JP4267789B2 - 溶接ビード形状の検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接ビードの外観形状を検出する溶接ビード形状検出方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁、建設機械の構造物など大型の溶接構造物の溶接部分の検査を行う場合、目視により溶接ビード脚長、のど厚、ビード幅、溶接ビード表面のアンダーカット、ピット(気孔)の有無、大きさなど溶接品質に影響する項目について外観の検査を行っている。
このような溶接ビードの外観形状を自動的に検出し溶接品質を検査するものとして、たとえば、特開平5−71932号公報や特開平10−89923号公報に開示された方法、装置が提案されている。
【0003】
これらの方法、装置では、溶接部に溶接ビードを横切るようにスリット状の光を照射し、その反射光をテレビカメラで撮像し、その画像を処理することにより溶接ビードの外観形状を検出するようになっている。
【0004】
これらの方法、装置によれば、人手を介することなく溶接部の外観検査を自動的に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法および装置においては、検出部分に照射されたスリット光の反射光を撮像し、その画像を処理して溶接ビードの形状を検出する方式であるため、専用の照明手段とテレビカメラを必要とするだけでなく、それらを被溶接物と相対移動させる構造が必要になる。さらに、画像処理を高速化するためには画像処理専用のデータ処理装置が必要となり、装置が複雑化し、大型化するだけでなく、高価なものになってしまう。
【0006】
前記の事情に鑑み、本発明の目的は、簡単な構成で安価な装置により、確実に検出することができる溶接ビード形状の検出方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本出願の請求項1に記載の発明は、照射したスポット状の光を溶接線と略直角な方向に溶接ビードを横切るように走査させ、走査方向に所定の間隔で溶接母材および溶接ビードからの反射光を受光して、溶接母材および溶接ビードの表面と反射光の受光位置との間の距離情報を取得し、この距離情報から溶接母材と溶接ビードの境界位置を検出し、この境界位置を基準として溶接ビードの外観形状を検出するようにした。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、照射したスポット状の光を溶接線と略直角な方向に溶接ビードを横切るように走査させ、走査方向に所定の間隔で溶接母材および溶接ビードからの反射光を受光して、溶接母材および溶接ビードの表面と反射光の受光位置との間の距離情報をデータとして取得し、各測定位置で取得した各々のデータの欠落部分を検出し、欠落部分の大きさと予め設定された判定基準値を比較してノイズとなる欠落部分を抽出し、その欠落部分の両端を直線補間してデータを補正するとともに、補正されない欠落部分をピットとしてその数を検出し、前記補正されたデータから溶接母材の近似直線を検出し、この近似直線から所定の距離離れた直線と溶接ビードに対応するデータとの交点を求め、この交点から溶接ビードに対応するデータを前記近似直線に近付く方向に探索して、溶接母材と溶接ビードの境界位置を検出し、この境界位置を基準として溶接ビードの外観形状を検出するようにした。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、溶接部にスポット状の光を照射する投光手段と溶接部からの反射光を受光する受光手段とを有し、溶接部と受光位置との間の距離情報を出力するセンサと、このセンサを、溶接線に沿って所定の間隔で間欠移動させ、かつその各停止位置で溶接線を略直角方向に横切るように移動させる駆動手段と、前記センサの位置に同期して前記センサを制御し、センサの出力をデータとして取り込むセンサ制御装置と、センサ制御装置で取り込まれたデータに基づいて、溶接母材と溶接ビードの境界位置を検出するとともに、この境界位置を基準として溶接ビードの外観形状を検出するデータ処理手段とを設けた。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記センサをレーザ変位計で構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図5は本発明の実施の形態を示すもので、図1は、溶接ビード形状検出装置を備えた自動溶接装置の構成図、図2は、被溶接物を構成する溶接継ぎ手の一例を示すすみ肉溶接継ぎ手の断面図、図3は、溶接ビードの検出手順を示すフローチャート、図4は、溶接部の拡大図、図5は、溶接ビードに発生するノイズの例を示す断面図、図6は、ノイズ除去手順を示すフローチャート、図7は、溶接ビードの止端位置の算出方法を示す特性図、図8は、溶接ビードの止端角を算出する方法を示す特性図である。
【0012】
図1において、1は多関節型の溶接ロボット。2は溶接トーチで、溶接ロボット1の自由端に支持されている。3はセンサで、たとえば、市販されている安価なレーザ変位計で構成され、溶接トーチ2と所定の間隔で溶接ロボット1の自由端に支持されている。
【0013】
4は制御装置で、溶接ロボット1の動作を制御し、溶接トーチ2およびセンサ3を予め教示された経路に沿って移動させるとともに、必要な信号を発信する。5は溶接電源で、溶接トーチ2と被溶接物との間に、制御装置4からの指令に対応する溶接電力を印加する。
【0014】
6はセンサ制御装置で、制御装置4からの指令に基づいてセンサ3のオン、オフ制御を行うとともに、センサ3の出力の中継を行う。7はデータ処理装置で、制御装置4からの位置信号とセンサ制御装置6で中継されたセンサ3の出力に基づいて溶接部の外形形状を検出するとともに、検出した外形形状から外観検査項目に対応するデータを算出する。
【0015】
8はデータ保管装置で、データ処理装置7で算出された溶接部の外形形状を記憶する。また、このデータ保管装置8には、溶接部の外観検査項目とその判定基準のテーブルが格納されている。9はデータ表示装置で、データ処理装置7で算出された外観検査項目に対応するデータとデータ保管装置8に予め記憶された判定基準とを比較した結果を表示する。
【0016】
10は被溶接物で、たとえば、図2に示すように、溶接母材10aと溶接母材10bをすみ肉溶接により形成された溶接ビード11で接合した溶接部が形成されている。
【0017】
このような構成で、被溶接物10の溶接を行う場合、溶接母材10aと溶接母材10bが所定の位置に配置されると、制御装置4は、溶接トーチ2を予め教示された溶接開始位置へ移動させる。そして、制御装置4は、溶接電源5を作動させ、予め設定された溶接条件に基づいて溶接母材10a、10bと溶接トーチ2の間に溶接電力を印加させるとともに、溶接ロボット1を制御して溶接トーチ2を予め教示された溶接経路に従って溶接終了位置まで移動させ溶接を行う。
【0018】
溶接終了後、データ処理装置7において、溶接ビードを検出する手順を、図3に示すフローチャートおよび図4に示す溶接部の拡大図により説明する。
【0019】
制御装置4は、溶接ロボット1を制御して、センサ3を溶接経路に沿って予め設定された複数の計測位置へ、各計測位置で一旦停止するように順次間欠移動させる。また、各計測位置では、センサ3を溶接部の形状を確実に検出できるように各溶接母材10a、10bに対し、所定の角度傾斜した経路(予め教示されている)に沿って、溶接線と略直交する方向に移動させるとともに、センサ制御装置6に計測指令を与える。センサ制御装置6は、制御装置4からの計測指令に基づいて、センサ3をオン、オフ制御してセンサ3に、センサ3から溶接母材10a、10bおよび溶接ビード11の表面までの距離を測定させるとともに、センサ3による測定結果をデータ処理装置7に送る(ステップS1)。
【0020】
データ処理装置7は、制御装置4から印加された測定位置の位置情報とセンサ制御装置6から印加された測定結果を一旦データ保管装置8に記憶させるとともに、記憶された各測定位置に対応するデータを個別に呼び出し、データ内の欠落部分を検出し、その欠落部分の深さが設定値より大きく、幅が設定値より小さいとき、測定時のノイズと判定し、その欠落部分の両端を直線で結ぶようデータを補間し、ノイズを除去する(ステップS2)。
【0021】
ついで、2つの溶接母材10a、10bの表面に対応するそれぞれ複数のデータを抽出し、最小自乗法により各溶接母材10a、10bの表面を表す2つの近似直線A1、A2を決定する(ステップS3)。
【0022】
ついで、決定された各近似直線A1、A2に平行でそれぞれ垂直方向にΔhだけ離れた直線B1、B2を算出し、この直線B1、B2と溶接ビード11の表面に対応するデータとの交点C1、C2を求め、この交点C1、C2を探索開始点として、それぞれ近似直線A1、A2にちかずく方向に溶接ビード11に対応するデータを探索ていく(ステップS4)。
【0023】
探索されたデータの位置が、前記溶接母材10a、10bの表面の近似直線A1、A2から垂直方向に設定されたしきい値より小さくなったとき、その位置をそれぞれ溶接母材10a、10bと溶接ビード11の境界位置(以下、止端位置という)D1、D2として検出する(ステップS5)。
【0024】
溶接ビード11のそれぞれの止端位置D1、D2より、溶接ビード上の複数点のデータを抽出して直線近似し、この直線E1、E2と前記近似直線A1、A2との成す角度を溶接ビード11の各止端角Θ1、Θ2として算出し、前記近似直線A1、A2の交点Oから溶接ビード11の止端位置D1、D2までの距離を脚長L1、L2として算出し、前記溶接ビード11の両止端位置D1、D2を結ぶ直線Fと前記近似直線の交点Oとの垂直距離を理論のど厚Tとして算出する(ステップ6)。
【0025】
前記算出された各止端角Θ1、Θ2、脚長L1、L2、のど厚Tを、予めデータ保管装置8に設定された判定基準と比較し、判定基準として設定された許容範囲内にあるか否かを判定する。たとえば、止端角Θ1、Θ2が判定基準値以下である場合には、オーバーラップと定義する(ステップS7)。
【0026】
前記近似直線A1、A2と溶接母材10a、10bの表面の測定データとを比較して、近似直線A1、A2と測定データの差Gを求め、この差Gが判定基準値より大きい場合には、溶接母材10a(または、10b)のアンダーカットと定義する。各測定位置における溶接母材10a、10bのアンダーカットの有無と、その数を検出する(ステップS8)。
【0027】
各測定位置における溶接ビード11の測定データで、ノイズとして補間されていないデータの欠落部分をピットと定義して、データ欠落部分の数を計数する事によりピットの数を検出する(ステップS9)。なお、このステップS9は、前記ステップS2と同時に行っても良い。
【0028】
各検出(判定)結果をデータ表示装置9に表示する(ステップS10)。
なお、突き合わせ溶接の場合には、脚長の代わりに溶接ビード11の止端間の距離、すなわち、溶接ビード11の幅を用いればよい。
【0029】
前記ステップS2におけるノイズの除去手順一例を、図5および図6により説明する。なお、センサ3の変位計測範囲を±15mm(30mm)とする。
【0030】
データ保管装置8に記憶された計測データを呼び出し、処理点をデータの左端(始端、図5のX0,Y0)に設定する(ステップS11)。直前のデータに対する処理点のデータの落ち込み量がセンサ3の変位計測範囲の25%(7、5mm)より大きいか否かを判定する(ステップS12)。
【0031】
データの落ち込み量が7、5mmより小さいときには、処理点を右へ移動させる(ステップS13)。処理点がデータの右端(終端)か否かを判定する。処理点がデータの右端であれば作業を終了する。処理点がデータの右端でないときには、ステップS12に戻り処理を継続する(ステップS14)。
【0032】
ステップ12において、直前のデータ(図5のX1,Y1)に対し処理点(図5のX2,Y2)のデータの落ち込み量が7、5mmより大きい場合、その直前の点(図5のX1,Y1)を「ノイズ開始点」として認識し記憶する(ステップS15)。処理点を右へ移動させる(ステップS16)。処理点がデータの右端(終端、図5のXn,Yn)か否かを判定する。処理点がデータの右端であれば作業を終了する(ステップS17)。
【0033】
処理点がデータの右端でない場合、直前のデータ(図5のX3,Y3)に対し処理点(図5のX4,Y4)データの立ち上がり量が7、5mmより大きいか否かを判定する(ステップS18)。データの立ち上がり量が7、5mmより小さいときには、処理点を右に移動させる(ステップS19)。処理点がデータの右端か否かを判定する。処理点がデータの右端であれば作業を終了する。処理点がデータの右端でないときには、ステップS18に戻り処理を継続する(ステップS20)。
【0034】
ステップS18において、データの立ち上がり量が7、5mmより大きい場合、その処理点(図5のX4,Y4)と前記ノイズ開始点(図5のX1,Y1)との間の距離を求め、その距離が0、5mmより小さいか否かを判定する(ステップS21)。処理点(図5のX4,Y4)とノイズ開始点(図5のX1,Y1)の間の距離が0、5mmより小さい場合には、その処理点(図5のX4,Y4)を「ノイズ終了点」として認識し記憶する(ステップS22)。前記ノイズ開始点(図5のX1,Y1)とノイズ終了点(図5のX4,Y4)とを結ぶ直線を求め補間する(ステップS23)。
【0035】
ステップ21において、処理点とノイズ開始点との間の距離が0、5mmより大きい場合および、ステップ23による直線補間後、処理点を右に移動させる(ステップS24)。処理点がデータの右端か否かを判定する。処理点がデータの右端であれば作業を終了する。処理点がデータの右端でないときには、ステップS12に戻り処理を継続する(ステップS25)。
【0036】
上記の処理で直線補間されないデータの落ち込み、立ち上がりが存在する場合、その位置は溶接ビード11のピットと認識する。
【0037】
なお、ピットとして認識すべき大きさは、要求される溶接品質に応じて適宜設定することができる。
【0038】
前記図3のステップS3における近似直線の算出は次のように行う。
サンプル数nの2変数データ列(X1,Y1)〜(Xn,Yn)が存在するとき、
サンプル数の総和
【0039】
【数1】
【0040】
【数2】
【0041】
2乗和
【0042】
【数3】
【0043】
【数4】
【0044】
積和
【0045】
【数5】
【0046】
平均値
【0047】
【数6】
【0048】
【数7】
【0049】
分散
【0050】
【数8】
【0051】
【数9】
【0052】
を用いて、1次回帰線、Y=aX+bの傾きaおよび切片bは
【0053】
【数10】
【0054】
【数11】
【0055】
で求め、溶接母材10a、10b表面の近似直線を決定する。
【0056】
前記図3のステップS4、ステップS5における溶接ビード11の止端位置の検出は次のように行う。
【0057】
平行な2直線、Y=aX+b1 、Y=aX+b2(a=tanθ)間の垂直距離L12は、
【0058】
【数12】
【0059】
より
【0060】
【数13】
【0061】
で表される。
【0062】
これを用いて、図7に示す、直線Y=aX+bと点(X1,Y1)との垂直距離L1 は、
【0063】
【数14】
【0064】
となる。この関係から、図4に示す近似直線A1(A2)と平行で垂直距離Δh(たとえば、0、5mm)離れた直線B1(B2)と溶接ビード11との交点C1(C2)を処理開始点とし、処理点を近似直線A1(A2)に近付く方向に移動させ、処理点と近似直線A1(A2)との垂直距離Δhが設定値(たとえば0、1mm)以下になった点を溶接ビード11の止端位置とする。
【0065】
なお、処理開始点を求める際の垂直距離Δh、止端を判定する設定値は、適宜選択することができる。
【0066】
前記図3のステップS6における特性量の算出は、次のように行う。
(1)止端角、オーバーラップ
図8に示すように、2直線、Y=a1X+b1、Y=a2X+b2(a1=tanθ1、a2=tanθ2)の成す角度θ12は、
【0067】
【数15】
【0068】
【数16】
【0069】
【数17】
【0070】
【数18】
【0071】
より
(i)a1≧0、a2≧0およびa1<0、a2<0の場合、
【0072】
【数19】
【0073】
(ii)a1≧0、a2<0の場合、
【0074】
【数20】
【0075】
(iii)a1<0、a2≧0の場合、
【0076】
【数21】
【0077】
で表される。これを用いて図4に示す溶接母材10a(10b)の近似直線A1(A2)と溶接ビード11の止端部のデータに近似させた直線E1(E2)とが成す角度Θ1(Θ2)を求める。
また、前記角度Θ1、Θ2がたとえば90度以下の場合、オーバーラップと定義する。
【0078】
(2)脚長
前記(数14)を用いて、図4に示す近似直線A1、A2の交点Oから止端位置D1(D2)間での垂直距離L1(L2)を求める。
【0079】
(3)論理のど厚
2点、(X1,Y1),(X2,Y2)を通る直線Y=a12X+b12の傾きa12および切片b12は、
【0080】
【数22】
【0081】
【数23】
【0082】
である。
【0083】
また、2直線、Y=a1X+b1 、Y=a2X+b2の交点(X12,Y12)は、
【0084】
【数24】
【0085】
【数25】
【0086】
で表される。これらの式および(数14)を用いて、図4に示すように、溶接ビード11の止端位置D1、D2を結ぶ線分と、前記近似直線A1、A2の交点Oとの垂直距離Tをのど厚と認識する。
【0087】
(4)アンダーカット
前記近似直線A1(A2)と測定データとの差Gが、予め設定された基準値(例えば、0、3mm)より大きいとき、アンダーカットと認識する。なお、判定に用いる基準値は、その目的により適宜設定することができる。
【0088】
以上述べたように、上記の実施の形態によれば、安価なレーザ変位計を用いて溶接ビードを含む溶接部を走査し、その測定データを用いて溶接品質に関係する特性を算出するようにしているので、従来のテレビカメラを用いる方法に比較して少ないデータ量で、溶接ビードを含む溶接部の形状を検出することができ、画像処理専用のデータ処理装置を用いることなく、簡単な構成で安価な装置を用いて、ノイズに惑わされることなく確実に溶接ビードの形状を検出することができる。また、溶接品質の判定を迅速に行うことができる。
【0089】
なお、上記の実施の形態においては、予めセンサ3を溶接トーチ2とともに溶接ロボット1の自由端に取り付けているが、センサ3を着脱可能にして、溶接時は取り外し、測定時にのみ取り付けるようにしても良い。また、溶接時と測定時に、溶接トーチ2とセンサ3を付け替えるようにしても良い。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、溶接ビードを含む溶接部の形状を、簡単で安価な装置により、確実に検出することができる。また、検出結果を判定基準と比較することにより、溶接品質の適正な判定を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接ビード形状検出装置を備えた自動溶接装置の構成図。
【図2】被溶接物を構成する溶接継ぎ手の一例を示すすみ肉溶接継ぎ手の断面図。
【図3】溶接ビードの検出手順を示すフローチャート。
【図4】溶接部の拡大図。
【図5】溶接ビードに発生するノイズの例を示す断面図。
【図6】ノイズ除去手順を示すフローチャート。
【図7】溶接ビードの止端位置の算出方法を示す特性図。
【図8】溶接ビードの止端角を算出する方法を示す特性図。
【符号の説明】
1…多関節型の溶接ロボット、2…溶接トーチ、3…センサ、4…制御装置、5…溶接電源、6…センサ制御装置、7…データ処理装置、8データ保管装置、9…データ表示装置、10…被溶接物、10a、10b…溶接母材、11…溶接ビード。
Claims (3)
- 照射したスポット状の光を溶接線と略直角な方向に溶接ビードを横切るように走査させ、走査方向に所定の間隔で溶接母材および溶接ビードからの反射光を受光して、溶接母材および溶接ビードの表面と反射光の受光位置との間の距離情報をデータとして取得し、各測定位置で取得した各々のデータの欠落部分を検出し、欠落部分の大きさと予め設定された判定基準値を比較してノイズとなる欠落部分を抽出し、その欠落部分の両端を直線補間してデータを補正するとともに、補正されない欠落部分をピットとしてその数を検出し、前記補正されたデータから溶接母材の近似直線を検出し、この近似直線から所定の距離離れた直線と溶接ビードに対応するデータとの交点を求め、この交点から溶接ビードに対応するデータを前記近似直線に近付く方向に探索して、溶接母材と溶接ビードの境界位置を検出し、この境界位置を基準として溶接ビードの外観形状を検出することを特徴とする溶接ビード形状の検出方法。
- 溶接母材および溶接ビードまでの距離を測定するためのセンサと、
前記センサを予め設定された複数の計測位置へ移動させるとともに、各々の前記計測位置では、溶接線と略直交する方向に移動させる制御手段と、
前記センサをオン、オフ制御して、前記センサに前記溶接母材および前記溶接ビードの表面までの距離を測定させるセンサ制御手段と、
前記制御手段から取得した測定位置に関する測定位置情報と、前記センサ制御手段から取得した前記センサによる測定結果のデータとを基にして溶接ビードの外観形状を検出するデータ処理部と、
を備え、
前記データ処理部は、
前記制御手段から取得した測定位置に関する測定位置情報と、前記センサ制御手段から取得した前記センサによる測定結果のデータとを基にして、各々の前記測定位置で取得した各々の前記データの欠落部分を検出し、
前記欠落部分の大きさと予め設定された判定基準値を比較してノイズとなる欠落部分を抽出し、
前記ノイズとなる欠落部分の両端を直線補間してデータを補正するとともに、補正されない欠落部分をピットとしてその数を検出し、
前記補正されたデータから溶接母材の近似直線を検出し、
前記近似直線から所定の距離離れた直線と溶接ビードに対応するデータとの交点を求め、
前記交点から溶接ビードに対応するデータを前記近似直線に近付く方向に探索して、溶接母材と溶接ビードの境界位置を検出し、
前記境界位置を基準として溶接ビードの外観形状を検出すること、
を特徴とする溶接ビード形状検出装置。 - 前記センサがレーザ変位計であることを特徴とする請求項2に記載の溶接ビード形状検出装置。
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