JP3794072B2 - コンピュータ入力装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータゲームの操作時等においてパーソナルコンピュータや専用コンピュータゲーム装置に接続し、操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、コンピュータゲーム操作用のコンピュータ入力装置は、操作ボタンや操作スティックを具備し入力のみを行う事が可能なものであった。コンピュータゲーム上で表現される爆発等の結果である衝撃、振動、揺動をディスプレイの画像やスピーカの音響を用いることで表現していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
一般にアーケードゲームと呼ばれる遊戯施設設置用の乗用の大型ゲーム装置では、例えばフライトシミュレーションゲームにおいて操縦桿を機械的に振動させたりする事による衝撃、振動、揺動の表現を付加し、コンピュータゲームの出力が画像や音響のみでの場合に比して迫力ある臨場感を操作者に与えるものがあったが、従来の一般家庭で用いられるコンピュータ入力装置を用いた操作者は、画像や音響のみで振動等が表現されるため臨場感を感じる事が困難だった。また、特に聴覚障害者においては、音響表現を感じるのが困難なためさらにコンピュータゲームの満足感を感じることが困難であった。
【０００４】
本発明は、以上のような問題点を解決するもので、健常者においては画像や音響に付加して更に臨場感を高める手段として、また聴覚障害者に対しては、音響情報に変わるものとして、把持したコンピュータ入力装置自体が振動や揺動を体感的に表現する事が可能なコンピュータ入力装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明は、操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置において、回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置を具備した事を特徴とする。
【０００６】
請求項２記載の発明は、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置の変動周波数が、１０Ｈｚ未満である事を特徴とする。
【０００７】
請求項３記載の発明は、前記回転型ジャイロに関し、回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすことを特徴とする。
【０００８】
請求項４記載の発明は、前記回転型ジャイロの慣性モーメントが５０ｇｃｍ2以上である事を特徴とする。
【０００９】
請求項５記載の発明は、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置は、モータと前記モータの回転角度検出装置とで構成される事を特徴とする。
【００１０】
請求項６記載の発明は、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置は、クランク機構あるいはカム機構のいずれかを用いた事を特徴とする。
【００１３】
請求項７記載の発明は、操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置において、回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置と、リニア型あるいは回転型のいずれかの振動モータの双方を具備したことを特徴とする。
【００１４】
【作用】
請求項１〜請求項６記載の発明では、コンピュータ入力装置内に具備した回転型ジャイロを高速回転させた状態で、コンピュータ本体からの指示信号により軸方向変動装置を用いて回転型ジャイロの軸方向をコンピュータ入力装置のケースに対して変動させる事で、ジャイロ効果による反作用がコンピュータ入力装置のケースに発生し、その装置を把持している操作者が例えばフライトシミュレーションゲームを行っている場合に、あたかも操縦しているような揺れ等を感じさせる事ができる。特に１０Ｈｚ以下の周波数の低い揺動運動は、飛行機、自動車、宇宙船等の擬似操縦体験を目的とするコンピュータゲームに不可欠な機体等の揺れの感覚を与える事が可能である。また、回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすこと、あるいは、前記回転型ジャイロの慣性モーメントが５０ｇｃｍ2以上である場合は、ジャイロ効果が十分に発生し操作者に臨場感を感じさせる事が可能となる。
【００１６】
請求項７記載の発明では、低周波数の揺動を回転型ジャイロの軸方向変動装置によって、また高周波数の振動を振動モータによって操作者に体感させる事により、さまざまなコンピュータゲーム上の場面の迫力ある臨場感を伝える事が可能となる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
（実施例１）
本発明のコンピュータ入力装置の一実施例について図面を参照し説明する。図１は本発明のコンピュータ入力装置の平面図である。図中ケース１０１は、内部構造を図示するための一部を破断して示してある。また図２は本発明のコンピュータ入力装置の要部の断面図である。ケース１０１の外部には、操作スティック１０２、操作ボタン１０３が配され、操作者は把持部１１１を把持して操作スティック、および操作ボタンを用いてコンピュータゲーム等を楽しむことができる。パーソナルコンピュータ本体との接続は接続コード１１２を介して行われている。
【００１８】
ケース１０１の内部には、回転型ジャイロ２１１がジャイロ軸２１２を介して、軸受２１３により軸支されている。回転型ジャイロ２１１の両面に固着された永久磁石２２３、バックヨーク２２４とジャイロケース２１４の内面に固着されたヨーク２２１、コイル２２２でブラシレスＤＣモータが構成されている。
回転型ジャイロの軸方向変動装置は、モータ２０１、減速機２０２、ポテンショメータ２０３で構成される。モータ２０１の出力軸は減速機２０２に入力されている。減速機２０２の出力軸２０５はポテンショメータ２０３と共有され、さらに先端はジャイロフレーム２１５に圧入されている。ジャイロフレーム２１５のもう一方には補助軸２１６が圧入され、補助軸２１６はケース１０１に固定されたスタンド２０６の穴に回動自由に挿入されている。モータ２０１の回転速度、回転方向は、ポテンショメータ２０３の出力を用いて制御される。
【００１９】
以上の構成において、回転型ジャイロ２１１を常時高速回転させた状態で、コンピュータ等の指示信号により、モータ２０１が正転、逆転を交互に繰り返すことで、ケース１０１には、ジャイロ効果による反作用として、同一周波数の揺動が発生する。モータ２０１の回転速度と回転方向をポテンショメータ２０３の出力からフィードバック制御する事で、所望の揺動周波数と振幅を得る事が可能となっている。
【００２０】
モータの軸端に偏心重りを固着した振動モータ３０１は前述の回転型ジャイロ部分、回転型ジャイロの軸方向変動装置部分とは別個に振動モータ固定具３０２によってケース１０１に固定されている。従ってコンピュータ等の指示信号により、振動モータ３０１が回転する事で振動はケース１０１の把持部１１１を把持している操作者に伝わる。
【００２１】
本発明のコンピュータ入力装置は、空中に把持した状態で使用するため、操作者の疲労軽減のために軽量化が重要である。ジャイロ効果による力は軸方向変動の速度に比例する。一方、振動モータの起振力は振動モータの周波数の二乗に比例する。従って比較的周波数の低い部分では、ジャイロ効果を利用した揺動あるいは振動機構を構成した方が、軽量に構成できる。一方、高い周波数の振動を発生させる場合には、構成の簡単な振動モータを利用した方が軽量となる。実際に、本実施例の装置を試作した場合、概ね１０Ｈｚ程度を境界にその周波数以下の揺動を実現するにはジャイロ方式の方が、より軽量な揺動機構を構成可能であった。
【００２２】
また、被験者７名が本実施例のコンピュータ入力装置を試用した結果、４Ｈｚの揺動周波数において半数以上すなわち４名がコンピュータ入力装置を把持した手に揺動を感じたのは、把持部１１１に約５０ｇｆの力が発生する場合であった。また被験者全員が十分の臨場感を感じるには同様に約１５０ｇｆが必要であった。従って、コンピュータ入力機器の略中央部に回転型ジャイロが設置される場合、両端で５０ｇｆの力を発生するには、回転型ジャイロの軸方向変動によるトルクから、回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすことが望ましい。さらに十分な臨場感を発生するには、Ｈ×Ｐ／ｒ＞３００ｇであることがより望ましい。
【００２３】
実際の設計において、前記回転型ジャイロの回転数は安全性や軸受け寿命等の制限から１５０００ｒｐｍ程度が上限である。これを前述のＨ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たし、かつ把持部間は一般のコンピュータ入力装置では２０ｃｍ弱である事を考慮すると、回転型ジャイロの慣性モーメントは５０ｇｃｍ2以上が必要となる。
【００２４】
本実施例においては、上記の条件を満たすべく設計されたので、本発明のコンピュータ入力装置の操作者は十分な臨場感を得る事ができる。また、比較的高い周波数の振動を発生する場合は、振動モータ３０１を回転させるだけで、十分な臨場感を操作者に体感させることが可能である。
【００２５】
また、本実施例では、回転型ジャイロの軸方向変動装置を、回転角度変更可能にするために、減速機から直結で構成しているが、クランクやカム機構を用いてフィードバック制御を必要としない廉価な構成とする事ももちろん可能である。
【００２６】
さらに、本コンピュータ入力装置は、パーソナルコンピュータ本体や専用コンピュータゲーム装置本体からの電源給電を前提としているが、十分な振動や揺動を確保するためには独立した電源を確保する事がより望ましい。また、本コンピュータ入力装置の揺動や振動を指示する機能を持つ専用のゲームソフトウェアを用いる事が望ましいが、音響信号を利用して、その周波数や振幅に応じた揺動や振動を発生させる事で、軽便に臨場感を楽しむ事も可能である。
【００２７】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載されるような効果を有する。
【００２８】
回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置を具備し、人間が十分に臨場感を感じる事ができる揺動を感じる事ができる力を発生する事が可能で、かつ高い周波数領域の振動を表現するための振動モータをも備えているため、パーソナルコンピュータや専用ゲーム装置を用いたコンピュータゲーム等を楽しむ際に、健常者においては画像や音響に付加して更に臨場感を高め、また聴覚障害者に対しては、音響情報に変わって、把持したコンピュータ入力装置自体の振動や揺動により臨場感を体感することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のコンピュータ入力装置の平面図。
【図２】本発明のコンピュータ入力装置の縦断面図。
【符号の説明】
１０１ ケース
１０２ 操作スティック
１０３ 操作ボタン
１１１ 把持部
１１２ 接続コード
２０１ モータ
２０２ 減速機
２０３ ポテンショメータ
２０４ モータ取付板
２０５ 出力軸
２０６ スタンド
２１１ 回転型ジャイロ
２１２ ジャイロ軸
２１３ 軸受
２１４ ジャイロケース
２１５ ジャイロフレーム
２１６ 補助軸
３０１ 振動モータ
３０２ 振動モータ固定具
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータゲームの操作時等においてパーソナルコンピュータや専用コンピュータゲーム装置に接続し、操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、コンピュータゲーム操作用のコンピュータ入力装置は、操作ボタンや操作スティックを具備し入力のみを行う事が可能なものであった。コンピュータゲーム上で表現される爆発等の結果である衝撃、振動、揺動をディスプレイの画像やスピーカの音響を用いることで表現していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
一般にアーケードゲームと呼ばれる遊戯施設設置用の乗用の大型ゲーム装置では、例えばフライトシミュレーションゲームにおいて操縦桿を機械的に振動させたりする事による衝撃、振動、揺動の表現を付加し、コンピュータゲームの出力が画像や音響のみでの場合に比して迫力ある臨場感を操作者に与えるものがあったが、従来の一般家庭で用いられるコンピュータ入力装置を用いた操作者は、画像や音響のみで振動等が表現されるため臨場感を感じる事が困難だった。また、特に聴覚障害者においては、音響表現を感じるのが困難なためさらにコンピュータゲームの満足感を感じることが困難であった。
【０００４】
本発明は、以上のような問題点を解決するもので、健常者においては画像や音響に付加して更に臨場感を高める手段として、また聴覚障害者に対しては、音響情報に変わるものとして、把持したコンピュータ入力装置自体が振動や揺動を体感的に表現する事が可能なコンピュータ入力装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明は、操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置において、回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置を具備した事を特徴とする。
【０００６】
請求項２記載の発明は、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置の変動周波数が、１０Ｈｚ未満である事を特徴とする。
【０００７】
請求項３記載の発明は、前記回転型ジャイロに関し、回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすことを特徴とする。
【０００８】
請求項４記載の発明は、前記回転型ジャイロの慣性モーメントが５０ｇｃｍ2以上である事を特徴とする。
【０００９】
請求項５記載の発明は、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置は、モータと前記モータの回転角度検出装置とで構成される事を特徴とする。
【００１０】
請求項６記載の発明は、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置は、クランク機構あるいはカム機構のいずれかを用いた事を特徴とする。
【００１３】
請求項７記載の発明は、操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置において、回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置と、リニア型あるいは回転型のいずれかの振動モータの双方を具備したことを特徴とする。
【００１４】
【作用】
請求項１〜請求項６記載の発明では、コンピュータ入力装置内に具備した回転型ジャイロを高速回転させた状態で、コンピュータ本体からの指示信号により軸方向変動装置を用いて回転型ジャイロの軸方向をコンピュータ入力装置のケースに対して変動させる事で、ジャイロ効果による反作用がコンピュータ入力装置のケースに発生し、その装置を把持している操作者が例えばフライトシミュレーションゲームを行っている場合に、あたかも操縦しているような揺れ等を感じさせる事ができる。特に１０Ｈｚ以下の周波数の低い揺動運動は、飛行機、自動車、宇宙船等の擬似操縦体験を目的とするコンピュータゲームに不可欠な機体等の揺れの感覚を与える事が可能である。また、回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすこと、あるいは、前記回転型ジャイロの慣性モーメントが５０ｇｃｍ2以上である場合は、ジャイロ効果が十分に発生し操作者に臨場感を感じさせる事が可能となる。
【００１６】
請求項７記載の発明では、低周波数の揺動を回転型ジャイロの軸方向変動装置によって、また高周波数の振動を振動モータによって操作者に体感させる事により、さまざまなコンピュータゲーム上の場面の迫力ある臨場感を伝える事が可能となる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
（実施例１）
本発明のコンピュータ入力装置の一実施例について図面を参照し説明する。図１は本発明のコンピュータ入力装置の平面図である。図中ケース１０１は、内部構造を図示するための一部を破断して示してある。また図２は本発明のコンピュータ入力装置の要部の断面図である。ケース１０１の外部には、操作スティック１０２、操作ボタン１０３が配され、操作者は把持部１１１を把持して操作スティック、および操作ボタンを用いてコンピュータゲーム等を楽しむことができる。パーソナルコンピュータ本体との接続は接続コード１１２を介して行われている。
【００１８】
ケース１０１の内部には、回転型ジャイロ２１１がジャイロ軸２１２を介して、軸受２１３により軸支されている。回転型ジャイロ２１１の両面に固着された永久磁石２２３、バックヨーク２２４とジャイロケース２１４の内面に固着されたヨーク２２１、コイル２２２でブラシレスＤＣモータが構成されている。
回転型ジャイロの軸方向変動装置は、モータ２０１、減速機２０２、ポテンショメータ２０３で構成される。モータ２０１の出力軸は減速機２０２に入力されている。減速機２０２の出力軸２０５はポテンショメータ２０３と共有され、さらに先端はジャイロフレーム２１５に圧入されている。ジャイロフレーム２１５のもう一方には補助軸２１６が圧入され、補助軸２１６はケース１０１に固定されたスタンド２０６の穴に回動自由に挿入されている。モータ２０１の回転速度、回転方向は、ポテンショメータ２０３の出力を用いて制御される。
【００１９】
以上の構成において、回転型ジャイロ２１１を常時高速回転させた状態で、コンピュータ等の指示信号により、モータ２０１が正転、逆転を交互に繰り返すことで、ケース１０１には、ジャイロ効果による反作用として、同一周波数の揺動が発生する。モータ２０１の回転速度と回転方向をポテンショメータ２０３の出力からフィードバック制御する事で、所望の揺動周波数と振幅を得る事が可能となっている。
【００２０】
モータの軸端に偏心重りを固着した振動モータ３０１は前述の回転型ジャイロ部分、回転型ジャイロの軸方向変動装置部分とは別個に振動モータ固定具３０２によってケース１０１に固定されている。従ってコンピュータ等の指示信号により、振動モータ３０１が回転する事で振動はケース１０１の把持部１１１を把持している操作者に伝わる。
【００２１】
本発明のコンピュータ入力装置は、空中に把持した状態で使用するため、操作者の疲労軽減のために軽量化が重要である。ジャイロ効果による力は軸方向変動の速度に比例する。一方、振動モータの起振力は振動モータの周波数の二乗に比例する。従って比較的周波数の低い部分では、ジャイロ効果を利用した揺動あるいは振動機構を構成した方が、軽量に構成できる。一方、高い周波数の振動を発生させる場合には、構成の簡単な振動モータを利用した方が軽量となる。実際に、本実施例の装置を試作した場合、概ね１０Ｈｚ程度を境界にその周波数以下の揺動を実現するにはジャイロ方式の方が、より軽量な揺動機構を構成可能であった。
【００２２】
また、被験者７名が本実施例のコンピュータ入力装置を試用した結果、４Ｈｚの揺動周波数において半数以上すなわち４名がコンピュータ入力装置を把持した手に揺動を感じたのは、把持部１１１に約５０ｇｆの力が発生する場合であった。また被験者全員が十分の臨場感を感じるには同様に約１５０ｇｆが必要であった。従って、コンピュータ入力機器の略中央部に回転型ジャイロが設置される場合、両端で５０ｇｆの力を発生するには、回転型ジャイロの軸方向変動によるトルクから、回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすことが望ましい。さらに十分な臨場感を発生するには、Ｈ×Ｐ／ｒ＞３００ｇであることがより望ましい。
【００２３】
実際の設計において、前記回転型ジャイロの回転数は安全性や軸受け寿命等の制限から１５０００ｒｐｍ程度が上限である。これを前述のＨ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たし、かつ把持部間は一般のコンピュータ入力装置では２０ｃｍ弱である事を考慮すると、回転型ジャイロの慣性モーメントは５０ｇｃｍ2以上が必要となる。
【００２４】
本実施例においては、上記の条件を満たすべく設計されたので、本発明のコンピュータ入力装置の操作者は十分な臨場感を得る事ができる。また、比較的高い周波数の振動を発生する場合は、振動モータ３０１を回転させるだけで、十分な臨場感を操作者に体感させることが可能である。
【００２５】
また、本実施例では、回転型ジャイロの軸方向変動装置を、回転角度変更可能にするために、減速機から直結で構成しているが、クランクやカム機構を用いてフィードバック制御を必要としない廉価な構成とする事ももちろん可能である。
【００２６】
さらに、本コンピュータ入力装置は、パーソナルコンピュータ本体や専用コンピュータゲーム装置本体からの電源給電を前提としているが、十分な振動や揺動を確保するためには独立した電源を確保する事がより望ましい。また、本コンピュータ入力装置の揺動や振動を指示する機能を持つ専用のゲームソフトウェアを用いる事が望ましいが、音響信号を利用して、その周波数や振幅に応じた揺動や振動を発生させる事で、軽便に臨場感を楽しむ事も可能である。
【００２７】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載されるような効果を有する。
【００２８】
回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置を具備し、人間が十分に臨場感を感じる事ができる揺動を感じる事ができる力を発生する事が可能で、かつ高い周波数領域の振動を表現するための振動モータをも備えているため、パーソナルコンピュータや専用ゲーム装置を用いたコンピュータゲーム等を楽しむ際に、健常者においては画像や音響に付加して更に臨場感を高め、また聴覚障害者に対しては、音響情報に変わって、把持したコンピュータ入力装置自体の振動や揺動により臨場感を体感することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のコンピュータ入力装置の平面図。
【図２】本発明のコンピュータ入力装置の縦断面図。
【符号の説明】
１０１ ケース
１０２ 操作スティック
１０３ 操作ボタン
１１１ 把持部
１１２ 接続コード
２０１ モータ
２０２ 減速機
２０３ ポテンショメータ
２０４ モータ取付板
２０５ 出力軸
２０６ スタンド
２１１ 回転型ジャイロ
２１２ ジャイロ軸
２１３ 軸受
２１４ ジャイロケース
２１５ ジャイロフレーム
２１６ 補助軸
３０１ 振動モータ
３０２ 振動モータ固定具
Claims (7)
- 操作ボタンや操作スティックを具備し、片手もしくは両手で把持して使用されるコンピュータ入力装置において、回転型ジャイロと、前記回転型ジャイロの軸方向変動装置を具備した事を特徴とするコンピュータ入力装置。
- 回転型ジャイロの軸方向変動装置の変動周波数は、１０Ｈｚ未満である事を特徴とする請求項１記載のコンピュータ入力装置。
- 回転型ジャイロの角運動量をＨ、回転型ジャイロの軸方向変動の角速度をＰとし、回転型ジャイロの重心と把持部の距離をｒとしたとき、Ｈ×Ｐ／ｒ＞１００ｇを満たすことを特徴とする請求項１記載のコンピュータ入力装置。
- 回転型ジャイロの慣性モーメントは５０ｇｃｍ2以上である事を特徴とする請求項１記載のコンピュータ入力装置。
- 回転型ジャイロの軸方向変動装置は、モータと前記モータの回転角度検出装置とで構成される事を特徴とする請求項１記載のコンピュータ入力装置。
- 回転型ジャイロの軸方向変動装置は、クランク機構あるいはカム機構のいずれかを用いた事を特徴とする請求項１記載のコンピュータ入力装置。
- リニア型あるいは回転型のいずれかの振動モータを具備したことを特徴とする請求項１記載のコンピュータ入力装置。
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Family Applications (1)
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| JP24808396A Expired - Fee Related JP3794072B2 (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | コンピュータ入力装置 |
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Families Citing this family (12)
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| JPH114966A (ja) * | 1996-10-01 | 1999-01-12 | Sony Computer Entateimento:Kk | ゲーム機用操作装置及びゲーム装置 |
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