JP3709186B2 - 非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器 - Google Patents

非放射性誘電体線路用の振幅変調器およびそれを用いたミリ波送受信器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非放射性誘電体線路型のミリ波集積回路,ミリ波レーダーモジュール等に組み込まれ、ミリ波信号をスイッチイングまたはASK(Amplituded Shift Keying)変調させる変調器、およびそれを用いた非放射性誘電体線路型のミリ波送受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波やミリ波の高周波信号を伝送させるためには金属導波管が多く用いられてきたが、近年の高周波モジュールの小型化の要求により、誘電体線路を高周波信号の導波路として用いた高周波モジュールが開発されている。なかでも、高周波信号の伝送損失の少ない非放射性誘電体線路(Nonradiative Dielectric Waveguideで、以下NRDガイドともいう)が注目されている。NRDガイドの基本構成を図2に示す。同図に示すように、所定の間隔aでもって平行配置された平行平板導体11,12の間に、断面形状が長方形等の矩形状の誘電体線路13を配置した構成であり、この間隔aが高周波信号の波長λに対してa≦λ/2であれば、外部から誘電体線路13へのノイズの侵入をなくしかつ外部への高周波信号の放射をなくして、誘電体線路13中で高周波信号を効率良く伝搬させることができる。なお、高周波信号の波長λは使用周波数における空気中(自由空間)での波長である。
【0003】
このようなNRDガイドに組み込まれる、高周波信号の振幅変調器の従来例を図3(a),(b)に示す(例えば、下記の非特許文献1参照)。図3(a)は振幅変調器の斜視図、(b)は振幅変調器を上方から見たときの平面図である。この振幅変調器は、サーキュレータ(circulatorで、以下CLTともいう)とショットキーバリアダイオードとを組み合わせて使用することにより、高周波信号を振幅変調(スイッチング制御を含む)するものであり、この振幅変調器を用いたミリ波送受信器やミリ波レーダー等が開発されている。
【0004】
同図において、20a,20b,20cはテフロン、ポリスチレン等の誘電体線路からなる、LSE(Longitudinal Section Electric)モードの電磁波を遮断するモードサプレッサ、21は周囲にモードサプレッサ20a〜20cが120°の間隔で放射状に配置されるCLT用の2枚のフェライト円板、22はモードサプレッサ20a〜20cの内部に配置され、銅箔等からなるストリップ線路導体であり、電界が平行平板導体の主面に垂直方向であるLSEモードの電磁波を遮断する。また、ストリップ導体線路22はTEM(Transverse ElectroMagnetic)モードを除去するためにλ/4チョークパターンが施されている。
【0005】
また、モードサプレッサ20bのフェライト円板21と反対側の他端には、所定の空隙を設けて、テフロン、ポリスチレン等からなる誘電体線路23aが配置され、さらに、アルミナセラミックス等から成り、誘電体線路23aとは誘電率の異なる誘電体シート24が配置されている。この誘電体シート24の後方には、銅箔等からなるチョーク型バイアス供給線路構造のストリップ線路導体25がプリントされ、その中途にショットキーバリアダイオード(以下、SBDともいう)26が実装された配線基板27が配置されている。配線基板27の後方には、テフロン、ポリスチレン等からなる誘電体線路23bが配置されている。
【0006】
そして、モードサプレッサ20a中を伝搬してきた電磁波は、フェライト円版21によって波面が時計方向または反時計方向に回転されモードサプレッサ20bへ伝搬され、モードサプレッサ20cへは伝搬しない。そして、モードサプレッサ20bを伝搬した電磁波は、その先の配線基板27上のSBD26において、SBD26に順方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を入力したとき)は吸収されて出力されずにオフ状態となる。一方、SBD26に逆方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を流さないとき)は、電磁波は反射されて出力される(オン状態となる)。SBD26で反射された電磁波は、再びモードサプレッサ20b中を伝搬し、フェライト円板21によって波面が回転され、モードサプレッサ20cへ伝搬される。
【0007】
このように、SBD26にバイアス電圧をかけることにより、電磁波をASK変調(振幅変調)することができる。なお、振幅変調の度合いを大きくすると、スイッチング制御することもできる。
【0008】
さらに、平行平板導体の内面に互いに対向させて設置された2枚のフェライト板と、2枚のフェライト板に対して略放射状に複数配置された、LSMモードの電磁波を伝送するとともにLSEモードの電磁波を遮断する誘電体線路から成るモードサプレッサと、モードサプレッサの一方の端面に設置された、誘電体線路と異なる比誘電率を有するインピーダンス整合部材とから成るCLTが設けられており、誘電体配線基板上のチョーク型バイアス供給線路の中途にSBDを接続したパルス変調スイッチを、モードサプレッサの他方の端面に、SBDのバイアス電圧印加方向がLSMモードの電磁波の電界方向に合致するように設置したNRDガイド用のパルス変調器において、フェライト板の端からSBDまでの距離が略nλ/2(nは2以上の整数、λは高周波信号の波長)であること構成とすることにより、部品点数が削減されて組立再現性が向上するとともに、所望の周波数で動作させるためのインピーダンスの整合が容易になり、パルス変調器の特性を再現性良く安定して得られ、信頼性の高いものを生産性良く製造できる、NRDガイド用のパルス変調器を、本出願人は提案した(特願2001−22711)。
【0009】
また、高周波信号を伝搬させる誘電体線路と、誘電体線路の一端側に空隙および他の誘電体線路を介して、配線基板上のチョーク型バイアス供給線路の中途にSBDが接続されているとともにSBDのバイアス電圧印加方向がLSMモードの電磁波の電界方向に合致するように設置されているパルス変調用スイッチとを具備したことにより、部品点数が削減されて組立再現性が向上するとともに、所望の周波数で動作させるためのインピーダンス整合が容易になり、パルス変調器の良好な特性を再現性良く安定して得られ、信頼性の高いものを生産性良く製造できる、NRDガイド用のパルス変調器を、本出願人は提案した(特願2001−161506)。
【0010】
また、先端部にLSEモードの電磁波を遮断するモードサプレッサが設けられるとともに高周波信号が伝送される複数の誘電体線路が、平行平板導体の内面に主面が平行かつ同心状に対向配置された2枚のフェライト板に対して各モードサプレッサの先端が接続されるとともに略放射状に配置されているCLTを、一つの接続用誘電体線路を介して2つ接続したNRDガイド用の2段型のCLTにおいて、平行平板導体の外面に、磁力線が平行平板導体の内面に略垂直になっている領域内にフェライト板が存在するように一対の磁石が設置されていることにより、2段型のCLTのそれぞれの回転方向が同じになるため、CLTが組み込まれるミリ波送受信器等が容易に構成でき、製造が容易化されて量産性に優れたものとなり、また、各CLTを互いに近接配置することができるので小型化され、さらに、2段型のCLTは磁力線が平行平板導体の内面に略垂直になっている領域内に配置されることから、高周波信号の伝搬損失が小さくなる、NRDガイド用のCLTを、本出願人は提案した(特願2002−14789)。
【0011】
【非特許文献1】
Futoshi Kuroki,Masayuki Sugioka,Shinji Matsukawa,Kengo Ikeda,and T.Yoneyama,“High−Speed ASK Transceiver Based on the NRD−Guide Technology at 60−GHz Band”,IEEE Transaction on Microwave Theory and Techniqes,USA,IEEE,JUNE 1988,VOL.46,NO.6,pp806−810
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3のような2つのCLTおよびSBDからなる従来の振幅変調器は、図4に示すようにオン/オフ比(アイソレーション)が周波数によって大きく異なり、オン/オフ比を例えば15dB以上に大きくとるためには、使用する周波数帯域が限られるという問題点があった。
【0013】
また、上記振幅変調器をミリ波レーダーモジュール等に組み込んで使用する場合、ミリ波レーダーモジュールは温度変化が激しい自動車のエンジンルーム等に搭載されることとなるが、振幅変調器の周波数特性は温度に依存するため、環境温度によりオン/オフ比が変化するという問題点があった。
【0014】
従って、本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、2つのCLTにそれぞれ設けられたSBDに入力する順方向電流をそれぞれ制御することにより、所定値以上のオン/オフ比が得られるようにすることができ、また、振幅変調の周波数特性が使用環境温度に左右されるのを抑制することができるものとすることにある。
【0015】
本発明の非放射性誘電体線路用の振幅変調器は、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、該平行平板導体の内面に互いに対向させて配置された2枚のフェライト板と、該2枚のフェライト板に対して略放射状に配置された、高周波信号を入力する入力用誘電体線路、先端部にショットキーバリアダイオードが設けられた変調用誘電体線路および前記ショットキーバリアダイオードによって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路をそれぞれ具備した第1および第2のサーキュレータが接続されて設けられており、該第1および第2のサーキュレータは、前記第1のサーキュレータの出力用誘電体線路が前記第2のサーキュレータの入力用誘電体線路を兼ねることによって接続されており、前記第1のサーキュレータ側の前記ショットキーバリアダイオードの順方向電流を、前記第1のサーキュレータに入力される前記高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御するとともに、前記第2のサーキュレータ側の前記ショットキーバリアダイオードの順方向電流を、前記第1のサーキュレータのオン/オフ比によって低下した前記高周波信号の電圧振幅に対して、その低下した前記高周波信号の入力パワーにおいて最大の吸収特性が得られる順方向電流値とすることによって所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御する制御回路が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明の振幅変調器は、第1のCLT側のショットキーバリアダイオード(SBD)の順方向電流を第1のサーキュレータ(CLT)に入力される高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御するとともに第2のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLTのオン/オフ比によって低下した高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御する制御回路が設けられていることから、2つのCLTにそれぞれ設けられたSBDに入力する順方向電流をそれぞれ制御することにより、所定値以上のオン/オフ比が得られる。
【0017】
即ち、SBDは、順方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を流したとき;SBDオン時)は、高周波信号の大部分を吸収してその反射がほとんどなく、逆方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を流さないとき;SBDオフ時)は、高周波信号の大部分を反射するものであるが、SBDのオフ時の高周波信号の反射特性は高周波信号の入力パワー(電圧振幅)によって変化するため、高周波信号のある入力パワーに対して最大のオン/オフ比が得られる最適な順方向電流値が存在する。また、2つのSBDは、双方ともオンかオフとされて駆動されるが、第1のCLT側のSBDに順方向にバイアス電圧をかけたとき、SBDで大部分吸収され反射された高周波信号の入力パワーは相当に低下しているので、第2のCLT側のSBDでは、その低下した高周波信号の入力パワーにおいて最大の吸収特性が得られる順方向電流値とする必要がある。これにより、2つのCLTを通過した高周波信号について所定値以上のオン/オフ比が得られることとなる。
【0018】
また、SBDは高周波信号の周波数および温度によってオン/オフ比が変化するため、第1のCLT側のSBDの順方向電流値をある周波数および温度において最適値とすることはできるが、第1のCLT側のSBDで大部分吸収され反射された高周波信号の入力パワーは周波数および温度によって変化するため、第2のCLT側のSBDではその変化を考慮した制御を行なう必要がある。このような周波数および温度による変化を加味した第2のCLT側のSBDの制御は、周波数および温度の変化に完全に追随することができない場合もあり、後述するように2つのCLTで所定値以上のオン/オフ比が得られるように近似的に制御することができる。これにより、2つのCLTを通過した高周波信号について所定値以上のオン/オフ比が得られることとなる。
【0019】
本発明の振幅変調器において、好ましくは、前記高周波信号は周波数が76〜77GHzとされていることを特徴とする。
【0020】
本発明の振幅変調器は、高周波信号は周波数が76〜77GHzとされていることから、本発明の振幅変調器を作動周波数が76〜77GHz程度であるミリ波レーダーモジュール等のミリ波送受信器に用いた場合に、発振器の発振周波数が温度等で変化しても広い帯域で高周波信号の高いオン/オフ比が得られるものとなる。
【0021】
また本発明の振幅変調器において、好ましくは、前記制御回路は前記平行平板導体の内面または外面に設けられていることを特徴とする。
【0022】
本発明の振幅変調器は、制御回路は平行平板導体の内面または外面に設けられていることから、振幅変調器が小型化され、また、制御回路とSBDとの間の信号線が短縮化されて信号線に余計なインダクタンスやキャパシタンスが発生しにくくなるためSBDを高精度に制御でき、その結果、高いオン/オフ比を得るのに有利なものとなる。
【0023】
本発明のミリ波送受信器は、
送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
該第1の誘電体線路に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有する第1のサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続される第1のサーキュレータと、
該第1のサーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第3の誘電体線路と、
前記第1のサーキュレータの前記第3の接続部に一端が接続された第4の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第4の接続部,第5の接続部および第6の接続部を有する第2のサーキュレータであって、前記第4の接続部に前記第4の誘電体線路の他端が接続された第2のサーキュレータと、
前記第2のサーキュレータの前記第5の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第5の誘電体線路と、
前記第2のサーキュレータの前記第6の接続部に一端が接続された第6の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第7の接続部,第8の接続部および第9の接続部を有する第3のサーキュレータであって、前記第7の接続部に前記第6の誘電体線路の他端が接続された第3のサーキュレータと、
該第3のサーキュレータの前記第8の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを有する第7の誘電体線路と、
前記送受信アンテナで受信され前記第7の誘電体線路を伝搬して前記第3のサーキュレータの前記第9の接続部より出力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第8の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第8の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
前記第1および第2のサーキュレータが上記本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とする。
【0024】
本発明のミリ波送受信器は、上記の構成により、高いオン/オフ比でもって高周波信号を振幅変調したりスイッチングできる高性能のものとなる。
【0025】
また、本発明のミリ波送受信器は、
送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
該第1の誘電体線路に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有する第1のサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続される第1のサーキュレータと、
該第1のサーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第3の誘電体線路と、
前記第1のサーキュレータの前記第3の接続部に一端が接続された第4の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第4の接続部,第5の接続部および第6の接続部を有する第2のサーキュレータであって、前記第4の接続部に前記第4の誘電体線路の他端が接続された第2のサーキュレータと、
前記第2のサーキュレータの前記第5の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第5の誘電体線路と、
前記第2のサーキュレータの前記第6の接続部に一端が接続された第6の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第7の接続部,第8の接続部および第9の接続部を有する第3のサーキュレータであって、前記第7の接続部に前記第6の誘電体線路の他端が接続された第3のサーキュレータと、
該第3のサーキュレータの前記第8の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有する第7の誘電体線路と、
前記第3のサーキュレータの前記第9の接続部に接続され、前記送信アンテナで受信混入した受信波を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端部で前記受信波を減衰させる第8の誘電体線路と、
先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けられた第9の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第9の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
前記第1および第2のサーキュレータが上記本発明の振幅変調器を構成していることを特徴とする。
【0026】
本発明のミリ波送受信器は、上記の構成により、送信アンテナと受信アンテナとが独立して設けられているため、送信用のミリ波信号がミキサーに混入することが防止されるとともに、高いオン/オフ比でもって高周波信号を振幅変調したりスイッチングできる高性能のものとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のNRDガイド用の振幅変調器およびミリ波送受信器としてのミリ波レーダーモジュールについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の振幅変調器の透視斜視図であり、同図において、4a〜4dは誘電体線路であり、それらの先端部にはCLTのアイソレーションを向上させるためにLSEモードの電磁波を遮断するモードサプレッサ1a〜1eが設けられている。モードサプレッサ1a〜1eの内部には、図3に示したように、TEMモードを除去するためにλ/4チョークパターンからなるCu製の導体が設けられており、モードサプレッサ1a〜1eの先端にはインピーダンス整合用の誘電体板6a〜6fが接合されている。
【0028】
また、2a,2bは周囲にモードサプレッサ1a〜1eが120°の間隔で放射状に配置されるCLT用の1対のフェライト円板である。また、平行平板導体を介してフェライト円板2a,2bの上下には、CLTとして機能させるための磁石が配置される。
【0029】
第1のCLT(図1では右側のCLT)では、モードサプレッサ1a中を伝搬してきた高周波信号(電磁波)は、フェライト円板2aによって波面が時計方向(または反時計方向)に回転されてモードサプレッサ1bへ伝搬され、モードサプレッサ1cへは伝搬されない。同様に、モードサプレッサ1b中を伝搬してきた電磁波は、モードサプレッサ1cへ伝搬される。このようにして、電磁波の伝搬路が変換される。また、第2のCLTにおいては、誘電体線路1c中を伝搬してきた電磁波は、フェライト円板2bによって波面が時計方向(または反時計方向)に回転されてモードサプレッサ1dへ伝搬され、モードサプレッサ1eへは伝搬されない。同様に、モードサプレッサ1d中を伝搬してきた電磁波は、モードサプレッサ1eへ伝搬される。このようにして、電磁波の伝搬路が変換される。フェライト円板2a,2bの主面に略垂直に印加される直流磁界のS極とN極の位置を逆にすると、高周波信号の波面の回転方向も逆転することは言うまでもない。
【0030】
本発明において、誘電体線路4b,4cの先端部にミリ波信号を振幅変調するSBDを設けた配線基板5a,5bが設けられている。これらの配線基板5a,5bは、図5のような構成のものである。例えば、図5における配線基板30の一主面にチョーク型バイアス供給線路33を形成し、その中途にフリップチップ実装、バンプ実装またはハンダ実装されたSBD31を設けたものである。このSBD31の順方向電流をオン/オフすることにより、ミリ波信号をオン/オフ制御(スイッチング制御)等の振幅制御することができる。
【0031】
本発明において、2枚の同一形状のフェライト円板2a,2bは平行平板導体の内面に対してその主面が平行にかつ同心状に対向配置されるが、平行平板導体の内面にそれらの主面が接していてもよく、また平行平板導体の内面から所定の間隔をあけて設置してもよい。なお、図1のものは、2枚のフェライト円板2a,2bの主面とモードサプレッサ1a〜1eの主面とは面一とされ、それらは平行平板導体の内面に接した状態である。上記フェライト円板2a,2bの代わりに正多角形のフェライト板を用いてもよく、その場合接続される誘電体線路の本数をn本(nは2以上の整数)とすると、その平面形状は正m角形(mは3以上の整数)である。
【0032】
本発明において、誘電体線路1a〜1eの材料は、テフロン,ポリスチレン等の樹脂、または低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックス,アルミナ(Al)セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックスが好ましく、これらは高周波帯域において低損失である。
【0033】
本発明でいう高周波帯域は、数10〜数100GHz帯域のマイクロ波帯域およびミリ波帯域に相当し、例えば30GHz以上、特に50GHz以上、更には70GHz以上の高周波帯域が好適である。特に、76〜77GHzが好ましく、この場合、本発明の振幅変調器を作動周波数が76〜77GHz程度である自動車用のミリ波レーダーモジュール等のミリ波送受信器に用いた場合に、発振器の発振周波数が温度等で変化しても広い帯域で高周波信号の高い透過特性が得られるものとなる。
【0034】
本発明のNRDガイド用の平行平板導体は、高い電気伝導度および加工性等の点で、Cu,Al,Fe,Ag,Au,Pt,SUS(ステンレススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の導体板、あるいはセラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したものでもよい。
【0035】
また、本発明のNRDガイドは、高周波発生素子としてガンダイオード等の高周波ダイオードを用い、高周波発生素子から出力された高周波信号の伝搬路に設けられたバラクタダイオード等の可変容量ダイオードのバイアス電圧を電圧制御することによって周波数変調する電圧制御発振器(Voltage Control Oscillator:VCO)を組み込むことによって、無線LAN,自動車のミリ波レーダー等に使用される。例えば、自動車の周囲の障害物および他の自動車に対しミリ波信号を照射し、反射波を元のミリ波信号と合成して中間周波信号を得、この中間周波信号を分析することにより、障害物および他の自動車までの距離、それらの移動速度等が測定できる。
【0036】
そして、本発明の振幅変調器は、2つのCLTにそれぞれ設けられたSBDに入力する順方向電流をそれぞれ制御することにより、所定値以上のオン/オフ比が得られるようにすることができる。また、高周波帯域においてアイソレーション特性が改善される帯域幅が格段に広くなる。
【0037】
即ち、SBDは、順方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を流したとき;SBDオン時)は、高周波信号の大部分を吸収してその反射がほとんどなく、逆方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を流さないとき;SBDオフ時)は、高周波信号の大部分を反射するものであるが、SBDのオフ時の高周波信号の反射特性は高周波信号の入力パワー(電圧振幅)によって変化するため、高周波信号のある入力パワーに対して最大のオン/オフ比が得られる最適な順方向電流値が存在する。また、2つのSBDは、双方ともオンかオフとされて駆動されるが、第1のCLT側のSBDに順方向にバイアス電圧をかけたとき、SBDで大部分吸収され反射された高周波信号の入力パワーは相当に低下しているので、第2のCLT側のSBDでは、その低下した高周波信号の入力パワーにおいて最大の吸収特性が得られる順方向電流値とする必要がある。これにより、2つのCLTを通過した高周波信号について所定値以上のオン/オフ比が得られることとなる。
【0038】
また、SBDは高周波信号の周波数および温度によってオン/オフ比が変化するため、第1のCLT側のSBDの順方向電流値をある周波数および温度において最適値とすることはできるが、第1のCLT側のSBDで大部分吸収され反射された高周波信号の入力パワーは周波数および温度によって変化するため、第2のCLT側のSBDではその変化を考慮した制御を行なう必要がある。このような周波数および温度による変化を加味した第2のCLT側のSBDの制御は、周波数および温度の変化に完全に追随することができない場合もあり、後述するように2つのCLTで所定値以上のオン/オフ比が得られるように近似的に制御することができる。これにより、2つのCLTを通過した高周波信号について所定値以上のオン/オフ比が得られることとなる。
【0039】
本発明において、所定値以上とは、例えば2つのCLTで合わせて20dB以上という値であり、20dB未満ではオン/オフ比(アイソレーション)が小さいため、十分なS/N比がとれず、CLTをミリ波レーダーに組み込んだ場合に最大検知距離が不十分であったり、誤検知が生ずる可能性がある。
【0040】
そして、2つのCLTで合わせて20dB以上のオン/オフ比を得る2つの場合について以下に説明する。
【0041】
第1の場合として、SBDの入力パワー依存性が入力パワー1dBの変化に対してオン/オフ比が1dB以下である場合は、第2のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLT側のSBDによって10dB低下したパワーで最大のオン/オフ比(10dB以上)が得られるように設定する。これにより、2つのCLTで合わせて20dB以上のオン/オフ比が得られる。
【0042】
第2の場合として、SBDの入力パワー依存性が入力パワー1dBの変化に対してオン/オフ比が1.1dB以下である場合は、第2のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLT側のSBDによって11dB低下したパワーで最大のオン/オフ比が得られるように設定する。このとき、第1のCLT側のSBDのオン/オフ比による高周波信号(周波数76〜77GHz)の入力パワーの低下をRT1、周波数によるRT1のずれ(低下分)をx、第2のCLT側のSBDのオン/オフ比による高周波信号の入力パワーの低下をRT2とした場合、RT1が11〜20dBのとき、下記表1のようになり、全ての場合でRT1+RT2は20dB以上得られる。
【0043】
なお、第2の場合において、SBDの入力パワー依存性が入力パワー1dBの変化に対してオン/オフ比が1.1dB以下であるとしているが、これは、入力パワー1dBの変化に対してオン/オフ比の変化が1.1dB以下であることによる。また、周波数によるRT1のずれxに対して、RT2を(10−1.1×x)で線形的に規定しているが、実際には(1.1×x)の項は非線形的に変化する場合がある。即ち、厳密にはxの大きさによって1.1dBの値が変化する場合があるが、その変化量はわずかであるため、上記のように近似的に線形的に規定できる。
【0044】
【表1】
Figure 0003709186
【0045】
また、温度によるRT1のずれについても同様であり、第2のCLT側のSBDの順方向電流をSBDの電流依存性に合わせて適切に設定することによって、RT1が変動しても目標とするオン/オフ比を得ることができる。
【0046】
従って、周波数によるずれおよび温度変化によるずれを考慮して上記のような制御を行なうことも可能である。
【0047】
上記のような制御を行う制御回路(図示せず)は、振幅変調器が組み込まれるNRDガイドやミリ波送受信器等の外部に設けることもできるが、NRDガイドを成す平行平板導体の内面または外面に設けることが好ましく、この場合、振幅変調器が小型化され、また、制御回路とSBDとの間の信号線が短縮化されて信号線に余計なインダクタンスやキャパシタンスが発生しにくくなるためSBDを高精度に制御でき、その結果、所定値以上のオン/オフ比を得るのに有利なものとなる。
【0048】
次に、本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダーモジュールについて以下に説明する。
【0049】
図6〜図9は本発明のミリ波レーダーモジュールを示し、図6は送信アンテナと受信アンテナが一体化されたものの平面図、図7は送信アンテナと受信アンテナが独立したものの平面図、図8はミリ波信号発振部の斜視図、図9はミリ波信号発振部用の可変容量ダイオード(バラクタダイオード)を設けた配線基板の斜視図である。
【0050】
図6のミリ波レーダーモジュールは、送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体(他方は省略する)51間に高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路53と、第1の誘電体線路53に付設され、ミリ波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し、第1の誘電体線路53中を伝搬させるミリ波信号発振部52と、第1の誘電体線路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー62側へ伝搬させる第2の誘電体線路61とが設けられている。
【0051】
また、平行平板導体51間に、平行平板導体51に平行に対向配置された2枚のフェライト板55aの周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部55a1、第2の接続部55a2および第3の接続部55a3を有する第1のサーキュレータ(CLT)Aであって、第1の誘電体線路53のミリ波信号の出力端に第1の接続部55a1が接続される第1のCLTAと、第1のCLTAの第2の接続部55a2に一端が接続され、ミリ波信号を振幅変調するSBDが他端部(先端部)に接続された第3の誘電体線路56と、第1のCLTAの第3の接続部55a3に一端が接続された第4の誘電体線路54cとが設けられている。
【0052】
また、平行平板導体間51に、平行平板導体51に平行に対向配置された2枚のフェライト板55bの周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第4の接続部55b1、第5の接続部55b2および第6の接続部55b3を有する第2のCLTBであって、第4の誘電体線路54cのミリ波信号の出力端に第4の接続部55b1が接続される第2のCLTBと、第2のCLTBの第5の接続部55b2に一端が接続され、ミリ波信号を振幅変調するSBDが他端部(先端部)に接続された第5の誘電体線路58と、第2のCLTBの第6の接続部55b3に一端が接続された第6の誘電体線路54eとが設けられている。
【0053】
また、平行平板導体間51に、平行平板導体51に平行に対向配置された2枚のフェライト板55cの周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第7の接続部55c1、第8の接続部55c2および第9の接続部55c3を有する第3のCLTCであって、第7の接続部55c1に第6の誘電体線路54eの他端が接続された第3のCLTCと、第3のCLTCの第8の接続部55c2に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナ59aを有する第7の誘電体線路59と、送受信アンテナ59aで受信され第7の誘電体線路59を伝搬して第3のCLTCの第9の接続部55c3より出力した受信波をミキサー62側へ伝搬させる第8の誘電体線路60と、第2の誘電体線路61の中途と第8の誘電体線路60の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波数信号を発生させるミキサー62とが設けられている。
【0054】
そして、SBDがそれぞれ設けられた第1および第2のCLTA,Bが本発明の振幅変調器である。なお、図中M1は中間周波数信号を発生させるミキサー部、61aは、第2の誘電体線路61のミキサー62と反対側の端部に設けられた無反射終端部(ターミネータ)である。
【0055】
第1の誘電体線路53の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信号発振部52は、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向に合致するように、第1の誘電体線路53の高周波発生素子(高周波ダイオード等)近傍に配置された可変容量ダイオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波、正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用のミリ波信号として出力する。なお、高周波ダイオードと可変容量ダイオードとの組み合わせと同等の機能を有するVCO(VCOは電圧で周波数を変化させる発振器であり、例えば可変容量ダイオードを用いずにガンダイオード(高周波発生素子)のバイアス電圧を変化させるものも可能である)をミリ波信号発振部として用いることで、同じ目的を達成できることは言うまでも無い。
【0056】
なお、図6において、54a〜54gはモードサプレッサである。また、57a,57bはミリ波信号を振幅変調するSBDが設けられた配線基板であり、図5のような構成である。例えば、図5の配線基板30の一主面にチョーク型バイアス供給線路33を形成し、その中途にフリップチップ実装、バンプ実装またはハンダ実装されたSBD31を設けたスイッチである。このSBD31の順方向電流を流すまたは流さないという制御をすることにより、ミリ波信号をオフ(吸収)−オン(反射)制御(スイッチング制御)または振幅変調することができる。
【0057】
また、送受信アンテナ59aは、第7の誘電体線路59の先端をテーパー状とすることにより設けられる。または、送受信アンテナ59aは、平行平板導体51に開口を設け、平行平板導体51の外面にその開口に金属導波管を介してホーンアンテナ等のアンテナを接続した構成のものでもよい。
【0058】
第4,第6の誘電体線路54c,54eは接続用誘電体線路であり、その略全体がモードサプレッサとなっている。
【0059】
また、第1の誘電体線路53は第1のCLTAの入力用誘電体線路、第3の誘電体線路56は第1のCLTAの変調用誘電体線路、第4の誘電体線路54cは第1のCLTAの出力用誘電体線路に相当する。第4の誘電体線路54cは第2のCLTBの入力用誘電体線路、第5の誘電体線路58は第2のCLTBの変調用誘電体線路、第6の誘電体線路54eは第2のCLTBの出力用誘電体線路に相当する。
【0060】
また、本発明のミリ波レーダーモジュールの他の実施形態として、送信アンテナと受信アンテナを独立させた図7のタイプがある。
【0061】
図7のものは、送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体(他方は省略する)65間に高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路67と、第1の誘電体線路67に付設され、ミリ波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し、第1の誘電体線路67中を伝搬させるミリ波信号発振部66と、第1の誘電体線路67に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路67に一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー76側へ伝搬させる第2の誘電体線路69とが設けられている。
【0062】
また、平行平板導体65間に、平行平板導体65に平行に対向配置された2枚のフェライト板70aの周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部70a1、第2の接続部70a2および第3の接続部70a3を有する第1のCLTAであって、第1の誘電体線路67のミリ波信号の出力端に第1の接続部70a1が接続される第1のCLTAと、第1のCLTAの第2の接続部70a2に一端が接続され、ミリ波信号を振幅変調するSBDが他端部(先端部)に接続された第3の誘電体線路71と、第1のCLTAの第3の接続部70a3に一端が接続された第4の誘電体線路68cとが設けられている。
【0063】
また、平行平板導体65間に、平行平板導体65に平行に対向配置された2枚のフェライト板70bの周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第4の接続部70b1、第5の接続部70b2および第6の接続部70b3を有する第2のCLTBであって、第4の誘電体線路68cのミリ波信号の出力端に第4の接続部70b1が接続される第2のCLTBと、第2のCLTBの第5の接続部70b2に一端が接続され、ミリ波信号を振幅変調するSBDが他端部(先端部)に接続された第5の誘電体線路72と、第2のCLTBの第6の接続部70b3に一端が接続された第6の誘電体線路68eとが設けられている。
【0064】
また、平行平板導体65間に、平行平板導体65に平行に対向配置された2枚のフェライト板70cの周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第7の接続部70c1、第8の接続部70c2および第9の接続部70c3を有する第3のCLTCであって、第7の接続部70c1に第6の誘電体線路68eの他端が接続された第3のCLTCと、第3のCLTCの第8の接続部70c2に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナ73aを有する第7の誘電体線路73と、送信アンテナ73aで受信混入した受信波を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端74aで受信波を減衰させる第8の誘電体線路74と、先端部に受信アンテナ75a、他端部にミキサー76が各々設けられた第9の誘電体線路75と、第2の誘電体線路69の中途と第9の誘電体線路75の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波数信号を発生させるミキサー76とが設けられている。
【0065】
そして、それぞれSBDが設けられた第1および第2のCLTA,Bが本発明の振幅変調器である。なお、図中M2は中間周波数信号を発生させるミキサー部、69aは、第2の誘電体線路69のミキサー76と反対側の端部に設けられた無反射終端部(ターミネータ)である。
【0066】
第1の誘電体線路67の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信号発振部66は、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向に合致するように、第1の誘電体線路67の高周波発生素子近傍に配置された可変容量ダイオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波、正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用のミリ波信号として出力する。なお、高周波ダイオードと可変容量ダイオードとの組み合わせと同等の機能を有するVCOをミリ波信号発振部として用いることで、同じ目的を達成できることは言うまでもない。
【0067】
なお、図7において、68a〜68gはモードサプレッサである。また、77a,77bはミリ波信号を振幅変調するSBDが設けられた配線基板であり、図5のような構成である。
【0068】
また、送信アンテナ73a、受信アンテナ75aは、第7の誘電体線路73、第9の誘電体線路75の先端をテーパー状とすることによりそれぞれ設けられる。または、送信アンテナ73a、受信アンテナ75aは、平行平板導体65に開口を設け、平行平板導体65の外面にその開口に金属導波管を介してホーンアンテナ等のアンテナを接続した構成のものでもよい。
【0069】
第4,第6の誘電体線路68c,68eは接続用誘電体線路であり、その略全体がモードサプレッサとなっている。
【0070】
また、第1の誘電体線路67は第1のCLTAの入力用誘電体線路、第3の誘電体線路71は第1のCLTAの変調用誘電体線路、第4の誘電体線路68cは第1のCLTAの出力用誘電体線路に相当する。第4の誘電体線路68cは第2のCLTBの入力用誘電体線路、第5の誘電体線路72は第2のCLTBの変調用誘電体線路、第6の誘電体線路68eは第2のCLTBの出力用誘電体線路に相当する。
【0071】
図6,図7のミリ波レーダーモジュール用のミリ波信号発振部52,66をガンダイオードで構成したものを図8,図9に示す。これらの図において、82は、ガンダイオード83を設置(マウント)するための略直方体の金属ブロック等の金属部材、83は、ミリ波を発振する高周波ダイオードの1種であるガンダイオード、84は、金属部材82の一側面に設置され、ガンダイオード83にバイアス電圧を供給するとともに高周波信号の漏れを防ぐローパスフィルタとして機能するチョーク型バイアス供給線路84aを形成した配線基板、85は、チョーク型バイアス供給線路84aとガンダイオード83の上部導体とを接続する金属箔リボン等の帯状導体、86は、誘電体基体に共振用の金属ストリップ線路86aを設けた金属ストリップ共振器、87は、金属ストリップ共振器86により共振した高周波信号をミリ波信号発振部外へ導く誘電体線路である。
【0072】
さらに、誘電体線路87の中途には、周波数変調用ダイオードであって可変容量ダイオードの1種であるバラクタダイオード80を装荷した配線基板88を設置している。このバラクタダイオード80のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路87での高周波信号の伝搬方向に垂直かつ平行平板導体の主面に平行な方向(電界方向)とされている。また、バラクタダイオード80のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路87中を伝搬するLSM01モードの高周波信号の電界方向と合致しており、これにより高周波信号とバラクタダイオード80とを電磁結合させ、バイアス電圧を制御することによりバラクタダイオード80の静電容量を変化させることで、高周波信号の周波数を制御できる。また、89は、バラクタダイオード80と誘電体線路87とのインピーダンス整合をとるための高比誘電率の誘電体板である。
【0073】
また図9に示すように、配線基板88の一主面には第2のチョーク型バイアス供給線路90が形成され、第2のチョーク型バイアス供給線路90の中途にバラクタダイオード80が配置される。第2のチョーク型バイアス供給線路90のバラクタダイオード80との接続部には、接続用の電極81が形成されている。
【0074】
そして、ガンダイオード83から発振された高周波信号は、金属ストリップ共振器86を通して誘電体線路87に導出される。次に、高周波信号の一部はバラクタダイオード80部で反射されてガンダイオード83側へ戻る。この反射信号がバラクタダイオード80の静電容量の変化に伴って変化し、発振周波数が変化する。
【0075】
また、図6,図7のミリ波レーダーモジュールはFMCW(Frequency Modulation Continuous Waves)方式であり、その動作原理は以下のようなものである。ミリ波信号発振部の変調信号入力用のMODIN端子に、電圧振幅の時間変化が三角波,正弦波等となる入力信号を入力し、その出力信号を周波数変調し、ミリ波信号発振部の出力周波数偏移を三角波,正弦波等になるように偏移させる。そして、送受信アンテナ59a,送信アンテナ75aより出力信号(送信波)を放射した場合、送受信用アンテナ59a,送信アンテナ75aの前方にターゲットが存在すると、電波の伝搬速度の往復分の時間差をともなって、反射波(受信波)が戻ってくる。この時、ミキサー62,76の出力側のIFOUT端子には、送信波と受信波の周波数差が出力される。
【0076】
このIFOUT端子の出力周波数等の周波数成分を解析することで、Fif=4R・fm・Δf/c(Fif:IF(Intermediate Frequency:中間周波数)出力周波数,R:距離,fm:変調周波数,Δf:周波数偏移幅,c:光速)という関係式から距離を求めることができる。
【0077】
本発明のミリ波信号発振部において、チョーク型バイアス供給線路84aおよび帯状導体85の材料は、Cu,Al,Au,Ag,W,Ti,Ni,Cr,Pd,Pt等から成り、特にCu,Agが、電気伝導度が良好であり、損失が小さく、発振出力が大きくなるといった点で好ましい。
【0078】
また、帯状導体85は金属部材82の表面から所定間隔をあけて金属部材82と電磁結合しており、チョーク型バイアス供給線路84aとガンダイオード素子83間に架け渡されている。即ち、帯状導体85の一端はチョーク型バイアス供給線路84aの一端に半田付け等により接続され、帯状導体85の他端はガンダイオード素子83の上部導体に半田付け等により接続されており、帯状導体85の接続部を除く中途部分は宙に浮いた状態となっている。
【0079】
そして、金属部材82は、ガンダイオード素子83の電気的な接地(アース)を兼ねているため金属等の導体であれば良く、その材料は金属(合金を含む)であれば特に限定するものではなく、真鍮(黄銅:Cu−Zn合金),Al,Cu,SUS(ステンレススチール),Ag,Au,Pt等から成る。また金属部材82は、全体が金属から成る金属ブロック、セラミックスやプラスチック等の絶縁基体の表面全体または部分的に金属メッキしたもの、絶縁基体の表面全体または部分的に導電性樹脂材料等をコートしたものであっても良い。
【0080】
かくして、本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダーモジュールは、高いオン/オフ比(アイソレーション)を有する振幅変調器を有した高性能のものとなり、また、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、その結果探知距離を増大し得る(図6のもの)。また、高いオン/オフ比(アイソレーション)を有する振幅変調器を有した高性能のものとなり、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、さらに送信用のミリ波信号がCLTを介してミキサーへ混入することがなく、その結果受信信号のノイズが低減し探知距離をさらに増大し得るものとなる(図7のもの)。
【0081】
【実施例】
本発明の振幅変調器の実施例を以下に説明する。
【0082】
図1の振幅変調器を以下のようにして構成した。平行平板導体として縦50mm×横50mm×厚さ6mmの2枚のAl板を1.8mmの間隔で配置し、それらの間に断面形状が1.8mm(高さ)×0.8mm(幅)の矩形状であり、比誘電率4.9のコーディエライトセラミックスから成る誘電体線路4a〜4dの先端部にモードサプレッサ1a〜1eを設け、モードサプレッサ1eとともに120°の等間隔で放射状になるように2枚ずつのフェライト円板2a,2bに接続して配置した。なお、モードサプレッサ1a〜1eは、内部にλ/4チョークパターンが施されたCuを同時焼成したガラスセラミックスである。
【0083】
このとき、モードサプレッサ1a〜1eの上下面が計4枚のフェライト円板2a,2bの主面に面一となるようにした。即ち、4枚のフェライト円板2a,2bの2枚ずつを平行平板導体の内面に互いに対向させて設置し、略長方形のインピーダンス整合部材6a〜6fの上下にフェライト円板2a,2bの厚さに略等しい間隔でそれぞれ段差ができるよう構成している。
【0084】
フェライト円板2a,2bの寸法は直径2.0mm、厚さ0.23mmであり、フェライト円板2a,2bの上下の平行平板導体の外面に直流磁界を印加するための磁石を配置した。即ち、平行平板導体の外面のフェライト円板2a,2bに対応する部分に、フェライト円板2a,2bと同心的に直径12.5mm、深さ5mmの円形の凹部を形成し、その凹部に厚さ4.5mmで直径12.5mmの円板状の磁石を設置した。
【0085】
また、モードサプレッサ1a〜1eの先端部に接着されたインピーダンス整合部材6a〜6fは、比誘電率4.9のコーディライトセラミックスから成り、その伝送方向に垂直な面での断面形状は高さ1.34mm×幅0.8mmで、伝送方向の厚さは0.15mmであった。従って、モードサプレッサ1a〜1eとインピーダンス整合部材6a〜6fとの段差は、フェライト円板2a,2bの厚みに相当する0.23mmとした。
【0086】
さらに、配線基板5a,5bの裏側(誘電体線路4b,4cと反対側の面)には、図5に示すようにチョーク型バイアス供給線路33がプリントされている。チョーク型バイアス供給線路33の幅の広い線路と幅の狭い線路について、幅の広い線路の長さはλ/4=0.7mm(λは周波数76.5GHzの場合の波長)、幅の狭い線路の長さもλ/4=0.7mmであり、幅の広い線路部の幅は1.5mm、幅の狭い線路部の幅は0.1mmである。そして、チョーク型バイアス供給線路33上にはSBD31がチョーク型バイアス供給線路33の途中の電極32にフリップチップ実装されている。
【0087】
そして、第1のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLTに入力される高周波信号(76〜77GHz)の電圧振幅に対して最大のオン/オフ比が得られるように制御し、第2のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLTのオン/オフ比によって低下した高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御する制御回路を、平行平板導体の外面に設けた。
【0088】
この制御回路は、SBDの入力パワー依存性が入力パワー1dBの変化に対してオン/オフ比が1.1dBであるため、高周波信号のオフ時には、第2のCLT側のSBDの順方向電流を第1のCLT側のSBDによって11dB低下したパワーで最大のオン/オフ比が得られるような電流値となるように設定してある。
【0089】
上記構成の振幅変調器について、スペクトラムアナライザを用いて76〜77GHzの高周波帯域で、高周波信号のオン/オフ比(アイソレーション特性)を図10に示す。
【0090】
本実施例では、76.5GHz±0.5GHzを目的の周波数としており、オン/オフ比は全周波数帯域にわたって20dB以上であった。また、−30℃〜85℃の温度範囲でオン/オフ比は全周波数帯域にわたって20dB以上であった。
【0091】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0092】
本発明の振幅変調器は、第1のサーキュレータ(CLT)側のショットキーバリアダイオード(SBD)の順方向電流を、第1のCLTに入力される高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御するとともに、第2のCLT側のSBDの順方向電流を、第1のCLTのオン/オフ比によって低下した高周波信号の電圧振幅に対して、その低下した前記高周波信号の入力パワーにおいて最大の吸収特性が得られる順方向電流値とすることによって所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御する制御回路が設けられていることから、2つのCLTにそれぞれ設けられたSBDに入力する順方向電流をそれぞれ制御することにより、所定値以上のオン/オフ比が得られる。
【0093】
即ち、第1のCLT側のSBDに順方向にバイアス電圧をかけたとき(順方向電流を流したとき)、SBDで大部分吸収され反射された高周波信号の入力パワーは相当に低下しているので、第2のCLT側のSBDでは、その低下した高周波信号の入力パワーにおいて所定値以上の吸収特性が得られる順方向電流値とする必要がある。これにより、2つのCLTを通過した高周波信号について所定値以上のオン/オフ比が得られることとなる。
【0094】
また、SBDは高周波信号の周波数および温度によってオン/オフ比が変化するため、第1のCLT側のSBDの順方向電流値をある周波数および温度において最適値とすることはできるが、第1のCLT側のSBDで反射された高周波信号の入力パワーは周波数および温度によって変化するため、第2のCLT側のSBDではその変化を考慮した制御を行なう必要がある。このような周波数および温度による変化を加味した第2のCLT側のSBDの制御は、周波数および温度の変化に完全に追随することができない場合もあり、2つのCLTで所定値以上のオン/オフ比が得られるように近似的に制御することができる。これにより、2つのCLTを通過した高周波信号について所定値以上のオン/オフ比が得られることとなる。
【0095】
本発明の振幅変調器は、好ましくは高周波信号は周波数が76〜77GHzとされていることから、本発明の振幅変調器を作動周波数が76〜77GHz程度であるミリ波レーダーモジュール等のミリ波送受信器に用いた場合に、発振器の発振周波数が温度等で変化しても広い帯域で高周波信号の高いオン/オフ比が得られるものとなる。
【0096】
また本発明の振幅変調器は、好ましくは、制御回路は平行平板導体の内面または外面に設けられていることから、振幅変調器が小型化され、また、制御回路とSBDとの間の信号線が短縮化されて信号線に余計なインダクタンスやキャパシタンスが発生しにくくなるためSBDを高精度に制御でき、その結果、高いオン/オフ比を得るのに有利なものとなる。
【0097】
本発明のミリ波送受信器は、送受信アンテナを有するものの場合、本発明の振幅変調器を用いることにより、高いオン/オフ比が得られる高性能のものとなるとともに、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、その結果ミリ波レーダー等に適用した場合にその探知距離を増大し得るものとなる。また、本発明の送信アンテナと受信アンテナとが独立したものの場合、高いオン/オフ比が得られる高性能のものとなるとともに、より高周波帯域および広い帯域幅でミリ波信号の伝送損失およびアイソレーション特性が改善され、また送信用のミリ波信号がCLTを介してミキサーへ混入することがなく、従ってミリ波レーダーモジュールに適用した場合受信信号のノイズが低減し、ミリ波信号の伝送特性に優れるとともに探知距離をさらに増大し得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNRDガイド用の振幅変調器の透視斜視図である。
【図2】NRDガイドの基本構成を示し、内部を一部透視したものの斜視図である。
【図3】従来のNRDガイド用の振幅変調器を示し、(a)は振幅変調器の斜視図、(b)は振幅変調器の平面図である。
【図4】図3の振幅変調器の高周波信号の反射損失の周波数特性を示すグラフである。
【図5】本発明の振幅変調器に用いられるショットキーバリアダイオードを設けた配線基板の斜視図である。
【図6】本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダーモジュールについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図7】本発明のミリ波送受信器としてのミリ波レーダーモジュールについて実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図8】本発明のミリ波レーダーモジュールにおける電圧制御型のミリ波信号発振部の斜視図である。
【図9】図8のミリ波信号発振部用のバラクタダイオードを設けた配線基板の斜視図である。
【図10】本発明の振幅変調器のオン/オフ比の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1a〜1e:モードサプレッサ
2a,2b:フェライト円板
4a〜4d:誘電体線路
5a,5b:ショットキーバリアダイオードを設けた配線基板

Claims (5)

  1. 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、該平行平板導体の内面に互いに対向させて配置された2枚のフェライト板と、該2枚のフェライト板に対して略放射状に配置された、高周波信号を入力する入力用誘電体線路、先端部にショットキーバリアダイオードが設けられた変調用誘電体線路および前記ショットキーバリアダイオードによって振幅変調された高周波信号を出力する出力用誘電体線路をそれぞれ具備した第1および第2のサーキュレータが接続されて設けられており、該第1および第2のサーキュレータは、前記第1のサーキュレータの出力用誘電体線路が前記第2のサーキュレータの入力用誘電体線路を兼ねることによって接続されており、前記第1のサーキュレータ側の前記ショットキーバリアダイオードの順方向電流を前記第1のサーキュレータに入力される前記高周波信号の電圧振幅に対して所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御するとともに前記第2のサーキュレータ側の前記ショットキーバリアダイオードの順方向電流を前記第1のサーキュレータのオン/オフ比によって低下した前記高周波信号の電圧振幅に対して、その低下した前記高周波信号の入力パワーにおいて最大の吸収特性が得られる順方向電流値とすることによって所定値以上のオン/オフ比が得られるように制御する制御回路が設けられていることを特徴とする非放射性誘電体線路用の振幅変調器。
  2. 前記高周波信号は周波数が76〜77GHzとされていることを特徴とする請求項1記載の非放射性誘電体線路用の振幅変調器。
  3. 前記制御回路は前記平行平板導体の内面または外面に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非放射性誘電体線路用の振幅変調器。
  4. 送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
    高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
    該第1の誘電体線路に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
    前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
    前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有する第1のサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続される第1のサーキュレータと、
    該第1のサーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第3の誘電体線路と、
    前記第1のサーキュレータの前記第3の接続部に一端が接続された第4の誘電体線路と、前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第4の接続部,第5の接続部および第6の接続部を有する第2のサーキュレータであって、前記第4の接続部に前記第4の誘電体線路の他端が接続された第2のサーキュレータと、
    前記第2のサーキュレータの前記第5の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第5の誘電体線路と、
    前記第2のサーキュレータの前記第6の接続部に一端が接続された第6の誘電体線路と、前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第7の接続部,第8の接続部および第9の接続部を有する第3のサーキュレータであって、
    前記第7の接続部に前記第6の誘電体線路の他端が接続された第3のサーキュレータと、該第3のサーキュレータの前記第8の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを有する第7の誘電体線路と、
    前記送受信アンテナで受信され前記第7の誘電体線路を伝搬して前記第3のサーキュレータの前記第9の接続部より出力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第8の誘電体線路と、
    前記第2の誘電体線路の中途と前記第8の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
    前記第1および第2のサーキュレータが請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振幅変調器を構成していることを特徴とするミリ波送受信器。
  5. 送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、
    高周波発生素子から出力され周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路と、
    該第1の誘電体線路に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周期的に周波数変調して送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、
    前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
    前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有する第1のサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続される第1のサーキュレータと、
    該第1のサーキュレータの前記第2の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第3の誘電体線路と、
    前記第1のサーキュレータの前記第3の接続部に一端が接続された第4の誘電体線路と、前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第4の接続部,第5の接続部および第6の接続部を有する第2のサーキュレータであって、前記第4の接続部に前記第4の誘電体線路の他端が接続された第2のサーキュレータと、
    前記第2のサーキュレータの前記第5の接続部に一端が接続され、前記ミリ波信号を振幅変調するショットキーバリアダイオードが他端に接続された第5の誘電体線路と、
    前記第2のサーキュレータの前記第6の接続部に一端が接続された第6の誘電体線路と、前記平行平板導体に平行に対向配置された2枚のフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第7の接続部,第8の接続部および第9の接続部を有する第3のサーキュレータであって、前記第7の接続部に前記第6の誘電体線路の他端が接続された第3のサーキュレータと、
    該第3のサーキュレータの前記第8の接続部に一端が接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有する第7の誘電体線路と、
    前記第3のサーキュレータの前記第9の接続部に接続され、前記送信アンテナで受信混入した受信波を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端部で前記受信波を減衰させる第8の誘電体線路と、
    先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けられた第9の誘電体線路と、前記第2の誘電体線路の中途と前記第9の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサーとを具備しており、
    前記第1および第2のサーキュレータが請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振幅変調器を構成していることを特徴とするミリ波送受信器。
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