JPH08189545A - ジャイロ制振装置 - Google Patents

ジャイロ制振装置

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JPH08189545A
JPH08189545A JP251095A JP251095A JPH08189545A JP H08189545 A JPH08189545 A JP H08189545A JP 251095 A JP251095 A JP 251095A JP 251095 A JP251095 A JP 251095A JP H08189545 A JPH08189545 A JP H08189545A
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JP
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gyro
rotation
gimbal
vibration
damping device
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JP251095A
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Inventor
Masayuki Ichimonji
正幸 一文字
Yukihiko Kazao
幸彦 風尾
Kenichi Matsuo
賢一 松尾
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、装置の小型・軽量化を図り、また制
振力の有効領域を拡張して装置における制振機能を著し
く向上させることを最も主要な目的とする。 【構成】本発明は、回転主軸の回転速度を検出する速度
検出手段と、速度検出手段により検出された回転主軸の
回転速度に基づいて、当該回転速度の変化(回転加速
度)によって生じるジャイロ・モーメントによる制振力
の変化分を補正する補正手段とを備えることを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外力の作用によって揺
動振動を引き起こしている構造物の振動を抑制する制振
装置に係り、特に制振力として回転体のジャイロ効果を
利用するジャイロ制振装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジャイロ制振装置は、主として、塔状建
築構造物の風力等の外力による揺動振動を抑制すること
を目的として開発されたものであり、極慣性モーメント
を有する回転主軸を回転させて、回転主軸をジンバル軸
の回りに回転運動させることにより発生するジャイロ・
モーメントを、構造物に対して揺動振動を打ち消すよう
に作用させて、構造物の揺動振動を抑制することを基本
的な原理としている。そして、このような制振装置の一
例としては、“特開平1−244001号公報”におけ
るジャイロ制振装置等が挙げられる。
【0003】図6は、従来のジャイロ制振装置の構成例
を示す概要図である。図6において、構造物1上に設置
されたジンバル機構2は、ジンバル軸3の回りにジンバ
ル4を、ジンバル軸受5a,5bにより回転自在に支持
している。また、ジンバル4は、ジンバル制御用のサー
ボ・モータ6により、ジンバル軸3の回りに回転角θが
決定される。さらに、ジンバル4は、ジンバル軸3と直
交して回転主軸7を、主軸受8a,8bにより回転自在
に支持している。
【0004】一方、回転主軸7は、ジンバル4に取り付
けられた主軸駆動電動機9により駆動する。また、制振
力として必要な大きな極慣性モーメントを付加すると共
に、回転主軸7において安定した回転速度Ωを確保する
ために、回転主軸7には径の大きな円盤10を取り付け
ている。
【0005】一方、構造物1には、揺動振動による構造
物1の振動速度vを検出する速度センサー11を設置し
ており、アンプ12を介して演算装置13に接続してい
る。また、演算装置13は、速度センサー11により検
出された構造物1の振動速度vに基づいて、ジンバル4
の回転角速度を演算する。その上で、演算装置13は、
演算したジンバル4の回転角速度から回転主軸7の傾き
角を決定し、これとジンバル制御用のサーボ・モータ6
に設置された回転位置検出器14により検出されたジン
バル4の回転位置とに基づいて、ジンバル制御用のサー
ボ・ドライバ15によりジンバル軸制御用のサーボ・モ
ータ6を制御して、回転主軸7の傾き角(回転位置)を
変化させる。
【0006】ここで、回転主軸7の有する極慣性モーメ
ントをJとし、回転主軸7の回転速度をΩとして、ジン
バル4に回転角速度θ(θはジンバル4の回転位置、す
なわち回転主軸7の傾き角度である)を与えれば、ジャ
イロ効果によって回転主軸7には、大きさが、 Mg =JΩθ (1) で表わされるジャイロ・モーメントが、回転主軸7とジ
ンバル軸3に相直交する軸の回りに発生する。
【0007】これにより、構造物1に対して、 fr =Mg cosθ/L (2) の制振力が作用する。
【0008】ここに、Lは構造物1の脚長である。従っ
て、構造物1の振動速度vに対して、演算装置13は、
構造物1の振動変位が最小となるようにジャイロ・モー
メントを決定した上で、上記(1)式によりジンバル4
の回転角速度θを演算して、ジンバル軸制御用のサーボ
・モータ6にジンバル4の回転位置θを指令することに
より、ジャイロ・モーメントを制振力として構造物1に
作用させ、構造物1の揺動振動を抑制することができ
る。
【0009】以上の操作により、ジャイロ・モーメント
が制振力として構造物1に作用し、構造物1の揺動振動
を抑制することができる。図7は、上記ジャイロ制振装
置の制御過程を説明するためのブロック図である。
【0010】図7において、図6の構造物1には、風力
等の外力が作用しているが、構造物1は一般に、外力f
に対して次式で表わされるような力学系31を構成して
いる。
【0011】 Mx0 +C+Kx=f (3) ここに、M、C、Kは、それぞれ構造物1の質量、減
衰、剛性である。また、xは構造物1の変位であり、f
は構造物1に作用する外力である。
【0012】外力fが構造物1に作用すると、(3)式
に従って、変位x、速度、加速度x0 が決定される。
すなわち、外力系30からの入力fに対して、構造系3
1は変位x、速度、加速度x0 を出力する。
【0013】構造系31の出力のうち、構造物1の振動
速度v(=)を速度センサー11を用いて検出し、演
算装置32への入力としている。そして、演算装置13
は、構造物1の振動速度vに比例した制振力fr をジン
バル4に与えるように、ジンバル制御用のサーボ・ドラ
イバ15を介してジンバル軸制御用のサーボ・モータ6
を駆動して、ジンバル4の回転角θを決定する。
【0014】すなわち、比例ゲインをαとすれば、 fr =αv (4) が成り立つように、ジンバル4の回転角速度θを設定す
る。
【0015】上記(1),(2),(4)式から、ジン
バル4の回転角速度θは、 θ=α(Lv/JΩ)・(1/cosθ) (5) で求められる。
【0016】ジンバル軸制御用のサーボ・モータ6によ
りジンバル4が駆動されると、ジンバル4は、回転角速
θを力学系32に対して出力する。一方、回転主軸7
は、回転速度Ωを力学系32に出力している。ここに、
力学系32は、力学機能として取り扱われているものと
する。
【0017】力学系32は、回転主軸7の回転速度Ω、
およびジンバル4の回転角速度θを入力として、上記
(2)式で表わされる制振力fr を構造系31に対して
出力する。
【0018】この時、上記(4)式より、制振力fr
構造物1の速度に比例することから、上記(3)式で表
わされる外力系31に対して減衰力として作用すること
がわかる。このため、ジャイロ制振装置は、力学的に安
定した制御が行なえるという利点を有している。
【0019】このように、従来のジャイロ制振装置は、
回転主軸7の回転速度を一定として、回転主軸7の傾き
角を構造物1の揺動振動に基づいて制御することによ
り、ジャイロ・モーメントを制振力として与えて構造物
1の振動を抑制している。
【0020】この場合、上記(1)式に見るように、ジ
ャイロ・モーメントの大きさは、回転主軸7の極慣性モ
ーメントJと回転速度Ωの積に比例するから、制振力を
効果的に引き出すためには、両者の値を大きく取るよう
に装置の設計を行なうことが必要となる。さらに、回転
主軸7の安定した回転運動を確保する上でも、極慣性モ
ーメントJを大きく取ることが必要であることから、従
来のジャイロ制振装置では、一般に径の大きな円盤10
を回転主軸7に取り付けることにより、極慣性モーメン
トJの拡大が図られている。
【0021】しかしながら、極慣性モーメントの拡大を
図る設計思想には、装置の大型化と重量の増大という欠
点が存在している。さらに、装置の大型化を図ると、遠
心力に対する強度的な問題による回転速度に限界が生じ
るため、出力されるジャイロ・モーメントの大きさが制
約されることになり、制振機能の上で障害となってい
る。
【0022】ところで、構造物1、とりわけ高層建築構
造物や車両、船舶等の輸送機械等においては、「制振」
という補助的機能を目的とする制振装置に対して、制振
能力と同時に小型・軽量化の要求に強いものがある。
【0023】この場合、ジャイロ制振装置の小型化を図
る上で、回転主軸7の極慣性モーメントを小さくするこ
とが最も効果的な手段であるが、回転主軸7の極慣性モ
ーメントが小さくなると、従来と同等の回転速度では、
制振力として十分なジャイロ・モーメントが確保できな
くなるため、回転主軸7の高速化によってジャイロ・モ
ーメントを増大させる必要が生じる。
【0024】しかしながら、回転主軸7の極慣性モーメ
ントが小さく、かつ回転主軸7の回転速度が高速である
場合には、回転主軸7の回転慣性に十分な容量が得られ
ないために、動力の僅かな変動に対しても回転速度に大
きな変化が生じる。そして、従来のジャイロ制振装置の
原理では、十分な極慣性モーメントの存在により、回転
主軸7の一定の回転速度が確保されているものとして制
御が行なわれているので、回転主軸7の小型・高速化が
図られた場合には、安定したジャイロ・モーメントが出
力されないことにより、制振装置として正確な制御が行
なえなくなる恐れがある。従って、従来のジャイロ制振
装置には、小型・軽量化を図る上で、厳しい制約が存在
している。
【0025】一方、上記(2)式に見るように、ジャイ
ロ・モーメントによる制振力は、ジンバル4の回転角θ
に対してcosθの関数となっている。そして、制振力
を出力すると、ジンバル4の回転角速度θが与えられる
が、これに伴なってジンバル4の回転角θは増大するこ
とになる。従って、上記(2)式で与えられる制振力
は、ジンバル4の回転角θが0のとき最大であって、回
転角θが増加するにつれてcosθに従って減少し、θ
=π/2の時にfr =0となって、全く制振力が出力で
きなくなる。この特性は、制振領域を制限するものであ
って、特に低い振動数の外力に対して制振力が追従でき
ないという欠点を有する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、構造物
の制振装置に対しては、小型・軽量化の要求の強いもの
がある。しかしながら、従来のジャイロ制振装置では、
運転上の制約から回転主軸の形状・重量の拡大を招いて
いる。このため、ジャイロ制振装置の小型・軽量化を図
る上で、回転速度の変化に対応した制御機能を開発する
必要がある。
【0027】また、回転主軸の回転数が一定であると、
ジンバルの回転角が増加するにつれて制振力が減少する
特性を有していることから、ジンバルの回転角について
制振領域が限定されてしまうという問題があった。
【0028】本発明の目的は、構造物の揺動振動を抑制
するジャイロ制振装置において、回転主軸の回転速度の
変化に対応した制御機能を実現して、装置の小型・軽量
化を図ることが可能なジャイロ制振装置を提供すること
にある。
【0029】さらに、本発明の他の目的は、ジンバルの
回転角による制振力の減少を補完することにより、制振
力の有効領域を拡張して装置における制振機能を著しく
向上させることが可能なジャイロ制振装置を提供するこ
とにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に係る発明では、構造物に設置さ
れ、極慣性モーメントを有する回転体を回転する回転主
軸を、当該回転主軸と直交するジンバル軸の回りに回転
自在に支持し、回転主軸をジンバル軸の回りに回転位置
を制御する制御手段と、構造物の揺動振動を検出する振
動検出手段と、振動検出手段により検出された構造物の
揺動振動に基づいて、回転主軸のジンバル軸回りの回転
位置を演算し、制御手段に対して指令を与える演算手段
とを備え、回転主軸のジンバル軸回りの回転運動により
回転主軸に発生するジャイロ・モーメントを、制振力と
して構造物に作用させて当該構造物の揺動振動を抑制す
るジャイロ制振装置において、回転主軸の回転速度を検
出する速度検出手段と、速度検出手段により検出された
回転主軸の回転速度に基づいて、当該回転速度の変化
(回転加速度)によって生じるジャイロ・モーメントに
よる制振力の変化分を補正する補正手段とを備えて成
る。
【0031】また、請求項2に係る発明では、上記請求
項1に係る発明のジャイロ制振装置において、回転主軸
の回転駆動源として電動機を用いると共に、当該電動機
に外部電力系統を接続し、外部電力系統における余剰電
力を電動機に供給するようにしている。
【0032】さらに、請求項3に係る発明では、上記請
求項1に係る発明のジャイロ制振装置において、回転主
軸の回転駆動源として電動機を用いると共に、当該電動
機に外部電力系統を接続し、電動機の回生電流を外部電
力系統に供給するようにしている。
【0033】一方、請求項4に係る発明では、上記請求
項1に係る発明のジャイロ制振装置において、回転主軸
の回転駆動源として回転制御が可能な電動機を用いると
共に、速度検出手段により検出された回転主軸の回転速
度の変化(回転加速度)に基づいて、電動機により回転
主軸の回転速度を制御する回転速度制御手段を付加し、
回転主軸の回転速度を制御することにより、回転主軸の
回転速度の変化(回転加速度)によって回転主軸の回り
に発生する回転慣性モーメントによる制振力を、ジャイ
ロ・モーメントによる制振力と共に制振力として利用す
るようにしている。
【0034】ここで、特に上記回転主軸の回りに発生す
るジャイロ・モーメントによる制振力と回転慣性モーメ
ントによる制振力を制御する場合に、各々の制振力に対
して個別に重み係数を与えて、ジンバルの回転角および
回転主軸の回転速度を決定することが好ましい。
【0035】また、上記重み係数を、それぞれジンバル
の回転角の関数とすることが好ましい。さらに、上記回
転主軸の回りに発生するジャイロ・モーメントによる制
振力と、回転主軸の回りに発生する回転慣性モーメント
による制振力とを合成して得られる合力が、ジンバルの
回転角に対して独立となるように重み係数を与えること
が好ましい。
【0036】また、上記2つの重み係数のうちの少なく
ともいずれか一方を固定とすることが好ましい。さら
に、上記回転主軸の回りに発生する回転慣性モーメント
による制振力に対して与える重み係数を0に固定し、回
転主軸の回りに発生するジャイロ・モーメントによる制
振力を制御することが好ましい。
【0037】
【作用】従って、本発明のジャイロ制振装置において
は、構造物の揺動振動の速度に対して、回転主軸の回転
速度とジンバルの回転角速度との積に比例するジャイロ
・モーメントを制振力として、ジンバルの回転角速度を
制御する場合に、回転主軸の回転速度の変化に対してジ
ャイロ・モーメントによる制振力を補正することによ
り、回転主軸の回転速度が変化した場合においても適切
な制振力を構造物に作用させて、構造物の揺動振動を抑
制することが可能となるため、回転主軸の回転速度を一
定に保つことを目的として回転主軸に大きな極慣性モー
メントを付与する必要がなくなる。
【0038】これにより、回転主軸に大きな極慣性モー
メントを有する従来のジャイロ制振装置と比べて、小型
で軽量のジャイロ制振装置とすることができる。また、
請求項2、請求項3に係る発明のジャイロ制振装置にお
いては、回転主軸の回転駆動源として電動機を用い、電
動機に外部電力系統を接続して、外部電力系統における
余剰電力を電動機に供給するか、あるいは電動機の回生
電流を外部電力系統に供給することにより、上述の作用
に加えて、制振装置としての制振機能を維持しつつ、回
転主軸の回転速度を外部電力系統から電動機を介して変
化させることもできる。
【0039】さらに、請求項4乃至請求項9に係る発明
のジャイロ制振装置においては、回転主軸の回転駆動源
として回転制御が可能な電動機を用い、回転主軸の回転
速度の変化(回転加速度)に基づいて、回転主軸の回転
速度を制御することにより、上述の作用に加えて、連続
的な制振力が維持されるため、制振装置の制振能力を著
しく拡張することができる。
【0040】
【実施例】まず、本発明の考え方について述べる。前述
した従来のジャイロ制振装置においては、回転主軸の回
転速度の変化を無視して、前記(5)式に基づいて制御
を行なっている。これに対して、回転主軸の回転速度の
変化が生じる場合には、ジャイロ・モーメントMg とは
別に、回転主軸の回転速度Ωの変化によって、 Mp =−JΩ (6) で表わされる回転慣性モーメント(回転主軸の反抗トル
ク)が、回転主軸の回りに発生する。
【0041】ここに、Ωは回転速度の時間変化、すなわ
ち回転加速度である。従って、回転主軸の回転速度Ωが
変化する場合、構造物には、 fr =Mg cosθ/L+Mp sinθ/L (7) で表わされる制振力fr が作用する。
【0042】ここで、(7)式の右辺第1項は、前記
(1)式と同様に、回転主軸の回転速度Ωとジンバルの
回転角速度θによって発生するジャイロ・モーメントM
g によるものである。
【0043】これに対して、同(7)式の右辺第2項
は、回転主軸の回転速度Ωの変化により生じる回転慣性
モーメントMp によるものであり、その大きさは、回転
主軸の回転加速度Ωとsinθとの積に比例する。ここ
で、Ω=0、すなわち回転主軸の回転速度Ωが一定の
時、当然のことながら、上記(7)式は(2)式に一致
する。
【0044】従って、構造物の揺動振動を入力として、
ジャイロ・モーメントを制振力として制御するに当た
り、回転主軸の回転速度の変化(回転加速度)Ωを検出
して、上記(7)式における第2項で表わされる回転主
軸の回転速度の変化Ωとsinθとの積によって生じる
制振力の成分を補正して、ジンバルの回転角θを制御す
ることにより、回転主軸の回転速度Ωの変化に対応させ
ることが可能となる。
【0045】また、回転主軸を回転駆動するに当たり、
回転主軸の回転速度を制御する手段を設けることによ
り、上記(7)式で表わされる制振力を、ジンバル軸の
回転角速度θを制御しかつまたは回転主軸の回転加速度
Ωを制御することにより、ジャイロ制振装置の制振能力
を拡張することができる。
【0046】すなわち、ジャイロ・モーメントによる制
振力は、ジンバルの回転角θについてcosθに比例し
ているため、ジンバルの回転角θの増加につれて減少す
るのに対して、回転慣性モーメントによる制振力はsi
nθに比例するので、ジンバルの回転角θの増加と共に
増加する。
【0047】ここで、従来のジャイロ制振装置では、ジ
ャイロ・モーメントによる制振力を単独で利用している
ことから、制振範囲がジンバルの回転角θによって制限
されている。これに対して、回転主軸の回転速度Ωを制
御することにより、回転慣性モーメントによる制振力を
利用できるが、この制振力はジャイロ・モーメントによ
る制振力とは反対にジンバルの回転角の増加につれて増
加するので、ジャイロ・モーメント成分を補完して、連
続的に制振力を保持することが可能となる。
【0048】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例による
ジャイロ制振装置の構成例を示す概要図であり、図6と
同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここ
では異なる部分についてのみ述べる。
【0049】すなわち、本実施例のジャイロ制振装置
は、図6における回転主軸7に、その回転速度Ωを検出
する速度検出手段である回転速度センサー16を設け、
その出力信号を前記演算装置13に入力するようにして
いる。
【0050】また、演算装置13は、速度センサー11
により検出された構造物1の振動速度v、および回転セ
ンサー16により検出された回転主軸7の回転速度Ωを
入力として、前記(7)式に基づいて、構造物1の振動
速度vが最小となるようにジンバル4の回転角θの位置
演算を行ない、ジンバル制御用のサーボ・モータ6に指
令を発して回転主軸7の傾き角を制御し、ジャイロ・モ
ーメントによって発生する制振力、および回転慣性モー
メントによって発生する制振力を、構造物1に対して作
用させるようにしている。
【0051】次に、以上のように構成した本実施例のジ
ャイロ制振装置における制御過程について、図2に示す
ブロック図を用いて説明する。図2において、前述のよ
うに、構造物1は、外力fに対して前記(3)式で表わ
される力学系31を構成しており、外力系30からの入
力fに対して、構造系31は、変位x、速度、加速度
x0 を出力する。そして、構造系31の出力から、構造
物1の振動速度v(=)を速度センサー11を用いて
検出し、演算装置13に入力する。一方、回転速度セン
サー16で検出された回転主軸7の回転速度Ωを、同じ
く演算装置13に入力する。
【0052】演算装置13は、前記(7)式で与えられ
るfr が構造物1の振動速度vに比例するように、ジン
ハル4の回転角速度θを求める。すなわち、αを比例定
数(ゲイン)として、 fr =αv (8) とおく。
【0053】この(8)式に上記(7)を代入して、ジ
ンバル4の回転角速度θについて整理すると、 θ=α(Lv/JΩ)・(1/cosθ) +(Ω/Ω)tanθ (9) が得られる。
【0054】この(9)式の右辺第1項は、前記(5)
式と同一の形式であって、(9)式の右辺第2項は、回
転主軸7の回転速度Ωの変化を補正するものとなる。そ
して、(9)式によってジンバル4の回転角速度θが求
められると、演算装置13は、数値積分によりジンバル
4の回転角θを演算した上で、ジンバル軸制御用のサー
ボ・ドライバ15に対して、ジンバル4の回転角θの指
示を行なう。これにより、ジンバル制御用のサーボ・ド
ライバ15は、この指示に従ってジンバル制御用のサー
ボ・モータ6を駆動し、ジンバル4の回転角θを決定す
る。
【0055】ジンバル4の回転運動は、回転角θと回転
角速度θを出力する。また、回転主軸7は、前述のよう
に、回転速度Ωと回転加速度Ωを出力している。そし
て、力学系32は、ジンバル4の回転角θと回転角速度
θ、および回転主軸7の回転速度Ωと回転加速度Ωを入
力として、(7)式に従って制振力fr を構造系31に
対して出力する。この時、制振力fr は前記(8)式で
表わされることから、その大きさは構造物1の振動速度
vに比例しているので、制振力fr は減衰力として構造
系31に作用することになる。
【0056】上述したように、本実施例のジャイロ制振
装置では、回転主軸7における回転速度Ωの変化を、
(9)式に基づいてジンバル4の回転角速度θを補正す
るようにしているので、回転主軸7の回転速度Ωの変化
に関わらず、構造物1の振動速度vに比例した制振力f
r を構造物1に対して作用させることができる。このた
め、回転主軸7における回転速度Ωの変化が許容される
ので、回転主軸7の回転速度を一定に保つために、前述
した従来のように、回転主軸7の有する極慣性モーメン
トJを大きくする必要がなく、ジャイロ制振装置の小型
・軽量化を図ることが可能となる。
【0057】すなわち、構造物1の揺動振動の速度vに
対して、回転主軸7の回転速度Ωとジンバル4の回転角
速度θとの積に比例するジャイロ・モーメントを制振力
として、ジンバル4の回転角速度θを制御する場合に、
回転主軸7の回転速度Ωの変化に対してジャイロ・モー
メントによる制振力を補正するようにしているので、回
転主軸7の回転速度Ωが変化した場合においても、適切
な制振力を構造物1に作用させて、構造物1の揺動振動
を抑制することができるため、回転主軸7の回転速度Ω
を一定に保つことを目的として、回転主軸7に大きな極
慣性モーメントを付与する必要がなくなり、ジャイロ制
振装置の小型・軽量化を図ることが可能となる。
【0058】また、回転主軸7の小型化が図られると、
回転主軸7の極慣性モーメントJも減少するが、遠心力
に対する強度的な裕度が高まることから、回転主軸7の
回転速度Ωの高速化が可能となるので、極慣性モーメン
トJに伴なうジャイロ・モーメントの減少を補完するこ
とが可能となる。
【0059】これにより、回転主軸7に大きな極慣性モ
ーメントを有する従来のジャイロ制振装置と比べて、制
振能力を維持しながら、小型・軽量のジャイロ制振装置
を実現することができる。
【0060】そして、このジャイロ制振装置の小型・軽
量化は、車両、船舶等の輸送機械や高層建築物のよう
な、揺動振動の抑制を必要とする構造物1への適用を可
能とするもので、構造物1の安定化と利用者の快適性の
向上に大きく寄与することになる。
【0061】(第2の実施例)図3は、本発明の第2の
実施例によるジャイロ制振装置の構成例を示す概要図で
あり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0062】すなわち、本実施例のジャイロ制振装置
は、図1における主軸駆動電動機9に外部電源17を接
続し、この外部電源17に接続される他の負荷によって
発生する回生電流(余剰電力)を、外部電源17から主
軸駆動電動機9に供給するようにしている。
【0063】次に、以上のように構成した本実施例のジ
ャイロ制振装置においては、回転主軸7の回転速度の変
化を許容するものであるから、外部電源17に接続され
る他の負荷による回生電流が、主軸駆動電動機9に供給
されることにより、回転主軸7の回転速度Ωに変化が生
じても、本来の制振機能を維持することができる。
【0064】すなわち、本実施例のジャイロ制振装置
を、例えば電気鉄道車両に搭載する場合を考える。この
場合、電気鉄道車両の揺動振動の抑制は、車体の安定化
による運転速度の高速化や乗客の乗り心地の快適化等に
大きな効果が期待できる。一方、電気鉄道車両の駆動電
動機には、車両の減速時に制動のために回生電流が発生
する。
【0065】従って、この回生電流を、外部電源17を
介して主軸駆動電動機9に供給することにより、車両の
減速時には主軸駆動電動機9に回生電流が供給されて、
回転主軸7の回転速度Ωは一時的に昇速される。そし
て、本実施例のジャイロ制振装置では、制振機能を維持
しつつ、回転主軸7の回転速度Ωの変化を許容するの
で、このような使用が可能である。
【0066】また、本実施例のジャイロ制振装置と同一
の構成で、反対に外部電源17の負荷に対して、回転主
軸7の有する回転エネルギーを電源として回生電流を外
部電源17に対して供給するようにすることも可能であ
る。
【0067】そして、このように、本実施例のジャイロ
制振装置を緊急電源装置(UPS)として使用する場合
においても、前述と同様の理由により、本来の制振機能
を維持することができる。
【0068】上述したように、本実施例のジャイロ制振
装置では、回転主軸7における回転速度Ωの変化が許容
されることから、回転主軸7の駆動源として電動機を利
用することにより、ジャイロ制振装置としての本来の制
振機能を維持しながら、主軸駆動電動機9に対して外部
電源17から一時的に余剰電力を供給することができ
る。また、反対に、外部電源17に対して、主軸駆動電
動機9から回生電流として回転主軸7の回転エネルギー
を供給できるので、ジャイロ制振装置を制振機能を有し
ながら緊急電源装置として利用することが可能となる。
【0069】(第3の実施例)図4は、本発明の第3の
実施例によるジャイロ制振装置の構成例を示す概要図で
あり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0070】すなわち、本実施例のジャイロ制振装置
は、図1における回転主軸7の駆動電動機として、回転
制御が可能なサーボ・モータ18を用い、また前記回転
位置検出器14の出力信号を、前記演算装置13に入力
するようにしている。
【0071】さらに、演算装置13は、速度センサー1
1により検出された構造物1の振動速度v、および回転
センサー16により検出された回転主軸7の回転速度
Ω、および回転位置検出器14により検出されたジンバ
ル4の回転角θを入力として、ジンバル4の回転角速度
θと回転主軸7の回転加速度Ωをそれぞれ求めた上で、
ジンバル制御用のサーボ・ドライバ15を介してジンバ
ル軸制御用のサーボ・モータ6を駆動してジンバル4の
回転角θを制御すると共に、主軸制御用のサーボ・ドラ
イバ19を介して主軸制御用のサーボ・モータ18を駆
動して回転主軸7の回転速度Ωを制御するようにしてい
る。
【0072】次に、以上のように構成した本実施例のジ
ャイロ制振装置における制御過程について、図5に示す
ブロック図を用いて説明する。図5において、力学系3
0からの出力fに対して、構造系31は、演算装置13
に対して構造物1の応答として振動速度vを出力してい
る。演算装置13は、ジンバル制御用のサーボ・ドライ
バ15を介してジンバル制御用のサーボ・モータ6を駆
動して、ジンバル4の回転角θを制御する。そして、こ
のジンバル4の回転角θは、回転センサー14によって
検出されてサーボ・ドライバ15にフィード・バックさ
れると共に、演算装置13に入力される。
【0073】また、演算装置13は、主軸制御用のサー
ボ・ドライバ19を介して主軸制御用のサーボ・モータ
18を駆動して、回転主軸7の回転速度Ωを制御する。
そして、この回転主軸7の回転速度Ωは、回転速度セン
サー16によって検出されてサーボ・ドライバ19にフ
ィード・バックされると共に、演算装置13に入力され
る。
【0074】以上により、ジンバル4および回転主軸7
の回転運動によって生じるジャイロ・モーメントおよび
回転慣性モーメントは、力学系32を通して前記(7)
式で表わされる制振力として、構造系31に外力fと合
成されて入力される。
【0075】次に、演算装置13における制御方法につ
いて説明する。本実施例では、制振力としてジャイロ・
モーメントによる成分と、回転慣性モーメントによる成
分との2つの成分を合成して利用している。(7)式に
見るように、それぞれの制振力には、ジンバル4の回転
角θに依存する特性を有している。
【0076】すなわち、ジャイロ・モーメントによる制
振力は、ジンバル4の回転角θについてcosθに比例
しているため、ジンバル4の回転角θの増加につれて減
少する。これに対して、回転慣性モーメントによる制振
力は、sinθに比例するので、ジンバル4の回転角θ
の増加と共に増加する。
【0077】そこで、この2つの制振力を、ジンバル4
の回転角速度θと回転主軸7の回転速度Ωとにより制御
するに当たり、2つの制振力に、それそれジンバル4の
回転角θによる重み関数を与えてそれぞれの制御量を決
定する。そして、このような重み関数として、ジャイロ
・モーメント成分にはcosθを、回転慣性モーメント
成分にはsinθをそれぞれ用いることにより、 Mg /L=cosθ・αv (10) Mp /L=sinθ・αv (11) が成り立つ。
【0078】ここに、αは定数(ゲイン)とする。そし
て、この(10)式を(7)式に代入して整理すると、 fr =αv (12) が得られる。
【0079】この(12)式は(8)式と同一であっ
て、以上の操作によって、構造物1の振動速度vに比例
した制振力、すなわち減衰力が得られることになる。こ
の時、前記(1)式、(10)式より、ジンバル4の回
転角速度θは、 θ=α(Lv/JΩ)cosθ (13) で求められる。
【0080】一方、前記(6)式、(11)式より、回
転主軸7の回転加速度Ωは、 Ω=−α(Lv/Jθ)sinθ (14) で求められる。
【0081】すなわち、演算装置13は、構造物1の振
動速度v、ジンバル4の回転角θ、および回転主軸7の
回転速度Ωに基づいて、上記(13)式、(14)式に
より、ジンバル4の回転角速度θと回転主軸7の回転加
速度Ωをそれぞれ求めた上で、ジンバル制御用のサーボ
・ドライバ15を介してジンバル軸制御用のサーボ・モ
ータ6を駆動して、ジンバル4の回転角θを制御すると
共に、主軸制御用のサーボ・ドライバ19を介して主軸
制御用のサーボ・モータ18を駆動して、回転主軸7の
回転速度Ωを制御する。
【0082】以上の操作により、上記(12)式で表わ
される力fr が、構造物1に対して制振力として作用す
る。このように、前述した従来のジャイロ制振装置で
は、ジンバル4の回転角θによって制振力が出力できる
領域が限定されているが、本実施例のジャイロ制振装置
では、制振力におけるジャイロ・モーメント成分の減少
を、回転慣性モーメント成分によって補完しているの
で、ジンバル4の回転角θによらず制振領域を拡張する
ことができる。
【0083】また、前記実施例と同一の構成により、制
御方式においてジャイロ・モーメント成分と回転慣性モ
ーメント成分の重み関数を固定して制御を簡素化し、ジ
ャイロ制振装置としての安定性と信頼性の向上を図るこ
とができる。
【0084】すなわち、ジャイロ・モーメント成分の重
み関数を1に、また回転慣性モーメント成分の重み関数
を0にそれぞれ取ると、 Mg /L=αv (15) Mp /L=0 (16) となる。そして、この(15)式、(16)式を、それ
ぞれ前記(1)式、(6)式に代入すると、 θ=α(Lv/JΩ) (17) Ω=0 (18) が得られる。
【0085】ただし、この場合に得られる制振力fr
は、前記(7)式により、 fr =αvcosθ (19) となる。
【0086】また、制振力として、構造物1の振動速度
vに比例した減衰力をジャイロ制振装置に要求する場合
には、ジャイロ・モーメント成分について、ジンバル4
の回転角θによる重み関数を設定することにより対応す
ることができる。
【0087】すなわち、ジャイロ・モーメント成分の重
み関数をcosθに、回転慣性モーメント成分の重み関
数を0にそれぞれ取ると、 Mg /L=αcosθ (20) Mp /L=0 (21) となる。そして、この(20)式、(21)式を、それ
ぞれ前記(1)式、(6)式に代入すると、 θ=α(Lv/JΩ)・(1/cosθ) (22) Ω=0 (18) が得られる。
【0088】この制御方式は、回転主軸7の回転速度Ω
を一定に制御することにより、前記(7)式における回
転慣性モーメント成分を強制的に消去して、制御手順の
簡素化を図るものである。
【0089】上述したように、本実施例のジャイロ制振
装置では、従来のジャイロ制振装置では、ジンバル4の
回転角θによって制御領域に制限が存在していたが、回
転主軸7の回転速度を制御する手段を設けて、回転主軸
7の回転慣性モーメントを制振力として利用するように
しているので、従来のジャイロ制振装置における制振領
域の制限を解消して、ジャイロ制振装置の制振力をより
一層高めることが可能となる。
【0090】また、回転主軸7の回転速度Ωを一定に制
御することにより、ジンバル4の回転角θの制御方式が
簡素化されるため、ジャイロ制振装置としての信頼性と
安全性の向上を図ることが可能となる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転主軸の回転速度を検出する速度検出手段と、速度検出
手段により検出された回転主軸の回転速度に基づいて、
当該回転速度の変化(回転加速度)によって生じるジャ
イロ・モーメントによる制振力の変化分を補正する補正
手段とを備えるようにしたので、構造物の揺動振動を抑
制するジャイロ制振装置において、回転主軸の回転速度
の変化に対応した制御機能を実現して、装置の小型・軽
量化を図ることが可能なジャイロ制振装置が提供でき
る。
【0092】さらに、本発明によれば、回転主軸の回転
速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検
出された回転主軸の回転速度に基づいて、当該回転速度
の変化(回転加速度)によって生じるジャイロ・モーメ
ントによる制振力の変化分を補正する補正手段とを備
え、さらに回転主軸の回転駆動源として回転制御が可能
な電動機を用いると共に、速度検出手段により検出され
た回転主軸の回転速度の変化(回転加速度)に基づい
て、電動機により回転主軸の回転速度を制御する回転速
度制御手段を付加し、回転主軸の回転速度を制御するこ
とにより、回転主軸の回転速度の変化(回転加速度)に
よって回転主軸の回りに発生する回転慣性モーメントに
よる制振力を、ジャイロ・モーメントによる制振力と共
に制振力として利用するようにしたので、ジンバルの回
転角による制振力の減少を補完することにより、制振力
の有効領域を拡張して装置における制振機能を著しく向
上させることが可能なジャイロ制振装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるジャイロ制振装置の第1の実施例
を示す概要図。
【図2】同第1の実施例のジャイロ制振装置における制
御過程を説明するためのブロック図。
【図3】本発明によるジャイロ制振装置の第2の実施例
を示す概要図。
【図4】本発明によるジャイロ制振装置の第3の実施例
を示す概要図。
【図5】同第3の実施例のジャイロ制振装置における制
御過程を説明するためのブロック図。
【図6】従来のジャイロ制振装置の構成例を示す概要
図。
【図7】同従来のジャイロ制振装置における制御過程を
説明するためのブロック図。
【符号の説明】
1…構造物、 2…ジンバル機構、 3…ジンバル軸、 4…ジンバル、 5a,5b…ジンバル軸受、 6…ジンバル制御用のサーボ・モータ、 7…回転主軸、 8a,8b…主軸受、 9…主軸駆動電動機、 10…円盤、 11…速度センサー、 12…速度センサー・アンプ、 13…演算装置、 14…回転位置検出器、 15…ジンバル制御用のサーボ・ドライバ、 16…回転速度センサー、 17…外部電源、 18…主軸制御用のサーボ・モータ、 19…主軸制御用のサーボ・ドライバ、 30…外力系、 31…構造系、 32…力学系。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に設置され、極慣性モーメントを
    有する回転体を回転する回転主軸を、当該回転主軸と直
    交するジンバル軸の回りに回転自在に支持し、前記回転
    主軸をジンバル軸の回りに回転位置を制御する制御手段
    と、前記構造物の揺動振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段により検出された構造物の揺動振動に
    基づいて、前記回転主軸のジンバル軸回りの回転位置を
    演算し、前記制御手段に対して指令を与える演算手段と
    を備え、前記回転主軸のジンバル軸回りの回転運動によ
    り前記回転主軸に発生するジャイロ・モーメントを、制
    振力として前記構造物に作用させて当該構造物の揺動振
    動を抑制するジャイロ制振装置において、 前記回転主軸の回転速度を検出する速度検出手段と、 前記速度検出手段により検出された回転主軸の回転速度
    に基づいて、当該回転速度の変化(回転加速度)によっ
    て生じる前記ジャイロ・モーメントによる制振力の変化
    分を補正する補正手段と、 を備えて成ることを特徴とするジャイロ制振装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のジャイロ制振装置
    において、 前記回転主軸の回転駆動源として電動機を用いると共
    に、当該電動機に外部電力系統を接続し、 外部電力系統における余剰電力を電動機に供給するよう
    にしたことを特徴とするジャイロ制振装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載のジャイロ制振装置
    において、 前記回転主軸の回転駆動源として電動機を用いると共
    に、当該電動機に外部電力系統を接続し、 電動機の回生電流を外部電力系統に供給するようにした
    ことを特徴とするジャイロ制振装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載のジャイロ制振装置
    において、 前記回転主軸の回転駆動源として回転制御が可能な電動
    機を用いると共に、前記速度検出手段により検出された
    回転主軸の回転速度の変化(回転加速度)に基づいて、
    前記電動機により回転主軸の回転速度を制御する回転速
    度制御手段を付加し、 回転主軸の回転速度を制御することにより、回転主軸の
    回転速度の変化(回転加速度)によって回転主軸の回り
    に発生する回転慣性モーメントによる制振力を、ジャイ
    ロ・モーメントによる制振力と共に制振力として利用す
    るようにしたことを特徴とするジャイロ制振装置。
  5. 【請求項5】 前記回転主軸の回りに発生するジャイロ
    ・モーメントによる制振力と回転慣性モーメントによる
    制振力を制御する場合に、前記各々の制振力に対して個
    別に重み係数を与えて、ジンバルの回転角および回転主
    軸の回転速度を決定するようにしたことを特徴とする請
    求項4に記載のジャイロ制振装置。
  6. 【請求項6】 前記重み係数を、それぞれジンバルの回
    転角の関数とするようにしたことを特徴とする請求項5
    に記載のジャイロ制振装置。
  7. 【請求項7】 前記回転主軸の回りに発生するジャイロ
    ・モーメントによる制振力と、前記回転主軸の回りに発
    生する回転慣性モーメントによる制振力とを合成して得
    られる合力が、ジンバルの回転角に対して独立となるよ
    うに重み係数を与えるようにしたことを特徴とする請求
    項6に記載のジャイロ制振装置。
  8. 【請求項8】 前記2つの重み係数のうちの少なくとも
    いずれか一方を固定とするようにしたことを特徴とする
    請求項5に記載のジャイロ制振装置。
  9. 【請求項9】 前記回転主軸の回りに発生する回転慣性
    モーメントによる制振力に対して与える重み係数を0に
    固定し、前記回転主軸の回りに発生するジャイロ・モー
    メントによる制振力を制御するようにしたことを特徴と
    する請求項5に記載のジャイロ制振装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR980003140A (ko) * 1996-06-25 1998-03-30 김광호 짐발 구조물과 그것의 제어 방법
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