JP4276822B2 - 弾球遊技機における打球発射操作ハンドル - Google Patents

弾球遊技機における打球発射操作ハンドル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機の前面に設けられ、遊技の進行上所定条件を満たしたときに振動する弾球遊技機における打球発射操作ハンドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾球遊技機であるパチンコ遊技機であって、例えばフィーバータイプのもの等では、大当たりになる可能性の高い状態、または、大当りになった状態といった遊技の進行上所定条件を満たしたときに、電飾ランプを点灯させたりスピーカから音楽を流すなどして視覚的効果及び聴覚的効果を通して遊技の雰囲気を盛り上げるようにしていた。ところが、近時は、さらに前記特別の遊技態様をより効果的に演出し得るようにするため、打球発射操作ハンドル内部に、例えば小型のモータと偏心ウェイトとによって構成される振動発生手段を設け、前記遊技の進行上所定条件を満たしたときには、前記モータを回転させることにより、前記打球発射操作ハンドルを振動させ、その振動を打球発射操作ハンドルを握る遊技者の手の触感で味わえるようにして、触感的効果をも加味するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記打球発射操作ハンドルは、通常、前側ケース部材および後側ケース部材とからなる本体ケースと、前側ケース部材と後側ケース部材との間に成形される隙間に回動自在に介装され打球発射力を調整するための操作レバーとを有する。前記前側ケース部材と後側ケース部材とは、通常同じ合成樹脂材であって、共に振動伝達効率の同じ素材により成形されている。よって、振動発生手段により振動が与えられた場合、前側ケース部材と後側ケース部材とも共に同じ強さで振動することから、遊技者が手の触感として感ずる振動の強さはどこも均一である。このため、遊技者に与えるインパクトが未だ十分ではなく、遊技の興趣を高める上において、更なる工夫が要求されている。
【0004】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、打球発射操作ハンドルの位置によって手の感触として感ずる振動の強さを異ならせることにより、変化に富んだ振動を体感でき、これにより、大当たりになる可能性の高い状態、または、大当りになった状態時の雰囲気がより一層盛り上げられ、遊技の興趣が一段と高められるようにした弾球遊技機における打球発射操作ハンドルを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため本発明に係る弾球遊技機における打球発射操作ハンドルは、前側ケース部材と、前記前側ケース部材に弾性部材を介して接合される後側ケース部材と、前記両ケース部材間に成形される隙間に回動自在に介装され打球発射力を調整するための操作レバーとを有し、遊技の進行上所定条件を満たしたときに前記両ケース部材を振動させる振動発生手段を内装してなる打球発射操作ハンドルであって、前記前側ケース部材と後側ケース部材とを共に同じ肉厚にしかつ振動伝達効率の同じ素材により成形し、前記前側ケース部材または後側ケース部材の内側面に部分的に肉厚が異なる肉厚変形部を設けた構成からなる
【0006】
また、この場合、前記前側ケース部材に前記肉厚変形部が設けられ、かつ前記肉厚変形部は前記前側ケース部材の他の部分と比較して肉厚が薄く成形されていることが好ましい。
【0007】
次に、前側ケース部材および該前側ケース部材に弾性部材を介して接合される後側ケース部材からなる本体ケースと、前記両ケース部材間に成形される隙間に回動自在に介装され打球発射力を調整するための操作レバーとを有し、遊技の進行上所定条件を満たしたときに前記両ケース部材を振動させる振動発生手段を内装してなる打球発射操作ハンドルであって、前記前側ケース部材と後側ケース部材とを共に同じ肉厚にしかつ振動伝達効率の同じ素材により成形し、前記本体ケースの内側面には部分的に振動伝達効率の低い素材からなる振動減衰部材を貼着した構成からなる。この場合、前記後側ケース部材の内側面のみに振動伝達効率の低い素材からなる振動減衰部材を貼着することが好ましい。または、前記後側ケース部材の内側面と前側ケース部材の内側面の一部分のみに振動伝達効率の低い素材からなる振動減衰部材を貼着することが好ましい。
【0008】
振動伝達効率は、物質の減衰能(振動1サイクル当たりのエネルギーの損失をパーセントで表したもの)に起因し、強度の弱い材質は振動を減衰させる能力に優れ振動伝達効率が低く、強度の強い材質は振動を減衰させる能力に劣っており振動伝達効率が高い。そこで、減衰能が大きい材質としては、ゴム、マグネシウム等があり、減衰能が中程度の材質としては、ABS樹脂、PC樹脂、セラミック等があり、減衰能が小さい材質としては、サーメット、銅、チタン合金、アルミニウム合金等がある。そこで、本発明はこれらから適宜最良のものが選択して使用される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る弾球遊技機における打球発射操作ハンドルの実施の形態を図面に基づき説明する。図1は本発明が適用されるパチンコ遊技機の正面図、図2は同打球発射操作ハンドルの外観斜視図である。図中、1は機枠、2は機枠1の前面に回動自在に装着される額縁状の前面枠である。前面枠2の前面には、ガラス扉枠3と前面板4が上下に装着され、前面枠2の後面には前記ガラス扉枠3の窓孔5に臨む遊技盤6が配設される。
【0010】
前記ガラス扉枠3の窓孔5は、ガラス板7で覆われ、前面板4の前面には発射部(図示せず。)に打球を供給するための打球供給皿8が装着される。前面枠2の下部前面には、前記打球供給皿8から溢れるパチンコ球を貯留する余剰球貯留皿9が装着され、その一側に本発明に係る打球発射操作ハンドル10が装着されている。
【0011】
前記遊技盤6の前面には、内側ガイドレール11と外側ガイドレール12とが渦巻き状に配設され、これら内・外側ガイドレール11,12により囲われて遊技部6aが成形される。遊技部6aには、そのほぼ中央に表示部13aを有する可変表示装置13が配設され、その下方にパチンコ球の入賞により前記表示部13aの文字、数字、図形等の表示を変動表示させる始動入賞口14が配設される。更に、その下方に、前記変動した表示が一定の時間経過後に停止して特定の表示(例えば「777」)を示し、遊技者にとって有利な大当りになった状態という遊技の進行上所定条件を満たしたときに、一定の条件の下で開閉扉15を所定回数開成させ一度に多くの入賞球が得られる入賞装置16が配設されている。前記始動入賞口14は、パチンコ球が入賞し難い起立またはパチンコ球が入賞し易い傾動位置に自在に変換可能な一対の可動翼片14aを有している。17は、外側ガイドレール12の外側であって遊技盤6面に設けられるランプ、18は、前記打球供給皿8に設けられるスピーカである。
【0012】
前記打球発射操作ハンドル10は、図3、図4、図5に示すように、本体ケース19を構成する中空曲面状の前側ケース部材19aおよび後側ケース部材19bと、両ケース部材19a,19bの間に成形される隙間に介装され打球発射力を調整するための操作レバー20からなる。本体ケース19は、余剰球貯留皿9の一端面と連続する湾曲面状で上面に滑らかなU字形の曲面状窪み21が形成された形態である。そして、前記前側ケース部材19aと後側ケース部材19bとはそれぞれ同じ肉厚にされかつ振動伝達効率の異なる素材により成形されている。例えば、前側ケース部材19aは、ABS樹脂又はPC樹脂等の合成樹脂材により成形され、後側ケース部材19bは、マグネシウムで成形される。この場合、合成樹脂材の方がマグネシウムよりも振動伝達効率が高い。
【0013】
22は、前側ケース部材19aと後側ケース部材19bの各内側面にそれぞれ突設された4本の取付軸23にビス24によって取着される振動発生手段である。この振動発生手段22は、前側ケース部材19a側の取付板25の後端に固着される円盤形の永久磁石26と、後側ケース部材19b側の取付板25の前端に固着される電磁コイル27とからなり、永久磁石26と電磁コイル27とを接近状態で対向させてなる。
【0014】
そして、操作レバー20の支軸20aを後側ケース部材19bの軸孔28に貫挿することで該操作レバー20を回動自在に支持し、該操作レバー20の外周部を前側ケース部材19aと後側ケース部材19bとの間に成形される隙間より突出させる。また、前側ケース部材19aと後側ケース部材19bの周縁部の対向縁には、ウレタン,ゴム等の弾性部材29を介在させ、該各ケース部材19a,19bの内側面に一体に形成された取付用中空軸30を合着させビス31を貫挿螺合することにより、打球発射操作ハンドル10が組み立てられる。
【0015】
また、後側ケース部材19bは、遊技機本体の前板32との間にウレタン,ゴム等の弾性部材33を介在させビス34を螺合することにより接合される。なお、35は操作レバー20の回転角度を検出するために遊技機本体内に設けられたロータリーエンコーダで、その電気信号に従い打球発射装置(図示省略)が作動することで、打球の飛距離が遊技者の意図するように自由に調節される。
【0016】
本発明は上記構成からなり、遊技中に可変表示装置13の表示部13aに変動表示される表示が、例えば三桁の数字であって、百の位と一の位が同じ数字に揃って大当たりになる可能性の高いとき、または十の位も同じ数字に揃って大当りになった状態のとき、ランプ17を点滅させ、音声,効果音等をスピーカ18より再生するとともに、60Hz〜70Hz程度の低周波を振動発生手段22の電磁コイル27に出力する。これにより、電磁コイル27がその周波数に従って励起し、永久磁石26の磁極に吸引,反発することから、電磁コイル27と永久磁石26がその低周波数にて同時に振動する。そして、前記電磁コイル27の振動は後側ケース部材19bを振動させ、また、永久磁石26の振動は前側ケース部材19aを振動させる。
【0017】
この際、前側ケース部材19aと後側ケース部材19bとでは振動伝達効率が異なることから、本体ケース19を触りながら操作レバー20を操作している遊技者は、後側ケース部材19bと前側ケース部材19aとで強さの異なった二種類の振動を受けることになる。よって、遊技者は変化に富んだ振動を体感でき、これにより、大当りになった状態等の雰囲気が一層盛り上げられる。前側ケース部材19aと後側ケース部材19bとは、互いに振動伝達効率の異なる素材により成形すれば、本発明の目的は十分達成されるが、前側ケース部材19aを後側ケース部材19bより振動伝達効率の高い素材により成形するようにすれば、頻繁に触れる前側ケース部材19aが良く振動して遊技者が振動を体感し易くなる。
【0018】
図6乃至図10も打球発射操作ハンドルであって、これら打球発射操作ハンドルは前記打球発射操作ハンドルと構成がほとんど同一であるので、同一部位は同一番号を付して詳しい説明は省略する。図6に示される打球発射操作ハンドル10aは、前記前側ケース部材19aと後側ケース部材19bとを共に同じ肉厚にしかつ振動伝達効率の同じ素材(例えば、ABS樹脂またはPC樹脂)により成形される。そして、前記本体ケース19、すなわち前側ケース部材19aまたは後側ケース部材19bの内側面に部分的に肉厚が異なる肉厚変形部36が設けられている。この実施の形態では、肉厚変形部36が他の部分より厚く成形されている。このように、肉厚の厚い肉厚変形部36が設けられることにより、その部分では他の部分に比べ振動が減衰されることから、本体ケース19に振動の強い部分と弱い部分ができる。よって、これに接する遊技者は変化に富んだ振動を体感でき、これにより、大当りになった状態等の雰囲気が一層盛り上げられる。また、前記肉厚変形部36は、部分的に薄く設けるようにしても良い。更に、厚くなる部分と薄くなる部分とが混在するようにしても良い。
【0019】
また、図7に示す打球発射操作ハンドル10bは、前側ケース部材19aの全体に前記肉厚変形部36が設けられ、かつ肉厚変形部36は前記本体ケース19の他の部分と比較して肉厚が薄く成形されているようにすれば、頻繁に触れる前側ケース部材19aが良く振動して遊技者が振動を体感し易くなる。なお、後側ケース部材19bの全体に薄い肉厚変形部36を設けるようにしても良い。
【0020】
図8に示す打球発射操作ハンドル10cは、前側ケース部材19aと後側ケース部材19bとを共に同じ肉厚にしかつ振動伝達効率の同じ素材により成形し、本体ケース19の内側面には部分的に振動伝達効率の低い素材からなる振動減衰部材37を貼着している。この振動減衰部材37は板状に成形され、例えばゴム、合成ゴム、ウレタン樹脂等の振動減衰能力の大きい素材が選ばれる。このように、振動減衰部材37が貼着されることにより、貼着された部位は他の部分に比べ振動が減衰されることから、本体ケース19に振動の強い部分と弱い部分ができる。よって、これ接する遊技者は変化に富んだ振動を体感でき、これにより、大当りになった状態等の雰囲気が一層盛り上げられる。前記振動減衰部材36は一定の厚みにする必要はなく、厚い部分と薄い部分とが混在するようにしても良い。
【0021】
図9に示す打球発射操作ハンドル10dは、後側ケース部材19bの内側面全体のみに振動減衰部材37を貼着したものであり、本体ケース19に振動の強い部分と弱い部分ができ、しかも、前側ケース部材19aが良く振動して遊技者が振動を体感し易くなる。さらに、図10に示す打球発射操作ハンドル10eは、後側ケース部材19bの内側面全体と前側ケース部材19aの内側面の一部、詳しくは遊技者の手のひらが良く接する個所38を除いた部分、のみに振動減衰部材37を貼着したものである。これによれば、前側ケース部材19aの手に一番伝達され易い個所で振動が体感できることから、遊技者が体感し易くなる。
【0022】
前記他の実施の形態では、例えば前側ケース部材19aの一部であって、遊技者が手で一番良く触れる個所をピンポイント的に振動伝達効率を高めるようにすれば、より効率的に振動を体感させられる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る弾球遊技機における打球発射操作ハンドルは、前側ケース部材と後側ケース部材とをそれぞれ同じ肉厚であってかつ振動伝達効率の異なる素材により成形し、また、前側ケース部材と後側ケース部材とを共に同じ肉厚であってかつ振動伝達効率の同じ素材により成形し、本体ケースには部分的に肉厚が異なる肉厚変形部を設け、または、本体ケースの内側面には部分的に振動伝達効率の低い素材からなる振動減衰部材を貼着するようにしたので、本体ケースに振動の強い部分と弱い部分がでる。よって、これに接する遊技者は、変化に富んだ振動を体感でき、これにより、特別の遊技態様時の雰囲気をより一層盛り上げ、遊技の興趣を一段と高めることができる。
【0024】
また、前側ケース部材を後側ケース部材と比較して振動伝達効率の高い素材により成形し、前側ケース部材に薄肉変形部を設け、または、後側ケース部材の内側面のみに振動減衰部材を貼着するなどすれば、遊技者が体感し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるパチンコ遊技機の正面図。
【図2】 パチンコ遊技機の打球発射操作ハンドル部分の斜視図。
【図3】 図2の打球発射操作ハンドルの分解状態の平面断面図。
【図4】 図2の打球発射操作ハンドルの平面断面図。
【図5】 図4のX−X線断面図。
【図6】 本発明に係る打球発射操作ハンドルの分解状態の平面断面図。
【図7】 他の実施の形態に係る打球発射操作ハンドルの分解状態の平面断面図。
【図8】 他の実施の形態に係る打球発射操作ハンドルの分解状態の平面断面図。
【図9】 他の実施の形態に係る打球発射操作ハンドルの分解状態の平面断面図。
【図10】 他の実施の形態に係る打球発射操作ハンドルの分解状態の平面断面図。
【符号の説明】
10 打球発射操作ハンドル
19 本体ケース
19a 前側ケース部材
19b 後側ケース部材
20 操作レバー
22 振動発生手段
29 弾性部材
36 肉厚変形部
37 振動減衰部材

Claims (1)

  1. 前側ケース部材と、前記前側ケース部材に弾性部材を介して接合される後側ケース部材と、前記両ケース部材間に成形される隙間に回動自在に介装され打球発射力を調整するための操作レバーとを有し、遊技の進行上所定条件を満たしたときに前記両ケース部材を振動させる振動発生手段を内装してなる打球発射操作ハンドルであって、前記前側ケース部材と後側ケース部材とを共に同じ肉厚にしかつ振動伝達効率の同じ素材により成形し、前記前側ケース部材または後側ケース部材の内側面に部分的に肉厚が異なる肉厚変形部を設けたことを特徴とする弾球遊技機における打球発射操作ハンドル。
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