JP4272766B2 - ミシンの送り装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縫製物を1針毎に移動させるのに好適なミシンの送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ミシンには、縫製物の縫製動作を実行する際に、縫製物を1針毎に移動させるための送り装置が設けられている。このような送り装置による縫製物の送り方法としては、縫製物を下方から支持する下送り歯を縫製方向に移動させる下送り方法、縫製物を下方から支持する下送り歯およびこの下送り歯に同調して縫い針を支持する針棒の両者を縫製方向に移動させる針送り方法、縫製物を上下方向から挟持するように支持する上下の送り歯を縫製方向に移動させる上下送り方法、縫製物を上下方向から挟持する上下の送り歯および縫い針を支持する針棒を縫製方向に移動させる総合送り方法などの多種多様な方法が知られている。
【0003】
図9は、従来のミシンの送り装置を備えたミシンの一例を示すものであり、図9に示すように、ミシン1の送り装置2は、縫製物を下方から支持して移動させる下送り歯3を搭載した送り台4がミシンベッド5の内部に配設されている。この送り台4の図9左斜め上方に示す先端部4aは、先端が開口の二股状に形成されており、この先端部4aの内部の一部が、下軸6の図9左方に示す先端側に固着された上下カム7の外周面に接触するようにして配設されている。また、送り台4の図9右斜め下方に示す基端部には、水平リンク8の一端が連結されており、この水平リンク8の他端は、前記下軸6と平行に配設された下送り用駆動軸としての水平送り軸9の図9左方に示す先端部側に連結されている。
【0004】
前記下軸6は、ミシンベッド5の内部に回転自在に配設されており、ミシンモータによって回転駆動される上軸10の回転運動が歯付きベルト11を介して回転比が1:1で伝達されるようになっている。そして、下軸6の長手方向のほぼ中央部分には、水平送り偏心カム12が固着されており、この水平送り偏心カム12には、クランクロッド13の一端部が連結されている。このクランクロッド13の他端部は、連結軸14の図9左方に示す先端部側に連結されている。この連結軸14には、先端部側から順に連結ロッド15および揺動量制御ロッド16の一端部がそれぞれ連結されている。そして、連結ロッド15の他端部には、駆動力出力ロッド17の一端部が連結されており、この駆動力出力ロッド17の他端部は、前記水平送り軸9に連結されている。
【0005】
前記揺動量制御ロッド16の他端部は、連結ピン18に連結されており、この連結ピン18には、連結リンク19の一端部が連結されている。そして、連結リンク19の他端部は、ミシンベッド5の内部に前記下軸6および水平送り軸9と平行に延在するようにして回転自在に配設された回転軸20の一端部に連結されている。この回転軸20の他端部は、3つの接続リンク21,22,23をこの順に介して回転自在に配設された送り調節軸24に連結されている。この送り調節軸24には、端面カム25が固着されており、この端面カム25には、送り量調節ダイヤル26により端面カム25に対して進退自在とされた調節ねじ27が当接可能とされている。そして、送り量調節ダイヤル26は、ミシン1の外部に露出するように配設されており、送り量調節ダイヤル26をミシン1の外部から目盛りに合わせて操作することで調節ねじ27を進退させて、端面カム25の送り調節軸の周方向の位置を変更することにより揺動量制御ロッド16の傾きを変化させ、その結果、水平送り軸9の揺動量が制御されている。また、送り調節軸24の他端部には、付勢ばね28によって常には上方に向かって付勢された送りレバー29が配設されており、この送りレバー29を下方に移動させるように操作することで送り方向を逆方向(バック)に変換することができるようになっている。
【0006】
前記下軸6、歯付きベルト11、水平送り偏心カム12、クランクロッド13、連結軸14、連結ロッド15および駆動力出力ロッド17により、上軸10の回転運動を揺動運動に変換して下送り用駆動軸としての水平送り軸9へ伝達する下送り用駆動力伝達機構30が構成されている。
【0007】
前記揺動量制御ロッド16、連結ピン18、連結リンク19、3つの接続リンク21,22,23、送り調節軸24、端面カム25、送り量調節ダイヤル26および調節ねじ27により、上軸10の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する送り量制御機構31が構成されている。
【0008】
なお、送り量制御機構31としては、スライダクランク機構を用いたものも知られている。
【0009】
前記水平送り軸9の図9右方に示す基端部側には、長さの短い第1針振りリンク35の一端部が連結されており、この第1針振りリンク35の他端部には、長さの長い針振り連結ロッド36の下端部が連結されている。そして、針振り連結ロッド36の上端部には、長さの短い第2針振りリンク37の一端部が連結されており、この第2針振りリンク37の他端部は、ミシンアーム38の内部に上軸10と平行に延在するようにして回転自在に配設された針送り用駆動軸としての針棒駆動軸39の図9右方に示す基端部に連結されている。この針棒駆動軸39の先端部には、針棒支持可動フレーム40の基端部が連結されており、針棒支持可動フレーム40の先端部40aは、針棒41を揺動可能に支持している。また、針棒41は、上軸10の先端部分に配設された針棒クランク45、針棒クランクロッド46および針棒抱き47によって上下方向に往復移動可能に配設されており、この針棒41の下端部には、針留めが固着されており、この針留めによって縫製に用いる縫い針の基端部が支持されている。
【0010】
前記針棒41を揺動可能に支持する針棒支持可動フレーム40により、針送り機構49が構成されている。
【0011】
前記水平送り軸9に連結されている第1針振りロッド35、針振り連結ロッド36および第2針振りロッド37により、前記下送り用駆動力伝達機構30により揺動運動に変換された上軸10の回転運動を針送り用駆動軸としての針棒駆動軸39へ伝達する針送り用駆動力伝達機構50が構成されている。
【0012】
このようなミシン1の送り装置2によれば、縫製動作時に、上軸10の回転運動が下送り用駆動力伝達機構30により揺動運動に変換されて水平送り軸9へ伝達されるとともに、揺動量が送り量制御機構31により制御され、その結果、水平送り軸9が所定の角度で回動し、水平リンク8を介して送り台4に縫製方向に沿った水平方向の所定量の揺動運動を付与する。また、水平送り軸9の回動は、針送り用駆動力伝達機構50により針棒駆動軸39を所定の角度で回動し、針棒支持可動フレーム40に縫製方向に沿った水平方向の所定量の揺動運動を付与する。
【0013】
したがって、従来のミシン1の送り装置2によれば、上軸10の回転運動に連動して縫製物を下方から支持する下送り歯3を縫製方向に移動させるとともに、下送り歯3に同調して縫い針を支持している針棒41を縫製方向に移動させている。また、送り量制御機構31により揺動量を制御することで、縫製ピッチたる送り量を可変制御させている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のミシン1の送り装置2においては、ミシンベッド5とミシンアーム38との間に、送り量制御機構31の接続リンク22および針送り用駆動力伝達機構50の針振り連結ロッド36を配設する構成とされているため、例えば鞄の縫製に用いるミシンのようにミシンベッド5とミシンアーム38との距離が長いミシンにおいては、少なくとも接続リンク22および針振り連結ロッド36の2つの部品を長さの長いものにする必要があり、部品を共通化することができず、コスト低減の阻害要因の一因となっているという問題点があった。また、針振り連結ロッド36の長さを変更した場合、第1針振りリンク35の長さを針振り連結ロッド36の長さに応じて変更しないと、送り量と送り量調節ダイヤル26の目盛りとの関係が狂ってしまい、送り量調節ダイヤル26の目盛りに応じた縫製ピッチを得ることができないという問題点もあった。
【0015】
さらに、従来のミシン1の送り装置2においては、送り量制御機構31の要部がミシンベッド5の内部に配設されているため、シリンダーベッドと称される小型のミシンベッドを備えるミシンには、送り量制御機構31を小型のミシンベッドの内部に収納することができず、送り量の調節をすることができないという問題点があった。
【0016】
そこで、ミシンベッドとミシンアームとの間の距離に関わらずできるだけ多くの部品を共通化してコストを低減することができるとともに、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を常に一定に保持することができ、かつ、ミシンベッドの大きさに関わらず送り量制御機構を配設することが可能なミシンの送り装置が望まれている。
【0017】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、部品の共通化によるコストの低減を可能とするとともに、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を常に一定に保持することができ、かつ、ミシンベッドの大きさに関わらず送り量制御機構を配設することが可能なミシンの送り装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明のミシンの送り装置の特徴は、
ミシンアームに配設され縫い針を支持する針棒を縫製方向に移動させる針送り機構と、前記ミシンアームに配設され前記針送り機構に対して駆動力を付与する針送り用駆動軸と、ミシンモータの駆動力によって回転駆動される上軸に固着された水平送り偏心カム、一端部が前記水平送り偏心カムに連結されたクランクロッド、一端部が前記クランクロッドの他端部に連結された駆動力出力ロッド、および、一端部が前記駆動力出力ロッドの他端部に連結された連結アームを具備し、前記ミシンアームに配設され上軸の回転運動を揺動運動に変換し、前記針送り用駆動軸に固着される連結アームを介して前記針送り用駆動軸へと伝達する針送り用駆動力伝達機構と、前記針送り用駆動力伝達機構に接続され送り方向を切り換える送りレバーと、ミシンベッドに配設され下送り歯を縫製方向に移動させる下送り機構と、前記ミシンベッドに配設され前記下送り機構に対して駆動力を付与する下送り用駆動軸と、一端部が前記連結アームの他端部に連結された第1連結ロッド、一端部が前記第1連結ロッドの他端部に連結された第2連結ロッド、および、先端部が前記第2連結ロッドの他端部に連結され、基端部が前記下送り用駆動軸に固着された駆動アームを具備し、前記連結アームの揺動運動を前記下送り用駆動軸へと伝達する下送り用駆動力伝達機構と、送り量調節ダイヤルを具備し、前記クランクロッドの他端部に連結され前記上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する第1送り量制御機構とを有する点にある。
【0019】
そして、このような構成を採用したことにより、上軸の回転運動は、ミシンアームに配設された針送り用駆動力伝達機構により揺動運動に変換されて連結アームを介して針送り用駆動軸へと伝達される。また、連結アームの揺動運動は、下送り用駆動力伝達機構により下送り用駆動軸へ伝達される。したがって、揺動運動に変換された上軸の回転運動を針送り用駆動軸および下送り用駆動軸に伝達することができるので、縫製動作を実行する際に、縫製物を下方から支持する下送り歯およびこの下送り歯に同調して縫い針を支持する針棒の両者を縫製方向に移動させる針送り方法を容易に実現することができるとともに、ミシンアームで上軸の回転運動を揺動運動に変換することができるので、ミシンベッドとミシンアームとの間の距離に関わらずできるだけ多くの部品を共通化してコストを低減することができる。また、送りレバーを操作することにより、下送り歯および針棒の運動方向を切り換えることができるので、縫製物の送り方向を容易に制御することができる。さらに、第1送り量制御機構は、上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を容易に制御することができるし、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を常に一定に保持することができる。
【0020】
また、特許請求の範囲の請求項2に係る本発明のミシンの送り装置の特徴は、ミシンアームに配設され縫い針を支持する針棒を縫製方向に移動させる針送り機構と、前記ミシンアームに配設され前記針送り機構に対して駆動力を付与する針送り用駆動軸と、ミシンモータの駆動力によって回転駆動される上軸に固着された水平送り偏心カム、一端部が前記水平送り偏心カムに連結されたクランクロッド、一端部が前記クランクロッドの他端部に連結された駆動力出力ロッド、および、一端部が前記駆動力出力ロッドの他端部に連結された連結アームを具備し、前記ミシンアームに配設され上軸の回転運動を揺動運動に変換し、前記針送り用駆動軸に固着される連結アームを介して前記針送り用駆動軸へと伝達する針送り用駆動力伝達機構と、前記針送り用駆動力伝達機構に接続され送り方向を切り換える送りレバーと、ミシンベッドに配設され下送り歯を縫製方向に移動させる下送り機構と、前記ミシンベッドに配設され前記下送り機構に対して駆動力を付与する下送り用駆動軸と、一端部が前記連結アームの他端部あるいは前記針送り用駆動軸に連結された第2連結ロッド、および、先端部が前記第2連結ロッドの他端部に連結され、基端部が前記下送り用駆動軸に固着された駆動アームを具備し、前記連結アームの揺動運動を前記下送り用駆動軸へと伝達する下送り用駆動力伝達機構と、送り量調節ダイヤルを具備し、前記クランクロッドの他端部に連結され前記上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する第1送り量制御機構とを有する点にある。
【0021】
そして、このような構成を採用したことにより、上軸の回転運動は、ミシンアームに配設された針送り用駆動力伝達機構により揺動運動に変換されて連結アームを介して針送り用駆動軸へと伝達される。また、連結アームの揺動運動は、下送り用駆動力伝達機構により下送り用駆動軸へ伝達される。したがって、揺動運動に変換された上軸の回転運動を針送り用駆動軸および下送り用駆動軸に伝達することができるので、縫製動作を実行する際に、縫製物を下方から支持する下送り歯およびこの下送り歯に同調して縫い針を支持する針棒の両者を縫製方向に移動させる針送り方法を容易に実現することができるとともに、ミシンアームで上軸の回転運動を揺動運動に変換することができるので、ミシンベッドとミシンアームとの間の距離に関わらずできるだけ多くの部品を共通化してコストを低減することができる。また、送りレバーを操作することにより、下送り歯および針棒の運動方向を切り換えることができるので、縫製物の送り方向を容易に制御することができる。さらに、第1送り量制御機構は、上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を容易に制御することができるし、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を常に一定に保持することができる。
【0024】
また、特許請求の範囲の請求項に係る本発明のミシンの送り装置の特徴は、請求項1または請求項2において、前記下送り用駆動力伝達機構と前記下送り用駆動軸との接続部に、前記下送り用駆動軸へ伝達する揺動量を微調節可能な小型の第2送り量制御機構を配設した点にある。
【0025】
そして、このような構成を採用したことにより、第2送り量制御機構は、第2連結ロッドの長さを変更しても、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を送り量調節ダイヤルの目盛りに応じた縫製ピッチを得るように適正に保持することが容易にできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0027】
図1から図3は本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第1実施形態を示すものであり、図1は要部を模式化して示す機構線図、図2は第2送り量制御機構の構成を示す分解斜視図、図3は第2送り量制御機構を固定ねじの頭部側から見て示す正面図である。
【0028】
本実施形態のミシンの送り装置は、縫製物を下方から支持する送り歯、および、この送り歯に同調して針を支持している針棒の両者を縫製方向に移動させる針送り方法を用いたものである。
【0029】
図1に示すように、本実施形態のミシン51の送り装置52は、縫製物を下方から支持して移動させる送り歯たる下送り歯53を搭載した送り台54がミシンベッド55の内部に配設されている。この送り台54の図1左斜め上方に示す先端部54aは、先端が開口の二股状に形成されており、この先端部54aの内部の一部が、下軸56の図1左方に示す先端側に固着された上下カム57の外周面に接触するようにして配設されている。そして、送り台54の図1右斜め下方に示す基端部には、水平リンク58の一端が連結されており、この水平リンク58の他端は、前記下軸56と平行に配設された下送り用駆動軸としての水平送り軸59の図1左方に示す先端部側に連結されている。また、下軸56は、ミシンベッド55の内部に回転自在に配設されており、ミシンモータによって回転駆動される上軸60の回転運動が歯付きベルト61を介して回転比が1:1で伝達されるようになっている。
【0030】
前記上軸60は、ミシンアーム62の内部に回転自在に配設されており、上軸60の図1右方に示す基端部側で、かつ、歯付きベルト61の取付位置より図1左方に示す先端部側には、水平送り偏心カム63が固着されている。この水平送り偏心カム63には、クランクロッド64の一端部が連結されている。このクランクロッド64の他端部には、駆動力出力ロッド65および揺動量制御リンク66の一端部がそれぞれ連結されている。
【0031】
前記揺動量制御リンク66の他端部は、連結ピン67に連結されており、この連結ピン67には、連結リンク68の一端部が連結されている。そして、連結リンク68の他端部は、ミシンアーム62の内部に前記上軸60と平行に延在するようにして回転自在に配設された送り調節軸69に連結されている。この送り調節軸69には、端面カム70が固着されており、この端面カム70には、送り量調節ダイヤル71により端面カム70に対して進退自在とされた調節ねじ72が当接可能とされている。そして、本実施形態の送り量調節ダイヤル71は、ミシン51の外部、詳しくはミシンアーム62の上方外部に露出するように配設されており、送り量調節ダイヤル71をミシン51の外部から目盛りに合わせて操作することで調節ねじ72を進退させて、端面カム70の送り調節軸69の周方向の位置を変更することにより連結リンク68の傾きを変化させ、その結果、水平送り偏心カム63から出力される揺動運動の揺動量が制御可能に構成されている。また、送り調節軸69の図1右方に示す基端部には、付勢ばね73によって常には上方に向かって付勢された送りレバー74が接続されている。この送りレバー74はミシン51の外部、詳しくはミシンベッド55とミシンアーム62とを接続する部位の側面に露出するように配設されており、この送りレバー74を下方に移動させるように操作することで送り方向を逆方向(バック)に変換することができるようになっている。
【0032】
前記駆動力出力ロッド65の図1下方に示す他端部には、連結アームとしての出力伝達ロッド76の一端部が連結されており、この出力伝達ロッド76の他端部は、ミシンアーム62の内部に上軸60と平行に延在するようにして回転自在に配設された送り用駆動軸としての針送り用駆動軸たる針棒駆動軸77の図1右方に示す基端部、および、第1連結ロッド78の一端部が連結されている。つまり、針棒駆動軸77の基端部に、出力伝達ロッド76の他端部、および、第1連結ロッド78の一端部が固着されている。
【0033】
なお、本実施形態においては、出力伝達ロッド76および第1連結ロッド78が全体として直線状になるようにして針棒駆動軸77の同一位置たる基端部に固着した構成としたが、針棒駆動軸77に対する出力伝達ロッド76および第1連結ロッド78の取付位置は、針棒駆動軸77の任意の位置から選択することができるとともに、出力伝達ロッド76の軸方向に対して第1連結ロッド78の軸方向がなす角度は、それぞれが平行に位置する180度だけでなく任意の角度から選択することができる。
【0034】
前記針棒駆動軸77の図1左方に示す先端部には、針棒支持可動フレーム79の基端部が連結されており、針棒支持可動フレーム79の先端部79aは、針棒80を揺動可能に支持している。また、針棒80は、上軸60の先端部分に配設された針棒クランク81、針棒クランクロッド82および針棒抱き83によって上下方向に往復移動可能に配設されており、この針棒80の下端部には従来公知の針留めが固着されており、この針留めによって縫製に用いる縫い針の基端部が支持されるようになっている。
【0035】
前記第1連結ロッド78の他端部には、第2連結ロッド84の一端部たる図1上方に示す上端部が連結されており、この第2連結ロッド84の他端部たる図1下方に示す下端部は、ミシンベッド55の内部に配設された駆動アーム85の先端部に連結されている。この駆動アーム85の基端部は、ミシンベッド55の内部に配設された水平送り軸59の図1右方に示す基端部に固着されている。
【0036】
前記下送り歯53、送り台54、上下カム57および水平リンク58により、本実施形態の下送り機構86が構成されている。なお、下送り機構86の構成は、従来公知のものであり、その詳しい説明は省略する。
【0037】
前記第1連結ロッド78、第2連結ロッド84および駆動アーム85により、本実施形態の連結アームとしての出力伝達ロッド76の揺動運動を下送り用駆動軸としての水平送り軸59へと伝達する下送り用駆動力伝達機構87が構成されている。
【0038】
なお、本実施形態の下送り用駆動力伝達機構87は、出力伝達ロッド76の揺動運動を第1連結ロッド78、第2連結ロッド84および駆動アーム85をこの順に介して水平送り軸59へと伝達する構成としたが、第2連結ロッド84の先端部を出力伝達ロッド76あるいは針棒駆動軸77へ接続する構成、すなわち、第1連結ロッド78を設けずに、出力伝達ロッド76の揺動運動を直接的あるいは間接的に第2連結ロッド84および駆動アーム85をこの順に介して水平送り軸59へと伝達する構成としてもよい。
【0039】
前記揺動量制御リンク66、連結ピン67、連結リンク68、送り調節軸69、端面カム70、送り量調節ダイヤル71および調節ねじ72により、本実施形態の上軸60の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する第1送り量制御機88が構成されている。
【0040】
すなわち、後述する送り用駆動力伝達機構としての針送り用駆動力伝達機構90に、ミシンアーム62に配設され上軸60の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する第1送り量制御機構88が接続されている。
【0041】
なお、第1送り量制御機構88の構成は、従来公知のものであり、その詳しい説明は省略する。また、第1送り量制御機構88としては、設計コンセプトなどの必要に応じて従来公知のスライダクランク機構などの多種多様の構成のものから選択すればよく、特に、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0042】
前記針棒80を揺動可能に支持する針棒支持可動フレーム79により、本実施形態の針送り機構89が構成されている。なお、針送り機構89の構成は、従来公知のものであり、その詳しい説明は省略する。
【0043】
前記水平送り偏心カム63、クランクロッド64、駆動力出力ロッド65および出力伝達ロッド76により、本実施形態のミシンアーム62に配設され、上軸60の回転運動を揺動運動に変換し、送り用駆動軸としての針送り用駆動軸たる針棒駆動軸77に固着される連結アームとしての出力伝達ロッド76を介して針棒駆動軸77へと伝達する送り用駆動力伝達機構としての針送り用駆動力伝達機構90が構成されている。
【0044】
図2に示すように、本実施形態の下送り用駆動力伝達機構87と下送り用駆動軸としての水平送り軸59との接続部、詳しくは第2連結ロッド84の下端部と駆動アーム85との連結部は、段ねじなどと称される固定ねじ93の頭部側に形成されたガイド部93aを、第2連結ロッド84の下端部に形成された貫通孔84aに嵌合させるとともに、固定ねじ93のねじ部93bに損傷防止を兼ねたカラー94を外嵌し、このカラー94のほぼ四角形形状に形成された外面を駆動アーム85の先端側に形成された長穴状貫通孔85aに嵌挿させてから駆動アーム85の図2右方に示す裏面側に突出したねじ部93bの先端側にナット95を螺合させることで固定されている。
【0045】
そして、固定ねじ93を緩めることにより、図3に示すように、第2連結ロッド84の下端部が図3両矢印Aにて示すように駆動アーム85の長穴状貫通孔85aの長手方向に沿って移動可能とされており、第2連結ロッド84の下端部に形成された貫通孔84aの中心位置と、駆動アーム85の基端部に固着された水平送り軸59の軸心との間隔Dを拡縮したりする間隔調整を容易に行うことができるようになっている。すなわち、駆動アーム85の腕の長さを簡単かつ小型の構成により可変とすることができるようになっている。
【0046】
前記駆動アーム85に形成された長穴状貫通孔85a、固定ねじ93、カラー94およびナット95により、本実施形態の下送り用駆動力伝達機構87と水平送り軸59の接続部に、水平駆動軸59へ伝達する揺動量を微調節可能な小型の第2送り量制御機構96が構成されている。
【0047】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0048】
図4は水平送り偏心カム近傍の動作を簡略化して説明する説明図である。
【0049】
本実施形態のミシン51の送り装置52においては、図4に示すように、上軸60の回転運動は、水平送り偏心カム63に連結されたクランクロッド64によって揺動量制御リンク66を揺動運動させる。そして、クランクロッド64に対して直交する方向に連結された駆動力出力ロッド65が揺動量制御リンク66の直交方向に発生する運動を受けて出力伝達ロッド76を揺動運動させ、この出力伝達ロッド76の揺動運動は、出力伝達ロッド76が固着された針棒駆動軸77を揺動運動させる。この時の揺動量は、送り量調節ダイヤル71を操作することで連結リンク65の傾きを変化させることにより調節することができる。そして、針棒駆動軸77の揺動運動は、針棒支持可動フレーム79に所定量の揺動運動を付与し、その結果、針棒80に縫製方向に沿った所定量の揺動運動を付与することができる。
【0050】
また、針棒駆動軸77に固着されている第1連結ロッド78は、第2連結ロッド84および駆動アーム85を介して水平駆動軸85を揺動運動させ、水平リンク58を介して水平駆動軸85に取着されている送り台54に縫製方向に沿った水平方向の所定量の揺動運動を付与することができる。
【0051】
この時、固定ねじ93を操作して、第2連結ロッド84の下端部に形成された貫通孔84aの中心位置と、駆動アーム85の基端部に固着された水平送り軸59の軸心との間隔Dを調節することにより、針棒支持可動フレーム79の揺動量たる揺動角度を所定の角度に保持した状態で送り台54の移動量のみを調節することができる。
【0052】
このように、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、上軸60の回転運動に連動して縫製物を下方から支持する下送り歯53を縫製方向に水平に移動させるとともに、下送り歯53に同調して縫い針を支持している針棒80を縫製方向に移動させる針送り方法を容易に実現することができ、しかも、ミシンアーム62に配設した第1送り量制御機構88により、縫製ピッチたる送り量を容易に可変制御することができる。
【0053】
さらに、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、クランクロッド64に対して第1送り量制御機構88を直接接続する構成とされており、図9に示す従来の構成の接続リンク22,23を介して送り量制御機構31を接続する構成とした場合の使用時間の経過にともなって接続リンク22,23の接続部位が摩耗することで生じる接続部位のがたの拡大に起因する送り量と送り量調節ダイヤル71の目盛りとの関係の狂いを防止することができるので、送り量と送り量調節ダイヤル71の目盛りとの関係を常に一定に保持することができる。
【0054】
また、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、第2送り量制御機構96を有しているので、第2連結ロッド84の長さを変更しても、送り量と送り量調節ダイヤル71の目盛りとの関係を送り量調節ダイヤル71の目盛りに応じた縫製ピッチを得るように適正に保持することが容易にできる。また、第2送り量制御機構96は、構造が簡単で小型化を容易に図ることができるので、小型のミシンベッドにも容易に配設することができる。
【0055】
さらに、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、ミシンアーム62の内部で上軸60の回転運動を揺動運動に変換することができるので、第2連結ロッド84の長さを変更することで、第1送り量制御機構88の各部品を、ミシンベッド55とミシンアーム62との距離が異なる多種多様のミシンに共用することができる。つまり、第1送り量制御機構88の部品の共通化によるコストの低減を容易に図ることができる。
【0056】
また、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、ミシンアーム62に第1送り量制御機構88が配設されているので、シリンダーベッドと称される小型のミシンベッドを備えるミシンであっても、送り量の調節を実現することができる。
【0057】
またさらに、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、送りレバー74を操作することにより、下送り歯53および針棒80の運動方向を切り換えることができるので、縫製物の送り方向を容易に制御することができる。
【0058】
したがって、本実施形態のミシン51の送り装置52によれば、ミシンベッド55とミシンアーム62との間の距離に関わらずできるだけ多くの部品を共通化してコストの低減を容易に図ることができるとともに、送り量と送り量調節ダイヤル71の目盛りとの関係を常に一定に保持することができ、かつ、ミシンベッド55の大きさに関わらず各送り量制御機構88,96を容易に配設することができる。
【0059】
図5は本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第2実施形態を示すものである。
【0060】
図5に示すように、本実施形態のミシン51Aの送り装置52Aは、前述した第1実施形態の水平送り偏心カム63を三角カム98とし、前述した第1実施形態のクランクロッド64を三角カム98に接する部位がほぼコ字状に形成された出力ロッド99としたものである。そして、出力ロッド99のコ字状部99aの内部の一部が三角カム98の外周面に接触するようにして配設されている。また、出力ロッド99のコ字状部99aの上部は、上軸60に支持された二股支持リンク100の自由端部に挿通されたピン101に連結されている。なお、二股支持リンク100の基端部をミシンフレームに支持するようにしてもよい。
【0061】
その他の構成は前述した第1実施形態のミシン51と同様とされている。
【0062】
このような構成の本実施形態のミシン51Aの送り装置52Aによれば、前述した第1実施形態のミシン51の送り装置52と同様の効果を奏するとともに、三角カム98を用いることで、縫製物の送り始めおよび送り終わりの時点で下送り歯53および針を支持している針棒80が縫製方向へ移動しない休止区間をもつ送り軌跡を容易に得ることができる。そして、縫製物の送り始めおよび送り終わりの時点で下送り歯53および針を支持している針棒80が縫製方向へ移動しない休止区間を設けることにより、縫製物の厚みが変わった場合の目詰まりを防止することができるとともに、出力ロッド99を二股支持リンク100で支持しているので、出力ロッド99の剛性を向上させることができるので、多種多様のミシンに適用することができる。
【0063】
図6は本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第3実施形態を示すものである。
【0064】
本実施形態のミシンの送り装置は、シリンダーベッドと称される小型のミシンベッドを備えるミシンに用いたものである。
【0065】
図6に示すように、本実施形態のミシン51Bの送り装置52Bは、小型のミシンベッド55Bの図6左方に示す先端側に、縫製物を下方から支持して移動させる送り歯たる下送り歯53を搭載した送り台54B、上下カム57および水平リンク58などからなる下送り機構86Bが配設されている。この下送り機構86Bは、従来公知のものでありその詳しい説明は省略する。
【0066】
その他の構成は前述した第1実施形態のミシン51と同様とされている。
【0067】
このような構成の本実施形態のミシン51Bの送り装置52Bによれば、前述した第1実施形態のミシン51の送り装置52と同様の効果を奏することができる。
【0068】
図7は本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第4実施形態を示すものである。
【0069】
本実施形態のミシンの送り装置は、縫製物を上下方向から挟持するように支持する上下の送り歯を縫製方向に移動させる上下送り方法を用いたものである。
【0070】
図7に示すように、本実施形態のミシン51Cの送り装置52Cは、ミシンベッド55の図7左方に示す先端側に、縫製物を下方から支持して移動させる送り歯たる下送り歯53を搭載した送り台54、上下カム57、および、水平リンク58などからなる前述した第1実施形態と同様の下送り機構86が配設されている。
【0071】
また、駆動力出力ロッド65の図7下方に示す他端部は、ミシンアーム62の内部に上軸60と平行に延在するようにして回転自在に配設された送り用駆動軸としての上送り用駆動軸たる上送り軸110の図7右方に示す基端部に固着された連結アームとしての伝達アーム111の先端部に連結されている。また、第2出力ロッド84の上端部も伝達アーム111の先端部に連結されている。そして、上送り軸110の図7左方に示す先端部には、縫製物を上方から支持して移動させる送り歯たる上送り歯112を備えた上送り機構113が配設されている。この上送り機構113は、従来公知のものでありその詳しい説明は省略する。
【0072】
また、本実施形態の下送り用駆動力伝達機構87Cは、第2出力ロッド84の上端部を駆動力出力ロッド65の図7下方に示す伝達アーム111との連結部に直接連結することにより構成されており、上送り軸110に固着される連結アームとしての伝達アーム111の揺動運動を下送り用駆動軸たる水平送り軸59へと伝達することができるように構成されている。
【0073】
前記第2連結ロッド84および駆動アーム85により、本実施形態の連結アームとしての伝達アーム111の揺動運動を下送り用駆動軸たる水平送り軸59へと伝達する下送り用駆動力伝達機87Cが構成されている。
【0074】
前記水平送り偏心カム63、クランクロッド64、駆動力出力ロッド65および伝達アーム111により、本実施形態のミシンアーム62に配設され、上軸60の回転運動を揺動運動に変換し、送り用駆動軸としての上送り用駆動軸たる上送り軸110に固着される連結アームとしての伝達アーム111を介して上送り軸110へと伝達する上送り用駆動力伝達機構114が構成されている。
【0075】
その他の構成は前述した第1実施形態のミシン51の送り装置52と同様とされている。
【0076】
このような構成の本実施形態のミシン51Cの送り装置52Cによれば、上軸60の回転運動は、水平送り偏心カム63に連結されたクランクロッド64によって揺動量制御リンク66を揺動運動させる。そして、クランクロッド64に対して直交する方向に連結された駆動力出力ロッド65が揺動量制御リンク66の直交方向に発生する運動を受けて伝達アーム111を揺動運動させ、この伝達アーム111の揺動運動は、伝達アーム111が固着された上送り軸110を揺動運動させる。この時の揺動量は、前述した第1実施形態と同様に、送り量調整ダイヤル71(図1)を操作することで連結リンク65の傾きを変化させることにより調節することができる。そして、上送り軸110の揺動運動は、上送り機構113を介して上送り歯112に縫製方向に沿った所定量の揺動運動と、縫製物に対して接離する方向の上下運動とを付与することができる。
【0077】
また、伝達アーム111の先端部に連結されている第2連結ロッド84は、駆動アーム85を介して水平駆動軸85を揺動運動させ、水平リンク58を介して水平駆動軸85に取着されている送り台54に縫製方向に沿った水平方向の所定量の揺動運動を付与することができる。
【0078】
この時、固定ねじ93を操作して、第2連結ロッド84の下端部に形成された貫通孔84aの中心位置と、駆動アーム85の基端部に固着された水平送り軸59の軸心との間隔Dを調節することにより、上送り軸110の揺動量たる揺動角度を所定の角度に保持した状態で送り台54の移動量のみを調節することができる。すなわち、送り量と送り量調節ダイヤル71の目盛りとの関係を常に一定に保持することができる。
【0079】
したがって、本実施形態のミシン51Cの送り装置52Cによれば、前述した第1実施形態のミシン51の送り装置52と同様の効果を奏することができるとともに、縫製動作時に、上軸60の回転運動に連動して縫製物を下送り機構86の下送り歯53と上送り機構の113の上送り歯112とで上下方向から挟持するようにして縫製方向に移動させる上下送り方法を容易に実現することができる。
【0080】
なお、前述した第1実施形態のミシンの送り装置52と第4実施形態のミシンの送り装置52Cとを組み合わせることにより、縫製物を上下方向から挟持する上下の送り歯53,112および縫い針を支持する針棒80を縫製方向に移動させる総合送り方法を用いた送り装置を容易に実現することができる。
【0081】
すなわち、図7に想像線にて一部のみを示すように、駆動力出力ロッド65の下端部を、上送り軸110に固着される伝達アーム111と、図7に想像線にて示す上送り軸110とほぼ平行に配設される針棒駆動軸77に固着される出力伝達ロッド76とに接続する構成とすることにより、縫製物を上下方向から挟持する上下の送り歯53,112および縫い針を支持する針棒80を縫製方向に移動させる総合送り方法を用いた送り装置を容易に実現することができる。
【0082】
また、総合送り方法を用いた場合、出力伝達ロッド76は、針送り用駆動軸としての針棒駆動軸77に固着される第1の連結アームとされ、伝達アーム111は、上送り用駆動軸としての上送り軸110に固着される第2の連結アームとされる。
【0083】
さらに、このような構成とした場合、水平送り偏心カム63、クランクロッド64、駆動力出力ロッド65、出力伝達ロッド76および伝達アーム111により、ミシンアーム62に配設され、上軸60の回転運動を揺動運動に変換し、送り用駆動軸としての針送り用駆動軸たる針棒駆動軸77に固着される連結アームとしての出力伝達ロッド76を介して針棒駆動軸77へと伝達するとともに、ミシンアーム62に配設され、上軸60の回転運動を揺動運動に変換し、送り用駆動軸としての上送り用駆動軸たる上送り軸110に固着される連結アームとしての伝達アーム111を介して上送り軸110へと伝達する上送り・針送り用駆動力伝達機構が構成されることになる。
【0084】
また、このような構成とした場合、ミシンアーム62に配設され縫い針を支持する針棒80を縫製方向に移動させる針送り機構89およびミシンアーム62に配設され上送り歯112を縫製方向に移動させる上送り機構113の少なくとも一方の送り機構を具備することになる。さらに、針棒駆動軸77および水平駆動軸59が、ミシンアーム62に配設され針送り機構89および上送り機構113に対して駆動力を付与する送り用駆動軸とされ、出力伝達ロッド76および伝達アーム11が連結アームとされる。そして、第1送り量制御機構88は、送り用駆動力伝達機構に接続されることになる。さらに、第2送り量制御機構96は、針送り用駆動軸たる針棒駆動軸77および/または上送り用駆動軸たる上送り軸110の揺動量たる揺動角度を所定の角度に保持した状態で下送り用駆動軸たる水平送り軸59の揺動量を制御することになる。
【0085】
図8は本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第5実施形態を示すものである。
【0086】
本実施形態のミシンの送り装置は、鞄などの立体縫製に用いられるポスト型ミシンと称されるミシンベッドとミシンアームとの距離が長いミシンに用いたものである。
【0087】
図8に示すように、本実施形態のミシン51Dの送り装置52Dは、第2連結ロッド84の図8上方に示す先端部が出力伝達ロッド76に直接接続されており、第2連結ロッド84および駆動アーム85により、本実施形態の連結アームとしての出力伝達ロッド76の揺動運動を下送り用駆動軸としての水平送り軸59へと伝達する下送り用駆動力伝達機構87Dが構成されている。
【0088】
その他の構成は前述した第1実施形態のミシン51の送り装置52と同様とされている。
【0089】
このような構成の本実施形態のミシン51Dの送り装置52Dによれば、前述した第1実施形態のミシン51の送り装置52と同様の効果を奏するとともに、ミシンベッド55とミシンアーム62との距離が長くなった場合、送りレバー74の取付位置は、操作性を損なうことがないので縫製位置に対して変更されることはないので、送りレバー74と送り調整軸69とを結ぶリンク120の長さを変える必要がないので、第2連結ロッド84のみを変更すればよく、図9に示す従来の構成の針振り連結ロッド36および接続リンク22の2つの部品を交換するミシン1の送り装置2に比べて、部品の共通化によるコストの低減を容易に図ることができる。このことは、前述した各実施形態においても同様である。
【0090】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る本発明のミシンの送り装置によれば、縫製動作を実行する際に、縫製物を下方から支持する下送り歯およびこの下送り歯に同調して縫い針を支持する針棒の両者を縫製方向に移動させる針送り方法を容易に実現することができるとともに、ミシンアームで上軸の回転運動を揺動運動に変換することができるので、ミシンベッドとミシンアームとの間の距離に関わらずできるだけ多くの部品を共通化してコストを低減することができる。また、送りレバーを操作することにより、下送り歯および針棒の運動方向を切り換えることができるので、縫製物の送り方向を容易に制御することができるなどの極めて優れた効果を奏する。さらに、第1送り量制御機構は、上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を容易に制御することができるし、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を常に一定に保持することができる。
【0092】
また、請求項2に係る本発明のミシンの送り装置によれば、縫製動作を実行する際に、縫製物を方から支持する下送り歯およびこの下送り歯に同調して縫い針を支持する針棒の両者を縫製方向に移動させる針送り方法を容易に実現することができるとともに、ミシンアームで上軸の回転運動を揺動運動に変換することができるので、ミシンベッドとミシンアームとの間の距離に関わらずできるだけ多くの部品を共通化してコストを低減することができる。また、送りレバーを操作することにより、下送り歯および針棒の運動方向を切り換えることができるので、縫製物の送り方向を容易に制御することができるなどの極めて優れた効果を奏する。さらに、第1送り量制御機構は、上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を容易に制御することができるし、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を常に一定に保持することができる。
【0094】
また、請求項に係る本発明のミシンの送り装置によれば、第2送り量制御機構は、第2連結ロッドの長さを変更しても、送り量と送り量調節ダイヤルの目盛りとの関係を送り量調節ダイヤルの目盛りに応じた縫製ピッチを得るように適正に保持することが容易にできるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第1実施形態の要部を模式化して示す機構線図
【図2】 図1に示すミシンの送り装置の第2送り量制御機構の構成を示す分解斜視図
【図3】 図2に示す第2送り量制御機構を固定ねじの頭部側から見て示す正面図
【図4】 図1に示すミシンの送り装置の水平送り偏心カム近傍の動作を簡略化して説明する説明図
【図5】 本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第2実施形態の要部を示す斜視図
【図6】 本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第3実施形態の要部を模式化して示す図1と同様の図
【図7】 本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第4実施形態の要部を模式化して示す図1と同様の図
【図8】 本発明に係るミシンの送り装置を適用したミシンの第5実施形態の要部を模式化して示す図1と同様の図
【図9】 従来のミシンの送り装置を適用したミシンの要部を模式化して示す機構線図
【符号の説明】
51、51A、51B、51C、51D ミシン
52、52A、52B、52C、52D 送り装置
53 下送り歯
54、54B 送り台
55、55B ミシンベッド
56 下軸
59 (下送り用駆動軸としての)水平送り軸
60 上軸
62 ミシンアーム
71 送り量調節ダイヤル
76 (連結アームとしての)出力伝達ロッド
77 (針送り用駆動軸としての)針棒駆動軸
80 針棒
86、86B 下送り機構
87 87C、87D 下送り用駆動力伝達機構
88 第1送り量制御機構
89 針送り機構
90 針送り用駆動力伝達機構
96 第2送り量調節機構
110 (上送り用駆動軸としての)上送り軸
111 (連結アームとしての)伝達アーム
112 上送り歯
113 上送り機構
114 上送り用駆動力伝達機構

Claims (3)

  1. ミシンアームに配設され縫い針を支持する針棒を縫製方向に移動させる針送り機構と、
    前記ミシンアームに配設され前記針送り機構に対して駆動力を付与する針送り用駆動軸と、
    ミシンモータの駆動力によって回転駆動される上軸に固着された水平送り偏心カム、一端部が前記水平送り偏心カムに連結されたクランクロッド、一端部が前記クランクロッドの他端部に連結された駆動力出力ロッド、および、一端部が前記駆動力出力ロッドの他端部に連結された連結アームを具備し、前記ミシンアームに配設され上軸の回転運動を揺動運動に変換し、前記針送り用駆動軸に固着される連結アームを介して前記針送り用駆動軸へと伝達する針送り用駆動力伝達機構と、
    前記針送り用駆動力伝達機構に接続され送り方向を切り換える送りレバーと、
    ミシンベッドに配設され下送り歯を縫製方向に移動させる下送り機構と、
    前記ミシンベッドに配設され前記下送り機構に対して駆動力を付与する下送り用駆動軸と、
    一端部が前記連結アームの他端部に連結された第1連結ロッド、一端部が前記第1連結ロッドの他端部に連結された第2連結ロッド、および、先端部が前記第2連結ロッドの他端部に連結され、基端部が前記下送り用駆動軸に固着された駆動アームを具備し、前記連結アームの揺動運動を前記下送り用駆動軸へと伝達する下送り用駆動力伝達機構と、
    送り量調節ダイヤルを具備し、前記クランクロッドの他端部に連結され前記上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する第1送り量制御機構と、
    を有することを特徴とするミシンの送り装置。
  2. ミシンアームに配設され縫い針を支持する針棒を縫製方向に移動させる針送り機構と、
    前記ミシンアームに配設され前記針送り機構に対して駆動力を付与する針送り用駆動軸と、
    ミシンモータの駆動力によって回転駆動される上軸に固着された水平送り偏心カム、一端部が前記水平送り偏心カムに連結されたクランクロッド、一端部が前記クランクロッドの他端部に連結された駆動力出力ロッド、および、一端部が前記駆動力出力ロッドの他端部に連結された連結アームを具備し、前記ミシンアームに配設され上軸の回転運動を揺動運動に変換し、前記針送り用駆動軸に固着される連結アームを介して前記針送り用駆動軸へと伝達する針送り用駆動力伝達機構と、
    前記針送り用駆動力伝達機構に接続され送り方向を切り換える送りレバーと、
    ミシンベッドに配設され下送り歯を縫製方向に移動させる下送り機構と、
    前記ミシンベッドに配設され前記下送り機構に対して駆動力を付与する下送り用駆動軸と、
    一端部が前記連結アームの他端部あるいは前記針送り用駆動軸に連結された第2連結ロッド、および、先端部が前記第2連結ロッドの他端部に連結され、基端部が前記下送り用駆動軸に固着された駆動アームを具備し、前記連結アームの揺動運動を前記下送り用駆動軸へと伝達する下送り用駆動力伝達機構と、
    送り量調節ダイヤルを具備し、前記クランクロッドの他端部に連結され前記上軸の回転運動を揺動運動に変換する際の揺動量を可変制御する第1送り量制御機構と、
    を有することを特徴とするミシンの送り装置。
  3. 前記下送り用駆動力伝達機構と前記下送り用駆動軸との接続部に、前記下送り用駆動軸へ伝達する揺動量を微調節可能な小型の第2送り量制御機構を配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミシンの送り装置。
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