JP4277193B2 - 発熱性を有する弾性加工糸 - Google Patents
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Description
1.非弾性繊維と弾性繊維からなり、主として糸条のコア部に吸湿発熱性能を有する弾性繊維を配し、吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が1℃以上であることを特徴とする弾性加工糸。
2.弾性繊維が、20℃×65%RHにおける吸湿率が0.5%以上、20℃×95%RHにおける吸湿率が1.5%以上であることを特徴とする上記第1記載の弾性加工糸。
3.弾性繊維の吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が2℃以上であることを特徴とする上記第1又は第2記載の弾性加工糸。
4.弾性繊維が、アクリロニトリルを50重量%以上含むアクリロニトリル系重合体にヒドラジン、ジビニルベンゼン又はトリアリルイソシアヌレート処理により架橋構造を導入し、残存しているニトリル基を加水分解により塩型カルボキシル基に化学変換せしめたものであって、塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有する微粒子を0.2〜50重量%含有することを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の弾性加工糸。
5.弾性加工糸が、シングルカバリング糸、ダブルカバリング糸、エアカバリング糸、コアスパンヤーン、合撚糸のいずれかであることを特徴とする上記第1〜第4のいずれかに記載の弾性加工糸。
例えば強酸を溶媒とする再生セルロースの場合は、カルボキシル基末端が水素イオンになり発熱効果が著しく減少するが、弾性繊維の場合は溶媒として酸ではなく、一般的にアルカリ系の有機溶媒を用いるため、カルボキシル基末端がナトリウムイオンとすることができるので微粒子の持つ吸湿・発熱特性が維持及び/又は向上するためであるのではないかと考えている。よって、繊維に含有される吸湿・発熱性微粒子の割合が少なくても、優れた吸湿・発熱特性が得られることになる。
(A)弾性繊維発熱性(最大温度上昇)
筒編み機を用いて10gの弾性繊維のベア筒編みサンプルを作成した。該筒編みサンプルを温度センサーに装着(例えば安立計器(株)製の棒状検知端を有する540K MD−5型になるべく密着するように巻きつけて、検知端先端から余った筒編みサンプル端を折り返してセロハンテープあるいは輪ゴム等でとめる)し、70℃×2時間乾燥後、シリカゲル入りデシケータ(デシケータ内は約5%RH)に入れ、32℃で24時間放置した。その後サンプルを装着した温度センサーを温度記録計(例えば安立計器(株)製;DATA COLLECTOR AM−7052型)に速やかに接続し、32℃×70%RHの環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶液デシケータ)での吸湿発熱による温度変化を計測した。得られた最大温度データ(℃)と初期温度(32℃)との差を計算し、最大温度上昇(℃)を求めた。
弾性繊維5gを石油エーテル100mlで洗浄した後、絶乾状態での重量W1(g)を測定する。20℃×65%RHの雰囲気下で24時間放置した後の重量W2(g)を測定し下記式(1)によって、20℃×65%RHにおける吸湿率を求める。
20℃×65%RH、吸湿率(%)={(W2−W1)/W1}×100
・・・・・・・・・・・・(1)
更に、20℃×95%RHの雰囲気下で24時間放置した後の重量W3(g)を測定し、下記式(2)によって、20℃×95%RHにおける吸湿率を求める。
20℃×95%RH、吸湿率(%)={(W3−W1)/W1}×100
・・・・・・・・・・・・(2)
105℃に設定した乾燥器中に24時間入れて絶乾した試料約1gを10mlスクリュー管に入れ、垂直に保持し、試料上面をなるべく平らにして、目盛りからその時の体積V1(ml)を読み取る。スクリュー管に吸水後も試料上面より水面が高くなる量の純水を入れ、6時間垂直に放置後、試料上面の体積V2(ml)を目盛りから読み取る。微粒子の膨潤度は下記式(3)によって求める。
膨潤度(%)= {(V2−V1)/V1}×100・・・・・(3)
試料約2gを洗浄し絶乾したシャーレに採取し、部分的に小さな穴をあけたアルミホイルをかぶせ、微粒子が飛び散らないように留意して、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿器中に24時間入れた後のシャーレの重量W4を測定する。その後105℃に設定した乾燥機の中に24時間入れた後のシャーレの重量W5(g)を測定する。20℃×65%RHにおける微粒子の水分率は下記式(4)により求める。
水分率(%)={(W4−W5)/W5}×100・・・・・(4)
筒編み機を用いて20gの弾性加工糸の筒編みサンプルを作成した。該筒編みサンプルを温度センサーに装着(例えば安立計器(株)製の棒状検知端を有する540K MD−5型になるべく密着するように巻きつけて、検知端先端から余った筒編みサンプル端を折り返してセロハンテープあるいは輪ゴム等でとめる)し、70℃×2時間乾燥後、シリカゲル入りデシケータ(デシケータ内は約5%RH)に入れ、32℃で24時間放置した。その後サンプルを装着した温度センサーを温度記録計(例えば安立計器(株)製;DATA COLLECTOR AM−7052型)に速やかに接続し、32℃×70%RHの環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶液デシケータ)での吸湿発熱による温度変化を計測した。得られた最大温度データ(℃)と初期温度(32℃)との差を計算し、最大温度上昇(℃)を求めた。
十分乾燥した供試微粒子約1gを精秤し(X(g))、これに200gの水を加えた後、50℃に加温しながら1N塩酸水溶液を添加してpH2に調整し、次いで0.1N苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。この滴定曲線からカルボキシル基に消費された水酸化ナトリウム水溶液消費量(Y(cc))を求め、下記式(5)によってカルボキシル基濃度を算出した。
カルボキシル基濃度=0.1×Y/X・・・・・・・・・・・(5)
別途、上述のカルボキシル基量測定操作において1N塩酸水溶液の添加によるpH2 への調整をすることなく同様に滴定曲線を求めカルボン酸濃度を求めた。これらの結果から下記式(6)により塩型カルボキシル基濃度を算出した。
塩型カルボキシル基濃度=カルボキシル基濃度−カルボン酸濃度・・・・(6)
繊維評価技術協議会の標準洗剤を使用したJIS−0217−103法に準拠した。
分子量1800のポリオキシテトラメチレングリコール200部とメチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)45部を80℃で3時間反応させ、両末端イソシアネート基の中間重合体を得た。中間重合体を40℃まで冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド375部を加え10℃まで冷却した。エチレンジアミン4.0部、ジエチルアミン0.4部をN,N−ジメチルアセトアミド147.6部に溶解したジエチルアミン溶液を用意し、高速攪拌されている中間重合体溶液へジエチルアミン溶液を一気に添加し、溶液濃度32.2重量%、粘度2500ポイズ(30℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。
発熱吸湿性有機微粒子の添加量を0.1%とする以外は、実施例1と同様の方法でレッグウォーマーを得た。得られたポリウレタン弾性繊維の最大発熱量は0.6℃であり、20℃×20%RHにおける吸湿率は0.3%、20℃×65%RHにおける吸湿率は1.5%、20℃×95%RHにおける吸湿率は1.8%であった。弾性繊維の伸度は570%、伸長回復率は95%であった。コアヤーンの発熱温度は0.4℃であった。実施例1と同様に20名の着用試験をした。その結果、通常のレッグウォーマーと相違無いと回答したものが16名、若干暖かいが不十分と回答したものが4名であった。洗濯10回後のレッグウォーマーで同様の着用テストをしても同じ回答となった。
ポリエステル/綿の65:35の混紡糸を紡績する際に、実施例1で作成した発熱弾性繊維3本を積極解舒させながら、巻き付くように横方向から供給しカバリング糸を作成した。得られたカバリング糸を用いて100本編み機で筒編み地を作成した。コアヤーンの温度上昇値は5.5℃であった。しかし保温効果が持続せず、すぐに冷たいものとなってしまった。洗濯10回後のレッグウォーマーで同様の着用テストをしても同じ回答となった。
比較例1のレッグウォーマーに実施例1に記載の発熱吸湿性有機微粒子12部と加工薬剤エラストロンW−33(第一工業製薬社製 水溶系ポリウレタン固形分 30%)を2部、キャタリスト64(第一工業製薬社製)を0.6部の処方で浸漬、脱液で、絞り率70%とし、80℃で乾燥後、115℃の熱処理を行った。得られた加工レッグウォーマーで着用テストを実施したところ20人中、14人が暖かいと評価したが、そのうち8人が運動中にべたつきを感じ、全体のうち18人が風合いは硬いと評価した。洗濯10回後のレッグウォーマーで同様の着用テストをした結果、暖かいと評価したのは7人であり、性能が著しく低下していた。またそのうち5人が運動中にべたつきを感じた。
発熱吸湿性有機微粒子の添加量を51%とする以外は、実施例1と同様の方法で繊維の作成を試みたが、紡糸巻取ができなくて繊維にならなかった。
Claims (5)
- 非弾性繊維と弾性繊維からなり、主として糸条のコア部に吸湿発熱性能を有する弾性繊維を配し、吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が1℃以上であることを特徴とする弾性加工糸。
- 弾性繊維が、20℃×65%RHにおける吸湿率が0.5%以上、20℃×95%RHにおける吸湿率が1.5%以上であることを特徴とする請求項1記載の弾性加工糸。
- 弾性繊維の吸湿及び/又は吸水時の最大温度上昇が2℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性加工糸。
- 弾性繊維が、アクリロニトリルを50重量%以上含むアクリロニトリル系重合体にヒドラジン、ジビニルベンゼン又はトリアリルイソシアヌレート処理により架橋構造を導入し、残存しているニトリル基を加水分解により塩型カルボキシル基に化学変換せしめたものであって、塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有する微粒子を0.2〜50重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性加工糸。
- 弾性加工糸が、シングルカバリング糸、ダブルカバリング糸、エアカバリング糸、コアスパンヤーン、合撚糸のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾性加工糸。
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