JP4193645B2 - パンチプレス用加工情報表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、曲げ加工機能を有するパンチプレスのNCデータのプログラム作成過程やその作成されたNCデータの検証過程等で、工具割付結果等を表示するパンチプレス用加工情報表示装置に関する。
従来、工具割付けを行った場合、表示装置の画面上に割付け結果を表示して確認している。また、成形加工を行う場合、工具の押え部(ストリッパ径)を表示することで、先に加工された成形部分に、後で行う成形加工のストリッパが干渉するか否かを確認していた。干渉の自動判別を行い、加工順を変更するものも提案されている(特許文献1)。
また、パンチプレスにおいて、本出願人は、成形加工の外に、曲げ加工を可能としたものを先に提案した(特願2002−306232号)。このような曲げ機能を有するパンチプレスでは、素材から舌片状に突出した板材片を単にL字状に曲げるだけでなく、2段に曲げてZ字状やコ字状に曲げ加工することができる。また、曲げ加工部分の高さも自由に変えることができる。
特許第3405176号公報
上記のような曲げ加工の機能を持つパンチプレスでは、パンチ位置から曲げ加工部分が大きく外れることがあり、割付け結果の図とストリッパ径の表示だけは干渉判別が行えない。そこで、本出願人は、曲げ加工の加工結果を画面上に示すことを考えた。加工結果とストリッパ径とを合わせて表示すると、曲げ加工の場合にも干渉判別が可能になる。しかし、曲げ加工結果と工具割付結果とが合わさった画面であると、画面が見難いという問題がある。工具割付結果の図も、工具干渉チェックのために必要である。
この発明の目的は、曲げ加工結果および工具割付結果を見やすく表示できるパンチプレス用加工情報表示装置を提供することである。
この発明の他の目的は、画面表示装置の表示領域を有効に利用できるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、曲げ加工の干渉チェックのための画面切換の手間を簡単にすることである。
この発明のパンチプレス用加工情報表示装置は、板材(W)の所定部分にある孔(9)により形成される板材片(Wa)に、曲げ工具(46,47)を用いて曲げ加工を施すパンチプレス(2)に適用されるパンチプレス用加工情報表示装置(1)であって、板材片(Wa)に曲げ工具(46,47)の工具データを割り付ける工具割付手段(8)と、割り付けられた工具データと前記板材片(Wa)の寸法情報および曲げ角度情報とに基づき板材片(Wa)の曲げ加工結果の情報(F4)を作成する曲げ加工結果情報作成手段(3)と、工具割付結果と曲げ加工結果とを画面表示装置(6)の画面に個別に表示する個別表示手段(5)とを備えたものである。
この構成によると、曲げ加工結果情報作成手段(3)を設けることで、板材片(Wa)の曲げ加工結果の情報(F4)を作成し、個別表示手段(5)により画面表示装置(6)に表示させるようにしたため、工具形状から定まらない曲げ加工結果を見て工具の干渉チェックを行うことができる。工具割付結果も画面表示装置(6)に表示させるので、工具割付結果からの干渉チェックも行える。また工具割付結果と曲げ加工結果とは個別に表示できるようにしため、各結果の確認が行い易い。
前記個別表示手段(5)は、曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示するものとしても良い。この場合に、板材全体における曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示するものとしても良い。
切り換え表示とすることで、並列表示に比べて画面表示装置(6)の表示領域を有効に利用して大きく見易く表示できる。特に、板材全体について切り換え表示する場合は、板材の全体を見ることができる。この場合に、細かくなる各部の曲げ加工結果や工具割付結果を、切り換え表示によって画面の表示領域を有効に利用し、大きく見やすく表示することができる。
また、前記個別表示手段(5)は、押え部表示起動手段(10)の指令によって工具の押え部形状を前記画面表示装置(6)の画面に表示可能としても良い。その場合に、前記個別表示手段(5)は、上記押え部表示起動手段(10)の指令によって上記押え部形状を表示させるときに、工具割付結果から曲げ加工結果に表示を切り換えるものとしても良い。
工具の押え部形状を表示する場合は、干渉チェックを行うときであり、曲げ加工結果と比較して干渉チェックを行うことになる。そのため、押え部表示起動手段(10)の指令によって工具割付結果から曲げ加工結果に表示を切り換えさせることにより、オペレータの操作が1回で済み、操作性に優れる。
この発明のパンチプレス用加工情報表示装置は、板材の所定部分にある孔により形成される板材片に、曲げ工具を用いて曲げ加工を施すパンチプレスに適用されるパンチプレス用加工情報表示装置であって、板材片に曲げ工具の工具データを割り付ける工具割付手段と、割り付けられた工具データと前記板材片の寸法情報および曲げ角度情報とに基づき板材片の曲げ加工結果の情報を作成する曲げ加工結果情報作成手段と、工具割付結果と曲げ加工結果と画面表示装置の画面に個別に表示する個別表示手段とを備えたものであるため、曲げ加工結果および工具割付結果を見やすく表示することができる。
前記個別表示手段が、曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示するものである場合は、画面表示装置の表示領域を有効に利用することができる。
前記個別表示手段が、押え部表示起動手段の指令によって工具の押え部形状を前記画面表示装置の画面に表示可能であり、上記押え部表示起動手段の指令によって上記押え部形状を表示させるときに、工具割付結果から曲げ加工結果に表示を切り換えるものとした場合は、曲げ加工の干渉チェックのための画面切換の手間を簡単になる。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。このパンチプレス用加工情報表示装置1は、曲げ加工の機能を備えたパンチプレスのNCデータのプログラング過程や、作成されたNCデータの検証,修正過程等で、曲げ加工された部分が他の成形加工や曲げ加工等によって工具で潰される影響を事前に検出する場合に用いられる。
まず、このパンチプレス用加工情報表示装置1の対象とするパンチプレスの一例を、図8〜図12と共に説明する。図6に示すように、このパンチプレス2は、タレット式等のパンチプレスに曲げ加工機能、および成形加工機能を付加したものであり、板材送り機構52、およびパンチ加工機構58の他に、曲げ加工機構60、および成形加工機構70を有している。板材送り機構52および各加工機構58,60,70は、共通のフレーム41に設置されている。
板材送り機構52は、テーブル53上に載せられた板材Wの任意箇所を加工位置Pへ送る手段である。この板材送り機構52は、前後(Y方向)移動するキャリッジ54に、左右(X方向)移動するクロススライド55を設置し、板材Wの端部を把持するワークホルダ56をクロススライド55に取付けたものである。キャリッジ54,クロススライド55は、サーボモータ等からなる各軸の駆動源により進退駆動される。
パンチ加工機構58は、図7に示すように、パンチ加工を行うパンチ側およびダイ側の工具44,45をそれぞれ設置した上下の工具支持体42,43と、パンチ側の工具44を駆動するためにラム48を昇降するパンチ駆動手段49と、希望の工具44,45が加工位置Pに来るように工具支持体42,43を動作させる工具割出機構(図示せず)とを備える。工具支持体42,43はタレットからなり、その円周方向に並んで設けられた各工具ステーションにパンチ側およびダイ側の工具44,45が支持される。パンチ駆動手段49は、サーボモータ等からなる駆動源77の回転駆動を、クランク機構等の回転・直線運動変換機構50を介してラム48に伝達するものである。
成形加工機構70は、上記工具支持体42,43のいずれか一つまたは複数の工具ステーションに設置された上下の対向する成形用工具71,72と、その上側の成形用工具71を昇降駆動する工具昇降機構とで構成される。この工具昇降機構は、上記パンチ駆動手段49により兼用される。図10に示すように、上側の成形用工具71は凹型となるものであって、下面に成形用凹部71aを有する。上側の成形用工具71の下面における成形用凹部71aの周囲の部分は、板材脱型用のストリッパ面71bとされる。下側の成形用工具72は凸型となるものであって、上記成形用凹部71a内に嵌まる成形用突部72aを有している。したがって、上下の成形用工具71,72は、図12に示すように、板材Wの形成加工部分Wdが上方に突出するように成形される。成形用工具71,72による形成は、例えば、図12(A)に示すバーリング加工や、同図(B)に示すルーバ加工、あるいはエンボス加工(図示せず)等とされる。
図6における曲げ加工機構60は、板材Wに周囲の孔9によって形成されて片持ち状に延びる板材片Waを、図8に示すような上下の曲げ工具46,47を用いて上方または下方に曲げるものである。曲げ加工機構60は、上方または下方のいずれか片方の曲げ加工が可能なものであれば良いが、この実施形態では上方および下方の任意の方向に曲げ加工が可能なものとしてある。
曲げ加工機構60は、上記曲げ工具46,47と、その工具支持体42,43と、上側の曲げ工具46の昇降駆動を行う駆動源77と、下側の曲げ工具47における曲げ型64の昇降駆動を行う駆動源78と、曲げ工具46,47を工具中心回りに回転割出する駆動源(「C軸駆動源」と称す)76とを備える。工具支持体42,43は、上記タレットであり、上記工具ステーションのうちの1か所または複数箇所に、パンチ工具44およびダイ工具45(図6,図7)に代えて曲げ工具46,47がそれぞれ設置される。上側の曲げ工具46を昇降駆動する駆動源77は、パンチ工具44を昇降駆動する駆動源で兼ねており、上記ラム48を介して曲げ工具46が昇降させられる。
図8に示すように、上下の曲げ工具46,47は、それぞれ工具本体46a,47aに固定されたクランプ型61,62と、これらクランプ型61,62に沿って昇降自在に設置された曲げ型63,64とを有する。
曲げ加工機構60による下曲げに際しては、図9(A)のように上方に待機していた上側の曲げ工具46の全体が駆動源77(図8)により下降させられる。クランプ型61が板材Wを下側のクランプ型62とで挟み付けた後は、曲げ工具46の曲げ型63のみが下降する。これにより板材Wが下側に曲げられる(図9(B))。曲げ型63の下降量(すなわちデプス量)の調整によって、任意の曲げ角度θとすることができる。
上曲げに際しては、下曲げと同じく、上側の曲げ工具46の全体が駆動源77により下降させられ、クランプ型61が板材Wを下側のクランプ型62に挟み付けるが、この後は、上側の曲げ工具46の下降を止め、下側の曲げ工具47における曲げ型64を駆動源78により上昇させる。この上昇動作により、図9(C)のように板材Wが上側に曲げられる。この場合も、曲げ型64の上昇量の調整によって任意の曲げ角度θとすることができる。
上下の曲げ工具46,47は、上記のように工具中心の回りに回転自在に設置されており、図9(B)のように下曲げを行うときと、同図(C)のように上曲げを行うときとで、曲げ工具46,47の割出角度を180°回転させることにより、下曲げした板材片Waをさらに上曲げするZ字状等の2段の曲げ加工が行える。
図11(C)はZ字状の2段の曲げ加工の一例を示す。同図(B)は板材片Waをコ字状に加工した例であり、同じ方向の曲げ加工を2段に行うことで得られる。同図(A)は板材片Waを単に一度曲げるL字曲げの例である。
つぎに、このパンチプレス用加工情報表示装置1につき、図1と共に説明する。この加工情報表示装置1は、パンチプレス2を制御するNCデータを作成する自動プログラミング装置の一部として設けられ、コンピュータおよびそのコンピュータを動作させるプログラム,データ等により構成される。この加工情報表示装置1は、次の工具割付手段8と、曲げ加工結果情報作成手段3と、個別表示手段5と、工具登録手段7と、表示切換操作手段7と、押え部表示起動手段10とを備える。また、この加工情報表示装置1は、干渉チェック手段4を有している。
工具割付手段8は、板材片Waに曲げ工具46,47(図8)の工具データを割り付ける手段である。工具割付手段8は、曲げ工具46,47の他の工具44,45,71,72についても、工具データの割り付けが可能なものとされている。すなわち、工具割付手段8は、板材Wに対する加工形状データF1に工具データを割り付けた工具割付データF2を作成する手段である。
曲げ加工結果情報作成手段3は、板材片Waの寸法情報と曲げ角度情報に基づき、板材片Waの曲げ加工結果の情報F4を作成する手段である。この曲げ加工結果情報作成手段3は、工具割付手段8により工具データを割り付けた際に選択された曲げ角度情報に基づき、曲げ加工結果の情報F4を作成するものとしてある。
工具登録手段7は、パンチ加工用の各工具44,45、成形加工用の各工具71,72、および曲げ加工用の各工具46,47について、工具番号に対応して種類,形状,寸法等を登録した手段であり、いわば工具マスタファイルである。工具登録手段7は、上記各登録事項の他に、工具割付時に必要な情報や、干渉チェックに必要な情報、および画面表示に必要な情報等が登録される。
個別表示手段5は、工具割付結果と曲げ加工結果とを画面表示装置6の画面に個別に表示する手段である。画面表示装置6は、液晶表示装置やCRT等の画面で表示を行う装置である。個別表示手段5は、曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示するものとしてある。図1(B)は画面表示装置6の画面に工具割付結果を表示した状態を示し、同図(C)は工具割付結果を表示した状態を示す。また、個別表示手段5は、工具割付結果と曲げ加工結果の各々について、板材全体の表示と部分拡大表示とが可能なものとされる。
個別表示手段5は、この他に、押え部表示起動手段10の指令によって、工具の押え部形状を画面表示装置6の画面に表示可能なものとされている。押え部表示起動手段10は、オペレータの入力装置(図示せず)からの所定の操作入力を個別表示手段5に伝える手段である。
表示切換操作手段11は、オペレータの入力装置からの所定の操作入力によって、個別表示手段5に曲げ加工結果と工具割付結果の表示を切換させる手段である。表示切換操作手段11は、板材全体の表示と板材の任意部分の拡大表示との切換の指令を与える機能も有するものとされる。上記各入力装置は、キーボードであっても、またマウス等のポインティングデバイスであっても良い。
干渉チェック手段4は、板材片Waの曲げ加工結果と他の加工における工具とが干渉するか否かをチェックする手段である。
上記加工形状データF1は、板材Wの全体についてパンチ加工を行うとする形状を示す平面図形データであって、線分データ,連続線データ等によるベルトル形式のデータであり、CAD装置またはCAM装置により作成される。加工形状データF1には、素材となる板材Wの外周形状と、各パンチ孔の形状を含む。曲げ加工を行う部分については、加工形状データF1には、曲げ加工を行う板材片Waの輪郭となる周囲のパンチ孔9の形状のデータが設けられる。成形加工を行う部分については、加工形状データF1には、例えば加工中心の座標データが設けられ、成形加工の種類情報等が付加される。
工具割付手段8は、このような加工形状データF1に対して、設定基準に従い、工具登録手段7に登録された工具を自動選択して割付ける手段である。工具割付手段8は、自動選択の結果について、または自動選択を行うことなく、マニュアルによる割付けが可能とされている。パンチ加工の場合の工具の割付けは、加工形状データF1における孔の図形に沿って、1回のパンチ加工とする箇所は1個の工具を示し、また位置をずらせて複数回行う箇所については、そのパンチ回数分だけ工具を並べて工具形状を示したデータを生成することにより行われる。成形加工の場合も、パンチ加工の場合と同様である。
工具割付手段8により作成された工具割付データF2において、曲げ加工を行う板材片Waについては、次の板材片情報F2aと割付工具情報F2bとを有するものとされる。板材片情報F2aには、板材片Waの寸法情報、曲げ角度情報、および基準位置の位置情報が含まれる。上記寸法情報には形状情報が含まれる。割付工具情報F2bには工具番号および工具幅の情報が含まれる。
工具割付手段8において、曲げ加工における工具割付けは、例えば図4に示すように行われ、上記の板材片情報F2aおよび割付工具情報F2bが作成される。すなわち加工形状データF1を画面に表示している状態で、その板材片Waをマウスのクリック等で指定すると、工具割付手段8の機能によって図4に示す入力画面23が表れる。
この入力画面23では、指示された板材片Waについて所定の曲げ加工情報の入力を促す表示が行われる。また、この入力促し表示と共に、板材片Waを平面図で示す表示と、側面図で示す表示とが、各部の変数による寸法表示と共に示される。曲げ工具による曲げ加工としては、例えば図11と共に前述したL字形の曲げ、コ字形の曲げ、およびZ字形の曲げがある。入力画面23には、これらL形、コ字形、Z字形等の曲げ加工種類を選択する表示部31が表示される。この表示部31を選択することで、入力画面23は曲げ種類に応じた表示内容に切り替わる。
上記所定の曲げ加工情報は、平面図では現れない情報や、認識し難い情報であり、これには例えば曲げ角度の情報がある。コ字形とZ字形の曲げでは、2段に曲げられるため、板材片Waの基端における基準曲げ線aと、先側曲げ線bとがある。したがって、基準曲げ線aにおける曲げ部と先側曲げ線bにおける曲げ部とが生じる。このように板材片Waが2つ以上の曲げ部を有する場合は、曲げ角度の情報は、それぞれの曲げ部について入力する。上記所定の曲げ加工情報としては、この他に曲げ加工のオフセット寸法U,Vの情報がある。寸法Uは、板材片幅Eの方向に並行な方向の寸法であり、寸法Vは板材片幅Eの方向に垂直な方向の寸法である。
図4の入力画面23では、各部の曲げ角度A,Bと、オフセット寸法U,Vの他に、曲げ高さH、曲げ幅L、板材片幅E、および板材片突出方向F、板材片Waの基準となる位置の各軸方向の座標位置X,Y等の入力を促す表示、またはデータを確認させる表示が行われる。これらの入力の促し表示,確認用の表示としては、情報種類の文字表示と、入力された情報を示すデータ表示欄とが示され、データ表示欄は入力を行うことで、その入力値が表示される。入力画面23には、この他に、選択した工具の情報が表示される。この工具の情報としては、工具番号と工具幅とが示される。
個別表示手段5(図1)は、曲げ工具の工具割付結果の画面表示として、各板材片Waの図を、例えば図3(A)の(a) 〜(c) に示すように、曲げ種類に応じた所定のマークMによって表示させる。このマークMは、板材片Waの形状,大きさに応じた外周形状,寸法で表示される。このようにマークMによって表示することで、曲げ加工の種類が平面図で容易に確認できる。
曲げ加工結果情報作成手段3(図1)は、上記のように作成された板材片Waの寸法情報,曲げ角度情報等を含む工具割付データF2に基づき板材片Waの曲げ加工結果の情報F4を作成する。この曲げ加工結果の情報F4は、例えば図11(A)〜(B)に示すような板材片Waの曲げ加工結果の3次元形状の図形データである。なお、曲げ加工結果の情報F4は、後の干渉チェック手段4による干渉チェックが可能なデータであれば良く、必ずしも板材片Waの曲げ加工結果の形状をそのまま示したデータでなくても良く、例えば板材片Waの曲げ加工結果の平面形状と、高さデータとでなるものであっても良い。
干渉チェック手段4は、この作成された曲げ加工結果情報F4で示される図形と、この曲げ加工以後に行われる他の加工時に工具が干渉するか否かをチェックする。
この構成のパンチプレス用加工情報表示装置1によると、曲げ加工結果情報作成手段3を設けることで、板材片Waの曲げ加工結果の情報を作成し、個別表示手段5により画面表示装置6に表示させるようにしたため、工具形状から定まらない曲げ加工結果を見て工具の干渉チェックを行うことができる。工具割付結果も画面表示装置6に表示させるので、工具割付結果からの干渉チェックも行える。また、図1(B),(C)にそれぞれ示すように、工具割付結果と曲げ加工結果とを切り換えて個別に表示できるようにしため、各結果の確認が行い易い。
工具割付結果の画面では、図2(A)に示すように、各曲げ工具の割付け結果を上記のマークM(図3)で示しているため、平面図では見分け難い曲げ加工の形式が一目でわかる。曲げ加工結果の表示画面に切り換えると、図2(B)に示すように、曲げ加工結果情報作成手段3で作成された板材片図形DWaが示される。この場合、曲げ加工の部分については、図3(A)に示すマークMの表示から、同図(B)に示す板材片図形DWaに切り変わる。
押え部表示起動手段10(図1)を起動させた場合は、図2(C)に示すように、工具の押え部形状を示す図Rが、画面表示装置6の画面に表示される。押え部形状を示す図Rは、例えば形成用工具71のストリッパ径を示す円とされ、その工具配置表示DWdと共に表示される。このとき、個別表示手段5は、工具割付結果から曲げ加工結果に表示を切り換える。そのため、板材片図形DWaと押え部形状図Rとが合わさって画面上に示されることになる。したがって、押え部形状図Rと板材片図形DWaとの重なりの有無を見て、干渉チェックが行える。板材片図形DWaは、板材片Waの寸法情報および曲げ角度情報とに基づいて作成された曲げ加工結果の形状であるため、正しい干渉チェックを行うことができる。
具体例を説明すると、図5(A)の例は、曲げ加工が図11(D)のようなコ字状の加工の場合であり、孔9よりも図の左に板材片図形DWaが延びているため、他の加工の押え部形状図Rと重なり部分を生じている。すなわち、干渉有りとなっている。図5(B)の例は、曲げ加工が図11(D)のようなZ字状の加工の場合であり、孔9の範囲内に板材片図形DWaが納まっているため、他の加工の工具の図形D1と重なり部分が生じていない。すなわち、干渉無しとなっている。図5(A),(B)の例は、曲げ加工における孔9の位置、および他の加工の工具の位置(押え部形状図Rの位置)は、互いに同じである。このように、曲げ加工における板材片Waの孔9の位置と他の加工の工具の位置の関係で同じであっても、板材片Waの曲げ加工の形状によって干渉有無に違いが生じている。このような干渉有無に違いが、単に工具形状による判断だけでなく、曲げ加工結果情報F4を作成してその板材片図形DWaに対して干渉判断することで可能になる。
また、図2(A)のような工具割付結果の画面では、工具の割付け状態が明確に判る。そのため、上記のように曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示可能とすることで、干渉有無のチェックや工具配置のチェックが見やすく容易に行える。
なお、上記実施形態では、曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示するようにしたが、個別表示手段5は、曲げ加工結果と工具割付結果とを同じ画面の違う部分、例えば別ウインドウ等に並べて同時に表示させるものとしても良く、この並び表示と上記切り換え表示との両方が行えるものとしても良い。
この発明の一実施形態にかかるパンチプレス用加工情報表示装置の概念構成を示す説明図である。 (A)〜(C)はそれぞれ工具割付結果画面、曲げ加工結果画面、曲げ加工結果と押え部形状図の重ね表示状態の各例を示す説明図である。 (A),(B)はそれぞれ工具割付結果画面におけるマーク表示、および曲げ加工結果画面における板材片図形表示を示す説明図である。 曲げ工具の登録画面の説明図である。 曲げ加工結果と押え部形状図の重ね表示状態例の拡大図である。 このパンチプレス用干渉チェック装置を適用するパンチプレスの一例の平面図である。 同パンチプレスの側面図である。 (A)は同パンチプレスにおける曲げ工具の断面図、(B)はその上側曲げ工具の下面図である。 同曲げ工具による曲げ工程の説明図である。 同パンチプレスの成形工具の側面図である。 同パンチプレスの各曲げ加工例の斜視図である。 同パンチプレスの各成形加工例の斜視図である。
符号の説明
1…パンチプレス用加工情報表示装置
2…パンチプレス
3…曲げ加工結果情報作成手段
5…個別表示手段
6…画面表示装置
7…工具登録手段
8…工具割付手段
9…板材片周囲の孔
10…押え部表示起動手段
11…表示切換操作手段
46,47…曲げ工具
DWa…板材片図形
F1…加工形状データ
F4…曲げ加工結果の情報
R…押え部形状の図
W…板材
Wa…板材片

Claims (3)

  1. 板材の所定部分にある孔により形成される板材片に、曲げ工具を用いて曲げ加工を施すパンチプレスに適用されるパンチプレス用加工情報表示装置であって、板材片に曲げ工具の工具データを割り付ける工具割付手段と、割り付けられた工具データと前記板材片の寸法情報および曲げ角度情報とに基づき板材片の曲げ加工結果の情報を作成する曲げ加工結果情報作成手段と、工具割付結果と曲げ加工結果とを画面表示装置の画面に個別に表示する個別表示手段とを備えたパンチプレス用加工情報表示装置。
  2. 前記個別表示手段は、曲げ加工結果と工具割付結果とを切り換えて表示可能なものとした請求項1記載のパンチプレス用加工情報表示装置。
  3. 前記個別表示手段は、押え部表示起動手段の指令によって工具の押え部形状を前記画面表示装置の画面に表示可能であり、上記押え部表示起動手段の指令によって上記押え部形状を表示させるときに、工具割付結果から曲げ加工結果に表示を切り換えるものとした請求項2記載のパンチプレス用加工情報表示装置。
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