JP5235790B2 - ジンバル制御装置 - Google Patents

ジンバル制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5235790B2
JP5235790B2 JP2009136015A JP2009136015A JP5235790B2 JP 5235790 B2 JP5235790 B2 JP 5235790B2 JP 2009136015 A JP2009136015 A JP 2009136015A JP 2009136015 A JP2009136015 A JP 2009136015A JP 5235790 B2 JP5235790 B2 JP 5235790B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gimbal
rotor
axis
around
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009136015A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010281720A (ja
Inventor
光伯 齊藤
一彦 福島
泰之 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2009136015A priority Critical patent/JP5235790B2/ja
Publication of JP2010281720A publication Critical patent/JP2010281720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5235790B2 publication Critical patent/JP5235790B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Description

本発明は、ジャイロ機構のジンバル制御装置に関するものである。
角運動量を有する物体が、その角運動量ベクトルの方向を変えた場合、角運動量ベクトルと、角運動量ベクトルの変化速度に対応する角速度ベクトルとの外積で与えられるジャイロ・トルクが、物体から外界に対して作用する。ジャイロ機構は、当該作用を利用した装置であり、従来から船舶、ゴンドラ、クレーン等の制振装置、人工衛星、航空機等の姿勢制御装置として使用されている。
図10は、一般的なジャイロ機構の全体図である。図10に示すジャイロ機構10は、ロータ1、ジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、ホイール・モータ4、ジンバル・ハウジング支持フレーム5、ジンバル軸受6、ジンバル・モータ7、角度検出器8、および制御器9で構成されている。
ジンバル・ハウジング2およびホイール軸受3は、ロータ1をスピン軸(Z軸)回りに回転自在に支持する。ホイール・モータ4は、ジンバル・ハウジング2に固定され、ロータ1に対してスピン軸(Z軸)回りの回転トルクを作用させる。ジンバル・ハウジング支持フレーム5およびジンバル軸受6は、ジンバル・ハウジング2をジンバル軸(X軸)回りに回転自在に支持する。
ジンバル・モータ7は、ジンバル・ハウジング支持フレーム5に固定され、ロータ1を含むジンバル・ハウジング2に対してジンバル軸(X軸)回りの回転トルク(以下、ジンバル・トルク)を作用させる。角度検出器8は、ジンバル・ハウジング支持フレーム5に固定され、ロータ1を含むジンバル・ハウジング2のジンバル軸(X軸)回りの回転角度(以下、ジンバル角度)を検出する。そして、制御器9は、角度検出器8によって検出したジンバル角度に基づいて制御演算を実行し、演算結果をジンバル・モータ7にフィードバックする。
このような構成のもと、ジンバル・ハウジング2に固定されたホイール・モータ4によって、ロータ1を所定の角速度でZ軸回りに回転させる。さらに、ジンバル・ハウジング支持フレーム5に固定されたジンバル・モータ7によって、ロータ1、ジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、およびホイール・モータ4全体をX軸回りに回転させる。これにより、ロータ1が有するZ軸方向の角運動量ベクトルと、ジンバル・モータ7によるロータ1のX軸方向の角速度ベクトルとの外積で与えられるY軸方向のジャイロ・トルクが、外界に対して出力される。
通常、ロータ1におけるZ軸回りの回転運動は、ホイール・モータ4を介して制御器9によって制御される。また、X軸回りの回転運動は、角度検出器8によって検出したロータ1のX軸回り回転角度に基づいて、ジンバル・モータ7を介して制御器9によって制御される。
ここで、ジャイロ機構10を船舶、ゴンドラ、クレーン等の制振装置として適用する場合に、ジンバル制御ゲインを可変とすることで、ジャイロ機構10の性能を最大限に発揮させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、制振対象に対してジャイロ機構10を設置し、センサで検出した制振対象の振動に基づいて、当該振動を抑制するような制御演算を制御器で実行する。その際、当該演算結果をジンバル・モータにフィードバックする制振制御において、制振対象の振動エネルギが大きい場合には、ジンバル・モータのフィードバック制御ゲインを小さくする。一方、制振対象の振動エネルギが減衰してきた場合、または制振対象の振動エネルギが小さい場合には、フィードバック制御ゲインを大きくする。これにより、ジャイロ機構10の制振性能を最大限に発揮させるようにしている。
特開平8−86657号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
この従来技術は、ジャイロ機構10を制振装置として適用する場合に、その制振性能を最大限に発揮させる制御方法である。しかしながら、この従来技術では、ロータのスピン軸回り回転速度が、常時一定であることを前提としている。
一方、ジャイロ機構10を人工衛星、航空機等の姿勢制御装置として適用する場合、ロータのスピン軸回り回転速度を可変とする可能性が生ずる。従って、回転速度可変の場合には、上述した従来技術を適用することができず、このような場合の姿勢制御装置として適用するジャイロ機構10の制御性能を、維持もしくは向上させる制御方法は、提案されていない。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、人工衛星、航空機等の姿勢制御装置としてジャイロ機構を適用する際に、ロータのスピン軸回り回転速度を可変とした場合でも、ジャイロ機構の制御性能を維持もしくは向上させることのできるジンバル制御装置を得ることを目的とする。
本発明に係るジンバル制御装置は、ジンバル軸回りの回転角度の検出結果に基づく制御演算結果から、ジャイロ機構のジンバル・モータをフィードバック制御するジンバル制御装置であって、ロータのスピン軸回りの回転速度に応じて、ジンバル軸回りの回転角速度あるいは回転角度を制御するためのフィードバック制御ゲインを変化させる制御部を備えるものである。
本発明に係るジンバル制御装置によれば、ロータのスピン軸回りの回転速度、つまりロータが有する角運動量に応じて、フィードバック制御ゲインを変化させることにより、人工衛星、航空機等の姿勢制御装置としてジャイロ機構を適用する際に、ロータのスピン軸回り回転速度を可変とした場合でも、ジャイロ機構の制御性能を維持もしくは向上させることのできるジンバル制御装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係るジンバル制御装置のブロック線図である。 従来のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角速度までの周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるロータ回転速度とフィードバック制御ゲインとの関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角速度までの周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るジンバル制御装置のブロック線図である。 従来のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角度までの周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるロータ回転速度とフィードバック制御ゲインとの関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角度までの周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るジンバル制御装置のブロック線図である。 一般的なジャイロ機構の全体図である。
以下、本発明のジンバル制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態1〜3におけるジャイロ機構自体は、従来技術として説明した図10と同一である。
実施の形態1.
先の図10に示した構成のもと、ホイール・モータ4によって、ロータ1を所定の角速度でスピン軸(Z軸)回りに回転させる。さらに、ジンバル・モータ7によって、ロータ1、ジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、およびホイール・モータ4全体をジンバル軸(X軸)回りに回転させる。これにより、ロータ1が有するスピン軸(Z軸)方向の角運動量ベクトルと、ジンバル・モータ7によるロータ1のジンバル軸(X軸)方向の角速度ベクトルとの外積で与えられるトルク出力軸(Y軸)方向のジャイロ・トルクが、外界に対して出力される。
このとき、ジンバル軸(X軸)回りの回転運動は、角度検出器8によって検出したロータ1を含むジンバル・ハウジング2のジンバル角度に基づいて、ジンバル・モータ7を介して制御器9によって制御される。
図1は、本発明の実施の形態1に係るジンバル制御装置のブロック線図である。図1に示したように、本実施の形態1のジンバル制御装置は、比例器20、積分器21、比例器23、疑似微分器12、比例器24、および電流制御系11を備えており、先の図10に示したジャイロ機構10の制御を行っている。
比例器20は、角度検出器8によって検出されたジンバル角度θをフィードバックし、ジンバル角度指令θとの偏差に対してゲイン1の比例動作を行う。また、積分器21は、当該偏差に対して積分動作を行う。そして、比例器23は、比例器20および積分器21から出力される信号の加算値に対して、フィードバック制御ゲインKを乗じて出力する。
疑似微分器12は、角度検出器8によって検出されたジンバル角度θからジンバル角速度ωを算出する。比例器24は、比例器23からの出力信号と疑似微分器12から出力されるジンバル角速度ωとの偏差に対して、ロータ1のスピン軸(Z軸)回りの回転速度Ωに基づいて決定したフィードバック制御ゲインK(Ω)を乗じて出力する。そして、電流制御系11は、比例器24からの出力信号であるジンバル・トルク指令τに基づいて、ジャイロ機構10内のジンバル・モータ7に供給する電流を制御する。
次に、図1に示したジンバル制御装置の具体的な動作について説明する。まず、ジャイロ機構10におけるジンバル軸(X軸)方向、およびトルク出力軸(Y軸)方向の回転運動を表す運動方程式は、次式(1)で与えられる。
Figure 0005235790
ここで、上式(1)における各符号は、以下の内容を意味している。
J :ロータ1のX、Y軸回り慣性モーメント
:ジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、およびホイール・モータ4のX軸回り慣性モーメント
:ロータ1のZ軸回り慣性モーメント
θ :角度検出器8によって検出されるジンバル角度
θ :ロータ1のY軸回り回転角度
τ :ジンバル・モータ7が発生するX軸回りのジンバル・トルク
τ :ロータ1に作用するY軸回りの作用トルク
上式(1)において、作用トルクτは、Z軸方向に角運動量JΩを有するロータ1が、X軸回りにジンバル角速度θ(・)を持つことで発生するジャイロ・トルクに対して、ロータ1のY軸回り回転運動がジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、ジンバル・ハウジング支持フレーム5、ジンバル軸受6、およびジャイロ機構10を固定する設置筐体(図示せず)で拘束されていることによって生ずる復元トルクに対応している。なお、(・)という表記は、ジンバル角度θの上部に「・」が付されたことを意味している。
したがって、作用トルクτは、下式(2)で表すことができる。
Figure 0005235790
ここで、上式(2)における各符号は、以下の内容を意味している。
:Y軸回り回転運動におけるジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、ジンバル・ハウジング支持フレーム5、ジンバル軸受6、およびジャイロ機構10を固定する設置筐体の弾性係数
:Y軸回り回転運動におけるジンバル・ハウジング2、ホイール軸受3、ジンバル・ハウジング支持フレーム5、ジンバル軸受6、およびジャイロ機構10を固定する設置筐体の減衰係数
そして、上式(1)、(2)をラプラス変換後に、ジンバル角速度θ(・)[rad/s]/ジンバル・トルクτ[Nm]の伝達関数W(s)について変形すると、下式(3)となる。
Figure 0005235790
上式(3)は、ジャイロ機構10におけるトルク出力軸(Y軸)回りの機械剛性を考慮したジンバル動作特性を表している。図2は、従来のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角速度までの周波数特性を示す図であり、上式(3)による動作特性として示されたジンバル・トルクからジンバル角速度までの周波数特性である。
図2に示すように、ジャイロ機構10では、ロータ1のスピン軸(Z軸)回り回転速度Ω、つまりロータ1に蓄積される角運動量JΩの増加に伴い、ジンバル・トルクに対するジンバル角速度の応答において、以下の2点の固有の現象が発生する。
(1)共振および反共振が発生する
(2)反共振周波数以下の低周波領域において、ゲイン特性が減少する
このような周波数特性を有するジャイロ機構10に対する一般的なジンバル制御装置では、先の図1中の比例器24のフィードバック制御ゲインK(Ω)を、ロータ1の回転速度Ωによらず一定としている。この場合、特に上記(2)に示す現象に起因して、ロータ1の回転速度Ω(角運動量JΩ)の増加に応じて、ジンバル角速度の制御帯域が減少していくこととなる。
ジャイロ機構10を人工衛星、航空機等の姿勢制御装置として適用する場合、ロータ1の回転速度Ωを可変として運用する可能性がある。従って、このような用途においては、上記のような回転速度Ωに応じたジンバル制御特性の変化を避ける必要がある。
そこで、本実施の形態1におけるジンバル制御装置では、図1に示すように比例器24のフィードバック制御ゲインK(Ω)を、ロータ1の回転速度Ωに応じて変化させる構成としている。
図3は、本発明の実施の形態1におけるロータ回転速度とフィードバック制御ゲインとの関係を示すグラフである。また、図4は、本発明の実施の形態1のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角速度までの周波数特性(すなわち、フィードバック制御ゲイン入力信号からジンバル角速度までの周波数特性)を示す図である。本実施の形態1では、図3に示すように、ロータ1の回転速度Ωの増加(または減少)に対して、フィードバック制御ゲインK(Ω)が単調増加(または単調減少)するように変化させている。この結果、回転速度Ωに応じたジンバル制御特性の変化を抑制することができる。
特に、図4に示すように、フィードバック制御ゲインK(Ω)入力信号(比例器24の入力信号)からジンバル角速度までの周波数特性が、反共振周波数以下の低周波領域でロータ1の回転速度Ωによらず一定となるようにフィードバック制御ゲインK(Ω)を変化させることが考えられる。これにより、反共振周波数以下の低周波領域において、ゲイン特性が減少することを防止し、回転速度Ωによらず、常に一定のジンバル制御特性を実現することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、比例器のフィードバック制御ゲインを、ロータの回転速度に応じて変化させる構成を備えている。この結果、ロータの回転速度Ω、つまりロータに蓄積される角運動量JΩによって変化するジンバル制御特性に関して、その特性変化を抑制することができるジンバル制御装置を得ることができる。
特に、図1の構成において、比例器24の入力信号からジンバル角速度までの周波数特性が、反共振周波数以下の低周波領域で一定となるように、フィードバック制御ゲインK(Ω)を変化させることで、ロータが有する角運動量によって変化するジンバル軸回りの回転角速度の制御特性を、所望の特性に整形することができ、回転速度Ωによらず、常に一定のジンバル制御特性を実現することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、先の実施の形態1とは異なる制御系を備えたジンバル制御装置について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2に係るジンバル制御装置のブロック線図である。図5に示したように、本実施の形態2のジンバル制御装置は、比例器20、積分器21、不完全微分器22、比例器23、および電流制御系11を備えており、先の図10に示したジャイロ機構10の制御を行っている。
先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、本実施の形態2における図5の構成は、不完全微分器22をさらに備えている点、および疑似微分器12、比例器24を備えていない点が異なっている。また、先の実施の形態1では、比例器24におけるフィードバック制御ゲインK(Ω)を回転速度Ωに応じて変化させていたが、本実施の形態2では、比例器23におけるフィードバック制御ゲインK(Ω)を回転速度Ωに応じて変化させている点が異なっている。
比例器20は、角度検出器8によって検出されたジンバル角度θをフィードバックし、ジンバル角度指令θとの偏差に対してゲイン1の比例動作を行う。また、積分器21は、当該偏差に対して積分動作を行う。さらに、不完全微分器22は、当該偏差に対して不完全微分動作を行う。
比例器23は、比例器20、積分器21、および不完全微分器22から出力される信号の加算値に対して、ロータ1のスピン軸(Z軸)回りの回転速度Ωに基づいて決定したフィードバック制御ゲインK(Ω)を乗じて出力する。そして、電流制御系11は、比例器23からの出力信号であるジンバル・トルク指令τに基づいて、ジャイロ機構10内のジンバル・モータ7に供給する電流を制御する。
次に、図5に示したジンバル制御装置の具体的な動作について説明する。まず、先の実施の形態1で示した上式(1)、(2)をラプラス変換後に、ジンバル角度θ[rad]/ジンバル・トルクτ[Nm]の伝達関数W(s)について変形すると、下式(4)となる。
Figure 0005235790
先の実施の形態1における式(3)と同様に、上式(4)は、ジャイロ機構10におけるトルク出力軸(Y軸)回りの機械剛性を考慮したジンバル動作特性を表している。図6は、従来のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角度までの周波数特性を示す図であり、上式(4)による動作特性として示されたジンバル・トルクからジンバル角度までの周波数特性である。
図6に示すように、ジャイロ機構10では、ロータ1のスピン軸(Z軸)回り回転速度Ω、つまりロータ1に蓄積される角運動量JΩの増加に伴い、ジンバル・トルクに対するジンバル角度の応答において、以下の2点の固有の現象が発生する。
(1)共振および反共振が発生する
(2)反共振周波数以下の低周波領域において、ゲイン特性が減少する
このような周波数特性を有するジャイロ機構10に対する一般的なジンバル制御装置では、先の図5中の比例器23のフィードバック制御ゲインK(Ω)を、ロータ1の回転速度Ωによらず一定としている。この場合、特に上記(2)に示す現象に起因して、ロータ1の回転速度Ω(角運動量JΩ)の増加に応じて、ジンバル角度の制御帯域が減少していくこととなる。
ジャイロ機構10を人工衛星、航空機等の姿勢制御装置として適用する場合、ロータ1の回転速度Ωを可変として運用する可能性がある。従って、このような用途においては、上記のような回転速度Ωに応じたジンバル制御特性の変化を避ける必要がある。
そこで、本実施の形態2におけるジンバル制御装置では、図5に示すように比例器23のフィードバック制御ゲインK(Ω)を、ロータ1の回転速度Ωに応じて変化させる構成としている。
図7は、本発明の実施の形態2におけるロータ回転速度とフィードバック制御ゲインとの関係を示すグラフである。また、図8は、本発明の実施の形態2のジャイロ機構における、ジンバル・トルクからジンバル角度までの周波数特性(すなわち、フィードバック制御ゲイン入力信号からジンバル角度までの周波数特性)を示す図である。本実施の形態2では、図7に示すように、ロータ1の回転速度Ωの増加(または減少)に対して、フィードバック制御ゲインK(Ω)が単調増加(または単調減少)するように変化させている。この結果、回転速度Ωに応じたジンバル制御特性の変化を抑制することができる。
特に、図8に示すように、フィードバック制御ゲインK(Ω)入力信号(比例器23の入力信号)からジンバル角度までの周波数特性が、反共振周波数以下の低周波領域でロータ1の回転速度Ωによらず一定となるようにフィードバック制御ゲインK(Ω)を変化させることが考えられる。これにより、反共振周波数以下の低周波領域において、ゲイン特性が減少することを防止し、回転速度Ωによらず、常に一定のジンバル制御特性を実現することができる。
以上のように、実施の形態2によれば、比例器のフィードバック制御ゲインを、ロータの回転速度に応じて変化させる構成を備えている。この結果、ロータの回転速度Ω、つまりロータに蓄積される角運動量JΩによって変化するジンバル制御特性に関して、その特性変化を抑制することができるジンバル制御装置を得ることができる。
特に、図5の構成において、比例器23の入力信号からジンバル角度までの周波数特性が、反共振周波数以下の低周波領域で一定となるように、フィードバック制御ゲインK(Ω)を変化させることで、ロータが有する角運動量によって変化するジンバル軸回りの回転角度の制御特性を、所望の特性に整形することができ、回転速度Ωによらず、常に一定のジンバル制御特性を実現することができる。
実施の形態3.
先の実施の形態1、2では、ジンバル角度指令θに対する制御方法について説明した。これに対して、本実施の形態3では、ジンバル角速度指令ωに対して、同様の制御方法を適用する場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係るジンバル制御装置のブロック線図である。図9に示したように、本実施の形態3のジンバル制御装置は、比例器20、積分器21、比例器24、および電流制御系11を備えており、先の図10に示したジャイロ機構10の制御を行っている。
先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、本実施の形態3における図9の構成は、疑似微分器12、比例器23を備えていない点が異なっている。そして、本実施の形態3におけるジャイロ機構(先の図10参照)は、ジンバル角速度指令ωに対する角速度制御系で制御されるものである。従って、図10には図示していないが、ジンバル角度を検出する角度検出器8の代わりに、ロータ1を含むジンバル・ハウジング2のジンバル軸(X軸)回りのジンバル角速度を検出する角速度検出器8aを備えている。
比例器20は、角速度検出器8aによって検出されたジンバル角速度ωをフィードバックし、ジンバル角速度指令ωとの偏差に対してゲイン1の比例動作を行う。また、積分器21は、当該偏差に対して積分動作を行う。
比例器24は、比例器20および積分器21から出力される信号の加算値に対して、ロータ1のスピン軸(Z軸)回りの回転速度Ωに基づいて決定したフィードバック制御ゲインK(Ω)を乗じて出力する。そして、電流制御系11は、比例器24からの出力信号であるジンバル・トルク指令τに基づいて、ジャイロ機構10内のジンバル・モータ7に供給する電流を制御する。
なお、本実施の形態3のジンバル制御装置におけるジンバル・トルクからジンバル角速度までの周波数特性、ロータ回転速度とフォードバック制御ゲインとの関係、およびフィードバック制御ゲイン入力信号からジンバル角速度までの周波数特性は、それぞれ、先の実施の形態1における図2、図3、および図4と同一である。
次に、図9に示したジンバル制御装置の具体的な動作について説明する。先の図2に示すように、ジャイロ機構10では、ロータ1のスピン軸(Z軸)回り回転速度Ω、つまりロータ1に蓄積される角運動量JΩの増加に伴い、ジンバル・トルクに対するジンバル角速度の応答において、以下の2点の固有の現象が発生する。
(1)共振および反共振が発生する
(2)反共振周波数以下の低周波領域において、ゲイン特性が減少する
このような周波数特性を有するジャイロ機構10に対する一般的なジンバル制御装置では、先の図9中の比例器24のフィードバック制御ゲインK(Ω)を、ロータ1の回転速度Ωによらず一定としている。この場合、特に上記(2)に示す現象に起因して、ロータ1の回転速度Ω(角運動量JΩ)の増加に応じて、ジンバル角速度の制御帯域が減少していくこととなる。
ジャイロ機構10を人工衛星、航空機等の姿勢制御装置として適用する場合、ロータ1の回転速度Ωを可変として運用する可能性がある。従って、このような用途においては、上記のような回転速度Ωに応じたジンバル制御特性の変化を避ける必要がある。
そこで、本実施の形態3におけるジンバル制御装置では、図9に示すように比例器24のフィードバック制御ゲインK(Ω)を、ロータ1の回転速度Ωに応じて変化させる構成としている。
本実施の形態3では、先の図3に示すように、ロータ1の回転速度Ωの増加(または減少)に対して、フィードバック制御ゲインK(Ω)が単調増加(または単調減少)するように変化させている。この結果、回転速度Ωに応じたジンバル制御特性の変化を抑制することができる。
特に、先の図4に示すように、フィードバック制御ゲインK(Ω)入力信号(比例器24の入力信号)からジンバル角速度までの周波数特性が、反共振周波数以下の低周波領域でロータ1の回転速度Ωによらず一定となるようにフィードバック制御ゲインK(Ω)を変化させることが考えられる。これにより、反共振周波数以下の低周波領域において、ゲイン特性が減少することを防止し、回転速度Ωによらず、常に一定のジンバル制御特性を実現することができる。
以上のように、実施の形態3によれば、比例器のフィードバック制御ゲインを、ロータの回転速度に応じて変化させる構成を備えている。この結果、ロータの回転速度Ω、つまりロータに蓄積される角運動量JΩによって変化するジンバル制御特性に関して、その特性変化を抑制することができるジンバル制御装置を得ることができる。
特に、図9の構成において、比例器24の入力信号からジンバル角速度までの周波数特性が、反共振周波数以下の低周波領域で一定となるように、フィードバック制御ゲインK(Ω)を変化させることで、回転速度Ωによらず、ロータが有する角運動量によって変化するジンバル軸回りの回転角速度の制御特性を、所望の特性に整形することができ、常に一定のジンバル制御特性を実現することができる。
1 ロータ、2 ジンバル・ハウジング、3 ホイール軸受、4 ホイール・モータ、5 ジンバル・ハウジング支持フレーム、6 ジンバル軸受、7 ジンバル・モータ、8 角度検出器、8a 角速度検出器、9 制御器(制御部)、10 ジャイロ機構、11 電流制御系、12 疑似微分器、20 比例器、21 積分器、22 不完全微分器、23、24 比例器。

Claims (6)

  1. ジンバル軸回りの回転角度の検出結果に基づく制御演算結果から、ジャイロ機構のジンバル・モータをフィードバック制御するジンバル制御装置であって、
    ロータのスピン軸回りの回転速度に応じて、ジンバル軸回りの回転角速度あるいは回転角度を制御するためのフィードバック制御ゲインを変化させる制御部を備えることを特徴とするジンバル制御装置。
  2. 請求項1に記載のジンバル制御装置において、
    前記ジャイロ機構は、
    ロータと、
    前記ロータをスピン軸回りに回転自在に支持するジンバル・ハウジングと、
    前記ジンバル・ハウジングをジンバル軸回りに回転自在に支持するジンバル・ハウジング支持フレームと、
    前記ジンバル・ハウジングに固定され、前記ロータに対してスピン軸回りの回転トルクを作用させるホイール・モータと、
    前記ジンバル・ハウジング支持フレームに固定され、前記ロータを含む前記ジンバル・ハウジングのジンバル軸回りの回転角度を検出する角度検出器と、
    前記ジンバル・ハウジング支持フレームに固定され、前記ロータを含む前記ジンバル・ハウジングに対してジンバル軸回りの回転トルクを作用させるジンバル・モータと
    を有し、
    前記制御器は、前記ロータのスピン軸回りの回転速度に応じて、ジンバル軸回りの回転角速度を制御するフィードバック制御ゲインを変化させる
    ことを特徴とするジンバル制御装置。
  3. 請求項1に記載のジンバル制御装置において、
    前記ジャイロ機構は、
    前記ロータと、
    前記ロータをスピン軸回りに回転自在に支持するジンバル・ハウジングと、
    前記ジンバル・ハウジングをジンバル軸回りに回転自在に支持するジンバル・ハウジング支持フレームと、
    前記ジンバル・ハウジングに固定され、前記ロータに対してスピン軸回りの回転トルクを作用させるホイール・モータと、
    前記ジンバル・ハウジング支持フレームに固定され、前記ロータを含む前記ジンバル・ハウジングのジンバル軸回りの回転角度を検出する角度検出器と、
    前記ジンバル・ハウジング支持フレームに固定され、前記ロータを含む前記ジンバル・ハウジングに対してジンバル軸回りの回転トルクを作用させるジンバル・モータと
    を有し、
    前記制御器は、前記ロータのスピン軸回りの回転速度に応じて、ジンバル軸回りの回転角度を制御するフィードバック制御ゲインを変化させる
    ことを特徴とするジンバル制御装置。
  4. 請求項1に記載のジンバル制御装置において、
    前記ジャイロ機構は、
    ロータと、
    前記ロータをスピン軸回りに回転自在に支持するジンバル・ハウジングと、
    前記ジンバル・ハウジングをジンバル軸回りに回転自在に支持するジンバル・ハウジング支持フレームと、
    前記ジンバル・ハウジングに固定され、前記ロータに対してスピン軸回りの回転トルクを作用させるホイール・モータと、
    前記ジンバル・ハウジング支持フレームに固定され、前記ロータを含む前記ジンバル・ハウジングのジンバル軸回りの回転角速度を検出する角速度検出器と、
    前記ジンバル・ハウジング支持フレームに固定され、前記ロータを含む前記ジンバル・ハウジングに対してジンバル軸回りの回転トルクを作用させるジンバル・モータと
    を有し、
    前記制御器は、前記ロータのスピン軸回りの回転速度に応じて、ジンバル軸回りの回転角速度を制御するフィードバック制御ゲインを変化させる
    ことを特徴とするジンバル制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のジンバル制御装置において、
    前記制御器は、前記フィードバック制御ゲインが、前記ロータのスピン軸回り回転速度の増加に対して単調増加するように変化させることを特徴とするジンバル制御装置。
  6. 請求項5に記載のジンバル制御装置において、
    前記制御器は、前記ロータのスピン軸回り回転速度によらず、ジンバル軸回り回転角度の制御帯域またはジンバル軸回り回転角速度の制御帯域が一定となるように前記フィードバック制御ゲインを変化させることを特徴とするジンバル制御装置。
JP2009136015A 2009-06-05 2009-06-05 ジンバル制御装置 Active JP5235790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009136015A JP5235790B2 (ja) 2009-06-05 2009-06-05 ジンバル制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009136015A JP5235790B2 (ja) 2009-06-05 2009-06-05 ジンバル制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010281720A JP2010281720A (ja) 2010-12-16
JP5235790B2 true JP5235790B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=43538583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009136015A Active JP5235790B2 (ja) 2009-06-05 2009-06-05 ジンバル制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5235790B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6681805B2 (ja) * 2016-08-19 2020-04-15 三菱電機株式会社 姿勢制御装置、宇宙機、姿勢制御方法および姿勢制御プログラム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0318715A (ja) * 1989-06-16 1991-01-28 Tamagawa Seiki Co Ltd 空間安定サーボ装置
JP3601854B2 (ja) * 1994-09-19 2004-12-15 特許機器株式会社 ジャイロ機構による制振方法
JPH09218039A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ジンバル装置
US7364120B2 (en) * 2004-08-26 2008-04-29 Honeywell International, Inc. Quantized control-moment gyroscope array
JP4679439B2 (ja) * 2006-06-05 2011-04-27 三菱電機株式会社 人工衛星の姿勢制御装置
US7721998B2 (en) * 2007-03-14 2010-05-25 Honeywell International Inc. Self-powered spacecraft attitude control system and method
JP5197498B2 (ja) * 2009-06-05 2013-05-15 三菱電機株式会社 ジンバル制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010281720A (ja) 2010-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110456630B (zh) 一种控制力矩陀螺框架伺服系统抗干扰控制方法
US8038101B2 (en) Attitude change control method, attitude change control system, attitude change control program and program recording medium
JP4511390B2 (ja) 人工衛星の姿勢制御装置
JP4679439B2 (ja) 人工衛星の姿勢制御装置
JP4550347B2 (ja) 宇宙船の姿勢を制御するシステムおよび方法
JP3166703B2 (ja) 遠隔制御ヘリコプタ用ジャイロ装置
JP5125542B2 (ja) 人工衛星用姿勢制御装置および姿勢制御方法
JP2005067747A (ja) ジブクレーンの制御方法及び装置
JP4617990B2 (ja) 自動飛行制御装置、自動飛行制御方法及び自動飛行制御プログラム
KR20140094313A (ko) 마찰력 보상기 및 이를 이용한 마찰력 보상방법
JP5235790B2 (ja) ジンバル制御装置
EP2390189B1 (en) Methods and systems for reducing angular velocity using a gyroscope array
TW442425B (en) State control device of moving body and its state control method
CN113031668A (zh) 一种非对称旋转扫描载荷所致干扰力矩估计方法和系统
JP2008510658A (ja) 量子化制御モーメント・ジャイロスコープ・アレイ
JP4489654B2 (ja) 衛星追尾用のアンテナ制御装置
JP5197498B2 (ja) ジンバル制御装置
US9617015B2 (en) Method of commanding an attitude control system and attitude control system of a space vehicle
CN112520066B (zh) 一种大轨道偏心率多体绳系卫星的全电动稳定控制方法
JP2003252298A (ja) 宇宙機の姿勢変更制御装置及び姿勢変更制御方法
JP2009190506A (ja) 人工衛星用姿勢制御装置および人工衛星の姿勢制御方法
JPWO2018131472A1 (ja) 無反動装置及び指向制御ミラーシステム
KR101695524B1 (ko) 제어모멘트자이로 클러스터의 제어 장치 및 방법
JP3905259B2 (ja) 人工衛星の姿勢制御装置
JP5126107B2 (ja) 人工衛星の姿勢制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5235790

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250