JP5168929B2 - 被圧入ワークの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、未研削ワークの研削施工面に回転砥石を押し当てることにより、前記研削施工面に比べて硬度が低い圧入部材が圧入される被圧入ワーク及びその被圧入ワークを製造する方法に関する。
従来より、無段変速機(CVT)として、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられた金属製のベルトを備えたものが知られている。プライマリプーリは、プライマリシャフトが一体化された固定シーブと、そのプライマリシャフトに圧入固定されたシリンダと、プライマリシャフトのうち固定シーブとシリンダとの間に摺動可能に装着された可動シーブと、シリンダと可動シーブとの間に形成された油圧室とを備えている。また、セカンダリプーリもこれとほぼ同様の構成を備えている。そして、両プーリの油圧室への油圧を制御することにより、両プーリの固定シーブと可動シーブとの間隔を変更してギヤ比を無段に変速するようになっている(例えば特許文献1参照)。
特公平3−1542号公報
ところで、このような無段変速機を製造する場合、プライマリシャフトが一体化された固定シーブを浸炭焼き入れ材で形成し、そのプライマリシャフトにプレス成形したシリンダを圧入固定することがある。
しかしながら、浸炭焼き入れ材で形成した固定シーブは、プレス成形したシリンダに比べてビッカース硬度で5倍程度硬いため、圧入時にバリが発生することがあった。具体的には、図9に示すように、固定シーブ102のプライマリシャフト104に設けられた段差106を乗り越えるようにシリンダ108を圧入する際に、段差106のエッジ106aがシリンダ108の孔108aの内周面を削り取ることにある。そこで、このバリの発生を防ぐために、オイルを塗布する等の改良を試みたりしたが、効果が十分得られなかった。このため、硬度の低いシリンダを硬度の高いプライマリシャフトにバリを発生させずに圧入する技術の開発が望まれていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、硬度の低い圧入部材を圧入したとしてもバリが発生しない被圧入ワークを容易に製造することのできる方法を提供することを目的の一つとする。また、そのような被圧入ワークを提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述した目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
本発明の被圧入ワークの製造方法は、
未研削ワークの研削施工面に回転砥石を押し当てることにより、前記研削施工面に比べて硬度が低い圧入部材が圧入される被圧入ワークを製造する被圧入ワークの製造方法であって、
(a)前記回転砥石として、傾斜開始位置から傾斜終了位置にかけて前記未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で大きく又は小さくなるように形成された砥石傾斜線と、前記傾斜終了位置における前記未研削ワークの軸線からの距離と略同じ距離になるように該傾斜終了位置から連続して形成された砥石水平線とで前記研削施工面と線接触可能な回転砥石を用意する工程と、
(b)前記未研削ワークの研削施工面に前記回転砥石を押し当てて前記研削施工面を研削することにより、前記砥石傾斜線と前記砥石水平線との境界に対応する部分がR形状の角となり、前記砥石水平線に対応する部分が前記圧入部材を保持する圧入部材保持面となり、前記砥石傾斜線に対応する部分が前記圧入部材の突き当たる位置から前記圧入部材保持面に至るまで凸状に膨らむ膨出傾斜面となった被圧入ワークを得る工程と、
を含むものである。
この被圧入ワークの製造方法では、砥石傾斜線や砥石水平線で研削施工面と線接触する回転砥石を未研削ワークの研削施工面に押し当てて研削する。ここで、砥石傾斜線は、傾斜開始位置から傾斜終了位置にかけて未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で大きく又は小さくなるように形成されている。また、砥石水平線は、傾斜終了位置における未研削ワークの軸線からの距離と略同じ距離になるように傾斜終了位置から連続して形成されている。こうした回転砥石を押し当てて研削すると、未研削ワークの研削施工面には砥石傾斜線と砥石水平線とがそのまま転写されるのではなく、研削施工面のうち、砥石傾斜線と砥石水平線との境界に対応する部分はR形状の角となり、砥石水平線に対応する部分は圧入部材を保持する圧入部材保持面となり、砥石傾斜線に対応する部分は圧入部材の突き当たる位置から圧入部材保持面に至るまで凸状に膨らむ膨出傾斜面となる。なぜ、このようにR形状の角ができたり膨出傾斜面ができたりするのかの原因については究明されていない。このようにして得られた被圧入ワークに圧入部材を圧入する場合、圧入部材は、その端部が膨出傾斜面に当接したあと該膨出傾斜面に沿って圧入方向に進み、R形状の角を乗り越えて圧入部材保持面に至り、圧入が完了する。このとき、膨出傾斜面がR形状の角まで膨らんだ形状になっているため、被圧入ワークはスムーズに圧入方向へ進行する。また、膨出傾斜面と圧入部材保持面との境界は角張ったエッジではなくR形状の丸みを帯びた角のため、圧入部材がこの角を乗り越えるときに圧入部材よりも硬度の高い被圧入ワークに削られてバリが発生することもない。このように、本発明の被圧入ワークの製造方法によれば、硬度の低い圧入部材を圧入したとしてもバリが発生しない被圧入ワークを提供することができる。また、研削公差及び圧入部材の公差を比較的大きく設定することができるため、歩留まりが向上する。
ここで、「未研削ワーク」とは、工程(b)で行われる研削が未だ行われていないワークという意であり、一度も研削が行われていないワークのほか、工程(b)以外の研削が行われたワークも含む。「回転砥石」とは、所定の回転軸を中心として回転しながら研削を行う砥石のことをいい、例えばアルミナ、CBN(立方晶窒化ホウ素)等の硬質粒子を焼結材、レジボンド等により凝縮させたものなどを使用可能である。「径が一定の割合で大きく又は小さくなる」とは、径が正確に一定の割合で大きく又は小さくなる場合のほか、誤差はあるが実質的に径が一定の割合で大きく又は小さくなるとみなすことができる場合も含む意である。「R形状」とは、角張っているのではなく丸みを帯びている形状のことをいう。
本発明の被圧入ワークの製造方法において、前記工程(b)で、前記回転砥石を円筒研削盤又はアンギュラ研削盤に取り付けて前記研削施工面の研削を行ってもよい。こうすれば、既存の研削盤を利用して本発明の製造方法を容易に実施することができる。
本発明の被圧入ワークの製造方法は、更に、(c)前記工程(b)で得られた前記被圧入ワークが前記R形状の角及び前記膨出傾斜面を有することを確認するにあたり、前記被圧入ワークの表面に沿って所定の走査速度及び所定の測定ピッチで測定子を走査させたときの軌跡を測定する工程、を含むようにしてもよい。こうすれば、製造した被圧入ワークが良品か否かの判断を容易に行うことができる。
本発明の被圧入ワークの製造方法において、前記傾斜開始位置から前記傾斜終了位置までの段差は、好ましくは20〜100μm、より好ましくは50〜70μmに設定する。こうすれば、本発明の効果をより確実に得ることができる。
本発明の被圧入ワークの製造方法において、前記砥石傾斜線の傾斜角度は、好ましくは45°以下、より好ましくは30°以下に設定する。こうすれば、本発明の効果をより確実に得ることができる。
本発明の被圧入ワークの製造方法において、前記被圧入ワークは、前記圧入部材として孔を有する部材を圧入可能な軸を持つワークであり、前記砥石傾斜線は、前記傾斜開始位置から前記傾斜終了位置にかけて前記未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で大きくなるように形成されていてもよい。こうすれば、軸を持つワークを被圧入ワークとして製造することができる。
本発明の被圧入ワークの製造方法において、前記被圧入ワークは、前記圧入部材として軸を有する部材を圧入可能な孔を持つワークであり、前記砥石傾斜線は、前記傾斜開始位置から前記傾斜終了位置にかけて前記未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で小さくなるように形成されていてもよい。こうすれば、孔を持つワークを被圧入ワークとして製造することができる。
本発明の被圧入ワークは、
圧入部材が圧入される被圧入ワークであって、
前記圧入部材に比べて硬度が高く該圧入部材の圧入時に該圧入部材と接触する圧入面と、
前記圧入面のうち前記圧入部材の圧入が開始される圧入開始位置から圧入方向に進むにしたがって締め代が大きくなり且つ該締め代の大きくなる割合が減少していくように形成された膨出傾斜面と、
前記膨出傾斜面のうち前記締め代が最大となる締め代最大位置から圧入方向に向かって該締め代最大位置と同径となるように形成され、前記傾斜面との境界がR形状である圧入部材保持面と、
を備えたものである。
この被圧入ワークに圧入部材を圧入する場合、圧入部材は、その端部が被圧入ワークの膨出傾斜面に当接したあと該膨出傾斜面に沿って圧入方向に進み、R形状の角を乗り越えて圧入部材保持面に至り、圧入が完了する。このとき、膨出傾斜面がR形状の角まで膨らんだ形状になっているため、被圧入ワークはスムーズに圧入方向へ進行する。また、膨出傾斜面と圧入部材保持面との境界は角張ったエッジではなくR形状の丸みを帯びた角のため、この角を乗り越えるときに圧入部材が削られてバリが発生することがない。
本発明の被圧入ワークは、前記圧入部材として孔を有する部材を圧入可能な軸を持ち、該軸の外周面に前記膨出傾斜面と前記圧入部材保持面とが設けられていてもよい。あるいは、前記圧入部材として軸を有する部材を圧入可能な孔を持ち、該孔の内周面に前記膨出傾斜面と前記圧入部材保持面とが設けられていてもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本実施例のアンギュラ研削盤10の平面図、図2はアンギュラ型の回転砥石22で研削施工面52を研削して圧入面54にする様子を表す断面図、図3は圧入面54の拡大断面図、図4はプライマリシャフト51にシリンダ60を圧入する様子を表す断面図である。
本実施例のアンギュラ研削盤10は、ベッド12の上に、主軸台18と芯押し台20とによって未研削ワークを回転可能に支持するワークテーブル14と、アンギュラ型の回転砥石22を支持する砥石台16と、各部を制御する数値制御装置42とを備えている。
ワークテーブル14は、ベッド12に取り付けられたパルスモータ24によって駆動される送りネジ26に螺合され、この送りネジ26の回転運動が直線運動に変換されて主軸線(未研削ワークの軸線と同じ)に沿って移動可能となっている。また、未研削ワークとして使用する無段変速機の構成部品である固定シーブ50(プライマリシャフト51が一体化されたもの)は、浸炭焼き入れ材により形成されたビッカース硬度が700〜850程度の部材であり、一端に設けられた円筒穴に主軸台18のセンターピン28が挿入され、他端に設けられた円筒穴に芯押し台20のセンターピン30が挿入された状態で支持されている。芯押し台20は、図示しないパルスモータによりワークテーブル14上を主軸に沿って移動可能となっており、固定シーブ50は、芯押し台20が左方向に移動することにより主軸台18と芯押し台20との間で挟持されている。また、主軸台18は固定シーブ50とスプライン嵌合(図示せず)した回転体32が軸回転可能となっており、固定シーブ50はこの回転体32が軸回転するのに伴って回転する。
砥石台16は、ベッド12に取り付けられたパルスモータ34によって駆動される送りネジ36に螺合され、この送りネジ36の回転運動が直線運動に変換されて主軸線と所定の鋭角θをなす副軸線に沿って移動可能となっている。砥石台16に支持された回転砥石22(メーカー名:株式会社ノリタケカンパニーリミテッド、型番:SE/SH60J8V35S)は、未研削の固定シーブ50と主軸線に平行な線で線接触するように形成された第1砥面38と、未研削の固定シーブ50と主軸線に垂直となる線で線接触するように形成された第2砥面40とを有している。第1砥面38は、ベッド12と平行な面で切断したときの断面図(図2参照)において、主軸線に対して傾斜している砥石傾斜線382と、主軸線に対して平行な第1及び第2砥石水平線381,383とを有している。これらの各線381,382,383は、未研削ワークを研削するときに線接触する部分となる。砥石傾斜線382は、傾斜開始位置sp(砥石傾斜線382の両端のうち主軸線に近い方)から傾斜終了位置ep(砥石傾斜線382の両端のうち主軸線から遠い方)にかけて主軸線からの距離が一定の割合で大きくなっている。つまり、砥石傾斜線382は、傾斜開始位置spと傾斜終了位置epとを結ぶ直線である。第1砥石水平線381は、傾斜開始位置spから砥石傾斜線382とは逆方向に主軸線と平行に延びており、第2砥石水平線383は、傾斜終了位置epから砥石傾斜線382とは逆方向に主軸線と平行に延びている。本実施例では、第1砥石水平線381と第2砥石水平線383との段差は約60μmであり、砥石傾斜線382の傾斜角度は主軸線に対して約11°である。このような第1砥面38を持つ回転砥石22は、ダイヤモンドドレッサによって作製される。なお、第2砥石水平線383が本発明の砥石水平線に相当する。
数値制御装置42は、研削指令が入力されると、パルスモータ24,34の回転制御を実行して、未研削ワークの研削施工面52に回転砥石22が接触するようにワークテーブル14や砥石台16を移動させ、回転砥石22による研削施工面52の研削を行う。研削施工面と回転砥石22との接触部分には、回転砥石22に設けた図示しないノズルから冷却液が供給される。
次に、こうしたアンギュラ研削盤10を使用して研削を行うときの一例について、図2に基づいて説明する。既に述べたとおり、砥石台16には、第1砥面38に段差を有する回転砥石22がセットされているものとする。また、ワークテーブル14上には、未研削ワークとして、固定シーブ50がセットされているものとする。このような状態において、まず、回転体32を軸回転させることにより、固定シーブ50を軸回転させる。次いで、回転砥石22を固定シーブ50の回転方向とは逆方向に回転させながら砥石台16を副軸線に沿って移動させることにより、回転砥石22の第1砥面38を研削施工面52に押し当てる(図2の2点鎖線参照)。なお、ワークテーブル14は、このように砥石台16を副軸線に沿って移動させたときに研削施工面52に回転砥石22の第1砥面38が当たるように位置決めされている。回転砥石22は、まず、研削施工面52と第1砥石水平線381で線接触して研削を行い、次いで、第1砥石水平線381及び砥石傾斜線382で線接触して研削を行い、その後、第1砥石水平線381、砥石傾斜線382及び第2砥石水平線383で線接触して研削を行う。こうして所定量の研削が終了した後、砥石台16を副軸線に沿って後退させる。その後、回転体32の回転を停止し、芯押し台20を後退させることにより、研削後の固定シーブ50を取り出す。
このようにして研削を行うことにより、研削施工面52は段差を有する圧入面54となる。この圧入面54は、図2に示すように、第1砥石水平線381に対応する部分はシリンダ60の孔62よりも小径の円筒面541となり、砥石傾斜線382に対応する部分は凸状に膨らんだ膨出傾斜面542となり、第2砥石水平線383に対応する部分はシリンダ60の孔62よりも大径であり該シリンダ60を保持するシリンダ保持面543となる。また、第1砥面38の第1砥石水平線381と砥石傾斜線382との境界に対応する部分や第2砥石水平線383と砥石傾斜線382との境界に対応する部分がR形状の角となる。ここで、膨出傾斜面542とは、図3に示すように、円筒面541との境界からシリンダ保持面543との境界に向かって進むにつれて、主軸線からの距離が増える割合が徐々に減少する膨らみ部542aを持つ傾斜面をいう。膨出傾斜面542のうちシリンダ60の端部が突き当たる位置(図3の円内、圧入開始位置)からシリンダ保持面543に至る区間は、このような膨らみ部542aとなっている。本実施例では、膨出傾斜面542は軸方向長さが約0.6mm、高さが約60μmとなっている。こうして得られた研削後の固定シーブ50の圧入面54の形状を確認するにあたり、コントレーサ(メーカー:株式会社ミツトヨ、名称:CONTRACER CV-3000)を用いて、その接触子を圧入面54の表面に沿って走査速度を0.5mm/sec、測定ピッチ(走査結果をプロットする間隔)を0.025mm、送り方向をプライマリシャフト51の根元から先端に向かう方向とし、この条件で走査させたときの軌跡を測定した。図3はその軌跡に基づいて作成した図面である。
続いて、研削後の固定シーブ50のプライマリシャフト51に、孔62のあいたシリンダ60(ビッカース硬度が180〜200程度)を圧入する場合について、図4に基づいて説明する。シリンダ60の端部がプライマリシャフト51の圧入面54のうちの膨出傾斜面542に当接したあと該膨出傾斜面542に沿って圧入方向に進み、R形状の角を乗り越えてシリンダ保持面543に至り、圧入が完了する。このとき、膨出傾斜面542は円筒面541を通過したシリンダ60の端部が当接した位置からR形状の角に至るまで膨らんだ形状になっているため、シリンダ60はスムーズに圧入方向へ進行する。また、膨出傾斜面542とシリンダ保持面543との境界は角張ったエッジではなくR形状の丸みを帯びた角のため、この角を乗り越えるときにシリンダ60の孔62の内周面が削られてバリが発生することもない。
なお、膨出傾斜面542は、圧入面54のうち圧入開始位置から圧入方向に進むにしたがってシリンダ60との締め代が大きくなり且つ該締め代の大きくなる割合が減少していくように形成されているともいえる。また、シリンダ保持面543は、膨出傾斜面542のうち締め代が最大となる締め代最大位置(膨出傾斜面542とシリンダ保持面543との境界)から圧入方向に向かって該締め代最大位置と同径となるように形成されているともいえる。
以上詳述した本実施例によれば、硬度の低いシリンダ60を圧入したとしてもバリが発生しないプライマリシャフト51を持つ固定シーブ50を提供することができる。また、研削公差及びシリンダ60の孔62の内径公差を比較的大きく設定することができるため、歩留まりが向上する。更に、コントレーサを用いて圧入面54を走査することにより、研削した固定シーブ50が良品か否かの判断を容易に行うことができる。
なお、本発明はこうした上述した実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、上述した実施例では、高硬度の固定シーブ50に一体化されたプライマリシャフト51に低硬度のシリンダ60の孔62を圧入する場合を例示したが、特にこれらの部品に限定されるものではなく、高硬度の被圧入ワークと低硬度の圧入部材という組合せであればどのようなものであってもよい。
上述した実施例では、アンギュラ研削盤を例示したが、図5に示すように、第1砥石水平線122aと砥石傾斜線122bと第2砥石水平線122cとで研削施工面52と線接触する回転砥石122を未研削の固定シーブ50の軸線に対して直角方向に接近・離間させる円筒研削盤を利用してもよい。このとき、砥石傾斜線122bは、傾斜開始位置spから傾斜終了位置epにかけて研削施工面52の軸線からの距離が一定の割合で大きくなるように形成されている。この場合も、上述した実施例と同様、円筒面541,膨出傾斜面542及びシリンダ保持面543を備えた圧入面54を形成することができる。また、プライマリシャフト51の中ほどに膨出傾斜面542を形成する代わりに、図6に示すように、プライマリシャフト51の端部に膨出傾斜面542を形成し、その隣にシリンダ保持面543を形成してもよい。この場合、回転砥石122の砥石傾斜線122bがプライマリシャフト51の端部に当たるようにする。
上述した実施例では、高硬度のプライマリシャフト51に低硬度のシリンダ60の孔62を圧入する場合を例示したが、高硬度のリング260の孔262に低硬度のシャフトを圧入する場合には、図7に示すように、孔262の内周面を研削施工面とし、第1砥石水平線222aと砥石傾斜線222bと第2砥石水平線222cとで研削施工面と線接触する円筒状の回転砥石222をリング260の孔262の内周面に押し当てることにより、円筒面241、膨出傾斜面242及びシャフト保持面243を備えた圧入面を形成してもよい。このとき、砥石傾斜線222bは、傾斜開始位置spから傾斜終了位置epにかけて未研削ワークであるリング260の孔262の軸線(主軸線)からの距離が一定の割合で小さくなるように形成されている。また、円筒面241は、圧入するシャフトの径より大径に形成される。膨出傾斜面242は、円筒面241との境界からシャフト保持面243との境界に向かって進むにつれて、主軸線からの距離の減る割合が徐々に減少する膨らみ部を持つ傾斜面である。シャフト保持面243は、シャフトを圧入したときに膨出傾斜面242を通過したシャフトが到達して保持される部分であり、シャフトの径より小径に形成される。この場合も、硬度の低いシャフトをリング260の孔262に圧入したとしてもバリが発生しない。また、リング260の孔262の中ほどに圧入面を形成する代わりに、図8に示すように、リング260の孔262の端部に膨出傾斜面242を形成し、その隣にシャフト保持面243を形成してもよい。この場合、回転砥石222の砥石傾斜線222bが孔262の端部に当たるようにする。
本実施例のアンギュラ研削盤10の平面図である。 アンギュラ型の回転砥石22で研削施工面52を研削して圧入面54にする様子を表す断面図である。 圧入面54の拡大断面図である。 プライマリシャフト51にシリンダ60を圧入する様子を表す断面図である。 円筒研削盤の回転砥石122で研削施工面52を研削して圧入面54にする様子を表す断面図である。 回転砥石122でプライマリシャフト51の端部を研削する様子を表す断面図である。 回転砥石222でリング260の孔262の内周面を研削する様子を表す断面図である。 回転砥石222でリング260の孔262の端部を研削する様子を表す断面図である。 従来のプライマリシャフト104にシリンダ108を圧入する様子を表す断面図である。
符号の説明
10 アンギュラ研削盤、12 ベッド、14 ワークテーブル、16 砥石台、18 主軸台、20 芯押し台、22 回転砥石、24 パルスモータ、26 送りネジ、28,30 センターピン、32 回転体、34 パルスモータ、36 送りネジ、38 第1砥面、40 第2砥面、42 数値制御装置、50 固定シーブ、51 プライマリシャフト、52 研削施工面、54 圧入面、60 シリンダ、62 孔、102 固定シーブ、104 プライマリシャフト、106 段差、106a エッジ、108 シリンダ、108a 孔、122 回転砥石、122a 第1砥石水平線、122b 砥石傾斜線、122c 第2砥石水平線、222 回転砥石、222a 第1砥石水平線、222b 砥石傾斜線、222c 第2砥石水平線、241 円筒面、242 膨出傾斜面、243 シャフト保持面、260 リング、262 孔、381 第1砥石水平線、382 砥石傾斜線、383 第2砥石水平線、541 円筒面、542 膨出傾斜面、542a 膨らみ部、543 シリンダ保持面、sp 傾斜開始位置、ep 傾斜終了位置。

Claims (5)

  1. 未研削ワークの研削施工面に回転砥石を押し当てることにより、前記研削施工面に比べて硬度が低い圧入部材が圧入される被圧入ワークを製造する被圧入ワークの製造方法であって、
    (a)前記回転砥石として、傾斜開始位置から傾斜終了位置にかけて前記未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で大きく又は小さくなるように形成された砥石傾斜線と、前記傾斜終了位置における前記未研削ワークの軸線からの距離と略同じ距離になるように該傾斜終了位置から連続して形成された砥石水平線とで前記研削施工面と線接触可能な回転砥石を用意する工程と、
    (b)前記未研削ワークの研削施工面に前記回転砥石を押し当てて前記研削施工面を研削することにより、前記砥石傾斜線と前記砥石水平線との境界に対応する部分がR形状の角となり、前記砥石水平線に対応する部分が前記圧入部材を保持する圧入部材保持面となり、前記砥石傾斜線に対応する部分が前記圧入部材の突き当たる位置から前記圧入部材保持面に至るまで凸状に膨らむ膨出傾斜面となった被圧入ワークを得る工程と、
    を含む被圧入ワークの製造方法。
  2. 前記工程(b)で、前記回転砥石を円筒研削盤又はアンギュラ研削盤に取り付けて前記研削施工面の研削を行う、請求項1に記載の被圧入ワークの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の被圧入ワークの製造方法であって、
    (c)前記工程(b)で得られた前記被圧入ワークが前記R形状の角及び前記膨出傾斜面を有することを確認するにあたり、前記被圧入ワークの表面に沿って所定の走査速度及び所定の測定ピッチで測定子を走査させたときの軌跡を測定する工程、
    を含む被圧入ワークの製造方法。
  4. 前記被圧入ワークは、前記圧入部材として孔を有する部材を圧入可能な軸を持つワークであり、前記砥石傾斜線は、前記傾斜開始位置から前記傾斜終了位置にかけて前記未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で大きくなるように形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の被圧入ワークの製造方法。
  5. 前記被圧入ワークは、前記圧入部材として軸を有する部材を圧入可能な孔を持つワークであり、前記砥石傾斜線は、前記傾斜開始位置から前記傾斜終了位置にかけて前記未研削ワークの軸線からの距離が一定の割合で小さくなるように形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の被圧入ワークの製造方法。
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