JP4281679B2 - リング状部材の製造方法 - Google Patents

リング状部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4281679B2
JP4281679B2 JP2004352947A JP2004352947A JP4281679B2 JP 4281679 B2 JP4281679 B2 JP 4281679B2 JP 2004352947 A JP2004352947 A JP 2004352947A JP 2004352947 A JP2004352947 A JP 2004352947A JP 4281679 B2 JP4281679 B2 JP 4281679B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
ring
shaped member
brush
grinding brush
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004352947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006159337A (ja
Inventor
清 伊賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004352947A priority Critical patent/JP4281679B2/ja
Publication of JP2006159337A publication Critical patent/JP2006159337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4281679B2 publication Critical patent/JP4281679B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Description

本発明は、リング状部材の製造方法における内周面および外周面の研削工程に関するものである。
従来技術として、以下のような特許文献1に記載された発明が存在する。
図15に示すように、特許文献1に記載されたバリ取り装置101は、基台111、回転台112、アーム115、エアモータ116、ブラシ117、エアシリンダ118などから構成され、回転台112の上にバリ取りを行なおうとする部品113が配置されている。
そして、このバリ取り装置101は次のように作用する。エアモータ116などの自重によりブラシ117を部品113のバリ取り面114の部分に圧接保持させた状態で、ブラシ117を回転駆動させる。すると、部品113とブラシ117の間の摩擦力によりバリ取り面114のバリが除去されると同時に、回転台112とともに部品113が回転するので、部品113に対してブラシ117が相対的に移動してバリが順次除去されるとしている。
また、従来技術2として、従来から行なわれている一般的な研磨方法としてバレル研磨による研磨方法がある。ここで、バレル研磨とは、被研磨物と研磨材とをバレルと呼ばれる容器に入れ、バレルを回転させるなどして被研磨物と研磨材との間で相対摩擦をさせることにより、被研磨物のバリ取り、表面研磨、R付けなどの表面加工を行なう研磨方法である。そして、従来よりリング状部材の表面加工においてもバレル研磨による研磨方法が用いられてきた。
特開平8−71900(第0008−0014段落、第1図)
しかしながら、従来技術には以下の問題点が存在する。
特許文献1に記載されたリング状部品のバリ取り装置101は、ブラシ117を部品113のバリ取り面114の部分に圧接保持させた状態で、ブラシ117を回転駆動させるだけにすぎない。そのため、ブラシ117を圧接させるバリ取り面114の部分以外に生じるバリは除去することができない。また、リング状部品の内周面や外周面を研磨したいときには、別途研磨機などを用いて研磨しなければならず手間がかかる。すなわち、バリ取りや研磨などを研削ということで共通した概念と捉えておらず、同時に行なうことができないので作業の手間がかかってしまう。
また、従来技術2で挙げたバレル研磨による研磨方法をリング状部材の表面加工に使用した場合には、研磨作業中にリング部材同士がはめ合ったり、重なり合ったりするため、研磨の終了後リング状部材を取り出すときにそれらを仕分けながら取り出す必要があり、非常に手間が掛かる。また、研磨ムラが生じないように均一な研磨を実現するため、バレル研磨によるリング状部材の表面加工を完了するまでには、多くの時間を要してしまう。
そこで本発明は以上のような課題を解消するためになされたものであり、研磨とともにバリ取りもでき、均一な研磨を実現でき、研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる研削工程を備えたリング状部材の製造方法を実現することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下のような特徴を有する。
(1)円筒状のブラシ軸の外周にブラシを取り付けた研削ブラシによる研削を行なう工程を有するリング状部材の製造方法において、リング状部材の内周面側または外周面側と研削ブラシとが互いに押し当たる工程と、研削ブラシとリング状部材とを相対回転させるとともに、リング状部材の中心軸方向にリング状部材の幅と研削ブラシの幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシがリング状部材に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有し、研削ブラシの幅、研削ブラシのストローク量、リング状部材に対する研削ブラシの相対的な往復移動による振幅動作の周波数、リング状部材の回転数を規定することにより、任意の周期における研削ブラシの下面部分の軌跡と、次の周期における研削ブラシの上面部分の軌跡とは、リング状部材の幅方向の中心線上で交わることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明により、以下のような作用・効果が得られる。
(1)円筒状のブラシ軸の外周にブラシを取り付けた研削ブラシによる研削を行なう工程を有するリング状部材の製造方法において、リング状部材の内周面側または外周面側と研削ブラシとが互いに押し当たる工程と、研削ブラシとリング状部材とを相対回転させるとともに、リング状部材の中心軸方向にリング状部材の幅と研削ブラシの幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシがリング状部材に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有するので、研削ブラシの往復移動により研磨とともにバリ取りもでき、研削ブラシとリング状部材とを相対回転させながら研削ブラシの往復移動を行なうことにより均一な研磨を実現でき、研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる効果が得られる。
(2)(1)に記載するリング状部材の製造方法において、研削ブラシの幅、研削ブラシのストローク量、リング状部材に対する研削ブラシの相対的な往復移動による振幅動作の周波数、リング状部材の回転数を規定することにより、任意の周期における研削ブラシの下面部分の軌跡と、次の周期における研削ブラシの上面部分の軌跡とは、リング状部材の幅方向の中心線上で交わるので、(1)に記載する効果に加えて、研削ブラシとリング状部材の動きに規則性を持たせることによりリング状部材の全面にわたり一定の研削代で研削が行なわれ、また重ねて研削する部分が少なくなることから均一な研磨を実現でき、研削ブラシの1周期分の研削範囲を最大限広げることにより研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる効果が得られる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1はリング状部材1に研削ブラシ2を押し当てた状態を示しており、(a)ではリング状部材1の内周面1aを、(b)ではリング状部材1の外周面1bを研削する様子を示したものである。図1に示すように、研削ブラシ2は円筒状のブラシ軸11の外周に多数の線状部材を束ねたブラシ12を配置させたものであり、ブラシ軸11を中心に回転するものである。ブラシ12としては、例えばナイロン製の線状部材であってその中に砥粒が含まれるものを使用する。このブラシ12は度重なる研削作業によりその先端部が磨耗すると、その中に含まれる新しい砥粒が次々と出てくるので、通常砥石で行なわれるドレッシング作業が不要となり作業上手間が掛からないものである。そして、先端部の磨耗がある程度進んだときには、ブラシ12のみを新しいものに交換すればよいので経済的である。
ここで、リング状部材1の内周面1a側に研削ブラシ2を配置して所定の力で押し当ててリング状部材1の内周面1aを研削する工程を検討する。
まず、研削ブラシ2を上下方向に固定してリング状部材1および研削ブラシ2を相対回転させて研削を行なう場合を考える。すると、研削ブラシ2を所定の力でリング状部材1に押し当てるため、図2に示すように、ブラシ12が軸方向の中央部あたりを中心に上下に分かれてリング状部材1の内周面1aに押し当たることになる。そのため、リング状部材1の中央部付近でブラシ12が接触しない部分が生じ、図3に示すように、研削作業が完了したときには研削残り21の部分が発生し研削ムラが生じてしまう。
そこで本発明では、研削ブラシ2を上下方向に往復移動させながらリング状部材1および研削ブラシ2を相対回転させて研削を行なうこととしている。具体的には、図4に示すようにリング状部材1と研削ブラシ2を相対回転させ、図5および図6のように研削ブラシ2を徐々に下降させながらリング状部材1の内周面1aを研削し、研削ブラシ2のブラシ12がリング状部材1に掛からなくなるまで下降させる。そして、一番下の下降位置に達すると、今度は研削ブラシ2を徐々に上昇させながらリング状部材1の内周面1aを研削し、研削ブラシ2のブラシ12がリング状部材1に掛からなくなるまで上昇させる。このようにして、リング状部材1に対して研削ブラシ2を上下に往復移動させることとする。その結果、研削ブラシ2のブラシ12がリング状部材1の端部に掛かったときに端部に存在するバリ1cを除去すると同時にR形状1dを形成することとなる。また、研削ブラシ2のブラシ12がリング状部材1の内周面1a全体に均一に掛かることになり、リング状部材1の内周面1aを全面わたり研磨することができる。なお、外周面1bについても同様な作用となるため説明は省略する。
次に、リング状部材1の内周面1aまたは外周面1bについての研削を全面にわたって均一に、かつ短時間で行なうことができる本発明の特徴について説明する。
まず、リング状部材1の内周面1aまたは外周面1bについての研削を全面にわたって均一にするためには、研削ブラシ2を上下方向に往復移動させながらリング状部材1と研削ブラシ2とが相対回転する状況下で、研削作業が完了したときに研削ブラシ2により所定の研削代が全面にわたって確実に研削されていることが必要になる。また、研削を短時間で行なうためには、研削ブラシ2の1周期分の研削で研削される範囲を大きくして、研削作業が完了するまでに研削ブラシ2が上下方向に往復移動する周期の数を出来るだけ少なくすることが必要になる。そこで、以上の必要性を満たすために、リング状部材1および研削ブラシ2の動きに一定の規則性を持たせることにする。
この規則性についての具体的な内容を、図7から図10を用いて説明する。図7から図10は、横軸にリング状部材1の周方向の位置をとり、縦軸にリング状部材1に対する研削ブラシ2の軌跡の位置を示している。また、図面の横方向に描かれた破線は、リング状部材1を展開したときの幅を示し、実線で描かれた曲線は、研削ブラシ2の上面部分の軌跡および下面部分の軌跡を示している。そして、図7、図8は研削ブラシ2の1周期分の研削部分を表した展開図であり、図7は規則性を考慮せずに任意に設定値を決めて研削したときのリング状部材1の研削部分を表した展開図を示し、図8は規則性を考慮した設定値により研削したときのリング状部材1の研削部分を表した展開図を示している。また、図9、図10は研削ブラシ2の3周期分の研削部分を表した展開図であり、図9は規則性を考慮せずに任意に設定値を決めて研削したときのリング状部材1の研削部分を表した展開図を示し、図10は規則性を考慮した設定値により研削したときのリング状部材1の研削部分を表した展開図を示している。
図7および図8おいて、曲線A1、A2はリング状部材1に対する研削ブラシ2の1周期分の研削における研削ブラシ2の上面部分、下面部分の軌跡を示している。そして、色つきの部分は、研削ブラシ2の1周期分の研削におけるリング状部品1の内周面1aまたは外周面1b上で研削がなされた部分を示している。図8より明らかなように、規則性を考慮することにより図7の場合に比べて研削ブラシ2の1周期分の研削範囲が広くなっている。
図9において、曲線A1は研削ブラシ2の1周期目の研削における研削ブラシ2の上面部分の軌跡を示しており、曲線A2は同様に下面部分の軌跡を示している。そして、順に曲線B1、B2および曲線C1、C2はそれぞれ2周期目および3周期目の研削における研削ブラシ2の軌跡を示している。図9から分かるように、3周期目の研削が完了した時点では、各周期における研削部分の間に全く研削されない部分が多数存在する一方で、すでに研削がなされている部分または重ねて研削されている部分が多数存在している。そのため、全く研削されない部分と研削がなされている部分または重ねて研削されている部分との間で研削ムラが生じてしまう。
そこで、図10に示すように例えば、1周期目の研削における研削ブラシ2の上面部分の軌跡と2周期目の研削における研削ブラシ2の下面部分の軌跡の曲線がほぼ重なるように研削ブラシ2の動きを規定する。これにより、各周期における研削部分の間に全く研削されない部分が生じなくなり、また重ねて研削される部分も生じにくくなる。
以上のようなリング状部材1および研削ブラシ2の動きの規則性は、研削ブラシ2の幅、研削ブラシ2の上下方向のストローク量、研削ブラシ2の往復移動による振幅動作の周波数、リング状部材1の回転数などにより規定されるものであるが、ここで、この規則性のもと最適化された場合の実施例を図11から図13に示す。図11は、研削ブラシ2の1周期目の研削部分を示したものであり、リング状部品1上に付された色付き部分がすでに研削がなされた部分である。図12、図13は、同様に2周期目、3周期目の場合を示している。上記に説明したように、1周期目の研削ブラシ2の下面部分の軌跡と2周期目の研削ブラシ2の上面部分の軌跡とがほぼ重なるように研削ブラシ2の動きを規定している。そして、この最適化された場合の実施例においては、3周期目が終了した時点ですでにリング状部品1の全面にわたり1周期分の研削が終了していることが分かる。なお、本実施例では、さらに研磨の仕上がりを向上させるため、リング状部品1の全周にわたり2周期分の研削を行なうこととし、さらにその後同様に4周期目、5周期目の研削を行うこととしている。これにより、リング状部品1の全面にわたり2周期分の研削が終了することになり、さらに研磨の仕上がりを向上させつつ研磨が均一になされる効果が得られる。
なお、研削ブラシ2の動きは曲線で表され、1周期目の研削における研削ブラシ2の下面部分の軌跡と2周期目の研削における研削ブラシ2の上面部分の軌跡による曲線の曲率の違いから、これらを完全に重ね合わせることはできない。そこで、これらを最大限重ね合わせるため、1周期目の研削における研削ブラシ2の下面部分の軌跡と第2周目の研削における研削ブラシ2の上面部分の軌跡による曲線の交点がリング状部材1の幅方向における中心線上に位置するように規定をする。
以上は規則性の一例を挙げたものであるが、この規則性を一般的な数式で表すと以下のようになる。
まず、リング状部材1に対する研削ブラシ2の任意の周期の研削において、研削ブラシ2の上面部分の軌跡Ztopは、研削ブラシ2のストローク量Btool、研削ブラシ2の往復移動による振幅動作の周波数ftool、リング状部材1の回転数ωring、研削ブラシ2の幅Wtoolなどのパラメータを用いて以下の数式で表すことができる。
Figure 0004281679
なお、xはリング状部材1の周方向の位置を位相で表したものであり、Nは任意の整数である。
一方、リング状部材1に対する研削ブラシ2の任意の周期の研削において、研削ブラシ2の下面部分の軌跡Zbottomは、同様のパラメータを用いて以下の数式で表すことができる。
Figure 0004281679
そこで、研削ブラシ2の上面部分の軌跡Ztopまたは下面部分の軌跡Zbottomがリング状部材1の幅方向の中心線上と交わるとき、すなわち、Ztop=0またはZbottom=0のときのリング状部材1の周方向の位置XtopまたはXbottomは以下の数式で表される。
Figure 0004281679
Figure 0004281679
そして、Xtop−Xbottom=2πk(kは任意の整数)となる場合には、上記に述べたように1周期目の研削における研削ブラシ2の下面部分の軌跡と2周期目の研削における研削ブラシ2の上面部分の軌跡の曲線が、ほぼ重なるように研削ブラシ2の動きを規定することになる。そこで、この関係を表すと以下の数式になる。
Figure 0004281679
このような規則性を持たせることにより、研削ブラシ2の1周期分の研削で研削される範囲を大きくして、研削作業が完了するまでに研削ブラシ2が上下方向に往復移動する周期の数を出来るだけ少なくすることができるので、リング状部材1の全面にわたる研削に要する時間が非常に短くなった。本出願の発明者は、実際にこの効果を確認すべく評価を行なったところ、例えば、約φ100mmの大きさのリング状部材1においては、諸条件のもと約10秒で研削が完了した。この評価結果は、従来技術に挙げたバレル研磨の場合(約50分)に比べて約1/300の時間で研削を完了することができることを意味する。
図14では、本発明のリング状部材1の製造方法における研削工程を実現する装置を示している。この装置は、主軸ユニット31、外径チャックユニット32、内径チャックユニット33、プレート34などから構成されている。主軸ユニット31には複数の研削ブラシ2が、外径チャックユニット32には複数の外径チャック41が、内径チャックユニット33には複数の内径チャック42が装備されている。そして、この装置の動作は以下のとおりである。
まず、プレート34の搬入口から複数のリング状部品1を投入すると、プレート34内でリング状部品1が所定の位置にセットされる。そして、プレート34が回転して主軸ユニット31と外径ユニット32の間に収まる。次に、外径チャックユニット32がプレート34側に前進する。すると、外径チャックユニット32に装備された外径チャック41にリング状部材1がセットされる。次に、主軸ユニット31が所定の加工位置に移動し、主軸ユニット31に装備された研削ブラシ2がリング状部材1の内周面1a側にセットされる。そして、リング状部材1と研削ブラシ2が相対回転をして研削作業がなされる。内周面1aの研削作業が完了すると、外径チャック41からリング状部材1がセット解除され、その後同様な工程で、リング状部材1の外周面1bの研削が行なわれることになる。
なお、本実施例では一例として、研削ブラシ2を往復移動させる場合を示したが、リング状部材1を往復移動させる場合や、リング状部材1および研削ブラシ2を往復移動させる場合であっても同様な作用および効果が得られる。
以上のような実施例により、以下の効果が得られる。
(1)円筒状のブラシ軸11の外周にブラシ12を取り付けた研削ブラシ2による研削を行なう工程を有するリング状部材1の製造方法において、リング状部材1の内周面1a側または外周面1b側と研削ブラシ2とが互いに押し当たる工程と、研削ブラシ2とリング状部材1とを相対回転させるとともに、リング状部材1の中心軸方向にリング状部材1の幅と研削ブラシ2の幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシ2がリング状部材1に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有するので、研削ブラシ2の往復移動により研磨とともにバリ取りもでき、研削ブラシ2とリング状部材1とを相対回転させながら研削ブラシ2の往復移動を行なうことにより均一な研磨を実現でき、研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる効果が得られる。
(2)(1)に記載するリング状部材1の製造方法において、研削ブラシ2の幅、研削ブラシ2のストローク量、リング状部材1に対する研削ブラシ2の相対的な往復移動による振幅動作の周波数、リング状部材1の回転数を規定することにより、任意の周期における研削ブラシ2の下面部分の軌跡と、次の周期における研削ブラシ2の上面部分の軌跡とは、リング状部材1の幅方向の中心線上で交わるので、(1)に記載する効果に加えて、研削ブラシ2とリング状部材1の動きに規則性を持たせることによりリング状部材1の全面にわたり一定の研削代で研削が行なわれ、また重ねて研削する部分が少なくなることから均一な研磨を実現でき、研削ブラシ2の1周期分の研削範囲を最大限広げることにより研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる効果が得られる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様
々な変更が可能である。
以上のような特徴を有する本発明は、自動車のCVT用ベルトの製造においても応用できる技術である。
ここで、CVT用ベルトの製造における研削作業の必要性を説明する。まず、CVT用ベルトは鉄製のリング状部材を圧延して製造される。そして、この圧延前のリング状部材は長い鉄管をロールカッターで切断して取り出されるものである。ロールカッターによる切断はせん断力を加えることに行なうものであるので、取り出されたリング状部材には切断部分にバリが生じてしまう。従って、このバリを研削により除去する必要がある。また、上記の鉄管は鉄板を筒状に丸めて溶接により製造されるものである。そのため、溶接部分とその他の部分との硬さが異なるので、この硬さを均一化するためにリング状部材を取り出す前に容体化の処理を実施する必要がある。そして、この容体化の処理により鉄管の表面に酸化膜が生じる。この酸化膜はその後行う窒化の処理に障害を与えてしまう。従って、この酸化膜を研削により除去する必要がある。さらに、CVT用ベルトをエレメントに取り付けられるものであり、エレメントを傷つけないようCVT用ベルトの両端にはR形状を形成しておく必要がある。従って、圧延前のリング状部材の段階から、研削によりその両端部にR形状を形成しておく必要がある。
そこで、本発明の特徴点である研削工程をこのリング状部材に応用することにより、上記の必要性を満たすことができる。なお、上記酸化膜の厚みは約1μmであるが、本発明の研削工程では約1μmの研削をリング状部材の表面にわたり均一に行なうことができる。
リング状部材に研削ブラシを押し当てた状態を示しており、(a)ではリング状部材の内周面を、(b)ではリング状部材の外周面を研削する様子を示したものである。 研削ブラシを上下方向に固定してリング状部材および研削ブラシを相対回転させて研削を行なう場合におけるブラシの様子を示す図である。 研削ブラシを上下方向に固定してリング状部材および研削ブラシを相対回転させて研削を行なう場合におけるリング状部材の内周面の研削後の様子を示す図である。 研削ブラシを上下方向に往復移動させながらリング状部材および研削ブラシを相対回転させて研削を行なう場合においてリング状部材の研削を開始する様子を示す図である。 図4の状態から研削ブラシを下降させた状態を示す図である。 図5の状態から研削ブラシをさらに下降させた状態を示す図である。 規則性を考慮せずに任意に設定値を決めて研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの1周期分) 規則性を考慮した設定値により研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの1周期分) 規則性を考慮せずに任意に設定値を決めて研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの3周期分) 規則性を考慮した設定値により研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの3周期分) 規則性を考慮した最適な設定値により研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの1周期目) 規則性を考慮した最適な設定値により研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの2周期目) 規則性を考慮した最適な設定値により研削したときのリング状部材の研削部分を表した展開図である。(研削ブラシの3周期目) 本発明の製造方法を用いた研削装置の外観図である。 特許文献1のバリ取り装置の外観図である。
符号の説明
1 リング状部材
1a 内周面
1b 外周面
2 研削ブラシ
11 ブラシ軸
12 ブラシ
21 研削残り
31 主軸ユニット
32 外径チャックユニット
33 内径チャックユニット
34 プレート
41 外径チャック
42 内径チャック

Claims (1)

  1. 円筒状のブラシ軸の外周にブラシを取り付けた研削ブラシによる研削を行なう工程を有するリング状部材の製造方法において、
    リング状部材の内周面側または外周面側と前記研削ブラシとが互いに押し当たる工程と、
    前記研削ブラシとリング状部材とを相対回転させるとともに、リング状部材の中心軸方向にリング状部材の幅と前記研削ブラシの幅とを合計した長さ以上のストローク量で前記研削ブラシがリング状部材に対して相対的に往復移動することとなる工程と、
    を有し、
    前記研削ブラシの幅、前記研削ブラシのストローク量、リング状部材に対する前記研削ブラシの相対的な往復移動による振幅動作の周波数、リング状部材の回転数を規定することにより、任意の周期における前記研削ブラシの下面部分の軌跡と、次の周期における前記研削ブラシの上面部分の軌跡とは、リング状部材の幅方向の中心線上で交わることを特徴とするリング状部材の製造方法。
JP2004352947A 2004-12-06 2004-12-06 リング状部材の製造方法 Expired - Fee Related JP4281679B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004352947A JP4281679B2 (ja) 2004-12-06 2004-12-06 リング状部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004352947A JP4281679B2 (ja) 2004-12-06 2004-12-06 リング状部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006159337A JP2006159337A (ja) 2006-06-22
JP4281679B2 true JP4281679B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=36661894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004352947A Expired - Fee Related JP4281679B2 (ja) 2004-12-06 2004-12-06 リング状部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4281679B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102623185B1 (ko) * 2021-09-15 2024-01-11 김광자 반사경 폴리싱 장치

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2599972B2 (ja) * 1988-08-05 1997-04-16 株式会社 チップトン バリ取り方法
JPH0871900A (ja) * 1994-09-07 1996-03-19 Hino Motors Ltd リング状部品のバリ取り装置
JPH1133886A (ja) * 1997-07-24 1999-02-09 Koken Kogyo Kk ガラスディスク内周研磨装置およびガラスディスク内周研磨方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006159337A (ja) 2006-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105050767A (zh) 去毛刺机和用于去毛刺的方法
WO2007072879A1 (ja) 砥石修正装置
JP5033066B2 (ja) ワーク外周部の研磨装置および研磨方法
JP4281679B2 (ja) リング状部材の製造方法
JP4196636B2 (ja) トラクションドライブ用転動体の製造方法
JP4929790B2 (ja) 砥石車のツルーイング方法
JP5076583B2 (ja) 面取り装置、面取り方法および焼結磁石
JP2007168048A (ja) 無段変速機用部品のテーパ面の加工方法
JP2004195606A (ja) ゴムロールの製造方法
JP5206194B2 (ja) 砥石のツルーイング方法およびツルーイング装置
JP2901875B2 (ja) 超砥粒研削ホイールのツルーイング方法
JP2004195575A (ja) 研削装置及び研削方法
JP2820806B2 (ja) カップ状金型の内周面の加工方法
JP7398096B2 (ja) 回転砥石の研削面修正方法
JP4438432B2 (ja) ラッピング加工方法
JP5168929B2 (ja) 被圧入ワークの製造方法
CN108115470A (zh) 油封的生产工艺
JP2006218547A (ja) リング状部材の製造方法
JP2004276172A (ja) 研削方法および研削砥石の製造方法
JP2010211882A (ja) 磁気記録媒体用円盤状基板の研削装置、円盤状基板の製造方法および円盤状基板の研削用砥石
CN111601680B (zh) 用于磨削和/或抛光缺陷的方法及用于执行该方法的装置
JP2004268198A (ja) 研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具
JP3723628B2 (ja) コンタリング研削用砥石およびコンタリング研削方法
JP2004322270A (ja) カムシャフト、カムシャフトの製造方法およびジャーナル研削装置
JP2008246627A (ja) 面取り装置、面取り方法および焼結磁石

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090309

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees