JP4268507B2 - 非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器 - Google Patents

非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器 Download PDF

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Description

本発明は、非放射性誘電体線路を用いたミリ波集積回路,ミリ波レーダモジュール等に組み込まれ、ミリ波信号をスイッチング制御またはASK(Amplituded Shift Keying)変調する振幅変調器、およびそれを用いたミリ波送受信器に関するものである。
従来、マイクロ波やミリ波の高周波信号を伝送させるためには金属導波管が多く用いられてきたが、近年の高周波モジュールの小型化の要求により、誘電体線路を高周波信号の導波路として用いた高周波モジュールが開発されている。中でも、高周波信号の伝送損失の少ない非放射性誘電体線路(NonRadiative Dielectric Waveguide、以下、NRDガイドともいう。)が注目されている。
このNRDガイドの基本構成を図5に部分破断斜視図で示す。同図に示すように、所定の間隔aをもって平行配置された平行平板導体11,12の間に、断面形状が長方形等の矩形状の誘電体線路13を配置した構成であり、この間隔aが高周波信号の波長λに対してa≦λ/2であれば、外部から誘電体線路13へのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号の放射をなくして、誘電体線路13中で高周波信号を効率良く伝搬させることができる。なお、高周波信号の波長λは使用周波数における空気中(自由空間)での波長である。
このようなNRDガイドに組み込まれる、高周波信号の振幅変調器の従来例を図6(a)および(b)に示す(例えば、非特許文献1を参照。)。図6(a)は振幅変調器の従来例を示す斜視図、(b)はその振幅変調器を上方から見たときの平面図である。この振幅変調器は、サーキュレータ(circulator、以下、CLTともいう。)とショットキーバリアダイオードとを組み合わせて使用することにより、高周波信号を振幅変調(スイッチング制御を含む。)するものであり、この振幅変調器を用いたミリ波送受信器やミリ波レーダモジュール等が開発されている。
図6において、20a,20b,20cは、四フッ化エチレン,ポリスチレン等の誘電体線路からなる、LSE(Longitudinal Section Electric)モードの電磁波を遮断するモードサプレッサ、21は周囲にモードサプレッサ20a〜20cが120°の間隔で放射状に配置されるCLT用の2枚のフェライト円板、22はモードサプレッサ20a〜20cの内部に配置された、銅箔等から成るストリップ線路導体であり、電界が平行平板導体の主面に垂直方向であるLSEモードの電磁波を遮断する。また、ストリップ導体線路22は、TEM(Transverse ElectroMagnetic)モードを除去するためにλ/4チョークパターンとして形成されている。
また、モードサプレッサ20bのフェライト円板21と反対側の他端には、所定の空隙を設けて、四フッ化エチレン,ポリスチレン等から成る誘電体線路23aが配置され、さらに、アルミナセラミックス等から成り、誘電体線路23aとは誘電率の異なる誘電体シート24が配置されている。この誘電体シート24の後方には、銅箔等から成るチョーク型バイアス供給線路構造のストリップ線路導体25が形成され、その中途にショットキーバリアダイオード(以下、SBDともいう。)26が実装された配線基板27が配置されている。さらに、配線基板27の後方には、四フッ化エチレン,ポリスチレン等から成る誘電体線路23bが配置されている。
そして、モードサプレッサ20a中を伝搬してきた電磁波は、フェライト円版21によって波面が時計方向または反時計方向に回転されてモードサプレッサ20bへ伝搬され、モードサプレッサ20cへは伝搬しない。そして、モードサプレッサ20bを伝搬した電磁波は、その先の配線基板27上のSBD26において、SBD26に順方向にバイアス電圧を印加したとき(順方向電流を入力したとき)には、SBD26に検波電流が流れて、その電磁波は吸収されて出力されずにオフ状態となる。一方、SBD26に逆方向にバイアス電圧を印加したとき(順方向電流を流さないとき)には、その電磁波は反射されて出力され、オン状態となる。このSBD26で反射された電磁波は、再びモードサプレッサ20b中を伝搬し、フェライト円板21によって波面が回転され、モードサプレッサ20cへ伝搬される。
このように、SBD26にバイアス電圧を印加することにより、電磁波をASK変調(振幅変調)することができる。なお、振幅変調の度合いを大きくすると、スイッチング制御することもできる。
このようなSBDを用いた振幅変調器に関する技術は、例えば非特許文献1,特許文献1および特許文献2に開示されている。
さらに、本出願人は、平行平板導体の内面に互いに対向させて設置された2枚のフェライト板と、2枚のフェライト板に対して略放射状に複数配置された、LSMモードの電磁波を伝送するとともにLSEモードの電磁波を遮断する誘電体線路から成るモードサプレッサと、モードサプレッサの一方の端面に設置された、誘電体線路と異なる比誘電率を有するインピーダンス整合部材とから成るCLTが設けられており、誘電体配線基板上のチョーク型バイアス供給線路の中途にSBDを接続したパルス変調スイッチを、モードサプレッサの他方の端面に、SBDのバイアス電圧印加方向がLSMモードの電磁波の電界方向に合致するように設置したNRDガイド用のパルス変調器において、フェライト板の端からSBDまでの距離が略nλ/2(nは2以上の整数であり、λは高周波信号の波長である。)である構成とすることにより、部品点数が削減されて組立再現性が向上するとともに、所望の周波数で動作させるためのインピーダンスの整合が容易になり、パルス変調器の特性を再現性良く安定して得られ、信頼性の高いものを生産性良く製造できる、NRDガイド用のパルス変調器を提案した(特願2001−22711)。
また、本出願人は、高周波信号を伝搬させる誘電体線路と、誘電体線路の一端側に空隙および他の誘電体線路を介して、配線基板上のチョーク型バイアス供給線路の中途にSBDが接続されているとともにSBDのバイアス電圧印加方向がLSMモードの電磁波の電界方向に合致するように設置されているパルス変調用スイッチとを具備したことにより、部品点数が削減されて組立再現性が向上するとともに、所望の周波数で動作させるためのインピーダンス整合が容易になり、パルス変調器の良好な特性を再現性良く安定して得られ、信頼性の高いものを生産性良く製造できる、NRDガイド用のパルス変調器を提案した(特願2001−161506)。
また、本出願人は、先端部にLSEモードの電磁波を遮断するモードサプレッサが設けられるとともに高周波信号が伝送される複数の誘電体線路が、平行平板導体の内面に主面が平行かつ同心状に対向配置された2枚のフェライト板に対して各モードサプレッサの先端が接続されるとともに略放射状に配置されているCLTを、一つの接続用誘電体線路を介して2つ接続したNRDガイド用の2段型のCLTにおいて、平行平板導体の外面に、磁力線が平行平板導体の内面に略垂直になっている領域内にフェライト板が存在するように一対の磁石が設置されていることにより、2段型のCLTのそれぞれの回転方向が同じになるため、CLTが組み込まれるミリ波送受信器等が容易に構成でき、製造が容易化されて量産性に優れたものとなり、また、各CLTを互いに近接配置することができるので小型化され、さらに、2段型のCLTは磁力線が平行平板導体の内面に略垂直になっている領域内に配置されることから、高周波信号の伝搬損失が小さくなる、NRDガイド用のCLTを提案した(特願2002−14789)。
また、本出願人は、高周波信号を入力する入力用誘電体線路、先端部にSBDが設けられた変調用誘電体線路およびそのSBDによって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路をそれぞれ備えた第1および第2のCLTが接続されて設けられており、その第1および第2のCLTは、第1のCLTの出力用誘電体線路が第2のCLTの入力用誘電体線路を兼ねることによって接続されており、第1のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLTに入力される高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御するとともに第2のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLTのオン/オフ比によって低下した高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御する制御回路が設けられていることから、2つのCLTにそれぞれ設けられたSBDに入力する順方向電流をそれぞれ制御することにより、所定値以上のオン/オフ比が得られる、NRDガイド用の振幅変調器を提案した(特願2002−361333)。
さらにまた、本出願人は、高周波信号を入力する入力用誘電体線路と、その入力用誘電体線路の先端部に設けられた第1のPINダイオードと、入力用誘電体線路の先端部の延長方向上に第1のPINダイオードを透過した高周波信号が入力されるように配置された第2のPINダイオードと、第2のPINダイオードを透過した高周波信号が入力されるように配置され、第1および第2のPINダイオード2の少なくとも一方によって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路とが設けられており、第1のPINダイオードを透過する高周波信号の透過特性の周波数依存性と第2のPINダイオードを透過する高周波信号の透過特性の周波数依存性とが異なっていることから、2つのPINダイオードとして個々にオン/オフ比の周波数特性が異なったものを組み合わせた透過型の振幅変調器として、オフ/オフ比が高くとれる周波数帯域を広くした上で、オン/オフ比の周波数特性の制御に対する攪乱要因を減らして安定な特性を確実に得ることができるNRDガイド用の振幅変調器を提案した(特願2003−366559)。
黒木太司、外4名(Futoshi Kuroki,Masayuki Sugioka,Shinji Matsukawa,Kengo Ikeda,and T.Yoneyama),"ハイ−スピード・ASK・トランシーバ・ベースト・オン・ザ・NRD−ガイド・テクノロジー・アット・60GHz・バンド(High-Speed ASK Transceiver Based on the NRD-Guide Technology at 60-GHz Band)",アイイーイーイー・トランザクション・オン・マイクロウエーブ・セオリー・アンド・テクニクス(IEEE Transaction on Microwave Theory and Techniqes),(米国),アイイーイーイー(IEEE),第46巻,第6号,1998年6月,p.806−810 黒木太司、池田研吾、米山務,「ショットキバリアダイオードを用いたNRDガイド高速ASK変調器」,1997年電子情報通信学会総合大会講演論文集,社団法人電子情報通信学会,1997年3月6日発行,Vol.1,C−2−65,p.120 特開平10−270944号公報 米国特許第6,034,574号明細書
しかしながら、図6に示すような2つのCLTおよびSBDからなる従来の振幅変調器は、図7に高周波信号の反射損失の周波数特性を示すグラフを示すように、オン/オフ比(アイソレーション)が周波数によって大きく異なり、オン/オフ比を例えば15dB以上と大きくとるためには、使用する周波数帯域が限られるという問題点があった。
また、従来の振幅変調器をミリ波レーダモジュール等に組み込んで使用する場合には、ミリ波レーダモジュールは温度変化が激しい自動車のエンジンルーム等に搭載されることとなるが、振幅変調器の周波数特性は温度に依存するため、環境温度によりオン/オフ比が変化するという問題点があった。
また、本出願人が特願2003−366559において提案した技術においても、PINダイオードが設けられた2つの基板間で各基板用に設けられた通電用の配線同士が干渉しないようにしつつ、できる限り2つの基板を近づけて配置し、振幅変調器の透過損失を小さいものとしたいという、さらに改善が望まれている点があった。
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、PINダイオードが設けられた2つの基板間で各基板用に設けられた通電用の配線同士が干渉しないようにしつつ、できる限り2つの基板を近づけて配置し、振幅変調器の透過損失を小さくすることができる非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器を提供することにある。
また、本出願人が特願2003−366559において提案した技術においても、振幅変調器の入力側から見た反射係数と出力側から見た反射係数とを同じにして振幅変調器の透過損失を小さいものとし、また、PINダイオードが設けられた2つの基板間で各基板用に設けられた電気信号の供給用の配線同士が干渉しないようにしつつ、できる限り2つの基板を近づけて配置し、さらに振幅変調器の透過損失を小さいものとしたいという、さらに改善が望まれている点があった。
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、透過型の振幅変調器において透過損失を小さくすることができる非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器を提供することにある。
本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器は、1)高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、高周波信号を入力する入力用誘電体線路と、この入力用誘電体線路の先端部に設けられた第1のPINダイオードと、前記入力用誘電体線路の前記先端部の延長方向上に前記第1のPINダイオードを透過した高周波信号が入力されるように配置された第2のPINダイオードと、この第2のPINダイオードを透過した高周波信号が入力されるように配置され、前記第1および第2のPINダイオードの少なくとも一方によって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路とが設けられており、前記第1のPINダイオードおよび前記第2のPINダイオードは第1および第2の基板にそれぞれ固定されており、前記第1の基板上の前記第1のPINダイオードと前記入力用誘電体線路の端面とが対向しているとともに前記第2の基板上の前記第2のPINダイオードと前記出力用誘電体線路の端面とが対向していることを特徴とするものである。
また、本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器は、2)上記1)の構成において、前記第1のPINダイオードによって振幅変調された高周波信号が入力されるとともにこの高周波信号を前記第2のPINダイオードに入力するように出力する入力兼出力用誘電体線路を設け、この入力兼出力用誘電体線路の線路長を、前記第1および第2のPINダイオードに順方向バイアス電圧を印加していないときに、前記第1のPINダイオードから入力され前記第2のPINダイオードで反射され前記第1のPINダイオードで反射されて前記第2のPINダイオードから前記出力用誘電体線路に漏洩する高周波信号と、前記第1のPINダイオードから入力され前記第1および第2のPINダイオードで反射されずに前記第2のPINダイオードから前記出力用誘電体線路に漏洩する高周波信号との位相差をδとしたとき、δ=πとなるようにしていることを特徴とするものである。
また、本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器は、3)上記1)および2)の各構成において、前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されていることを特徴とするものである。
本発明の第1のミリ波送受信器は、
送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
この第1の誘電体線路の一端に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記第1の誘電体線路の他端に付設された第1の基板上に配置され、前記送信用のミリ波信号を振幅変調する第1のPINダイオードと、
この第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように第2の基板上に配置され、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号を振幅変調する第2のPINダイオードと、
一端に前記第2のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように配置された第3の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有するサーキュレータであって、前記第1の接続部に前記第3の誘電体線路の他端が接続されたサーキュレータと、
このサーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを有する第4の誘電体線路と、
前記送受信アンテナで受信され前記第4の誘電体線路を伝搬して前記サーキュレータの前記第3の接続部より出力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第5の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第5の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが上記1)の構成の本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とするものである。
また、本発明の第1のミリ波送受信器は、上記構成において、前記第1および第2のPINダイオードの間に、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力され、前記第2のPINダイオードに出力する第6の誘電体線路が配置されており、前記平行平板導体、前記第1,第3および第6の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが上記2)の構成の本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とするものである。
また、本発明の第1のミリ波送受信器は、上記各構成において、前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されており、前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが、または前記平行平板導体、前記第1,第3および第6の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが上記3)の構成の本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とするものである。
本発明の第2のミリ波送受信器は、
送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
この第1の誘電体線路の一端に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記第1の誘電体線路の他端に付設された第1の基板上に配置され、前記送信用のミリ波信号を振幅変調する第1のPINダイオードと、
この第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように第2の基板上に配置され、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号を振幅変調する第2のPINダイオードと、
一端に前記第2のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように配置された第3の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有するサーキュレータであって、前記第1の接続部に前記第3の誘電体線路の他端が接続されたサーキュレータと、
このサーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有する第4の誘電体線路と、
前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前記送信アンテナで受信混入した受信波を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端部で前記受信波を減衰させる第5の誘電体線路と、
先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けられた第6の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第6の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが上記1)の構成の本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とするものである。
また、本発明の第2のミリ波送受信器は、上記構成において、前記第1および第2のPINダイオードの間に、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力され、前記第2のPINダイオードに出力する第7の誘電体線路が配置されており、前記平行平板導体、前記第1,第3および第7の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが上記2)の構成の本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とするものである。
また、本発明の第2のミリ波送受信器は、上記各構成において、前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されており、前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが、または前記平行平板導体、前記第1,第3および第7の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが上記3)の構成の本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とするものである。
本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器によれば、上記構成において、前記第1のPINダイオードおよび前記第2のPINダイオードは第1および第2の基板にそれぞれ固定されており、前記第1の基板上の前記第1のPINダイオードと前記入力用誘電体線路の端面とが対向しているとともに前記第2の基板上の前記第2のPINダイオードと前記出力用誘電体線路の端面とが対向していることから、従来の振幅変調器では異なっていた振幅変調器の入力用誘電体線路側から見た第1および第2の基板上の形状と出力用誘電体線路側から見た第1および第2の基板上の形状とを、どちらから見た場合でも同じようにすることができるため、振幅変調器の入力側から見た反射係数と出力側から見た反射係数とを整合させて、振幅変調器の透過損失を小さくすることができるものとなる。
また、本発明の振幅変調器によれば、前記第1のPINダイオードによって振幅変調された高周波信号が入力されるとともにこの高周波信号を前記第2のPINダイオードに入力するように出力する入力兼出力用誘電体線路を設け、この入力兼出力用誘電体線路の線路長を、前記第1および第2のPINダイオードに順方向バイアス電圧を印加していないときに、前記第1のPINダイオードから入力され前記第2のPINダイオードで反射され前記第1のPINダイオードで反射されて前記第2のPINダイオードから前記出力用誘電体線路に漏洩する高周波信号と、前記第1のPINダイオードから入力され前記第1および第2のPINダイオードで反射されずに前記第2のPINダイオードから前記出力用誘電体線路に漏洩する高周波信号との位相差をδとしたとき、δ=πとなるようにしているときには、それらの高周波信号が第2のPINダイオードにおいて逆位相で干渉し、互いに弱めあって合波するようになるため、第2のPINダイオードで高周波信号を反射させて遮断するときに第2のPINダイオードから漏洩する高周波信号の強度を弱めることができ、高いオン/オフ比が得られるものとなる。
また、本発明の振幅変調器によれば、前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されているときには、第1および第2の基板を互いに近付けて配置した場合であっても、各々の基板上に設けられた電気信号の供給用の配線同士が干渉することを効果的に防止することができるため、第1および第2の基板を互いに近付けて配置することによって、さらに振幅変調器の透過損失を小さくすることができるものとなる。
そして、以上のような本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器を用いた本発明のミリ波送受信器によれば、上記各構成により、高いオン/オフ比でもって高周波信号を振幅変調したりスイッチングしたりできる高性能のものとなる。
本発明の第1のミリ波送受信器によれば、送受信アンテナを有するものの場合であって、本発明の振幅変調器を用いていることにより、高い送信信号強度が得られる高性能のものとなるとともに、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、その結果、ミリ波レーダ等に適用した場合にその探知距離を増大し得るものとなる。
また、本発明の第2のミリ波送受信器によれば、送信アンテナと受信アンテナとが独立したものの場合であって、高い送信信号強度が得られる高性能のものとなるとともに、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、また送信用のミリ波信号がCLTを介してミキサーへ混入することがなく、従って、ミリ波レーダモジュールに適用した場合に受信信号のノイズを低減させることができ、ミリ波信号の伝送特性に優れるとともに探知距離をさらに増大し得るものとなる。
本発明のNRDガイド用の振幅変調器およびミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについて以下に詳細に説明する。
図1は本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器の実施の形態の一例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。また、図2は本発明の振幅変調器の実施の形態の他の例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)はA−A’部分断面図である。図1および図2において、1a〜1cは誘電体線路、2aは第1のPINダイオード、2bは第2のPINダイオード、3aは第1のPINダイオード2aを設けた第1の基板、3bは第2のPINダイオード2bを設けた第2の基板、4aは第1の基板3aに設けた第1のPINダイオード2aに電気信号を供給するための導体線としての導体ピン、4bは第2の基板3bに設けた第2のPINダイオード2bに電気信号を供給するための導体線としての導体ピン、5aおよび5bは平行平板導体である。なお、図2(c)を除き、平行平板導体は図示していない。
図1に示す本発明の実施の形態の一例の振幅変調器は、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、高周波信号を入力する入力用誘電体線路1aと、入力用誘電体線路1aの先端部に設けられた第1のPINダイオード2aと、入力用誘電体線路1aの先端部の延長方向上に第1のPINダイオード2aを透過した高周波信号が入力されるように配置された第2のPINダイオード2bと、第2のPINダイオード2bを透過した高周波信号が入力されるように配置され、第1および第2のPINダイオード2a,2bの少なくとも一方によって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路1bとが設けられており、第1のPINダイオード2aおよび第2のPINダイオード2bは第1の基板3aおよび第2の基板3bにそれぞれ固定されており、第1の基板3a上の第1のPINダイオード2aと入力用誘電体線路1aの端面とが対向しているとともに、第2の基板3b上の第2のPINダイオード2bと出力用誘電体線路1bの端面とが対向している構成である。
ここで、第1および第2の基板3a,3bは、図8に斜視図で示すような構成のものである。例えば、図8における配線基板30の一主面にチョーク型バイアス供給線路33を形成し、その中途にフリップチップ実装,バンプ実装またはハンダ実装されたPINダイオード31を設けたものである。このPINダイオード31の順方向バイアス電圧の印加をオン/オフして順方向電流をオン/オフすることにより、ミリ波信号をオン/オフ制御(スイッチング制御)等の振幅制御することができる。
図1に示す振幅変調器は、入力用誘電体線路1aから入力された高周波信号を第1のPINダイオード2aもしくは第2のPINダイオード2bのいずれか、または第1のPINダイオード2aおよび第2のPINダイオード2bの両方で振幅変調し、振幅変調された高周波信号を出力として出力用誘電体線路1bから取り出すといった動作をする。
図1に示す振幅変調器は、第1のPINダイオード2aは入力用誘電体線路1a側から見て第1の基板3a上で対向しているとともに、第2のPINダイオード2bは出力用誘電体線路1b側から見て第2の基板3b上で対向しているので、そうでない場合と比べて、入力用誘電体線路1a側から見た第1の基板3a上の形状と出力用誘電体線路1b側から見た第2の基板3b上の形状とを、どちらから見た場合でも同じようにすることができるため、振幅変調器の入力用誘電体線路1aから見た反射係数と出力用誘電体線路1bから見た反射係数とが近い値となるように整合させて、入力用誘電体線路1aから出力用誘電体線路1bへ透過する振幅変調された高周波信号の透過損失を小さくすることができるものとなる。
次に、図2に示す本発明の実施の形態の他の例の振幅変調器は、上記の実施の形態の一例と比較して、さらに以下に説明するような構成である。
図2に示す例において、第1の基板3aに設けられた第1のPINダイオード2aと第2の基板3bに設けられた第2のPINダイオード2bとは、第1のPINダイオード2aから出力された高周波信号が第2のPINダイオード2bに入力されるように入力兼出力用誘電体線路1cによって接続されている。
そして、上記構成2)に対応するように、入力兼出力用誘電体線路1cの線路長は、第1のPINダイオード2aおよび第2のPINダイオード2bに順方向バイアス電圧を印加していないときに、第1のPINダイオード2aからこの入力兼出力用誘電体線路1cに入力され第2のPINダイオード2bで反射され第1のPINダイオード2aで反射されて再び第2のPINダイオード2b側に戻り、第2のPINダイオード2bから出力用誘電体線路1bに漏洩する高周波信号と、第1のPINダイオード2aからこの入力兼出力用誘電体線路1cに入力され第1のPINダイオード2aおよび第2のPINダイオード2bで反射されずに第2のPINダイオード2bから出力用誘電体線路1bに漏洩する高周波信号との位相差をδとしたとき、入力兼出力用誘電体線路1cの線路長をその位相差δがδ=πとなるような長さとされている。
さらに、図2に示す例においては、上記構成3)に対応するように、第1および第2の基板3a,3b上の第1および第2のPINダイオード3a,3bの実装面側に第1および第2のPINダイオード3a,3bに電気信号を供給するための導体線としての導体ピン4a,4bがそれぞれ固定されているとともに、これら導体ピン4a,4bが、電気的に絶縁されて平行平板導体5bを貫通して導出されている。導体ピン4a,4bを平行平板導体5b等の他の部材から絶縁するには、導体ピン4a,4bを平行平板導体5b等の他の部材から間隔を開けて配置するようにすればよいが、絶縁性の筒状の絶縁スリーブのようなもの、例えば四フッ化エチレンチューブ(図示せず。)に導体ピン4a,4bを貫通させたものを平行平板導体5bを貫通させ、導体ピン4a,4bと他との接続部のみをその四フッ化エチレンチューブから露出させることによって、平行平板導体5b等から電気的に絶縁して貫通させてもよい。この場合には、電気信号の供給用以外の導体から導体ピン4a,4bを確実に絶縁できるものとなる。
図2に示す振幅変調器は、図1に示す振幅変調器と同様に動作するが、第1のPINダイオード2aを設けた第1の基板3aと第2のPINダイオード2bを設けた第2の基板3bとが入力兼出力用誘電体線路1cで接続されることから、入力用誘電体線路1aから出力用誘電体線路1bへ透過する振幅変調された高周波信号が入力用誘電体線路1aに閉じこめられて、外部に放射せずに透過するため、その透過損失を小さくすることができるものとなる。
また、入力兼出力用誘電体線路1cの長さは、上記位相差δがδ=(2N−1)π(ただし、Nは整数である。)となるような長さとされているときに、第1のPINダイオード2aおよび第2のPINダイオード2bに順方向バイアス電圧を印加してないときに、これら両者の高周波信号を第2のPINダイオード2bにおいて逆位相で干渉させ、互いに弱め合うように合波させることができるため、第2のPINダイオードで高周波信号を反射させて遮断するときに第2のPINダイオードから漏洩する高周波信号の強度を弱めることができ、高いオン/オフ比が得られるが、この条件を満足するδ=πとなるような長さとされていることから高いオン/オフ比が得られるものとなる。しかも、入力用誘電体線路1aが最も短くなる条件にしても、導体ピン4aと導体ピン4bもしくは第2の基板3bとが、または導体ピン4bと第1の基板3aとが機械的に干渉することがないものとなる。
また、第1の基板3aに取り付けられた導体ピン4aと第2の基板3bに取り付けられた導体ピン4bとは、それぞれ導体ピン4a,4bの第1および第2の基板3a,3bへの取付け面の背面同士が背中合わせになっているので、第1の基板3aと第2の基板3bとを近付けて配置しても、導体ピン4aと導体ピン4bもしくは第2の基板3bとが、または導体ピン4bと第1の基板3aとが機械的に干渉することがないため、第1の基板3aと第2の基板3bとを近づけて配置することができ、これによって、さらに振幅変調器の透過損失を小さくすることができるものとなる。
本発明の振幅変調器において、導体ピン4aおよび導体ピン4bから第1のPINダイオード3aおよび第2のPINダイオード3bのそれぞれに電気信号を供給するには、導体ピン4a,4bはそれぞれ第1および第2の基板3a,3bのチョーク型バイアス供給線路33の両端に半田付けすればよい。また、導体ピン4a,4bは、例えば直径が2mmで長さが15mm程度の円柱状または円筒状の形状で銅等の導電性の材料から成るものを用いれば、取り扱いやすく、しかも良好な導通をとることができて好適である。
本発明の振幅変調器において、誘電体線路1a〜1cの材料は、四フッ化エチレン,ポリスチレン等の樹脂、または低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックス,アルミナ(Al)セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックスが好ましく、これらは高周波帯域において低損失である。中でもコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックスを用いると、組立てしやすい範囲で誘電体線路を小型にできるので好適である。
上記構成において、高周波信号の波長が約77GHzのときには、上記位相差δがδ=πとなるような入力兼出力用誘電体線路1cの長さは約2mm程度となるが、第1の基板3aと第2の基板3bとを近付けて配置しても、導体ピン4aと導体ピン4bもしくは第
2の基板3bとが、または導体ピン4bと第1の基板3aとが機械的に干渉することがない。
本発明の振幅変調器におけるNRDガイド用の平行平板導体は、高い電気伝導度および良好な加工性等の点で、Cu,Al,Fe,Ag,Au,Pt,SUS(ステンレススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の導体板が好適である。あるいは、セラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したものでもよい。
また、本発明の振幅変調器およびミリ波送受信器は、高周波発生素子としてガンダイオード等の高周波ダイオードを用い、高周波発生素子から出力された高周波信号の伝搬路に設けられたバラクタダイオード等の可変容量ダイオードのバイアス電圧を電圧制御することによって周波数変調する電圧制御発振器(Voltage Control Oscillator:VCO)と組み合わせることによって、無線LAN,自動車のミリ波レーダ等に使用される。例えば、自動車の周囲の障害物および他の自動車に対してミリ波信号を照射し、その障害物および他の自動車からの反射波を元のミリ波信号と合成して中間周波信号を得て、この中間周波信号を分析することにより、障害物および他の自動車までの距離、ならびにそれらの移動速度等を測定することができる。
なお、本発明でいう高周波帯域は、数10〜数100GHz帯域のマイクロ波帯域およびミリ波帯域に相当し、例えば30GHz以上、特に50GHz以上、さらには70GHz以上の高周波帯域が好適である。特に、76〜77GHzが好ましく、この場合には、本発明の振幅変調器を作動周波数が76〜77GHz程度である自動車用のミリ波レーダモジュール等のミリ波送受信器に用いた場合に、発振器の発振周波数が温度等で変化しても広い帯域で高周波信号の高い透過特性が得られるものとなる。
次に、本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについて以下に説明する。
図3および図4は本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについて実施の形態の例を示すものであり、図3は送信アンテナと受信アンテナとが一体化された本発明の第1のミリ波送受信器についての例を示す平面図、図4は送信アンテナと受信アンテナとが独立した本発明の第2のミリ波送受信器についての例を示す平面図、図9はそれらにおけるミリ波信号発振部の斜視図、図10はそのミリ波信号発振部用の可変容量ダイオード(バラクタダイオード)を設けた配線基板の斜視図である。
図3に示すミリ波レーダモジュールは、送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体(他方は図示を省略する。)51間に高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路53と、第1の誘電体線路53に付設され、ミリ波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し、第1の誘電体線路53中を伝搬させるミリ波信号発振部52と、第1の誘電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー63側へ伝搬させる第2の誘電体線路62とが設けられている。
また、第1の誘電体線路53の他端に付設された第1の基板54a上に配置され、送信用のミリ波信号を振幅変調する第1のPINダイオード54bと、第1のPINダイオード54bを透過したミリ波信号が入力されるように第2の基板56a上に配置され、第1のPINダイオード54bを透過したミリ波信号をさらに振幅変調する第2のPINダイオード56bと、一端に第2のPINダイオード56bを透過したミリ波信号が入力されるように配置された第3の誘電体線路57とが設けられている。
また、平行平板導体51間に、平行平板導体51に平行に対向配置された2枚のフェライト板59aの周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部59a1,第2の接続部59a2および第3の接続部59a3を有するサーキュレータAであって、第1の接続部59a1に第3の誘電体線路57の他端が接続されたサーキュレータAと、サーキュレータAの第2の接続部59a2に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナ60aを有する第4の誘電体線路60と、送受信アンテナ60aで受信され第4の誘電体線路60を伝搬してサーキュレータAの第3の接続部59a3より出力した受信波をミキサー63側へ伝搬させる第5の誘電体線路61と、第2の誘電体線路62の中途と第5の誘電体線路61の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合して中間周波数信号を発生するミキサー63とが設けられている。
そして、平行平板導体51、第1の誘電体線路53および第3の誘電体線路57、第1および第2の基板54a,56a、ならびに第1および第2のPINダイオード54b,56bが、図1に示す本発明の実施の形態の一例の振幅変調器を構成している。
また、図3に示すミリ波レーダモジュールは、第1および第2のPINダイオード54a,56bの間に、第1のPINダイオード54aを透過したミリ波信号が入力され、第2のPINダイオード56bに出力する第6の誘電体線路55が配置されており、第1および第2の基板54a,56a上に第1および第2のPINダイオード54b,56bに電気信号を供給するための導体線としての導体ピン(図示せず。)がそれぞれ固定されているとともに、これら導体ピンが、電気的に絶縁されて平行平板導体51を貫通して導出されており、平行平板導体51、第1の誘電体線路53および第3の誘電体線路57、第1および第2の基板54a,56a、ならびに第1のPINダイオード54bおよび第2のPINダイオード56bが、または平行平板導体51、第1,第3および第6の誘電体線路53,57,55、第1および第2の基板54a,56a、ならびに第1および第2のPINダイオード54b,56bが、図2に示す本発明の実施の形態の他の例の振幅変調器を構成している。
第1の誘電体線路53の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信号発振部52は、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向に合致するように、第1の誘電体線路53の高周波発生素子(高周波ダイオード等)の近傍に配置された可変容量ダイオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波,正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用のミリ波信号として出力する。なお、高周波ダイオードと可変容量ダイオードとの組み合わせと同等の機能を有するVCO(VCO(電圧制御発振器)は制御電圧によって発振周波数を変化させる発振器であり、例えば可変容量ダイオードを用いずにガンダイオード(高周波発生素子)のバイアス電圧を変化させるものも実現可能である。)をミリ波信号発振部として用いてもよく、これによっても同じ目的を達成できることは言うまでもない。
なお、図3において、58a〜58cはモードサプレッサである。また、54a,56aはミリ波信号を振幅変調する第1および第2のPINダイオード54b,56bが設けられた第1および第2の基板であり、それぞれ図8に示すような構成である。例えば、図8の配線基板30の一主面にチョーク型バイアス供給線路33を形成し、その中途にフリップチップ実装,バンプ実装またはハンダ実装されたPINダイオード31(54bまたは56b)を設けたスイッチである。このPINダイオード31(54bまたは56b)の順方向電流を流す、または流さないという制御をすることにより、ミリ波信号をオン(透過)−オフ(反射)制御(スイッチング制御)または振幅変調することができる。
また、送受信アンテナ60aは、第4の誘電体線路60の先端をテーパー状とすることにより設けられる。または、送受信アンテナ60aは、平行平板導体51に開口を設け、平行平板導体51の外面にその開口に金属導波管を介してホーンアンテナ等のアンテナを接続した構成のものでもよい。
また、第1の誘電体線路53は第1のPINダイオード54bの入力用誘電体線路に、第6の誘電体線路55は第1のPINダイオード54bと第2のPINダイオード56bとの間を接続する入力兼出力用誘電体線路に、第3の誘電体線路57は第1のPINダイオード54bおよび第2のPINダイオード56bからの出力用誘電体線路にそれぞれ相当する。
本発明のミリ波送受信器において、2枚の同一形状のフェライト板59aは平行平板導体51の内面に対してその主面が平行にかつ同心状に対向配置されるが、平行平板導体51の内面にそれらの主面が接していてもよく、また平行平板導体51の内面から所定の間隔をあけて設置してもよい。なお、図3に示すような円板状のフェライト板59aの代わりに、正多角形のフェライト板を用いてもよい。その場合は、接続される誘電体線路の本数をn本(nは2以上の整数である。)とすると、その平面形状は正m角形(mは3以上の整数である。)とするのがよい。
また、本発明の第2のミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールは、送信アンテナと受信アンテナとを独立させたものであり、その実施の形態の一例は図4に平面図で示すようなものである。
図4に示す例では、送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体(他方は図示を省略する。)71間に高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路73と、第1の誘電体線路73に付設され、ミリ波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し、第1の誘電体線路73中を伝搬させるミリ波信号発振部66と、第1の誘電体線路73に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路73に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー76側へ伝搬させる第2の誘電体線路82とが設けられている。
また、第1の誘電体線路73の他端に付設された第1の基板74a上に配置され、送信用のミリ波信号を振幅変調する第1のPINダイオード74bと、第1のPINダイオード74bを透過したミリ波信号が入力されるように第2の基板76a上に配置され、第1のPINダイオード74bを透過したミリ波信号をさらに振幅変調する第2のPINダイオード76bと、一端に第2のPINダイオード76bを透過したミリ波信号が入力されるように配置された第3の誘電体線路77とが設けられている。
また、平行平板導体71間に、平行平板導体71に平行に対向配置された2枚のフェライト板79aの周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部79a1,第2の接続部79a2および第3の接続部79a3を有するサーキュレータAであって、第1の接続部79a1に第3の誘電体線路77の他端が接続されたサーキュレータAと、サーキュレータAの第2の接続部79a2に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナ80aを有する第4の誘電体線路80と、送信アンテナ80aで受信混入した受信波を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端81aで受信波を減衰させる第5の誘電体線路81と、先端部に受信アンテナ83a、他端部にミキサー84が各々設けられた第7の誘電体線路83と、第2の誘電体線路82の中途と第7の誘電体線路83の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合して中間周波数信号を発生するミキサー84とが設けられている。
そして、平行平板導体71、第1の誘電体線路73および第3の誘電体線路77、第1および第2の基板74a,76a、ならびに第1および第2のPINダイオード74b,76bが、図1に示す本発明の実施の形態の一例の振幅変調器を構成している。
また、図4に示すミリ波レーダモジュールは、第1および第2のPINダイオード74a,76bの間に、第1のPINダイオード74aを透過したミリ波信号が入力され、第2のPINダイオード76bに出力する第6の誘電体線路75が配置されており、配線基板74a,76a上に第1および第2のPINダイオード74b,76bに電気信号を供給するための導体線としての導体ピン(図示せず。)がそれぞれ固定されているとともに、これら導体ピンが、電気的に絶縁されて平行平板導体71を貫通して導出されており、平行平板導体71、第1の誘電体線路73および第3の誘電体線路77、第1および第2の基板74a,76a、ならびに第1のPINダイオード74bおよび第2のPINダイオード76bが、または平行平板導体71、第1,第3および第6の誘電体線路73,77,75、第1および第2の基板74a,76a、ならびに第1および第2のPINダイオード74b,76bが、図2に示す本発明の実施の形態の他の例の振幅変調器を構成している。
第1の誘電体線路73の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信号発振部72は、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向に合致するように、第1の誘電体線路73の高周波発生素子の近傍に配置された可変容量ダイオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波,正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用のミリ波信号として出力する。なお、高周波ダイオードと可変容量ダイオードとの組み合わせと同等の機能を有するVCOをミリ波信号発振部として用いてもよく、これによっても同じ目的を達成できることは言うまでもない。
なお、図4において、78a〜78cはモードサプレッサである。また、74a,76aはミリ波信号を振幅変調する第1および第2のPINダイオード74b,76bが設けられた第1および第2の基板であり、それぞれ図8に示すような構成である。
また、送信アンテナ80aおよび受信アンテナ83aは、第4の誘電体線路80および第7の誘電体線路83の先端をテーパー状とすることによりそれぞれ設けられる。または、送信アンテナ80a,受信アンテナ83aは、それぞれ平行平板導体71に開口を設け、平行平板導体71の外面にその開口に金属導波管を介してホーンアンテナ等のアンテナを接続した構成のものでもよい。
また、第1の誘電体線路73は第1のPINダイオード74bの入力用誘電体線路に、第6の誘電体線路75は第1のPINダイオード74bと第2のPINダイオード76bとの間を接続する入力兼出力用誘電体線路に、第3の誘電体線路77は第1のPINダイオード74bおよび第2のPINダイオード76bからの出力用誘電体線路にそれぞれ相当する。
本発明のミリ波送受信器において、2枚の同一形状のフェライト板79aは平行平板導体71の内面に対してその主面が平行にかつ同心状に対向配置されるが、平行平板導体71の内面にそれらの主面が接していてもよく、また平行平板導体71の内面から所定の間隔をあけて設置してもよい。なお、図4に示すような円板状のフェライト板79aの代わりに、正多角形のフェライト板を用いてもよい。その場合は、接続される誘電体線路の本数をn本(nは2以上の整数である。)とすると、その平面形状は正m角形(mは3以上の整数である。)とするのがよい。
以上のような図3,図4に示すミリ波レーダモジュール用のミリ波信号発振部52,72をガンダイオードで構成したものを図9,図10に示す。図9,図10において、92はガンダイオード93を設置(マウント)するための略直方体の金属ブロック等の金属部材、93はミリ波を発振する高周波ダイオードの1種であるガンダイオード、94は金属部材92の一側面に設置され、ガンダイオード93にバイアス電圧を供給するとともに高周波信号の漏れを防ぐローパスフィルタとして機能するチョーク型バイアス供給線路94aを形成した配線基板、95はチョーク型バイアス供給線路94aとガンダイオード93の上部導体とを接続する金属箔リボン等の帯状導体、96は誘電体基体に共振用の金属ストリップ線路96aを設けた金属ストリップ共振器、97は金属ストリップ共振器96により共振した高周波信号をミリ波信号発振部外へ導く誘電体線路である。
さらに、誘電体線路97の中途には、周波数変調用ダイオードであって可変容量ダイオードの1種であるバラクタダイオード90を実装した配線基板98を設置している。このバラクタダイオード90のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路97での高周波信号の伝搬方向に垂直かつ平行平板導体の主面に平行な方向(電界方向)とされている。また、バラクタダイオード90のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路97中を伝搬するLSM01モードの高周波信号の電界方向と合致しており、これにより高周波信号とバラクタダイオード90とを電磁結合させ、バイアス電圧を制御することによりバラクタダイオード90の静電容量を変化させることで、高周波信号の周波数を制御できる。また、99はバラクタダイオード90と誘電体線路97とのインピーダンス整合をとるための高比誘電率の誘電体板である。
また、図10に示すように、配線基板98の一主面には第2のチョーク型バイアス供給線路100が形成され、第2のチョーク型バイアス供給線路100の中途にバラクタダイオード90が配置される。第2のチョーク型バイアス供給線路100のバラクタダイオード90との接続部には、接続用の電極91が形成されている。
そして、ガンダイオード93から発振された高周波信号は、金属ストリップ共振器96を通して誘電体線路97に導出される。次に、高周波信号の一部はバラクタダイオード90部で反射されてガンダイオード93側へ戻る。この反射信号がバラクタダイオード90の静電容量の変化に伴って変化し、発振周波数が変化する。
また、図3,図4に示すミリ波レーダモジュールはFMCW(Frequency Modulation Continuous Waves)方式のものであり、その動作原理は以下のようなものである。ミリ波信号発振部の変調信号入力用のMODIN端子に、電圧振幅の時間変化が三角波,正弦波等となる入力信号を入力し、その出力信号を周波数変調し、ミリ波信号発振部の出力周波数偏移を三角波,正弦波等になるように偏移させる。そして、送受信アンテナ60a,送信アンテナ80aより出力信号(送信波)を放射した場合、送受信用アンテナ60a,送信アンテナ80aの前方にターゲットが存在すると、電波の伝搬速度の往復分の時間差を伴って、反射波(受信波)が戻ってくる。このとき、ミキサー63,84の出力側のIFOUT端子には、送信波と受信波との周波数差に対応した中間周波信号が出力される。
このIFOUT端子の出力の出力周波数等の周波数成分を解析することで、Fif=4R・fm・Δf/c(Fif:IF(Intermediate Frequency:中間周波数)出力周波数であり、R:距離,fm:変調周波数,Δf:周波数偏移幅,c:光速である。)という関係式から距離を求めることができる。
本発明のミリ波送受信器を構成するミリ波信号発振部において、チョーク型バイアス供給線路94aおよび帯状導体95の材料は、Cu,Al,Au,Ag,W,Ti,Ni,Cr,Pd,Pt等から成り、特にCu,Agが、電気伝導度が良好であり、損失が小さく、発振出力が大きくなるといった点で好ましい。
また、帯状導体95は金属部材92の表面から所定間隔をあけて金属部材92と電磁結合しており、チョーク型バイアス供給線路94aとガンダイオード93間に架け渡されている。すなわち、帯状導体95の一端はチョーク型バイアス供給線路94aの一端に半田付け等により接続され、帯状導体95の他端はガンダイオード93の上部導体に半田付け等により接続されており、帯状導体95の接続部を除く中途部分は宙に浮いた状態となっている。
そして、金属部材92は、ガンダイオード93の電気的な接地(アース)を兼ねているため、金属等の導体であればよく、その材料は金属(合金を含む)であれば特に限定されるものではなく、真鍮(黄銅:Cu−Zn合金),Al,Cu,SUS(ステンレススチール),Ag,Au,Pt等から成る。また金属部材92は、全体が金属から成る金属ブロック,セラミックスやプラスチック等の絶縁基体の表面全体または部分的に金属メッキしたもの,絶縁基体の表面全体または部分的に導電性樹脂材料等をコートしたものであってもよい。
かくして、本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールは、透過損失の小さい本発明の振幅変調器を有することによって、高い送信信号強度が得られる高性能のものとなり、また、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、その結果、探知距離を増大させることが可能となる(図3に示す例。)。また、透過損失の小さい本発明の振幅変調器を有することによって、高い送信信号強度が得られる高性能のものとなり、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、さらに送信用のミリ波信号がサーキュレータを介してミキサーへ混入することがなく、その結果、受信信号のノイズが低減し探知距離をさらに増大させることが可能なものとなる(図4に示す例。)。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、第1の基板54a,74aおよび第2の基板56a,76aのそれぞれに第1のPINダイオード54b,74bおよび第2のPINダイオード56b,76bを設ける代わりに、1つの基板の表裏面それぞれに1つずつ、第1および第2のPINダイオードを設ける構成としてもよく、その場合には、入力兼出力用誘電体線路は必要なくなり、小型化に有利なものとなる。
以上、説明したように、本発明によれば、振幅変調器の入力側から見た反射係数と出力側から見た反射係数とを同じにして振幅変調器の透過損失を小さくし、また、PINダイオードが設けられた2つの基板間で各基板用に設けられた電気信号の供給用の配線同士が干渉しないようにしつつ、できる限り2つの基板を近づけて配置して、さらに振幅変調器の透過損失を小さくした非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器を提供することができるものとなる。
(a)および(b)は、それぞれ本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器の実施の形態の一例を示す斜視図および平面図である。 (a),(b)および(c)は、それぞれ本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器の実施の形態の他の例を示す斜視図,平面図および断面図である。 本発明の第1のミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについて実施の形態の一例を示す平面図である。 本発明の第2のミリ波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについて実施の形態の一例を示す平面図である。 NRDガイドの基本構成を示す部分破断斜視図である。 従来のNRDガイド用の振幅変調器を示し、(a)は振幅変調器の斜視図、(b)は振幅変調器の平面図である。 図3の振幅変調器の高周波信号の反射損失の周波数特性を示すグラフである。 本発明の振幅変調器に用いられるPINダイオードを設けた配線基板の例を示す斜視図である。 本発明のミリ波レーダモジュールにおける電圧制御型のミリ波信号発振部の例を示す斜視図である。 図9のミリ波信号発振部用のバラクタダイオードを設けた配線基板の例を示す斜視図である。
符号の説明
1a:入力用誘電体線路
1b:出力用誘電体線路
1c:入力兼出力用誘電体線路
2a:第1のPINダイオード
2b:第2のPINダイオード
3a:第1の基板
3b:第2の基板
4a,4b:導体ピン(導体線)
5a,5b:平行平板導体
11,12,51,71:平行平板導体
31:PINダイオード
52,72:ミリ波信号発振部
53,73:第1の誘電体線路(入力用誘電体線路)
54a,74a:第1の基板
54b,74b:第1のPINダイオード
55,75:第6の誘電体線路(入力兼出力用誘電体線路)
56a,76a:第2の基板
56b,76b:第2のPINダイオード
57,77:第3の誘電体線路(出力用誘電体線路)
59a,64a,67a,79a:フェライト板
59a1,64a1,67a1,79a1:第1の接続部
59a2,64a2,67a2,79a2:第2の接続部
59a3,64a3,67a3,79a3:第3の接続部
60,80:第4の誘電体線路
60a:送受信アンテナ
61,81:第5の誘電体線路
62,82:第2の誘電体線路
63,84:ミキサー
80a:送信アンテナ
65,83:第7の誘電体線路
66:第8の誘電体線路
68:第9の誘電体線路
66a,68a:無反射終端器
83a:受信アンテナ
93:ガンダイオード
A:サーキュレータ
B:第2のサーキュレータ
C:第3のサーキュレータ

Claims (9)

  1. 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、高周波信号を入力する入力用誘電体線路と、該入力用誘電体線路の先端部に設けられた第1のPINダイオードと、前記入力用誘電体線路の前記先端部の延長方向上に前記第1のPINダイオードを透過した高周波信号が入力されるように配置された第2のPINダイオードと、該第2のPINダイオードを透過した高周波信号が入力されるように配置され、前記第1および第2のPINダイオードの少なくとも一方によって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路とが設けられており、前記第1のPINダイオードおよび前記第2のPINダイオードは第1および第2の基板にそれぞれ固定されており、前記第1の基板上の前記第1のPINダイオードと前記入力用誘電体線路の端面とが対向しているとともに前記第2の基板上の前記第2のPINダイオードと前記出力用誘電体線路の端面とが対向していることを特徴とする非放射性誘電体線路用の振幅変調器。
  2. 前記第1のPINダイオードによって振幅変調された高周波信号が入力されるとともに該高周波信号を前記第2のPINダイオードに入力するように出力する入力兼出力用誘電体線路を設け、該入力兼出力用誘電体線路の線路長を、前記第1および第2のPINダイオードに順方向バイアス電圧を印加していないときに、前記第1のPINダイオードから入力され前記第2のPINダイオードで反射され前記第1のPINダイオードで反射されて前記第2のPINダイオードから前記出力用誘電体線路に漏洩する高周波信号と、前記第1のPINダイオードから入力され前記第1および第2のPINダイオードで反射されずに前記第2のPINダイオードから前記出力用誘電体線路に漏洩する高周波信号との位相差をδとしたとき、δ=πとなるようにしていることを特徴とする請求項1記載の非放射性誘電体線路用の振幅変調器。
  3. 前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非放射性誘電体線路用の振幅変調器。
  4. 送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
    高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
    該第1の誘電体線路の一端に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
    前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
    前記第1の誘電体線路の他端に付設された第1の基板上に配置され、前記送信用のミリ波信号を振幅変調する第1のPINダイオードと、
    前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように第2の基板上に配置され、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号を振幅変調する第2のPINダイオードと、
    一端に前記第2のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように配置された第3の誘電体線路と、
    前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有するサーキュレータであって、前記第1の接続部に前記第3の誘電体線路の他端が接続されたサーキュレータと、
    該サーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを有する第4の誘電体線路と、
    前記送受信アンテナで受信され前記第4の誘電体線路を伝搬して前記サーキュレータの前記第3の接続部より出力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第5の誘電体線路と、
    前記第2の誘電体線路の中途と前記第5の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
    前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが請求項1記載の振幅変調器を構成していることを特徴とするミリ波送受信器。
  5. 前記第1および第2のPINダイオードの間に、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力され、前記第2のPINダイオードに出力する第6の誘電体線路が配置されており、前記平行平板導体、前記第1,第3および第6の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが請求項2記載の振幅変調器を構成していることを特徴とする請求項4記載のミリ波送受信器。
  6. 前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されており、前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが、または前記平行平板導体、前記第1,第3および第6の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが請求項3記載の振幅変調器を構成していることを特徴とする請求項4または請求項5記載のミリ波送受信器。
  7. 送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
    高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
    該第1の誘電体線路の一端に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
    前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
    前記第1の誘電体線路の他端に付設された第1の基板上に配置され、前記送信用のミリ波信号を振幅変調する第1のPINダイオードと、
    前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように第2の基板上に配置され、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号を振幅変調する第2のPINダイオードと、
    一端に前記第2のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力されるように配置された第3の誘電体線路と、
    前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有するサーキュレータであって、前記第1の接続部に前記第3の誘電体線路の他端が接続されたサーキュレータと、
    該サーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有する第4の誘電体線路と、
    前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前記送信アンテナで受信混入した受信波を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端部で前記受信波を減衰させる第5の誘電体線路と、
    先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けられた第6の誘電体線路と、
    前記第2の誘電体線路の中途と前記第6の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
    前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが請求項1記載の振幅変調器を構成していることを特徴とするミリ波送受信器。
  8. 前記第1および第2のPINダイオードの間に、前記第1のPINダイオードを透過したミリ波信号が入力され、前記第2のPINダイオードに出力する第7の誘電体線路が配置されており、前記平行平板導体、前記第1,第3および第7の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが請求項2記載の振幅変調器を構成していることを特徴とする請求項7記載のミリ波送受信器。
  9. 前記第1および第2の基板上に前記第1および第2のPINダイオードに電気信号を供給するための導体線がそれぞれ固定されているとともに、これら導体線が、電気的に絶縁されて前記平行平板導体を貫通して導出されており、前記平行平板導体、前記第1および第3の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが、または前記平行平板導体、前記第1,第3および第7の誘電体線路、前記第1および第2の基板、ならびに前記第1および第2のPINダイオードが請求項3記載の振幅変調器を構成していることを特徴とする請求項7または請求項8記載のミリ波送受信器。
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