JP2001339247A - 高周波ダイオード発振器およびそれを用いたミリ波送受信器 - Google Patents

高周波ダイオード発振器およびそれを用いたミリ波送受信器

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JP2001339247A
JP2001339247A JP2000155172A JP2000155172A JP2001339247A JP 2001339247 A JP2001339247 A JP 2001339247A JP 2000155172 A JP2000155172 A JP 2000155172A JP 2000155172 A JP2000155172 A JP 2000155172A JP 2001339247 A JP2001339247 A JP 2001339247A
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millimeter
wave signal
frequency
dielectric line
line
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JP2000155172A
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English (en)
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Hironori Yoshii
浩紀 喜井
Nobuki Hiramatsu
信樹 平松
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発振周波数を容易かつ再現性良く調整でき、ま
た高周波ダイオード発振器の小型化に有利なものとする
こと。 【解決手段】NRDガイド型のガンダイオード発振器に
おいて、チョーク型バイアス供給線路4aの幅の広い線
路および幅の狭い線路の長さをそれぞれ略λ/4、帯状
導体5の長さを略{(3/4)+n}λ(nは0以上の
整数)とし、金属部材2と帯状導体5との隙間に対し略
平行なスリット状の貫通孔8が隙間の直上および/また
は直下の平行平板導体1の部位に形成され、中途に括れ
部または突出部が形成された誘電体板9が、隙間に入り
込み上下動することにより括れ部または突出部が隙間に
出入りするように貫通孔8に挿置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミリ波集積回路等
の高周波回路に組み込まれるガンダイオード発振器等の
高周波ダイオード発振器であって、発振周波数の調整機
能を有する非放射性誘電体線路型の高周波ダイオード発
振器およびそれを用いたミリ波送受信器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のガンダイオード発振器を図6に示
す。同図において、1は一対の平行平板導体であり、そ
れらの間隔dをd≦λ/2とすることにより外部から誘
電体線路6へのノイズの侵入をなくしかつ外部への高周
波信号の放射をなくして信号を伝送させる、所謂非放射
性誘電体線路(NonRadiative Dielectric waveguide
で、以下、NRDガイドという)を構成する。なお、λ
は使用周波数において空気中を伝搬する電磁波(高周波
信号)の波長である。
【0003】また、2はガンダイオード素子を設置(マ
ウント)するための略直方体状の金属ブロック等の金属
部材、3はマイクロ波,ミリ波を発振する高周波ダイオ
ードの1種であるガンダイオード素子、4は金属部材2
の一側面に設置され、ガンダイオード素子3にバイアス
電圧を供給するとともに高周波信号の漏れを防ぐローパ
スフィルタとして機能するチョーク型バイアス供給線路
4aを形成した配線基板、5はチョーク型バイアス供給
線路4aとガンダイオード素子3の上部導体とを接続す
る金属箔リボン等の帯状導体、6はガンダイオード素子
3の近傍に配置され高周波信号を受信し外部へ伝搬させ
る誘電体線路である。なお、図6では、内部を透視する
ために平行平板導体1の上側を一部切り欠いている。ま
た、帯状導体5は金属部材2の表面から所定間隔をあけ
てチョーク型バイアス供給線路4aとガンダイオード素
子3との間に架け渡されている。
【0004】そして、帯状導体5の主面に平行な主面を
有する略四角柱状の誘電体チップ7を帯状導体5に近接
配置して電磁結合させ、高周波信号の発振周波数を制御
可能とすることを本出願人は先に提案した(特願平11
−237318号)。また、この場合、チョーク型バイ
アス供給線路4aは、幅の広い線路の長さと幅の狭い線
路の長さとがそれぞれ略λ/4であるチョークを構成し
ており、帯状導体5の長さは略{(3/4)+n}λ
(nは0以上の整数)に設定され、チョーク型バイアス
供給線路4aと帯状導体5とで共振器を構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ガ
ンダイオード発振器においては、高周波信号の発振周波
数を調整するために誘電体チップ7を帯状導体5に近接
配置させていたが、誘電体チップ7の位置調整による発
振周波数の制御は困難であり、再現性良く発振周波数を
微調整することは難しかった。また、誘電体チップ7を
手動により位置調整し易いように大型化しようとする
と、ガンダイオード発振器全体が大型化し、小型、軽量
化ができなくなるという問題点があった。
【0006】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、高周波ダイオード発振器
の発振周波数の微調整を再現性良く可能とし、また発振
周波数の調整量を変化させることが可能なものとするこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波ダイオー
ド発振器は、高周波信号の波長λの2分の1以下の間隔
で配置した平行平板導体間に金属部材を設置し、該金属
部材に、高周波信号を発振する高周波ダイオードと、幅
の広い線路と幅の狭い線路が交互に形成されたチョーク
型バイアス供給線路と、前記高周波ダイオードと前記チ
ョーク型バイアス供給線路との間に架け渡されて直線状
に接続する帯状導体とを設けるとともに、前記平行平板
導体間の前記高周波ダイオードの近傍に前記高周波信号
を受信し伝搬させる誘電体線路を設けて成る高周波ダイ
オード発振器において、前記チョーク型バイアス供給線
路の幅の広い線路および幅の狭い線路の長さをそれぞれ
略λ/4、前記帯状導体の長さを略{(3/4)+n}
λ(nは0以上の整数)とするとともに、前記金属部材
と前記帯状導体との隙間に対し略平行なスリット状の貫
通孔が、前記隙間の直上および/または直下の前記平行
平板導体の部位に形成され、中途に括れ部または突出部
が形成された誘電体板が、前記隙間に入り込み上下動す
ることにより前記括れ部または前記突出部が前記隙間に
出入りするように前記貫通孔に挿置されていることを特
徴とする。
【0008】本発明は、このような構成により、チョー
ク型バイアス供給線路と帯状導体とが高周波ダイオード
の発振周波数を決定する共振器として機能し、その共振
器の帯状導体と金属部材の間に中途に括れ部または突出
部を有する誘電体板を上下動可能に配置して、誘電体板
と帯状導体の重なる部分を容易かつ再現性良く微調整可
能な構成とすることで、帯状導体と金属部材の電磁結合
の状態を調整でき、その結果共振器の実質的な共振器長
を微妙に調整でき、従って発振周波数を再現性良く微調
整できるという作用効果を有する。
【0009】本発明のミリ波送受信器は、ミリ波信号の
波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間
に、高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、前記
高周波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号を伝
搬させる第1の誘電体線路と、バイアス電圧印加方向が
前記ミリ波信号の電界方向に合致するように配置され、
前記バイアス電圧を周期的に制御することによって前記
ミリ波信号を周波数変調した送信用のミリ波信号として
出力する可変容量ダイオードと、前記第1の誘電体線路
に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは
一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側
へ伝搬させる第2の誘電体線路と、前記平行平板導体に
平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔で配
置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた
第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有し、
一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号をフェ
ライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する
他の接続部より出力させるサーキュレータであって、前
記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1
の接続部が接合されたサーキュレータと、該サーキュレ
ータの第2の接続部に接合され、前記ミリ波信号を伝搬
させるとともに先端部に送受信アンテナを有する第3の
誘電体線路と、前記送受信アンテナで受信され第3の誘
電体線路を伝搬して前記サーキュレータの第3の接続部
より出力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第4の誘
電体線路と、前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の
誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるかまた
は接合させて成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合
させて中間周波信号を発生させるミキサー部と、を設け
たミリ波送受信器において、前記高周波ダイオード発振
器を上記本発明の高周波ダイオード発振器としたことを
特徴とする。
【0010】本発明のミリ波送受信器は、上記構成によ
り、ミリ波信号の周波数を微妙に調整可能であるととも
に、その伝送特性に優れ、その結果ミリ波レーダーの探
知距離を増大し得、また最適周波数で使用可能なものと
なる。
【0011】また、本発明のミリ波送受信器は、ミリ波
信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導
体間に、高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、
前記高周波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号
を伝搬させる第1の誘電体線路と、バイアス電圧印加方
向が前記ミリ波信号の電界方向に合致するように配置さ
れ、前記バイアス電圧を周期的に制御することによって
前記ミリ波信号を周波数変調した送信用のミリ波信号と
して出力する可変容量ダイオードと、前記第1の誘電体
線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかま
たは一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサ
ー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、前記平行平板導
体に平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔
で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とさ
れた第1の接続部,第2の接続部および第3の接続部を有
し、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を
フェライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接
する他の接続部より出力させるサーキュレータであっ
て、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に
第1の接続部が接続されるサーキュレータと、該サーキ
ュレータの第2の接続部に接続され、前記ミリ波信号を
伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有する第3
の誘電体線路と、先端部に受信アンテナ、他端部にミキ
サーが各々設けられた第4の誘電体線路と、前記サーキ
ュレータの第3の接続部に接続され、前記送信アンテナ
で受信混入したミリ波信号を伝搬させるとともに先端部
に設けられた無反射終端部で前記ミリ波信号を減衰させ
る第5の誘電体線路と、前記第2の誘電体線路の中途と
前記第4の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合さ
せるかまたは接合させることにより、ミリ波信号の一部
と受信波とを混合させて中間周波信号を発生させるミキ
サー部と、を設けたミリ波送受信器において、前記高周
波ダイオード発振器を請求項1記載の高周波ダイオード
発振器としたことを特徴とする。
【0012】本発明のミリ波送受信器は、このような構
成により、ミリ波信号の周波数を微調整可能であるとと
もに、送信用のミリ波信号がサーキュレータを介してミ
キサーへ混入することがなく、その結果受信信号のノイ
ズが低減し探知距離が増大し、ミリ波信号の伝送特性に
優れ、ミリ波レーダーの探知距離をさらに増大し得るも
のとなる。
【0013】上記ミリ波送受信器において、好ましく
は、前記第2の誘電体線路は、前記第3の誘電体線路に
一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは一
端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ
伝搬させるように配置されていることを特徴とする。こ
の構成においても、上記と同様の作用効果を奏する。
【0014】また、上記ミリ波送受信器において、好ま
しくは、前記第1の誘電体線路の前記第2の誘電体線路
との信号分岐部と、前記サーキュレータとの間に、バイ
アス電圧印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合致す
るように配置され、前記バイアス電圧をON−OFFす
ることによって前記ミリ波信号をパルス変調し送信用の
ミリ波信号として出力するパルス変調用ダイオードを設
けたことを特徴とする。
【0015】上記構成により、ミリ波信号をパルス化し
て送受信するパルス方式のミリ波レーダーモジュール等
のミリ波送受信器を構成できるとともに、ミリ波信号の
周波数を微調整できるとともに、その伝送特性に優れ、
ミリ波レーダーの探知距離を増大し得るものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の高周波ダイオード発振器
について以下に説明する。図1〜図3は本発明のNRD
ガイド型の高周波ダイオード発振器を示し、これらの図
において、1はガンダイオード素子等の高周波ダイオー
ドが発振する高周波信号の空気中での波長λの2分の1
以下の間隔で配置した一対の平行平板導体、2はガンダ
イオード素子3を設置(マウント)するための略直方体
状の金属ブロック等の金属部材、3はマイクロ波,ミリ
波を発振する高周波ダイオードの1種であるガンダイオ
ード素子、4は金属部材2の一側面に設置され、ガンダ
イオード素子3にバイアス電圧を供給するとともに高周
波信号の漏れを防ぐローパスフィルタとして機能するチ
ョーク型バイアス供給線路4aを形成した配線基板、5
はチョーク型バイアス供給線路4aとガンダイオード素
子3の上部導体とを接続する金属箔リボン等の帯状導
体、6はガンダイオード素子3の近傍に配置され高周波
信号を受信し外部へ伝搬させる誘電体線路である。な
お、図1では、内部を透視するために平行平板導体1の
上側を一部切り欠いて描いている。
【0017】また本発明において、チョーク型バイアス
供給線路4aは、図2に示すように、幅の広い線路およ
び幅の狭い線路の長さがそれぞれ略λ/4の広狭線路か
ら成り、また帯状導体5の長さは略{(3/4)+n}
λ(nは0以上の整数)である。この帯状導体5の長さ
は略3λ/4〜略{(3/4)+3}λが良く、略
{(3/4)+3}λを超えると帯状導体5が長くな
り、撓み、捩じれ等が生じ易くなり、個々の高周波ダイ
オード発振器間で発振周波数等の特性のばらつきが大き
くなるとともに、種々の共振モードが発生して、所望の
発振周波数と異なる周波数の信号が発生するという問題
が生じる。より好ましくは、略3λ/4,略{(3/
4)+1}λである。
【0018】また、略{(3/4)+n}λとしたの
は、{(3/4)+n}λから多少ずれていても共振は
可能だからである。例えば、帯状導体5を{(3/4)
+n}λよりも10〜20%程度長く形成しても良く、
その場合、帯状導体5の接するチョーク型バイアス供給
線路4aの1パターン目の長さλ/4のうち一部が共振
に寄与すると考えられるからである。従って、帯状導体
5の長さは{(3/4)+n}λ±20%程度の範囲内
で変化させることができる。
【0019】これらチョーク型バイアス供給線路4aお
よび帯状導体5の材料は、Cu,Al,Au,Ag,
W,Ti,Ni,Cr,Pd,Pt等から成り、特にC
u,Agが、電気伝導度が良好であり、損失が小さく、
発振出力が大きくなるといった点で好ましい。
【0020】また、帯状導体5は金属部材2の表面から
所定間隔をあけて金属部材2と電磁結合しており、チョ
ーク型バイアス供給線路4aとガンダイオード素子3間
に架け渡されている。即ち、帯状導体5の一端はチョー
ク型バイアス供給線路4aの一端に半田付け等により接
続され、帯状導体5の他端はガンダイオード素子3の上
部導体に半田付け等により接続されており、帯状導体5
の接続部を除く中途部分は宙に浮いた状態となってい
る。
【0021】そして、金属部材2は、ガンダイオード素
子3の電気的な接地(アース)を兼ねているため金属導
体であれば良く、その材料は金属(合金を含む)導体で
あれば特に限定するものではなく、真鍮(黄銅:Cu−
Zn合金),Al,Cu,SUS(ステンレススチー
ル),Ag,Au,Pt等から成る。また金属部材2
は、全体が金属から成る金属ブロック、セラミックスや
プラスチック等の絶縁基体の表面全体または部分的に金
属メッキしたもの、絶縁基体の表面全体または部分的に
導電性樹脂材料等をコートしたものであっても良い。
【0022】また、誘電体線路6の材料は、コーディエ
ライト(2MgO・2Al23・5SiO2)セラミッ
クス(比誘電率4〜5),アルミナ(Al23)セラミ
ックス(比誘電率9〜10)等が好ましく、これらは高
周波帯域において低損失である。ガンダイオード素子3
と誘電体線路6との間隔は1.0mm程度以下が好まし
く、1.0mmを超えると損失を小さくして電磁的結合
が可能な最大離間幅を超える。
【0023】本発明の高周波ダイオード発振器につい
て、誘電体板9周辺の側面図を図3の(a)に、(a)
のA−A線における断面図を(b)に示す。同図に示す
ように、金属部材2と帯状導体5との隙間に対し略平行
なスリット状の貫通孔8が、隙間の直上および/または
直下の平行平板導体1の部位に形成され、中途に括れ部
または突出部が形成された誘電体板9が、隙間に入り込
み上下動することにより括れ部または突出部が隙間に出
入りするように貫通孔8に挿置されている。この場合、
平行平板導体1の外側より誘電体板9を挿入して、位置
調整をすることができる。
【0024】上記スリット状の貫通孔8は一対の平行平
板導体1に対向させて一対形成してもよいし、一方の平
行平板導体1にのみ形成してもよい。
【0025】また、誘電体板9をアクチュエーター等で
上下動させ位置を制御することにより、誘電体板9の位
置調整の再現性がより向上し、より細かい調整が可能と
なる。
【0026】さらに、図4に誘電体板9の例を示す。こ
の図のように、誘電体板9の括れ部の形状としては階段
状(a)、円弧状(b)、上下非対称の楔状(>状)
(c)、突出部の形状としては山状(<状)(d)等が
あり、周波数調整の目的に応じて選択が可能である。例
えば、階段状の誘電体板9を用いた場合、段階的に周波
数を変えることが可能である。また、誘電体板9の括れ
部としては、図5のように、誘電体板9の主面に窪みを
付けたことにより括れ部を設けた場合でも同様の効果が
得られる。さらに、誘電体板9の先端部を先細り状と
し、その先細り部を隙間に出入りさせるものも本発明で
は使用でき、本発明の範疇である。
【0027】誘電体板9の括れ部または突出部は、換言
すれば誘電体板9の断面形状の変化部ということもでき
る。また、この括れ部または突出部は、漸次または段階
的にその形状が変化する部分を有していることが、周波
数の微調整の点で好ましい。さらには、この誘電体板9
は上下動ばかりでなく、横方向に動くようにしてもよ
い。
【0028】この誘電体板9の括れ部の最小幅は0.1
mm以上であるのがよく、0.1mm未満では、強度が
低下し使用中に破損し易くなる。また、誘電体板9の括
れ部以外の幅はλ/2以下であるのがよく、λ/2を超
えると、誘電体板9の誘電体損失が発振出力に大きく影
響する。誘電体板9の厚さは0.1mmであるのがよ
く、0.1mm未満では、強度が低下し使用中に破損し
易くなる。また、図5のように、誘電体板9に窪みを形
成して括れ部とする場合、その窪み部の厚さは0.1m
mであるのがよく、0.1mm未満では、強度が低下し
使用中に破損し易くなる。
【0029】さらに、発振周波数の変化幅、発振周波数
の変化率、Q特性等について、種々の制御が可能なよう
に、複数種の誘電体板9を使用してもよい。これらの誘
電体板9を帯状導体5の中央部分とチョーク型バイアス
供給線路4a近くに設け、帯状導体5の中央部分の誘電
体板9で、周波数を粗調整し、チョーク型バイアス供給
線路4a側で周波数を微調整することもできる。なぜな
ら、帯状導体5の中央部分は電界が最も強く分布してお
り、誘電体板9との結合が強く周波数の変化量も大きく
なるからである。
【0030】誘電体板9の材料としては、コーディエラ
イト(2MgO・2Al23・5SiO2)セラミック
ス,アルミナ(Al23)セラミックスやガラスエポキ
シ樹脂等の誘電体から成るのがよく、これらは高周波信
号に対する誘電体損失が小さい。
【0031】また、誘電体板9の比誘電率は2〜10が
好ましく、2以下では周波数の調整幅が小さくなりす
ぎ、10を超えると電磁場が誘電体板9に集中し過ぎる
ため、誘電体板9の誘電体損失が大きく影響し、発振出
力の低下等の影響がでてくる。
【0032】このように、周波数調整用の誘電体板9を
帯状導体5と金属部材2との間に設け、誘電体板9の括
れ部または突出部により帯状導体5との重なる部位の面
積を調整することで、帯状導体5の金属部材2に対する
電磁結合長を調整することができ、その結果チョーク型
バイアス供給線路4aと帯状導体5とから成る共振器の
実質的な共振器長を微妙に調整できる。例えば、帯状導
体5の電気的な共振器長を略{(3/4)+n}λより
も僅かに大きくし、発振周波数を低くすることが可能と
なる。
【0033】本発明でいう高周波帯域は、数10〜数1
00GHz帯域のマイクロ波帯域およびミリ波帯域に相
当し、例えば30GHz以上、特に50GHz以上、更
には70GHz以上の高周波帯域が好適である。
【0034】また、本発明の高周波ダイオードとして
は、インパット(impatt:impact ionisation avalan
che transit time)・ダイオード,トラパット(trap
att:trapped plasma avalanche triggered transi
t)・ダイオード,ガンダイオード等のマイクロ波ダイ
オードおよびミリ波ダイオードが好適に使用される。
【0035】本発明のNRDガイド用の平行平板導体1
は、高い電気伝導度および加工性等の点で、Cu,A
l,Fe,SUS(ステンレススチール),Ag,A
u,Pt等の導体板、あるいはセラミックス,樹脂等か
ら成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したもので
もよい。
【0036】また、本発明のNRDガイド型の高周波ダ
イオード発振器は、無線LAN,自動車のミリ波レーダ
等に使用されるものであり、例えば自動車の周囲の障害
物および他の自動車に対しミリ波を照射し、反射波を元
のミリ波と合成して中間周波信号を得、この中間周波信
号を分析することにより障害物および他の自動車までの
距離、それらの移動速度等が測定できる。
【0037】かくして、本発明は、チョーク型バイアス
供給線路4aと帯状導体5とが高周波ダイオードの発振
周波数を決定する共振器として機能し、帯状導体5と金
属部材2の間に誘電体板9を配置して、誘電体板9に括
れ部または突出部を形成することで、帯状導体5と金属
部材2との電磁結合長を調整し、その結果共振器の実質
的な共振器長を微妙に調整でき、発振周波数を再現性良
く微調整できる。
【0038】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
変更を行っても何等差し支えない。
【0039】本発明のミリ波送受信器について、以下に
説明する。図7~9は本発明のミリ波送受信器について
示すものであり、図7は送信アンテナと受信アンテナが
一体化されたものの平面図、図8は送信アンテナと受信
アンテナが独立したものの平面図、図9はスイッチ用の
PINダイオードやショットキーバリアダイオードを設
けた配線基板の斜視図である。
【0040】図7において、51は本発明の一方の平行
平板導体(他方は省略する)、52は第1の誘電体線路
53の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信号発振
部、即ち本発明の高周波ダイオード発振器を具備してお
り、さらに、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界
方向に合致するように、第1の誘電体線路53の高周波
ダイオード(高周波発生素子)近傍に配置された可変容
量ダイオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角
波,正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用
のミリ波信号として出力する。
【0041】53は、高周波ダイオードから出力された
高周波信号が変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の
誘電体線路、54は、第1,第3,第4の誘電体線路に
それぞれ結合される第1,第2,第3の接続部(図示せ
ず)を有する、フェライト円板等から成るサーキュレー
タ、55は、サーキュレータ54の第2の接続部に接続
され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信
アンテナ56を有する第3の誘電体線路、56は、第3
の誘電体線路55に金属導波管を介して接続される送受
信アンテナ、または第3の誘電体線路55の先端部をテ
ーパー状等とすることにより構成された送受信アンテナ
である。
【0042】また57は、送受信アンテナ56で受信さ
れ第3の誘電体線路55を伝搬してサーキュレータ54
の第3の接続部より出力した受信波をミキサー59側へ
伝搬させる第4の誘電体線路、58は、第1の誘電体線
路53に一端側が電磁結合するように近接配置されるか
または第1の誘電体線路53に一端が接合されて、ミリ
波信号の一部をミキサー59側へ伝搬させる第2の誘電
体線路、58aは、第2の誘電体線路58のミキサー5
9と反対側の一端部に設けられた無反射終端部(ターミ
ネータ)である。また、図中M1は、第2の誘電体線路
58の中途と第4の誘電体線路57の中途とを近接させ
て電磁結合させるかまたは接合させることにより、ミリ
波信号の一部と受信波を混合させて中間周波信号を発生
させるミキサー部である。
【0043】本発明のサーキュレータ54は、平行平板
導体15,15間に平行に配設された一対のフェライト
円板の周縁部に所定間隔、例えばフェライト円板の中心
点に関して角度で120°間隔で配置され、かつそれぞ
れミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第2の接
続部および第3の接続部を有し、一つの接続部から入力
されたミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまた
は反時計回りに隣接する他の接続部より出力させるもの
である。また、平行平板導体15の外側主面のフェライ
ト円板に相当する部位には、フェライト板を伝搬する電
磁波の波面を回転させるための磁石が、磁力線がフェラ
イト板に対し略垂直方向(略上下方向)に通過するよう
に設けられる。
【0044】本発明では、第1の誘電体線路53と第2
の誘電体線路58とを接合する場合、これらの誘電体線
路53,58のうちいずれか一方の接合部を円弧状とな
し、その円弧状部の曲率半径rを高周波信号の波長λ以
上とするのがよい。これにより、高周波信号を損失を小
さくして均等の出力で分岐させることができる。また、
第2の誘電体線路58と第4の誘電体線路57とを接合
する場合、上記と同様に、これらの誘電体線路58,5
7のうちいずれか一方の接合部を円弧状となし、その円
弧状部の曲率半径rを高周波信号の波長λ以上とするの
がよい。
【0045】そして、これらの各種部品は、ミリ波信号
の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間
に設けられている。
【0046】図7のものにおいて、第1の誘電体線路5
3の中途にスイッチを設け、それをON−OFFするこ
とでパルス変調制御することもできる。例えば、図9に
示すように、配線基板38の一主面に第2のチョーク型
バイアス供給線路40を形成し、その中途に半田実装さ
れたビームリードタイプのPINダイオードやショット
キーバリアダイオードを設けたスイッチである。この配
線基板38を、第1の誘電体線路53の第2の誘電体線
路58との信号分岐部とサーキュレータ54との間に、
PINダイオードやショットキーバリアダイオードのパ
ルス変調用ダイオードのバイアス電圧印加方向がLSM
モードの高周波信号の電界方向に合致するように配置
し、第1の誘電体線路53に介在させるものである。ま
た、第1の誘電体線路53にもう一つのサーキュレータ
を介在させ、その第1,第3の接続部に第1の誘電体線
路53を接続し、第2の接続部に他の誘電体線路を接続
し、その誘電体線路の先端部の端面に、図9ようなショ
ットキーバリアダイオードを設けたスイッチを設置して
もよい。
【0047】また、本発明のミリ波送受信器の他の実施
形態として、送信アンテナと受信アンテナを独立させた
図8のタイプがある。同図において、61は本発明の一
方の平行平板導体(他方は省略する)、62は第1の誘
電体線路63の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信
号発振部、即ち本発明の高周波ダイオード発振器を具備
するものであり、さらに、バイアス電圧印加方向が高周
波信号の電界方向に合致するように第1の誘電体線路6
3の高周波ダイオード近傍に配置された可変容量ダイオ
ードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波,正弦
波等とすることにより、周波数変調した送信用のミリ波
信号として出力する。
【0048】63は、高周波ダイオードから出力された
高周波信号が変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の
誘電体線路、64は、第1,第3,第5の誘電体線路6
3,65,67にそれぞれ接続される第1,第2,第3
の接続部(図示せず)を有する、フェライト円板等から
成るサーキュレータ、65は、サーキュレータ64の第
2の接続部に接続され、ミリ波信号を伝搬させるととも
に先端部に送信アンテナ66を有する第3の誘電体線
路、66は、第3の誘電体線路65に金属導波管を介し
て接続される送信アンテナ、67は、サーキュレータ6
4の第3の接続部に接続され、送信用のミリ波信号を減
衰させる無反射終端部67aが先端に設けられた第5の
誘電体線路である。
【0049】また68は、第1の誘電体線路63に一端
側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の
誘電体線路63に一端が接合されて、ミリ波信号の一部
をミキサー71側へ伝搬させる第2の誘電体線路、68
aは、第2の誘電体線路68のミキサー71と反対側の
一端部に設けられた無反射終端部、69は、受信アンテ
ナ70で受信された受信波をミキサー71側へ伝搬させ
る第4の誘電体線路である。また、図中M2は、第2の
誘電体線路68の中途と第4の誘電体線路69の中途と
を近接させて電磁結合させるかまたは接合させることに
より、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周
波信号を発生させるミキサー部である。
【0050】本発明では、第1の誘電体線路63と第2
の誘電体線路68とを接合する場合、これらの誘電体線
路63,68のうちいずれか一方の接合部を円弧状とな
し、その円弧状部の曲率半径rを高周波信号の波長λ以
上とするのがよい。これにより、高周波信号を損失を小
さくして均等の出力で分岐させることができる。また、
第2の誘電体線路68と第4の誘電体線路69とを接合
する場合、上記と同様に、これらの誘電体線路68,6
9のうちいずれか一方の接合部を円弧状となし、その円
弧状部の曲率半径rを高周波信号の波長λ以上とするの
がよい。
【0051】そして、これらの各種部品は、ミリ波信号
の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間
に設けられる。
【0052】図8のものにおいて、サーキュレータ64
をなくし、第1の誘電体線路63の先端部に送信アンテ
ナ66を接続した構成とすることもできる。この場合、
小型化されたものとなるが、受信波の一部がミリ波信号
発振部62に混入しノイズ等の原因となり易いため、図
8のタイプが好ましい。
【0053】この図8のものにおいて、第1の誘電体線
路63の中途に、図9に示したものと同様に構成したス
イッチを設け、それをON−OFFすることでパルス変
調制御することもできる。例えば、図9のように、配線
基板38の一主面に第2のチョーク型バイアス供給線路
40を形成し、その中途に半田実装されたビームリード
タイプのPINダイオードやショットキーバリアダイオ
ードを設けたスイッチである。この配線基板38を、第
1の誘電体線路63の第2の誘電体線路68との信号分
岐部と、サーキュレータ64との間に、PINダイオー
ドやショットキーバリアダイオードのバイアス電圧印加
方向がLSMモードの高周波信号の電界方向に合致する
ように配置し、図9に示すように第1の誘電体線路63
に介在させるものである。
【0054】また、第1の誘電体線路63にもう一つの
サーキュレータを介在させ、その第1,第3の接続部に
第1の誘電体線路63を接続し、第2の接続部に他の誘
電体線路を接続し、その誘電体線路の先端部の端面に、
図9のようなショットキーバリアダイオードを設けたス
イッチを設置してもよい。
【0055】図8のタイプにおいて、第2の誘電体線路
68が、第3の誘電体線路65に一端側が電磁結合する
ように近接配置されるかまたは第3の誘電体線路65に
一端が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサー71側
へ伝搬させるように配置されていてもよい。
【0056】また、これらのミリ波送受信器において、
平行平板導体間の間隔は、ミリ波信号の空気中での波長
であって、使用周波数での波長の2分の1以下となる。
【0057】図7,図8のミリ波送受信器用のミリ波信
号発振部52,62は、図1〜図3に示した高周波ダイ
オード発信器を具備し、さらに、例えば図1において、
帯状導体5近傍に、周波数変調用ダイオードであって可
変容量ダイオードの1種であるバラクタダイオードを装
荷した配線基板(図示せず)を設置することもできる。
このバラクタダイオードのバイアス電圧印加方向は、帯
状導体5の電界方向と合致しており、共振器を成す帯状
導体5に周波数変調用ダイオードを近接配置して電磁結
合させ、周波数変調用ダイオードに印加するバイアス電
圧を変化させることで発振周波数を制御でき、また誘電
体線路中に周波数変調用ダイオードを配置する必要がな
いため、損失が小さく高出力が得られるとともに、全体
が小型化する。さらに、周波数変調用ダイオードの位置
を調整することにより、共振器としても機能する帯状導
体と周波数変調用ダイオードとの電磁結合の強さを変え
ることができ、それにより周波数変調幅を調整し得る。
【0058】また、図7,図8のミリ波送受信器はFM
CW(Frequency Modulation Cotinuous Waves)方
式であり、FMCW方式の動作原理は以下のようなもの
である。ミリ波信号発振部の変調信号入力用のMODI
N端子に、電圧振幅の時間変化が三角波等となる入力信
号を入力し、その出力信号を周波数変調し、ミリ波信号
発振部の出力周波数偏移を三角波等になるように偏移さ
せる。そして、送受信アンテナ56,送信アンテナ66
より出力信号(送信波)を放射した場合、送受信用アン
テナ56,送信アンテナ66の前方にターゲットが存在
すると、電波の伝搬速度の往復分の時間差をともなっ
て、反射波(受信波)が戻ってくる。この時、ミキサー
59,71の出力側のIFOUT端子には、送信波と受
信波の周波数差が出力される。
【0059】このIFOUT端子の出力周波数等の周波
数成分を解析することで、Fif=4R・fm・Δf/c
{Fif:IF(Intermediate Frequency)出力周波数,
R:距離,fm:変調周波数,Δf:周波数偏移幅,
c:光速}という関係式から距離を求めることができ
る。
【0060】かくして、本発明のミリ波送受信器は、ミ
リ波信号の伝送特性に優れ、ミリ波レーダーの探知距離
を増大し得るものとなり(図7のもの)、また送信用の
ミリ波信号がサーキュレータを介してミキサーへ混入す
ることがなく、その結果受信信号のノイズが低減し探知
距離が増大するものであって(図8のもの)、ミリ波信
号の伝送特性に優れ、ミリ波レーダーの探知距離をさら
に増大し得るものとなる。
【0061】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々の変更を行うことは何等差し支えない。
【0062】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。 (実施例)図1のNRDガイド型のガンダイオード発振
器を以下のように構成した。一対の平行平板導体1,1
として、縦100mm×横100mm×厚さ2mmのA
l板を1.8mmの間隔で配置し、それらの間にガンダ
イオード素子3をネジ止めした真鍮性の金属部材2とコ
ーディエライトセラミックスから成る誘電体線路6を設
置した。この金属部材2は高さが約1.8mmの直方体
状であり、その一側面には、発振周波数約77GHzで
波長λが約3.9mmの高周波信号(電磁波)を発振す
るガンダイオード素子3と、ガンダイオード素子3にバ
イアス電圧を入力するチョーク型バイアス供給線路4a
が形成された配線基板4と、チョーク型バイアス供給線
路4aとガンダイオード素子3の上部導体とに接続され
架け渡された帯状導体5を設けた。
【0063】前記配線基板4はガラスエポキシ樹脂から
成り、金属部材2に接着剤により固定した。また、チョ
ーク型バイアス供給線路4aの幅の広い線路と幅の狭い
線路について、幅の広い線路の長さはλ/4=0.70
mm(誘電体基板上では短波長化する)、幅の狭い線路
の長さはλ/4=0.70mmであり、幅の広い線路部
の幅は1.5mm、幅の狭い線路部の幅は0.2mmで
ある。帯状導体5は厚さ35μm,幅0.6mm,長さ
3.3mmの銅箔リボンから成り、一端をチョーク型バ
イアス供給線路4aに他端をガンダイオード素子3の上
部導体に各々半田付けした。誘電体線路6は、比誘電率
5のコーディエライトセラミックスから成り、ガンダイ
オード素子3の上部導体から約0.5mmの間隔をあけ
て配置した。
【0064】そして、図3に示すように、金属部材2と
帯状導体5との隙間に対し略平行なスリット状の貫通孔
8を、隙間の直上および直下の平行平板導体1の部位に
形成した。即ち、断面が2.0mm×0.2mmの大き
さのスリット状の貫通孔8を、上下平行平板導体1,1
に形成した。そして、誘電体板9として、図3のよう
に、中央部分が1辺1.8mmの正三角形状に括れて最
小幅が約0.24mmとされた、幅2.0mm、厚み
0.2mmのガラスエポキシ基板(比誘電率4.7)を
貫通孔8から挿入し、帯状導体5と金属部材2の隙間に
入り込ませた。正三角形状の括れ部の最小部が帯状導体
5の中央に位置した場合の発振周波数は78.069G
Hzであり、誘電体板9を上へ0.3mmずらした場合
の発振周波数は77.618GHzとなり、452MH
z変化させることができた。さらに、誘電体板9を上へ
0.6mmずらすと発振周波数は76.209GHzと
なり、1.86GHzも変化させることができた。ま
た、誘電体板9の移動距離を調整することで再現性良く
発振周波数を制御できた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、NRDガイド型の高周波ダイ
オード発振器において、チョーク型バイアス供給線路の
幅の広い線路および幅の狭い線路の長さをそれぞれ略λ
/4、帯状導体の長さを略{(3/4)+n}λ(nは
0以上の整数)とするとともに、金属部材と帯状導体と
の隙間に対し略平行なスリット状の貫通孔が隙間の直上
および/または直下の平行平板導体の部位に形成され、
中途に括れ部または突出部が形成された誘電体板が、隙
間に入り込み上下動することにより括れ部または突出部
が隙間に出入りするように貫通孔に挿置されていること
により、チョーク型バイアス供給線路と帯状導体とが高
周波ダイオードの発振周波数を決定する共振器として機
能し、中途に括れ部または突出部を有する誘電体板を金
属部材と帯状導体との隙間に挿入することで、帯状導体
と誘電体板の括れ部または突出部との重なる量(面積)
を調整して、金属部材と帯状導体との電磁結合長を微調
整でき、その結果チョーク型バイアス供給線路と帯状導
体とから成る共振器の実質的な共振器長を微妙に調整で
き、また発振周波数を再現性良く調整できる。
【0066】本発明の送受信アンテナを兼用するタイプ
のミリ波送受信器は、ミリ波信号発振部が本発明の高周
波ダイオード発振器を具備することにより、発振周波数
を再現良く微調整できるとともに、送信波の一部がサー
キュレータを介してミキサーへ混入する量が減少し、そ
の結果ミリ波レーダー等に適用した場合にその探知距離
を増大し得るものとなる。
【0067】また、本発明の送信アンテナと受信アンテ
ナが独立したタイプのミリ波送受信器は、ミリ波信号発
振部が本発明の高周波ダイオード発振器を具備すること
により、発振周波数を再現良く微調整できるとともに、
送信アンテナで受信したミリ波信号がミリ波信号発振部
へ混入することがなく、従ってミリ波レーダーに適用し
た場合受信信号のノイズが低減し、ミリ波信号の伝搬特
性に優れ、ミリ波レーダーの探知距離をさらに増大し得
るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNRDガイド型の高周波ダイオード発
振器の内部を透視した斜視図である。
【図2】チョーク型バイアス供給線路および帯状導体の
平面図である。
【図3】本発明の高周波ダイオード発振器を示し、
(a)はチョーク型バイアス供給線路,帯状導体および
誘電体板付近の側面図、(b)は(a)のA−A線にお
ける断面図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明の括れ部,突出部を有
する各種誘電体板の平面図である。
【図5】本発明の主面に窪みを設けることで括れ部を形
成した誘電体板の斜視図である。
【図6】従来のNRDガイド型の高周波ダイオード発振器
の内部を透視した斜視図である。
【図7】本発明によるNRDガイド型のミリ波送受信器
の一実施形態の平面図である。
【図8】本発明によるNRDガイド型のミリ波送受信器
の他の実施形態の平面図である。
【図9】ミリ波信号を周波数変調またはパルス変調させ
るためのスイッチであり、PINダイオードやショット
キーバリアダイオードを設けた配線基板の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:平行平板導体 2:金属部材 3:ガンダイオード素子 4:配線基板 4a:チョーク型バイアス供給線路 5:帯状導体 6:誘電体線路 8:貫通孔 9:誘電体板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波信号の波長λの2分の1以下の間隔
    で配置した平行平板導体間に金属部材を設置し、該金属
    部材に、高周波信号を発振する高周波ダイオードと、幅
    の広い線路と幅の狭い線路が交互に形成されたチョーク
    型バイアス供給線路と、前記高周波ダイオードと前記チ
    ョーク型バイアス供給線路との間に架け渡されて直線状
    に接続する帯状導体とを設けるとともに、前記平行平板
    導体間の前記高周波ダイオードの近傍に前記高周波信号
    を受信し伝搬させる誘電体線路を設けて成る高周波ダイ
    オード発振器において、 前記チョーク型バイアス供給線路の幅の広い線路および
    幅の狭い線路の長さをそれぞれ略λ/4、前記帯状導体
    の長さを略{(3/4)+n}λ(nは0以上の整数)
    とするとともに、前記金属部材と前記帯状導体との隙間
    に対し略平行なスリット状の貫通孔が、前記隙間の直上
    および/または直下の前記平行平板導体の部位に形成さ
    れ、中途に括れ部または突出部が形成された誘電体板
    が、前記隙間に入り込み上下動することにより前記括れ
    部または前記突出部が前記隙間に出入りするように前記
    貫通孔に挿置されていることを特徴とする高周波ダイオ
    ード発振器。
  2. 【請求項2】ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で
    配置した平行平板導体間に、 高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、前記高周
    波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号を伝搬さ
    せる第1の誘電体線路と、 バイアス電圧印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合
    致するように配置され、前記バイアス電圧を周期的に制
    御することによって前記ミリ波信号を周波数変調した送
    信用のミリ波信号として出力する可変容量ダイオード
    と、 前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近
    接配置されるかまたは一端が接合されて、前記ミリ波信
    号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路
    と、 前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
    縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
    の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第
    3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された前
    記ミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは反
    時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサーキュ
    レータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信
    号の出力端に前記第1の接続部が接合されたサーキュレ
    ータと、 該サーキュレータの第2の接続部に接合され、前記ミリ
    波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを
    有する第3の誘電体線路と、 前記送受信アンテナで受信され第3の誘電体線路を伝搬
    して前記サーキュレータの第3の接続部より出力した受
    信波をミキサー側へ伝搬させる第4の誘電体線路と、 前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
    中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて
    成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周
    波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ波送受
    信器において、 前記高周波ダイオード発振器を請求項1記載の高周波ダ
    イオード発振器としたことを特徴とするミリ波送受信
    器。
  3. 【請求項3】ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で
    配置した平行平板導体間に、 高周波ダイオード発振器が一端部に付設され、前記高周
    波ダイオード発振器から出力されたミリ波信号を伝搬さ
    せる第1の誘電体線路と、 バイアス電圧印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合
    致するように配置され、前記バイアス電圧を周期的に制
    御することによって前記ミリ波信号を周波数変調した送
    信用のミリ波信号として出力する可変容量ダイオード
    と、 前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近
    接配置されるかまたは一端が接合されて、前記ミリ波信
    号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路
    と、 前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
    縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
    の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および第
    3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された前
    記ミリ波信号をフェライト板の面内で時計回りまたは反
    時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサーキュ
    レータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信
    号の出力端に第1の接続部が接続されるサーキュレータ
    と、 該サーキュレータの第2の接続部に接続され、前記ミリ
    波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有
    する第3の誘電体線路と、 先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けら
    れた第4の誘電体線路と、 前記サーキュレータの第3の接続部に接続され、前記送
    信アンテナで受信混入したミリ波信号を伝搬させるとと
    もに先端部に設けられた無反射終端部で前記ミリ波信号
    を減衰させる第5の誘電体線路と、 前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
    中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させる
    ことにより、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて
    中間周波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ
    波送受信器において、 前記高周波ダイオード発振器を請求項1記載の高周波ダ
    イオード発振器としたことを特徴とするミリ波送受信
    器。
  4. 【請求項4】前記第2の誘電体線路は、前記第3の誘電
    体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるか
    または一端が接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキ
    サー側へ伝搬させるように配置されていることを特徴と
    する請求項3記載のミリ波送受信器。
  5. 【請求項5】前記第1の誘電体線路の前記第2の誘電体
    線路との信号分岐部と、前記サーキュレータとの間に、
    バイアス電圧印加方向が前記ミリ波信号の電界方向に合
    致するように配置され、前記バイアス電圧をON−OF
    Fすることによって前記ミリ波信号をパルス変調し送信
    用のミリ波信号として出力するパルス変調用ダイオード
    を設けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記
    載のミリ波送受信器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1516334B (zh) * 2003-01-03 2010-05-12 台达电子工业股份有限公司 压控振荡器及其相关制作方法

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