JP4385724B2 - 板材加工の干渉チェック装置 - Google Patents
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Description
これら図13,図14の成形加工部Waの加工は、同じ金型で行える。また、これら成形加工部Waの加工のために生じる孔部Wbの位置も、互いに同じ位置でかつ同じ大きさである。しかし、その近隣の辺に沿う孔Wb1を金型104で加工するときに、図から判るように、図13のコ字曲げでは金型104と干渉を生じ、図14のZ字曲げの場合は干渉を生じない。
この発明の他の目的は、板厚が種々異なっても正しく、かつ簡易に干渉チェックができるものとすることである。
この発明のさらに他の目的は、金型が曲げ加工を行うものであって、かつ板材の押え面よりも若干上方に位置する型支持部がある場合に、型支持部への干渉有無を含めて干渉判断が行えるものとすることである。
この発明のさらに他の目的は、板材加工機がワークホルダで板材の移動をさせるものであって、ワークホルダによる板材把持位置の変更を行う場合に、板材の加工後の形状に応じた把持位置指定の不具合が簡易に判断できるものとすることである。
上記形状モデル(M)は、縦横に平面的に並びかつ高さ値を持つ複数のドット(D)で現したものであるため、干渉判断に必要最小限の簡素な形状モデル(M)とでき、モデル作成や干渉判断のための演算処理が簡単に行える。特に、平面的に並ぶドット(D)を用いるため、細かい単位としても形状モデル(M)のデータ量が少なくて済み、ドット間隔を細かく設定してより詳細な干渉チェックが可能となり、より成形可能範囲を広げることができる。
この構成の場合、板厚が変わっても、板材下面位置が基準となるため、データの管理が簡単である。また、打ち抜き等によって板材(W)のなくなった部分(Wb)は、負のデータではなく、零で扱えるので、演算処理が簡単である。すなわち、板材(W)の上面位置を零とすることも可能であるが、その場合は、寸法データによる上方成形、孔明け、下方成形の3状態の管理が必要であり、この場合に比べて板材下面位置を基準とすることでデータの扱いが容易になる。
また、前記金型機構(46)は、板材上面から所定高さ(H)離れる型支持部(67)を有するが、前記干渉チェック手段(11)は、成形加工部(Wa)が型支持部(67)の直下にあっても型支持部(67)の板材(W)からの離れ高さ(H)以内の場合は、干渉しないものと判断し、離れ高さ(H)以上の場合に干渉有りと判断することができる。そのため、成形加工部(Wa)が型支持部(67)の直下に位置する場合に、一律に干渉有りとせずに済み、安全を確保しながら、成形加工部(Wa)の配置可能な範囲を広げることができる。
ワークホルダ(56)による板材(W)の把持位置の変更は、ワークホルダ(56)をストローク範囲内で移動させても、板材(W)の加工希望部位が金型位置に移動させられない場合などに行われる。この把持位置の変更を行おうとした場合に、板材(W)に施された先のパンチ加工によって、板材(W)の把持予定部位が既になくなっている場合がある。その場合、ワークホルダ(W)によってその把持予定部位を把持することができなくなる。持替え可否チェック手段(12)は、このような持ち替え可否の判断を、金型(46)の干渉チェックのために作成した形状モデル(M)を利用して行う。そのため、板材(W)の加工後形状に応じた把持位置指定の不具合を簡易に判断することができる。
前記形状モデルの各ドットの高さ値について、板材の下面を零とし、板材の加工無し部分は板厚値、板材の孔明けまたは切断加工部分は零、板材の上方へ突出した成形加工部分は上面の高さ値とする場合は、板厚が種々異なっても正しく、かつ簡易に干渉チェックを行うことができる。
図11(A)に示すように、パンチ加工用金型組601 は、上下の金型461 ,471 のうち、上側の金型461 が、型部46a1 と、その周囲を囲む弾性体等からなるストリッパ46b1 とで構成される。
図11(B)に示すように、一般成形加工用の金型組602 は、ルーバ加工やバーリング加工の等の形状の定まった加工を行うものであり、上側の金型462 が、型部46a2 と、その周囲を囲む弾性体等からなるストリッパ46b2 とで構成される。下側の金型472 は、中央に突出部分からなる型部47b2 を有している。
上側の曲げ加工用金型463 はその金型本体65が金型支持体42に昇降自在に設置され、下側の曲げ金型473 は金型本体66が金型支持体43に固定設置されている。
上側の曲げ加工用金型463 における型支持部67は、押え型63が板材Wを押さえた状態で板材Wの上面から所定高さHだけ離れるものとされている。この所定高さHは、成形加工部Waの高さhによっては成形加工部Waに干渉する高さとなる。
上曲げに際しては、下曲げと同じく、上側の曲げ金型463 の全体が駆動源77により下降させられ、押え型61が板材Wを下側の押え型62に挟み付けるが、この後は、上側の曲げ金型463 の下降を止め、下側の曲げ金型473 における成形型64を駆動源78により昇降させる。この上昇動作により、図10(C)のように板材Wが上側に曲げられる。
金型割付け手段4は、板取り手段3で配置された加工図形Gに対して、金型マスタファイル5に登録された上下の金型組60を所定の規則に従って割り付ける手段である。金型割付け手段4は、この割付け結果の金型割付データからなる板材加工データF4を生成する。金型マスタファイル5は、板材加工機に装備される各金型の金型番号、および各金型の各部の形状,寸法のデータを登録した手段である。
NCデータ化手段7は、金型割付データからなる板材加工データF4につき、加工順等設定手段6で設定された加工順、およびその他の条件データを付加して、数値制御装置で実行可能なNCデータからなる板材加工データF0に変換する手段である。
形状モデル作成手段10は、板材加工データF0から、その複数の加工の完了した板材形状を、縦横に平面的に並びかつ高さ値を持つ複数のドットDで現した形状モデルMを作成する手段である。ここでは上記NCデータからなる板材加工データF0を用いているが、形状モデル作成手段10で作成するため板材加工データは、平板状の板材Wに、孔明け加工,切断加工,および成形加工のうち、少なくとも成形加工を含むいずれかの加工を複数施すデータであれば良く、例えば上記金型割付データからなる板材加工データF4であっても良い。
干渉チェック手段11は、板材加工データF0で示される加工を設定加工順で、所定の板材加工機1により加工した場合に、板材Wの先に加工された成形加工部Waに対して後に加工を行う金型の干渉が生じるか否かを上記形状モデルMから判断する手段である。
同図は、板厚が1mmであって、上出しおよび下出しの成形加工部Wa,Wa′が、それぞれ1mmだけ突出した状態を示している。なお、同図では、1個のドットD毎に上下させて図示しているが、実際の形状モデルMでは、孔部Wbや成形加工部Wa等の加工部毎に纏まって上下する。
この周辺部分の形状モデルMは、同図(D)に各ドットDを高さ値で示される高さ位置に示す示すように、板材Wの加工無し部W0のドットDは板材上面の高さ値(高さ位置)となり、孔部Wbの各ドットDは高さ値が零、成形加工部Waの各ドットDはその上面の高さ値となる。成形加工部Waは加工無し部W0の上方に重なる位置となるが、その重なり部分のドットDについては、基準位置(零位置)に対して絶対値が高い方の高さ値、つまり成形加工部Waの高さ値が用いられる。したがって、形状モデルMは、概略を示すと図3(B)に示すような形状となる。なお、図3(C),(D)において、ドットDは一部のものだけを示し、残りは図示を省略している。
同図は、金型46が曲げ加工の金型463 である場合を示す。この金型463 は、板材Wを押える押え型61の周辺に型支持部67があり、この型支持部67は、押え型61が同図(B)のように板材Wを押さえた状態で、板材上面から所定高さHだけ上方に離れた位置にある。
このように、型支持部67が平面的に見て成形加工部Waと干渉する位置にあっても、干渉しない場合が判断できるため、型支持部67が平面的に干渉する場合に全て干渉有りと判断する場合に比べて、後の加工が可能な領域が増え、安全を確保しながら、無駄に加工を制限することが回避される。
なお、干渉チェック手段11は、曲げ加工の金型463 のうち、成形型63(図9)に対しては、次の3種類(1) 〜(3) の干渉チェックのいずれかを行うものとされる。(1) 干渉チェックを行わない。(2) 押え型61と同様に、平面的に見て成形型63の範囲に成形加工部Waがあると干渉すると判断する。(3) 型支持部67と同様に、平面的に見て成形型63の範囲に成形加工部Waがあって、かつ成形加工部Waの高さが成形型63に対して設定された高さと同等以上の場合に干渉有りと判断する。成形型63は種々の形式のものがあるため、その形式に応じて上記3種類のいずれかの干渉チェックが採用される。
その結果、成形加工部Waの干渉回避のために成形加工部Waの配置間隔を余分に設ける範囲を少なくでき、成形加工の可能な範囲が広がることになる。
このように、干渉チェックのために作成した形状モデルMを、ワークホルダ56の持ち替えの可否判断にも利用することができ、これにより簡単に持ち替え可否の判断を行うことができる。
3…板取り手段
4…金型割付け手段
5…金型マスタファイル
6…加工順等設定手段
7…NCデータ化手段
8…加工シミュレーション手段
9…干渉チェック装置
10…形状モデル作成手段
11…干渉チェック手段
12…持替え可否チェック手段
40…金型割出機構
42,43…金型支持体
46,47…金型
48…ラム
52…板材送り機構
56…ワークホルダ
58…パンチ駆動手段
60…金型組
61,62…押え型
67,68…型支持部
63,64…形成型
D…ドット
F0,F4…板材加工データ
Px,Py…ピッチ
H…高さ
h…高さ
M…形状モデル
Q…パンチ位置
W…板材
Wa,Wa′…成形加工部
Claims (4)
- 平板状の板材に、孔明け加工,切断加工,および成形加工のうち、少なくとも成形加工を含むいずれかの加工を複数施す板材加工データから、その複数の加工の完了した板材形状を、縦横に平面的に並びかつ高さ値を持つ複数のドットで現した形状モデルを作成する形状モデル作成手段と、前記板材加工データで示される加工を設定加工順で、所定の板材加工機により加工した場合に、板材の先に加工された成形加工部に対して後に加工を行う金型の干渉が生じるか否かを前記形状モデルから判断する干渉チェック手段とを備えた板材加工の干渉チェック装置。
- 前記形状モデルの各ドットの高さ値について、板材の下面を零とし、板材の加工無し部分は板厚値、板材の孔明けまたは切断加工部分は零、板材の上方へ突出した成形加工部分は上面の高さ値とする請求項1に記載の板材加工の干渉チェック装置。
- 前記所定の板材加工機は、板材または金型機構を板材の水平方向に移動させ、前記金型機構の昇降により板材を上方または下方に突出させた成形加工部とするパンチプレスであって、前記金型機構は、板材を押える押え型と、前記板材の平面部分を変形させる成形型と、前記押え型および成形型を支持し、前記押え型が板材を押さえた状態で板材上面から所定高さ離れる型支持部とを有し、前記干渉チェック手段は、前記成形加工部が前記型支持部に干渉するか否かを前記形状モデルのドットの高さ値を用いて判断するものとした請求項1または請求項2に記載の板材加工の干渉チェック装置。
- 前記所定の板材加工機が、板材の縁部を把持して板材を移動させるワークホルダを有するものであり、前記板材加工機に前記ワークホルダによる板材の把持位置を変更させる持ち替え情報に対して、その持ち替え後のワークホルダによる把持位置が、板材の前記いずれかの加工が施された部分に位置するか否かを、前記形状モデルから判断する持替え可否チェック手段を設けた請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の板材加工の干渉チェック装置。
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