JP3874085B2 - 画像記録装置、記録媒体の初期設定装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置における手差し口より供給された記録媒体を記録開始のための初期位置に設定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット式プリンタは、記録媒体である、例えば、紙をオートシートフィーダ(自動連続給紙機構)あるいは手差し口より供給して、主動(紙送り)ローラと従動ローラとの間に挟み込む。そして、紙送りローラを回転させて紙を送り出しながら、プリントヘッドの圧力発生室内のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させることにより、画像情報を紙上に印刷する。
【0003】
このようなプリンタの用紙送り機構では、印刷開始位置にまで用紙を導く(いわゆる用紙の頭出し)作業が一度行なわれると、後はその位置を基準として印刷動作が実行されるため、用紙の頭出し作業は、非常に精度高く行なわれる必要がある。
【0004】
従来例では、検出対象物である記録用紙の有無に応じて出力電圧を変化させる受光素子を用いて、その出力電圧値が単に既定値を超えたことをもって、用紙送りを停止させ、用紙の頭出しとしていた。
【0005】
図1は、用紙の精密な頭出しを行なう際に、よく用いられる光センサ素子の構成を表したものである。光センサ122の底面には逆V字型の切れ込みが設けられており、その各々の面には発光ダイオード123と、フォトダイオード124とが対向して備えられている。発光ダイオード123から発せられた光は、記録用紙45に当たって反射し、フォトダイオード124に入射される。
【0006】
図2には、記録用紙45が、図1における左方向へ紙送りされた際における、フォトダイオード124の出力電圧の変化の様子を表したグラフが描かれている。
グラフは、縦軸に電圧の値を、横軸に光エンコーダなどによってカウントされる用紙の移動量を、それぞれ表している。
【0007】
図3は、図2のグラフにおける用紙なしの状態と、用紙のみの状態について説明するための図であって、図3(a)には記録用紙45が光センサ122の近傍に送られてくる以前の状態、すなわち、光センサ122が、用紙経路の構成部材(例えば用紙案内板や用紙送りローラ)のみからの反射光を測定している状態を表している。一方、図3(b)は、用紙送りが進んで、光センサ122の下に完全に用紙が配されて、フォトダイオード124が用紙のみからの反射光を受けている状態を表している。
【0008】
記録用紙45の先端が光センサ122の検出範囲内に入ってくると、フォトダイオード124の出力電圧は急峻に立ち上がり、概ね図1に示したような位置で、図2において破線で表す既定電圧値を超える。そのときのカウント値はC0として表されている。
【0009】
但し、ここでは正確な位置検出を行なうことはできない。プリンタに装てんされている用紙の種類によって、いつフォトダイオード124の出力が既定電圧値を超えるか分からないからである。即ち、この方式では、上質サラ紙やインクジェット専用紙等の極めて明度の高い用紙を用いた場合と、長期保存に適した中性紙や、テスト印刷に用いたりすることのあるザラ紙のように明度の低い用紙とで、同じ扱いをすることができなかった。
【0010】
また、従来のインクジェットプリンタで扱うことができた記録用紙は、普通紙や高品質カラー印刷用専用紙等の薄紙と、台紙から剥離可能な粘着シール等で構成されるラベル用紙等のやや厚手の厚紙であった。従って、用紙種別による明度のバラツキといっても、従来は、それ程大きなものではなかった。
【0011】
ところが、最近では、いわゆるボード紙にフルカラー印刷を行う等、従来の厚紙よりも更に厚みが大きい記録用紙も用いられるようになった。
【0012】
一方、CD−R(Compact Disk Recordable)やCD−RW(Compact Disk ReWritable)といった書き込み可能な光ディスク記録メディアが、個人ユースに用いられるまでに普及してきている。従来は、これら光ディスクに対しても、薄手のシートに印刷したものを貼り付けるという手法で、ラベリングが行なわれていた。これに対し、上記のような光ディスク表面に直接印刷することができれば、ラベル剥離の問題もなくなり、便利である。そこで、このような光ディスクに直接印刷を行なうことができるインクジェットプリンタが開発されるに至っている。
【0013】
このような光ディスクに対する直接印刷を可能とするためには、光ディスクを嵌め込むことが可能な形に成形された、ポリプロピレン製のディスクトレイを用いる。このディスクトレイは、2.5mm程の厚さを有するものである。
【0014】
以上のように、ボード紙や、光ディスクを装着したディスクトレイをプリンタの用紙送り機構に供給し、印刷を行うニーズが生じており、かかる記録媒体に印刷を行う場合には、上述したオートシートフィーダ(自動連続給紙機構)ではなく、手差し口より手差し供給するのが適している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら記録媒体を手差し口よりプリンタの用紙送り機構に供給した場合には、その厚み故に、従来における用紙の頭出しの場合とは異なる問題を発生させることとなった。
【0016】
例えば、上述のように図1乃至図3を用いて説明したと同様な検出機構に、前述の光ディスクを装着したディスクトレイを送り込んだ場合には、上記とは事情が異なる。図4は、光センサ122と、ディスクトレイ46との関係を表している。一般の記録用紙45に比して、ディスクトレイ46は厚みが大きいために、発光ダイオード123から発せられた光はディスクトレイ46の側面にも当たることとなる。また、ディスクトレイの上部が面取りされている等のことにも影響を受けて、発光ダイオードから発射された光は、用紙経路内の様々な構成部品に対する反射を繰り返して、乱反射を生じてしまう。従って、フォトダイオード124の出力電圧の変化も、図2の場合とは異なる。
【0017】
図5には、ディスクトレイ46を用紙送りした場合の、フォトダイオード124の出力電圧の変化の様子を表したグラフが描かれている。ディスクトレイ46による乱反射のために、電圧の立ち上がりはやや緩やかなものとなるとともに、変化が曲線的なものとなっていることが見て取れる。
【0018】
このように、例えば、光ディスクを装着したディスクトレイ等をプリンタの用紙送り機構に手差し供給した場合には、光センサの出力電圧値が、上述した従来例のように、ただ単に予め定めた閾値を超えたことをもって、用仕送りを停止させ、用紙の頭出しとするのでは、その頭出しを精度良く、且つ安定して行うことは困難である。
【0019】
一方、図6には、上述した図1乃至図3を用いて説明したと同様な検出機構に同一サイズで反射率の異なる用紙(記録媒体)を紙送りした場合の、フォトダイオード124の出力電圧の変化の様子を表したグラフが描かれている。尚、図中、実線は高反射率と低反射率の間の反射率が平均的な用紙、点線は高反射率の用紙、一点鎖線は低反射率の用紙、それぞれの出力電圧の変化を表す。
【0020】
図6から明らかなように、用紙無しの出力電圧は同じであり、紙送りが進むにつれて用紙の反射率が高いものほどフォトダイオード124の出力電圧も高くなる。このような検出特性を示す高反射率の用紙には、CDRトレイに貼付した銀紙や光沢紙等、真っ白や反射色の用紙、更には、表面が平滑な用紙がある。また、反射率が平均的な用紙には、コピー用紙や上質紙等がある。一方、低反射率の用紙には、再生紙やわらばん紙等、色付きの用紙、更には、表面がざらついている用紙がある。
【0021】
尚、同一サイズで厚みの異なる用紙(記録媒体)を紙送りした場合の、フォトダイオード124の出力電圧は、用紙が厚いものほど高めになり、図6に示した反射率が平均的な用紙、高反射率の用紙、低反射率の用紙をそれぞれ、厚みが平均的な用紙、厚みが大きい(厚手の)用紙、厚みが小さい(薄手の)用紙と読み替えることが可能である。これは、反射されて受光されるまでの光の経路が短くなることと、光の分散(減衰)も小さくなるためと考えられる。
【0022】
以上のように、同じサイズの用紙であっても反射率の異なる用紙や厚みの異なる用紙では、プリンタの用紙送り機構に供給した場合には、光センサの出力電圧値が違ってくるので、やはり上述した従来例のように、ただ単に予め定めた閾値を超えたことをもって、用仕送りを停止させ、用紙の頭出しとするのでは、その頭出しを精度良く、且つ安定して行うことは極めて困難である。
【0023】
そこで、以上のような反射型の光センサを用いて記録媒体の先端検出を行う場合に、記録媒体の種類や厚み如何に拘らず、当該記録媒体の上述した頭出しを精度良く安定して行うことができる制御技術の開発が望まれていた。
【0024】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、反射型の光センサを用いて記録媒体の先端検出を行う場合に、記録媒体の種類や厚み如何に拘らず、当該記録媒体の頭出しを高精度に安定して行うことができる記録媒体の初期設定装置及び方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、反射型の光センサから成る検出器を用いて、その受光量に応じた検出電圧を、記録媒体のある状態と記録媒体の無い状態で1回ずつ検出し、両者の中間電位を以後の検出器の検出閾値として記録媒体の先端位置の検出を行って、該検出した先端位置を基準として、当該記録媒体を初期位置に設定するようにした。
【0026】
即ち、本発明の請求項1に係る画像記録装置では、副走査方向における所定の印刷位置において記録ヘッドを主走査させることにより、記録媒体上に1走査分の画像を記録し、主走査終了後前記副走査方向に前記記録媒体を搬送して副走査を行い、前記主走査及び前記副走査を順番に繰り返すことにより、1枚の記録媒体上に画像記録を行う画像記録装置において、該画像記録装置における前記副走査方向の最上流に設けられた給紙手段と、前記副走査方向における前記印刷位置の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、記録媒体を挟持しつつ搬送する第1及び第2の紙送りローラと第1及び第2の従動ローラとを含み、前記記録媒体を前記副走査方向における上流側及び下流側のいずれにも搬送可能に構成された搬送手段と、前記印刷位置の下流側に設けられた第2の紙送りローラと第2の従動ローラとの挟持点よりも、当該検出の光軸がより下流側に位置するように設けられ、該位置における対象物の反射光量に応じた電圧を出力し、デフォルトで当該検出電圧が所定の閾値(T0)を越えるか否かにより前記対象物を検出する光センサから成る検出手段と、前記検出手段による当該検出電圧の値を記憶しておく記憶手段と、前記記録媒体の先端部を前記検出手段が検出し得るよう前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向下流側に所定量だけ搬送し、該搬送位置における前記検出手段による検出電圧(T1)を前記記憶手段に記憶させると共に、前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向上流側に所定量だけ搬送し、該記録媒体が無い状態での前記検出手段による検出電圧(T2)を前記記憶手段に記憶させ、前記検出電圧(T1)と該検出電圧(T2)の平均値(T0Vp)を演算により求め、前記対象物の有無を検出するための所定の閾値を前記デフォルトの閾値(T0)から該求めた平均値(T0Vp)に変更した上で、前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向下流側に所定量だけ搬送し、前記検出手段による検出電圧が前記平均値(T0Vp)に達する点を基準として、前記記録媒体を初期位置に設定する搬送制御手段とを有することを特徴とする。
【0027】
これにより、記録媒体の種類や厚み如何に拘らず、当該記録媒体を精度良く安定して初期位置に設定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
図7は、本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタの構成例を斜め前方から見た斜視図、図8は、それを斜め後方から見た斜視図である。このインクジェット式プリンタは、本体101内にインクジェット式プリントヘッド100、図示しないキャリッジ機構、図示しないオートシートフィーダ(自動連続給紙機構)、手差し給紙機構及び本発明の特徴的な部分である記録用紙等の初期設定機構を含む紙送り機構が配設され、本体101の前面に排紙口102が設けられ、本体101の後面に手差し給紙口103が設けられている。さらに、本体101の後面の手差し給紙口103の上部には、オートシートフィーダ用のトレイ104が配設され、給紙口103の脇には記録媒体の厚みに応じてペーパーギャップを切替え、また従動ローラの紙送りローラに対するニップ点をレリースするためのアジャストレバー201が本体101から突き出すように配設されている。
【0030】
また、トレイ104に給紙される記録用紙は、例えば、オートシートフィーダにより自動的に送り出され、図示しない主動(紙送り)ローラと図示しない従動ローラのニップ点で挟持されて、更に、送り出され、排紙口102から排出されるようになっている。給紙口103に手差しで給紙される記録用紙は、同様に紙送りローラと従動ローラのニップ点で挟持されて送り出され、排紙口102から排出されるようになっている。
【0031】
トレイ104から給紙される記録用紙としては、普通紙、専用紙、推奨OHPシート、光沢紙、光沢フィルム、ラベルシート、官製葉書等が利用できる。手差しで給紙される記録用紙としては、上記各用紙の他に厚紙(ボード紙)、極厚紙(情報記録ディスク用トレイも含む)等の厚手のもの、すなわち折り曲げが困難なものを利用できる。
【0032】
アジャストレバー201は、本体101に直線状に設けられているスリット110に沿って図示矢印a方向に段階的にスライドし、ペーパーギャップの切替え及び従動ローラの紙送りローラに対するニップ点をレリース可能なようになっている。ここで、ペーパーギャップの切替えは、記録用紙の厚さに左右されずに印刷精度を常にほぼ一定の高精度に保つために、紙面とインクジェット式プリントヘッド100のノズル開口面との距離、すなわちペーパーギャップが常にほぼ一定になるようにインクジェット式プリントヘッド100を移動調整するものである。
【0033】
従動ローラのレリースは、記録用紙を紙送りローラと従動ローラとの間に挟持し、あるいは記録用紙を紙送りローラと従動ローラとの間から抜き出すために、従動ローラに圧力を印加して従動ローラを紙送りローラに押圧し、あるいは上記圧力を解放して従動ローラを紙送りローラから離間(レリース)するものである。これらの機構を多段階的に調整するアジャストレバー201は、図示矢印a方向に往復旋回可能であって、位置A、位置B、位置C、位置Dと段階的に位置決め可能になっている。ここで、アジャストレバー201が位置Aに位置決めされているときは、厚さが普通の記録用紙、すなわち普通紙等を使用する位置であり、位置Bに位置決めされているときは、厚さがやや厚手の記録用紙、すなわちボード紙等の厚紙を使用する位置であり、位置Cに位置決めされているときは、厚さがかなり厚手の記録用紙、すなわち情報記録ディスク用トレイも含む極厚紙を使用する位置であり、位置Dに位置決めされているときは、従動ローラ202が紙送りローラ203から離間(レリース)している位置である。
【0034】
図9に、図7及び図8に示したインクジェット式プリンタにおける本体101内の、手差し給紙機構を含む紙送り機構の全体像を示す。
【0035】
図9に示すように、この紙送り機構は、上述した本体101の後面側に設けられた手差し給紙口103と、この手差し給紙口103の上部に設けられたオートシートフィーダ(ASF)ユニット204と、手差し紙案内ステージ206と、オートシートフィーダ(ASF)ユニット204から普通紙等が給紙される場合は、図示のように、用紙排出側にやや傾斜しつつやや高くなっており、ボード紙等が手差し紙案内された場合には、図示矢印gで示す如く下方に沈みこんでフラットな給紙経路を確保する可動ステージ207と、上方を図示しない印字ヘッド(及びキャリッジ)が同図と直交する方向に往復動することで印刷を行う印刷ステージ140を備えている。
【0036】
また、この紙送り機構は、印刷ステージ140の上流側に設けられた紙送りローラ(主)151及びその従動ローラ171、印刷ステージ140の下流側に設けられた排紙ローラ(副)152及びその従動ローラである排紙ギザローラ172、これら排紙ローラ152及び排紙ギザローラ172の更に下流に設けられた排出ギザローラ213を有している。尚、可動ステージ207の上方には、上部紙案内板214も設けられ、この上部紙案内板214は、バネで下方に付勢されている。
【0037】
更に、この紙送り機構は、手差し給紙口103の下流側近傍に設けられた手差し検出器120と、上記した可動ステージ207の上部に設けられた用紙検出器121と、排紙ギザローラ172と排紙ローラ152のニップ点のやや下流側にその光軸を置くように設けられた先端検出器(光センサ)122から成る3つの検出器を有している。これらは、いずれも紙の有無を検出する2値のセンサであるが、手差し検出器120及び用紙検出器121は、それぞれ機械接点式スイッチであって、スイッチノブの先端が、それぞれ用紙経路内に突設して置かれ、用紙がその下を通過することによりノブが跳ね上げられて接点が導通し、用紙の存在を検知するようになっている。これに対し、先端検出器122は、従来例に関して述べたのと略同様の反射型の光センサである。
【0038】
図10は、本発明が適用されるべき用紙送り機構を有するインクジェットプリンタの制御部と用紙経路との関係を表す図である。
【0039】
プリンタ1では、その各部を統轄制御するため、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)16、ROM(Read Only Memory:読出し専用記憶素子)17、主記憶装置として働くRAM18(Random Access Memory:読み書き可能記憶素子)とがバスを介して接続され、コンピュータ構成の制御機構であるプリントコントローラ10(図1において、1点鎖線で囲んで表している)を成している。
【0040】
ホストコンピュータ2から送られてきた印刷命令データは、インタフェース装置19からバスをを介して、プリントコントローラ10に伝えられる。プリントコントローラ10は、実際にインクを吐出させて印刷動作を行なうプリントヘッド100を制御するとともに、印刷動作時の用紙送りにかかわる用紙送りモータ112や、オートシートフィーダ(ASF)ユニット204から、カットシート45を用紙経路5内に送り込むためのASFモータ111の駆動制御等を行なう。
【0041】
用紙経路5には、印刷動作中の用紙送りを行なうための上述した2つのローラ、即ち、紙送りローラ(主)151と排紙ローラ(副)152とが設けられている。これら紙送りローラ(主)151と排紙ローラ(副)152は、用紙送りモータ112により駆動され、図示しない歯車等を介して、同期して回転するようになっている。また、紙送りローラ(主)151、排紙ローラ(副)152の上部には、それぞれ複数の上述した従動ローラ171、排紙ギザローラ172が取り付けられて、図示しないバネ機構によって紙送りローラ(主)151、排紙ローラ(副)152、それぞれの側に付勢されている。そして、これら複数の従動ローラ171、排紙ギザローラ172と紙送りローラ(主)151、排紙ローラ(副)152とで、記録用紙を挟み込んで、用紙経路5内を移動させる。
尚、図10においては、排紙ギザローラ172を簡略化し、通常の従動ローラと同様に描いている。また、紙送りローラ(主)151と排紙ローラ(副)152間に配置される印刷ステージ140の上部空間には、図示しないガイドレールに支持されて、印刷時における主走査方向に移動可能なキャリッジ13が配置されている。
【0042】
以下、本実施形態の記録媒体の初期設定方法について、図11〜図12の説明図及び図13〜図15のフローチャートをも参照しつつ説明する。
【0043】
さて、厚紙(ボード紙)又はCDRトレイに装着したCDRの印刷をしようとするユーザは、まず、上記のアジャストレバー201を位置Dにセットすることで従動ローラ171を紙送りローラ151から離間(レリース)させる。この状態で、手差し給紙口103から厚紙(ボード紙)又はCDRトレイを挿入する。次に、ユーザは、上記のアジャストレバー201を、厚紙(ボード紙)の場合は位置Bまで戻し、CDRトレイの場合は位置Cまで戻す。
【0044】
続いて、パネルスイッチ部20(図10参照)の給紙ボタン(図示せず)を押す。尚、上述したアジャストレバー201を位置Dにしたまま(即ち、位置B又は位置Cまで戻さない)で、この給紙ボタンを押した場合には、エラーとなり、エラー表示用のランプ106(図7参照)が点滅する。
【0045】
さて、上記のように、アジャストレバー201を位置B又は位置Cまで戻してパネルスイッチ部20の給紙ボタン(図示せず)を押すことにより、本実施形態の頭出しシーケンスが実行される。ここでは、厚紙(ボード紙)を手差し給紙した場合を例にして、説明する。
【0046】
本実施形態の特徴は、手差し給紙された記録媒体に対し、2度の先端検出を行ってから、その頭出しを設定する点にある。或いは、紙のある状態と紙の無い状態を両方1回ずつ検出し、両者の中間電位を以後の検出器の検出閾値とする。以下、順を追って説明する。
【0047】
本実施形態の頭出しシーケンスでは、予め、先端検出器122のデフォルトの紙有りとする検出値(閾値)T0を、紙等を略絶対に検出できる低目の値に設定しておく。
この状態で、まず、図11(a)に示すように、ボード紙45´を先端検出器122の中心よりも、例えば、100駆動ステップ分下流側まで送り出し、この時点での先端検出器122の検出値T1をRAM等に記憶する。尚、ここで「100駆動ステップ分」とは、ボード紙45´の先端部における乱反射、更には、フォトダイオード等の検出素子や検出回路の遅れによる影響を受けない範囲まで紙送りした位置の一例であり、「100駆動ステップ分」でなくても、乱反射や素子及び検出回路の遅れの影響がない位置まで下流側に送り出せれば良い。
【0048】
次に、図11(b)に示すように、ボード紙45´を先端検出器122の中心よりも100駆動ステップ分上流側まで引き戻し、このボード紙45´が無い状態での先端検出器122の検出値T2をRAM等に記憶する。尚、ここにいう「100駆動ステップ分」も、ボード紙45´の先端部における乱反射、更には、フォトダイオード等の検出素子や検出回路の遅れによる影響を受けない範囲まで引き戻した位置の一例であり、「100駆動ステップ分」でなくても、乱反射や素子及び検出回路の遅れの影響がない位置まで上流側に引き戻せれば良い。
【0049】
続いて、図12(a)に示すように、T1とT2に記憶された各検出値の平均値TopV=(T1+T2)/2を演算により求め、先端検出器122の紙有りとする検出値(閾値)を上記デフォルトのT0から、この平均値TopVに変更(更生)する処理を行う。即ち、上記図11(a)及び(b)は、先端検出のために、先端検出器122の更正用の値をとる動作と言える。
【0050】
次に、図12(b)に示すように、先端検出器122がTopVで紙有りを検出してから、ボード紙45´を先端検出器122の中心よりも100駆動ステップ分下流側まで送り出す。そして、ここで、原点への頭出しのために、PFカウンタのイニシャルの値[+960]が設定される。
【0051】
尚、本発明の記録媒体の初期設定方法が適用される本実施形態のプリンタでは、続いて、厚紙シークのシーケンスを実行する。この厚紙シークのシーケンスとは、本実施形態のプリンタでは、前述したように、記録媒体の種類(厚み)に応じてPG(ペーパーギャップ)を3段階に調整し得るが、例えばCDRトレイ等の極厚の記録媒体を手差し供給したにも拘らず、ユーザが誤ってアジャストレバー201を上述した位置Aに設定してしまうと、PG(ペーパーギャップ)は普通紙を前提とした小さい間隔に設定されるので、これを無視して通常の印刷の速度でキャリッジを主走査すると、キャリッジがCDRトレイに衝突する等して機器が破壊される不具合を生じてしまう。そこで、キャリッジを記録領域の略中央部に低速で移動する際に、移動停止位置又は駆動電流値で判定した結果、厚紙と判断された場合には、PGを拡げるように通知するシーケンスである。詳しい内容は、ここでは、省略する。
【0052】
図12(c)は、図12(b)の状態から原点への頭出しが完了するまでの様子を示す図である。上述したように、PFカウンタに+960の値をセットしておきながら、図12(c)に示すように、逆転方向に、駆動ステップ1060ステップだけ駆動するのは、、基準位置(原点)よりも100ステップだけ後退させ、その後、後述するように、100ステップだけ前進させて基準位置(原点)にセットすることで、ギアのバックラッシ取りをするためである。
【0053】
そして、PFカウンタ0ステップに(100ステップ)なるまで前進させることにより、ボード紙は原点に頭出しされる。
【0054】
さて、ユーザが、図13に示すように、上述したようにボード紙を給紙し(S1)、給紙ボタンを押すと、まず、用紙検出器121によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S2)。用紙検出器121によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S2でNo)、エラー処理(ERROR1)が実行される。ユーザが手差し給紙口103からボード紙を挿入したにも拘らず、用紙検出器121がボード紙を検出していないのは、何らかのエラーが考えられるからである。
【0055】
即ち、図14に示すように、今度は、手差し検出器120によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S111)。手差し検出器120によりボード紙が検出された[紙あり]場合には(S111でYes)、手差し検出器120と用紙検出器121との間で紙ジャム等が生じたことが考えられるので、エラー処理がなされ(S112)、RETURNとなる。手差し検出器120によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S111でNo)、ユーザが手差し給紙口103からボード紙を挿入したにも拘らず、用紙検出器121と手差し検出器120の双方がボード紙を検出していないので、非常に短い紙であることが考えられる。更に、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S113)。
先端検出器122によりボード紙が検出された[紙あり]場合には(S113でYes)、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモータ112を回転させ(S114)、そこでPFローラを停止して、再び、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S115)。先端検出器122によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S115でNo)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。先端検出があった場合は(S115でYes)、紙ジャム等が生じたものとしてエラー処理がなされ(S116)、RETURNとなる。この場合、ユーザは紙ジャム等を生じた用紙を取り除いて再度印刷を試みれば良い。
【0056】
再び、図13を参照して、以上のエラー処理(ERROR1)と異なり、S2において、用紙検出器121によりボード紙が検出された[紙あり]場合には(S2でYes)、図10に示すように、続いて、手差し検出器120によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S3)。手差し検出器120によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S3でNo)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。手差し検出器120によりボード紙が検出された[紙あり]場合には(S3でYes)、更に、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S4)。先端検出器122によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S4でNo)、PFローラ[ここでは、紙送りローラ(主)151と排紙ローラ(副)152を併せてPFローラと呼ぶ](用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま先端検出器122により先端検出を監視しながら、最低速で回転させ、先端検出がそのままない場合には、駆動ステップ最大2160ステップまで用紙送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止する。
また、先端検出を監視中に先端検出器122が紙有りを検出した場合は、それから100ステップ進めた所でPFローラを停止する(S5)。駆動ステップ2160ステップというのは、図11(a)に示す紙送りローラ(主)151と従動ローラ171のニップ点NP1から先端検出器122の検出点DTまでの距離が駆動ステップで2160ステップ以下になるように設計されている。従って、NP1からDTまで紙送りしても、紙がDTまで到達しない場合には、エラー処理とするのが好ましいからである。
尚、S4において先端検出器122によりボード紙が検出された[紙あり]場合には(S4でYes)、ユーザが挿入しただけで、先端検出器122の検出点DTの先までボード紙が到達したことになるので、図11(a)に示す状態は達成されているから、紙送りをすることなく(S5とS6をスキップ)、S8に行く。尚、S5において、先端検出を監視中に先端検出器122が紙有りを検出した場合は、それから100ステップ進めた所でPFローラを停止するのは、この紙送りで、同様に図11(a)に示す状態が達成されたからである。
一方、先端検出器122の検出点DTから駆動ステップ2160ステップまで用紙送りモータ112を回転させても先端検出がない場合は(S6でNo)、先端検出器122の不良と判断し、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止して(S7)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。尚、駆動ステップ17000ステップは、A4の大きさの用紙を紙搬送下流方向にはき出し可能な用紙送り量である。即ち、先端検出器122の不良として、エラー処理に移行し、用紙を排出させる。
【0057】
一方、先端検出があった場合は(S6でYes)、先端検出器122の検出値を、例えば、RAM18上に設けられた第1の記憶領域(T1)に記憶する(S8)。続いて、用紙検出器121によりボード紙が検出されたか否かを判断し(S9)、用紙検出器121によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S9でNo)、あまりにも短い紙であるとして用紙を排出させる。この状態で、その後の頭出しのシーケンス実行のため、例えば、その短いボード紙等を上流側に戻すと、用紙検出器121や手差し検出器120は機械式の接点スイッチであり、図9に示したように、下流側に傾斜した状態で設置されていることから、これらの破壊を生じかねないからである。
そこで、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモータ112を回転させ(S10)、そこでPFローラを停止する。ここで、再び、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S11)。先端検出器122によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S11でNo)、17000ステップ駆動したことにより、上記短い紙をうまく排出できたと考えられるので、元のシーケンス(本シーケンスではない)に復帰できるよう、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。先端検出があった場合は(S11でYes)、17000ステップ駆動した間に上記短い紙が紙ジャム等を生じたものとしてエラー処理がなされ(S13)、RETURNとなる。
【0058】
一方、S9において用紙検出器121によりボード紙が検出された[紙有り]場合には(S9でYes)、PFローラ(用紙送りモータ112)逆転方向に、先端検出を監視しながら、最低速で回転させ、駆動ステップ最大で2160ステップか、先端検出器122が「紙無し」から100ステップまで用紙送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止させる(S14)。この後、更に、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S15)。先端検出があった場合は(S15でYes)、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモータ112を回転させ(S16)、そこでPFローラを停止して、再び、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S17)。先端検出器122によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S17でNo)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。先端検出があった場合は(S17でYes)、紙ジャム等が生じたものとしてエラー処理がなされ(S18)、RETURNとなる。
【0059】
一方、S15において先端検出が無い場合は(S15でNo)、先端検出器122の検出値を、例えば、RAM18上に設けられた第2の記憶領域(T2)に記憶する(S19)。
【0060】
本実施形態では、ここで、上記したT1とT2に記憶しておいた検出値の平均値TopV=(T1+T2)/2を演算により求め、以後、この平均値TopVを先端検出器122の紙有りとする検出値(閾値)とする(S20)。このように、T1とT2にそれぞれ記憶した検出値の平均値を演算により求め、以後、紙有りとする検出値(閾値)をこの平均値とするように、いわば先端検出器122の更生を行うのが特徴である。
【0061】
そして、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、先端検出を監視しながら、最低速で回転させ、駆動ステップ最大で2160ステップか、先端検出器122が「紙有り(TopVで検出した紙有り)」から100ステップまで用紙送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止させる。また、PFカウンタに+960の値をセットする(S21)。これにより、ボード紙の紙送り状態は、図11(a)と同じ状態になるが、図11(a)では、先端検出器122の紙有りとする検出値(閾値)は、紙等を略絶対に検出できる低目の値であるデフォルトの検出値(閾値)T0として検出したのが、図12(b)では、TopVで紙有りを検出している点が相違する。駆動ステップ最大で2160ステップか、先端検出器122が「紙有り」から100ステップまでとするのは、S5で述べたのと同様に、図12(b)に示す状態が達成されれば良いからである。ここで、初めて頭出しの基準位置(原点)に送るために、PFカウンタを+960の値にセットする。
【0062】
この後、図15に示すように、更に、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S22)。先端検出がない場合は(S22でNo)、先端検出器122の不良と判断し、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止して(S23)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。先端検出があった場合は(S22でYes)、続いて、用紙検出器121によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S24)。用紙検出器121によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S24でNo)、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止して(S25)、再び、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S26)。
先端検出器122によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S26でNo)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。先端検出があった場合は(S26でYes)、紙ジャム等が生じたものとしてエラー処理がなされ(S27)、RETURNとなる。一方、S24において用紙検出器121によりボード紙が検出された[紙有り]場合には(S24でYes)、前述した厚紙シークのシーケンスが実行される(S300)。その後、PFローラ(用紙送りモータ112)逆転方向に、最低速で回転させ、駆動ステップ1060ステップだけ駆動する(S31)。上述したように、S21でPFカウンタに+960の値をセットしておき、ここで、逆転方向に、駆動ステップ1060ステップだけ駆動するのは、図12(c)に示すように、基準位置(原点)よりも100ステップだけ後退させ、その後、後述するように、100ステップだけ前進させて基準位置(原点)にセットすることで、ギアのバックラッシ取りをするためである。
【0063】
そして、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向に、最低速で回転させ、駆動ステップは、PFカウンタ0ステップに(100ステップ)なるまで駆動する(S32)。これにより、ボード紙は原点に頭出しされる。これにより、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。
【0064】
以上のように、本実施形態では、3つの検出器で記録媒体の搬送状態を監視しつつ、正常な動作が疑われるような場合に、適宜、媒体の排出やエラー処理に移行するので、記録媒体の効率的な頭出しが実行される。また、記録媒体のある状態と無い状態を両方検出し、両者の中間電位を以後の検出器の検出値とすることで、先端検出を高精度に安定して行える。即ち、記録媒体のある状態と無い状態との中間電位を基準にするので、図6に示したように、例えば、高反射率の用紙や厚手の用紙(図6中、点線で表す)の用紙あり(のみ)の電圧値(V1´)と用紙なしの電圧値(Vn)との平均値(V0´)、低反射率の用紙や薄手の用紙(図6中、一点鎖線で表す)の用紙あり(のみ)の電圧値(V1´´)と用紙なしの電圧値(Vn)との平均値(V0´´)は、それぞれ、反射率や厚みが平均的な用紙(図6中、実線で表す)の用紙あり(のみ)の電圧値(V1)と用紙なしの電圧値(Vn)との平均値(V0)に近い値となり、略同様の紙送りのためのカウント数(C0)を取ることができる。従って、記録媒体の反射率や厚みが異なる場合でも、略同様の初期位置を基準に頭出し可能となることから、記録媒体の反射率や厚み如何に拘らず高精度な頭出しを安定して行うことができる。
【0065】
尚、上記実施形態の変形例として、検出時の送り速度と送り量を変化させることも考えられる。即ち、図11(a)及び(b)に示した先端検出器122の検出値T1及びT2を検出するための紙送りは、比較的速い速度で行い、T1とT2各検出値の平均値TopVにより頭出し位置を決定するための紙送りは、比較的遅い速度で行うようにすることが考えられる。この変形例では、全体の頭出し決定シーケンスの処理速度がより速くなるという利点がある。また、平均値TopVにより頭出し位置を決定するための紙送りは精度を優先して比較的遅い速度で行うことで、高精度な頭出しを安定して行うことができる点は損なわれない。
【0066】
また、検出方向と検出値の計算方法は、上述したものに限られない。例えば、素子や検出回路によっては、電圧変化の特性が用紙有りから用紙無し(電圧が高から低)と用紙無しから用紙有り(電圧が低から高)とで方向性が見られる場合がある。このような場合には、例えば、変化の特性がより安定している方や変化率がより大きい方で検出するようにすれば良い。更に、上述した実施形態では、T1とT2各検出値の単純平均により平均値TopVを求めたが、例えば、加重平均(例えば、電圧が高から低が有利な場合、高を2倍、即ち、高を×2で低を×1で計算する等)により平均値TopVを求め、頭出しのための検出値を決定しても良い。即ち、図6に示したように、用紙有り(のみ)の電圧と用紙無しの電圧との単純平均値(V0)ではなく、例えば、電圧が高から低が有利な場合には、高を2倍、即ち、高を×2で低を×1で計算する等により、高電圧側にオフセットした既定(基準)電圧を定め、それにより初期位置に頭出しするための基準ステップ数(C0)を求めるようにしても良い。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、反射型の光センサから成る検出器を用いて、その受光量に応じた検出電圧を、記録媒体のある状態と記録媒体の無い状態で1回ずつ検出し、両者の中間電位を以後の検出器の検出閾値として記録媒体の先端位置の検出を行うので、先端検出を高精度に安定して行える。また、該検出した先端位置を基準として、当該記録媒体を初期位置に設定するようにしたので、記録媒体の種類や厚み如何に拘らず高精度な初期位置への設定、いわゆる頭出しを、安定して行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光センサの構成を説明するための図。
【図2】従来の用紙を移動させた場合の、光センサの電圧変化について説明する図。
【図3】図2において表される電圧変化と、用紙の位置との相関関係について説明するための図であって、図3(a)は電圧Vn対応し、図3(b)は電圧V1に対応する状態をそれぞれ表す。
【図4】ディスクトレイの端部に光が当たって乱反射する様子を表す図。
【図5】図4におけるディスクトレイを移動させた場合の出力電圧の変化を表す図。
【図6】同一サイズで反射率の異なる用紙(記録媒体)を移動させた場合の出力電圧の変化を表す図。
【図7】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタの構成例を斜め前方から見た斜視図。
【図8】 本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタの構成例を斜め後方から見た斜視図。
【図9】 図7及び図8に示したインクジェット式プリンタにおける本体101内の、手差し給紙機構を含む紙送り機構の全体像を示す図。
【図10】 図7及び図8に示したインクジェット式プリンタにおける手差し給紙機構を含む紙送り機構及びその制御を行うプリンタコントローラが有する機能の内容を説明するためのブロック図。
【図11】反射型の光センサから成る検出器を用いて、その受光量に応じた検出電圧を、記録媒体のある状態と無い状態で1回ずつ検出する方法を示す図であり、(a)は記録媒体のある状態、(b)は記録媒体の無い状態を示す。
【図12】反射型の光センサから成る検出器の検出値の変更方法を説明すると共に、該変更した検出値を用いて記録媒体の先端を検出し、その後の頭だし動作の内容を説明する図であり、(a)は検出値の変更方法を説明する図、記録媒体のある状態、(b)は変更した検出値を用いて記録媒体の先端を検出した状態を示す図、(c)はその後の頭だし動作の内容を説明する図。
【図13】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタにおける頭出しシーケンスの内容を表すフローチャート。
【図14】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタにおける頭出しシーケンスの内容を表すフローチャート。
【図15】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタにおける頭出しシーケンスの内容を表すフローチャート。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 ホストコンピュータ
16 CPU
17 ROM
18 RAM
112 用紙送りモータ
122 光センサ
10 プリントコントローラ
151 紙送りローラ(主)
152 排紙ローラ(副)
171 従動ローラ
172 排紙ギザローラ
Claims (7)
- 副走査方向における所定の印刷位置において記録ヘッドを主走査させることにより、記録媒体上に1走査分の画像を記録し、主走査終了後前記副走査方向に前記記録媒体を搬送して副走査を行い、前記主走査及び前記副走査を順番に繰り返すことにより、1枚の記録媒体上に画像記録を行う画像記録装置において、
該画像記録装置における前記副走査方向の最上流に設けられた給紙手段と、
前記副走査方向における前記印刷位置の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、記録媒体を挟持しつつ搬送する第1及び第2の紙送りローラと第1及び第2の従動ローラとを含み、前記記録媒体を前記副走査方向における上流側及び下流側のいずれにも搬送可能に構成された搬送手段と、
前記印刷位置の下流側に設けられた第2の紙送りローラと第2の従動ローラとの挟持点よりも、当該検出の光軸がより下流側に位置するように設けられ、該位置における対象物の反射光量に応じた電圧を出力し、デフォルトで当該検出電圧が所定の閾値(T0)を越えるか否かにより前記対象物を検出する光センサから成る検出手段と、
前記検出手段による当該検出電圧の値を記憶しておく記憶手段と、
前記記録媒体の先端部を前記検出手段が検出し得るよう前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向下流側に所定量だけ搬送し、該搬送位置における前記検出手段による検出電圧(T1)を前記記憶手段に記憶させると共に、前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向上流側に所定量だけ搬送し、該記録媒体が無い状態での前記検出手段による検出電圧(T2)を前記記憶手段に記憶させ、前記検出電圧(T1)と該検出電圧(T2)の平均値(T0Vp)を演算により求め、前記対象物の有無を検出するための所定の閾値を前記デフォルトの閾値(T0)から該求めた平均値(T0Vp)に変更した上で、前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向下流側に所定量だけ搬送し、前記検出手段による検出電圧が前記平均値(T0Vp)に達する点を基準として、前記記録媒体を初期位置に設定する搬送制御手段とを有することを特徴とする画像記録装置。 - 請求項1記載の画像記録装置において、更に、前記印刷位置の上流側に設けられた第1の紙送りローラと第1の従動ローラとの挟持点よりも、より上流側に位置するように設けられ、該位置における前記記録媒体の有無を検出する第2の検出手段と、前記副走査方向における前記第2の検出手段と前記給紙手段との間に設けられ該位置における前記記録媒体の有無を検出する第3の検出手段とを有することを特徴とする画像記録装置。
- 記録媒体を搬送経路の上流側及び下流側のいずれにも搬送可能に構成された搬送機構と、光センサと、記憶手段と、演算手段とを有する記録媒体の初期設定装置において、前記光センサは、対象物に応じて出力電圧を変化させるものであり、
前記記憶手段には、予め定められた既定電圧値が格納されており、
前記搬送手段は、搬送実行中において、前記光センサの出力電圧値が前記既定電圧値を超えた時点から、所定距離だけ搬送を行なうことにより、前記光センサの対象物を前記記録媒体のみである状態とし、
前記記憶手段は、当該状態における前記光センサの出力電圧値を、第1の測定値として記憶し、
前記搬送手段は、更に、前記記録媒体を前記搬送経路の下流側に逆送させ、前記光センサの検出範囲から前記記録媒体を取り除いた状態とし、
前記記憶手段は、当該状態における前記光センサの出力電圧値を、第2の測定値として記憶し、
前記演算手段は、前記第1及び第2の測定値の平均値を演算によって求め、
前記搬送手段は、前記記録媒体を前記搬送経路の上流側に搬送させ、前記光センサの出力電圧値が、前記演算により求められた平均値となった位置を基準として、前記記録媒体を所定量だけ搬送し、該記録媒体の初期設定を行うことを特徴とする記録媒体の初期設定装置。 - 請求項3記載の初期設定装置において、前記光センサは、発光素子と受光素子とをそなえ、前記発光素子から発せられた光が対象物に反射して得られる反射光を前記受光素子で捉えることにより、対象物の存否を検出するように構成されてなることを特徴とする初期設定装置。
- 請求項4記載の初期設定装置を備え、光ディスクを装着したディスクトレイを、前記搬送手段によって、画像記録装置の用紙経路内において移動させることを可能に構成されていることを特徴とする画像記録装置。
- 記録媒体を搬送経路の上流側及び下流側のいずれにも搬送可能に構成された搬送機構と、光センサと、記憶手段と、演算手段とを有し、前記光センサは、対象物に応じて出力電圧を変化させるものである装置において、前記記録媒体を初期位置に設定する記録媒体の初期設定方法であって、
前記搬送機構により、前記記録媒体を、前記光センサの出力が既定の値を超えてからも、継続して所定の距離だけ前進させるステップと、
前記光センサの出力電圧の値を、第1の測定値として、前記メモりに記憶させるステップと、
前記搬送機構により前記記録媒体を搬送経路の上流側に逆送させ、前記光センサの検出範囲に前記記録媒体が存在しないように前記記録媒体を後退させるステップと、
前記光センサの検出範囲に前記記録媒体が存在しない状態で前記光センサの出力電圧の値を、第2の測定値として、前記メモりに記憶させるステップと、
前記第1及び第2の測定値の平均値を演算するステップと、
前記搬送機構により、再び前記記録媒体を前進させるステップと、
前記光センサの出力電圧値が、前記平均値に達した位置を基準点として、前記記録媒体を初期位置に設定するステップとを有することを特徴とする記録媒体の初期設定方法。 - プログラム及びデータを格納可能なメモリを備え、プロセッサを用いてプログラムに従う処理を実行するコンピュータに、
光センサを備え、モータを動作させることにより用紙送りを行なうプリンタを、制御するためのプログラムを記録した記憶媒体であって、
前記モータにより、印刷用紙を、前記光センサの出力が既定の値を超えてからも、継続して所定の距離だけ前進させる処理と、
前記光センサの出力電圧の値を、第1の測定値として、前記メモりに記憶させる処理と、
前記モータを逆転動作させ、前記印刷用紙を搬送経路の上流側に逆送させ、前記光センサの検出範囲に前記印刷用紙が存在しないように前記印刷用紙を後退させる処理と、
前記光センサの出力電圧の値を、第2の測定値として、前記メモりに記憶させる処理と、
前記第1及び第2の測定値の平均値を求める演算処理と、
前記モータにより、再度印刷用紙を前進させる処理と、
前記光センサの出力電圧値が、前記平均値に達した位置を基準点として、前記記録媒体を初期位置に設定する処理とを前記プリンタに実行させるプログラムを記録したことを特徴とする前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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