JP2004268198A - 研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具 - Google Patents
研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004268198A JP2004268198A JP2003062209A JP2003062209A JP2004268198A JP 2004268198 A JP2004268198 A JP 2004268198A JP 2003062209 A JP2003062209 A JP 2003062209A JP 2003062209 A JP2003062209 A JP 2003062209A JP 2004268198 A JP2004268198 A JP 2004268198A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grinding
- string
- workpiece
- shaped
- abrasive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
Abstract
【課題】バリ取りや面取り加工を行わせるために長時間を要するプログラミングをする必要がなく、被加工対象物の寸法バラツキや研削工具の磨耗による研削量の変動による影響を生じない研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具を提供する。
【解決手段】回転駆動源に連結固定される支持部と、該支持部に一端が固定され前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材とを有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させ、前記紐状研削材の長手方向の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側に、被加工対象物を接触させることにより、前記被加工対象物を研削加工する。
【選択図】 図5
【解決手段】回転駆動源に連結固定される支持部と、該支持部に一端が固定され前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材とを有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させ、前記紐状研削材の長手方向の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側に、被加工対象物を接触させることにより、前記被加工対象物を研削加工する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具に関し、特に、被加工対象物の穴等の周縁部に残存するバリを除去したり、あるいは被加工対象物に形成されたエッジを面取り加工したりすることが容易にできる研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図12に示されるように、自動車用アルミホイールWには、表面側Oから裏面側Iに貫通する大、小の化粧穴H1,H2が多数設けられている。各化粧穴H1,H2はダイキャスト鋳造により形成されるものであるが、アルミホイールWの裏面側Iの一般面が旋削加工されることにより、図13(a)に示されるように、化粧穴H1の周縁部B1にエッジE1が形成され、エッジE1の先端にはさらに切削バリT1が発生する。これらの切削バリT1やエッジE1は、アルミホイールWに施される塗装の定着性を悪化させる原因となるため、切削バリT1を除去するとともに、エッジE1を面取り加工して、図13(b)に示されるように、角の無い周縁部R1を形成することが好ましい。
【0003】
従来、上記のような被加工対象物に発生したバリを除去したり、被加工対象物に形成されたエッジを面取り加工したりする手段としては、高速回転させた円盤形状又は円筒形状の硬質砥石を研削対象部位となるバリやエッジをなぞるように接触させて研削加工する方法が一般に採用されている。また、回転する砥石を研削対象部位に接触させる手段としては、作業者による手作業や、プログラム制御される工作機械やロボットによる自動処理が一般的に行われている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−243909号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した手段を用いてバリ取りや面取り加工をする場合には、以下のような問題点がある。まず、作業者による手作業で、特に作業者の熟練度が十分でない場合、研削作業に長時間を要するとともにバリ取り及びエッジの面取りが不十分である等、品質基準に達しない製品が増加し、生産効率を悪化させるおそれがある。また、図12に示されるアルミホイールWのように、研削対象部位が多数に及ぶ場合には、作業者の熟練度に関わらず作業時間が長くなり、人件費の増大によるコストアップが避けられない。
【0006】
プログラム制御される工作機械を使用する場合、作業者の熟練度による影響等が無く、研削作業時間の安定化を図ることは容易である。しかしながら、多数ある研削対象部位のすべての周縁部に沿って回転砥石をなぞらせるためには、かなり長い時間を要する。特に、研削対象部位となる化粧穴がH1のように細長い場合には、図14において二点鎖線Aで示されるように周縁部をなぞる回転砥石Sの移動距離が長くなり、一層長い時間を要する。なお、複数の研削対象部位を同時に研削加工できれば、大幅に時間短縮できるが、後述のように回転砥石Sは複雑な動きをさせなければならないため、複数箇所を同時に研削させるようにすると、装置の構成及び制御が非常に複雑になりすぎるという問題があった。
【0007】
また、所定の加工精度を確保するためには被加工対象物と回転砥石Sの接触具合(研削量及び角度)を正確に設定する必要があるところ、研削対象部位の形状が円形等の単純形状であれば短時間で容易に対応準備することが可能である。しかし、上述のアルミホイールに形成される化粧穴H1,H2のように、多数のR曲線が組み合わされて構成される複雑形状の場合には、図14及び図15において、二点鎖線Bで示されるように、回転砥石Sの動き(移動経路や向き)もそれに合わせて複雑なものとしなければならない。したがって、回転砥石の動きを制御する工作機械の制御プログラムの作成等は困難を伴い、短期間で生産準備に対応することが難しい。
【0008】
さらに、研削量及び研削角度を設定するプログラミング等に時間をかけて万全を期したつもりでも、被加工対象物自体や被加工対象物のセット位置の僅かな寸法バラツキあるいは回転砥石の磨耗の進行等により、被加工対象物と回転砥石の接触具合が変動することがある。したがって、研削量及び角度が当初設定した値に対して不十分あるいは過剰になって、バリの除去残りや研削痕の不揃いが発生することがあり、品質を安定化させることが難しい。
【0009】
なお、回転砥石を保持する回転主軸やロボットアームに荷重センサを設けておき、荷重センサの検知結果に基づいてロボットアームの動きをフィードバック制御することにより、一定の押圧力で回転砥石と被加工対象物を接触させて、寸法バラツキや砥石の磨耗に対応することも考えられるが、装置・制御の複雑化を招き、大幅なコストアップが避けられない。
【0010】
また、図16(a)に示されるように、エッジEの面取り加工が直線的な形状を有する砥石Sで行われる場合には、砥石Sで直線状に削り取られた面取り部Fの両側に新たな角部Enが形成されてしまい、角を完全に無くすことはできない。これに対し、図16(b)に示されるように、回転砥石Sを曲面状に形成して角部をR形状に研削する方法も考えられるが、R状に研削された面取り部Rとそれ以外の部分の境界には、やはり新たな角部Enが形成されてしまい、角を完全になくすことはできなかった。
【0011】
本発明は、斯かる実情に鑑み、研削加工具の動きを制御する工作機械等の制御プログラムの作成作業を簡素化することができ、また、バリ取りや面取りの研削作業時間の短縮化を図ることができ、さらに、被加工対象物等の寸法バラツキや研削工具の磨耗による研削不良のおそれがなく、その他に、エッジから角を完全になくすことができる研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転駆動源に連結固定される支持部と、該支持部に一端が固定される一方で他端が自由端とされて前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させることにより、前記紐状研削材の長手方向の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側に、被加工対象物の研削対象部位を接触させ、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0013】
請求項2の発明は、回転駆動源に連結固定される支持部と、該支持部に一端が固定される一方で他端が自由端とされて前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させることにより、その回転遠心力で前記紐状研削材を回転半径方向に膨らませ、前記紐状研削材の長手方向の中途部を被加工対象物の研削対象部位に接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0014】
請求項3の発明は、複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部を備えてなる研削加工具を回転遠心力で広がるように回転させることにより、前記紐状研削材の長手方向の中途部を被加工対象物の研削対象部位に接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0015】
請求項4の発明は、複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部を備えてなる研削加工具を回転させて、その回転遠心力で前記研削部を傘形状に広げ、前記傘形状の外側に被加工対象物の研削対象部位を接触させることにより、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0016】
請求項5の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入し、その内部で回転させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0017】
請求項6の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入した状態で前記内周部又は周縁部に沿って移動させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0018】
請求項7の発明は、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体の長手方向の外周面に砥粒が定着させられてなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0019】
請求項8の発明は、前記紐状研削材は、砥粒が配合された可撓性樹脂で紐状に成形され、その長手方向の外周面から前記砥粒の一部が露出していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0020】
請求項9の発明は、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体であって、その長手方向の外周面に研削機能を有する稜線が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0021】
請求項10の発明は、回転駆動源と、該回転駆動源に連結固定される支持部と、 該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材で形成される研削部と、を備えてなる研削加工装置であって、前記回転駆動源により回転させられる前記研削部の外側であって前記紐状研削材の長手方向の中途部に、被加工対象物の研削対象部位を接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工装置を提供する。
【0022】
請求項11の発明は、複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部と、前記研削部が回転遠心力で傘形状に広がるように前記研削部を回転させる回転駆動源と、を備えてなる研削加工装置であって、前記傘形状の外側に被加工対象物の研削対象部位を接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工装置を提供する。
【0023】
請求項12の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入し、その内部で回転させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の研削加工装置を提供する。
【0024】
請求項13の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入した状態で前記内周部又は周縁部に沿って移動させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の研削加工方法を提供する。
【0025】
請求項14の発明は、回転駆動源に連結するための支持部と、該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具であって、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体の長手方向の外周面に砥粒が定着させられてなることを特徴とする研削加工具を提供する。
【0026】
請求項15の発明は、回転駆動源に連結するための支持部と、該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具であって、前記紐状研削材は、砥粒が配合された可撓性樹脂で紐状に成形され、その長手方向の外周面から前記砥粒の一部が露出していることを特徴とする研削加工具を提供する。
【0027】
請求項16の発明は、回転駆動源に連結するための支持部と、該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具であって、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体であって、その長手方向の外周面に研削機能を有する稜線が形成されていることを特徴とする研削加工具を提供する。
【0028】
本発明によれば、以下のような作用効果が得られる。研削部が回転させられることにより、可撓性の紐状研削体は、自由端側が回転遠心力で回転半径方向に放射状に広がるように膨らみ、さらに、被加工対象物の研削対象部位に接触させられることにより、研削対象部位の形状に自然に沿うように撓み変形する。
【0029】
可撓性の紐状研削体が、研削対象部位の形状に合わせて変形する結果、硬質砥石を使用する場合と異なり、紐状研削体と研削対象部位の接触具合を厳しく調整しなくても、確実に研削加工が行われるものである。すなわち、研削加工具の移動経路は、研削対象部位のプロフィールを忠実になぞらせるようにする必要がないものである。したがって、研削対象部位のプロフィールが複雑であったとしても、研削加工具の動きや、研削部と研削対象部位の接触状態を決定する制御プログラム等は簡素化することができ、生産の準備期間の短縮を図ることができるものである。
【0030】
また、紐状研削体が放射状に広がる結果、硬質砥石のように研削対象部位に対する接触面積が小さいものと異なり、研削対象部位との接触面積が大きくなり、広い範囲が同時に研削されるため、研削作業時間の短縮化を図ることができるものである。
【0031】
さらに、被加工対象物や被加工対象物のセット位置に寸法バラツキが生じたり、研削加工具に多少の磨耗が生じたりしても、その影響を紐状研削材の撓み作用により吸収することができる。その結果、バリの除去残りや研削痕の不揃いを抑制することができる。
【0032】
その他、本発明の研削加工具でエッジの面取り加工をする場合において、可撓性の紐状研削材が被加工対象物のエッジとそれに連続する一般面に沿うように変形するので、R状に研削された部分とそれ以外の部分が滑らかにつながって、完全に角をなくすことが可能となるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1〜図6は、発明を実施する形態の一例であって、上述した、図12に示される自動車用アルミホイールWの化粧穴H1,H2の裏面側の周縁部B1,B2に発生したバリ及びエッジの除去、面取りを行う研削加工具及び研削加工装置について説明する図である。
【0035】
〔研削加工具〕
図1及び図2における1及び2は、それぞれ本実施形態に係る研削加工具を示したものである。研削加工具1は、被加工対象物となるアルミホイールWに設けられる長穴状の化粧穴H1の周縁部B1を裏面側Iから研削加工するために用いられる。研削加工具2は、アルミホイールWに設けられる小さな三角穴状の化粧穴H2の周縁部B2を裏面側Iから研削加工するために用いられる。
【0036】
研削加工具1は、支持部11と、支持部11に一端が固定される研削部12とで構成される。支持部11は、回転駆動源となる回転移動部31(図5)に連結固定されるシャフト111と、シャフト111に固着されるカシメ金具112とで構成される。シャフト111は、所定長さを有する金属製の丸棒からなり、回転移動部31に連結固定されることによって、その軸心である回転軸線Z1回りを回転させられる。カシメ金具112は、シャフト111と同心軸の金属製の円筒であり、閉鎖端112aと開口端112bを有してなる。閉鎖端112aの中央部には、シャフト111が一体的に同軸で固着される。開口端112bは、研削部12を構成する複数本の紐状研削体121が挿入された状態で縮径されており、紐状研削体121を外れないようにカシメ固定している。
【0037】
研削部12は、支持部11に一端が固定される一方で他端が自由端とされて支持部11の回転軸線Z1に対し略平行に延びる複数本の可撓性の紐状研削体121が、略同じ長さに切り揃えられた状態で、筆先状にまとめられて構成される。紐状研削体121は、図3(a)に示されるように、可撓性材料で形成される紐状体121aの長手方向の外周面に砥粒Saが定着させられたものである。具体的には、砥粒Saが配合された可撓性樹脂を断面略円形の紐状体121aに押出成形し、外周面から砥粒Saの一部を露出させるようにしたものである。紐状研削体121は、その外周面に定着させられた砥粒Saにより、研削対象部位となる化粧穴H1の周縁部B1に生じたバリの除去や、周縁部B1に形成されたエッジの面取り加工を、短時間で確実に行うことができるものである。
【0038】
紐状体121aの材料となる可撓性樹脂としては、耐熱性及び耐磨耗性に優れたナイロンが利用される。砥粒Saとしては、被加工対象物の材質や狙いとする仕上げの程度に応じて、超硬金属、ダイヤモンドその他の研削材料から最適の材料が選択され、またその粒度が決定される。紐状研削体121は、図3(b)の断面図に示されるように内部にも砥粒Saが包含されているため、多少磨耗が進行しても、新たな砥粒Saが内部から表れて所定の研削性能が維持される。
【0039】
なお、研削加工具1の研削部12は、化粧穴H1にスムーズに挿入でき、かつ、後述するように化粧穴H1の内部で高速回転させられたときに、回転遠心力により膨らんだ紐状研削体が長穴状の化粧穴H1の周縁部B1の相対向する2つの長辺のB1L(図4)の両方に接触して、これらを一度に研削加工できるように外径の大きさが設定されている。
【0040】
研削加工具2は、研削加工具1と同様、丸棒のシャフト211と円筒形のカシメ金具212が一体的に同軸で固着されてなる支持部21と、カシメ金具212の開口端211bに一端がカシメ固定され他端が自由端とされて支持部21の回転軸線Z2に対し略平行に延びる紐状研削体221が筆先状にまとめられてなる研削部22とを有してなる。紐状研削体221は、研削加工具1で使用される紐状研削体121と同じものが使用される。ただし、研削部22の外径の大きさは、研削部22が三角形状の化粧穴H2に挿入されたときに、紐状研削体121が研削対象部位となる化粧穴H2の周縁部B2に形成された3つの挟角部B2D(図4)にも十分接触して、周縁部B2が全周にわたって確実に研削加工できる程度の小径に設定されている。
【0041】
〔研削加工装置〕
研削加工装置3は、アルミホイールWを裏面側Iが上向きとなるように支持する不図示の支持台と、アルミホイールWの化粧穴H1の内部に上方から研削部12を挿入し、研削部12を化粧穴H1の内部で回転させながら移動させて周縁部B1と接触させる第1の回転移動部31と、化粧穴H2の内部に上方から研削部22を回転させつつ挿入し、研削部22を化粧穴H2内で回転させながら移動させて周縁部B2と接触させる第2の回転移動部32とを備えてなる(図5,図6参照)。
【0042】
第1及び第2の回転移動部31,32は、それぞれ制御プログラムにより移動経路及び回転数が設定されるようになっている。そして、第1の回転移動部31は、図4及び図5に直線状の二点鎖線Mで示される移動経路に沿って、長穴状の化粧穴H1内を水平方向に移動するように設定され、第2の回転移動部32は、図4及び図6に三角形状の二点鎖線Nで示される移動経路に沿って、三角形状の化粧穴H2内を水平方向に移動するように設定されている。
【0043】
また、第1及び第2の回転移動部31,32は、紐状研削体121,221が、図5及び図6に示される周縁部B1,B2の傾斜に応じた膨らみ具合(接触角度)となって、適切な面取りが行われるように回転数が設定されている。
【0044】
〔本実施形態の作動〕
上術した研削加工具1,2及び研削加工装置3を使用した、アルミホイールWの化粧穴H1及びH2の周縁部B1,B2の研削加工(バリ除去加工及び面取り加工)は、次のように行われる。
【0045】
まず、化粧穴H1の周縁部B1の研削加工であるが、回転移動部31に連結固定される研削加工具1は、化粧穴H1の上方から、回転移動部31により回転させられつつ化粧穴H1の内部に挿入されて、図5に示されるように、研削部12を形成する紐状研削体121が化粧穴H1の周縁部B1と重複する高さの位置M1に移動する。このとき、紐状研削体121は、高速回転による回転遠心力で回転半径方向に放射状に広がるように膨らまされて、紐状研削体121が筆先状にまとめられた研削部12は傘形状に広がった状態となる。
【0046】
したがって、紐状研削体121の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側、すなわち広がった傘形状の外側が周縁部B1と接触することとなる。また、周縁部B1に接触した紐状研削体121は、図5に示されるように、周縁部B1に連続するアルミホイールWの裏面側I及び化粧穴H1の壁面にも接触するように撓み変形する。紐状研削体121は、可撓性材料で形成されており、一端が自由端で動きの制約があまり無いため、回転遠心力の作用で回転半径方向の外側にある周縁部B1の形状に沿うように確実に変形させられるためである。
【0047】
すなわち、外周面に砥粒Saが定着させられている紐状研削体121が、周縁部B1とこれに連続する裏面側I及び化粧穴H1の壁面で構成される曲面上を、ワイパーのように張り付いた状態で移動して研削加工を行い、周縁部B1に発生したバリの除去、周縁部B1に形成されたエッジの面取り、及び面取り部のR状研削が行われることになる。なお、化粧穴H1の壁面は、裏面側Iの方から見ると、周縁部B1の陰に隠れているが、回転遠心力により紐状研削体121が回転半径方向に広がって、確実に研削加工されるものである。また、M1付近において、周縁部B1の形状は、平面視で船の舳先のようになっているが、可撓性の紐状研削体121は、一端が自由端で動きの制約があまり無いため、回転遠心力の作用で周縁部B1に確実に接触させられ、もれなく研削加工が行われる。
【0048】
上記のような研削加工を行いながら、回転移動部31は、制御プログラムで予め設定されたように、二点鎖線M上をM1からM2まで直線的に移動し、その回転数を変化させる。上述したように、研削加工具1の研削部12は、周縁部B1において相対向する2つの長辺のB1Lに接触して、両辺を一度に研削加工できる大きさの外径に設定されているので、研削加工具1をM1からM2に向けて直線的に移動させるだけで良い。化粧穴H1の周縁部B1の研削加工が終了した後、研削加工具1は、回転移動部31により研削加工を終了した化粧穴H1から退出させられ、他の未研削の化粧穴H1に挿入される。
【0049】
すべての化粧穴H1についての研削加工終了後、回転移動部32に連結固定される研削加工具2は、化粧穴H2の内部に挿入されて、図6に示されるように、研削部12を形成する紐状研削体121が化粧穴H2の周縁部B2と重複する高さの位置N1に移動する。紐状研削体221は、紐状研削体121と同様に、回転遠心力で回転半径方向に放射状に傾斜するように膨らまされて、紐状研削体121が筆先状にまとめられた研削部22は傘形状に広がった状態となり、紐状研削体221の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側、すなわち広がった傘形状の外側が周縁部B2と接触することとなる。また、紐状研削体221は、周縁部B2に連続するアルミホイールWの裏面側I及び化粧穴H2の壁面にも接触するように撓み変形し、壁面上をワイパーのように張り付いた状態で移動して研削加工を行い、周縁部B2に発生したバリの除去、周縁部B2に形成されたエッジの面取り、及び面取り部のR状研削を行う。
【0050】
上記のような研削加工を行いつつ、回転移動部32は、制御プログラムで予め設定されたように、閉鎖した三角形状の二点鎖線N上をN1からN2、N3を経由して、N1に戻るまで直線的に移動するとともに、その回転数を変化させる。化粧穴H1の周縁部B1の研削加工が終了した後、研削加工具2は、回転移動部32により研削加工を終了した化粧穴H2から退出させられ、他の未研削の化粧穴H2に挿入される。
【0051】
〔本実施形態の特徴点〕
本実施形態は、上記のように構成され作動するため、次のような特徴点を有している。
【0052】
第1に、周縁部B1,B2は、複数のR曲線が三次元的に組み合わされた複雑な異形であるが、紐状研削材121,221が周縁部B1,B2の形状に自然に沿うように撓み変形するため、研削加工具1の移動経路は周縁部B1,B2のプロフィールを忠実にトレースする複雑形状である必要は無く、上述のような単純な直線の組合せであっても対応可能である。その結果、研削加工具1及び2の動きを制御するプログラムは簡素化することができ、その作成に長時間を費やさずに済むものである。
【0053】
第2に、周縁部B1,B2は、傾斜角度が大きく変動するが、研削加工具1及び2の回転数を適宜変化させることにより、紐状研削体121,221が、周縁部B1,B2の傾斜に応じた膨らみ具合(接触角度)となって、適切な面取りが行われる。その結果、研削加工具1,2の向きを変える必要が無く、この点においても、研削加工具1及び2の動きを制御するプログラムを簡素化することができるものである。また、硬質砥石で研削加工する場合と異なり、第1及び第2の回転移動部31,32を周縁部B1,B2に合わせて傾斜させる必要がなく、装置構成も簡素化することができる。
【0054】
第3に、アルミホイールWやそのセット位置に寸法バラツキが生じたり、研削加工具1に多少の磨耗が生じたりしても、その影響は紐状研削材121,221の変形作用により吸収されるので、バリの除去残りや研削痕の不揃いといった不都合を抑制することができる。
【0055】
第4に、紐状研削体121,221は、回転遠心力により、周縁部B1,B2に形成される面取り部及びそれに連続する一般面に沿うように撓み変形する。その結果、R状に研削される面取り部とそれ以外の部分が滑らかにつながって、周縁部B1,B2から完全に角をなくすことができる。
【0056】
第5に、紐状研削体121,221は、回転半径方向に放射状に広がるように膨らむため、硬質砥石と比べて、周縁部B1,B2の広い範囲に同時接触して、研削作業時間の短縮化を図ることができる。
【0057】
〔上記実施形態の変形例〕
上記実施形態では、被加工対象物としてアルミホイールW、研削対象部位として、化粧穴H1,H2の裏面側Iの周縁部B1を例に説明したが、他の製品や他の部位の研削加工を行わせるようにしても良い。本発明は、ホイール以外の金属製品、樹脂製品、その他の材料で構成される製品、半製品の研削加工に適用することもでき、また、バリ取り、エッジの面取りに限らず、例えば、三次曲面上に生じた凹凸や引っかき傷を解消したり、目立たなくしたりするために適用しても良い。
【0058】
上記実施形態では、研削加工中に、研削加工具1,2の回転数を変化させることにより、紐状研削体121,221を周縁部B1,B2の傾斜に応じた膨らみ具合(接触角度)に調整して、適切な面取りが行われるようにしていたが、この回転数の変化に代えて、あるいは回転数の変化に加えて、研削加工具を垂直方向(軸方方向)に移動させ、紐状研削体の長手方向の接触位置を変化させることにより、接触角度を調整するようにしても良い。さらに、研削加工具1,2を傾斜させるようにしても良い。
【0059】
上記実施形態では、研削加工具の紐状研削体の自由端側が切りっ放しとなっていたが、図7に示されるように、ループ状にしても良い。これにより、回転遠心力による紐状研削体の広がり具合、特に傾斜角度が上記実施形態とは異ならせることができる。
【0060】
上記実施形態では、紐状研削体は、可撓性樹脂で形成される紐状体の外周面に砥粒を定着させたものを使用したが、図8(a)に示されるように、長手方向に延びる稜線を有する紐状体を使用し、その稜線部により研削を行わせるようにしてもよい。これにより、紐状研削体の製作時に、砥粒を定着させたりするための工程を経ることなく、高い研削性を発揮することができるものである。紐状体の材質としては、金属、硬質材料その他の材料であって可撓性を備えたものが採用される。紐状体の断面形状は、図8(a)に示される四角形に限らず、三角形、五角形、星形等の形状であっても良い。また、稜線部を有しない円形状あるいは楕円状の断面を有する紐状体で、外周面に砥粒を定着させていないものを、紐状研削体として使用しても良い。稜線や砥粒を有しない場合であっても、回転数を高めること等により研削性を確保し得るためである。すなわち、本発明における紐状研削体は、外周面を接触させながら高速摺動させることにより、研削対象部位に沿うように変形し、研削対象部位を研削できるものであれば、上記実施形態や上記変形例のものに限られない。
【0061】
上記実施形態では、紐状研削体は直毛状のものを使用したが、図8(b)に示されるように捩ったものを使用してもよいし、図8(c)に示されるように複数本の紐状体を拠り合わせたものを使用しても良い。これにより、紐状研削体の剛性、重量が変化し、回転遠心力による研削対象部位への接触具合を調整することができる。また、紐状研削体は、研削対象部位の形状に合わせて、ある程度湾曲させる癖付け加工をしておいても良い。
【0062】
上記実施形態では、紐状研削体121,221は回転軸Z1,Z2に対して略平行であるが、自由端側が回転半径方向の外側に向くようにやや傾斜しているため、研削部1,2は末広がり形状となっていたが、逆に、紐状研削体121,221の自由端側を内側に向くようにやや傾斜させて、先が窄んだような形状としても良い。また、紐状研削体121,221が複数本ある場合において、すべての紐状研削体が同じように傾斜している必要はなく、傾斜角に変化がつけられているものであっても良い。
【0063】
上記実施形態において、研削部12,22は、複数本の紐状研削体から形成されていたが、紐状研削体は1本であっても良く、回転軸線からオフセットされた位置で固定されることにより、回転遠心力で回転半径方向に膨らまされるように構成されていれば良い。また、研削部12,22は筆先状にまとめられていたが、研削部の内部(中心部)に紐状研削体を設けないスカート状に形成しても良い。
【0064】
上記実施形態では、複数本の紐状研削体が束ねられてなる研削部は、その軸心回りに回転させられるものであったが、図9に示される研削加工具4のように、回転軸線Z4と、研削部42の軸心はオフセットさせられているものを採用しても良い。研削加工具4を採用すれば、例えば、図10及び図11に示されるように、大径に形成される穴H4の周縁部を短時間で面取り加工することができる。また、研削加工具4は、シャフト411から回転半径方向に延びる回転部材412に対して、研削部42を支持する支持体413の位置(寸法r)を調整自在としておくことで、様々な径の穴に対応することが可能となるものである。もちろん、研削部42は、穴の形状に合わせて撓むことができるので、様々な断面形状の穴に対応することができるものである。例えば、図10のような多角形、円形あるいは楕円形、その他のいびつな形にも対応することができる。
【0065】
上記実施形態では、紐状研削体が磨耗した場合には、紐状体内部の砥粒Saを外周面に露出させることにより対応させることとしていたが、研削対象部位となる周縁部B1,B2との接触幅が、紐状研削体の長手方向に対して小さい場合には、紐状研削体の磨耗の進行(研削加工した被加工対象物の個数)に応じて、紐状研削体に対する周縁部B1,B2の接触位置を変えていくことにより対応しても良い。
【0066】
その他、本発明の研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜16に記載の研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具によれば、可撓性の紐状研削材は回転させられることにより、その回転遠心力で回転半径方向に放射状に膨らみ、さらに被加工対象物に接触させられることにより被加工対象物の形状に沿うように撓み変形する。可撓性の紐状研削材が研削対象部位の形状に合わせて変形する結果、紐状研削材と研削対象部位の接触具合や接触の向きを厳しく調整する必要がない。
【0068】
その結果、加工対象部位が異形で複雑であったとしても、研削加工具と被加工対象物の接触を制御するプログラムを簡素化することができ、迅速に生産準備を終えることができ、低コスト性によって多品種少量生産にも適する。また、被加工対象物そのものや被加工対象物のセット位置に寸法バラツキ等が生じても、可撓性の紐状研削材の変形作用により吸収することができるので、バリの除去残りや研削痕の不揃いを抑制することができる。さらに、エッジの面取り加工をする場合でも、可撓性の紐状研削材が被加工対象物のエッジとそれに連続する一般面に沿うように変形するので、R状に研削された部分とそれ以外の部分が滑らかにつながって、完全に角をなくすことが可能となるという優れた効果を奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る研削加工具を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係る他の研削加工具を示す図。
【図3】紐状研削体の拡大図であって、(a)は側面図、(b)は断面図。
【図4】研削加工具の移動経路を示す平面図。
【図5】図1の研削加工具による研削加工の様子を示す側面図であって、図4のJ−J断面に相当する図。
【図6】図2の研削加工具による研削加工の様子を示す側面図であって、図4のK−K断面に相当する図。
【図7】研削加工具の変形例を示す図。
【図8】紐状研削体の変形例を示す図。
【図9】研削加工具の他の変形例を示す図。
【図10】図9の研削加工具による研削加工の様子を示す側面断面図であって、図11のQ−Q断面を示す図。
【図11】図9の研削加工具による研削加工の様子を示す平面図。
【図12】被加工対象物となるアルミホイールを示す図であって、(a)は裏面側から見た図、(b)は(a)のL−L断面図。
【図13】研削対象部位となるアルミホイールの化粧穴の拡大断面図であって、(a)は研削加工前、(b)は研削加工後を示す図。
【図14】従来技術における砥石の移動経路を示す平面図。
【図15】従来技術における砥石による研削加工の様子を示す側面図であって、図14のP−P断面に相当する図。
【図16】従来技術における砥石による面取り加工の様子を示す図で、(a)は直線状に角を落とす場合、(b)は面取り部をR状にする場合を示す図。
【符号の説明】
1,2,4 研削加工具
3 研削加工装置
11,21 支持部
12,22,42 研削部
31,32 回転移動部(回転駆動源)
121,221 紐状研削材
B1,B2 周縁部(研削対象部位)
H1,H2 化粧穴
Sa 砥粒
W アルミホイール(被加工対象物)
Z1,Z2,Z4 回転軸線
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具に関し、特に、被加工対象物の穴等の周縁部に残存するバリを除去したり、あるいは被加工対象物に形成されたエッジを面取り加工したりすることが容易にできる研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図12に示されるように、自動車用アルミホイールWには、表面側Oから裏面側Iに貫通する大、小の化粧穴H1,H2が多数設けられている。各化粧穴H1,H2はダイキャスト鋳造により形成されるものであるが、アルミホイールWの裏面側Iの一般面が旋削加工されることにより、図13(a)に示されるように、化粧穴H1の周縁部B1にエッジE1が形成され、エッジE1の先端にはさらに切削バリT1が発生する。これらの切削バリT1やエッジE1は、アルミホイールWに施される塗装の定着性を悪化させる原因となるため、切削バリT1を除去するとともに、エッジE1を面取り加工して、図13(b)に示されるように、角の無い周縁部R1を形成することが好ましい。
【0003】
従来、上記のような被加工対象物に発生したバリを除去したり、被加工対象物に形成されたエッジを面取り加工したりする手段としては、高速回転させた円盤形状又は円筒形状の硬質砥石を研削対象部位となるバリやエッジをなぞるように接触させて研削加工する方法が一般に採用されている。また、回転する砥石を研削対象部位に接触させる手段としては、作業者による手作業や、プログラム制御される工作機械やロボットによる自動処理が一般的に行われている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−243909号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した手段を用いてバリ取りや面取り加工をする場合には、以下のような問題点がある。まず、作業者による手作業で、特に作業者の熟練度が十分でない場合、研削作業に長時間を要するとともにバリ取り及びエッジの面取りが不十分である等、品質基準に達しない製品が増加し、生産効率を悪化させるおそれがある。また、図12に示されるアルミホイールWのように、研削対象部位が多数に及ぶ場合には、作業者の熟練度に関わらず作業時間が長くなり、人件費の増大によるコストアップが避けられない。
【0006】
プログラム制御される工作機械を使用する場合、作業者の熟練度による影響等が無く、研削作業時間の安定化を図ることは容易である。しかしながら、多数ある研削対象部位のすべての周縁部に沿って回転砥石をなぞらせるためには、かなり長い時間を要する。特に、研削対象部位となる化粧穴がH1のように細長い場合には、図14において二点鎖線Aで示されるように周縁部をなぞる回転砥石Sの移動距離が長くなり、一層長い時間を要する。なお、複数の研削対象部位を同時に研削加工できれば、大幅に時間短縮できるが、後述のように回転砥石Sは複雑な動きをさせなければならないため、複数箇所を同時に研削させるようにすると、装置の構成及び制御が非常に複雑になりすぎるという問題があった。
【0007】
また、所定の加工精度を確保するためには被加工対象物と回転砥石Sの接触具合(研削量及び角度)を正確に設定する必要があるところ、研削対象部位の形状が円形等の単純形状であれば短時間で容易に対応準備することが可能である。しかし、上述のアルミホイールに形成される化粧穴H1,H2のように、多数のR曲線が組み合わされて構成される複雑形状の場合には、図14及び図15において、二点鎖線Bで示されるように、回転砥石Sの動き(移動経路や向き)もそれに合わせて複雑なものとしなければならない。したがって、回転砥石の動きを制御する工作機械の制御プログラムの作成等は困難を伴い、短期間で生産準備に対応することが難しい。
【0008】
さらに、研削量及び研削角度を設定するプログラミング等に時間をかけて万全を期したつもりでも、被加工対象物自体や被加工対象物のセット位置の僅かな寸法バラツキあるいは回転砥石の磨耗の進行等により、被加工対象物と回転砥石の接触具合が変動することがある。したがって、研削量及び角度が当初設定した値に対して不十分あるいは過剰になって、バリの除去残りや研削痕の不揃いが発生することがあり、品質を安定化させることが難しい。
【0009】
なお、回転砥石を保持する回転主軸やロボットアームに荷重センサを設けておき、荷重センサの検知結果に基づいてロボットアームの動きをフィードバック制御することにより、一定の押圧力で回転砥石と被加工対象物を接触させて、寸法バラツキや砥石の磨耗に対応することも考えられるが、装置・制御の複雑化を招き、大幅なコストアップが避けられない。
【0010】
また、図16(a)に示されるように、エッジEの面取り加工が直線的な形状を有する砥石Sで行われる場合には、砥石Sで直線状に削り取られた面取り部Fの両側に新たな角部Enが形成されてしまい、角を完全に無くすことはできない。これに対し、図16(b)に示されるように、回転砥石Sを曲面状に形成して角部をR形状に研削する方法も考えられるが、R状に研削された面取り部Rとそれ以外の部分の境界には、やはり新たな角部Enが形成されてしまい、角を完全になくすことはできなかった。
【0011】
本発明は、斯かる実情に鑑み、研削加工具の動きを制御する工作機械等の制御プログラムの作成作業を簡素化することができ、また、バリ取りや面取りの研削作業時間の短縮化を図ることができ、さらに、被加工対象物等の寸法バラツキや研削工具の磨耗による研削不良のおそれがなく、その他に、エッジから角を完全になくすことができる研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転駆動源に連結固定される支持部と、該支持部に一端が固定される一方で他端が自由端とされて前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させることにより、前記紐状研削材の長手方向の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側に、被加工対象物の研削対象部位を接触させ、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0013】
請求項2の発明は、回転駆動源に連結固定される支持部と、該支持部に一端が固定される一方で他端が自由端とされて前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させることにより、その回転遠心力で前記紐状研削材を回転半径方向に膨らませ、前記紐状研削材の長手方向の中途部を被加工対象物の研削対象部位に接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0014】
請求項3の発明は、複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部を備えてなる研削加工具を回転遠心力で広がるように回転させることにより、前記紐状研削材の長手方向の中途部を被加工対象物の研削対象部位に接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0015】
請求項4の発明は、複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部を備えてなる研削加工具を回転させて、その回転遠心力で前記研削部を傘形状に広げ、前記傘形状の外側に被加工対象物の研削対象部位を接触させることにより、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法を提供する。
【0016】
請求項5の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入し、その内部で回転させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0017】
請求項6の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入した状態で前記内周部又は周縁部に沿って移動させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0018】
請求項7の発明は、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体の長手方向の外周面に砥粒が定着させられてなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0019】
請求項8の発明は、前記紐状研削材は、砥粒が配合された可撓性樹脂で紐状に成形され、その長手方向の外周面から前記砥粒の一部が露出していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0020】
請求項9の発明は、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体であって、その長手方向の外周面に研削機能を有する稜線が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法を提供する。
【0021】
請求項10の発明は、回転駆動源と、該回転駆動源に連結固定される支持部と、 該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材で形成される研削部と、を備えてなる研削加工装置であって、前記回転駆動源により回転させられる前記研削部の外側であって前記紐状研削材の長手方向の中途部に、被加工対象物の研削対象部位を接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工装置を提供する。
【0022】
請求項11の発明は、複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部と、前記研削部が回転遠心力で傘形状に広がるように前記研削部を回転させる回転駆動源と、を備えてなる研削加工装置であって、前記傘形状の外側に被加工対象物の研削対象部位を接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工装置を提供する。
【0023】
請求項12の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入し、その内部で回転させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の研削加工装置を提供する。
【0024】
請求項13の発明は、前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入した状態で前記内周部又は周縁部に沿って移動させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の研削加工方法を提供する。
【0025】
請求項14の発明は、回転駆動源に連結するための支持部と、該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具であって、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体の長手方向の外周面に砥粒が定着させられてなることを特徴とする研削加工具を提供する。
【0026】
請求項15の発明は、回転駆動源に連結するための支持部と、該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具であって、前記紐状研削材は、砥粒が配合された可撓性樹脂で紐状に成形され、その長手方向の外周面から前記砥粒の一部が露出していることを特徴とする研削加工具を提供する。
【0027】
請求項16の発明は、回転駆動源に連結するための支持部と、該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、を有してなる研削加工具であって、前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体であって、その長手方向の外周面に研削機能を有する稜線が形成されていることを特徴とする研削加工具を提供する。
【0028】
本発明によれば、以下のような作用効果が得られる。研削部が回転させられることにより、可撓性の紐状研削体は、自由端側が回転遠心力で回転半径方向に放射状に広がるように膨らみ、さらに、被加工対象物の研削対象部位に接触させられることにより、研削対象部位の形状に自然に沿うように撓み変形する。
【0029】
可撓性の紐状研削体が、研削対象部位の形状に合わせて変形する結果、硬質砥石を使用する場合と異なり、紐状研削体と研削対象部位の接触具合を厳しく調整しなくても、確実に研削加工が行われるものである。すなわち、研削加工具の移動経路は、研削対象部位のプロフィールを忠実になぞらせるようにする必要がないものである。したがって、研削対象部位のプロフィールが複雑であったとしても、研削加工具の動きや、研削部と研削対象部位の接触状態を決定する制御プログラム等は簡素化することができ、生産の準備期間の短縮を図ることができるものである。
【0030】
また、紐状研削体が放射状に広がる結果、硬質砥石のように研削対象部位に対する接触面積が小さいものと異なり、研削対象部位との接触面積が大きくなり、広い範囲が同時に研削されるため、研削作業時間の短縮化を図ることができるものである。
【0031】
さらに、被加工対象物や被加工対象物のセット位置に寸法バラツキが生じたり、研削加工具に多少の磨耗が生じたりしても、その影響を紐状研削材の撓み作用により吸収することができる。その結果、バリの除去残りや研削痕の不揃いを抑制することができる。
【0032】
その他、本発明の研削加工具でエッジの面取り加工をする場合において、可撓性の紐状研削材が被加工対象物のエッジとそれに連続する一般面に沿うように変形するので、R状に研削された部分とそれ以外の部分が滑らかにつながって、完全に角をなくすことが可能となるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1〜図6は、発明を実施する形態の一例であって、上述した、図12に示される自動車用アルミホイールWの化粧穴H1,H2の裏面側の周縁部B1,B2に発生したバリ及びエッジの除去、面取りを行う研削加工具及び研削加工装置について説明する図である。
【0035】
〔研削加工具〕
図1及び図2における1及び2は、それぞれ本実施形態に係る研削加工具を示したものである。研削加工具1は、被加工対象物となるアルミホイールWに設けられる長穴状の化粧穴H1の周縁部B1を裏面側Iから研削加工するために用いられる。研削加工具2は、アルミホイールWに設けられる小さな三角穴状の化粧穴H2の周縁部B2を裏面側Iから研削加工するために用いられる。
【0036】
研削加工具1は、支持部11と、支持部11に一端が固定される研削部12とで構成される。支持部11は、回転駆動源となる回転移動部31(図5)に連結固定されるシャフト111と、シャフト111に固着されるカシメ金具112とで構成される。シャフト111は、所定長さを有する金属製の丸棒からなり、回転移動部31に連結固定されることによって、その軸心である回転軸線Z1回りを回転させられる。カシメ金具112は、シャフト111と同心軸の金属製の円筒であり、閉鎖端112aと開口端112bを有してなる。閉鎖端112aの中央部には、シャフト111が一体的に同軸で固着される。開口端112bは、研削部12を構成する複数本の紐状研削体121が挿入された状態で縮径されており、紐状研削体121を外れないようにカシメ固定している。
【0037】
研削部12は、支持部11に一端が固定される一方で他端が自由端とされて支持部11の回転軸線Z1に対し略平行に延びる複数本の可撓性の紐状研削体121が、略同じ長さに切り揃えられた状態で、筆先状にまとめられて構成される。紐状研削体121は、図3(a)に示されるように、可撓性材料で形成される紐状体121aの長手方向の外周面に砥粒Saが定着させられたものである。具体的には、砥粒Saが配合された可撓性樹脂を断面略円形の紐状体121aに押出成形し、外周面から砥粒Saの一部を露出させるようにしたものである。紐状研削体121は、その外周面に定着させられた砥粒Saにより、研削対象部位となる化粧穴H1の周縁部B1に生じたバリの除去や、周縁部B1に形成されたエッジの面取り加工を、短時間で確実に行うことができるものである。
【0038】
紐状体121aの材料となる可撓性樹脂としては、耐熱性及び耐磨耗性に優れたナイロンが利用される。砥粒Saとしては、被加工対象物の材質や狙いとする仕上げの程度に応じて、超硬金属、ダイヤモンドその他の研削材料から最適の材料が選択され、またその粒度が決定される。紐状研削体121は、図3(b)の断面図に示されるように内部にも砥粒Saが包含されているため、多少磨耗が進行しても、新たな砥粒Saが内部から表れて所定の研削性能が維持される。
【0039】
なお、研削加工具1の研削部12は、化粧穴H1にスムーズに挿入でき、かつ、後述するように化粧穴H1の内部で高速回転させられたときに、回転遠心力により膨らんだ紐状研削体が長穴状の化粧穴H1の周縁部B1の相対向する2つの長辺のB1L(図4)の両方に接触して、これらを一度に研削加工できるように外径の大きさが設定されている。
【0040】
研削加工具2は、研削加工具1と同様、丸棒のシャフト211と円筒形のカシメ金具212が一体的に同軸で固着されてなる支持部21と、カシメ金具212の開口端211bに一端がカシメ固定され他端が自由端とされて支持部21の回転軸線Z2に対し略平行に延びる紐状研削体221が筆先状にまとめられてなる研削部22とを有してなる。紐状研削体221は、研削加工具1で使用される紐状研削体121と同じものが使用される。ただし、研削部22の外径の大きさは、研削部22が三角形状の化粧穴H2に挿入されたときに、紐状研削体121が研削対象部位となる化粧穴H2の周縁部B2に形成された3つの挟角部B2D(図4)にも十分接触して、周縁部B2が全周にわたって確実に研削加工できる程度の小径に設定されている。
【0041】
〔研削加工装置〕
研削加工装置3は、アルミホイールWを裏面側Iが上向きとなるように支持する不図示の支持台と、アルミホイールWの化粧穴H1の内部に上方から研削部12を挿入し、研削部12を化粧穴H1の内部で回転させながら移動させて周縁部B1と接触させる第1の回転移動部31と、化粧穴H2の内部に上方から研削部22を回転させつつ挿入し、研削部22を化粧穴H2内で回転させながら移動させて周縁部B2と接触させる第2の回転移動部32とを備えてなる(図5,図6参照)。
【0042】
第1及び第2の回転移動部31,32は、それぞれ制御プログラムにより移動経路及び回転数が設定されるようになっている。そして、第1の回転移動部31は、図4及び図5に直線状の二点鎖線Mで示される移動経路に沿って、長穴状の化粧穴H1内を水平方向に移動するように設定され、第2の回転移動部32は、図4及び図6に三角形状の二点鎖線Nで示される移動経路に沿って、三角形状の化粧穴H2内を水平方向に移動するように設定されている。
【0043】
また、第1及び第2の回転移動部31,32は、紐状研削体121,221が、図5及び図6に示される周縁部B1,B2の傾斜に応じた膨らみ具合(接触角度)となって、適切な面取りが行われるように回転数が設定されている。
【0044】
〔本実施形態の作動〕
上術した研削加工具1,2及び研削加工装置3を使用した、アルミホイールWの化粧穴H1及びH2の周縁部B1,B2の研削加工(バリ除去加工及び面取り加工)は、次のように行われる。
【0045】
まず、化粧穴H1の周縁部B1の研削加工であるが、回転移動部31に連結固定される研削加工具1は、化粧穴H1の上方から、回転移動部31により回転させられつつ化粧穴H1の内部に挿入されて、図5に示されるように、研削部12を形成する紐状研削体121が化粧穴H1の周縁部B1と重複する高さの位置M1に移動する。このとき、紐状研削体121は、高速回転による回転遠心力で回転半径方向に放射状に広がるように膨らまされて、紐状研削体121が筆先状にまとめられた研削部12は傘形状に広がった状態となる。
【0046】
したがって、紐状研削体121の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側、すなわち広がった傘形状の外側が周縁部B1と接触することとなる。また、周縁部B1に接触した紐状研削体121は、図5に示されるように、周縁部B1に連続するアルミホイールWの裏面側I及び化粧穴H1の壁面にも接触するように撓み変形する。紐状研削体121は、可撓性材料で形成されており、一端が自由端で動きの制約があまり無いため、回転遠心力の作用で回転半径方向の外側にある周縁部B1の形状に沿うように確実に変形させられるためである。
【0047】
すなわち、外周面に砥粒Saが定着させられている紐状研削体121が、周縁部B1とこれに連続する裏面側I及び化粧穴H1の壁面で構成される曲面上を、ワイパーのように張り付いた状態で移動して研削加工を行い、周縁部B1に発生したバリの除去、周縁部B1に形成されたエッジの面取り、及び面取り部のR状研削が行われることになる。なお、化粧穴H1の壁面は、裏面側Iの方から見ると、周縁部B1の陰に隠れているが、回転遠心力により紐状研削体121が回転半径方向に広がって、確実に研削加工されるものである。また、M1付近において、周縁部B1の形状は、平面視で船の舳先のようになっているが、可撓性の紐状研削体121は、一端が自由端で動きの制約があまり無いため、回転遠心力の作用で周縁部B1に確実に接触させられ、もれなく研削加工が行われる。
【0048】
上記のような研削加工を行いながら、回転移動部31は、制御プログラムで予め設定されたように、二点鎖線M上をM1からM2まで直線的に移動し、その回転数を変化させる。上述したように、研削加工具1の研削部12は、周縁部B1において相対向する2つの長辺のB1Lに接触して、両辺を一度に研削加工できる大きさの外径に設定されているので、研削加工具1をM1からM2に向けて直線的に移動させるだけで良い。化粧穴H1の周縁部B1の研削加工が終了した後、研削加工具1は、回転移動部31により研削加工を終了した化粧穴H1から退出させられ、他の未研削の化粧穴H1に挿入される。
【0049】
すべての化粧穴H1についての研削加工終了後、回転移動部32に連結固定される研削加工具2は、化粧穴H2の内部に挿入されて、図6に示されるように、研削部12を形成する紐状研削体121が化粧穴H2の周縁部B2と重複する高さの位置N1に移動する。紐状研削体221は、紐状研削体121と同様に、回転遠心力で回転半径方向に放射状に傾斜するように膨らまされて、紐状研削体121が筆先状にまとめられた研削部22は傘形状に広がった状態となり、紐状研削体221の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側、すなわち広がった傘形状の外側が周縁部B2と接触することとなる。また、紐状研削体221は、周縁部B2に連続するアルミホイールWの裏面側I及び化粧穴H2の壁面にも接触するように撓み変形し、壁面上をワイパーのように張り付いた状態で移動して研削加工を行い、周縁部B2に発生したバリの除去、周縁部B2に形成されたエッジの面取り、及び面取り部のR状研削を行う。
【0050】
上記のような研削加工を行いつつ、回転移動部32は、制御プログラムで予め設定されたように、閉鎖した三角形状の二点鎖線N上をN1からN2、N3を経由して、N1に戻るまで直線的に移動するとともに、その回転数を変化させる。化粧穴H1の周縁部B1の研削加工が終了した後、研削加工具2は、回転移動部32により研削加工を終了した化粧穴H2から退出させられ、他の未研削の化粧穴H2に挿入される。
【0051】
〔本実施形態の特徴点〕
本実施形態は、上記のように構成され作動するため、次のような特徴点を有している。
【0052】
第1に、周縁部B1,B2は、複数のR曲線が三次元的に組み合わされた複雑な異形であるが、紐状研削材121,221が周縁部B1,B2の形状に自然に沿うように撓み変形するため、研削加工具1の移動経路は周縁部B1,B2のプロフィールを忠実にトレースする複雑形状である必要は無く、上述のような単純な直線の組合せであっても対応可能である。その結果、研削加工具1及び2の動きを制御するプログラムは簡素化することができ、その作成に長時間を費やさずに済むものである。
【0053】
第2に、周縁部B1,B2は、傾斜角度が大きく変動するが、研削加工具1及び2の回転数を適宜変化させることにより、紐状研削体121,221が、周縁部B1,B2の傾斜に応じた膨らみ具合(接触角度)となって、適切な面取りが行われる。その結果、研削加工具1,2の向きを変える必要が無く、この点においても、研削加工具1及び2の動きを制御するプログラムを簡素化することができるものである。また、硬質砥石で研削加工する場合と異なり、第1及び第2の回転移動部31,32を周縁部B1,B2に合わせて傾斜させる必要がなく、装置構成も簡素化することができる。
【0054】
第3に、アルミホイールWやそのセット位置に寸法バラツキが生じたり、研削加工具1に多少の磨耗が生じたりしても、その影響は紐状研削材121,221の変形作用により吸収されるので、バリの除去残りや研削痕の不揃いといった不都合を抑制することができる。
【0055】
第4に、紐状研削体121,221は、回転遠心力により、周縁部B1,B2に形成される面取り部及びそれに連続する一般面に沿うように撓み変形する。その結果、R状に研削される面取り部とそれ以外の部分が滑らかにつながって、周縁部B1,B2から完全に角をなくすことができる。
【0056】
第5に、紐状研削体121,221は、回転半径方向に放射状に広がるように膨らむため、硬質砥石と比べて、周縁部B1,B2の広い範囲に同時接触して、研削作業時間の短縮化を図ることができる。
【0057】
〔上記実施形態の変形例〕
上記実施形態では、被加工対象物としてアルミホイールW、研削対象部位として、化粧穴H1,H2の裏面側Iの周縁部B1を例に説明したが、他の製品や他の部位の研削加工を行わせるようにしても良い。本発明は、ホイール以外の金属製品、樹脂製品、その他の材料で構成される製品、半製品の研削加工に適用することもでき、また、バリ取り、エッジの面取りに限らず、例えば、三次曲面上に生じた凹凸や引っかき傷を解消したり、目立たなくしたりするために適用しても良い。
【0058】
上記実施形態では、研削加工中に、研削加工具1,2の回転数を変化させることにより、紐状研削体121,221を周縁部B1,B2の傾斜に応じた膨らみ具合(接触角度)に調整して、適切な面取りが行われるようにしていたが、この回転数の変化に代えて、あるいは回転数の変化に加えて、研削加工具を垂直方向(軸方方向)に移動させ、紐状研削体の長手方向の接触位置を変化させることにより、接触角度を調整するようにしても良い。さらに、研削加工具1,2を傾斜させるようにしても良い。
【0059】
上記実施形態では、研削加工具の紐状研削体の自由端側が切りっ放しとなっていたが、図7に示されるように、ループ状にしても良い。これにより、回転遠心力による紐状研削体の広がり具合、特に傾斜角度が上記実施形態とは異ならせることができる。
【0060】
上記実施形態では、紐状研削体は、可撓性樹脂で形成される紐状体の外周面に砥粒を定着させたものを使用したが、図8(a)に示されるように、長手方向に延びる稜線を有する紐状体を使用し、その稜線部により研削を行わせるようにしてもよい。これにより、紐状研削体の製作時に、砥粒を定着させたりするための工程を経ることなく、高い研削性を発揮することができるものである。紐状体の材質としては、金属、硬質材料その他の材料であって可撓性を備えたものが採用される。紐状体の断面形状は、図8(a)に示される四角形に限らず、三角形、五角形、星形等の形状であっても良い。また、稜線部を有しない円形状あるいは楕円状の断面を有する紐状体で、外周面に砥粒を定着させていないものを、紐状研削体として使用しても良い。稜線や砥粒を有しない場合であっても、回転数を高めること等により研削性を確保し得るためである。すなわち、本発明における紐状研削体は、外周面を接触させながら高速摺動させることにより、研削対象部位に沿うように変形し、研削対象部位を研削できるものであれば、上記実施形態や上記変形例のものに限られない。
【0061】
上記実施形態では、紐状研削体は直毛状のものを使用したが、図8(b)に示されるように捩ったものを使用してもよいし、図8(c)に示されるように複数本の紐状体を拠り合わせたものを使用しても良い。これにより、紐状研削体の剛性、重量が変化し、回転遠心力による研削対象部位への接触具合を調整することができる。また、紐状研削体は、研削対象部位の形状に合わせて、ある程度湾曲させる癖付け加工をしておいても良い。
【0062】
上記実施形態では、紐状研削体121,221は回転軸Z1,Z2に対して略平行であるが、自由端側が回転半径方向の外側に向くようにやや傾斜しているため、研削部1,2は末広がり形状となっていたが、逆に、紐状研削体121,221の自由端側を内側に向くようにやや傾斜させて、先が窄んだような形状としても良い。また、紐状研削体121,221が複数本ある場合において、すべての紐状研削体が同じように傾斜している必要はなく、傾斜角に変化がつけられているものであっても良い。
【0063】
上記実施形態において、研削部12,22は、複数本の紐状研削体から形成されていたが、紐状研削体は1本であっても良く、回転軸線からオフセットされた位置で固定されることにより、回転遠心力で回転半径方向に膨らまされるように構成されていれば良い。また、研削部12,22は筆先状にまとめられていたが、研削部の内部(中心部)に紐状研削体を設けないスカート状に形成しても良い。
【0064】
上記実施形態では、複数本の紐状研削体が束ねられてなる研削部は、その軸心回りに回転させられるものであったが、図9に示される研削加工具4のように、回転軸線Z4と、研削部42の軸心はオフセットさせられているものを採用しても良い。研削加工具4を採用すれば、例えば、図10及び図11に示されるように、大径に形成される穴H4の周縁部を短時間で面取り加工することができる。また、研削加工具4は、シャフト411から回転半径方向に延びる回転部材412に対して、研削部42を支持する支持体413の位置(寸法r)を調整自在としておくことで、様々な径の穴に対応することが可能となるものである。もちろん、研削部42は、穴の形状に合わせて撓むことができるので、様々な断面形状の穴に対応することができるものである。例えば、図10のような多角形、円形あるいは楕円形、その他のいびつな形にも対応することができる。
【0065】
上記実施形態では、紐状研削体が磨耗した場合には、紐状体内部の砥粒Saを外周面に露出させることにより対応させることとしていたが、研削対象部位となる周縁部B1,B2との接触幅が、紐状研削体の長手方向に対して小さい場合には、紐状研削体の磨耗の進行(研削加工した被加工対象物の個数)に応じて、紐状研削体に対する周縁部B1,B2の接触位置を変えていくことにより対応しても良い。
【0066】
その他、本発明の研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜16に記載の研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具によれば、可撓性の紐状研削材は回転させられることにより、その回転遠心力で回転半径方向に放射状に膨らみ、さらに被加工対象物に接触させられることにより被加工対象物の形状に沿うように撓み変形する。可撓性の紐状研削材が研削対象部位の形状に合わせて変形する結果、紐状研削材と研削対象部位の接触具合や接触の向きを厳しく調整する必要がない。
【0068】
その結果、加工対象部位が異形で複雑であったとしても、研削加工具と被加工対象物の接触を制御するプログラムを簡素化することができ、迅速に生産準備を終えることができ、低コスト性によって多品種少量生産にも適する。また、被加工対象物そのものや被加工対象物のセット位置に寸法バラツキ等が生じても、可撓性の紐状研削材の変形作用により吸収することができるので、バリの除去残りや研削痕の不揃いを抑制することができる。さらに、エッジの面取り加工をする場合でも、可撓性の紐状研削材が被加工対象物のエッジとそれに連続する一般面に沿うように変形するので、R状に研削された部分とそれ以外の部分が滑らかにつながって、完全に角をなくすことが可能となるという優れた効果を奏し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る研削加工具を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係る他の研削加工具を示す図。
【図3】紐状研削体の拡大図であって、(a)は側面図、(b)は断面図。
【図4】研削加工具の移動経路を示す平面図。
【図5】図1の研削加工具による研削加工の様子を示す側面図であって、図4のJ−J断面に相当する図。
【図6】図2の研削加工具による研削加工の様子を示す側面図であって、図4のK−K断面に相当する図。
【図7】研削加工具の変形例を示す図。
【図8】紐状研削体の変形例を示す図。
【図9】研削加工具の他の変形例を示す図。
【図10】図9の研削加工具による研削加工の様子を示す側面断面図であって、図11のQ−Q断面を示す図。
【図11】図9の研削加工具による研削加工の様子を示す平面図。
【図12】被加工対象物となるアルミホイールを示す図であって、(a)は裏面側から見た図、(b)は(a)のL−L断面図。
【図13】研削対象部位となるアルミホイールの化粧穴の拡大断面図であって、(a)は研削加工前、(b)は研削加工後を示す図。
【図14】従来技術における砥石の移動経路を示す平面図。
【図15】従来技術における砥石による研削加工の様子を示す側面図であって、図14のP−P断面に相当する図。
【図16】従来技術における砥石による面取り加工の様子を示す図で、(a)は直線状に角を落とす場合、(b)は面取り部をR状にする場合を示す図。
【符号の説明】
1,2,4 研削加工具
3 研削加工装置
11,21 支持部
12,22,42 研削部
31,32 回転移動部(回転駆動源)
121,221 紐状研削材
B1,B2 周縁部(研削対象部位)
H1,H2 化粧穴
Sa 砥粒
W アルミホイール(被加工対象物)
Z1,Z2,Z4 回転軸線
Claims (16)
- 回転駆動源に連結固定される支持部と、
該支持部に一端が固定される一方で他端が自由端とされて前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、
を有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させることにより、
前記紐状研削材の長手方向の中途部であって回転遠心力による膨らみ方向の外側に、被加工対象物の研削対象部位を接触させ、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法。 - 回転駆動源に連結固定される支持部と、
該支持部に一端が固定される一方で他端が自由端とされて前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、
を有してなる研削加工具を前記回転駆動源により回転させることにより、
その回転遠心力で前記紐状研削材を回転半径方向に膨らませ、前記紐状研削材の長手方向の中途部を被加工対象物の研削対象部位に接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法。 - 複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部を備えてなる研削加工具を回転遠心力で広がるように回転させることにより、
前記紐状研削材の長手方向の中途部を被加工対象物の研削対象部位に接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法。 - 複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部を備えてなる研削加工具を回転させて、その回転遠心力で前記研削部を傘形状に広げ、
前記傘形状の外側に被加工対象物の研削対象部位を接触させることにより、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工方法。 - 前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入し、その内部で回転させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の研削加工方法。
- 前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、前記研削部を前記穴部に挿入した状態で前記内周部又は周縁部に沿って移動させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の研削加工方法。
- 前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体の長手方向の外周面に砥粒が定着させられてなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法。
- 前記紐状研削材は、砥粒が配合された可撓性樹脂で紐状に成形され、その長手方向の外周面から前記砥粒の一部が露出していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法。
- 前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体であって、その長手方向の外周面に研削機能を有する稜線が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の研削加工方法。
- 回転駆動源と、
該回転駆動源に連結固定される支持部と、
該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材で形成される研削部と、
を備えてなる研削加工装置であって、
前記回転駆動源により回転させられる前記研削部の外側であって前記紐状研削材の長手方向の中途部に、被加工対象物の研削対象部位を接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工装置。 - 複数本の可撓性の紐状研削材が筆先状にまとめられた研削部と、
前記研削部が回転遠心力で傘形状に広がるように前記研削部を回転させる回転駆動源と、
を備えてなる研削加工装置であって、
前記傘形状の外側に被加工対象物の研削対象部位を接触させて、前記被加工対象物を研削加工することを特徴とする研削加工装置。 - 前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、
前記研削部を前記穴部に挿入し、その内部で回転させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の研削加工装置。 - 前記研削対象部位は前記被加工対象物に形成された穴部の内周部又は周縁部であって、
前記研削部を前記穴部に挿入した状態で前記内周部又は周縁部に沿って移動させることにより、前記内周部又は前記周縁部に発生したバリの除去あるいはエッジの面取り加工を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の研削加工方法。 - 回転駆動源に連結するための支持部と、
該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、
を有してなる研削加工具であって、
前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体の長手方向の外周面に砥粒が定着させられてなることを特徴とする研削加工具。 - 回転駆動源に連結するための支持部と、
該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、
を有してなる研削加工具であって、
前記紐状研削材は、砥粒が配合された可撓性樹脂で紐状に成形され、その長手方向の外周面から前記砥粒の一部が露出していることを特徴とする研削加工具。 - 回転駆動源に連結するための支持部と、
該支持部に一端が固定される一方、他端が自由端とされて、前記支持部の回転軸線に対し略平行に延びる可撓性の紐状研削材からなる研削部と、
を有してなる研削加工具であって、
前記紐状研削材は、可橈性材料で形成される紐状体であって、その長手方向の外周面に研削機能を有する稜線が形成されていることを特徴とする研削加工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062209A JP2004268198A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062209A JP2004268198A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004268198A true JP2004268198A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33124199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003062209A Pending JP2004268198A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004268198A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007106285A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Topy Ind Ltd | 車両ホイールの製造方法 |
JP2014136284A (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-28 | Keylex Corp | 研磨装置 |
JP2017055785A (ja) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | 正雄 西木 | 研掃ブラシ |
WO2017203657A1 (ja) * | 2016-05-26 | 2017-11-30 | 三菱電機株式会社 | バリ取り工具 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003062209A patent/JP2004268198A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007106285A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Topy Ind Ltd | 車両ホイールの製造方法 |
JP4516509B2 (ja) * | 2005-10-14 | 2010-08-04 | トピー工業株式会社 | 車両ホイールの製造方法 |
JP2014136284A (ja) * | 2013-01-17 | 2014-07-28 | Keylex Corp | 研磨装置 |
JP2017055785A (ja) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | 正雄 西木 | 研掃ブラシ |
WO2017203657A1 (ja) * | 2016-05-26 | 2017-11-30 | 三菱電機株式会社 | バリ取り工具 |
JPWO2017203657A1 (ja) * | 2016-05-26 | 2018-12-13 | 三菱電機株式会社 | バリ取り工具 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5210033B2 (ja) | 研削工具を整形するための方法および研削機械 | |
JP4169739B2 (ja) | 回転対称の機械部品を研削する方法および装置 | |
US5720649A (en) | Optical lens or lap blank surfacing machine, related method and cutting tool for use therewith | |
EP2445661A1 (fr) | Procede de fabrication d'une piece forgee avec polissage adaptatif | |
JP2007245337A (ja) | 研削砥石、研削砥石を有する工作機械、及び切削工具を研削する方法 | |
US20170182613A1 (en) | Grinding machine and method for machining a workpiece | |
JP2004268198A (ja) | 研削加工方法、研削加工装置及び研削加工具 | |
US9186759B2 (en) | Method of fabricating a part by forging and controlled polishing | |
JP6212418B2 (ja) | ブローチ研削盤 | |
CN107695883B (zh) | 整形修整装置以及整形修整方法 | |
JP2006247835A (ja) | 超砥粒加工工具およびその使用方法 | |
US6991519B2 (en) | Angle head grinding method | |
JP6127657B2 (ja) | 回転砥石のツルーイング方法及びそのツルーイング方法を実施するための研削盤 | |
EP3201363A1 (en) | Apparatus and method for sharpening the scraping edges of a scraper roller | |
JP2007260881A (ja) | 砥石車のツルーイング方法 | |
JP2000263439A (ja) | 砥石ドレッシング装置 | |
JP2007260880A (ja) | 砥石車のツルーイング方法及び研削盤 | |
US5178498A (en) | X-Z-Theta cutting method | |
JP2006263834A (ja) | 研削加工方法及び円筒研削盤 | |
JP5842554B2 (ja) | 溝加工方法 | |
JP2003117716A (ja) | 加工装置および加工方法 | |
JP4281679B2 (ja) | リング状部材の製造方法 | |
JP4561951B2 (ja) | ツルーイング方法およびツルーイング装置 | |
JP2820806B2 (ja) | カップ状金型の内周面の加工方法 | |
JPH1199455A (ja) | 車両用ホイールリムの溶接部の仕上げ加工装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060822 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20061017 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070306 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |