JP4280884B2 - 記録装置,記録装置におけるしきい値設定方法 - Google Patents

記録装置,記録装置におけるしきい値設定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,被記録材を検出し,その有無を判断する被記録材の光検出装置に関する。また,本発明は,当該光検出装置を備えた記録装置に関する。さらに,本発明は,当該光検出装置におけるしきい値の設定方法,および当該光検出装置におけるしきい値設定をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク・ジェット・プリンタのような記録装置には,印刷用紙のような被記録材を検出し,その有無を判断する検出装置が設けられている。この検出装置は,被記録材を検出する検出器と,被記録材の有無を判断する判定器とを備えている。
【0003】
検出器としては,光を用いた光検出器,特に反射型の光センサが用いられることがある。反射型の光センサは,被記録材に向けて光を放射する発光器と,被記録材が反射した光を受光する受光器とを備えている。一般に,発光器としてはLEDが,受光器としてはフォト・トランジスタが,それぞれ用いられ,受光器は,受光した光の量に応じた電圧を出力する。光センサは,この受光器の出力電圧を表す信号を判定器に出力する。判定器は,光センサの出力信号が表す電圧の値がしきい値以上であるかどうかを比較し,しきい値以上である場合には被記録材が存在すると判断し,しきい値未満である場合には,被記録材が存在しないと判断する。
【0004】
ここで,発光器の発光面に設けられたレンズおよび受光器の受光面に設けられた透明な透過板(ガラス板,アクリル板等)には,記録装置の使用に伴い,汚れ(特に紙粉)が付着して行く。また,発光器に用いられるLEDの発光量は,時間の経過とともに減少するという特性を有する。したがって,発光器の放射光が被記録材に反射し,その反射光を受光器が受光した時に示す出力電圧(以下「紙あり電圧」という。)Vは,時間の経過とともに減少する。
【0005】
一方,受光器が光を受光していない時,または,被記録材に反射した光を受光していない時に示す出力電圧(以下「暗電圧」という。)Vも,フォト・トランジスタの特性等により,時間の経過とともに減少するという特性を有する。
【0006】
このように,紙あり電圧Vが減少し,かつ,暗電圧Vも減少することから,判定器が被記録材の有無の判断の基準とするしきい値もこの減少に応じて変化させないと,被記録材の有無の正確な判断が行えないおそれがある。そこで,記録装置では,電源投入時ごとに,しきい値を設定し直す再設定の処理が行われている。
【0007】
従来,このしきい値の再設定は,電源投入時に測定された暗電圧の値の2倍から3倍に設定することにより行われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図3は,紙あり電圧Vおよび暗電圧Vの経年変化の一例,ならびにしきい値の一例を示すグラフである。図中,しきい値A(上部の二点鎖線)は暗電圧Vの値の3倍に設定されたしきい値を示し,しきい値B(下部の二点鎖線)は暗電圧Vの値の2倍に設定されたしきい値を示している。
【0009】
このグラフから分かるように,暗電圧Vの減少は比較的緩やかであるのに対し,紙あり電圧Vの減少は比較的大きい。これは,いずれの記録装置に用いられる光センサについても一般に言えることである。この相違の原因は,暗電圧Vは,受光器が光を受光していない時の電圧であるので,発光面および受光面の汚れの進行や,LEDの発光量の減少の影響をほとんど受けないのに対し,紙あり電圧Vは,汚れの進行や発光量の減少によって受光器の受光量が比較的大きく減少するので,これらの影響を大きく受けることによるものである。
【0010】
したがって,従来のように,しきい値を単に暗電圧Vの値の2倍,3倍等に設定すると,紙あり電圧Vの経年変化によって,しきい値が紙あり電圧Vの値を超えることがある。その結果,被記録材の有無の正確な判断ができなくなることがあった。
【0011】
本発明は,このような状況に鑑みなされたものであり,その目的は,経年変化があっても,被記録材の有無を正確に判断できる被記録材の光検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために,第1の態様の被記録材の光検出装置は,被記録材に向けて光を放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光し,受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光器の出力電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光検出器が出力する信号を入力し,入力した信号が表す電圧の値としきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記被記録材の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の光検出装置において,前記しきい値は,前記受光器が,前記発光器の放射光が前記被記録材に反射した光を受光している時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値と,前記受光器が前記反射した光を受光していない時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値との間に設定されている,ことを特徴とする。
【0013】
第1の態様の被記録材の光検出装置によると,しきい値は,受光器が,発光器の放射光が被記録材に反射した光を受光している時に光検出器が出力する信号が表す電圧(すなわち紙あり電圧)の値と,受光器が反射した光を受光していない時に光検出器が出力する信号が表す電圧(すなわち暗電圧)の値との間に設定されている。したがって,紙あり電圧および暗電圧が経年変化をしても,しきい値が,紙あり電圧を超えることはない。これにより,被記録材の有無を従来のものより正確に判断することができる。
【0014】
第2の態様の被記録材の光検出装置は,第1の態様において,前記しきい値が,前記反射した光を受光している時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値と,前記反射した光を受光していない時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値との平均値に設定されている,ことを特徴とする。
【0015】
被記録材の表面の状態(汚れや被記録材の色彩の僅かな相違)によって,紙あり電圧が僅かに変化することがある。したがって,しきい値が,暗電圧の値とは比較的大きく異なる値に設定されているものの,紙あり電圧とは比較的近い値に設定されているような場合には,被記録材の表面の状態によって,紙あり電圧がしきい値未満となることがある。その結果,被記録材の有無を正確に判断できないおそれがある。
【0016】
しかし,第2の態様の被記録材の光検出装置によると,しきい値が,紙あり電圧の値と暗電圧の値との平均値(すなわち両電圧値の中間値)に設定されているので,このようなおそれを減少させることができる。
【0017】
第3の態様の記録装置は,第1または第2の態様の被記録材の光検出装置を備えていることを特徴とする。これにより,記録装置においても,前述した第1又は第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
第4の態様の光検出装置におけるしきい値設定方法は,被記録材に向けて光を放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光し,受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光器の出力電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光検出器が出力する信号を入力し,入力した信号が表す電圧の値としきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記被記録材の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の光検出装置における前記しきい値設定方法であって,前記被記録材が前記発光器の放射光の照射されない位置にある時に,前記光検出器からの信号が表す第1の電圧の値を求め,前記被記録材が前記発光器の放射光の照射される位置にある時に,前記光検出器からの信号が表す第2の電圧の値を求め,前記しきい値を,前記第1の電圧の値と前記第2の電圧の値との間に設定する,ことを特徴とする。
第4の態様の光検出装置におけるしきい値設定方法によると,前述した第1の態様と同様の作用効果を得ることができるとともに,紙あり電圧および暗電圧をそれぞれ正確に求めることができる。
【0019】
第5の態様の光検出装置におけるしきい値設定方法は,第4の態様において,前記しきい値を,前記第1の電圧の値と前記第2の電圧の値との中間値に設定する,ことを特徴とする。
第5の態様の光検出装置におけるしきい値設定方法によると,前述した第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
第6の態様のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,被記録材に向けて光を放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光し,受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光器の出力電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光検出器が出力する信号を入力し,入力した信号が表す電圧の値としきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記被記録材の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の光検出装置における前記しきい値設定をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,前記被記録材が前記発光器の放射光の照射されない位置にある時に,前記光検出器からの信号が表す第1の電圧の値を求める手順と,前記被記録材が前記発光器の放射光の照射される位置にある時に,前記光検出器からの信号が表す第2の電圧の値を求める手順と,前記しきい値を,前記第1の電圧の値と前記第2の電圧の値との間に設定する手順と,を備えているプログラムを記録していることを特徴とする。
【0021】
第6の態様のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によると,前述した第4の態様と同様の作用効果を得ることができるとともに,当該記録媒体を読み取り,実行することができる任意の被記録材の光検出装置に当該作用効果をもたらすことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
<インク・ジェット・プリンタ1の構成および印刷処理>
図1は,本発明に係る「記録装置」としてのインク・ジェット・プリンタ1の要部概略側面図である。図2は,本発明に係る「光検出器」としての反射型光センサ7を示し,同図(a)はその概略側面図であり,同図(b)はその回路図である。
【0023】
このインク・ジェット・プリンタ(以下,単に「プリンタ」という。)1は,記録ヘッド3を備えたキャリッジ2と,紙送りローラ4と,排紙ローラ5と,プラテン6と,反射型光センサ7と,判定器8aを含む制御装置8とを備えている。
【0024】
キャリッジ2は,紙送りローラ4と排紙ローラ5との間に配置され,制御装置8により回転/停止を制御されるキャリッジ・モータ(図示略)によって,図1の紙面と垂直な方向(主走査方向)に往復動するように構成されている。
【0025】
キャリッジ2に取り付けられた記録ヘッド3のプラテン6に対向する面には,インク滴を吐出する複数のインク・ジェット・ノズル(図示略)が形成されている。各インク・ジェット・ノズルには,図示しないインク・カートリッジからインクが供給される。また,各インク・ジェット・ノズルは,制御装置8により駆動され,プラテン6上に搬送された「被記録材」としての印刷用紙Sの表面にインク滴を吐出する。このインク滴の吐出は,キャリッジ2の主走査方向への往復動に同期して行われるように構成されている。
【0026】
紙送りローラ4は,キャリッジ2に対し,印刷用紙Sの搬送方向Aの上流側に配置されている。この紙送りローラ4は,制御装置8により回転/停止を制御される紙送りモータ(図示略)によって回転(正転および逆転)/停止する紙送り駆動ローラ4aと,紙送り駆動ローラ4aに圧接し,紙送り駆動ローラ4aの回転に伴い従動回転する紙送り従動ローラ4bとから構成されている。印刷用紙Sは,紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとの間に挟圧されて,搬送方向下流側(矢印A方向)または上流側に向けて搬送される。また,紙送り従動ローラ4bは,紙送り駆動ローラ4aから離間可能に構成され,操作者(たとえばユーザ)が図示しないレバーを操作することにより,紙送り駆動ローラ4aから離間する。
【0027】
排紙ローラ5は,キャリッジ2に対し,搬送方向下流側に配置されている。この排紙ローラ5は,制御装置8により回転/停止を制御される排紙モータ(図示略)によって回転(正転および逆転)/停止する排紙駆動ローラ5aと,排紙駆動ローラ5aに接触し,排紙駆動ローラ5aの回転に伴い従動回転する排紙従動ローラ5bとから構成されている。印刷用紙Sは,排紙駆動ローラ5aと排紙従動ローラ5bとの間を,搬送方向下流側(矢印A方向)または上流側に向けて搬送される。
【0028】
反射型光センサ(以下,単に「光センサ」という。)7および判定器8aは,光検出装置10を構成する。
反射型光センサ7は,排紙ローラ5の搬送方向下流側において,紙送りローラ5から距離L離れた箇所に配置されている。この光センサ7は,印刷用紙Sの先端の到着および後端の離脱の双方またはいずれか一方を検出するものである。光センサ7は,図2に示すように,LED70を含む発光器7aと,フォト・トランジスタ71および抵抗器72を含む受光器7bとを備えている。LED70の放射光が発光器7aの外部に放射される発光面には,図示しないレンズが設けられている。受光器7bの内部に光が入射する受光面には,図示しないガラス,アクリル等の素材からできた透明な透過板が設けられている。フォト・トランジスタ71は,受光する光量が多いほど多くの電流を流すので,抵抗器72の両端電圧である出力電圧Vの値は,受光する光量が多いほど大きくなる。光センサ7は,この出力電圧Vの値を示す出力信号を判定器8a(制御装置8)に与える。
【0029】
判定器8aは,制御装置8の一部として構成され,制御装置8がその機能を実行する。判定器8aは,内部に書き換え可能なメモリ(たとえばRAM)を備えている。このメモリには,光センサ7の出力信号が表す出力電圧Vの値と比較されるしきい値Mが記憶されている。判定器8aは,出力電圧Vの値としきい値Mとを比較し,出力電圧Vの値がしきい値M以上である場合には,印刷用紙Sが光センサ7に検出されている(すなわち印刷用紙有り)と判断し,出力電圧Vの値がしきい値M未満である場合には,印刷用紙Sが光センサ7に検出されていない(すなわち印刷用紙無し)と判断する。
【0030】
このプリンタ1による印刷処理は,次のようにして行われる。
操作者は,紙送り従動ローラ4bを図示しないレバーにより紙送り駆動ローラ4aから離間させて,紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとの間に印刷用紙Sの先端部を通過させて配置する。配置後,操作者は,レバーを操作して,印刷用紙Sの先端部が紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとに挟圧されるようにする。なお,紙送り従動ローラ4bを紙送り駆動ローラ4aから離間させるのは,厚紙のように比較的厚さの大きな印刷用紙は,紙送り駆動ローラ4aの回転だけでは,紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとの間に入り込んで行かないからである。したがって,普通紙のように比較的厚さの小さな印刷用紙であれば,特に離間させることなく,紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとの圧接部に印刷用紙の先端を当接させておくだけで,あとは紙送り駆動ローラ4aの回転により,両ローラの間に入り込んで行き,挟圧搬送されて行く。
【0031】
その後,プリンタ1に接続されたパソコン,ワープロ等(図示略)からの画像データ(印刷データ)が制御装置8に入力されるか,または,図示しない操作パネルにより,操作者が印刷用紙Sの搬送開始を指令するかにより,印刷用紙Sは紙送りローラ4によって下流側に搬送され,頭出し(印刷用紙Sの先端を印刷開始位置に配置する処理)が行われる。頭出し後,キャリッジ2の往復動に同期した記録ヘッド3からのインク滴の吐出と,紙送りローラ4(および排紙ローラ5)による印刷用紙Sの下流側への一定ピッチの搬送とを交互に繰り返しながら,印刷が行われる。
【0032】
印刷が完了した印刷用紙Sは,排紙ローラ5により,プリンタ1の外部に排出される。
【0033】
光センサ7は,受光器7bの出力電圧を表す信号を判定器8aに与える。判定器8aは,この信号が表す出力電圧の値としきい値とを比較して,排紙ローラ5から搬送されてくる印刷用紙Sの先端および後端の双方またはいずれか一方を検出する。制御装置8は,この先端または後端の位置により印刷用紙Sの現在位置を認識し,印刷処理の種々の制御に利用する。
【0034】
<光検出装置10によるしきい値設定処理>
プリンタ1に電源が投入された後,最初の印刷が開始されるごとに,制御装置8は,判定器8aに記憶されているしきい値の再設定を行う。この再設定は,次のようにして行われる。
【0035】
すなわち,印刷用紙Sの先端部が紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとの間にセットされると,制御装置8は,印刷開始前に,紙送りローラ4および排紙ローラ5を正転させて,距離Lまたは距離Lより僅かに大きな距離だけ印刷用紙Sを下流側に搬送する。これにより,印刷用紙Sの先端部は,光センサ7の放射光が照射される位置まで確実に搬送される。
【0036】
判定器8aは,この時の光センサ7の出力信号が表す電圧の値を内部のメモリに記憶する。この電圧の値は,従来技術の欄で述べたように,発光器7aの放射光が印刷用紙Sに反射し,その反射光を受光器7bが受光した時に示す出力電圧Vの値,すなわち紙有り電圧Vである(図3参照)。
【0037】
続いて,制御装置8は,紙送りローラ4および排紙ローラ5を逆転させて,印刷用紙Sを上流側に徐々に戻して行く。この時,判定器8aは,光センサ7の出力信号が表す電圧の値を常時監視し,この電圧の値が,内部のメモリに記憶された紙有り電圧Vの値の85%以下になったかどうかを検査する。85%以下となると,判定器8aは,その時の電圧の値を暗電圧Vの値として内部のメモリに記憶する。
【0038】
なお,85%としたのは,発光ダイオード70およびフォト・トランジスタ71に電力を供給する電源電圧の変動により,紙有り電圧Vが±5%程度は変動するからである。したがって,必ずしも85%である必要はなく,紙有り電圧Vの変動範囲を超える範囲であって,暗電圧以上の値に設定されていればよい。また,印刷用紙Sを上流側へ戻す単位は,たとえばL/5ずつとすることができる。
【0039】
次に,判定器8aは,内部のメモリに記憶した紙有り電圧Vおよび暗電圧Vの値の平均値(=(V+V)/2)の値をしきい値Mとして,内部のメモリに記憶する。これにより,しきい値Mが再設定される。
なお,しきい値Mの再設定後,印刷用紙Sはさらに上流側に戻されて頭出しされ,通常の印刷処理が行われる。
【0040】
図3は,従来技術の欄で説明したように,紙あり電圧Vおよび暗電圧Vの経年変化の一例,ならびにしきい値の一例を示すグラフである。ここで,「暗電圧」は,本実施の形態では,プリンタ1がプリンタ・カバーに覆われて,外部の光が受光器7bに入射しない状態に置かれ,かつ,発光器7aの放射光も印刷用紙S以外のものに反射して,受光器7bに入射しない状態に置かれているので,受光器7bが光を受光していない時に示す出力電圧Vを指す。また,「一例」と記載したのは,レンズおよび透過板の双方またはいずれか一方の汚れ(特に紙粉)の付着の進行はプリンタごとに相違し,また,発光ダイオード70の発光量の減少の程度も発光ダイオードごとに相違し,この相違により,種々のグラフがあり得るからである。ただし,いずれのプリンタにおいても,紙有り電圧の減少の程度は暗電圧の減少の程度を上回ることに変わりはない。
【0041】
図3に示すように,本実施の形態によって設定されたしきい値Mは,常に,紙有り電圧Vと暗電圧Vとの間に位置し,しきい値Mが紙有り電圧Vを超えることはない。したがって,印刷用紙Sの有無を正確に判断することができる。
【0042】
なお,しきい値Mは,紙有り電圧Vと暗電圧Vとの平均値以外の,両電圧値の間の値に設定することもできる。また,しきい値Mの再設定を行う判定器8aの処理は,ハードウェア回路によって実現することもできるし,ソフトウェア・プログラムとして構成し,このソフトウェア・プログラムをCPU,マイクロコンピュータ等で構成された判定器8a(または制御装置8)が実行することにより実現することもできる。さらに,ソフトウェア・プログラムにより構成した場合には,このソフトウェア・プログラムをフロッピィ・ディスク,CD−ROM等の記録媒体に記録することもできる。そして,判定器8aは,フロッピィ・ディスク・ドライブ,CD−ROMドライブ等によってこの記録媒体に記録されたプログラムを読み出し,実行することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によると,紙あり電圧および暗電圧が経年変化をしても,しきい値が,紙あり電圧を超えることはなく,これにより,被記録材の有無を正確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る「記録装置」としてのインク・ジェット・プリンタの要部概略側面図である。
【図2】本発明に係る「光検出器」としての反射型光センサを示し,(a)はその概略側面図であり,(b)はその回路図である。
【図3】紙あり電圧および暗電圧の経年変化の一例,ならびにしきい値の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 インク・ジェット・プリンタ
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
4 紙送りローラ
5 排紙ローラ
6 プラテン
7 反射型光センサ
7a 発光器
7b 受光器
70 発光ダイオード
71 フォト・トランジスタ
72 抵抗器
8 制御装置
8a 判定器
S 印刷用紙
紙有り電圧
暗電圧
M しきい値

Claims (5)

  1. 被記録材を送り方向へ送る送りローラ対と,
    該送りローラ対より送り方向下流側に所定距離L離れた位置に設けられ,被記録材に向けて光を放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光し受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを有する光センサと,
    被記録材に対して記録を実行する記録ヘッドと,
    前記光センサの前記受光器から出力される出力電圧の値と,記憶されたしきい値とを比較し,前記出力電圧の値が前記しきい値以上である場合は被記録材が前記光センサに検出されていると判断し,前記出力電圧の値が前記しきい値未満である場合は被記録材が前記光センサに検出されていないと判断する判定器と,
    該判定器を有し,かつ,前記送りローラ対の回転/停止を制御する制御装置と,を備え,
    該制御装置は,記録開始前において,被記録材が前記送りローラ対に挟持されたとき,
    前記送りローラ対を正転させ,被記録材を送り方向下流側へ少なくとも前記所定距離L送り,第1の前記出力電圧の値V1を取得し,
    その後,前記受光器の前記出力電圧の値を監視しつつ,前記送りローラ対を逆転させ,前記出力電圧の値が所定値以下となったとき,該出力電圧の値を第2の出力電圧の値V2として取得し,
    前記しきい値を,前記第1の出力電圧の値V1と,前記第2の出力電圧の値V2との間に新たに設定し記憶し,
    被記録材に対して記録する際,前記新たに設定したしきい値により被記録材の有無を判断して記録を実行する構成である記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において,前記制御装置は,電源投入後において最初の記録が開始される毎に,前記しきい値を新たに設定する構成である記録装置。
  3. 請求項1または2に記載の記録装置において,前記制御装置は,新たに取得し記憶する前記しきい値を,
    しきい値M=(第1の出力電圧の値V1+第2の出力電圧の値V2)/2
    の式によって取得する構成である記録装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置において,前記第2の出力電圧の値V2を取得するときの前記所定値は,前記第1の出力電圧の値V1を基準として該第1の出力電圧の値V1に1未満の数を乗じて求められた値に設定される構成である記録装置。
  5. 送りローラ対を正転駆動させ被記録材を該送りローラ対より送り方向下流側に配設され,被記録材に向けて光を放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光し受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを有する光センサまで送り,前記光センサの前記受光器から出力される出力電圧の値を第1の出力電圧の値V1として取得する第1電圧値取得工程と,
    該第1電圧値取得工程後において,前記受光器の前記出力電圧の値を監視しつつ,前記送りローラ対を逆転させ,前記出力電圧の値が所定値以下となったとき,該出力電圧の値を第2の出力電圧の値V2として取得する第2電圧値取得工程と,
    前記光センサの前記受光器の出力電圧の値と,記憶されたしきい値とを比較し,前記出力電圧の値が前記しきい値以上である場合は被記録材が前記光センサに検出されていると判断し,前記出力電圧の値が前記しきい値未満である場合は被記録材が前記光センサに検出されていないと判断する判定器において記憶される前記しきい値を,前記第1電圧値取得工程で取得した前記第1の出力電圧の値V1と,前記第2電圧値取得工程で取得した前記第2の出力電圧の値V2との間に,新たに設定し記憶するしきい値再設定工程と,
    該しきい値再設定工程で新たに設定した前記しきい値と,前記出力電圧の値とを比較し,前記出力電圧の値が前記しきい値以上である場合は被記録材が前記光センサに検出されていると判断し,前記出力電圧の値が前記しきい値未満である場合は被記録材が前記光センサに検出されていないと判断する判断工程と,
    該判断工程の判断に基づいて被記録材への記録を実行する記録工程と,を具備する記録装置におけるしきい値設定方法。
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