WO2024142315A1 - 機器診断装置、プログラム、機器診断システム及び機器診断方法 - Google Patents
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Abstract
機器診断装置(110)は、機器の動作音を示す動作音信号、及び、その機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する動作音A/D変換部(111)及び誘導電流A/D変換部(112)と、動作音及び誘導電流の両方を用いて、その機器の異常の有無と、異常がある場合におけるその異常の要因とを推定する異常要因推定部(113)と、を備える。
Description
本開示は、機器診断装置、プログラム、機器診断システム及び機器診断方法に関する。
マイクロホン(マイク)等の音響センサを用いて機器の動作音を測定し、その動作音に異音が含まれているか否かを分析することで、その機器の異常を検出する診断技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、検出したい異常の種類毎に異常状態の動作音サンプルを収集し、これらを用いてマルチクラスの分類モデルを学習する手法が開示されている。特許文献1に開示されている手法では、機器の異常の有無だけでなく、異常が発生した際に異常の要因又は個所まで推定することが可能になるという利点がある。
しかしながら、異常状態の動作音サンプルの収集は、通常、困難であり、複数種類の異常状態の動作音サンプルを収集することは、さらに困難である。このため、従来の技術は、適用可能な機器の範囲が限定されてしまう。
そこで、本開示の一又は複数の態様は、異常状態の動作音サンプルを収集する作業を必要とせず、なおかつ、機器に異常が生じた場合に、その異常の要因を特定するのに役立つ情報を提供することができるようにすることを目的とする。
本開示の第1の態様に係る機器診断装置は、機器の動作音を示す動作音信号及び前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部と、前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の第2の態様に係る機器診断装置は、機器の動作音を示す動作音信号及び前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部と、前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部と、前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の第3の態様に係る機器診断装置は、機器の動作音を測定する集音部と、前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の第4の態様に係る機器診断装置は、機器の動作音を測定する集音部と、前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部と、前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の第1の態様に係るプログラムは、コンピュータを、機器の動作音を示す動作音信号及び前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部、及び、前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部、として機能させることを特徴とする。
本開示の第2の態様に係るプログラムは、コンピュータを、機器の動作音を示す動作音信号及び前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部、前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部、及び、前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部、として機能させることを特徴とする。
本開示の第1の態様に係る機器診断システムは、機器の動作音を測定する集音部と、前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の第2の態様に係る機器診断システムは、機器の動作音を測定する集音部と、前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部と、前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えることを特徴とする。
本開示の第1の態様に係る機器診断方法は、機器の動作音を測定し、前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を測定し、前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定することを特徴とする。
本開示の第2の態様に係る機器診断方法は、機器の動作音を測定し、前記機器が動作する際の磁性体を有する部分の影響により生じる誘導電流を測定し、前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出し、前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定することを特徴とする。
本開示の一又は複数の態様によれば、異常状態の動作音サンプルを収集する作業を必要とせず、なおかつ、機器に異常が生じた場合に、その異常の要因を特定するのに役立つ情報を提供することができる。
実施の形態1.
本実施の形態において、機器の動作音は、その機器が持つ回転部又は振動部の動作に伴う周期的な動作音を発生させる機器の動作音であるとする。ここで、回転部又は振動部は、例えば、モータ、発電機、エンジン、タービン、圧縮機、送風機、フライホイール、歯車、車輪、車軸及び軸受け等である。
本実施の形態において、機器の動作音は、その機器が持つ回転部又は振動部の動作に伴う周期的な動作音を発生させる機器の動作音であるとする。ここで、回転部又は振動部は、例えば、モータ、発電機、エンジン、タービン、圧縮機、送風機、フライホイール、歯車、車輪、車軸及び軸受け等である。
また、その機器は、例えば、鉄、ニッケル及びコバルト等の磁性体(以下、金属部分という)と、例えば、樹脂、木及びガラス等の非磁性体(以下、非金属部分という)によって構成されているものとする。
図1は、実施の形態1に係る機器診断システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
機器診断システム100は、集音部101と、誘導電流測定部102と、機器診断装置110とを備える。
機器診断システム100は、集音部101と、誘導電流測定部102と、機器診断装置110とを備える。
集音部101は、診断対象とする機器の動作音を測定する。集音部101は、その測定結果を示すアナログ信号D1を機器診断装置110に送る。
誘導電流測定部102は、診断対象とする機器において、回転又は振動している金属部分の影響によりコイルに生じる誘導電流の変位を測定する。誘導電流測定部102は、その測定結果を示すアナログ信号D3を機器診断装置110に送る。これにより、機器診断装置110は、機器の金属部分の動作を波形として得る。なお、非金属部分の動作は、磁束の変化を伴わないため、誘導電流測定部102の測定結果に影響を与えることはない。
なお、診断対象とする機器の非金属部分に、異常検出において重要な部分が存在する場合、その非金属部分に磁性体を取り付け、その部分の動作を誘導電流測定部102で測定できるようにしてもよい。これにより、その重要な部分に生じる異常を誘導電流に基づき検出することができるようになる。
そこで、以下では、金属部分及び非金属部分に磁性体を取り付けた部分を、磁性体を有する部分である磁性部といい、磁性体が取り付けられていない非金属部分を、磁性体を有しない部分である非磁性部という。このため、誘導電流測定部102は、機器が動作する際の磁性部の影響により生じる誘導電流を測定する。
そこで、以下では、金属部分及び非金属部分に磁性体を取り付けた部分を、磁性体を有する部分である磁性部といい、磁性体が取り付けられていない非金属部分を、磁性体を有しない部分である非磁性部という。このため、誘導電流測定部102は、機器が動作する際の磁性部の影響により生じる誘導電流を測定する。
機器診断装置110は、集音部101で測定された動作音、及び、誘導電流測定部102で測定された誘導電流により、機器の異常の有無と、その要因とを推定する。
機器診断装置110は、動作音A/D変換部111と、誘導電流A/D変換部112と、異常要因推定部113と、処理部114とを備える。
機器診断装置110は、動作音A/D変換部111と、誘導電流A/D変換部112と、異常要因推定部113と、処理部114とを備える。
動作音A/D変換部111は、集音部101からのアナログ信号D1を、予め定められた分解能及びサンプリング周波数によりアナログ/デジタル変換(サンプリング)処理を行い、サンプリングされた時間領域の信号である離散信号としてのデジタル信号D2を生成する。そのデジタル信号D2は、異常要因推定部113に与えられる。
誘導電流A/D変換部112は、誘導電流測定部102からのアナログ信号D3を、予め定められた分解能及びサンプリング周波数によりアナログ/デジタル変換処理を行い、サンプリングされた時間領域の信号としてのデジタル信号D4を生成する。そのデジタル信号D4は、異常要因推定部113に与えられる。
以上のように、動作音A/D変換部111及び誘導電流A/D変換部112は、機器の動作音を示す動作音信号、及び、その機器が動作する際の磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部として機能する。実施の形態1では、動作音信号は、アナログ信号D1であり、誘導電流信号は、アナログ信号D3である。
なお、ここでは、集音部101からアナログ信号D1が、誘導電流測定部102からアナログ信号D3が送られてくることが前提となっているが、集音部101からデジタル信号D2が、誘導電流測定部102からデジタル信号D4が送られてくる場合には、動作音A/D変換部111及び誘導電流A/D変換部112は、不要となり、これらの信号を受信するための信号受信部が設けられていればよい。
この場合、その信号受信部は、機器の動作音を示す動作音信号及びその機器の磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部として機能する。この場合には、動作音信号は、デジタル信号D2であり、誘導電流信号は、デジタル信号D4である。
この場合、その信号受信部は、機器の動作音を示す動作音信号及びその機器の磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部として機能する。この場合には、動作音信号は、デジタル信号D2であり、誘導電流信号は、デジタル信号D4である。
異常要因推定部113は、デジタル信号D2で示される、機器の動作音と、デジタル信号D4で示される、機器が動作する際の磁性部の影響で生じる誘導電流とから機器の異常の有無と、異常がある場合における異常の要因とを推定する。言い換えると、異常要因推定部113は、動作音及び誘導電流の両方を用いて、推定を行う。そして、異常要因推定部113は、推定された結果を推定結果D5として、処理部114に与える。
図2は、実施の形態1における異常要因推定部113の構成を概略的に示すブロック図である。
異常要因推定部113は、動作音特徴抽出部113aと、動作音異常度算出部113bと、誘導電流特徴抽出部113cと、誘導電流異常度算出部113dと、異常度統合部113eとを備える。
異常要因推定部113は、動作音特徴抽出部113aと、動作音異常度算出部113bと、誘導電流特徴抽出部113cと、誘導電流異常度算出部113dと、異常度統合部113eとを備える。
動作音特徴抽出部113aは、デジタル信号D2で示される動作音から、その動作音の特徴量である動作音特徴量を抽出する。
例えば、動作音特徴抽出部113aは、デジタル信号D2で示される動作音に対して特徴抽出を行い、抽出された特徴の特徴量である動作音特徴量D10を特定する。動作音特徴量D10は、動作音異常度算出部113bに与えられる。
例えば、動作音特徴抽出部113aは、デジタル信号D2で示される動作音に対して特徴抽出を行い、抽出された特徴の特徴量である動作音特徴量D10を特定する。動作音特徴量D10は、動作音異常度算出部113bに与えられる。
特徴量は、動作音のデジタル信号D2に表れる機器の異常を示す特徴を数値化したものである。特徴量は、単一の値でもよいし、複数の値を組み合わせてベクトルとしてもよい。
特徴抽出の方法としては、例えば、フィルタバンク分析、ケプストラム分析又は線形予測分析を用いることができる。他にも、デジタル信号D2から得られる種々の統計量(例えばピーク値、RMS、ラウドネス、歪度、尖度又は自己相関等)を組み合わせて、特徴量として用いることも可能である。
動作音異常度算出部113bは、動作音特徴抽出部113aからの動作音特徴量D10から、動作音の異常度である動作音異常度D11を算出する。例えば、動作音異常度算出部113bは、動作音特徴量D10から、機器が正常に動作する際の動作音に対する異常の度合いである動作音異常度を算出する。算出された動作音異常度D11は、異常度統合部113eに与えられる。
異常度を算出する手法としては、事前に機器の正常状態における動作音のサンプルからMT(マハラノビス・タグチ)法等によって正常時における特徴量の分布を学習しておき、動作音特徴量D10の正常時における分布からの乖離を異常度として算出する手法が考えられる。この処理には、MT法だけでなく、例えば、混合正規分布モデル、サポートベクトルマシン又はニューラルネットワーク等を用いることもできる。
誘導電流特徴抽出部113cは、デジタル信号D4で示される誘導電流から、その誘導電流の特徴量である誘導電流特徴量を抽出する。
例えば、誘導電流特徴抽出部113cは、デジタル信号D4で示される誘導電流に対して特徴抽出を行い、抽出された特徴の特徴量である誘導電流特徴量D12を特定する。誘導電流特徴量D12は、誘導電流異常度算出部113dに与えられる。
例えば、誘導電流特徴抽出部113cは、デジタル信号D4で示される誘導電流に対して特徴抽出を行い、抽出された特徴の特徴量である誘導電流特徴量D12を特定する。誘導電流特徴量D12は、誘導電流異常度算出部113dに与えられる。
特徴量とは、誘導電流のデジタル信号に表れる機器の異常を示す特徴を数値化したものである。特徴量は、単一の値でもよいし、複数の値を組み合わせてベクトルとしてもよい。特徴抽出の方法は、デジタル信号D4に対して、上記と同様の方法を用いることができる。
なお、動作音特徴抽出部113aと、誘導電流特徴抽出部113cとでは、同一の特徴抽出方法を行う必要はなく、それぞれが異なる方法で特徴抽出を行うこともできる。例えば、動作音特徴抽出部113aは、音声の特徴抽出方法としてよく利用されるフィルタバンク分析を利用し、誘導電流特徴抽出部113cは、磁性部の回転又は振動の周期性を自己相関等により分析するといった構成が可能である。
誘導電流異常度算出部113dは、誘導電流特徴抽出部113cからの誘導電流特徴量D12から、誘導電流の異常度である誘導電流異常度D13を算出する。例えば、誘導電流異常度算出部113dは、誘導電流特徴量D12から、機器が正常に動作する際の磁性部の影響により生じる誘導電流に対する異常の度合いである誘導電流異常度を算出する。算出された誘導電流異常度D13は、異常度統合部113eに与えられる。
異常度を算出する手法としては、誘導電流に対して、上記と同様の手法を用いることができる。
異常度統合部113eは、動作音異常度算出部113bからの動作音異常度D11と、誘導電流異常度算出部113dからの誘導電流異常度D13とを統合して、最終的な異常に関する推定の結果である推定結果D5を特定する異常推定部として機能する。
例えば、異常度統合部113eは、動作音異常度D11と、誘導電流異常度D13とをそれぞれ閾値と比較した結果に応じて、機器の異常の有無と、その要因とを推定する。
例えば、異常度統合部113eは、動作音異常度D11と、誘導電流異常度D13とをそれぞれ閾値と比較した結果に応じて、機器の異常の有無と、その要因とを推定する。
具体的には、異常度統合部113eは、動作音異常度D11のみが第1の閾値以上である場合には、機器における非磁性部の異常と推定する。また、異常度統合部113eは、誘導電流異常度D13のみが第2の閾値以上である場合には、機器における磁性部の異常と推定する。そして、異常度統合部113eは、動作音異常度D11が第1の閾値以上であり、かつ、誘導電流異常度D13が第2の閾値以上である場合には、機器の非磁性部及び磁性部の両方の異常と推定する。
図3は、異常度統合部113eの動作の具体例を示すフローチャートである。
まず、異常度統合部113eは、動作音異常度D11が予め定められた閾値以上であり、かつ、誘導電流異常度D13が予め定められた閾値以上であるか否かを判断する(S10)。動作音異常度D11が予め定められた閾値以上であり、かつ、誘導電流異常度D13が予め定められた閾値以上である場合(S10でYes)には、処理はステップS11に進む。動作音異常度D11が予め定められた閾値未満、及び、誘導電流異常度D13が予め定められた閾値未満の少なくとも何れか一方である場合(S10でNo)には、処理はステップS12に進む。
まず、異常度統合部113eは、動作音異常度D11が予め定められた閾値以上であり、かつ、誘導電流異常度D13が予め定められた閾値以上であるか否かを判断する(S10)。動作音異常度D11が予め定められた閾値以上であり、かつ、誘導電流異常度D13が予め定められた閾値以上である場合(S10でYes)には、処理はステップS11に進む。動作音異常度D11が予め定められた閾値未満、及び、誘導電流異常度D13が予め定められた閾値未満の少なくとも何れか一方である場合(S10でNo)には、処理はステップS12に進む。
ステップS11では、異常度統合部113eは、機器の磁性部及び非磁性部の両方に異常が生じているため、機器の全体的な異常と推定する。
ステップS12では、異常度統合部113eは、動作音異常度D11だけが予め定められた閾値未満であるか否かを判断する。動作音異常度D11だけが予め定められた閾値未満である場合(S12でYes)には、処理はステップS13に進み、動作音異常度D11が予め定められた閾値未満ではない場合、又は、動作音異常度D11が予め定められた閾値未満であり、かつ、誘導電流異常度D13も予め定められた閾値未満である場合(S12でNo)には、処理はステップS14に進む。
ステップS13では、異常度統合部113eは、機器の非磁性部の異常と推定する。
ステップS14では、異常度統合部113eは、誘導電流異常度D13だけが予め定められた閾値未満であるか否かを判断する。誘導電流異常度D13だけが予め定められた閾値未満である場合(S14でYes)には、処理はステップS15に進み、動作音異常度D11が予め定められた閾値未満であり、かつ、誘導電流異常度D13も予め定められた閾値未満である場合(S14でNo)には、処理はステップS16に進む。
ステップS15では、異常度統合部113eは、機器の磁性部の異常と推定する。
一方、ステップS16では、異常度統合部113eは、機器は正常と推定する。
一方、ステップS16では、異常度統合部113eは、機器は正常と推定する。
図1に戻り、処理部114は、異常要因推定部113からの推定結果D5を処理する。例えば、処理部114は、その推定結果D5を表す画面画像を、図示しない表示部に表示させる。これにより、推定結果D5をユーザに通知することができる。または、処理部114は、推定結果D5に応じて、その機器の制御を行ってもよい。具体的には、処理部114は、推定結果D5が機器の異常を示している場合、その機器を自動的に停止する等の制御を行ってもよい。
以上のように、実施の形態1によれば、集音部101で測定された動作音と、誘導電流測定部102で測定された誘導電流とをそれぞれ閾値と比較することで、機器に生じている異常の要因を推定することができる。ユーザは、この結果に基づき、機器の異常の有無だけでなく、その要因を直ちに知ることができるため、機器の異常を是正するための調査に掛かるコスト等を削減できる。
また、以上の構成において、集音部101と、誘導電流測定部102とは、どちらも非接触による測定が可能である。そのため、例えば、図4に示されているように、小型PC(Personal Computer)、タブレット端末及びスマートフォン等の小型端末103の一部として、集音部101及び誘導電流測定部102を取り付けることで、小型端末103により機器診断装置110を実現することができる。これにより、マイクのみによる診断装置と比較して、測定にかかる作業コストを増加させることなく上記の利点を提供することができる。
また、以上の実施の形態によれば、ユーザは機器の異常が検出された時点で異常の要因が磁性部にあるのか、非磁性部にあるかを直ちに知ることができ、機器の異常を是正するための調査に掛かるコスト等を削減できる。
なお、動作音異常度D11と、誘導電流異常度D13との両方が閾値を超えている場合、非磁性部と、磁性部とのどちらに異常があるかを特定しやすくするため、動作音特徴量D10の方が大きな異常度となっている場合には非磁性部における異常の可能性が高く、誘導電流特徴量D12の方が大きな異常度となっている場合には磁性部における異常の可能性が高いといった、両者の大小関係に基づく診断結果を異常度統合部113eが出力してもよい。
言い換えると、異常度統合部113eは、動作音異常度D11が誘導電流異常度D13よりも大きいと、非磁性部の異常と推定する。また、異常度統合部113eは、誘導電流異常度D13が動作音異常度D11よりも大きいと、磁性部の異常と推定する。そして、異常度統合部113eは、動作音異常度D11と、誘導電流異常度D13とが同じであると、非磁性部及び磁性部の両方の異常と推定する。
言い換えると、異常度統合部113eは、動作音異常度D11が誘導電流異常度D13よりも大きいと、非磁性部の異常と推定する。また、異常度統合部113eは、誘導電流異常度D13が動作音異常度D11よりも大きいと、磁性部の異常と推定する。そして、異常度統合部113eは、動作音異常度D11と、誘導電流異常度D13とが同じであると、非磁性部及び磁性部の両方の異常と推定する。
これにより、磁性部と非磁性部の両方で異常が生じている場合でも、ユーザはより異常が重篤な部分を知ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1のように機器の異常を推定する手法に加え、動作音と誘導電流の信号とを組み合わせることで異常推定精度を向上させる構成も考えられる。実施の形態2は、そのような構成を開示する。
実施の形態1のように機器の異常を推定する手法に加え、動作音と誘導電流の信号とを組み合わせることで異常推定精度を向上させる構成も考えられる。実施の形態2は、そのような構成を開示する。
図1は、実施の形態2に係る機器診断システム200の構成を概略的に示すブロック図である。
機器診断システム200は、集音部101と、誘導電流測定部102と、機器診断装置210とを備える。
実施の形態2に係る機器診断システム200の集音部101及び誘導電流測定部102は、実施の形態1に係る機器診断システム100の集音部101及び誘導電流測定部102と同様である。
機器診断システム200は、集音部101と、誘導電流測定部102と、機器診断装置210とを備える。
実施の形態2に係る機器診断システム200の集音部101及び誘導電流測定部102は、実施の形態1に係る機器診断システム100の集音部101及び誘導電流測定部102と同様である。
機器診断装置210は、集音部101で測定された動作音、及び、誘導電流測定部102で測定された誘導電流により、機器の異常の有無と、その要因とを推定する。
機器診断装置210は、動作音A/D変換部111と、誘導電流A/D変換部112と、異常要因推定部213と、処理部114とを備える。
実施の形態2における機器診断装置210の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114は、実施の形態1における機器診断装置110の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114と同様である。
機器診断装置210は、動作音A/D変換部111と、誘導電流A/D変換部112と、異常要因推定部213と、処理部114とを備える。
実施の形態2における機器診断装置210の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114は、実施の形態1における機器診断装置110の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114と同様である。
異常要因推定部213は、デジタル信号D2で示される、機器の動作音と、デジタル信号D4で示される、機器の動作の影響で生じる誘導電流とから機器の異常の有無と、その要因とを推定する。そして、異常要因推定部213は、推定された結果を推定結果D5として、処理部114に与える。
ここで、診断対象とする機器が回転体を持つ場合、その動作音は周期的となる。こうした周期的な動作音は、その回転速度によって音色が異なる。このため、動作音から機器の異常を検出するには、以下の、第1の手法から第3の手法が考えられる。
第1の手法は、回転速度による音色の変化に対応できるように、回転速度非依存で動作音異常度を算出する。第2の手法は、回転速度を動作音から推定した上で、回転速度に依存して動作音異常度を算出する。第3の手法は、診断時に機器が予め定められた回転速度となるように制御し、その回転速度を前提として動作音異常度を算出する。
しかしながら、第1の手法では、一般的に、特徴量及び異常度算出モデルの設計が難しく、なおかつ、回転速度に依存して動作音異常度を算出する手法と比べて精度が低くなる。
また、第2の手法では、動作音から回転速度を推定する精度が重要となるが、機器の動作音には一般に回転部から生じる周期的成分以外にも様々な部分の共振、擦過又は衝突による影響が加わるため、動作音から回転速度を高精度に推定するのは難しい。
さらに、第3の手法のように、診断時に機器が予め定められた回転速度となるように制御することができれば、その回転速度を前提として動作音異常度を算出できるため、高い精度が期待できる。しかしながら、そのような制御が可能な機器は限定的であり、一般的な機器で第3の手法を用いることはできない。
また、第2の手法では、動作音から回転速度を推定する精度が重要となるが、機器の動作音には一般に回転部から生じる周期的成分以外にも様々な部分の共振、擦過又は衝突による影響が加わるため、動作音から回転速度を高精度に推定するのは難しい。
さらに、第3の手法のように、診断時に機器が予め定められた回転速度となるように制御することができれば、その回転速度を前提として動作音異常度を算出できるため、高い精度が期待できる。しかしながら、そのような制御が可能な機器は限定的であり、一般的な機器で第3の手法を用いることはできない。
上記の問題点は、機器から生じる誘導電流から回転速度を推定し、その回転速度に基づいて、回転速度に依存して動作音異常度を算出することで解決できる。
実施の形態2における異常要因推定部213は、そのような手法を用いる。
実施の形態2における異常要因推定部213は、そのような手法を用いる。
図5は、実施の形態2における異常要因推定部213の構成を概略的に示すブロック図である。
異常要因推定部213は、動作音特徴抽出部113aと、動作音異常度算出部213bと、誘導電流特徴抽出部113cと、誘導電流異常度算出部113dと、異常度統合部113eと、回転速度算出部213fとを備える。
異常要因推定部213は、動作音特徴抽出部113aと、動作音異常度算出部213bと、誘導電流特徴抽出部113cと、誘導電流異常度算出部113dと、異常度統合部113eと、回転速度算出部213fとを備える。
実施の形態2における異常要因推定部213の動作音特徴抽出部113a、誘導電流特徴抽出部113c、誘導電流異常度算出部113d及び異常度統合部113eは、実施の形態1における異常要因推定部113の動作音特徴抽出部113a、誘導電流特徴抽出部113c、誘導電流異常度算出部113d及び異常度統合部113eと同様である。
回転速度算出部213fは、誘導電流A/D変換部112からのデジタル信号D4に基づいて、診断対象となっている機器の回転速度を算出する。具体的には、回転速度算出部213fは、デジタル信号D4で示される誘導電流特徴量から、機器が備えている回転体の回転速度を算出する。算出された回転速度D20は、動作音異常度算出部213bに与えられる。
動作音異常度算出部213bは、デジタル信号D2で示される動作音特徴量及び回転速度算出部213fで算出された回転速度D20から、機器がその回転速度D20において正常に動作する際の動作音に対する異常の度合いである動作音異常度を算出する。
ここでは、動作音異常度算出部213bは、回転速度算出部213fからの回転速度D20に基づき、回転数に依存して動作音異常度を算出する。
例えば、動作音異常度算出部213bは、図6に示されているように、事前に学習された、異なる回転速度に対応する異常度算出モデルを用いることができるようにされていてもよい。このような場合には、動作音異常度算出部213bは、回転速度D20に適合する異常度算出モデルを選択して、選択された異常度算出モデルから得られる動作音異常度D11を異常度統合部113eに与えればよい。
ここでは、動作音異常度算出部213bは、回転速度算出部213fからの回転速度D20に基づき、回転数に依存して動作音異常度を算出する。
例えば、動作音異常度算出部213bは、図6に示されているように、事前に学習された、異なる回転速度に対応する異常度算出モデルを用いることができるようにされていてもよい。このような場合には、動作音異常度算出部213bは、回転速度D20に適合する異常度算出モデルを選択して、選択された異常度算出モデルから得られる動作音異常度D11を異常度統合部113eに与えればよい。
また、動作音異常度算出部213bは、図7に示されているように、単一の回転速度依存の異常度算出モデルを用いることができるようにされていてもよい。このような場合には、異常度算出モデルは、事前に回転速度を既知とする教師あり学習等で生成される。
動作音から回転速度を推定するには、動作音の基本周波数を検出する必要がある。基本周波数を検出するには、周波数スペクトルに現れているピークのうち、基本周波数として適合するものを選択する必要がある。基本周波数に適合するピークは、周期的な信号の特徴として現れる等間隔のピークのうち、もっとも低い周波数を持つものである。
図8は、ある回転体を持つ機器(ここでは、ミニ四駆)の動作音を測定し、その周波数スペクトルをプロットしたものである。このプロットを見ると、回転体以外の部品の擦過又は衝突の影響により、回転体から生じる周期的な信号の特徴である等間隔のピークが埋没しており、その基本周波数を特定することは困難である。
図9は、同じ機器から生じる誘導電流を測定し、その周波数スペクトルをプロットしたものである。このプロットでは、周期的な信号の特徴である等間隔のピークが明確に表れており、基本周波数の特定が容易である。この例から、誘導電流を用いて回転速度を推定する方法は、動作音から回転速度を推定する方法と比較して頑健性が高いことが分かる。
以上のように、実施の形態2によれば、誘導電流を用いて機器の回転体の回転速度を正確に推定し、それに基づき回転数に依存して動作音異常度を算出することで、動作音に基づく異常検出の精度をより高くすることができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、動作音と誘導電流に対してそれぞれ特徴抽出を行い、それぞれに対応する異常度を算出することで機器の異常の有無と要因を推定する方法を示したが、他の構成も考えられる。実施の形態3では、そのような構成を開示する。
実施の形態1及び2では、動作音と誘導電流に対してそれぞれ特徴抽出を行い、それぞれに対応する異常度を算出することで機器の異常の有無と要因を推定する方法を示したが、他の構成も考えられる。実施の形態3では、そのような構成を開示する。
図10は、実施の形態3に係る機器診断システム300の構成を概略的に示すブロック図である。
機器診断システム300は、集音部101と、誘導電流測定部102と、機器診断装置310とを備える。
実施の形態3に係る機器診断システム300の集音部101及び誘導電流測定部102は、実施の形態1に係る機器診断システム100の集音部101及び誘導電流測定部102と同様である。
機器診断システム300は、集音部101と、誘導電流測定部102と、機器診断装置310とを備える。
実施の形態3に係る機器診断システム300の集音部101及び誘導電流測定部102は、実施の形態1に係る機器診断システム100の集音部101及び誘導電流測定部102と同様である。
機器診断装置310は、集音部101で測定された動作音、及び、誘導電流測定部102で測定された誘導電流により、機器の異常の有無と、その要因とを推定する。
機器診断装置310は、動作音A/D変換部111と、誘導電流A/D変換部112と、異常要因推定部313と、処理部114と、相関算出部315とを備える。
実施の形態3における機器診断装置310の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114は、実施の形態1における機器診断装置110の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114と同様である。
機器診断装置310は、動作音A/D変換部111と、誘導電流A/D変換部112と、異常要因推定部313と、処理部114と、相関算出部315とを備える。
実施の形態3における機器診断装置310の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114は、実施の形態1における機器診断装置110の動作音A/D変換部111、誘導電流A/D変換部112及び処理部114と同様である。
相関算出部315は、動作音A/D変換部111からのデジタル信号D2で示される動作音と、誘導電流A/D変換部112からのデジタル信号D4で示される誘導電流との相関を算出する。
例えば、相関算出部315は、デジタル信号D2で示される動作音と、デジタル信号D4で示される誘導電流とから、両者が相関している成分の量と、そうでない成分の量とを算出し、その算出結果を示す相関情報D30を生成する。生成された相関情報D30は、異常要因推定部313に与えられる。なお、その両者が相関している成分の量を第1の成分量ともいい、その両者が相関していない成分の量を第2の成分量ともいう。
例えば、相関算出部315は、デジタル信号D2で示される動作音と、デジタル信号D4で示される誘導電流とから、両者が相関している成分の量と、そうでない成分の量とを算出し、その算出結果を示す相関情報D30を生成する。生成された相関情報D30は、異常要因推定部313に与えられる。なお、その両者が相関している成分の量を第1の成分量ともいい、その両者が相関していない成分の量を第2の成分量ともいう。
異常要因推定部313は、相関算出部315で算出された相関を用いて、機器の異常の有無と、機器に異常がある場合における異常の要因とを推定する。
例えば、異常要因推定部313は、相関算出部315からの相関情報D30と、事前に設定されている正常時の相関情報とを比較する。
例えば、異常要因推定部313は、相関算出部315からの相関情報D30と、事前に設定されている正常時の相関情報とを比較する。
ここでは、異常要因推定部313は、機器が正常に動作している時からの第1の成分量の増加量が第1の閾値以上である場合には、その機器が備える回転体の異常と推定する。一方、異常要因推定部313は、機器が正常に動作している時からの第2の成分量の増加量が第2の閾値以上である場合には、その機器が備える回転体以外の部分の異常と推定する。
具体的には、異常要因推定部313は、相関情報D30で示される相関している成分の量が、正常時の相関情報で示される相関している成分の量に対して、予め定められた閾値以上に増加していたら、回転体の異常と推定する。
一方、異常要因推定部313は、相関情報D30で示される相関していない成分の量が、正常時の相関情報で示される相関していない成分の量に対して、予め定められた閾値以上に増加していたら、回転体以外の異常と推定する。
一方、異常要因推定部313は、相関情報D30で示される相関していない成分の量が、正常時の相関情報で示される相関していない成分の量に対して、予め定められた閾値以上に増加していたら、回転体以外の異常と推定する。
また、異常要因推定部313は、相関情報D30で示される相関している成分の量の、正常時の相関情報で示される相関している成分の量に対する増加量が、予め定められた閾値未満であり、かつ、相関情報D30で示される相関していない成分の量の、正常時の相関情報で示される相関していない成分の量に対する増加量が、予め定められた閾値未満である場合には、機器が正常であると推定する。
そして、異常要因推定部313は、以上の推定の結果を示す推定結果D5を生成し、その推定結果D5を、処理部114に与える。
そして、異常要因推定部313は、以上の推定の結果を示す推定結果D5を生成し、その推定結果D5を、処理部114に与える。
診断対象とする機器が回転体を持ち、その回転体が磁性部と、非磁性部とを持つ場合、動作音を示す信号と、誘導電流を示す信号とはそれぞれ、その回転体の動作に起因する影響を受ける。このとき、動作音を示す信号と、誘導電流を示す信号とはそれぞれ同一の物体の動作から影響を受けているため、それらの信号に含まれている回転体に起因する成分は相関を持つと考えられる。
一方、回転体以外の部分では、前述のように回転体以外の部品の擦過又は衝突が起こるが、それらが動作音と、誘導電流とに与える影響は回転体と比較してランダムであり、このような部分に起因する成分は相関が低くなると考えられる。
つまり、動作音を示す信号と、誘導電流を示す信号とに含まれている成分のうち、相関が高いものは回転体に起因し、相関が低いものは回転体以外に起因していると考えることができる。
機器に異常が生じると、一般的にはその異常が生じている個所において動作音又は振動のエネルギーが増加する。この際、そのエネルギーの増分に含まれている成分について、相関が高いものが支配的であれば、その増分は回転体に起因するものであり、そうでなければ回転体以外に起因するものと判断することができる。
以上のように、実施の形態3によれば、ユーザは、機器の異常が検出された時点で異常の要因を回転体又はそれ以外として特定することができ、機器の異常を是正するための調査に掛かるコスト等を削減できる。
以上に記載した機器診断システム100、200、300は、例えば、図11に示されているようなコンピュータシステム1により実現することができる。
コンピュータシステム1は、マイク10と、誘導電流ピックアップ11と、コンピュータ20とを備える。
コンピュータシステム1は、マイク10と、誘導電流ピックアップ11と、コンピュータ20とを備える。
コンピュータ20は、補助記憶装置21と、主記憶装置22と、A/D変換器23と、表示装置24と、入力装置25と、プロセッサ26とを備える。
補助記憶装置21は、各種プログラム、異常度を算出するための学習モデル及びその学習モデルを学習するための学習データ等を記憶する。
主記憶装置22は、デジタル信号及び異常度算出のためのパラメータ等を記憶する。
補助記憶装置21は、各種プログラム、異常度を算出するための学習モデル及びその学習モデルを学習するための学習データ等を記憶する。
主記憶装置22は、デジタル信号及び異常度算出のためのパラメータ等を記憶する。
A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
表示装置24は、診断結果を表示する。
入力装置25は、診断処理の開始及び停止等の各種処理の入力を受け付ける。
プロセッサ26は、基本的な信号処理及び異常度算出処理を行うCPU(Central Processing Unit)等である。
表示装置24は、診断結果を表示する。
入力装置25は、診断処理の開始及び停止等の各種処理の入力を受け付ける。
プロセッサ26は、基本的な信号処理及び異常度算出処理を行うCPU(Central Processing Unit)等である。
例えば、集音部101は、マイク10により実現することができる。
誘導電流測定部102は、誘導電流ピックアップ11により実現することができる。具体的には、誘導電流ピックアップ11は、コイルを利用して磁束の変化に伴う誘導電流を測定するセンサである。これには、例えば、エレキギター等の楽器用のピックアップを誘導電流測定部102として転用することも可能である。
誘導電流測定部102は、誘導電流ピックアップ11により実現することができる。具体的には、誘導電流ピックアップ11は、コイルを利用して磁束の変化に伴う誘導電流を測定するセンサである。これには、例えば、エレキギター等の楽器用のピックアップを誘導電流測定部102として転用することも可能である。
機器診断装置110、210、310は、コンピュータ20により実現することができる。
具体的には、動作音A/D変換部111及び誘導電流A/D変換部112は、A/D変換器23により実現することができる。
異常要因推定部113、213、313及び処理部114は、プロセッサ26が補助記憶装置21に記憶されているプログラムを主記憶装置22に読み出して、そのプログラムを実行することで実現することができる。
具体的には、動作音A/D変換部111及び誘導電流A/D変換部112は、A/D変換器23により実現することができる。
異常要因推定部113、213、313及び処理部114は、プロセッサ26が補助記憶装置21に記憶されているプログラムを主記憶装置22に読み出して、そのプログラムを実行することで実現することができる。
ここでは、集音部101がマイク10により実現される例を示しているが、集音部101は、このような例に限定されない。例えば、集音部101は、振動センサ及び超音波センサ等の音響トランスデューサ、並びに、加速度ピックアップ及びレーザードップラー加速度計等の加速度センサにより実現されてもよい。
100,200,300 機器診断システム、 101 集音部、 102 誘導電流測定部、 110,210,310 機器診断装置、 111 動作音A/D変換部、 112 誘導電流A/D変換部、 113,213,313 異常要因推定部、 113a 動作音特徴抽出部、 113b,213b 動作音異常度算出部、 113c 誘導電流特徴抽出部、 113d 誘導電流異常度算出部、 113e 異常度統合部、 213f 回転速度算出部、 114 処理部、 315 相関算出部。
Claims (14)
- 機器の動作音を示す動作音信号、及び、前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部と、
前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えること
を特徴とする機器診断装置。 - 前記異常要因推定部は、
前記動作音から前記動作音の特徴量である動作音特徴量を抽出する動作音特徴抽出部と、
前記誘導電流から前記誘導電流の特徴量である誘導電流特徴量を抽出する誘導電流特徴抽出部と、
前記動作音特徴量から、前記機器が正常に動作する際の動作音に対する異常の度合いである動作音異常度を算出する動作音異常度算出部と、
前記誘導電流特徴量から、前記機器が正常に動作する際の前記磁性部の影響により生じる誘導電流に対する異常の度合いである誘導電流異常度を算出する誘導電流異常度算出部と、
前記動作音異常度のみが第1の閾値以上である場合には、前記機器における磁性体を有しない部分である非磁性部の異常、前記誘導電流異常度のみが第2の閾値以上である場合には、前記磁性部の異常、前記動作音異常度が前記第1の閾値以上であり、かつ、前記誘導電流異常度が前記第2の閾値以上である場合には、前記非磁性部及び前記磁性部の両方の異常と推定する異常推定部と、を備えること
を特徴とする請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記異常要因推定部は、
前記動作音から前記動作音の特徴量である動作音特徴量を抽出する動作音特徴抽出部と、
前記誘導電流から前記誘導電流の特徴量である誘導電流特徴量を抽出する誘導電流特徴抽出部と、
前記動作音特徴量から、前記機器が正常に動作する際の動作音に対する異常の度合いである動作音異常度を算出する動作音異常度算出部と、
前記誘導電流特徴量から、前記機器が正常に動作する際の前記磁性部の影響により生じる誘導電流に対する異常の度合いである誘導電流異常度を算出する誘導電流異常度算出部と、
前記動作音異常度のみが第1の閾値以上である場合には、前記機器における磁性体を有しない部分である非磁性部の異常、前記誘導電流異常度のみが第2の閾値以上である場合には、前記磁性部の異常、前記動作音異常度が前記第1の閾値以上であり、かつ、前記誘導電流異常度が前記第2の閾値以上である場合には、前記動作音異常度が前記誘導電流異常度よりも大きいと、前記非磁性部の異常、前記誘導電流異常度が前記動作音異常度よりも大きいと、前記磁性部の異常、前記動作音異常度と前記誘導電流異常度とが同じであると、前記非磁性部及び前記磁性部の両方の異常と推定する異常推定部と、を備えること
を特徴とする請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記異常要因推定部は、
前記動作音から前記動作音の特徴量である動作音特徴量を抽出する動作音特徴抽出部と、
前記誘導電流から前記誘導電流の特徴量である誘導電流特徴量を抽出する誘導電流特徴抽出部と、
前記誘導電流特徴量から、前記機器が備えている回転体の回転速度を算出する回転速度算出部と、
前記動作音特徴量及び前記回転速度から、前記機器が前記回転速度において正常に動作する際の動作音に対する異常の度合いである動作音異常度を算出する動作音異常度算出部と、
前記誘導電流特徴量から、前記機器が正常に動作する際の前記磁性部の影響により生じる誘導電流に対する異常の度合いである誘導電流異常度を算出する誘導電流異常度算出部と、
前記動作音異常度のみが第1の閾値以上である場合には、前記機器における磁性体を有しない部分である非磁性部の異常、前記誘導電流異常度のみが第2の閾値以上である場合には、前記磁性部の異常、前記動作音異常度が前記第1の閾値以上であり、かつ、前記誘導電流異常度が前記第2の閾値以上である場合には、前記非磁性部及び前記磁性部の両方の異常と推定する異常推定部と、を備えること
を特徴とする請求項1に記載の機器診断装置。 - 機器の動作音を示す動作音信号及び前記機器が動作する際の磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部と、
前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部と、
前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えること
を特徴とする機器診断装置。 - 前記相関算出部は、前記動作音及び前記誘導電流が相関している成分の量である第1の成分量、並びに、前記動作音及び前記誘導電流が相関していない成分の量である第2の成分量を算出し、
前記異常要因推定部は、前記機器が正常に動作している時からの前記第1の成分量の増加量が第1の閾値以上である場合には、前記機器が備える回転体の異常、前記機器が正常に動作している時からの前記第2の成分量の増加量が第2の閾値以上である場合には、前記機器が備える回転体以外の部分の異常と推定すること
を特徴とする請求項5に記載の機器診断装置。 - 機器の動作音を測定する集音部と、
前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、
前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えること
を特徴とする機器診断装置。 - 機器の動作音を測定する集音部と、
前記機器が動作する際の磁性部の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、
前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部と、
前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えること
を特徴とする機器診断装置。 - コンピュータを、
機器の動作音を示す動作音信号、及び、前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部、及び、
前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部、として機能させること
を特徴とするプログラム。 - コンピュータを、
機器の動作音を示す動作音信号及び前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を示す誘導電流信号を取得する取得部、
前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部、及び、
前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部、として機能させること
を特徴とするプログラム。 - 機器の動作音を測定する集音部と、
前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、
前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えること
を特徴とする機器診断システム。 - 機器の動作音を測定する集音部と、
前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を測定する誘導電流測定部と、
前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出する相関算出部と、
前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定する異常要因推定部と、を備えること
を特徴とする機器診断システム。 - 機器の動作音を測定し、
前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を測定し、
前記動作音及び前記誘導電流の両方を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定すること
を特徴とする機器診断方法。 - 機器の動作音を測定し、
前記機器が動作する際の、磁性体を有する部分である磁性部の影響により生じる誘導電流を測定し、
前記動作音と、前記誘導電流との相関を算出し、
前記相関を用いて、前記機器の異常の有無と、前記異常がある場合における前記異常の要因とを推定すること
を特徴とする機器診断方法。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2024142315A1 true WO2024142315A1 (ja) | 2024-07-04 |
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