JP2002048876A - 被記録材の光検出装置,記録装置,および被記録材の光検出装置におけるしきい値設定方法 - Google Patents

被記録材の光検出装置,記録装置,および被記録材の光検出装置におけるしきい値設定方法

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JP2002048876A
JP2002048876A JP2000238107A JP2000238107A JP2002048876A JP 2002048876 A JP2002048876 A JP 2002048876A JP 2000238107 A JP2000238107 A JP 2000238107A JP 2000238107 A JP2000238107 A JP 2000238107A JP 2002048876 A JP2002048876 A JP 2002048876A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経年変化があっても,被記録材の有無を正確
に判断できる被記録材の光検出装置を提供する。 【解決手段】 制御装置8は,紙送りローラ4および排
紙ローラ5を正転させて,距離Lまたは距離Lより僅か
に大きな距離だけ印刷用紙Sを下流側に搬送する。判定
器8aは,この時の光センサ7の出力信号が表す電圧の
値を紙有り電圧V として内部のメモリに記憶する。続
いて,制御装置8は,紙送りローラ4および排紙ローラ
5を逆転させて,印刷用紙Sを上流側に徐々に戻す。こ
の時,光センサ7の出力信号が表す電圧の値が紙有り電
圧Vの値の85%以下になると,判定器8aは,その
時の電圧の値を暗電圧Vの値として内部のメモリの記
憶する。次に,判定器8aは,紙有り電圧Vおよび暗
電圧Vの値の平均値(=(V+V)/2)の値を
しきい値Mとして,内部のメモリに記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,被記録材を検出
し,その有無を判断する被記録材の光検出装置に関す
る。また,本発明は,当該光検出装置を備えた記録装置
に関する。さらに,本発明は,当該光検出装置における
しきい値の設定方法,および当該光検出装置におけるし
きい値設定をコンピュータに実行させるプログラムを記
録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インク・ジェット・プリンタのような記
録装置には,印刷用紙のような被記録材を検出し,その
有無を判断する検出装置が設けられている。この検出装
置は,被記録材を検出する検出器と,被記録材の有無を
判断する判定器とを備えている。
【0003】検出器としては,光を用いた光検出器,特
に反射型の光センサが用いられることがある。反射型の
光センサは,被記録材に向けて光を放射する発光器と,
被記録材が反射した光を受光する受光器とを備えてい
る。一般に,発光器としてはLEDが,受光器としては
フォト・トランジスタが,それぞれ用いられ,受光器
は,受光した光の量に応じた電圧を出力する。光センサ
は,この受光器の出力電圧を表す信号を判定器に出力す
る。判定器は,光センサの出力信号が表す電圧の値がし
きい値以上であるかどうかを比較し,しきい値以上であ
る場合には被記録材が存在すると判断し,しきい値未満
である場合には,被記録材が存在しないと判断する。
【0004】ここで,発光器の発光面に設けられたレン
ズおよび受光器の受光面に設けられた透明な透過板(ガ
ラス板,アクリル板等)には,記録装置の使用に伴い,
汚れ(特に紙粉)が付着して行く。また,発光器に用い
られるLEDの発光量は,時間の経過とともに減少する
という特性を有する。したがって,発光器の放射光が被
記録材に反射し,その反射光を受光器が受光した時に示
す出力電圧(以下「紙あり電圧」という。)Vは,時
間の経過とともに減少する。
【0005】一方,受光器が光を受光していない時,ま
たは,被記録材に反射した光を受光していない時に示す
出力電圧(以下「暗電圧」という。)Vも,フォト・
トランジスタの特性等により,時間の経過とともに減少
するという特性を有する。
【0006】このように,紙あり電圧Vが減少し,か
つ,暗電圧Vも減少することから,判定器が被記録材
の有無の判断の基準とするしきい値もこの減少に応じて
変化させないと,被記録材の有無の正確な判断が行えな
いおそれがある。そこで,記録装置では,電源投入時ご
とに,しきい値を設定し直す再設定の処理が行われてい
る。
【0007】従来,このしきい値の再設定は,電源投入
時に測定された暗電圧の値の2倍から3倍に設定するこ
とにより行われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3は,紙あり電圧V
および暗電圧Vの経年変化の一例,ならびにしきい
値の一例を示すグラフである。図中,しきい値A(上部
の二点鎖線)は暗電圧V の値の3倍に設定されたしき
い値を示し,しきい値B(下部の二点鎖線)は暗電圧V
の値の2倍に設定されたしきい値を示している。
【0009】このグラフから分かるように,暗電圧V
の減少は比較的緩やかであるのに対し,紙あり電圧V
の減少は比較的大きい。これは,いずれの記録装置に用
いられる光センサについても一般に言えることである。
この相違の原因は,暗電圧V は,受光器が光を受光し
ていない時の電圧であるので,発光面および受光面の汚
れの進行や,LEDの発光量の減少の影響をほとんど受
けないのに対し,紙あり電圧Vは,汚れの進行や発光
量の減少によって受光器の受光量が比較的大きく減少す
るので,これらの影響を大きく受けることによるもので
ある。
【0010】したがって,従来のように,しきい値を単
に暗電圧Vの値の2倍,3倍等に設定すると,紙あり
電圧Vの経年変化によって,しきい値が紙あり電圧V
の値を超えることがある。その結果,被記録材の有無
の正確な判断ができなくなることがあった。
【0011】本発明は,このような状況に鑑みなされた
ものであり,その目的は,経年変化があっても,被記録
材の有無を正確に判断できる被記録材の光検出装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に,本願請求項1に記載の発明に係る被記録材の光検出
装置は,被記録材に向けて光を放射する発光器と,当該
被記録材が反射する光を受光し,受光した光の量に応じ
た電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光器の出力
電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光検出器が
出力する信号を入力し,入力した信号が表す電圧の値と
しきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記被記録材
の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の光検出装
置において,前記しきい値は,前記受光器が,前記発光
器の放射光が前記被記録材に反射した光を受光している
時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値と,前
記受光器が前記反射した光を受光していない時に前記光
検出器が出力する信号が表す電圧の値との間に設定され
ている,ことを特徴とする。
【0013】本願請求項1に記載の発明に係る被記録材
の光検出装置によると,しきい値は,受光器が,発光器
の放射光が被記録材に反射した光を受光している時に光
検出器が出力する信号が表す電圧(すなわち紙あり電
圧)の値と,受光器が反射した光を受光していない時に
光検出器が出力する信号が表す電圧(すなわち暗電圧)
の値との間に設定されている。したがって,紙あり電圧
および暗電圧が経年変化をしても,しきい値が,紙あり
電圧を超えることはない。これにより,被記録材の有無
を従来のものより正確に判断することができる。
【0014】本願請求項2に記載の発明に係る被記録材
の光検出装置は,請求項1において,前記しきい値が,
前記反射した光を受光している時に前記光検出器が出力
する信号が表す電圧の値と,前記反射した光を受光して
いない時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値
との平均値に設定されている,ことを特徴とする。
【0015】被記録材の表面の状態(汚れや被記録材の
色彩の僅かな相違)によって,紙あり電圧が僅かに変化
することがある。したがって,しきい値が,暗電圧の値
とは比較的大きく異なる値に設定されているものの,紙
あり電圧とは比較的近い値に設定されているような場合
には,被記録材の表面の状態によって,紙あり電圧がし
きい値未満となることがある。その結果,被記録材の有
無を正確に判断できないおそれがある。
【0016】しかし,本願請求項2に記載の発明に係る
被記録材の光検出装置によると,しきい値が,紙あり電
圧の値と暗電圧の値との平均値(すなわち両電圧値の中
間値)に設定されているので,このようなおそれを減少
させることができる。
【0017】本願請求項3に記載の発明に係る記録装置
は,請求項1または2に記載の被記録材の光検出装置を
備えていることを特徴とする。これにより,記録装置に
おいても,前述した本願請求項1または2に記載の発明
における作用効果を得ることができる。
【0018】本願請求項4に記載の発明に係る光検出装
置におけるしきい値設定方法は,被記録材に向けて光を
放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光
し,受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを
備えて,前記受光器の出力電圧を表す信号を出力する光
検出器と,当該光検出器が出力する信号を入力し,入力
した信号が表す電圧の値としきい値とを比較し,比較結
果に基づいて前記被記録材の有無を判断する判定器とを
備えた被記録材の光検出装置における前記しきい値設定
方法であって,前記被記録材が前記発光器の放射光の照
射されない位置にある時に,前記光検出器からの信号が
表す第1の電圧の値を求め,前記被記録材が前記発光器
の放射光の照射される位置にある時に,前記光検出器か
らの信号が表す第2の電圧の値を求め,前記しきい値
を,前記第1の電圧の値と前記第2の電圧の値との間に
設定する,ことを特徴とする。本願請求項4に記載の発
明に係る光検出装置におけるしきい値設定方法による
と,前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効
果を得ることができるとともに,紙あり電圧および暗電
圧をそれぞれ正確に求めることができる。
【0019】本願請求項5に記載の発明に係る光検出装
置におけるしきい値設定方法は,請求項4において,前
記しきい値を,前記第1の電圧の値と前記第2の電圧の
値との中間値に設定する,ことを特徴とする。本願請求
項5に記載の発明に係る光検出装置におけるしきい値設
定方法によると,前述した本願請求項2に記載の発明と
同様の作用効果を得ることができる。
【0020】本願請求項6に記載の発明に係るコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体は,被記録材に向けて光を
放射する発光器と,当該被記録材が反射する光を受光
し,受光した光の量に応じた電圧を出力する受光器とを
備えて,前記受光器の出力電圧を表す信号を出力する光
検出器と,当該光検出器が出力する信号を入力し,入力
した信号が表す電圧の値としきい値とを比較し,比較結
果に基づいて前記被記録材の有無を判断する判定器とを
備えた被記録材の光検出装置における前記しきい値設定
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体であって,前記被記録
材が前記発光器の放射光の照射されない位置にある時
に,前記光検出器からの信号が表す第1の電圧の値を求
める手順と,前記被記録材が前記発光器の放射光の照射
される位置にある時に,前記光検出器からの信号が表す
第2の電圧の値を求める手順と,前記しきい値を,前記
第1の電圧の値と前記第2の電圧の値との間に設定する
手順と,を備えているプログラムを記録していることを
特徴とする。
【0021】本願請求項6に記載の発明に係るコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体によると,前述した本願請
求項4に記載の発明と同様の作用効果を得ることができ
るとともに,当該記録媒体を読み取り,実行することが
できる任意の被記録材の光検出装置に当該作用効果をも
たらすことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】<インク・ジェット・プリンタ1
の構成および印刷処理>図1は,本発明に係る「記録装
置」としてのインク・ジェット・プリンタ1の要部概略
側面図である。図2は,本発明に係る「光検出器」とし
ての反射型光センサ7を示し,同図(a)はその概略側
面図であり,同図(b)はその回路図である。
【0023】このインク・ジェット・プリンタ(以下,
単に「プリンタ」という。)1は,記録ヘッド3を備え
たキャリッジ2と,紙送りローラ4と,排紙ローラ5
と,プラテン6と,反射型光センサ7と,判定器8aを
含む制御装置8とを備えている。
【0024】キャリッジ2は,紙送りローラ4と排紙ロ
ーラ5との間に配置され,制御装置8により回転/停止
を制御されるキャリッジ・モータ(図示略)によって,
図1の紙面と垂直な方向(主走査方向)に往復動するよ
うに構成されている。
【0025】キャリッジ2に取り付けられた記録ヘッド
3のプラテン6に対向する面には,インク滴を吐出する
複数のインク・ジェット・ノズル(図示略)が形成され
ている。各インク・ジェット・ノズルには,図示しない
インク・カートリッジからインクが供給される。また,
各インク・ジェット・ノズルは,制御装置8により駆動
され,プラテン6上に搬送された「被記録材」としての
印刷用紙Sの表面にインク滴を吐出する。このインク滴
の吐出は,キャリッジ2の主走査方向への往復動に同期
して行われるように構成されている。
【0026】紙送りローラ4は,キャリッジ2に対し,
印刷用紙Sの搬送方向Aの上流側に配置されている。こ
の紙送りローラ4は,制御装置8により回転/停止を制
御される紙送りモータ(図示略)によって回転(正転お
よび逆転)/停止する紙送り駆動ローラ4aと,紙送り
駆動ローラ4aに圧接し,紙送り駆動ローラ4aの回転
に伴い従動回転する紙送り従動ローラ4bとから構成さ
れている。印刷用紙Sは,紙送り駆動ローラ4aと紙送
り従動ローラ4bとの間に挟圧されて,搬送方向下流側
(矢印A方向)または上流側に向けて搬送される。ま
た,紙送り従動ローラ4bは,紙送り駆動ローラ4aか
ら離間可能に構成され,操作者(たとえばユーザ)が図
示しないレバーを操作することにより,紙送り駆動ロー
ラ4aから離間する。
【0027】排紙ローラ5は,キャリッジ2に対し,搬
送方向下流側に配置されている。この排紙ローラ5は,
制御装置8により回転/停止を制御される排紙モータ
(図示略)によって回転(正転および逆転)/停止する
排紙駆動ローラ5aと,排紙駆動ローラ5aに接触し,
排紙駆動ローラ5aの回転に伴い従動回転する排紙従動
ローラ5bとから構成されている。印刷用紙Sは,排紙
駆動ローラ5aと排紙従動ローラ5bとの間を,搬送方
向下流側(矢印A方向)または上流側に向けて搬送され
る。
【0028】反射型光センサ(以下,単に「光センサ」
という。)7および判定器8aは,光検出装置10を構
成する。反射型光センサ7は,排紙ローラ5の搬送方向
下流側において,紙送りローラ5から距離L離れた箇所
に配置されている。この光センサ7は,印刷用紙Sの先
端の到着および後端の離脱の双方またはいずれか一方を
検出するものである。光センサ7は,図2に示すよう
に,LED70を含む発光器7aと,フォト・トランジ
スタ71および抵抗器72を含む受光器7bとを備えて
いる。LED70の放射光が発光器7aの外部に放射さ
れる発光面には,図示しないレンズが設けられている。
受光器7bの内部に光が入射する受光面には,図示しな
いガラス,アクリル等の素材からできた透明な透過板が
設けられている。フォト・トランジスタ71は,受光す
る光量が多いほど多くの電流を流すので,抵抗器72の
両端電圧である出力電圧Vの値は,受光する光量が多
いほど大きくなる。光センサ7は,この出力電圧V
値を示す出力信号を判定器8a(制御装置8)に与え
る。
【0029】判定器8aは,制御装置8の一部として構
成され,制御装置8がその機能を実行する。判定器8a
は,内部に書き換え可能なメモリ(たとえばRAM)を
備えている。このメモリには,光センサ7の出力信号が
表す出力電圧Vの値と比較されるしきい値Mが記憶さ
れている。判定器8aは,出力電圧Vの値としきい値
Mとを比較し,出力電圧Vの値がしきい値M以上であ
る場合には,印刷用紙Sが光センサ7に検出されている
(すなわち印刷用紙有り)と判断し,出力電圧Vの値
がしきい値M未満である場合には,印刷用紙Sが光セン
サ7に検出されていない(すなわち印刷用紙無し)と判
断する。
【0030】このプリンタ1による印刷処理は,次のよ
うにして行われる。操作者は,紙送り従動ローラ4bを
図示しないレバーにより紙送り駆動ローラ4aから離間
させて,紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4b
との間に印刷用紙Sの先端部を通過させて配置する。配
置後,操作者は,レバーを操作して,印刷用紙Sの先端
部が紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとに
挟圧されるようにする。なお,紙送り従動ローラ4bを
紙送り駆動ローラ4aから離間させるのは,厚紙のよう
に比較的厚さの大きな印刷用紙は,紙送り駆動ローラ4
aの回転だけでは,紙送り駆動ローラ4aと紙送り従動
ローラ4bとの間に入り込んで行かないからである。し
たがって,普通紙のように比較的厚さの小さな印刷用紙
であれば,特に離間させることなく,紙送り駆動ローラ
4aと紙送り従動ローラ4bとの圧接部に印刷用紙の先
端を当接させておくだけで,あとは紙送り駆動ローラ4
aの回転により,両ローラの間に入り込んで行き,挟圧
搬送されて行く。
【0031】その後,プリンタ1に接続されたパソコ
ン,ワープロ等(図示略)からの画像データ(印刷デー
タ)が制御装置8に入力されるか,または,図示しない
操作パネルにより,操作者が印刷用紙Sの搬送開始を指
令するかにより,印刷用紙Sは紙送りローラ4によって
下流側に搬送され,頭出し(印刷用紙Sの先端を印刷開
始位置に配置する処理)が行われる。頭出し後,キャリ
ッジ2の往復動に同期した記録ヘッド3からのインク滴
の吐出と,紙送りローラ4(および排紙ローラ5)によ
る印刷用紙Sの下流側への一定ピッチの搬送とを交互に
繰り返しながら,印刷が行われる。
【0032】印刷が完了した印刷用紙Sは,排紙ローラ
5により,プリンタ1の外部に排出される。
【0033】光センサ7は,受光器7bの出力電圧を表
す信号を判定器8aに与える。判定器8aは,この信号
が表す出力電圧の値としきい値とを比較して,排紙ロー
ラ5から搬送されてくる印刷用紙Sの先端および後端の
双方またはいずれか一方を検出する。制御装置8は,こ
の先端または後端の位置により印刷用紙Sの現在位置を
認識し,印刷処理の種々の制御に利用する。
【0034】<光検出装置10によるしきい値設定処理
>プリンタ1に電源が投入された後,最初の印刷が開始
されるごとに,制御装置8は,判定器8aに記憶されて
いるしきい値の再設定を行う。この再設定は,次のよう
にして行われる。
【0035】すなわち,印刷用紙Sの先端部が紙送り駆
動ローラ4aと紙送り従動ローラ4bとの間にセットさ
れると,制御装置8は,印刷開始前に,紙送りローラ4
および排紙ローラ5を正転させて,距離Lまたは距離L
より僅かに大きな距離だけ印刷用紙Sを下流側に搬送す
る。これにより,印刷用紙Sの先端部は,光センサ7の
放射光が照射される位置まで確実に搬送される。
【0036】判定器8aは,この時の光センサ7の出力
信号が表す電圧の値を内部のメモリに記憶する。この電
圧の値は,従来技術の欄で述べたように,発光器7aの
放射光が印刷用紙Sに反射し,その反射光を受光器7b
が受光した時に示す出力電圧Vの値,すなわち紙有り
電圧Vである(図3参照)。
【0037】続いて,制御装置8は,紙送りローラ4お
よび排紙ローラ5を逆転させて,印刷用紙Sを上流側に
徐々に戻して行く。この時,判定器8aは,光センサ7
の出力信号が表す電圧の値を常時監視し,この電圧の値
が,内部のメモリに記憶された紙有り電圧Vの値の8
5%以下になったかどうかを検査する。85%以下とな
ると,判定器8aは,その時の電圧の値を暗電圧V
値として内部のメモリに記憶する。
【0038】なお,85%としたのは,発光ダイオード
70およびフォト・トランジスタ71に電力を供給する
電源電圧の変動により,紙有り電圧Vが±5%程度は
変動するからである。したがって,必ずしも85%であ
る必要はなく,紙有り電圧V の変動範囲を超える範囲
であって,暗電圧以上の値に設定されていればよい。ま
た,印刷用紙Sを上流側へ戻す単位は,たとえばL/5
ずつとすることができる。
【0039】次に,判定器8aは,内部のメモリに記憶
した紙有り電圧Vおよび暗電圧V の値の平均値(=
(V+V)/2)の値をしきい値Mとして,内部の
メモリに記憶する。これにより,しきい値Mが再設定さ
れる。なお,しきい値Mの再設定後,印刷用紙Sはさら
に上流側に戻されて頭出しされ,通常の印刷処理が行わ
れる。
【0040】図3は,従来技術の欄で説明したように,
紙あり電圧Vおよび暗電圧Vの経年変化の一例,な
らびにしきい値の一例を示すグラフである。ここで,
「暗電圧」は,本実施の形態では,プリンタ1がプリン
タ・カバーに覆われて,外部の光が受光器7bに入射し
ない状態に置かれ,かつ,発光器7aの放射光も印刷用
紙S以外のものに反射して,受光器7bに入射しない状
態に置かれているので,受光器7bが光を受光していな
い時に示す出力電圧Vを指す。また,「一例」と記載
したのは,レンズおよび透過板の双方またはいずれか一
方の汚れ(特に紙粉)の付着の進行はプリンタごとに相
違し,また,発光ダイオード70の発光量の減少の程度
も発光ダイオードごとに相違し,この相違により,種々
のグラフがあり得るからである。ただし,いずれのプリ
ンタにおいても,紙有り電圧の減少の程度は暗電圧の減
少の程度を上回ることに変わりはない。
【0041】図3に示すように,本実施の形態によって
設定されたしきい値Mは,常に,紙有り電圧Vと暗電
圧Vとの間に位置し,しきい値Mが紙有り電圧V
超えることはない。したがって,印刷用紙Sの有無を正
確に判断することができる。
【0042】なお,しきい値Mは,紙有り電圧Vと暗
電圧Vとの平均値以外の,両電圧値の間の値に設定す
ることもできる。また,しきい値Mの再設定を行う判定
器8aの処理は,ハードウェア回路によって実現するこ
ともできるし,ソフトウェア・プログラムとして構成
し,このソフトウェア・プログラムをCPU,マイクロ
コンピュータ等で構成された判定器8a(または制御装
置8)が実行することにより実現することもできる。さ
らに,ソフトウェア・プログラムにより構成した場合に
は,このソフトウェア・プログラムをフロッピィ・ディ
スク,CD−ROM等の記録媒体に記録することもでき
る。そして,判定器8aは,フロッピィ・ディスク・ド
ライブ,CD−ROMドライブ等によってこの記録媒体
に記録されたプログラムを読み出し,実行することがで
きる。
【0043】
【発明の効果】本発明によると,紙あり電圧および暗電
圧が経年変化をしても,しきい値が,紙あり電圧を超え
ることはなく,これにより,被記録材の有無を正確に判
断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る「記録装置」としてのインク・ジ
ェット・プリンタの要部概略側面図である。
【図2】本発明に係る「光検出器」としての反射型光セ
ンサを示し,(a)はその概略側面図であり,(b)は
その回路図である。
【図3】紙あり電圧および暗電圧の経年変化の一例,な
らびにしきい値の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 インク・ジェット・プリンタ 2 キャリッジ 3 記録ヘッド 4 紙送りローラ 5 排紙ローラ 6 プラテン 7 反射型光センサ 7a 発光器 7b 受光器 70 発光ダイオード 71 フォト・トランジスタ 72 抵抗器 8 制御装置 8a 判定器 S 印刷用紙 V 紙有り電圧 V 暗電圧 M しきい値

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材に向けて光を放射する発光器
    と,当該被記録材が反射する光を受光し,受光した光の
    量に応じた電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光
    器の出力電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光
    検出器が出力する信号を入力し,入力した信号が表す電
    圧の値としきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記
    被記録材の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の
    光検出装置において,前記しきい値は,前記受光器が,
    前記発光器の放射光が前記被記録材に反射した光を受光
    している時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の
    値と,前記受光器が前記反射した光を受光していない時
    に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値との間に
    設定されている,ことを特徴とする被記録材の光検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,前記しきい値が,前
    記反射した光を受光している時に前記光検出器が出力す
    る信号が表す電圧の値と,前記反射した光を受光してい
    ない時に前記光検出器が出力する信号が表す電圧の値と
    の平均値に設定されている,ことを特徴とする被記録材
    の光検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の被記録材の光
    検出装置を備えていることを特徴とする記録装置。
  4. 【請求項4】 被記録材に向けて光を放射する発光器
    と,当該被記録材が反射する光を受光し,受光した光の
    量に応じた電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光
    器の出力電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光
    検出器が出力する信号を入力し,入力した信号が表す電
    圧の値としきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記
    被記録材の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の
    光検出装置における前記しきい値設定方法であって,前
    記被記録材が前記発光器の放射光の照射されない位置に
    ある時に,前記光検出器からの信号が表す第1の電圧の
    値を求め,前記被記録材が前記発光器の放射光の照射さ
    れる位置にある時に,前記光検出器からの信号が表す第
    2の電圧の値を求め,前記しきい値を,前記第1の電圧
    の値と前記第2の電圧の値との間に設定する,ことを特
    徴とする光検出装置におけるしきい値設定方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,前記しきい値を,前
    記第1の電圧の値と前記第2の電圧の値との中間値に設
    定する,ことを特徴とする光検出装置におけるしきい値
    設定方法。
  6. 【請求項6】 被記録材に向けて光を放射する発光器
    と,当該被記録材が反射する光を受光し,受光した光の
    量に応じた電圧を出力する受光器とを備えて,前記受光
    器の出力電圧を表す信号を出力する光検出器と,当該光
    検出器が出力する信号を入力し,入力した信号が表す電
    圧の値としきい値とを比較し,比較結果に基づいて前記
    被記録材の有無を判断する判定器とを備えた被記録材の
    光検出装置における前記しきい値設定をコンピュータに
    実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り
    可能な記録媒体であって,前記被記録材が前記発光器の
    放射光の照射されない位置にある時に,前記光検出器か
    らの信号が表す第1の電圧の値を求める手順と,前記被
    記録材が前記発光器の放射光の照射される位置にある時
    に,前記光検出器からの信号が表す第2の電圧の値を求
    める手順と,前記しきい値を,前記第1の電圧の値と前
    記第2の電圧の値との間に設定する手順と,を備えてい
    るプログラムを記録していることを特徴とするコンピュ
    ータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006255930A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、制御方法およびプログラム
JP2009160881A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Canon Inc インクジェット記録装置
WO2021133135A1 (ko) * 2019-12-27 2021-07-01 주식회사 빅솔론 프린터와 인쇄 용지 감지방법

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