JP2006159337A - リング状部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状のブラシ軸11の外周にブラシ12を取り付けた研削ブラシ2による研削を行なう工程を有するリング状部材1の製造方法において、リング状部材1の内周面1a側または外周面1b側と研削ブラシ2とが互いに押し当たる工程と、研削ブラシ2とリング状部材1とを相対回転させるとともに、リング状部材1の中心軸方向にリング状部材1の幅と研削ブラシ2の幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシ2がリング状部材1に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
図15に示すように、特許文献1に記載されたバリ取り装置101は、基台111、回転台112、アーム115、エアモータ116、ブラシ117、エアシリンダ118などから構成され、回転台112の上にバリ取りを行なおうとする部品113が配置されている。
そして、このバリ取り装置101は次のように作用する。エアモータ116などの自重によりブラシ117を部品113のバリ取り面114の部分に圧接保持させた状態で、ブラシ117を回転駆動させる。すると、部品113とブラシ117の間の摩擦力によりバリ取り面114のバリが除去されると同時に、回転台112とともに部品113が回転するので、部品113に対してブラシ117が相対的に移動してバリが順次除去されるとしている。
特許文献1に記載されたリング状部品のバリ取り装置101は、ブラシ117を部品113のバリ取り面114の部分に圧接保持させた状態で、ブラシ117を回転駆動させるだけにすぎない。そのため、ブラシ117を圧接させるバリ取り面114の部分以外に生じるバリは除去することができない。また、リング状部品の内周面や外周面を研磨したいときには、別途研磨機などを用いて研磨しなければならず手間がかかる。すなわち、バリ取りや研磨などを研削ということで共通した概念と捉えておらず、同時に行なうことができないので作業の手間がかかってしまう。
(1)円筒状のブラシ軸の外周にブラシを取り付けた研削ブラシによる研削を行なう工程を有するリング状部材の製造方法において、リング状部材の内周面側または外周面側と研削ブラシとが互いに押し当たる工程と、研削ブラシとリング状部材とを相対回転させるとともに、リング状部材の中心軸方向にリング状部材の幅と研削ブラシの幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシがリング状部材に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有することを特徴とする。
(1)円筒状のブラシ軸の外周にブラシを取り付けた研削ブラシによる研削を行なう工程を有するリング状部材の製造方法において、リング状部材の内周面側または外周面側と研削ブラシとが互いに押し当たる工程と、研削ブラシとリング状部材とを相対回転させるとともに、リング状部材の中心軸方向にリング状部材の幅と研削ブラシの幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシがリング状部材に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有するので、研削ブラシの往復移動により研磨とともにバリ取りもでき、研削ブラシとリング状部材とを相対回転させながら研削ブラシの往復移動を行なうことにより均一な研磨を実現でき、研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる効果が得られる。
図1はリング状部材1に研削ブラシ2を押し当てた状態を示しており、(a)ではリング状部材1の内周面1aを、(b)ではリング状部材1の外周面1bを研削する様子を示したものである。図1に示すように、研削ブラシ2は円筒状のブラシ軸11の外周に多数の線状部材を束ねたブラシ12を配置させたものであり、ブラシ軸11を中心に回転するものである。ブラシ12としては、例えばナイロン製の線状部材であってその中に砥粒が含まれるものを使用する。このブラシ12は度重なる研削作業によりその先端部が磨耗すると、その中に含まれる新しい砥粒が次々と出てくるので、通常砥石で行なわれるドレッシング作業が不要となり作業上手間が掛からないものである。そして、先端部の磨耗がある程度進んだときには、ブラシ12のみを新しいものに交換すればよいので経済的である。
まず、研削ブラシ2を上下方向に固定してリング状部材1および研削ブラシ2を相対回転させて研削を行なう場合を考える。すると、研削ブラシ2を所定の力でリング状部材1に押し当てるため、図2に示すように、ブラシ12が軸方向の中央部あたりを中心に上下に分かれてリング状部材1の内周面1aに押し当たることになる。そのため、リング状部材1の中央部付近でブラシ12が接触しない部分が生じ、図3に示すように、研削作業が完了したときには研削残り21の部分が発生し研削ムラが生じてしまう。
まず、リング状部材1の内周面1aまたは外周面1bについての研削を全面にわたって均一にするためには、研削ブラシ2を上下方向に往復移動させながらリング状部材1と研削ブラシ2とが相対回転する状況下で、研削作業が完了したときに研削ブラシ2により所定の研削代が全面にわたって確実に研削されていることが必要になる。また、研削を短時間で行なうためには、研削ブラシ2の1周期分の研削で研削される範囲を大きくして、研削作業が完了するまでに研削ブラシ2が上下方向に往復移動する周期の数を出来るだけ少なくすることが必要になる。そこで、以上の必要性を満たすために、リング状部材1および研削ブラシ2の動きに一定の規則性を持たせることにする。
まず、リング状部材1に対する研削ブラシ2の任意の周期の研削において、研削ブラシ2の上面部分の軌跡Ztopは、研削ブラシ2のストローク量Btool、研削ブラシ2の往復移動による振幅動作の周波数ftool、リング状部材1の回転数ωring、研削ブラシ2の幅Wtoolなどのパラメータを用いて以下の数式で表すことができる。
(1)円筒状のブラシ軸11の外周にブラシ12を取り付けた研削ブラシ2による研削を行なう工程を有するリング状部材1の製造方法において、リング状部材1の内周面1a側または外周面1b側と研削ブラシ2とが互いに押し当たる工程と、研削ブラシ2とリング状部材1とを相対回転させるとともに、リング状部材1の中心軸方向にリング状部材1の幅と研削ブラシ2の幅とを合計した長さ以上のストローク量で研削ブラシ2がリング状部材1に対して相対的に往復移動することとなる工程とを有するので、研削ブラシ2の往復移動により研磨とともにバリ取りもでき、研削ブラシ2とリング状部材1とを相対回転させながら研削ブラシ2の往復移動を行なうことにより均一な研磨を実現でき、研磨およびバリ取り作業が短時間で完了できる効果が得られる。
々な変更が可能である。
ここで、CVT用ベルトの製造における研削作業の必要性を説明する。まず、CVT用ベルトは鉄製のリング状部材を圧延して製造される。そして、この圧延前のリング状部材は長い鉄管をロールカッターで切断して取り出されるものである。ロールカッターによる切断はせん断力を加えることに行なうものであるので、取り出されたリング状部材には切断部分にバリが生じてしまう。従って、このバリを研削により除去する必要がある。また、上記の鉄管は鉄板を筒状に丸めて溶接により製造されるものである。そのため、溶接部分とその他の部分との硬さが異なるので、この硬さを均一化するためにリング状部材を取り出す前に容体化の処理を実施する必要がある。そして、この容体化の処理により鉄管の表面に酸化膜が生じる。この酸化膜はその後行う窒化の処理に障害を与えてしまう。従って、この酸化膜を研削により除去する必要がある。さらに、CVT用ベルトをエレメントに取り付けられるものであり、エレメントを傷つけないようCVT用ベルトの両端にはR形状を形成しておく必要がある。従って、圧延前のリング状部材の段階から、研削によりその両端部にR形状を形成しておく必要がある。
そこで、本発明の特徴点である研削工程をこのリング状部材に応用することにより、上記の必要性を満たすことができる。なお、上記酸化膜の厚みは約1μmであるが、本発明の研削工程では約1μmの研削をリング状部材の表面にわたり均一に行なうことができる。
1a 内周面
1b 外周面
2 研削ブラシ
11 ブラシ軸
12 ブラシ
21 研削残り
31 主軸ユニット
32 外径チャックユニット
33 内径チャックユニット
34 プレート
41 外径チャック
42 内径チャック
Claims (2)
- 円筒状のブラシ軸の外周にブラシを取り付けた研削ブラシによる研削を行なう工程を有するリング状部材の製造方法において、
リング状部材の内周面側または外周面側と前記研削ブラシとが互いに押し当たる工程と、
前記研削ブラシとリング状部材とを相対回転させるとともに、リング状部材の中心軸方向にリング状部材の幅と前記研削ブラシの幅とを合計した長さ以上のストローク量で前記研削ブラシがリング状部材に対して相対的に往復移動することとなる工程と、
を有することを特徴とするリング状部材の製造方法。 - 請求項1に記載するリング状部材の製造方法において、
前記研削ブラシの幅、前記研削ブラシのストローク量、リング状部材に対する前記研削ブラシの相対的な往復移動による振幅動作の周波数、リング状部材の回転数を規定することにより、任意の周期における前記研削ブラシの下面部分の軌跡と、次の周期における前記研削ブラシの上面部分の軌跡とは、リング状部材の幅方向の中心線上で交わることを特徴とするリング状部材の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0248154A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-16 | Tipton Mfg Corp | バリ取り方法及び装置 |
JPH0871900A (ja) * | 1994-09-07 | 1996-03-19 | Hino Motors Ltd | リング状部品のバリ取り装置 |
JPH1133886A (ja) * | 1997-07-24 | 1999-02-09 | Koken Kogyo Kk | ガラスディスク内周研磨装置およびガラスディスク内周研磨方法 |
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2004
- 2004-12-06 JP JP2004352947A patent/JP4281679B2/ja not_active Expired - Fee Related
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