0039】実施形3.図8は、本発明の実施形3の波
動診断装置の部分構成図であり、特にフィルタ処理部1
5の構成を示すものである。図において示すように、フ
ィルタ処理部15には、窓フィルタ部17と原フィルタ
係数部18が配置されており、各部の出力は、フィルタ
乗算部16で乗算される。この乗算結果は、新フィルタ
係数部19に出力される。
【0040】図9(A)は、窓フィルタ部17に設定し
た窓関数の特性を示しており、同図(B)は原フィルタ
係数部18に設定されたフィルタ係数を示しており、同
図(C)は、新フィルタ係数部19に出力される新フィ
ルタ係数を示している。
【0041】図9(A)に示すように、窓フィルタ部1
7に、徐々に減衰する窓フィルタ特性カーブhを設定す
ることにより、長時間継続する多重反射の影響を除外す
ることができる。
【0042】一方、図9(B)に示すように、原フィル
タ係数部18には、プラント内の反射状態に応じて長時
間継続する多重反射の状態が、原フィルタ特性カーブe
の形で設定される。
【0043】フィルタ乗算部16では、窓フィルタ部1
7と原フィルタ係数部18で示された係数を、対応する
サンプリング番号で乗算する。その結果が、図9(C)
に示される、新フィルタ特性カーブfとなり、新フィル
タ係数部19に転送される。この新フィルタ係数は、最
終的に、フィルタ処理部15への入力信号に対する、例
えば畳み込み演算をするための、インパルス応答関数の
係数となる。
【0044】本実施形によれば、多重反射による影響を
極小化できるので、検知特性を格段に向上させることが
できる。
【0045】実施形4.図10は、本発明の実施形4の
波動診断装置の部分構成図、特に出力部の構成を示すも
のである。図において示すように、合成モニタ装置13
には、対象プラントの映像に重ねて、検出波動の強弱
を、等高線により表示している。その結果、プラント内
の状況を、その音響波動の状態と同時にモニタできるの
で、ビジュアルに異常の状況と、場所を知ることができ
る。
【0046】なお、表示方法としては、さまざまな方法
が考えられ、波動出力の強弱はもちろん、粒子速度の方
向などを、ベクトル表示したり、色分け表示してもよ
い。
【0047】また、プラント映像は、実際の撮影動画像
でも、撮影静止画像でも、予めコンピュータに格納して
あるプリセット画像でもよい。また、プラント内部の、
機器配置図に関連づけて、検出波動の状態を表示しても
よい。
【0048】モニタへの表示方法は、周知のさまざまな
方式が適用可能なことは言うまでもない。
【0049】実施形5.図11は、本発明の実施形5の
波動診断装置の概略構成図である。図において示すよう
に、波動検出部に、マイクロフォンアレイ11を採用し
ており、マイクロフォンアレイ11の出力は、診断装置
本体21に与えられ、診断結果は、合成モニタ装置13
に表示される。
【0050】さて、マイクロフォンアレイ11において
は、多数のマイクロフォン11aが高密度で配置されて
おり、マイクロフォン11a間の設置間隔は、数mmと
される。その結果、検出波長の周波数が、数10kHz
以上と、非常に高くなることができる。そして、診断装
置本体21による診断結果、つまり参照信号と、検知信
号との間で適応化した結果は、合成モニタ装置13上
に、等高線の形で表示させることにより、音響画像を描
くことができる。
【0051】実施形6.図12は、本発明の実施形6の
波動診断装置の概略構成図であり、特に、診断結果を設
計にリアルタイムでフィードバックする構成を示してい
る。図において示すように、診断装置本体21からの診
断結果は、通信装置14を介して、設計の現場にある合
成モニタ装置13に表示される。
【0052】そして、最終的な評価結果が得られた場
合、プラント機器を設計する際に用いられた設計図に迅
速に反映することになる。
【0053】この設計図は、設計データ更新装置12と
通信回線23を介して結ばれる設計データベース22に
格納されている。
【0054】さて、合成モニタ装置13には、診断装置
本体21から送られてきたプラント状態を示す等圧線
が、プラント配置や機器映像などと共に表示されてい
る。この画面データも、設計データベース22に格納す
る。
【0055】設計データ更新装置12は、合成モニタ装
置13に表示されている部分の部品等に関する設計用の
図面データを、設計データベース22から通信回線23
を通じて、高速で引き出す。
【0056】続いて、設計図面と、診断装置本体21か
らの画面を、重ね合わせて、合成モニタ装置13に表示
することにより、設計予測値と実際の現場での異常状態
の差異を、視覚的に確認することができる。
【0057】例えば、配管の寸法が、設計で予測してい
たよりも長かったために、この配管が他の機器と接触し
て、異常音が発生していた場合などの状態を、設計図面
上でも対応を一目瞭然に確認することができる。この確
認に基づき、設計データ更新装置12により設計データ
を更新することにより、リアルタイムに設計変更が可能
となる。例えば、配管長が長過ぎた場合は、設計データ
更新装置12により、これを短くするように指示するだ
けで、設計情報データと統合的に修正され、通信回線2
3を通じて再び設計データベース22に格納されること
になる。
【0058】以上述べたように、本実施形では、設計デ
ータと、検知結果データを共有し、つき合わせることに
より、設計の不具合を、ほぼリアルタイムに修正できる
ので、以降のプラント設計に当たっての不都合を未然に
防止することができる。
【0059】なお、上記各実施形においては、プラント
などの場の波動として、音響を検出する構成を例示した
が、本発明の実施はこれに限定されるものではなく、振
動、光のゆらぎ、その他、空気の流れなど、さまざまな
波動を検出して、プラントなどの場の診断を行うように
してもよく、同様の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の波動診断装
置は、多数のマイクロフォンからの信号を処理するフィ
ルタ処理部に、参照信号に基づく適応信号処理を加える
ように構成したので、プラント内が高反射環境であって
も、測定対象からの波動の位置を高精度で特定すること
が可能となり、特定の機器の発生する音響などの波動
を、高S/N比にて検出することが可能となり、信頼性
を有してプラントの異常を迅速に診断することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形1の波動診断装置の概略構成図
である。
【図2】図1の構成において得られるフィルタ特性の一
例を示す特性図である。
【図3】図1の構成において得られるフィルタ特性の他
の例を示す特性図である。
【図4】図1の構成に適用される回転走査機構の斜視図
である。
【図5】本発明の実施形2の波動診断装置の概略構成図
である。
【図6】通常の空間の反射特性を示すインパルス応答関
数の波形図である。
【図7】直接波と第2波だけをインパルス応答関数とし
た場合の波形図である。
【図8】本発明の実施形3の波動診断装置の部分概略構
成図である。
【図9】図8の構成の各部の特性を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形4の波動診断装置の部分概略
構成図である。
【図11】本発明の実施形5の波動診断装置の概略構成
図である。
【図12】本発明の実施形6の波動診断装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1 音響波動受信部 2 音響波動検出素子 3、15 フィルタ処理部 4 合成部 5 プラントフィルタ判断部 6 フィルタ特性設定部 7 適応信号処理部 8 比較部 9 パラボラ受音部 10 マイクロフォン 11 マイクロフォンアレイ 12 設計データ更新装置 13 合成モニタ装置 14 通信装置 16 フィルタ乗算部 17 窓フィルタ部 18 原フィルタ係数部 19 新フィルタ係数部 20 回転台 21 診断装置本体 22 設計データベース 23 通信回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日 隈 幸 治 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】場の波動を検出するための波動検出素子を
    配置した波動検出手段と、 前記波動検出手段の出力に対して、ゲインと位相の情報
    を有するフィルタ特性を付加するフィルタ処理手段と、 前記フィルタ処理手段の出力を合成する合成手段と、 前記合成手段の出力に、場のフィルタ特性を乗算する場
    フィルタ判断手段と、 前記場フィルタ判断手段の出力と参照信号とを比較する
    比較手段と、 前記比較手段の出力に基づいて、前記場フィルタ判断手
    段のフィルタ特性を変化させるフィルタ特性変更手段
    と、 前記比較手段の出力に基づいて、前記フィルタ処理手段
    の特性を、適応的に変化させる、適応信号処理手段と、 を備えることを特徴とする波動診断装置。
  2. 【請求項2】音響波動又は音響以外の波動についての高
    反射環境におけるプラント内各種波動を検知する波動診
    断装置であって、 場としてのプラント内の波動を検出するための波動検出
    素子を配置した波動検出手段と、 前記波動検出手段の出力に対して、ゲインと位相の情報
    を有するフィルタ特性を付加するフィルタ処理手段と、 前記フィルタ処理手段の出力を合成する合成手段と、 前記合成手段の出力に、場としてのプラントのフィルタ
    特性を乗算する場フィルタ判断手段と、 前記場フィルタ判断手段の出力と参照信号とを比較する
    比較手段と、 前記比較手段の出力に基づいて、前記場フィルタ判断手
    段のフィルタ特性を変化させるフィルタ特性変更手段
    と、 前記比較手段の出力に基づいて、前記フィルタ処理手段
    の特性を、適応的に変化させる、適応信号処理手段と、 を備えることを特徴とする波動診断装置。
  3. 【請求項3】前記波動検出素子が、音響波動を測定する
    マイクロフォン及び音響以外の波動を測定する検出素子
    のいずれかで構成される、請求項1の波動診断装置。
  4. 【請求項4】前記適応信号処理手段が、信号発生器から
    の信号に基づき、前記フィルタ処理手段の特性を設定す
    るものとして同定されている、請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の波動診断装置。
  5. 【請求項5】前記フィルタ処理部におけるフィルタ係数
    が、場の反射波の第1波を用いて設定される、請求項1
    乃至4のいずれかに記載の波動診断装置。
  6. 【請求項6】前記フィルタ処理部に、原フィルタ係数部
    と、窓フィルタ部と、原フィルタ係数部の出力と窓フィ
    ルタ部の出力を乗じる乗算部とを配置し、前記乗算部の
    出力を新フィルタ係数とする、請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の波動診断装置。
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