JP2002192780A - 画像記録装置、記録媒体の初期設定装置及び方法 - Google Patents

画像記録装置、記録媒体の初期設定装置及び方法

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JP2002192780A JP2001321127A JP2001321127A JP2002192780A JP 2002192780 A JP2002192780 A JP 2002192780A JP 2001321127 A JP2001321127 A JP 2001321127A JP 2001321127 A JP2001321127 A JP 2001321127A JP 2002192780 A JP2002192780 A JP 2002192780A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射型の光センサを用いて記録媒体の先端検出
を行う場合に、記録媒体の種類如何に拘らず、当該記録
媒体の頭出しを高精度に安定して行うことができる記録
媒体の初期設定装置及び方法を提供すること。 【解決手段】反射型の光センサから成る先端検出器12
2を用いて、その受光量に応じた検出電圧を、ボード紙
のある状態と無い状態で1回ずつ検出し、両者の中間電
位を以後の先端検出器122の検出閾値としてボード紙
の先端位置の検出を行うので、先端検出を高精度に安定
して行える。また、該検出した先端位置を基準として、
当該ボード紙を初期位置に設定するようにしたので、記
録媒体の種類や厚み如何に拘らず高精度な初期位置への
設定、いわゆる頭出しを、安定して行うことが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、画像記録装置に
おける手差し口より供給された記録媒体を記録開始のた
めの初期位置に設定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェット式プリンタは、
記録媒体である、例えば、紙をオートシートフィーダ
(自動連続給紙機構)あるいは手差し口より供給して、
主動(紙送り)ローラと従動ローラとの間に挟み込む。
そして、紙送りローラを回転させて紙を送り出しなが
ら、プリントヘッドの圧力発生室内のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させることにより、画像
情報を紙上に印刷する。
【0003】このようなプリンタの用紙送り機構では、
印刷開始位置にまで用紙を導く(いわゆる用紙の頭出
し)作業が一度行なわれると、後はその位置を基準とし
て印刷動作が実行されるため、用紙の頭出し作業は、非
常に精度高く行なわれる必要がある。
【0004】従来例では、検出対象物である記録用紙の
有無に応じて出力電圧を変化させる受光素子を用いて、
その出力電圧値が単に既定値を超えたことをもって、用
紙送りを停止させ、用紙の頭出しとしていた。
【0005】図1は、用紙の精密な頭出しを行なう際
に、よく用いられる光センサ素子の構成を表したもので
ある。光センサ122の底面には逆V字型の切れ込みが
設けられており、その各々の面には発光ダイオード12
3と、フォトダイオード124とが対向して備えられて
いる。発光ダイオード123から発せられた光は、記録
用紙45に当たって反射し、フォトダイオード124に
入射される。
【0006】図2には、記録用紙45が、図1における
左方向へ紙送りされた際における、フォトダイオード1
24の出力電圧の変化の様子を表したグラフが描かれて
いる。グラフは、縦軸に電圧の値を、横軸に光エンコー
ダなどによってカウントされる用紙の移動量を、それぞ
れ表している。
【0007】図3は、図2のグラフにおける用紙なしの
状態と、用紙のみの状態について説明するための図であ
って、図3(a)には記録用紙45が光センサ122の
近傍に送られてくる以前の状態、すなわち、光センサ1
22が、用紙経路の構成部材(例えば用紙案内板や用紙
送りローラ)のみからの反射光を測定している状態を表
している。一方、図3(b)は、用紙送りが進んで、光
センサ122の下に完全に用紙が配されて、フォトダイ
オード124が用紙のみからの反射光を受けている状態
を表している。
【0008】記録用紙45の先端が光センサ122の検
出範囲内に入ってくると、フォトダイオード124の出
力電圧は急峻に立ち上がり、概ね図1に示したような位
置で、図2において破線で表す既定電圧値を超える。そ
のときのカウント値はC0として表されている。
【0009】但し、ここでは正確な位置検出を行なうこ
とはできない。プリンタに装てんされている用紙の種類
によって、いつフォトダイオード124の出力が既定電
圧値を超えるか分からないからである。即ち、この方式
では、上質サラ紙やインクジェット専用紙等の極めて明
度の高い用紙を用いた場合と、長期保存に適した中性紙
や、テスト印刷に用いたりすることのあるザラ紙のよう
に明度の低い用紙とで、同じ扱いをすることができなか
った。
【0010】また、従来のインクジェットプリンタで扱
うことができた記録用紙は、普通紙や高品質カラー印刷
用専用紙等の薄紙と、台紙から剥離可能な粘着シール等
で構成されるラベル用紙等のやや厚手の厚紙であった。
従って、用紙種別による明度のバラツキといっても、従
来は、それ程大きなものではなかった。
【0011】ところが、最近では、いわゆるボード紙に
フルカラー印刷を行う等、従来の厚紙よりも更に厚みが
大きい記録用紙も用いられるようになった。
【0012】一方、CD−R(Compact Disk Recordabl
e)やCD−RW(Compact Disk ReWritable)といった
書き込み可能な光ディスク記録メディアが、個人ユース
に用いられるまでに普及してきている。従来は、これら
光ディスクに対しても、薄手のシートに印刷したものを
貼り付けるという手法で、ラベリングが行なわれてい
た。これに対し、上記のような光ディスク表面に直接印
刷することができれば、ラベル剥離の問題もなくなり、
便利である。そこで、このような光ディスクに直接印刷
を行なうことができるインクジェットプリンタが開発さ
れるに至っている。
【0013】このような光ディスクに対する直接印刷を
可能とするためには、光ディスクを嵌め込むことが可能
な形に成形された、ポリプロピレン製のディスクトレイ
を用いる。このディスクトレイは、2.5mm程の厚さ
を有するものである。
【0014】以上のように、ボード紙や、光ディスクを
装着したディスクトレイをプリンタの用紙送り機構に供
給し、印刷を行うニーズが生じており、かかる記録媒体
に印刷を行う場合には、上述したオートシートフィーダ
(自動連続給紙機構)ではなく、手差し口より手差し供
給するのが適している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
記録媒体を手差し口よりプリンタの用紙送り機構に供給
した場合には、その厚み故に、従来における用紙の頭出
しの場合とは異なる問題を発生させることとなった。
【0016】例えば、上述のように図1乃至図3を用い
て説明したと同様な検出機構に、前述の光ディスクを装
着したディスクトレイを送り込んだ場合には、上記とは
事情が異なる。図4は、光センサ122と、ディスクト
レイ46との関係を表している。一般の記録用紙45に
比して、ディスクトレイ46は厚みが大きいために、発
光ダイオード123から発せられた光はディスクトレイ
46の側面にも当たることとなる。また、ディスクトレ
イの上部が面取りされている等のことにも影響を受け
て、発光ダイオードから発射された光は、用紙経路内の
様々な構成部品に対する反射を繰り返して、乱反射を生
じてしまう。従って、フォトダイオード124の出力電
圧の変化も、図2の場合とは異なる。
【0017】図5には、ディスクトレイ46を用紙送り
した場合の、フォトダイオード124の出力電圧の変化
の様子を表したグラフが描かれている。ディスクトレイ
46による乱反射のために、電圧の立ち上がりはやや緩
やかなものとなるとともに、変化が曲線的なものとなっ
ていることが見て取れる。
【0018】このように、例えば、光ディスクを装着し
たディスクトレイ等をプリンタの用紙送り機構に手差し
供給した場合には、光センサの出力電圧値が、上述した
従来例のように、ただ単に予め定めた閾値を超えたこと
をもって、用仕送りを停止させ、用紙の頭出しとするの
では、その頭出しを精度良く、且つ安定して行うことは
困難である。
【0019】一方、図6には、上述した図1乃至図3を
用いて説明したと同様な検出機構に同一サイズで反射率
の異なる用紙(記録媒体)を紙送りした場合の、フォト
ダイオード124の出力電圧の変化の様子を表したグラ
フが描かれている。尚、図中、実線は高反射率と低反射
率の間の反射率が平均的な用紙、点線は高反射率の用
紙、一点鎖線は低反射率の用紙、それぞれの出力電圧の
変化を表す。
【0020】図6から明らかなように、用紙無しの出力
電圧は同じであり、紙送りが進むにつれて用紙の反射率
が高いものほどフォトダイオード124の出力電圧も高
くなる。このような検出特性を示す高反射率の用紙に
は、CDRトレイに貼付した銀紙や光沢紙等、真っ白や
反射色の用紙、更には、表面が平滑な用紙がある。ま
た、反射率が平均的な用紙には、コピー用紙や上質紙等
がある。一方、低反射率の用紙には、再生紙やわらばん
紙等、色付きの用紙、更には、表面がざらついている用
紙がある。
【0021】尚、同一サイズで厚みの異なる用紙(記録
媒体)を紙送りした場合の、フォトダイオード124の
出力電圧は、用紙が厚いものほど高めになり、図6に示
した反射率が平均的な用紙、高反射率の用紙、低反射率
の用紙をそれぞれ、厚みが平均的な用紙、厚みが大きい
(厚手の)用紙、厚みが小さい(薄手の)用紙と読み替
えることが可能である。これは、反射されて受光される
までの光の経路が短くなることと、光の分散(減衰)も
小さくなるためと考えられる。
【0022】以上のように、同じサイズの用紙であって
も反射率の異なる用紙や厚みの異なる用紙では、プリン
タの用紙送り機構に供給した場合には、光センサの出力
電圧値が違ってくるので、やはり上述した従来例のよう
に、ただ単に予め定めた閾値を超えたことをもって、用
仕送りを停止させ、用紙の頭出しとするのでは、その頭
出しを精度良く、且つ安定して行うことは極めて困難で
ある。
【0023】そこで、以上のような反射型の光センサを
用いて記録媒体の先端検出を行う場合に、記録媒体の種
類や厚み如何に拘らず、当該記録媒体の上述した頭出し
を精度良く安定して行うことができる制御技術の開発が
望まれていた。
【0024】本発明は、上記のような課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は、反射型の光センサを用いて
記録媒体の先端検出を行う場合に、記録媒体の種類や厚
み如何に拘らず、当該記録媒体の頭出しを高精度に安定
して行うことができる記録媒体の初期設定装置及び方法
を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、反射型の光センサから成る検出器を用いて、
その受光量に応じた検出電圧を、記録媒体のある状態と
記録媒体の無い状態で1回ずつ検出し、両者の中間電位
を以後の検出器の検出閾値として記録媒体の先端位置の
検出を行って、該検出した先端位置を基準として、当該
記録媒体を初期位置に設定するようにした。
【0026】即ち、本発明の請求項1に係る画像記録装
置では、副走査方向における所定の印刷位置において記
録ヘッドを主走査させることにより、記録媒体上に1走
査分の画像を記録し、主走査終了後前記副走査方向に前
記記録媒体を搬送して副走査を行い、前記主走査及び前
記副走査を順番に繰り返すことにより、1枚の記録媒体
上に画像記録を行う画像記録装置において、該画像記録
装置における前記副走査方向の最上流に設けられた給紙
手段と、前記副走査方向における前記印刷位置の上流側
と下流側にそれぞれ設けられ、記録媒体を挟持しつつ搬
送する第1及び第2の紙送りローラと第1及び第2の従
動ローラとを含み、前記記録媒体を前記副走査方向にお
ける上流側及び下流側のいずれにも搬送可能に構成され
た搬送手段と、前記印刷位置の下流側に設けられた第2
の紙送りローラと第2の従動ローラとの挟持点よりも、
当該検出の光軸がより下流側に位置するように設けら
れ、該位置における対象物の反射光量に応じた電圧を出
力し、デフォルトで当該検出電圧が所定の閾値(T0)
を越えるか否かにより前記対象物を検出する光センサか
ら成る検出手段と、前記検出手段による当該検出電圧の
値を記憶しておく記憶手段と、前記記録媒体の先端部を
前記検出手段が検出し得るよう前記搬送手段により前記
記録媒体を副走査方向下流側に所定量だけ搬送し、該搬
送位置における前記検出手段による検出電圧(T1)を
前記記憶手段に記憶させると共に、前記搬送手段により
前記記録媒体を副走査方向上流側に所定量だけ搬送し、
該記録媒体が無い状態での前記検出手段による検出電圧
(T2)を前記記憶手段に記憶させ、前記検出電圧(T
1)と該検出電圧(T2)の平均値(T0Vp)を演算
により求め、前記対象物の有無を検出するための所定の
閾値を前記デフォルトの閾値(T0)から該求めた平均
値(T0Vp)に変更した上で、前記搬送手段により前
記記録媒体を副走査方向下流側に所定量だけ搬送し、前
記検出手段による検出電圧が前記平均値(T0Vp)に
達する点を基準として、前記記録媒体を初期位置に設定
する搬送制御手段とを有することを特徴とする。
【0027】これにより、記録媒体の種類や厚み如何に
拘らず、当該記録媒体を精度良く安定して初期位置に設
定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0029】図7は、本発明の実施の形態に係るインク
ジェット式プリンタの構成例を斜め前方から見た斜視
図、図8は、それを斜め後方から見た斜視図である。こ
のインクジェット式プリンタは、本体101内にインク
ジェット式プリントヘッド100、図示しないキャリッ
ジ機構、図示しないオートシートフィーダ(自動連続給
紙機構)、手差し給紙機構及び本発明の特徴的な部分で
ある記録用紙等の初期設定機構を含む紙送り機構が配設
され、本体101の前面に排紙口102が設けられ、本
体101の後面に手差し給紙口103が設けられてい
る。さらに、本体101の後面の手差し給紙口103の
上部には、オートシートフィーダ用のトレイ104が配
設され、給紙口103の脇には記録媒体の厚みに応じて
ペーパーギャップを切替え、また従動ローラの紙送りロ
ーラに対するニップ点をレリースするためのアジャスト
レバー201が本体101から突き出すように配設され
ている。
【0030】また、トレイ104に給紙される記録用紙
は、例えば、オートシートフィーダにより自動的に送り
出され、図示しない主動(紙送り)ローラと図示しない
従動ローラのニップ点で挟持されて、更に、送り出さ
れ、排紙口102から排出されるようになっている。給
紙口103に手差しで給紙される記録用紙は、同様に紙
送りローラと従動ローラのニップ点で挟持されて送り出
され、排紙口102から排出されるようになっている。
【0031】トレイ104から給紙される記録用紙とし
ては、普通紙、専用紙、推奨OHPシート、光沢紙、光
沢フィルム、ラベルシート、官製葉書等が利用できる。
手差しで給紙される記録用紙としては、上記各用紙の他
に厚紙(ボード紙)、極厚紙(情報記録ディスク用トレ
イも含む)等の厚手のもの、すなわち折り曲げが困難な
ものを利用できる。
【0032】アジャストレバー201は、本体101に
直線状に設けられているスリット110に沿って図示矢
印a方向に段階的にスライドし、ペーパーギャップの切
替え及び従動ローラの紙送りローラに対するニップ点を
レリース可能なようになっている。ここで、ペーパーギ
ャップの切替えは、記録用紙の厚さに左右されずに印刷
精度を常にほぼ一定の高精度に保つために、紙面とイン
クジェット式プリントヘッド100のノズル開口面との
距離、すなわちペーパーギャップが常にほぼ一定になる
ようにインクジェット式プリントヘッド100を移動調
整するものである。
【0033】従動ローラのレリースは、記録用紙を紙送
りローラと従動ローラとの間に挟持し、あるいは記録用
紙を紙送りローラと従動ローラとの間から抜き出すため
に、従動ローラに圧力を印加して従動ローラを紙送りロ
ーラに押圧し、あるいは上記圧力を解放して従動ローラ
を紙送りローラから離間(レリース)するものである。
これらの機構を多段階的に調整するアジャストレバー2
01は、図示矢印a方向に往復旋回可能であって、位置
A、位置B、位置C、位置Dと段階的に位置決め可能に
なっている。ここで、アジャストレバー201が位置A
に位置決めされているときは、厚さが普通の記録用紙、
すなわち普通紙等を使用する位置であり、位置Bに位置
決めされているときは、厚さがやや厚手の記録用紙、す
なわちボード紙等の厚紙を使用する位置であり、位置C
に位置決めされているときは、厚さがかなり厚手の記録
用紙、すなわち情報記録ディスク用トレイも含む極厚紙
を使用する位置であり、位置Dに位置決めされていると
きは、従動ローラ202が紙送りローラ203から離間
(レリース)している位置である。
【0034】図9に、図7及び図8に示したインクジェ
ット式プリンタにおける本体101内の、手差し給紙機
構を含む紙送り機構の全体像を示す。
【0035】図9に示すように、この紙送り機構は、上
述した本体101の後面側に設けられた手差し給紙口1
03と、この手差し給紙口103の上部に設けられたオ
ートシートフィーダ(ASF)ユニット204と、手差
し紙案内ステージ206と、オートシートフィーダ(A
SF)ユニット204から普通紙等が給紙される場合
は、図示のように、用紙排出側にやや傾斜しつつやや高
くなっており、ボード紙等が手差し紙案内された場合に
は、図示矢印gで示す如く下方に沈みこんでフラットな
給紙経路を確保する可動ステージ207と、上方を図示
しない印字ヘッド(及びキャリッジ)が同図と直交する
方向に往復動することで印刷を行う印刷ステージ140
を備えている。
【0036】また、この紙送り機構は、印刷ステージ1
40の上流側に設けられた紙送りローラ(主)151及
びその従動ローラ171、印刷ステージ140の下流側
に設けられた排紙ローラ(副)152及びその従動ロー
ラである排紙ギザローラ172、これら排紙ローラ15
2及び排紙ギザローラ172の更に下流に設けられた排
出ギザローラ213を有している。尚、可動ステージ2
07の上方には、上部紙案内板214も設けられ、この
上部紙案内板214は、バネで下方に付勢されている。
【0037】更に、この紙送り機構は、手差し給紙口1
03の下流側近傍に設けられた手差し検出器120と、
上記した可動ステージ207の上部に設けられた用紙検
出器121と、排紙ギザローラ172と排紙ローラ15
2のニップ点のやや下流側にその光軸を置くように設け
られた先端検出器(光センサ)122から成る3つの検
出器を有している。これらは、いずれも紙の有無を検出
する2値のセンサであるが、手差し検出器120及び用
紙検出器121は、それぞれ機械接点式スイッチであっ
て、スイッチノブの先端が、それぞれ用紙経路内に突設
して置かれ、用紙がその下を通過することによりノブが
跳ね上げられて接点が導通し、用紙の存在を検知するよ
うになっている。これに対し、先端検出器122は、従
来例に関して述べたのと略同様の反射型の光センサであ
る。
【0038】図10は、本発明が適用されるべき用紙送
り機構を有するインクジェットプリンタの制御部と用紙
経路との関係を表す図である。
【0039】プリンタ1では、その各部を統轄制御する
ため、CPU(Central ProcessingUnit:中央演算処理
装置)16、ROM(Read Only Memory:読出し専用記
憶素子)17、主記憶装置として働くRAM18(Rando
m Access Memory:読み書き可能記憶素子)とがバスを介
して接続され、コンピュータ構成の制御機構であるプリ
ントコントローラ10(図1において、1点鎖線で囲ん
で表している)を成している。
【0040】ホストコンピュータ2から送られてきた印
刷命令データは、インタフェース装置19からバスをを
介して、プリントコントローラ10に伝えられる。プリ
ントコントローラ10は、実際にインクを吐出させて印
刷動作を行なうプリントヘッド100を制御するととも
に、印刷動作時の用紙送りにかかわる用紙送りモータ1
12や、オートシートフィーダ(ASF)ユニット20
4から、カットシート45を用紙経路5内に送り込むた
めのASFモータ111の駆動制御等を行なう。
【0041】用紙経路5には、印刷動作中の用紙送りを
行なうための上述した2つのローラ、即ち、紙送りロー
ラ(主)151と排紙ローラ(副)152とが設けられ
ている。これら紙送りローラ(主)151と排紙ローラ
(副)152は、用紙送りモータ112により駆動さ
れ、図示しない歯車等を介して、同期して回転するよう
になっている。また、紙送りローラ(主)151、排紙
ローラ(副)152の上部には、それぞれ複数の上述し
た従動ローラ171、排紙ギザローラ172が取り付け
られて、図示しないバネ機構によって紙送りローラ
(主)151、排紙ローラ(副)152、それぞれの側
に付勢されている。そして、これら複数の従動ローラ1
71、排紙ギザローラ172と紙送りローラ(主)15
1、排紙ローラ(副)152とで、記録用紙を挟み込ん
で、用紙経路5内を移動させる。尚、図10において
は、排紙ギザローラ172を簡略化し、通常の従動ロー
ラと同様に描いている。また、紙送りローラ(主)15
1と排紙ローラ(副)152間に配置される印刷ステー
ジ140の上部空間には、図示しないガイドレールに支
持されて、印刷時における主走査方向に移動可能なキャ
リッジ13が配置されている。
【0042】以下、本実施形態の記録媒体の初期設定方
法について、図11〜図12の説明図及び図13〜図1
5のフローチャートをも参照しつつ説明する。
【0043】さて、厚紙(ボード紙)又はCDRトレイ
に装着したCDRの印刷をしようとするユーザは、ま
ず、上記のアジャストレバー201を位置Dにセットす
ることで従動ローラ171を紙送りローラ151から離
間(レリース)させる。この状態で、手差し給紙口10
3から厚紙(ボード紙)又はCDRトレイを挿入する。
次に、ユーザは、上記のアジャストレバー201を、厚
紙(ボード紙)の場合は位置Bまで戻し、CDRトレイ
の場合は位置Cまで戻す。
【0044】続いて、パネルスイッチ部20(図10参
照)の給紙ボタン(図示せず)を押す。尚、上述したア
ジャストレバー201を位置Dにしたまま(即ち、位置
B又は位置Cまで戻さない)で、この給紙ボタンを押し
た場合には、エラーとなり、エラー表示用のランプ10
6(図7参照)が点滅する。
【0045】さて、上記のように、アジャストレバー2
01を位置B又は位置Cまで戻してパネルスイッチ部2
0の給紙ボタン(図示せず)を押すことにより、本実施
形態の頭出しシーケンスが実行される。ここでは、厚紙
(ボード紙)を手差し給紙した場合を例にして、説明す
る。
【0046】本実施形態の特徴は、手差し給紙された記
録媒体に対し、2度の先端検出を行ってから、その頭出
しを設定する点にある。或いは、紙のある状態と紙の無
い状態を両方1回ずつ検出し、両者の中間電位を以後の
検出器の検出閾値とする。以下、順を追って説明する。
【0047】本実施形態の頭出しシーケンスでは、予
め、先端検出器122のデフォルトの紙有りとする検出
値(閾値)T0を、紙等を略絶対に検出できる低目の値
に設定しておく。この状態で、まず、図11(a)に示
すように、ボード紙45´を先端検出器122の中心よ
りも、例えば、100駆動ステップ分下流側まで送り出
し、この時点での先端検出器122の検出値T1をRA
M等に記憶する。尚、ここで「100駆動ステップ分」
とは、ボード紙45´の先端部における乱反射、更に
は、フォトダイオード等の検出素子や検出回路の遅れに
よる影響を受けない範囲まで紙送りした位置の一例であ
り、「100駆動ステップ分」でなくても、乱反射や素
子及び検出回路の遅れの影響がない位置まで下流側に送
り出せれば良い。
【0048】次に、図11(b)に示すように、ボード
紙45´を先端検出器122の中心よりも100駆動ス
テップ分上流側まで引き戻し、このボード紙45´が無
い状態での先端検出器122の検出値T2をRAM等に
記憶する。尚、ここにいう「100駆動ステップ分」
も、ボード紙45´の先端部における乱反射、更には、
フォトダイオード等の検出素子や検出回路の遅れによる
影響を受けない範囲まで引き戻した位置の一例であり、
「100駆動ステップ分」でなくても、乱反射や素子及
び検出回路の遅れの影響がない位置まで上流側に引き戻
せれば良い。
【0049】続いて、図12(a)に示すように、T1
とT2に記憶された各検出値の平均値TopV=(T1
+T2)/2を演算により求め、先端検出器122の紙
有りとする検出値(閾値)を上記デフォルトのT0か
ら、この平均値TopVに変更(更生)する処理を行
う。即ち、上記図11(a)及び(b)は、先端検出の
ために、先端検出器122の更正用の値をとる動作と言
える。
【0050】次に、図12(b)に示すように、先端検
出器122がTopVで紙有りを検出してから、ボード
紙45´を先端検出器122の中心よりも100駆動ス
テップ分下流側まで送り出す。そして、ここで、原点へ
の頭出しのために、PFカウンタのイニシャルの値[+
960]が設定される。
【0051】尚、本発明の記録媒体の初期設定方法が適
用される本実施形態のプリンタでは、続いて、厚紙シー
クのシーケンスを実行する。この厚紙シークのシーケン
スとは、本実施形態のプリンタでは、前述したように、
記録媒体の種類(厚み)に応じてPG(ペーパーギャッ
プ)を3段階に調整し得るが、例えばCDRトレイ等の
極厚の記録媒体を手差し供給したにも拘らず、ユーザが
誤ってアジャストレバー201を上述した位置Aに設定
してしまうと、PG(ペーパーギャップ)は普通紙を前
提とした小さい間隔に設定されるので、これを無視して
通常の印刷の速度でキャリッジを主走査すると、キャリ
ッジがCDRトレイに衝突する等して機器が破壊される
不具合を生じてしまう。そこで、キャリッジを記録領域
の略中央部に低速で移動する際に、移動停止位置又は駆
動電流値で判定した結果、厚紙と判断された場合には、
PGを拡げるように通知するシーケンスである。詳しい
内容は、ここでは、省略する。
【0052】図12(c)は、図12(b)の状態から
原点への頭出しが完了するまでの様子を示す図である。
上述したように、PFカウンタに+960の値をセット
しておきながら、図12(c)に示すように、逆転方向
に、駆動ステップ1060ステップだけ駆動するの
は、、基準位置(原点)よりも100ステップだけ後退
させ、その後、後述するように、100ステップだけ前
進させて基準位置(原点)にセットすることで、ギアの
バックラッシ取りをするためである。
【0053】そして、PFカウンタ0ステップに(10
0ステップ)なるまで前進させることにより、ボード紙
は原点に頭出しされる。
【0054】さて、ユーザが、図13に示すように、上
述したようにボード紙を給紙し(S1)、給紙ボタンを
押すと、まず、用紙検出器121によりボード紙が検出
されたか否かを判断する(S2)。用紙検出器121に
よりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S2
でNo)、エラー処理(ERROR1)が実行される。
ユーザが手差し給紙口103からボード紙を挿入したに
も拘らず、用紙検出器121がボード紙を検出していな
いのは、何らかのエラーが考えられるからである。
【0055】即ち、図14に示すように、今度は、手差
し検出器120によりボード紙が検出されたか否かを判
断する(S111)。手差し検出器120によりボード
紙が検出された[紙あり]場合には(S111でYe
s)、手差し検出器120と用紙検出器121との間で
紙ジャム等が生じたことが考えられるので、エラー処理
がなされ(S112)、RETURNとなる。手差し検
出器120によりボード紙が検出されない[紙無し]場
合には(S111でNo)、ユーザが手差し給紙口10
3からボード紙を挿入したにも拘らず、用紙検出器12
1と手差し検出器120の双方がボード紙を検出してい
ないので、非常に短い紙であることが考えられる。更
に、先端検出器122によりボード紙が検出されたか否
かを判断する(S113)。先端検出器122によりボ
ード紙が検出された[紙あり]場合には(S113でY
es)、PFローラ(用紙送りモータ112)正転方向
に、最低速で回転させ、駆動ステップ17000ステッ
プまで用紙送りモータ112を回転させ(S114)、
そこでPFローラを停止して、再び、先端検出器122
によりボード紙が検出されたか否かを判断する(S11
5)。先端検出器122によりボード紙が検出されない
[紙無し]場合には(S115でNo)、RETURN
となり、次の命令待ち状態になる。先端検出があった場
合は(S115でYes)、紙ジャム等が生じたものと
してエラー処理がなされ(S116)、RETURNと
なる。この場合、ユーザは紙ジャム等を生じた用紙を取
り除いて再度印刷を試みれば良い。
【0056】再び、図13を参照して、以上のエラー処
理(ERROR1)と異なり、S2において、用紙検出
器121によりボード紙が検出された[紙あり]場合に
は(S2でYes)、図10に示すように、続いて、手
差し検出器120によりボード紙が検出されたか否かを
判断する(S3)。手差し検出器120によりボード紙
が検出されない[紙無し]場合には(S3でNo)、R
ETURNとなり、次の命令待ち状態になる。手差し検
出器120によりボード紙が検出された[紙あり]場合
には(S3でYes)、更に、先端検出器122により
ボード紙が検出されたか否かを判断する(S4)。先端
検出器122によりボード紙が検出されない[紙無し]
場合には(S4でNo)、PFローラ[ここでは、紙送
りローラ(主)151と排紙ローラ(副)152を併せ
てPFローラと呼ぶ](用紙送りモータ112)正転方
向に、そのまま先端検出器122により先端検出を監視
しながら、最低速で回転させ、先端検出がそのままない
場合には、駆動ステップ最大2160ステップまで用紙
送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止
する。また、先端検出を監視中に先端検出器122が紙
有りを検出した場合は、それから100ステップ進めた
所でPFローラを停止する(S5)。駆動ステップ21
60ステップというのは、図11(a)に示す紙送りロ
ーラ(主)151と従動ローラ171のニップ点NP1
から先端検出器122の検出点DTまでの距離が駆動ス
テップで2160ステップ以下になるように設計されて
いる。従って、NP1からDTまで紙送りしても、紙が
DTまで到達しない場合には、エラー処理とするのが好
ましいからである。尚、S4において先端検出器122
によりボード紙が検出された[紙あり]場合には(S4
でYes)、ユーザが挿入しただけで、先端検出器12
2の検出点DTの先までボード紙が到達したことになる
ので、図11(a)に示す状態は達成されているから、
紙送りをすることなく(S5とS6をスキップ)、S8
に行く。尚、S5において、先端検出を監視中に先端検
出器122が紙有りを検出した場合は、それから100
ステップ進めた所でPFローラを停止するのは、この紙
送りで、同様に図11(a)に示す状態が達成されたか
らである。一方、先端検出器122の検出点DTから駆
動ステップ2160ステップまで用紙送りモータ112
を回転させても先端検出がない場合は(S6でNo)、
先端検出器122の不良と判断し、PFローラ(用紙送
りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転さ
せ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモー
タ112を回転させ、そこでPFローラを停止して(S
7)、RETURNとなり、次の命令待ち状態になる。
尚、駆動ステップ17000ステップは、A4の大きさ
の用紙を紙搬送下流方向にはき出し可能な用紙送り量で
ある。即ち、先端検出器122の不良として、エラー処
理に移行し、用紙を排出させる。
【0057】一方、先端検出があった場合は(S6でY
es)、先端検出器122の検出値を、例えば、RAM
18上に設けられた第1の記憶領域(T1)に記憶する
(S8)。続いて、用紙検出器121によりボード紙が
検出されたか否かを判断し(S9)、用紙検出器121
によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S
9でNo)、あまりにも短い紙であるとして用紙を排出
させる。この状態で、その後の頭出しのシーケンス実行
のため、例えば、その短いボード紙等を上流側に戻す
と、用紙検出器121や手差し検出器120は機械式の
接点スイッチであり、図9に示したように、下流側に傾
斜した状態で設置されていることから、これらの破壊を
生じかねないからである。そこで、PFローラ(用紙送
りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転さ
せ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモー
タ112を回転させ(S10)、そこでPFローラを停
止する。ここで、再び、先端検出器122によりボード
紙が検出されたか否かを判断する(S11)。先端検出
器122によりボード紙が検出されない[紙無し]場合
には(S11でNo)、17000ステップ駆動したこ
とにより、上記短い紙をうまく排出できたと考えられる
ので、元のシーケンス(本シーケンスではない)に復帰
できるよう、RETURNとなり、次の命令待ち状態に
なる。先端検出があった場合は(S11でYes)、1
7000ステップ駆動した間に上記短い紙が紙ジャム等
を生じたものとしてエラー処理がなされ(S13)、R
ETURNとなる。
【0058】一方、S9において用紙検出器121によ
りボード紙が検出された[紙有り]場合には(S9でY
es)、PFローラ(用紙送りモータ112)逆転方向
に、先端検出を監視しながら、最低速で回転させ、駆動
ステップ最大で2160ステップか、先端検出器122
が「紙無し」から100ステップまで用紙送りモータ1
12を回転させ、そこでPFローラを停止させる(S1
4)。この後、更に、先端検出器122によりボード紙
が検出されたか否かを判断する(S15)。先端検出が
あった場合は(S15でYes)、PFローラ(用紙送
りモータ112)正転方向に、そのまま最低速で回転さ
せ、駆動ステップ17000ステップまで用紙送りモー
タ112を回転させ(S16)、そこでPFローラを停
止して、再び、先端検出器122によりボード紙が検出
されたか否かを判断する(S17)。先端検出器122
によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S
17でNo)、RETURNとなり、次の命令待ち状態
になる。先端検出があった場合は(S17でYes)、
紙ジャム等が生じたものとしてエラー処理がなされ(S
18)、RETURNとなる。
【0059】一方、S15において先端検出が無い場合
は(S15でNo)、先端検出器122の検出値を、例
えば、RAM18上に設けられた第2の記憶領域(T
2)に記憶する(S19)。
【0060】本実施形態では、ここで、上記したT1と
T2に記憶しておいた検出値の平均値TopV=(T1
+T2)/2を演算により求め、以後、この平均値To
pVを先端検出器122の紙有りとする検出値(閾値)
とする(S20)。このように、T1とT2にそれぞれ
記憶した検出値の平均値を演算により求め、以後、紙有
りとする検出値(閾値)をこの平均値とするように、い
わば先端検出器122の更生を行うのが特徴である。
【0061】そして、PFローラ(用紙送りモータ11
2)正転方向に、先端検出を監視しながら、最低速で回
転させ、駆動ステップ最大で2160ステップか、先端
検出器122が「紙有り(TopVで検出した紙有
り)」から100ステップまで用紙送りモータ112を
回転させ、そこでPFローラを停止させる。また、PF
カウンタに+960の値をセットする(S21)。これ
により、ボード紙の紙送り状態は、図11(a)と同じ
状態になるが、図11(a)では、先端検出器122の
紙有りとする検出値(閾値)は、紙等を略絶対に検出で
きる低目の値であるデフォルトの検出値(閾値)T0と
して検出したのが、図12(b)では、TopVで紙有
りを検出している点が相違する。駆動ステップ最大で2
160ステップか、先端検出器122が「紙有り」から
100ステップまでとするのは、S5で述べたのと同様
に、図12(b)に示す状態が達成されれば良いからで
ある。ここで、初めて頭出しの基準位置(原点)に送る
ために、PFカウンタを+960の値にセットする。
【0062】この後、図15に示すように、更に、先端
検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判断
する(S22)。先端検出がない場合は(S22でN
o)、先端検出器122の不良と判断し、PFローラ
(用紙送りモータ112)正転方向に、そのまま最低速
で回転させ、駆動ステップ17000ステップまで用紙
送りモータ112を回転させ、そこでPFローラを停止
して(S23)、RETURNとなり、次の命令待ち状
態になる。先端検出があった場合は(S22でYe
s)、続いて、用紙検出器121によりボード紙が検出
されたか否かを判断する(S24)。用紙検出器121
によりボード紙が検出されない[紙無し]場合には(S
24でNo)、PFローラ(用紙送りモータ112)正
転方向に、そのまま最低速で回転させ、駆動ステップ1
7000ステップまで用紙送りモータ112を回転さ
せ、そこでPFローラを停止して(S25)、再び、先
端検出器122によりボード紙が検出されたか否かを判
断する(S26)。先端検出器122によりボード紙が
検出されない[紙無し]場合には(S26でNo)、R
ETURNとなり、次の命令待ち状態になる。先端検出
があった場合は(S26でYes)、紙ジャム等が生じ
たものとしてエラー処理がなされ(S27)、RETU
RNとなる。一方、S24において用紙検出器121に
よりボード紙が検出された[紙有り]場合には(S24
でYes)、前述した厚紙シークのシーケンスが実行さ
れる(S300)。その後、PFローラ(用紙送りモー
タ112)逆転方向に、最低速で回転させ、駆動ステッ
プ1060ステップだけ駆動する(S31)。上述した
ように、S21でPFカウンタに+960の値をセット
しておき、ここで、逆転方向に、駆動ステップ1060
ステップだけ駆動するのは、図12(c)に示すよう
に、基準位置(原点)よりも100ステップだけ後退さ
せ、その後、後述するように、100ステップだけ前進
させて基準位置(原点)にセットすることで、ギアのバ
ックラッシ取りをするためである。
【0063】そして、PFローラ(用紙送りモータ11
2)正転方向に、最低速で回転させ、駆動ステップは、
PFカウンタ0ステップに(100ステップ)なるまで
駆動する(S32)。これにより、ボード紙は原点に頭
出しされる。これにより、RETURNとなり、次の命
令待ち状態になる。
【0064】以上のように、本実施形態では、3つの検
出器で記録媒体の搬送状態を監視しつつ、正常な動作が
疑われるような場合に、適宜、媒体の排出やエラー処理
に移行するので、記録媒体の効率的な頭出しが実行され
る。また、記録媒体のある状態と無い状態を両方検出
し、両者の中間電位を以後の検出器の検出値とすること
で、先端検出を高精度に安定して行える。即ち、記録媒
体のある状態と無い状態との中間電位を基準にするの
で、図6に示したように、例えば、高反射率の用紙や厚
手の用紙(図6中、点線で表す)の用紙あり(のみ)の
電圧値(V1´)と用紙なしの電圧値(Vn)との平均
値(V0´)、低反射率の用紙や薄手の用紙(図6中、
一点鎖線で表す)の用紙あり(のみ)の電圧値(V1´
´)と用紙なしの電圧値(Vn)との平均値(V0´
´)は、それぞれ、反射率や厚みが平均的な用紙(図6
中、実線で表す)の用紙あり(のみ)の電圧値(V1)
と用紙なしの電圧値(Vn)との平均値(V0)に近い
値となり、略同様の紙送りのためのカウント数(C0)
を取ることができる。従って、記録媒体の反射率や厚み
が異なる場合でも、略同様の初期位置を基準に頭出し可
能となることから、記録媒体の反射率や厚み如何に拘ら
ず高精度な頭出しを安定して行うことができる。
【0065】尚、上記実施形態の変形例として、検出時
の送り速度と送り量を変化させることも考えられる。即
ち、図11(a)及び(b)に示した先端検出器122
の検出値T1及びT2を検出するための紙送りは、比較
的速い速度で行い、T1とT2各検出値の平均値Top
Vにより頭出し位置を決定するための紙送りは、比較的
遅い速度で行うようにすることが考えられる。この変形
例では、全体の頭出し決定シーケンスの処理速度がより
速くなるという利点がある。また、平均値TopVによ
り頭出し位置を決定するための紙送りは精度を優先して
比較的遅い速度で行うことで、高精度な頭出しを安定し
て行うことができる点は損なわれない。
【0066】また、検出方向と検出値の計算方法は、上
述したものに限られない。例えば、素子や検出回路によ
っては、電圧変化の特性が用紙有りから用紙無し(電圧
が高から低)と用紙無しから用紙有り(電圧が低から
高)とで方向性が見られる場合がある。このような場合
には、例えば、変化の特性がより安定している方や変化
率がより大きい方で検出するようにすれば良い。更に、
上述した実施形態では、T1とT2各検出値の単純平均
により平均値TopVを求めたが、例えば、加重平均
(例えば、電圧が高から低が有利な場合、高を2倍、即
ち、高を×2で低を×1で計算する等)により平均値T
opVを求め、頭出しのための検出値を決定しても良
い。即ち、図6に示したように、用紙有り(のみ)の電
圧と用紙無しの電圧との単純平均値(V0)ではなく、
例えば、電圧が高から低が有利な場合には、高を2倍、
即ち、高を×2で低を×1で計算する等により、高電圧
側にオフセットした既定(基準)電圧を定め、それによ
り初期位置に頭出しするための基準ステップ数(C0)
を求めるようにしても良い。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、反射型の光センサから成る検出器を用いて、その
受光量に応じた検出電圧を、記録媒体のある状態と記録
媒体の無い状態で1回ずつ検出し、両者の中間電位を以
後の検出器の検出閾値として記録媒体の先端位置の検出
を行うので、先端検出を高精度に安定して行える。ま
た、該検出した先端位置を基準として、当該記録媒体を
初期位置に設定するようにしたので、記録媒体の種類や
厚み如何に拘らず高精度な初期位置への設定、いわゆる
頭出しを、安定して行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光センサの構成を説明するための図。
【図2】従来の用紙を移動させた場合の、光センサの電
圧変化について説明する図。
【図3】図2において表される電圧変化と、用紙の位置
との相関関係について説明するための図であって、図3
(a)は電圧Vn対応し、図3(b)は電圧V1に対応
する状態をそれぞれ表す。
【図4】ディスクトレイの端部に光が当たって乱反射す
る様子を表す図。
【図5】図4におけるディスクトレイを移動させた場合
の出力電圧の変化を表す図。
【図6】同一サイズで反射率の異なる用紙(記録媒体)
を移動させた場合の出力電圧の変化を表す図。
【図7】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プ
リンタの構成例を斜め前方から見た斜視図。
【図8】 本発明の実施の形態に係るインクジェット式
プリンタの構成例を斜め後方から見た斜視図。
【図9】 図7及び図8に示したインクジェット式プリ
ンタにおける本体101内の、手差し給紙機構を含む紙
送り機構の全体像を示す図。
【図10】 図7及び図8に示したインクジェット式プ
リンタにおける手差し給紙機構を含む紙送り機構及びそ
の制御を行うプリンタコントローラが有する機能の内容
を説明するためのブロック図。
【図11】反射型の光センサから成る検出器を用いて、
その受光量に応じた検出電圧を、記録媒体のある状態と
無い状態で1回ずつ検出する方法を示す図であり、
(a)は記録媒体のある状態、(b)は記録媒体の無い
状態を示す。
【図12】反射型の光センサから成る検出器の検出値の
変更方法を説明すると共に、該変更した検出値を用いて
記録媒体の先端を検出し、その後の頭だし動作の内容を
説明する図であり、(a)は検出値の変更方法を説明す
る図、記録媒体のある状態、(b)は変更した検出値を
用いて記録媒体の先端を検出した状態を示す図、(c)
はその後の頭だし動作の内容を説明する図。
【図13】本発明の実施の形態に係るインクジェット式
プリンタにおける頭出しシーケンスの内容を表すフロー
チャート。
【図14】本発明の実施の形態に係るインクジェット式
プリンタにおける頭出しシーケンスの内容を表すフロー
チャート。
【図15】本発明の実施の形態に係るインクジェット式
プリンタにおける頭出しシーケンスの内容を表すフロー
チャート。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 ホストコンピュータ 16 CPU 17 ROM 18 RAM 112 用紙送りモータ 122 光センサ 10 プリントコントローラ 151 紙送りローラ(主) 152 排紙ローラ(副) 171 従動ローラ 172 排紙ギザローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C058 GB04 GB13 GB31 GB47 GB53 GC01 GC09 3F048 AA05 AB01 BA21 BB09 BB10 BC08 CA09 CB04 CC03 DA02 DA06 DC14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副走査方向における所定の印刷位置にお
    いて記録ヘッドを主走査させることにより、記録媒体上
    に1走査分の画像を記録し、主走査終了後前記副走査方
    向に前記記録媒体を搬送して副走査を行い、前記主走査
    及び前記副走査を順番に繰り返すことにより、1枚の記
    録媒体上に画像記録を行う画像記録装置において、 該画像記録装置における前記副走査方向の最上流に設け
    られた給紙手段と、 前記副走査方向における前記印刷位置の上流側と下流側
    にそれぞれ設けられ、記録媒体を挟持しつつ搬送する第
    1及び第2の紙送りローラと第1及び第2の従動ローラ
    とを含み、前記記録媒体を前記副走査方向における上流
    側及び下流側のいずれにも搬送可能に構成された搬送手
    段と、 前記印刷位置の下流側に設けられた第2の紙送りローラ
    と第2の従動ローラとの挟持点よりも、当該検出の光軸
    がより下流側に位置するように設けられ、該位置におけ
    る対象物の反射光量に応じた電圧を出力し、デフォルト
    で当該検出電圧が所定の閾値(T0)を越えるか否かに
    より前記対象物を検出する光センサから成る検出手段
    と、 前記検出手段による当該検出電圧の値を記憶しておく記
    憶手段と、 前記記録媒体の先端部を前記検出手段が検出し得るよう
    前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向下流側に
    所定量だけ搬送し、該搬送位置における前記検出手段に
    よる検出電圧(T1)を前記記憶手段に記憶させると共
    に、前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向上流
    側に所定量だけ搬送し、該記録媒体が無い状態での前記
    検出手段による検出電圧(T2)を前記記憶手段に記憶
    させ、前記検出電圧(T1)と該検出電圧(T2)の平
    均値(T0Vp)を演算により求め、前記対象物の有無
    を検出するための所定の閾値を前記デフォルトの閾値
    (T0)から該求めた平均値(T0Vp)に変更した上
    で、前記搬送手段により前記記録媒体を副走査方向下流
    側に所定量だけ搬送し、前記検出手段による検出電圧が
    前記平均値(T0Vp)に達する点を基準として、前記
    記録媒体を初期位置に設定する搬送制御手段とを有する
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像記録装置において、
    更に、前記印刷位置の上流側に設けられた第1の紙送り
    ローラと第1の従動ローラとの挟持点よりも、より上流
    側に位置するように設けられ、該位置における前記記録
    媒体の有無を検出する第2の検出手段と、前記副走査方
    向における前記第2の検出手段と前記給紙手段との間に
    設けられ該位置における前記記録媒体の有無を検出する
    第3の検出手段とを有することを特徴とする画像記録装
    置。
  3. 【請求項3】 記録媒体を搬送経路の上流側及び下流側
    のいずれにも搬送可能に構成された搬送機構と、光セン
    サと、記憶手段と、演算手段とを有する記録媒体の初期
    設定装置において、前記光センサは、対象物に応じて出
    力電圧を変化させるものであり、 前記記憶手段には、予め定められた既定電圧値が格納さ
    れており、 前記搬送手段は、搬送実行中において、前記光センサの
    出力電圧値が前記既定電圧値を超えた時点から、所定距
    離だけ搬送を行なうことにより、前記光センサの対象物
    を前記記録媒体のみである状態とし、 前記記憶手段は、当該状態における前記光センサの出力
    電圧値を、第1の測定値として記憶し、 前記搬送手段は、更に、前記記録媒体を前記搬送経路の
    下流側に逆送させ、前記光センサの検出範囲から前記記
    録媒体を取り除いた状態とし、 前記記憶手段は、当該状態における前記光センサの出力
    電圧値を、第2の測定値として記憶し、 前記演算手段は、前記第1及び第2の測定値の平均値を
    演算によって求め、 前記搬送手段は、前記記録媒体を前記搬送経路の上流側
    に搬送させ、前記光センサの出力電圧値が、前記演算に
    より求められた平均値となった位置を基準として、前記
    記録媒体を所定量だけ搬送し、該記録媒体の初期設定を
    行うことを特徴とする記録媒体の初期設定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の初期設定装置において、
    前記光センサは、発光素子と受光素子とをそなえ、前記
    発光素子から発せられた光が対象物に反射して得られる
    反射光を前記受光素子で捉えることにより、対象物の存
    否を検出するように構成されてなることを特徴とする初
    期設定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の初期設定装置を備え、光
    ディスクを装着したディスクトレイを、前記搬送手段に
    よって、画像記録装置の用紙経路内において移動させる
    ことを可能に構成されていることを特徴とする画像記録
    装置。
  6. 【請求項6】 記録媒体を搬送経路の上流側及び下流側
    のいずれにも搬送可能に構成された搬送機構と、光セン
    サと、記憶手段と、演算手段とを有し、前記光センサ
    は、対象物に応じて出力電圧を変化させるものである装
    置において、前記記録媒体を初期位置に設定する記録媒
    体の初期設定方法であって、 前記搬送機構により、前記記録媒体を、前記光センサの
    出力が既定の値を超えてからも、継続して所定の距離だ
    け前進させるステップと、 前記光センサの出力電圧の値を、第1の測定値として、
    前記メモりに記憶させるステップと、 前記搬送機構により前記記録媒体を搬送経路の上流側に
    逆送させ、前記光センサの検出範囲に前記記録媒体が存
    在しないように前記記録媒体を後退させるステップと、 前記光センサの検出範囲に前記記録媒体が存在しない状
    態で前記光センサの出力電圧の値を、第2の測定値とし
    て、前記メモりに記憶させるステップと、 前記第1及び第2の測定値の平均値を演算するステップ
    と、 前記搬送機構により、再び前記記録媒体を前進させるス
    テップと、 前記光センサの出力電圧値が、前記平均値に達した位置
    を基準点として、前記記録媒体を初期位置に設定するス
    テップとを有することを特徴とする記録媒体の初期設定
    方法。
  7. 【請求項7】 プログラム及びデータを格納可能なメモ
    リを備え、プロセッサを用いてプログラムに従う処理を
    実行するコンピュータに、 光センサを備え、モータを動作させることにより用紙送
    りを行なうプリンタを、制御するためのプログラムを記
    録した記憶媒体であって、 前記モータにより、印刷用紙を、前記光センサの出力が
    既定の値を超えてからも、継続して所定の距離だけ前進
    させる処理と、 前記光センサの出力電圧の値を、第1の測定値として、
    前記メモりに記憶させる処理と、 前記モータを逆転動作させ、前記印刷用紙を搬送経路の
    上流側に逆送させ、前記光センサの検出範囲に前記印刷
    用紙が存在しないように前記印刷用紙を後退させる処理
    と、 前記光センサの出力電圧の値を、第2の測定値として、
    前記メモりに記憶させる処理と、 前記第1及び第2の測定値の平均値を求める演算処理
    と、 前記モータにより、再度印刷用紙を前進させる処理と、 前記光センサの出力電圧値が、前記平均値に達した位置
    を基準点として、前記記録媒体を初期位置に設定する処
    理とを前記プリンタに実行させるプログラムを記録した
    ことを特徴とする前記コンピュータが読み取り可能な記
    録媒体。
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KR20040009725A (ko) * 2002-07-25 2004-01-31 삼성전자주식회사 화상형성장치의 용지공급장치 및 그 제어방법
JP2006231620A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Olympus Corp 画像記録装置及びその画像記録方法
JP2011051747A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Seiko Epson Corp 印刷装置および印刷媒体の端部検出方法
JP2012091909A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Seiko Epson Corp 記録装置

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