JP2007185691A - 板材接合方法および板材複合部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 2枚の金属製板材のうちの一方の板材である第1板材1の端部をこの第1板材の基部1aに対して鋭角に曲げて曲げ片1bを形成するステップと、2枚の金属製板材のうちのもう一方の板材である第2板材2の端部を曲げて、該端部がこの第2板材2の基部2aに対して、第1板材1の曲げ片1bと基部1aとの最大距離よりも短い開き口1dが空くように曲げ片1bを形成するステップと、前記開き口1dから第2板材2の曲げ片2bとこれに対向する基部2aとの間に第1板材1の曲げ片1bおよびこれに対向する基部1bを進入させて、第1板材1の曲げ片1bを更に鋭角に曲げ、この第1板材1の曲げ片1bのスプリングバックを利用して第1および第2板材1,2を接合するステップとを有する。
【選択図】 図6
Description
この発明の他の目的は、接合作業が容易で、より一層強固な接合強度が得られる板材接合方法とすることである。
この発明のさらに他の目的は、上記板材接合方法のために、板材の曲げ加工を効率良く行える板材曲げ方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、2枚の金属製板材間に位置ずれが生じず、接合強度が強固な板材複合部品を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、上記板材曲げ方法を効果的に行うことのできる板材曲げ装置を提供することである。
第2板材の曲げ片とこれに対向する基部との間に第1板材の曲げ片およびこれに対向する基部を進入させることにより、第1板材の曲げ片が更に深く曲げられ、第1板材の曲げ片にスプリングバックが生じる。このスプリングバックにより、第1板材の曲げ片が第2の板材の曲げ片に押し付けられるとともに、第1板材の基部が第2の板材の基部に押し付けられて、両板材が摩擦力により強固に接合される。接合部全域に摩擦力が作用するため、従来の溶接や締結によらない接合方法のように接合部の一部に荷重が集中することがなく、接合部の破損が生じにくい。また、第1板材および第2板材が接合部全体で接合しているため、両板材の位置ずれが生じにくい。
第1板材の曲げ片における曲げ線から曲げ線と曲げ片の先端との中間部までの部位を、第1板材の基部に接近するように押し潰す加工をしておけば、第1板材の曲げ線近傍部分の厚みが薄くなるため、開き口から第2板材の曲げ片とこれに対向する基部との間に第1板材の曲げ片およびこれに対向する基部を進入させる作業を行いやすい。また、第1板材の曲げ片の押し潰し加工されてない部分と第1板材の基部との角度が、上記加工を行わない場合に比べて大きくなるため、前記スプリングバックの効果が得やすい。
この第1板材に曲げ片を形成するステップによれば、第1板材の曲げ片の曲げ片を容易に成形することができる。
この板材曲げ装置によれば、上記第1板材に曲げ片を形成する加工をはじめとする板材の曲げ加工を効果的に行うことができる。
図9に示すように、板材曲げ装置10は、加工機本体11と、加工機本体11を制御する制御装置12とでなる。加工機本体11は、板材端を把持して板材Wを板材平面方向に移動させ、所定位置に位置決めする板材送り機構13と、曲げ加工機構14とを備える。曲げ加工機構14は、位置決めされた板材Wの中にあり周囲が孔となって片持ち状に延びる板材片を、板材片の幅よりも狭い幅の曲げ工具41,42を用いて上方または下方に曲げるものである。曲げ加工機構14は、上方または下方のいずれか片方の曲げ加工が可能なものであれば良いが、この実施形態では上方および下方の任意の方向に曲げ加工が可能なものとしてある。制御装置12は、加工機本体11の板材送り機構13および曲げ加工機構14の制御が可能なものであり、この制御装置12には、板材送り機構13および曲げ加工機構14に所定の曲げ工程の動作を行わせるプログラム12aが格納されている。
図8、図9は加工機本体11の全体を示す。この加工機本体11は、タレット式のパンチプレスにおいて、曲げ加工機能を付加したものであり、曲げ加工機構14の他にパンチ加工機構15を有している。上記板材送り機構13および各加工機構14,15は、共通のフレーム16に設置されている。板材送り機構13は、テーブル21に載せられた板材Wの任意箇所を加工位置Pへ送る手段である。この板材送り機構13は、前後(Y方向)移動するキャリッジ22に、左右(X方向)移動するクロススライド23を設置し、板材Wの端部を把持するワークホルダ24をクロススライド23に取り付けたものである。キャリッジ22およびクロススライド23は、サーボモータ等からなる各軸の駆動源26,27により進退駆動される。
上曲げに際しては、下曲げと同じく、上側の曲げ工具41の全体が駆動源37により下降させられ、上型51が板材Wを下型52に挟み付けるが、この後は、上側の曲げ工具41の下降を止め、下側の曲げ工具42における曲げ型54を駆動源45により上昇させる。この上昇動作により、図12(C)のように板材Wが上側に曲げられる。
上下の曲げ工具41,42は、上記のように工具中心回りに回転自在に設置されており、図12(B)のように下曲げを行うときと、同図(C)のように上曲げを行うときとで、曲げ工具41,42の割出角度を180°回転させることにより、下曲げした突片Waをさらに上曲げするZ字状等の2段の曲げ加工が行える。
(A)第1段階では、上型51と下型52とで板材1(2)の基部1a(2a)および突片1b(2b)の基部近傍部分を挟持して固定した状態で、上型51および下型52から突出する部分を曲げ型54で上方へ押し上げることにより、突片1b(2b)を基部1a(2a)に対して鈍角に折り曲げて曲げ片とする。
(B)第2段階では、上型51を上昇させて板材1(2)の若干の送りの後に上型51を再度下降させて、上型51および下型52による板材1(2)の固定箇所を板材の端縁から離れる側に若干ずらして、曲げ片1b(2b)全体を上型51および下型52から突出させる。その状態で、曲げ片1b(2b)における上型51および下型52の近傍部分を曲げ型54で上方へ押し上げることにより、曲げ片1b(2b)を基部1a(2a)に対して鋭角にする。ここまでは、第1板材1および第2板材2に対して同様の加工を行う。
(C)第1板材1に対する第3段階では、上型51を第1板材1の上方から下降させて、基部1aに対して鋭角になった曲げ片1bにおける曲げ線から曲げ線と曲げ片1aの先端との中間部までの部位1dを上から押し潰す。これにより、上記部位1dが基部1aと近接し、曲げ片1bの上記部位1d以外の部分が基部1aに対して斜めに立ち上がる形状となる。
(D)第2板材2に対する第3段階では、上型51を第2板材2の上方から下降させて、曲げ片2bとそれに対向する基部2aとで略U字状をなすように、曲げ片2bを押し曲げる。その際、上型11の下降位置を調整して、第1板材1の曲げ片1bと基部1aとの最大距離よりも短い開き口2dが空くようにする。
1a…基部
1b…曲げ片
2…第2板材
2a…基部
2b…曲げ片
2d…開き口
10…板材曲げ装置
11…加工機本体
12…制御装置
13…送り機構
14…曲げ加工機構
15…パンチ加工機構
41…曲げ工具
42…曲げ工具
51…上型(クランプ型)
52…下型(クランプ型)
53…曲げ型
54…曲げ型
Claims (5)
- 2枚の金属製板材を互いに接合する板材接合方法であって、2枚の金属製板材のうちの一方の板材である第1板材の端部をこの第1板材の基部に対して鋭角に曲げて曲げ片を形成するステップと、2枚の金属製板材のうちのもう一方の板材である第2板材の端部を曲げて、該端部がこの第2板材の基部に対して、第1板材の曲げ片と基部との最大距離よりも短い開き口が空くように曲げ片を形成するステップと、前記開き口から第2板材の曲げ片とこれに対向する基部との間に第1板材の曲げ片およびこれに対向する基部を進入させて、第1板材の曲げ片を更に深くに曲げ、この第1板材の曲げ片のスプリングバックを利用して第1および第2板材を接合するステップとを有する板材接合方法。
- 第1および第2板材を接合するステップの前に、前記第1板材の曲げ片における曲げ線から曲げ線と曲げ片の先端との中間部までの部位を、第1板材の基部に接近するように押し潰すステップを有する請求項1記載の板材接合方法。
- 前記第1板材に曲げ片を形成するステップとして、第1板材の端縁から所定距離だけ離れた箇所を上型および下型で挟んで固定した状態で、この第1板材の上型および下型から突出する部分を、曲げ型により上方に第1板材の基部に対して鈍角に折り曲げて曲げ片とするステップと、前記上型および下型による板材の固定箇所を板材の端縁から離れる側に若干ずらし、これによって新たに上型および下型から突出する板材の箇所を曲げ型により上方に押し上げて、前記曲げ片が第1板材の基部に対して鋭角になるようにするステップと、この第1板材の基部に対して鋭角になった曲げ片の基部付近を上型により下向きに押し潰すステップとを有する請求項1記載の板材接合方法。
- 2枚の金属製板材が互いに接合された板材複合部品であって、2枚の金属製板材のうちの一方の板材である第1板材は、この第1板材の端部を同板材の基部に対して鋭角に曲げてなる曲げ片を有し、2枚の金属製板材のうちのもう一方の板材である第2板材は、この第2板材の端部を同板材の基部に対して、自然状態では第1板材の端部と基部との距離よりも短い開き口が空くように曲げてなる曲げ片を有し、第2板材の曲げ片とこれに対向する基部との間に第1板材の曲げ片およびこれに対向する基部が介在し、第1板材の曲げ片のスプリングバックを利用して第1および第2板材が接合された板材複合部品。
- 板材を水平に進退させる板材送り手段と、板材を下から支持する下型と、この下型の上方に位置し昇降可能な上型と、前記下型および上型により挟まれて固定された板材の下型および上型から突出する部分を上方に折り曲げる曲げ型とを備え、
さらに、板材の端縁から所定距離だけ離れた箇所を上型および下型で挟んで固定した状態で、この板材の上型および下型から突出する部分を、曲げ型により上方に板材の基部に対して鈍角に折り曲げて曲げ片とする動作と、前記上型および下型による板材の固定箇所を板材の端縁から離れる側に若干ずらし、これによって新たに上型および下型から突出するようになる板材の箇所を曲げ型により上方に押し上げて、前記曲げ片が板材の基部に対して鋭角になるようにする動作と、この板材の基部に対して鋭角になった曲げ片の基部付近を上型により下向きに押し潰す動作とを行わせる制御装置を有する板材曲げ装置。
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