JP4269732B2 - 板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置 - Google Patents

板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、板材を任意の曲げ角度に曲げるようにした板材曲げ加工機に対する制御装置の指令変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、任意の曲げ角度に曲げ加工が可能な板材曲げ加工機として、曲げ工具を上または下方向に必要なデプス量だけ移動させて曲げるようにしたものがある。その制御用の加工プログラムには、上記デプス量が記述され、NC装置はこのデプス量の指令値まで曲げ工具を移動させるように制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
曲げ角度に対応するデプス量は、曲げ加工機の機種によって種々変わる。そのため、上記のようにデプス量で記述された加工プログラムは、他の同様な機種の曲げ加工機に使用できず、汎用性に乏しい。また、加工プログラムがデプス量を記述されていると、曲げ角度を変更したり調整する場合は、デプス量を修正する必要があるが、曲げ角度とデプス量の因果関係が分かり難いため、修正値の設定が容易でない。加工プログラムの最初の作成時においても、製品図面には曲げ角度で記述されているため、対応するデプス量を求めて作成する必要があり、プログラム作成に手間がかかる。
【0004】
この発明の目的は、加工プログラムの汎用性を向上させることができ、かつ加工プログラムの作成や修正時に、曲げ角度の指定や変更が容易に行える板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置を提供することである。
この発明の他の目的は、煩雑な演算が不要でデプス量の取得が簡単に行えるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、加工プログラムに汎用性を持たせたままで、加工条件に応じた適切なデプス量が得られ、加工精度の向上が図れるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の構成を実施形態に対応する図1と共に説明する。この板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置(1)は、曲げ工具(63,64)をデプス量(h)移動させて板材(W)を曲げる板材曲げ加工機(2)を制御する板材曲げ加工機用制御装置(3)の指令変換装置(1)であって、上記板材曲げ加工機(2)により曲げる板材(W)の曲げ角度(θ)を記述した加工プログラム(4)を記憶する加工プログラム記憶手段(5)と、上記板材曲げ加工機(2)で行われる曲げ加工の曲げ角度(θ)とデプス量(h)の関係を設定した曲げ角度対応デプス量設定手段(7)と、上記加工プログラム(4)の曲げ角度(θ)を、上記曲げ角度対応デプス量設定手段(7)によってデプス量(h)に変換する曲げ角度・デプス量変換手段(6)とを備える。
この構成によると、加工プログラム(4)に記述された曲げ角度(θ)が、曲げ角度・デプス量変換手段(6)によって、曲げ角度対応デプス量設定手段(7)の設定内容に従い、デプス量(h)に変換される。そのため、加工プログラム(4)が曲げ角度(θ)で記述されていても、曲げ工具(63,64)のデプス量(h)の制御が行え、希望の曲げ角度(θ)に曲げることができる。加工プログラム(4)は曲げ角度(θ)で記述されるため、機種に特有の値とならず、加工プログラム(4)が汎用性の高いものとなる。また、曲げ角度対応デプス量設定手段(6)の設定内容を適宜設定しておくことで、加工プログラム(4)の作成時や修正時に、曲げ角度(θ)に対応するデプス量(h)を作成者や修正者が計算したり換算したりする必要がなく、曲げ角度の指定や変更が容易に行える。
【0006】
上記曲げ角度対応デプス量設定手段(7)は、複数種の曲げ角度(θ)とその曲げ角度(θ)に対応するデプス量(h)とを対応して記憶したテーブルである
そのため、曲げ角度・デプス量変換手段(7)は、上記テーブルから曲げ角度(θ)に対応するデプス量(h)を取得することができ、煩雑な演算が不要でデプス量(h)の取得が簡単に行える。
【0007】
上記テーブルである曲げ角度対応デプス量設定手段(7)は、複数種の曲げ角度(θ)とその曲げ角度(θ)に対応する基準のデプス量(h0)とを対応して記憶した基準値記憶領域(7a)と、加工条件に応じたデプス量の補正値(Δh)を記憶する補正値記憶領域(7b)とを有するものとする。この場合、上記曲げ角度・デプス量変換手段(6)は、上記基準値記憶領域(7a)に記憶された基準のデプス量(h0)を上記補正値記憶領域(7b)に記憶された補正値(Δh)で補正したデプス量を出力するものとする。
板材曲げ加工機(2)で板材(W)の曲げ加工を行う場合、例えば板材(W)の材質、板厚、曲げ幅、その他の加工条件によって、曲げ角度(θ)とデプス量(h)の関係に若干の違いが生じる。上記のように補正値記憶領域(7b)を設け、曲げ角度・デプス量変換手段(6)がその補正値(Δh)でデプス量(h0)を補正するものとすると、加工条件に応じた補正量(Δh)を、過去の加工状況や試験等によって予め求めて設定しておくことができ、加工プログラム(4)には目標の曲げ角度(θ)を記述しておくのみで、加工条件に応じた適切なデプス量(h)で加工され、加工精度の向上が図れる。このため、加工プログラム(4)に汎用性を持たせたままで、加工条件に応じた適切なデプス量(h)が得られ、加工精度の向上が図れる。
上記板材曲げ加工機(2)は、板材(W)を移動させる板材送り機構(52)と、板材(W)の孔加工用の手段であるパンチ加工手段(57)と、曲げ加工手段(58)とを備えたパンチプレスである。上記曲げ加工手段(58)は、板材(W)に突出形成された板材片(Wa′)を曲げ加工するものであって、互いに板材(W)を挟む上下のクランプ型(61,62)、および上記板材(W)の上記クランプ型(61,62)で挟まれた箇所を曲げ基端として折り曲げる曲げ工具(63,64)と、上記曲げ工具(63,64)を上記クランプ型(61,62)と共に回転割出する駆動源(76)と、上記曲げ工具(63,64)の昇降駆動を行う駆動源(77,78)とを有する。
上記テーブルからなる曲げ角度対応デプス量設定手段(7)は、上記デプス量の補正値(Δh)を記憶する補正値記憶領域(7b)に、上記曲げ工具(63,64)の工具中心回りの割出角度の範囲を区分した各区分毎に上記デプス量の補正値(Δh)を記憶したものである。上記曲げ角度・デプス量変換手段(6)は、上記曲げ工具(63,64)の割出角度に対応する補正値記憶領域の補正値(Δh)を用いて補正するものとする。上記曲げ角度対応デプス量設定手段(7)の上記補正値記憶領域(7b)に対して、入力機器から補正値の入力,更新,削除を可能とした補正値登録手段(10)を設ける。
この発明において、上記曲げ加工手段(58)は、上記曲げ工具(63,64)として、互いに上下に位置してそれぞれ板材(W)を下側へ折り曲げる上側の曲げ工具(63)と、板材(W)を上側へ折り曲げる下側の曲げ工具(64)とを有し、上記上側のクランプ型(61)と上側の曲げ工具(63)とで上側の組立工具(46)を構成し、上記下側のクランプ型(62)と下側の曲げ工具(64)とで下側の組立工具(47)を構成し、上記曲げ工具(63,64)の昇降駆動を行う駆動源として、上側の曲げ工具(63)の昇降駆動を行う駆動源(77)と下側の曲げ工具(64)の昇降駆動を行う駆動源(78)とを有し、上記曲げ角度対応デプス量設定手段(7)の上記基準値記憶領域(7a)は、上記基準のデプス量(h)として、上側へ折り曲げる場合の基準のデプス量と下側へ折り曲げる場合の基準のデプス量とを記憶し、上記補正値記憶領域(7b)は、上記デプス量の補正値(Δh)として、上側へ折り曲げる場合の補正値と下側へ折り曲げる場合の補正値とを記憶したものであり、上記曲げ角度・デプス量変換手段(6)は、上側へ折り曲げる場合は、曲げ角度対応デプス量設定手段の上側へ折り曲げる場合の基準のデプス量および補正値を用い、下側へ折り曲げる場合は、下側へ折り曲げる場合の基準のデプス量および補正値を用いるものとしても良い。
また、この発明において、上記補正値登録手段(10)に補正値を入力する上記入力機器は、オペレータが上記補正値の入力を可能なものとしても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図面と共に説明する。図1はこの指令変換装置1を含む板材曲げ加工機用制御装置3の概念構成のブロック図、および板材曲げ加工機2の要部の各動作状態の正面図を示す。
まず、板材曲げ加工機2につき説明する。この板材曲げ加工機2は、上下に曲げ工具63,64を有し、上側の曲げ工具63の下降動作による下曲げ(図1(C))と、下側の曲げ工具64の上昇動作による上曲げ(図1(D))とが可能なものとされている。これら上下の曲げ工具63,64について、それぞれデプス量hの指令値まで昇降移動させて板材Wをデプス量hに対応した曲げ角度に曲げる加工が可能とされる。上下の曲げ工具63,64は、それぞれ上下のクランプ型61,62と共に上下の組立工具46,47を構成する。クランプ型61,62は、互いに板材Wを挟むための型である。
【0009】
上側の組立工具46はその全体が工具支持体42(図12)に昇降自在に設置され、かつ曲げ工具63がクランプ型61に対して昇降自在とされていて、上側曲げ工具用の駆動源77により組立工具46の全体が昇降駆動される。図1(C)のように、組立工具46が下降してクランプ型61が下側のクランプ型62を押し付けた後は、曲げ工具63のみが下降し、これにより板材Wが、上下のクランプ型61,62で挟まれた箇所を曲げ基端として下側に曲げられる。このとき、曲げ工具63が板材Wの工具当たり側の面である上面よりも下方に進入する深さによって板材Wの曲げ片Waの曲げ角度θが変わる。この進入深さが上記デプス量hである。
【0010】
下側の組立工具47は、下側の工具支持体43に高さ固定に設置され、曲げ工具64が高さ固定のクランプ型62に対して昇降自在とされている。曲げ工具64は、下側曲げ工具用の駆動源78により昇降駆動される。その上昇動作により、図1(D)のように、板材Wが、上下のクランプ型61,62で挟まれた箇所を曲げ基端として上側に曲げられる。このとき、曲げ工具64が板材Wの工具当たり側の面である下面よりも上方に進入する深さによって板材Wの曲げ片Waの曲げ角度θが変わる。この進入深さが上曲げ時のデプス量hである。なお、上曲げ時には、上側の組立工具45は、クランプ型61が板材Wを下側のクランプ型62とで挟み付けるまで下降する。また、上下の組立工具46,47は、クランプ型61,62に対して曲げ工具63,64が突出するに従って、曲げ工具63,64の先端がクランプ型61,62側へ傾くように、曲げ工具63,64を支軸63a,64a(図12)で揺動自在に支持し、ガイド手段69を設けている。
【0011】
上下の組立工具46,47は、工具中心回りに回転自在なように工具支持体42,43に設置され、駆動源76により回転させられる。図1(C)のように下曲げを行うときと、同図(D)のように上曲げを行うときとで、組立工具46,47の方向を180°回転させることにより、板材Wの方向を変えることなく、下曲げした曲げ片Waをさらに上曲げすることができる。
【0012】
曲げ工具63,64は、中曲げ用、すなわち図8,図9のように板材Wの中間に明いた開口W1内に突出する板材片Wa′を曲げ加工するものであり、このような開口W1内への挿入が可能なように、図13のようにブレード63b,64bの幅Bが設計されている。ブレード63b,64bは、曲げ工具63,64における板材Wに押し付けられる部分である。曲げ工具63,64は、中曲げの他に、板材Wの周縁から突出した板材片(図示せず)の曲げ加工を行うこともできる。
【0013】
図10,図11は、板材曲げ加工機用2の全体を示す。この板材曲げ加工機2は、タレット式のパンチプレスにおいて、曲げ加工機能を付加したものである。この板材曲げ加工機2は、板材Wをテーブル上で移動させる板材送り機構52と、板材Wの孔加工および切断加工用の手段であるパンチ加工手段57と、曲げ加工手段58とを備えたものである。これら板材送り機構52、パンチ加工手段57、および曲げ加工手段58は共通のフレーム41に設置されている。
【0014】
板材送り機構52は、テーブル53上に載せられた板材Wの任意箇所を加工位置Pへ送る手段である。この板材送り機構52は、前後(Y方向)移動するキャリッジ54に、左右(X方向)移動するクロススライド55を設置し、板材Wの端部を把持するワークホルダ56をクロススライド55に取付けたものである。キャリッジ54,クロススライド55は、サーボモータ等からなる各軸の駆動源74,75により進退駆動される。
【0015】
パンチ加工手段57は、パンチ加工を行うパンチ側およびダイ側の工具44,45をそれぞれ設置した上下の工具支持体42,43と、パンチ側の工具44を駆動するためにラム48を昇降するパンチ駆動手段49と、希望の工具44,45が加工位置Pに来るように工具支持体42,43を動作させる工具割出機構(図示せず)とを備える。工具支持体42,43はタレットからなり、その円周方向に並んで設けられた各工具ステーションにパンチ側およびダイ側の工具44,45が支持される。パンチ駆動手段49は、サーボモータ等からなる駆動源77の回転駆動を、クランク機構等の回転・直線運動変換機構50を介してラム48に伝達するものである。
【0016】
曲げ加工手段58は、上記組立工具46,47(図12)と、これら組立工具46,47を支持した工具支持体42,43と、上側の組立工具46の昇降駆動を行う上記駆動源77と、下側の組立工具47における曲げ工具64の昇降駆動を行う上記駆動源78と、組立工具46,47を回転割出する駆動源(「C軸駆動源」と称す)76とを備える。組立工具46,47を支持する工具支持体42,43は、それぞれパンチおよびダイ工具44,45を支持する工具支持体であり、上記工具ステーションのうちの1か所または複数箇所に、パンチ工具44およびダイ工具45に代えて組立工具46,47がそれぞれ設置される。上側の組立工具46を昇降駆動する駆動源77は、パンチ工具44(図1,図12)を昇降駆動する駆動源で兼ねており、上記ラム48を介して組立工具46が昇降させられる。
【0017】
つぎに、制御系を説明する。図1において、制御装置3は、板材曲げ加工機2の全体を制御する装置であり、コンピュータ式の数値制御装置およびプログラマブルコントローラにより構成されている。制御装置3は、加工プログラム記憶手段5と、これに記憶された加工プログラム4を解析して実行する演算制御部15とを有している。演算制御部15は、加工プログラム4に記述された各軸の移動命令を実行して移動指令を出力する機能を有し、その移動指令により、ポジションコントローラ73を介して各軸の駆動源74〜78が駆動制御される。ポジションコントローラ73は、各軸の相互間の動作タイミング等を制御する手段である。ポジションコントローラ73を設けずに、演算制御部15により各軸の駆動源74〜78を直接に制御するものとしても良い。加工プログラム4に記述されたシーケンス制御命令は、演算制御部15から制御装置3におけるシーケンス制御部(図示せず)に転送され、このシーケンス制御部により板材曲げ加工機2のシーケンス制御等が行われる。
【0018】
上記構成の制御装置3に、この実施形態の指令変換装置1が設けられている。この実施形態では、指令変換装置1は、加工プログラム4を実行しながら、その曲げ命令Rを変換するものとされる。上記加工プログラム4は、変換元の加工プログラムとなるものであり、曲げ命令Rにおいて、板材曲げ加工機2により曲げ加工する板材Wの曲げ深さは曲げ角度θによって記述される。
【0019】
指令変換装置1は、曲げ角度対応デプス量設定手段7と、曲げ角度・デプス量変換手段6と、加工プログラム記憶手段5と、補正値登録手段10とで構成される。曲げ角度対応デプス量設定手段7は、板材曲げ加工機で行われる曲げ加工の曲げ角度θとデプス量hの関係を設定した手段である。曲げ角度・デプス量変換手段6は、加工プログラム4の曲げ角度θを、曲げ角度対応デプス量設定手段7の設定内容によってデプス量hに変換する手段である。曲げ角度・デプス量変換手段6は、例えば演算制御部15に設けられ、または演算制御部15とは別に制御装置3に設けられる。
【0020】
曲げ角度対応デプス量設定手段7は、演算式であっても良いが、ここでは複数種の曲げ角度θとその曲げ角度θに対応するデプス量とを対応して記憶した対応テーブルとされている。この曲げ角度対応デプス量設定手段7は、詳しくは複数種の曲げ角度θについて、その曲げ角度θに対応する基準のデプス量h0を対応して記憶した基準値記憶領域7aと、加工条件に応じたデプス量h0の補正値Δhを記憶する補正値記憶領域7bとを有するものとされる。補正値記憶領域7bは、各曲げ角度θ毎に複数設けられる。
曲げ角度対応デプス量設定手段7において、基準のデプス量h0および補正値Δhは、上曲げと下曲げの別にそれぞれ設定される。また、補正値Δhは、加工条件の種類毎に設定される。
【0021】
曲げ角度・デプス量変換手段6は、曲げ角度対応デプス量設定手段7の基準値記憶領域7aに記憶された基準のデプス量h0を、補正値記憶領域7bに記憶された補正値Δhで補正したデプス量を出力するものとされる。補正値Δhが複数ある場合は、基準のデプス量h0に各補正値Δhを加算した値となるデプス量が出力される。なお、この場合、補正値Δhは正負を区別した値とされる。曲げ角度・デプス量変換手段6において、加工条件は、加工プログラム4に記述された内容、または制御装置3にパラメータ等として加工プログラム4とは別に所定の記憶領域に設定された内容から認識し、その認識された加工条件に応じた補正値Δhを用いて補正する。
【0022】
なお、曲げ角度対応デプス量設定手段7は、テーブルとする場合に、一つのテーブルである必要はなく、複数のテーブルの組み合わせであっても良い。また、曲げ角度対応デプス量設定手段7において、曲げ角度θに対応する基準のデプス量h0は、例えば、後に示すように曲げ角度θと材質,板厚の組み合わせの別に設定したり、あるいは曲げ角度と材質の組み合わせの別に設定しても良い。
【0023】
曲げ角度対応デプス量設定手段7となるテーブルの具体例は、図2〜図6に示されるが、これらは加工プログラム4の構造や記述形式に対応して設定してあるため、その説明の前に、加工プログラム4の構造およびその命令の表示につき説明する。
【0024】
加工プログラム4には、図7に示すように、その先頭の属性領域等の記憶部4aに、加工条件の情報、例えば板材の材質、板厚、ロット番号等が記述され、命令として、移動命令F、曲げ命令R等が順次動作順に記述される。
曲げ命令Rは、例えば曲げ命令であることを示す命令種別コード部分Raと、曲げ角度記述部分Rbとを含むものとされる。図示の例では、括弧書き内に示すように、曲げ命令Rは、Mコードで示すものとされ、命令種別コード部分Raの内容は「M2」とされている。曲げ角度記述部分Rbは、曲げ角度値を3桁の数字で示すものとされ、曲げ角度が90°の場合は「090」と示される。したがって、曲げ角度を90°とする曲げ命令Rは、「M2090」と記述される。
曲げ命令Rには、曲げ幅の情報Rcが併記される。曲げ幅情報Rcは、曲げ命令Rの曲げ角度記述部分Rbに続くMコードとして示され、曲げ幅であることを示す「M」の文字と、この文字に続く4桁の数字とで示される。下2桁は小数点以下の桁である。「M1250」とあるのは曲げ幅が12.5mmであることを示す。曲げ角度を90°とする曲げ幅が12.5mmの曲げ命令は「M2090M1250」と記述される。なお、曲げ幅補正を行わない場合は、曲げ幅情報Rcは無くても良い。
【0025】
移動命令Fは、板材を各軸の方向に移動させる命令であり、移動命令であることを示すコード(図示の例では「MOV/」と、各軸(X,Y)の移動先の座標(クランプ座標)とが示される。移動先の座標の代わりに、現在位置から移動させる各軸の移動量で示すようにしても良い。
工具選択命令Tは、工具支持手段42,43の回転によって希望の工具を加工位置Pに割り出す命令であり、工具支持手段42,43の工具ステーション番号を所定の形式で記述することで行われる。工具ステーション番号は、工具ステーションであることを示す符号「T」の後に番号を付し、例えば「T07」のように示される。
工具回転角度割出命令Cは、加工位置Pにある工具を工具中心回りに回転させる命令であり、上記C軸の駆動源76を動作させる命令である。工具回転角度割出命令Cは、例えば「C180」のように、工具回転命令であることを示す符号「C」とそれに続く角度値(例えば「180」)とで示される。
【0026】
図2は曲げ角度対応デプス量設定手段7となる対応テーブルの具体例を示す。この曲げ角度対応デプス量設定手段7としては、基本テーブル7Aと、この基本テーブル7Aにおける各補正項目別の内容をそれぞれ示す複数の補助のテーブル7B〜7Dが設けられている。上記補助のテーブルとしては、曲げ幅補正テーブル7B、配置角度補正テーブル7C、および素材ロット補正テーブル7Dが設けられている。また、基本テーブル7Aとは別に中曲げ加工条件テーブル7Eが設けられている。
【0027】
基本テーブル7Aに、曲げ角度θに対応した基準のデプス量h0と、加工条件項目毎の補正値記憶領域7b1〜7b4が設けられている。この例の基本テーブル7Aは、詳細には曲げ角度θだけでなく、曲げ角度θ、材質、板厚の組(NO▲1▼,▲2▼…)毎に、上曲げおよび下曲げの基準のデプス量h0を設定し、かつその組(NO▲1▼,▲2▼…)毎に他の加工条件項目毎の補正値記憶領域7b1〜7b4が設けられている。したがって、曲げ角度θが同じであっても、材質または板厚が異なれば別の基準のデプス量h0が設定される。
【0028】
基本テーブル7Aにおいて、Mコードの欄は、加工プログラム4における曲げ角度θの別に定めた曲げ命令Rのコードのうち、先頭の「M」の文字を省略した文字列を示す。基本テーブル7Aにおける該当する曲げ角度θ、材質、板厚の組を示す行の検索は、Mコードと、材質と、板厚とを検索キーとして行われる。材質,板厚は、加工プログラム4における加工条件情報から得られる。
基本テーブル7Aにおいて、加工条件別の補正に対しては、板厚補正、曲げ幅補正、配置角度補正、およびロット補正の補正情報記憶領域7b1〜7b4が設けられている。板厚補正の補正情報記憶領域7b1には板厚に応じた補正値Δhが記述される。曲げ幅補正、配置角度補正、およびロット補正の補正情報記憶領域には、いずれも補正値を直接に記述する代わりに、1,2,3等の符号で示される別テーブルの照合情報が記載され、別テーブルである曲げ幅補正テーブル7B、配置角度補正テーブル7C、および素材ロット補正テーブル7Dにおいて、さらに細かく条件分けした補正値を記述可能とされている。これにより、細かく条件分けした補正の煩雑さを無くしている。
【0029】
図3に示すように、曲げ幅補正テーブル7Bには、ブレード幅と補正有効幅割合の組毎に1,2,3…等の照合情報が付され、上曲げおよび下曲げの補正値が記述される。補正有効幅割合は、ブレード63b,64b(図13)の幅Bに対する板材Wの板材片Wa′の幅bの割合である。補正有効幅割合が「50」とあるのは、50%のことである。この場合、50%は板材片Wa′にブレード63b,64bが当たらず、全幅が当たる場合に比べてデプス量h0を補正すべき値が異なるために、この補正項目が設けられている。曲げ幅補正テーブル7Bに示された補正有効幅割合は、該当欄の補正値を採用する最大の補正有効幅割合である。
【0030】
図4に示すように、配置角度補正テーブル7Cは、曲げ工具63,64の工具中心回りの割出角度である配置角度がどの範囲であるかによって補正値Δhを記述したテーブルである。機械の微妙な誤差や剛性等によって、曲げ工具63,64の割出角度が異なるとデプス量hに誤差が生じることがあるため、その誤差を無くすための補正値Δhが記述される。配置角度補正テーブル7Cは、曲げ角度θ、材質、板厚の組(NO▲1▼,▲2▼…)毎に、選択可能なように複数の配置角度補正テーブル7Cが設けられ、基本テーブル7Aの配置角度補正欄における上記1,2,3等の照合情報により、どの配置角度補正テーブル7Cを選択するかの指定がなされる。
【0031】
図5に示すように、素材ロットテーブル7Dには、素材履歴に応じて付されたロット番号に応じた補正値Δhが記述される。素材履歴としては、素材となる板材Wの製造元会社の区別や生産ロットの別があり、また素材となるロール鋼板のロール目の方向、つまり板材Wのどの方向がロール巻き方向であるか、またはロール巻き方向と直交する方向であるか等の情報である。これらの素材履歴が素材ロットテーブル7Dの素材履歴欄に記述される。同じ材質,板厚の板材Wであっても、製造元や、その生産ロット、ロール目方向等によってデプス量が若干異なることがあるため、その誤差を解消するための補正値が記述される。
【0032】
図6に示すように、中曲げ加工条件テーブル7Eは、曲げ工具63,64の種類(工具番号901,902,…によって区別される)毎に異なるデプス量補正値Δhが記述される。この補正は、曲げ工具63,64の種類によって、ブレード幅Bや、曲げ工具63,64と対向するクランプ型61,62とのクリアランスが異なるために生じる誤差を解消するための補正である。中曲げ加工条件テーブル7Eにおいて、ブレード幅とクリアランスは、制御上は記載の必要がないが、オペレータによるテーブル内容の参照等のために記述される。
【0033】
図1の補正値登録手段10は、曲げ角度対応デプス量設定手段7における各テーブル7A〜7Eの補正値記憶領域7bに対して、入力機器からオペレータによる補正値の入力、更新、削除を可能とした手段である。どの補正値記憶領域7bに対して入力するかの選択は、例えば画面に表示されたメニュー表示を選択することで可能とされる。各補正値記憶領域7bには、ユーザーにおいて、経験則等に従って適宜の補正値が入力される。
【0034】
上記構成による制御および指令変換動作を説明する。加工プログラム4に、図7に示すように移動命令F、工具選択命令T、工具回転命令C、および曲げ命令Rが記述されていたとする。
図1の演算制御部15は、図7の移動命令Fに従ってX軸およびY軸の駆動源74,75に位置指令を出力し、板材送り機構52による板材Wの位置決めを行わせる。また、工具選択指令Fにより工具保持手段42,43の回転割出駆動源(図示せず)に工具ステーション番号に対応する動作指令を出力して工具選択を行わせる。さらに、工具回転角度割出指令Cにより、その割り出された曲げ工具63,64を指定の割出角度に回転させる。これら工具選択命令Tおよび工具回転命令Cの内容は、次に工具選択命令T,工具回転角度割出命令Cがあるまで、演算制御部15における所定の記憶領域に記憶される。
【0035】
加工プログラム4の曲げ命令Rが演算制御部15で読み出されると、曲げ角度対応デプス変換手段6は、曲げ命令Rに記述された曲げ角度θから、曲げ角度対応デプス量設定手段7を照合して曲げ角度θに対応する基準のデプス量h0を抽出し、かつ加工プログラム4の加工条件の内容や現在の動作状態から、対応する補正量Δhを抽出し、基準のデプス量h0を各補正量Δhで補正した値のデプス量hを、上曲げまたは下曲げ用の駆動源77,88に出力する。この出力されたデプス量hとなるまで、曲げ工具駆動源77,88による上側曲げ工具63の下降動作、または下側曲げ工具64の上昇動作が行われ、板材Wの突片Waが曲げ加工される。演算制御部15および曲げ角度・デプス量変換手段6において、曲げ命令Rで上曲げを行わせるか、下曲げを行わせるかは、例えばこの曲げ命令Rよりも先に加工プログラム4中に記載された命令(図示せず)によって特定される。
【0036】
曲げ角度・デプス量変換手段6による基準のデプス量h0および各補正値Δhの抽出は、具体的には次のように行われる。基本テーブル7Aにおけるどの行の内容を選択するかは、曲げ命令Rにおける曲げ角度θを記述したMコードと、加工プログラム4の加工条件情報の記述部4aに記述されている材質および板厚の情報の組み合わせによって選択される。例えば、曲げ角度が90°(M2090)であって、材質がSPCC、板厚が1.2mmである場合は、図2の基本テーブル7Aにおける第1行(NO▲1▼)の各情報が選択される。したがって、上曲げの場合は、基準のデプス量は5.85mmである。
板厚補正については、基本テーブル7Aにおける選択された行の該当欄の記載された補正値Δhがそのまま用いられる。
【0037】
曲げ幅補正については、基本テーブル7Aの選択行の該当欄には、照合符号があり、曲げ幅補正テーブル7B(図3)において、上記照合符号に対応する補正値Δhが用いられる。例えば、照合符号が「1」である場合は、図3に示す曲げ幅補正テーブル7Bによると、上曲げの場合の補正値Δhは0.11mmであり、下曲げの場合の補正値Δhは0.15mmである。この補正値Δhは、補正有効幅割合の欄に示された範囲内の場合にのみ採用され、示された有効幅割合を超える場合は曲げ幅補正テーブル7Bに記述の補正値Δhによる補正を行わない。この有効幅割合内であるか否かの判定のために、曲げ角度・デプス量変換手段6は、次の演算を行う。曲げ幅は、曲げ命令Rにおける有効幅情報Rcから得られ、ブレード幅は工具選択命令Tにおけるステーション番号を工具マスタテーブル(図示せず)と照合することなどで得られる。いま、曲げ幅情報Rcが図7のように「M1250」であると、曲げ幅が12.5mmであり、ブレード幅が曲げ幅補正テーブル7BのNo1の行に該当していて30mmであるとすると、有効幅割合は12.5/30=41.7であって、同行の最大の有効幅割合の50%以内である。したがって、この曲げ幅補正テーブル7Bの補正値Δhを用いることになる。もし曲げ幅が18.0mmであるとすると、補正有効幅割合は60%であって、50%を超えるため、このテーブルの補正値Δhによる補正は行わない。なお、補正有効幅割合が50%を超える場合、例えば100%等である場合に対しては、別の補正値を曲げ幅補正テーブル7B等に準備しておいて、その補正値を用いるようにしても良い。
配置角度補正については、基本テーブル7Aの選択行の該当欄には、照合符号があり、その照合符号に対応する配置角度補正テーブル7C(図4)が選択される。この選択された配置角度補正テーブル7Cにおける、配置角度に対応する補正値Δhが用いられる。配置角度は、先に工具回転角度割出指令C(図7)が読み出されたときに所定の記憶領域に記憶された値である。例えば、No.1の配置角度補正テーブル7Cが選択された場合に、割出角度が90°であれば、配置角度補正テーブル7Cにおける67≦θ≦112の範囲に該当するため、該当する補正値Δhは、上曲げの場合では−0.1mm、下曲げでは−0.15mmである。ロット補正については、基本テーブル7Aの選択行の該当欄には、照合符号があり、素材ロット補正テーブル7D(図5)において、上記照合符号に対応する補正値Δhが用いられる。例えば、照合符号が「1」である場合は、素材ロット補正テーブル7Dによると、上曲げの場合の補正値Δhは0.25mmであり、下曲げの場合の補正値Δhは0.20mmである。
【0038】
この他に、曲げ角度・デプス量変換手段6は、中曲げ加工条件テーブル7E(図6)を用いて、曲げ工具63,64の種類による補正を行う。この中曲げ加工条件テーブル7Eによると、工具番号がNO901の曲げ工具63,64の場合、上曲げのデプス量補正値Δhは0.25mmであり、下曲げのデプス量補正値Δhは0.25である。
【0039】
このように選択された各補正値Δhは、基準のデプス量h0に加算され、例えば、基準のデプス量h0が5.85、板厚補正値Δhが−0.05、曲げ幅補正値Δhが0.11、配置角度補正値Δhが0.25、ロット補正値Δhが0.25、中曲げ加工条件補正値Δhが0.25であるとすると、補正後にデプス量hは、
h=5.85+(−0.05)+0.11+0.25+0.25+0.25
=6.66
となる。
なお、各テーブル7A〜7Eにおいて、補正値記憶領域に補正値Δhが記入されていない場合は、曲げ角度・デプス量変換手段6は、補正値Δhが0であるとして処理する。
【0040】
この指令変換装置1によると、加工プログラム4に記述された曲げ角度θが、曲げ角度・デプス量変換手段6によって、曲げ角度対応デプス量設定手段7の設定内容に従い、デプス量hに変換される。そのため、加工プログラム4が、目標となる曲げ角度θで記述されたものとできて、機種に特有の値とならず、加工プログラム4が汎用性の高いものとなる。また、加工プログラム4の作成時や修正時に、曲げ角度θに対応するデプス量hを作成者や修正者が計算したり換算したりする必要がなく、曲げ角度の指定や変更が容易に行える。
曲げ角度対応デプス量設定手段7は、テーブルとしたため、演算式で設定する場合に比べて、煩雑な演算が不要で、デプス量hの取得が簡単に行える。また、曲げ角度対応デプス量設定手段7となるテーブル7A〜7Eに、各種加工条件毎の補正値記憶領域7bを設けたため、ユーザが経験に応じて適宜の補正値を設定しておくことで、精度の高い曲げ加工が行える。
【0041】
なお、上記実施形態では、指令変換装置1は加工プログラム4を実行しながら曲げ角度θをデプス量hに変換するものとしたが、加工プログラム4の変換を完了してからその実行を行うようにしても良い。図14はその場合の指令変換装置1Aおよび制御装置3Aを示す。
【0042】
この例では、指令変換装置1Aは自動プログラミング装置3Abに設けられ、その自動プログラミング手段12は、曲げ命令Rの曲げ深さを曲げ角度θで記述した加工プログラム4を生成する。生成した加工プログラム4は変換元用の加工プログラム記憶手段5Aに記憶される。指令変換装置1Aの曲げ角度・デプス量変換手段6Aは、この加工プログラム4について、各曲げ命令Rにつき、曲げ角度対応デプス量設定手段7の設定内容によってデプス量hに変換する。変換された加工プログラム4Aは、機械制御部3Aaにおける変換先用の加工プログラム記憶手段5Bに記憶される。この変換された加工プログラム4Aが、機械制御部3Aaにおける演算制御部15で実行され、板材曲げ加工機2の制御を行う。
【0043】
上記曲げ角度・デプス量変換手段6Aは、加工プログラム4の非実行時に加工プログラム4の中の各曲げ命令Rについて曲げ角度θとデプス量hとの変換を行うことを除いては、第1の実施形態における曲げ角度・デプス量変換手段6Aと同じ構成である。曲げ角度対応デプス量設定手段7は、第1の実施形態における曲げ角度対応デプス量設定手段7と同じ構成であり、補正値登録手段10によって各補正値記憶領域に補正値Δhの入力,更新,削除が行える。
この例の制御装置3Aは、数値制御装置およびプログラマブルコントローラで構成される機械制御部3Aaと、自動プログラミング装置3Abとで構成されている。機械制御部3Aaと自動プログラミング装置3Abとは、同じ筐体に設けられていても良く、また離れて設置されてネットワークで結合されていても良い。
【0044】
なお、指令変換装置1Aは、機械制御部3Aaおよび自動プログラミング装置3Abのいずれからも独立したコンピュータに設けられたものであっても良い。
【0045】
【発明の効果】
この発明の板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置は、板材曲げ加工機により曲げる板材の曲げ角度を記述した加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、上記板材曲げ加工機で行われる曲げ加工の曲げ角度とデプス量の関係を設定した曲げ角度対応デプス量設定手段と、上記加工プログラムの曲げ角度を、上記曲げ角度対応デプス量設定手段によってデプス量に変換する曲げ角度・デプス量変換手段とを備えたものであるため、加工プログラムの汎用性を向上させることができ、かつ加工プログラムの作成や修正時に、曲げ角度の指定や変更が容易に行える。
上記曲げ角度対応デプス量設定手段、複数種の曲げ角度とその曲げ角度に対応するデプス量とを対応して記憶したテーブルであるため、煩雑な演算が不要でデプス量の取得が簡単に行える。
上記テーブルからなる曲げ角度対応デプス量設定手段が、複数種の曲げ角度とその曲げ角度に対応する基準のデプス量とを対応して記憶した基準値記憶領域と、加工条件に応じたデプス量の補正値を記憶する補正値記憶領域とを有するものであり、上記曲げ角度・デプス量変換手段を、上記基準値記憶領域に記憶された基準のデプス量を上記補正値記憶領域に記憶された補正値で補正したデプス量を出力するものとしたため、加工プログラムに汎用性を持たせたままで、加工条件に応じた適切なデプス量が得られ、加工精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる指令変換装置を備えた板材曲げ加工機用制御装置のブロック図、および板材曲げ加工機の要部の動作説明図である。
【図2】曲げ角度対応デプス量設定手段を構成するテーブルの説明図である。
【図3】その曲げ幅補正テーブルの説明図である。
【図4】配置角度補正テーブルの説明図である。
【図5】素材ロット補正テーブルの説明図である。
【図6】中曲げ加工条件テーブルの説明図である。
【図7】加工プログラムの構成説明図である。
【図8】素材となる板材と曲げ加工を行う板材片の関係を示す平面図である。
【図9】(A)は板材と曲げられた突片の関係を示す破断正面図、(B)はその斜視図、(C)は板材と他の板材片の関係を示す斜視図である。
【図10】板材曲げ加工機の平面図である。
【図11】同板材曲げ加工機の側面図である。
【図12】同板材曲げ加工機における曲げ工具の周辺部の破断正面図である。
【図13】同板材曲げ加工機の曲げ工具の斜視図である。
【図14】この発明の他の実施形態にかかる指令変換装置、およびこの指令変換装置を含む制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1,1A…指令変換装置
2…板材曲げ加工機
3A…制御装置
3Aa…機械制御部
3Ab…自動プログラミング装置
4,4A…加工プログラム
5,5A,5B…加工プログラム記憶手段
6,6A…曲げ角度・デプス量変換手段
7…曲げ角度対応デプス量設定手段
7A…基本テーブル
7a…基準値記憶領域
7b…補正値記憶領域
7b1〜7b4…補正情報記憶領域
10…補正値登録手段
46,47…組立工具
61,62…クランプ型
63,64…曲げ工具
74〜78…駆動源
B…幅
b…幅
h…デプス量
h0…基準のデプス量
Δh…補正値
P…加工位置
R…曲げ命令
W…板材
Wa′…板材片
Wa…曲げ片
θ…曲げ角度

Claims (3)

  1. 曲げ工具をデプス量移動させて板材を曲げる板材曲げ加工機を制御する板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置であって、上記板材曲げ加工機により曲げる板材の曲げ角度を記述した加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、上記板材曲げ加工機で行われる曲げ加工の曲げ角度とデプス量の関係を設定した曲げ角度対応デプス量設定手段と、上記加工プログラムの曲げ角度を、上記曲げ角度対応デプス量設定手段によってデプス量に変換する曲げ角度・デプス量変換手段とを備え、上記曲げ角度対応デプス量設定手段が、複数種の曲げ角度とその曲げ角度に対応するデプス量とを対応して記憶したテーブルからなり、上記テーブルからなる曲げ角度対応デプス量設定手段は、複数種の曲げ角度とその曲げ角度に対応する基準のデプス量とを対応して記憶した基準値記憶領域と、加工条件に応じたデプス量の補正値を記憶する補正値記憶領域とを有するものであり、上記曲げ角度・デプス量変換手段は、上記基準値記憶領域に記憶された基準のデプス量を上記補正値記憶領域に記憶された補正値で補正したデプス量を出力するものとし上記板材曲げ加工機は、板材を移動させる板材送り機構と、板材の孔加工用の手段であるパンチ加工手段と、曲げ加工手段とを備えたパンチプレスであり、上記曲げ加工手段は、板材に突出形成された板材片を曲げ加工するものであって、互いに板材を挟む上下のクランプ型、および上記板材の上記クランプ型で挟まれた箇所を曲げ基端として折り曲げる曲げ工具と、上記曲げ工具を上記クランプ型と共に回転割出する駆動源と、上記曲げ工具の昇降駆動を行う駆動源とを有し、上記テーブルからなる曲げ角度対応デプス量設定手段は、上記デプス量の補正値を記憶する補正値記憶領域に、上記曲げ工具の工具中心回りの割出角度の範囲を区分した各区分毎に上記デプス量の補正値を記憶したものであり、上記曲げ角度・デプス量変換手段は、上記曲げ工具の割出角度に対応する補正値記憶領域の補正値を用いて補正するものとし、上記曲げ角度対応デプス量設定手段の上記補正値記憶領域に対して、入力機器から補正値の入力,更新,削除を可能とした補正値登録手段を設けた板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置。
  2. 上記曲げ加工手段は、上記曲げ工具として、互いに上下に位置してそれぞれ板材を下側へ折り曲げる上側の曲げ工具と、板材を上側へ折り曲げる下側の曲げ工具とを有し、上記上側のクランプ型と上側の曲げ工具とで上側の組立工具を構成し、上記下側のクランプ型と下側の曲げ工具とで下側の組立工具を構成し、上記曲げ工具の昇降駆動を行う駆動源として、上側の曲げ工具の昇降駆動を行う駆動源と下側の曲げ工具の昇降駆動を行う駆動源とを有し、上記曲げ角度対応デプス量設定手段の上記基準値記憶領域は、上記基準のデプス量として、上側へ折り曲げる場合の基準のデプス量と下側へ折り曲げる場合の基準のデプス量とを記憶し、上記補正値記憶領域は、上記デプス量の補正値として、上側へ折り曲げる場合の補正値と下側へ折り曲げる場合の補正値とを記憶したものであり、上記曲げ角度・デプス量変換手段は、上側へ折り曲げる場合は、曲げ角度対応デプス量設定手段の上側へ折り曲げる場合の基準のデプス量および補正値を用い、下側へ折り曲げる場合は、下側へ折り曲げる場合の基準のデプス量および補正値を用いる請求項1記載の板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置。
  3. 上記補正値登録手段に補正値を入力する上記入力機器は、オペレータが上記補正値の入力を可能なものである請求項1または請求項2記載の板材曲げ加工機用制御装置の指令変換装置。
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