JP4278722B2 - ガス遮断装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス使用上の安全対策としてのガス遮断装置に関し、異常検出時に弁閉されたガス遮断弁を安全確認動作の後、弁開にして平常復帰させる異常検出対応機能を備えたガス遮断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来例に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図である。ガス遮断装置はガス遮断弁がガス通路を遮断したときの弁復帰時にガス漏れ検査を実施するが、このガス漏れ検査を行う方式により、流量方式と圧力方式とに区分され、図9に示すガス遮断装置50は、圧力方式によるものである。
【0003】
図9において、ガス遮断装置50は、ガスメータ51に取り付けられて膜式メータが1回転したときに1パルスの流量信号を出力する流量センサ52と、ガス通路内のガス圧力を計測して圧力信号を出力する圧力センサ53と、前記流量信号をもとにガス器具の異常時間使用やガス漏れ等の異常を検出して弁閉信号を出力するガス使用異常パターン検出部54と、弁閉状態にあるガス遮断弁55を弁開させるために外部に設けられた復帰スイッチが人の操作で押されたとき復帰信号を出力する復帰信号入力部56と、前記復帰信号の入力があったときガス漏れ検査のための圧力を充填するためにガス遮断弁55を2秒間だけ開栓させる弁開閉信号と開閉動作が完了したときに圧力充填完了信号を出力する弁開閉制御部57と、前記圧力充填完了信号が入力されたとき、その時点での圧力P0 と所定時間T2 後の圧力P1 とを測定して、P0 −P1 の値が所定値より小さい場合はガス漏れがないと判断して弁開信号を出力する漏洩判定部58と、前記弁閉信号、弁開閉信号及び弁開信号の入力によりガス遮断弁55を開閉駆動する遮断弁駆動部59とを具備して構成されている。
【0004】
上記構成において、例えばガス器具が異常時間使用されたときやガス漏れがあるとき、このガス使用の異常を流量センサ52からの流量信号によりガス使用異常パターン検出部54で検出し、弁閉信号を遮断弁駆動部59に出力するので、ガス遮断弁55が弁閉動作してガス通路を閉じる。地震発生時に感震器が作動したときも同様にガス遮断弁55が弁閉動作する。このとき、ガス器具の燃焼は停止するので、ガスの再使用に際しては、安全の確認の後の使用が必要であるが、そのために次のような動作が実行される。即ち、ガス通路を開くために外部に設置された復帰スイッチが押されると、復帰信号入力部56は復帰信号を出力する。この復帰信号により弁開閉制御部57はガス遮断弁55を2秒間開く弁開閉信号と圧力充填完了信号とを出力する。漏洩判定部58は圧力充填完了信号の入力があると、その時点での圧力P0 を測定し、所定時間T2 (例えば、20秒)後の圧力P1 を測定して、P0 −P1 の値が10mmH2 O(Pdet )より小さい場合はガス漏れがないと判断して弁開信号を出力する。P0 −P1 の値が10mmH2 O以上ある場合は、異常使用していたガス器具から生ガスが出ている可能性があるため、ガス遮断弁55は閉じたままにするため弁開信号を出力しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成における処理動作では、ガス遮断弁を開閉動作させたときの急激な圧力変化に伴う断熱変化により、ガス漏れがない場合でも一時的に圧力が低下するために、ガス漏れありと誤判定するような問題点があった。
【0006】
図9において、ガスメータ51から下流側の圧力が0mmH2 Oの状態で2秒間ガス遮断弁55が開閉動作すると、急激な圧力変化に伴う断熱変化により、ガス漏れがない場合でも一時的に圧力が低下するため、ガス漏れありと誤判定されることがある。
【0007】
図10はガス遮断弁55の開閉動作による圧力変化を示すグラフで、同図(a)はガス漏れのない場合、同図(b)はガス漏れがある場合である。
【0008】
図10(a)において、T1 はガス遮断弁55が開閉動作する2秒である。断熱変化による圧力変動Pは、15〜25mmH2 Oの間にばらつくが、圧力が安定するにはほぼ20秒を要する。しかしながら、従来構成では圧力が安定する前の圧力P0 を測定しているため、ガス漏れによる圧力の低下と断熱変化による圧力低下とを誤判定してしまうことが発生する。
【0009】
本発明は、従来構成の問題点を解決すべく創案されたもので、精度のよいガス漏れ検出を行うことができるガス遮断装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明は、ガス配管のガス流量を計測する流量センサと、前記ガス配管内のガス圧力を計測する圧力センサと、前記流量センサからの流量信号をもとにガス使用の異常を検出し、ガス配管に接続したガス遮断弁を閉じるべく遮断弁駆動部に指令を出すガス使用異常パターン検出部と、ガス使用の異常により閉状態にあるガス遮断弁を開栓復帰させるための復帰信号入力部と、前記復帰信号入力部からの信号を受けて前記ガス遮断弁を所定時間開き、ガス配管にガス圧力を充填するように遮断弁駆動部に指令を出す弁開閉制御部と、前記弁開閉制御部から圧力充填完了信号が出力されたガス圧力充填完了からの待機時間を設定する待機時間計測手段と、前記待機時間計測手段にて設定された待機時間が経過した時点で圧力センサによるガス配管内のガス圧力低下測定を開始し、所定の漏洩判定時間経過後のガス圧力低下値によりガス漏れ検査を行って、漏れなしの場合には前記遮断弁駆動部によりガス遮断弁を弁開にして平常状態に復帰させ、漏れありの場合にはガス遮断弁の閉状態を継続させる漏洩判定部と、感震センサやガス漏れ警報器等の外部センサからの異常検出信号または点検スイッチ等からの点検信号が入力されたとき漏洩精度選択信号を出力して前記漏洩判定部に入力するガス使用異常パターン検出部とを具備し、前記ガス使用異常パターン検出部が高精度に選択されている場合には、通常精度選択時よりも漏洩判定部の漏洩判定時間が長くなるように設定したものである。
【0013】
上記構成によれば、ガス使用の異常パターンが検出され、遮断弁駆動手段によりガス遮断弁が閉じられた後、平常復帰させるときのガス漏れ検査にあたり、ガス遮断弁を短時間開閉して圧力充填が完了したときの圧力測定を圧力変化が安定する時間待機する前後で実施する。この圧力変化が安定する時間だけ待機してもれ検査開始信号を出力するために待機時間計測手段が設けられているので、圧力変化に伴うガス漏れ検査に誤判定を発生させることがない。また、ガス遮断装置の定期点検等を行う場合やガス警報器などの異常検出センサからの情報も入力して制御する場合に、ガス使用異常パターン検出部から与えられる漏洩精度選択信号に基づく制御によりガス漏れ検査の精度を変えて、具体的には、ガス使用異常パターン検出部が高精度に選択されている場合には、通常精度選択時よりも漏洩判定部のガス漏れ検査時間が長くなるように設定して実施することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について参考例と共に説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
図1は、本発明の第1の参考例に係るガス遮断装置1の構成を示すブロック図である。ガス遮断装置1は、異常検出対応機能を備えて構成されている。
【0020】
図1において、ガス遮断装置1は、ガスメータ2に取り付けられて膜式メータが1回転したときに1パルスの流量信号を出力する流量センサ3と、ガス配管内のガス圧力を計測して圧力信号を出力する圧力センサ4と、前記流量信号をもとにガス器具の異常時間使用やガス漏れ等の異常を検出して弁閉信号を出力するガス使用異常パターン検出部(ガス使用異常パターン検出手段)5と、弁閉状態にあるガス遮断弁6を弁開させるために外部に設けられた復帰スイッチが人の操作で押されたとき復帰信号を出力する復帰信号入力部7と、前記復帰信号の入力があったときガス漏れ検査のための圧力を充填するためにガス遮断弁6を2秒間開栓させる弁開閉信号と開閉が完了したときの圧力充填完了信号を出力する弁開閉制御部8と、前記圧力充填完了信号が入力されたとき所定時間待機した後に漏れ検査開始信号を出力する待機タイマ(待機時間計測手段)9と、前記漏れ検査開始信号が入力されたとき、その時点での圧力P1 を測定し、20秒後の圧力P2 を測定して(図10参照)、P1 −P2 の値が5mmH2 O(Pdet )より小さい場合はガス漏れがないと判断して弁開信号を出力する漏洩判定部(漏洩判定手段)10と、前記弁閉信号、弁開閉信号及び弁開信号の入力によりガス遮断弁6を開閉駆動する遮断弁駆動部11とを具備して構成されている。
【0021】
上記構成において、ガス器具が異常時間使用されたとき、流量センサ3からの流量信号によりガス使用の異常がガス使用異常パターン検出部54で検出され、弁閉信号を遮断弁駆動部59に出力するので、ガス遮断弁55が弁閉動作してガス通路が閉じられる。
【0022】
ガスの異常使用によりガス通路が遮断された状態から復帰させる動作について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。尚、同図に示すS1、S2…は、処理手順を示すステップ番号で、本文に添記する番号と一致する。
【0023】
ガス通路遮断によりガス器具の燃焼は停止しているので、ガスを使用できる状態に復帰させるには、ガス器具の栓や元栓を閉じ安全確認した上で、ガス遮断装置1の外部に設置された復帰スイッチを操作する。復帰スイッチが押されると、復帰信号入力部7は復帰信号を出力し、弁開閉制御部8に入力される(S1)。
【0024】
この復帰信号により弁開閉制御部8は弁開閉信号と圧力充填完了信号とを出力する(S2)。弁開閉信号は遮断弁駆動部11に入力され、遮断弁駆動部11はガス遮断弁6を2秒間開いて閉じる開閉動作を行う。この動作によってガス通路に圧力が充填される。
【0025】
圧力充填完了信号は待機タイマ9に入力され、20秒待機した後に漏れ検査が実施される(S3)。待機タイマ9は弁開閉による圧力が安定する20秒後に漏れ検査開始信号を出力するので、漏洩判定部10は圧力センサ4からの圧力信号により、その時点での圧力P1 を測定する(S4)。更に20秒経過したとき(S5)、圧力P2 を測定して(S6)、P1 −P2 の値が5mmH2 O(Pdet')より小さい場合は漏れがないと判断して(S7)、漏洩判定部10は弁開信号を出力するので(S8)、遮断弁駆動部11はガス遮断弁6を開いてガス使用を復帰させる。P1 −P2 の値が5mmH2 O以上ある場合は、異常使用していたガス器具から生ガスが出ている可能性があるため、ガス遮断弁6は閉じたままにするため、弁開信号は出力されない。
【0026】
本構成では、待機タイマ9により20秒待機する前後で圧力測定した値をもとに漏れ判定するので、先に従来技術による問題点として図10に示したような急激な圧力変化に伴う断熱変化による圧力変動の影響を排除することができ、20秒待機により、圧力降下量と漏れ量とが理論曲線と合うようにして漏れ検査が正確に実施できる。
【0027】
圧力降下と漏れ量との関係は、数式(1)で表されることが知られている。
【0028】
【数1】
【0029】
ここで、P0 :初期圧力、ΔP:圧力降下量、T:時間、V0 :配管容量、Pa:大気圧、Q:漏れ量である。
【0030】
上記構成では、数式(1)に示す理論式からも明らかなように、配管容量V を20Lとし、20秒間圧力降下量ΔPを5mmH2 Oとすると、1.8L/hの漏れ量を誤判定することなく測定することができる。従って、精度よくガス漏れが検出され、ガス使用上の安全性が向上する。
【0031】
次に、本発明の一実施形態について説明する。図3は一実施形態に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図、図4はその動作を説明するフローチャートである。尚、先の第1の参考例の構成と共通する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0032】
図3において、ガス遮断装置13は、先のガス遮断装置1の構成に加えて、遠隔地からの通信により復帰信号及び漏洩精度選択信号を出力する外部通信部(外部通信手段)14が設けられている。また、ガス使用異常パターン検出部17には、感震センサやガス漏れ警報器等の外部センサからの異常検出信号または点検スイッチ等からの点検信号が入力されるように構成されており、これらの入力があったときには、弁閉信号または漏洩精度選択信号を出力する。更に、漏洩判定部(漏洩判定手段)16は、前記外部通信部14から前記漏洩精度選択信号の入力があったときには、漏洩判定時間を通常(20秒)と高精度(60秒)とに選択して漏れ検出精度を変えて検査できるように構成されている。
【0033】
上記構成による動作の処理手順を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
尚、同図に示すS1、S2…は、処理手順を示すステップ番号で、本文に添記する番号と一致する。
【0035】
弁開閉制御部15に復帰信号入力部7または外部通信部14からの復帰信号の入力があると(S1)、弁開閉制御部15は圧力充填のためにガス遮断弁6を2秒間開いた後閉じる弁開閉信号を遮断弁駆動部11に出力する(S2)。この処理動作と同時に圧力充填完了信号が待機タイマ18に入力される。待機タイマ18は弁開閉による圧力が安定する20秒待機した後(S3)、圧力センサ4により圧力P1 が測定される(S4)。ここで、待機タイマ18は漏洩判定部16から入力される待機時間選択信号の指示を判断して(S5)、選択が通常であれば待機時間を20秒に設定し、選択が高精度であれば60秒に設定し、設定した待機時間経過後に再び漏れ検査信号を出力するので(S6)、圧力センサ4により圧力P2 が測定される(S7)。漏洩判定部16はP1 −P2 の値が5mmH2 O(Pdet')より小さい場合は漏れがないと判断し(S8)、弁開信号を遮断弁駆動部11に出力する(S9)。遮断弁駆動部11は、ガス使用異常パターン検出部17に外部センサからの異常検出信号または点検スイッチ等からの点検信号の入力による弁閉信号の入力がなければ(S10)、ガス遮断弁6を開いてガス使用を復帰させる。
【0036】
上記構成によれば、待機タイマ18により圧力変化が安定する待機時間を設けてガス漏れ検査が実施されるので、ガス漏れ検査に誤判定を発生させることがない。また、ガス遮断装置の定期点検等を行う場合やガス警報器などの異常検出センサからの情報も入力して制御する場合に、遠隔地からの通信による制御によりガス漏れ検査の精度を変えて実施することができ、更に、異常検出センサや点検スイッチからの入力によってもガス漏れ検査の精度を変えることや弁閉の制御も行うこともできる。
【0037】
次いで、本発明の第2の参考例について説明する。図5は第2の参考例に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図、図6はその動作を説明するフローチャートである。尚、先の構成と共通する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
図5において、ガス遮断装置20は、先のガス遮断装置1の構成とは、漏洩判定部21における処理動作が異なる。この漏洩判定部21による処理動作を含めた処理手順を図4のフローチャートを参照して説明する。尚、同図に示すS1、S2…は、処理手順を示すステップ番号で、本文に添記する番号と一致する。
【0039】
弁開閉制御部8に復帰信号入力部7からの復帰信号の入力があると(S1)、弁開閉制御部8は圧力充填のためにガス遮断弁6を2秒間開いた後閉じる弁開閉信号を遮断弁駆動部11に出力する(S2)。この処理動作と同時に圧力充填完了信号が待機タイマ9に入力される。待機タイマ9は弁開閉による圧力が安定する20秒待機して(S3)、漏れ検査開始信号を出力するので、圧力センサ4により圧力P1 が測定される(S4)。この圧力P1 が供給圧規定の100mmH2 O以上あるか判定して(S5)、100mmH2 O以上ある場合にのみ20秒経過後に(S6)、圧力センサ4により圧力P2 が測定される(S7)。漏洩判定部16はP1 −P2 の値が5mmH2 O(Pdet')より小さい場合は漏れがないと判断し(S8)、弁開信号を遮断弁駆動部11に出力する(S9)。
【0040】
本構成における漏洩判定部21の上記処理動作により、より短時間で漏れ判定を行うことができる。
【0041】
次いで、本発明の第3の参考例について説明する。図7は第3の参考例に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図、図8はその動作を説明するフローチャートである。尚、先の構成と共通する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0042】
図7において、ガス遮断装置23は、同図に示すように先のガス遮断装置1の構成に加えて流量監視部24を設けて構成されており、これに伴って全体の処理動作が異なる。この処理動作の手順を図8のフローチャートを参照して説明する。尚、同図に示すS1、S2…は、処理手順を示すステップ番号で、本文に添記する番号と一致する。
【0043】
弁開閉制御部25に復帰信号入力部7からの復帰信号の入力があると(S1)、弁開閉制御部8は圧力充填のためにガス遮断弁6を2秒間開いた後閉じる弁開閉信号を遮断弁駆動部11に出力する(S2)。この処理動作と同時に圧力充填完了信号が待機タイマ9に入力される。前記圧力充填完了信号は流量監視部24にも入力されるので、流量監視部24は流量センサ3から流量信号を取り込む(S3)。待機タイマ9は弁開閉による圧力が安定する20秒待機した後(S4)、漏れ検査開始信号を出力するので、圧力センサ4により圧力P1 が測定される(S5)。更に20秒経過後に(S6)、圧力センサ4により圧力P2 が測定される(S7)。漏洩判定部26はP1 −P2 の値が5mmH2 O(Pdet')より小さい場合は漏れがないと判断し対応する信号を出力する(S8)。次に、漏れなし信号ありかどうかを判断し(S9)、漏れなし信号が有れば弁開出力を出して弁開されるようにし(S10)、漏れなし信号がなければ弁閉信号を出力して弁閉されるうにする(S11)。
【0044】
前記流量監視部24は圧力充填完了信号の入力により、漏洩判定部26が圧力センサ4により圧力P2 を測定するまでの間、流量センサ3からの流量信号を監視して、流量がなければ漏れなし信号を出力する(S9)。この処理によって、ガス遮断弁6の故障などによりガス遮断弁6が閉じているにもかかわらず上流側のガス漏れがあるような場合に、圧力測定では検出できない状態の漏洩判定の精度を上げることができる。
【0045】
前記漏れなし信号が漏洩判定部26に入力されると、漏洩判定部26は先の圧力検査の漏れなし判定があると、弁開信号を遮断弁駆動部11に出力するので(S10)、遮断弁駆動部11はガス遮断弁6を開いてガス使用を復帰させる。前記流量監視部24で漏れありが検出されたときには、漏れなし信号は出力されないので、弁閉信号が出力されてガス遮断弁6は閉じた状態で維持される(S11)。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明の通り本願の第1発明によれば、ガス使用の異常パターンが検出され、遮断弁駆動手段によりガス遮断弁が閉じられた後、平常復帰させるときのガス漏れ検査にあたり、ガス遮断弁を短時間開閉して圧力充填が完了したときの圧力測定を圧力変化が安定する時間待機する前後で実施する。この圧力変化が安定する時間だけ待機してもれ検査開始信号を出力するために待機時間計測手段が設けられているので、圧力変化に伴うガス漏れ検査に誤判定を発生させることがない。また、ガス遮断装置の定期点検等を行う場合やガス警報器などの異常検出センサからの情報も入力して制御する場合に、ガス使用異常パターン検出部から与えられる漏洩精度選択信号に基づく制御によりガス漏れ検査の精度を変え、高精度に選択されている場合には、通常精度選択時よりも漏洩判定部のガス漏れ検査時間が長くなるように設定して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の参考例に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記構成による処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図である。
【図4】上記構成による処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の参考例に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図である。
【図6】上記構成による処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の参考例に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図である。
【図8】上記構成による処理動作の手順を示すフローチャートである。
【図9】従来技術に係るガス遮断装置の構成を示すブロック図である。
【図10】ガス漏れ検査のための圧力変化の状態を示すグラフで、(a)はガス漏れのない状態、(b)はガス漏れがある状態である。
【符号の説明】
1、13、20、23 ガス遮断装置
3 流量センサ
4 圧力センサ
5、17、27 ガス使用異常パターン検出部(ガス使用異常パターン検出手段)
6 ガス遮断弁
7 復帰信号入力部
8、15、25 弁開閉制御部(弁開閉制御手段)
9 待機タイマ(待機時間計測手段)
10、16、21、26 漏洩判定部(漏洩判定手段)
11 遮断弁駆動部(遮断弁駆動手段)
14 外部通信部(外部通信手段)
13 圧力判定値変更部
Claims (1)
- ガス配管のガス流量を計測する流量センサと、前記ガス配管内のガス圧力を計測する圧力センサと、前記流量センサからの流量信号をもとにガス使用の異常を検出し、ガス配管に接続したガス遮断弁を閉じるべく遮断弁駆動部に指令を出すガス使用異常パターン検出部と、ガス使用の異常により閉状態にあるガス遮断弁を開栓復帰させるための復帰信号入力部と、前記復帰信号入力部からの信号を受けて前記ガス遮断弁を所定時間開き、ガス配管にガス圧力を充填するように遮断弁駆動部に指令を出す弁開閉制御部と、前記弁開閉制御部から圧力充填完了信号が出力されたガス圧力充填完了からの待機時間を設定する待機時間計測手段と、前記待機時間計測手段にて設定された待機時間が経過した時点で圧力センサによるガス配管内のガス圧力低下測定を開始し、所定の漏洩判定時間経過後のガス圧力低下値によりガス漏れ検査を行って、漏れなしの場合には前記遮断弁駆動部によりガス遮断弁を弁開にして平常状態に復帰させ、漏れありの場合にはガス遮断弁の閉状態を継続させる漏洩判定部と、感震センサやガス漏れ警報器等の外部センサからの異常検出信号または点検スイッチ等からの点検信号が入力されたとき漏洩精度選択信号を出力して前記漏洩判定部に入力するガス使用異常パターン検出部とを具備し、前記ガス使用異常パターン検出部が高精度に選択されている場合には、通常精度選択時よりも漏洩判定部の漏洩判定時間が長くなるように設定したガス遮断装置。
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