JP4274500B2 - スタンプ台 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスタンプにインキを付着させるためのスタンプ台に関するものであり、特に使い始めから使い終わりまで比較的一定の付着量を維持し、印影が良好で、かつ、温度や湿度などの外部環境の変化にも強いスタンプ台に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
スタンプにインキを付着させるためのスタンプ台としては、良好な印影を得るために的確にスタンプにインキを付着させることが求められる。また、良好な印影を長期間得るという、いわゆる長寿命であることも求められる。インキの付着量は多過ぎてもいけないし、少な過ぎても良好な印影を得ることはできない。
【0003】
スタンプ台の寿命を延ばそうとして、インキを多く充填したものもあるが、使い始めに必要以上のインキが過剰に供給されてしまうので、特に強い押圧力で使用した際に印影がつぶれてしまう上、表布上にインキが浮き、残ってしまうなどの不具合があった。逆に、使い始めから適正な印影を得るためにインキの充填量を減らすと、インキが最後まで追従せずに寿命が短く、早々に印影が薄れてきてしまうため、インキを補充する頻度が高かく、煩わしかった。
【0004】
従来の単純なインキ保持部材によりインキパッドを構成したものは、インキ保持部材が短繊維フェルトにより構成されており、インキ量が減ってきた際に、インキが最後まで追従せずインキ保持部材に残ってしまい、寿命が短いなどの上記問題がある上、ユーザーによるインキ補充の際の補充量がばらついた場合、上記問題が顕著に現れ、スタンプ台の性能がユーザーの使い方によって大きく左右されることになり、好ましくなかった。
【0005】
主にスタンプ台の寿命を延ばすことを目的としたものに、実開昭55−107365号公報や特開平7−52509号公報、特開平7−256997号公報などがある。そこには、インキ保持層および表布を多層にし、インキ含浸体から表布に至る全体において毛細管作用によりインキを常に最上層に引っ張るような構成のものが提案されている。表布を除いた最上層にはインキ保持力の強い不織布やフェルトなどが使用されるが、この構成にすることで最後までインキを使い切ることが可能になるので、寿命が延びるというものである。
【0006】
しかしながら、このように最上層にインキが最も集中すると、インキ寿命は延びるものの、インキが過剰にスタンプに付着し易くなり、特に強い押圧力でスタンプ台表面にスタンプを押し付けたときや使い始めにおいて、印影がつぶれたり、滲んだりし、細かい印影がつぶれたりすることがあった。さらに、インキの粘度が低い場合は、この現象が顕著であった。また、スタンプ台表面にインキが比較的露出することになるので、インキが周囲の温度や湿度の影響を受け、乾燥しやすかったり、空気中の水分を吸ってしまいスタンプ台表面がべとべとになってしまう吸湿を生じやすいことなどの不具合があった。
【0007】
さらに、特開平7−256997号公報には、接着剤により表布とフェルトを貼着してインキ吐出をコントロールするものが提案されているが、構造上、そのコントロールを繊細にすることは困難で、製造上も難しいものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、鮮やかなスタンプ印影を得るという基本的な性能を持ちつつ、使用するインキの粘度が低いものでも高いものでも、押圧の強弱に関わらず使い始めから使い終わりまで比較的一定のインキ付着量を維持し、かつ、温度や湿度などの外部環境の変化にも強いスタンプ台を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、スタンプ台インキ含浸体に長繊維フェルトを使用し、そのインキ保持力を制御することで、本発明の目的が達成されることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
即ち本発明のスタンプ台は、
「1.少なくともインキ含浸体と表布を設け、該インキ含浸体が2層以上のフェルトからなる多層フェルトであって、その上層に長繊維フェルト、下層に短繊維フェルトを配置したことを特徴とするスタンプ台。
2.長繊維フェルトと表布の間に繊維目付量が40〜70g/m2の不織布を設けた第1項に記載のスタンプ台。
3.少なくとも色材、有機溶剤、アセチレングリコール又はアセチレングリコール誘導体を含有するスタンプ台用インキ組成物を含浸した第1項または第2項のいずれかに記載のスタンプ台。」を特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明のスタンプ台は、その一例として外装材でケースを形成し、その中にインキパッドを収納し、インキを含浸するものが挙げられる。インキパッドは、少なくともインキ含浸体として長繊維フェルトを用い、その上に表布を配置した構成である。
【0012】
インキ含浸体を長繊維フェルトと短繊維フェルトのようにインキ保持力の異なる2層以上のフェルトからなる多層フェルトとしたり、フェルトと表布の間に不織布を配置した構成としても良い。
【0013】
一般に、従来からのフェルトは15〜70mm程度にカットした短繊維を用いてウェブを形成する短繊維フェルトであったが、近年になって合成繊維の製造技術の発達により紡糸機から紡出する長繊維(フィラメント糸)を、直接ウェブに形成する製造技術が確立し、長繊維フェルトが使われるようになってきたものである。長繊維フェルトは、フェルトを構成する単繊維の長さが80mm〜エンドレス、より好ましくはエンドレスで構成されており、従来の短繊維フェルトに比べてより複雑な三次元立体構造と連続的な繊維構造を持つものである。エンドレスとは、いわゆる無終端のフィラメント糸ということで、フェルトを各種材料として使用する際にカットするまで繊維が無終端として存在するようなものである。上記三次元立体構造によりスタンプインキの保持力が大きく、連続的な繊維構造を持つことにより毛細管力が強くなり、インキの追従性が格段に良くなるものである。
【0014】
長繊維フェルトは、合成繊維系とセルロール系とに区分されるが、まず紡糸したのち、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、トウ開繊法、バーストファイバー法などにより長繊維ウェブを形成して、熱圧着法、接着剤接合法、機械的交絡法などのボンディング行程を経て形成される。長繊維フェルトを構成する繊維材としては、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、アクリル、ポリアミドなどの合成繊維などが挙げられるが、ポリエステル長繊維からなるものが、インキ保持力および毛細管力によるインキ追従性の面で好ましい。
【0015】
この長繊維フェルトの作用により、寿命が長く、濃い印影を得つつ、使用するインキの粘度が低いものでも高いものでも比較的一定のインキ付着量を維持し、かつ、温度や湿度などの外部環境の変化にも強いスタンプ台とすることができるのである。
【0016】
一方、短繊維フェルトは、上述のように従来から存在する短繊維を用いてカード(ウェブ)形成するもので、熱圧着法、機械的交絡法などのボンディング行程を経て形成される。短繊維フェルトを構成する繊維材としては、羊毛などの天然繊維またはポリエステル、アクリル、レーヨン、ポリアミドなどの合成繊維などが挙げられ、単独または混合して用いられる。
【0017】
多層フェルトを構成する場合は、上層側に長繊維フェルトを設け、下層側に短繊維フェルトを設けるのがよい。多層フェルトの各層間においてインキをより表面方向に導くために、上記のように積層し多層フェルトを形成する。長繊維フェルトは短繊維フェルトに対し、インキの保持力、追従性がよいので、インキが多層フェルトの表面側に引っ張られ、インキが残り少なくなっても追従し、インキの使用効率等が向上するのである。
【0018】
多層フェルトの各層間において、その繊維密度やインキとの濡れ性などによりインキ保持力を制御したフェルト材を積層し多層フェルトを形成し、補助的作用として使用すると、より大きな効果が得られるので、好ましい。
【0019】
インキ含浸体を多層にした場合は、上層の長繊維フェルトが他の層よりも薄くなっていると、インキ保持および、過剰な浸みだしなどを効率的に防止でき、好ましい。下層と上層の厚みの関係は2:1〜5:1程度が好ましい。
【0020】
さらに、大容量のインキを保持するために、フェルト材の下に連続気泡を有するフォーム材などを設けることもできる。
【0021】
インキパッドの表面を覆う表布としては、綿、絹等の天然繊維やポリエステル、アクリル等の合成繊維を用いた繊編物や直径が数μm以下の超極細繊維を用いて繊編物としたもの等が挙げられる。超極細繊維はインキの浸透性が比較的良好であるが高価である。また、ポリエステル繊維は耐久性に優れているが油性インキとの親和性が高くインキが表布に保持されてしまうのでインキ付着量が過剰になる傾向がある。表布としては綿布の様な性能バランスがよく安価である表布を用いるのがよい。
【0022】
インキ含浸体と表布の間に押圧時のスタンプ面へのインキ付着量を調節する目的で不織布を設けても良い。不織布の繊維目付量は40〜70g/m2が好ましい。このような不織布は、短繊維を用い、乾式法にてウェブ形成し、ケミカルボンド式にて樹脂接着し、成形されるものが挙げられ、その厚みは、0.3〜0.6mm程度が好ましい。繊維目付量がこの範囲を下回ると、スタンプへのインキ付着量調節機能が不十分でありインキ付着が過大となる傾向があり、上回ると不織布中のインキ移動が不十分となりインキ付着量が過小となる傾向があり、好ましくない。
繊維目付量とは、絹織物等の厚薄軽重を表現し、通常平方メートル当たりの繊維量(g)で示される値である。
【0023】
本発明のスタンプ台では、フェルト、不織布、表布などを含めたインキパッド全体において長繊維フェルトのインキ保持力が最大になるように組み合わせるとより好ましい作用・効果を得ることができる。
【0024】
この他、インキパッド構成として、スタンプ台押印時の感触をよくするためのクッション材等を用いても良い。
【0025】
本発明のスタンプ台に含浸されるインキ組成物は、色材や樹脂などを水や有機溶剤などの溶剤に溶解、分散させたものが使用されるが、印影の乾燥性や鮮明性、などの点で、有機溶剤系の方が好ましい。
【0026】
該インキに使用される有機溶剤は、インキ組成物の主要成分となるもので、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリアルキレングリコール類やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類などの蒸気圧0.01mmHg(25℃)以下の低蒸気圧溶剤などが挙げられる。もちろん、諸性能のバランスに影響を与えない範囲でその他の有機溶剤を使用することも可能である。使用する有機溶剤のうち分子量が200〜900のポリプロピレングリコールは蒸気圧が0.01mmHg(25℃)以下であり、なおかつ吸湿性が少なく、本発明のスタンプ台インキパッドとの相性がいいので、好ましい。配合量は60〜90重量%が好ましい。
また、主溶剤としての有機溶剤は、各種スタンプ・印の基材となる天然ゴムや感光性樹脂などを溶かしたり、変質させたりしないものが選ばれる。
【0027】
使用される色材は、溶剤に溶解あるいは分散するものであればよく、従来公知の染料や顔料を使用することができる。染料としては、塩基性染料、酸性染料、直接染料、などの油溶性染料および水溶性染料が用いられる。顔料としては、カーボンブラック、群青、紺青、弁柄、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、インダスロンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、レーキレッド、リソールレッド、ハンザイエロー、酸化チタン、蛍光顔料などの有機顔料や無機顔料が使用できる。また、顔料の分散性などを改善するため合成樹脂、ワックス等で処理した加工顔料を用いることもできる。色材は1種または2種以上混合して用いられ、その使用量はインキ組成物全量に対して3〜20重量%が適当である。
【0028】
インキ充填性に優れ、印影の乾燥性が良好で、外部環境の変化に強いバランスの良い性能を持つインキ組成物とするために、アセチレングリコール又はアセチレングリコール誘導体を配合するとさらに良好である。アセチレングリコール又はアセチレングリコール誘導体を用いることにより、本発明のスタンプ台のインキパッドの各構成での作用がより好適に働く上、紙面などでのインキの浸透性がよくなり、インキ充填性、印影の乾燥性も向上し、外部環境の変化にも強いスタンプ台を得ることができるので、好ましい。
【0029】
そのようなインキ組成物は、インキパットの多層フェルト材への浸透性を向上させることができることから、生産時のインキ充填や使用によりインキを消費した場合のユーザーによるインキの再充填も容易になり、良好なインキ充填性を示すものである。
【0030】
また、インキパッドへのインキの浸透性を上げることは、例えば、ユーザーなどにより押圧時に過剰なインキが表面へ浸み出すほどインキを充填された場合でさえも、インキをフェルト材へ引き戻す効果がインキ自体にあるため、パッド面からスタンプ材へインキを転写する際に、必要以上のインキがスタンプ材の印面に付着しにくくなり、より有利な方向へ働く相乗効果をもたらすので、好ましい。
【0031】
アセチレングリコール又はアセチレングリコール誘導体としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシンー4,7−ジオールや2,4,7,9−テトラメチル−5−デシンー4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテルなどが挙げられる。インキ組成物全体に対するアセチレングリコール又はアセチレングリコール誘導体の配合量は0.1〜10.0重量%がよく、0.1〜3.0重量%がさらに好ましい。この範囲より少ないと、その効果が得られにくくなり、この範囲を超えて配合しても、その効果はそれ以上変わらない上、インキ組成物全体の物性に大きな影響を与えてしまうおそれが発生し、特にアセチレングリコールの吸湿により吸湿時の印影が劣化する傾向があり、好ましくない。また、コスト面でも比較的高価なので、安価な主溶剤をより多く用いることが好ましい。アセチレングリコールおよびアセチレングリコール誘導体はそれぞれ単独で配合してもよいが、混合して配合してもかまわない。
【0032】
その他、使用するインキ組成物には必要に応じて、界面活性剤や防腐剤などの添加剤も適宜配合することができる。
【0033】
上記のように、本発明のスタンプ台に最も好適なインキ組成物にて説明したが、上記のインキ組成物以外の、例えば水系のインキ組成物などを本発明のスタンプ台用インキに用いても、本発明の効果が得られることはいうまでもない。
【0034】
【実施例】
次に実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
参考例1
まず、インキ含浸体として、エンドレスのポリエステル繊維を用い、スパンボンド法により長繊維ウェブを作成し、ニードルパンチ法にてボンディング成形した厚さ6.0mmの長繊維フェルトを最下層に設けた。その上に、表布として綿布を設け、盤面サイズ58mm×92mmのインキパッドを構成した。
次に、下記の組成のスタンプ台用インキ組成物1のうち、はじめにポリプロピレングリコールとポリビニルブチラール樹脂を60℃オイルバスにて撹拌溶解し、その後アセチレングリコールとカーボンブラックを添加、撹拌した後、3本ロールにて顔料を分散し、スタンプ台用インキ組成物を得た。
(スタンプ台用インキ組成物1)
ピグメントブラック 7(黒色顔料) 10部
ポリビニルブチラール樹脂 5部
ポリプロピレングリコール(有機溶剤) 84部
アセチレングリコール 1部
※粘度500mPa・S(20℃)
その後、インキパッドをプラスチック製のケース(図示せず)に格納し、上記インキ組成物1を15g充填してスタンプ台を完成し、各種試験を行った。
【0035】
実施例1
インキ含浸体として、2層の多層フェルトを用い、その下層として、短繊維の羊毛/アクリル繊維製の厚さ4.0mmの短繊維フェルトを、上層として、エンドレスのポリエステル繊維を用い、スパンボンド法により長繊維ウェブを作成し、ニードルパンチ法にてボンディング成形した厚さ2.0mmの長繊維フェルトを設けた。その上に、表布として綿布を設け、盤面サイズ58mm×92mmのインキパッドを構成した。
次に、参考例1と同様に、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
各層を組み合わせたときのインキの保持力は長繊維フェルトが最大で、次いで短繊維フェルト、表布の順であった。
【0036】
実施例2
インキ含浸体として、2層の多層フェルトを用い、その下層として、短繊維の羊毛/アクリル繊維製の厚さ4.0mmの短繊維フェルトを、上層として、エンドレスのポリエステル繊維を用い、スパンボンド法により長繊維ウェブを作成し、ニードルパンチ法にてボンディング成形した厚さ2.0mmの長繊維フェルトを設けた。その上に、短繊維ポリエステル/レーヨン製、ケミカルボンド法によって成形された繊維目付量51g/m2、厚さ0.57mmの不織布を、さらにその上に、表布として綿布を設け、盤面サイズ58mm×92mmのインキパッドを構成した。
次に、参考例1と同様に、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
各層を組み合わせたときのインキの保持力は長繊維フェルトが最大で、次いで短繊維フェルト、表布、不織布の順であった。
【0037】
実施例3
実施例2の不織布を短繊維ポリエステル/レーヨン製、ケミカルボンド法によって成形された繊維目付量68g/m2、厚さ0.44mmの不織布にした以外は、実施例2と同様にしてインキパッドを得たのち、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
各層を組み合わせたときのインキの保持力は長繊維フェルトが最大で、次いで短繊維フェルト,表布、不織布の順であった。
【0038】
実施例4
実施例2の不織布を短繊維ポリエステル/レーヨン製、ケミカルボンド法によって成形された繊維目付量92g/m2、厚さ0.62mmの不織布にした以外は、実施例2と同様にしてインキパッドを得たのち、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
各層を組み合わせたときのインキの保持力は長繊維フェルトが最大で、次いで短繊維フェルト,表布、不織布の順であった。
【0039】
実施例5
実施例2の不織布を短繊維ポリエステル/レーヨン製、ケミカルボンド法によって成形された繊維目付量37g/m2、厚さ0.27mmの不織布にした以外は、実施例2と同様にしてインキパッドを得たのち、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
各層を組み合わせたときのインキの保持力は長繊維フェルトが最大で、次いで短繊維フェルト,表布、不織布の順であった。
【0040】
参考例2
参考例1のスタンプ台に下記スタンプ台用インキ組成物2を充填した以外は、参考例1と同様にして、各種試験を行った。
(スタンプ台用インキ組成物2)
ピグメントブラック 7(黒色顔料) 10部
ポリビニルブチラール樹脂 5部
ポリプロピレングリコール(有機溶剤) 85部
※粘度500mPa・S(20℃)
上記の組成のスタンプ台用インキ組成物2のうち、はじめにポリプロピレングリコールとポリビニルブチラール樹脂を60℃オイルバスにて撹拌溶解し、その後カーボンブラックを添加、撹拌した後、3本ロールにて顔料を分散し、スタンプ台用インキ組成物を得た。
各層を組み合わせたときのインキの保持力は長繊維フェルトが最大で、次いで短繊維フェルト,表布、不織布の順であった。
【0041】
比較例1
参考例1の長繊維フェルトを短繊維の羊毛/アクリル繊維製の厚さ6.0mmの短繊維フェルトとした以外は、参考例1と同様にしてインキパッドを得たのち、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
【0042】
比較例2
インキ含浸体として、2層の多層フェルトを用い、その下層として、短繊維の羊毛/アクリル繊維製の厚さ4.0mmの短繊維フェルトを、上層として、短繊維のポリエステル繊維を用い、ニードルパンチ法にてボンディング成形した厚さ2.0mmの短繊維フェルトを設けた。その上に、表布として綿布を設け、盤面サイズ58mm×92mmのインキパッドを構成した。
次に、参考例1と同様に、上記インキ組成物1を充填して、各種試験を行った。
【0043】
比較例3
比較例1のスタンプ台に上記スタンプ台用インキ組成物2を充填した以外は、比較例1と同様にして、各種試験を行った。
【0044】
各実施例および比較例の各種試験結果は表1に記載した。
【0045】
【表1】
Figure 0004274500
【0046】
印影性能
インキを充填した各スタンプ台を用い、ゴム印にてPPC用紙(XEROX社P紙)に捺印したときの印影を目視評価した。ゴム印へインキを転写させる際のゴム印をスタンプ台表面に押圧する押圧力は1.0kgと4.0kgの2種類で行った。
Figure 0004274500
【0047】
スタンプ寿命
ゴム印を実装したスタンプ台連続捺印機を用い、PPC用紙(XEROX社P紙)に、スタンプ台押印圧2.0kg、紙面押印圧2.5kgの条件で4sec/1回のスピードにて連続捺印させ、1000回おきのインキ消費量を測定し、インキ消費量が、0.3g/1000回未満となった点を終点とした。
Figure 0004274500
【0048】
耐吸湿性試験
各スタンプ台を20℃90%RHの条件で4週間開放放置し、その後ゴム印にてPPC用紙(XEROX社P紙)に捺印したときの印影を目視評価した。
Figure 0004274500
【0049】
耐蒸発性試験
各スタンプ台を60℃乾燥機中に4週間開放放置し、その後ゴム印にてPPC用紙(XEROX社P紙)に捺印したときの印影を目視評価した。
Figure 0004274500
【0050】
表1により、実施例1ないし5のスタンプ台は、印影性能が終始優れ、寿命が長く、外部環境の変化にも強いスタンプ台であることが判る。
【0051】
比較例1ないし3のスタンプ台は、使い始めの印影がつぶれ、特に押圧力が高いときに使い終わりの際の印影との差が大きく、寿命も短いものであった。
【0052】
【発明の効果】
本発明のスタンプ台は、スタンプ台インキ含浸体に長繊維フェルトを用いインキ保持力を制御することなどにより、鮮やかなスタンプ印影を得るという基本的な性能を持ちつつ、使用するインキの粘度が低いものでも高いものでも、押圧力の強弱にかかわらず使い始めから使い終わりまで比較的一定のインキ付着量を維持し、かつ、温度や湿度などの外部環境の変化にも強いスタンプ台を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のインキパッドの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 短繊維フェルト(下層)
2 長繊維フェルト(上層)
3 不織布
4 表布

Claims (3)

  1. 少なくともインキ含浸体と表布を設け、該インキ含浸体が2層以上のフェルトからなる多層フェルトであって、その上層に長繊維フェルト、下層に短繊維フェルトを配置したことを特徴とするスタンプ台。
  2. 長繊維フェルトと表布の間に繊維目付量が40〜70g/m2の不織布を設けた請求項1に記載のスタンプ台。
  3. 少なくとも色材、有機溶剤、アセチレングリコール又はアセチレングリコール誘導体を含有するスタンプ台用インキ組成物を含浸した請求項1または2のいずれかに記載のスタンプ台。
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