JP3721844B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3721844B2
JP3721844B2 JP10137299A JP10137299A JP3721844B2 JP 3721844 B2 JP3721844 B2 JP 3721844B2 JP 10137299 A JP10137299 A JP 10137299A JP 10137299 A JP10137299 A JP 10137299A JP 3721844 B2 JP3721844 B2 JP 3721844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cross
sectional shape
line
laser welding
straight line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10137299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000167678A (ja
Inventor
茂 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP10137299A priority Critical patent/JP3721844B2/ja
Publication of JP2000167678A publication Critical patent/JP2000167678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3721844B2 publication Critical patent/JP3721844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接方法に係り、特にブランク材の付合わせ部分のレーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の製造工程には、ブランク材を突合わせ、両者をレーザ溶接によって溶接するものがある。この工程では、突合わされたブランク材の突合せ部分にレーザを照射し、この熱量によってブランク材の表面を溶融して接合する。
【0003】
図12(a)〜(d)は、厚さの異なるブランク材Aとブランク材Bとを付合わせ、この付合わせ部分をレーザ溶接した状態を示している。
【0004】
(a)は、レーザの照射位置が最適な場合のブランク材の付合わせ部分の溶接ビードの形状を示している。図のように、最適な位置にレーザが照射された場合には、ブランク材Aからブランク材Bになだらかな曲線を描いた溶接ビードが形成される。このような形状の溶接ビードが形成された場合には、接合部分は理想的な強度を持つ。ところが、(b)に示すように薄板側に目外れした場合、すなわちレーザの照射位置が最適な位置よりもブランク材B側に寄ってしまった場合には、斜面の勾配が急でおおきな窪みを有する溶接ビードが形成される。また、(c)に示すように厚板側に目外れした場合、すなわちレーザの照射位置が最適な位置よりもブランク材A側に寄ってしまった場合には、溶接ビード部分の突出が大きな溶接ビードが形成される。さらに、(d)に示すようにブランク材の突合わせ部分に隙間が存在する状態でレーザが照射された場合には、窪みが大きく、また、アンダーカットも大きな溶接ビードが形成される。
【0005】
図13(a)〜(d)は、同じ厚さのブランク材Aとブランク材Bとを付合わせ、この付合わせ部分をレーザ溶接した状態を示している。
【0006】
(a)は、レーザの照射位置が最適な場合のブランク材の付合わせ部分の溶接ビードの形状を示している。図のように、最適な位置にレーザが照射された場合には、アンダーカットの発生が見られず、左右対称の溶接ビードが得られる。ところが、(b)または(c)に示すように、いずれかのブランク材側に目外れした場合、すなわちレーザの照射位置が最適な位置よりもどちらかのブランク材側に寄ってしまった場合には、目外れした側に盛り上がりが生じ、左右非対称の溶接ビードが形成される。また、(d)に示すように、ブランク材の突合わせ部分に隙間が存在する状態でレーザが照射された場合には、アンダーカットの大きな溶接ビードが形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、レーザの照射位置が板厚の薄いパネル側(B側)にずれた場合、溶接ビードの断面は図12(b)に示したようになるが、このような形状の溶接ビードとなるのは2枚のブランク材の接合部が十分な強度で溶接されていないことを表していると言える。
【0008】
また、レーザの照射位置が板厚の厚いパネル側(A側)にずれた場合、溶接ビードの断面は図12(c)に示したようになるが、このような形状の溶接ビードとなるのもまた、2枚のブランク材の接合部が十分な強度で溶接されていないことを表していると言える。
【0009】
さらに、ブランク材の切断精度が悪く、切断部分のダレや角Rが大きいために溶接ビード部分の材料不足が生じると、溶接ビードの断面は図12(d)に示す形状となるが、このような形状の溶接ビードとなるのは、溶接ビード部分で板厚が不足していることを表しており、接合部の強度も低くなっていると言える。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みて行なわれたものであり、最適な溶接条件でレーザ溶接ができるレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のレーザ溶接方法は、以下のように構成される。
【0012】
請求項1に記載の発明は、ブランク材の突合わせ部分のレーザ溶接方法であって、溶接装置と一体となって動作し、前記ブランク材の突合わせ部分の溶接直後の溶接ビードの断面形状を測定する工程と、前記測定された溶接ビードの断面形状より溶接ビードの特徴量を評価する工程と、前記溶接ビードの特徴量の評価結果に基づいて前記ブランク材の溶接中に溶接条件を設定変更する工程とを有し、前記溶接ビードの特徴量を評価する工程は、前記ブランク材の両面に形成された溶接ビードの当該ブランク材のそれぞれの表面に対する突出量または窪み量と、当該溶接ビードの中心線に対する前記溶接ビードの非対称性とによって前記溶接ビードの特徴量を評価することを特徴とする
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のレーザ溶接方法において、前記ブランク材の突合わせ位置に段差が存在する場合には、前記ブランク材の表裏面に形成された溶接ビードのそれぞれのブランク材の境界線を結ぶ勾配直線に対する突出量または窪み量によって前記溶接ビードの特徴量を評価することを特徴とする。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ溶接方法において、前記溶接条件を設定変更する工程は、溶接進行方向に直交し、かつブランク材表面に直交した溶接位置を設定する工程と、溶接速度、レーザ溶接加工点出力、レーザビームの揺動幅、加工点での溶接進行方向に直交する方向のビーム幅のいずれか1つまたはいずれかを複合した溶接条件を設定する工程とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明は、ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、前記溶接状態を評価する工程は、前記勾配直線と前記勾配直線の始点と終点との間にある前記断面形状線との差を2乗平均した値によって溶接状態を定量的に評価することを特徴とする。
【0017】
請求項に記載の発明は、ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、前記勾配直線は、前記断面形状線の一方の端部から溶接ビード中心に向かって順次前記断面形状線の移動平均をとり、当該移動平均の値と相違する前記断面形状線上の点のうち、最も前記一方の端部に近い点Aと、前記断面形状線の他の端部から溶接ビード中心に向かって順次前記断面形状線の移動平均をとり、当該移動平均の値と相違する前記断面形状線上の点のうち、最も前記他の端部に近い点Bとを始点または終点とする直線であることを特徴とする。
【0018】
請求項に記載の発明は、ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、前記勾配直線は、前記断面形状線を2回微分して得られる極点である点Aと点Bとを始点または終点とする直線であることを特徴とする。
【0019】
請求項に記載の発明は、ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、前記勾配直線は、前記断面形状線と前記ブランク材のうちの一方の上面の延長線との交点である点Aと、前記断面形状線と他方のブランク材の上面の延長線との交点である点Bとを始点または終点とする直線であることを特徴とする。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項4から7のいずれかに記載のレーザ溶接方法において、前記溶接状態を評価する工程は、前記勾配直線と前記勾配直線の始点と終点との間にある前記断面形状線との差の絶対値を平均した値によって溶接状態を定量的に評価することを特徴とする。
【0024】
請求項に記載の発明は、厚さが等しいブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記溶接ビードの中心線を引き、前記中心線を境にした右部分と左部分とで前記断面形状線の凹凸に差異がある場合、凸である部分がより多い側にレーザ溶接位置がずれていると判断する溶接位置ずれ検出工程を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項に記載のレーザ溶接方法において、前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線の一方の端部から他方の端部に向かって順次前記断面形状線の移動平均をとり、当該移動平均の値と相違する前記断面形状線上の点のうち、最も前記一方の端部に近い点Cを通る直線と、最も前記他方の端部に近い点Dを通る直線と平行で、かつ前記各直線と等しい距離にある直線を中心線とすることを特徴とする。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項に記載のレーザ溶接方法において、前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線と前記ブランク材のうちの一方の上面の延長線との交点である点Cを通る直線と、前記断面形状線と他方のブランク材の上面の延長線と平行で、かつ前記各直線と等しい距離にある直線を中心線とすることを特徴とする。
【0027】
請求項12に記載の発明は、請求項に記載のレーザ溶接方法において、前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線を2回微分して得られる極点である点Cを通る直線と、前記断面形状線を2回微分して得られる他の極点である点Dを通る直線と平行で、かつ前記各直線と等しい距離にある直線を中心線とすることを特徴とする。
【0028】
請求項13に記載の発明は、請求項ないし請求項12のいずれか一つに記載のレーザ溶接方法において、前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線と前記点Cを通る直線と前記中心線とによって表される断面形状を有する溶接ビードの高さ平均と、前記断面形状線と前記点Dを通る直線とによって表される断面形状を有する溶接ビードの高さ平均との差によって前記断面形状線の前記中心線を境にした右部分と左部分との凹凸の差異を検出することを特徴とする。
【0029】
請求項14に記載の発明は、ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、レーザ溶接しながらレーザ溶接によって形成される前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、当該断面形状線に基づいてレーザ溶接位置ずれまたは溶接母材隙間の有無を検出し、レーザ溶接位置ずれが検出された場合にはレーザ溶接位置を修正して溶接ビードを補正する一方、溶接母材隙間が検出された場合には、溶接速度を低下する、または溶接の進行方向に対して溶接用のレーザ光を横方向に動かして溶接ビードを補正し、前記補正後の溶接によって形成された溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し溶接の状態を検査し、前記ブランク材の厚さが等しい場合、前記断面形状線に基づくレーザ溶接位置ずれの検出は、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記溶接ビードの中心線を引き、前記中心線を境にした右部分と左部分とで前記断面形状線の凹凸に差異がある場合、凸である部分がより多い側にレーザ溶接位置がずれていると判断することを特徴とするレーザ溶接方法。
【0030】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のレーザ溶接方法において、前記ブランク材の厚さが異なる場合、前記断面形状線に基づくレーザ溶接位置ずれの検出は、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、前記断面形状線が、前記勾配直線よりも突出した凸部分を有する場合には、前記ブランク材のうち、厚さがより厚いブランク材の側にレーザ溶接位置がずれていると判断する一方、前記断面形状線が、前記勾配直線に対して凹んだ凹部分を有する場合には、前記ブランク材のうち、厚さがより薄いブランク材の側にレーザ溶接位置がずれていると判断することを特徴とする。
【0032】
請求項16に記載の発明は、請求項15記載のレーザ溶接方法において、前記断面形状線は、レーザ溶接機の溶接ヘッドと連結して一体的に移動するセンサによって計測されることを特徴とする。
【0033】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は、ブランク材の突合わせ部分に形成される溶接ビードの断面形状を計測し、この断面形状から溶接ビードの特徴量を評価し、この評価結果に基づいて溶接条件を設定、変更するようにしたので、形成される溶接ビードの形状から最適の溶接条件でレーザ溶接をすることができるようになる。
【0034】
また、ブランク材の突合わせ部分に形成される溶接ビードの断面形状を計測し、この断面形状にブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引くことによってブランク材間の適切な勾配と実際の断面形状との相違を知ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のレーザ溶接方法の一実施形態について述べる。
【0036】
なお、以下に述べる実施の形態は、いずれもレーザ溶接機の溶接ヘッドの位置合わせに本発明のレーザ溶接方法を適用する場合を例に説明する。
【0037】
《実施の形態1》
本発明の実施の形態1は、厚さの異なるブランク材の突合わせ部分のレーザ溶接である(異厚モード)。
【0038】
(装置構成)
図1は、本発明の実施の形態1と後述する実施の形態2とに共通のレーザ溶接機を表す図である。また、図2は、図1のレーザ溶接機の制御を説明するためのブロック図である。
【0039】
図1のレーザ溶接機は、溶接用レーザ光1を出力する溶接ヘッド8と、溶接ヘッド8に取り付けられた溶接ビード形状センサ3とを有している。溶接用ヘッド8は、駆動手段6(図2)によって図1中の矢線Aの方向に移動しながら、たとえば厚板ブランク材BAと薄板ブランク材BBとの突合わせ部分にレーザ溶接用の溶接レーザ光1を照射する。この溶接レーザ光1は、図示しないレーザ発振器から発振され、集光レンズ2によって集光されている。
【0040】
一方、溶接ビード形状センサ3は、例えば、スリット状のレーザ光4を被測定面(溶接直後のビード部)に照射し、この被測定面の凹凸から溶接ビード形状を断面として計測するセンサで、溶接ヘッド8のホルダー5に取り付けられて溶接ヘッド8と共に移動するよう構成されている。このため、溶接ビード形状センサ3により溶接ビードになんらかの異常が認められた場合、異常が認められた時点でのレーザ溶接機に設定されていたNC座標(numeral contorol座標)を用いて、その異常が発生した溶接ビードの位置を特定することができる。
【0041】
また、この溶接ビード形状センサ3と溶接ヘッド8とは、溶接ビード形状センサ3が矢線Aの方向に移動する溶接ヘッド8の後側に位置するよう配置されている。このため、溶接ビード形状センサ3は、溶接ヘッド8によって形成された直後の溶接ビードの形状を計測することができる。
【0042】
図3は、溶接ビード形状センサ3が計測した溶接ビードの断面の形状を示すデータ(断面形状線)の一例を示すものである。このようなデータは、溶接ビード形状センサ3から信号Sとして出力され、レーザ溶接機を制御する制御装置12に入力する。制御装置12のCPU10は、図3に例示したような断面形状線上に厚板ブランク材BAと薄板ブランク材BBとの間に想定される斜面を示す直線(勾配直線)を引き、この勾配直線に基づいて溶接ビード形状を評価する。なお、この溶接ビード形状の評価方法については後述する。
【0043】
そして、この溶接ビード形状に基づいて、レーザ溶接光1がブランク材の最適照射位置に照射されているか否かを間接的に判断する。最適照射位置からのレーザ溶接光1のずれが検出されると、CPU10は、この位置ずれの方向と量とを例えばステッピングモータが使用される駆動手段6に出力する。駆動手段6は、レーザ溶接光1の照射位置が、検出されたずれの方向とは反対に検出されたずれ量だけ溶接ヘッド8を移動してレーザ溶接光1のずれを補正する。
【0044】
なお、この補正が行なわれている間にもレーザ溶接とレーザ溶接光1の位置ずれの計測は継続して行なわれている。このため、ずれを補正されたレーザ溶接光1によって形成された溶接ビードの形状は、直ちに溶接ビード形状センサ3によって計測され、CPU10によって評価されることになる。
【0045】
以上の動作を溶接中に継続して行なうことにより、レーザ溶接光1を最適照射位置に照射する位置に溶接ヘッド8を設定することができる。
【0046】
(溶接ビード形状評価方法)
図4(A)ないし図4(C)は、勾配直線を定義する方法を例示する図である。
【0047】
図4(A)ないし(C)は、いずれも厚板ブランク材BAと薄板ブランク材BBとを突合わせ、この突合わせ部分をレーザ溶接した場合の溶接ビードbを表す断面形状線dと、この断面形状線d上に引かれた勾配直線sとを示している。
【0048】
図4(A)で示す方法では、図中、矢線eの方向から断面形状線dの移動平均を順次算出し、この移動平均の値と最初に相違した断面形状線d上の点を点Aとする。また、図中、矢線fの方向から断面形状線dの移動平均(測定値が次々に得られるとき、各値から始めて順に一定個数をとって作った算術平均の全体、例えば、(x1 +x2 +x3 )/3,(x2 +x3 +x4 )/3,(x3 +x4 +x5 )/3…は、移動平均)を順次算出し、この移動平均の値と最初に相違した断面形状線d上の点を点Bとする。そして、点Aと点Bとを結ぶ直線を勾配直線sとしている。
【0049】
また、図4(B)に示す方法では、断面形状線dと厚板ブランク材BAの上面の延長線との交点のうちの点Aと、断面形状線dと薄板ブランク材BBの上面の延長線との交点のうちの点Bとを結ぶ直線を勾配直線としている。
【0050】
さらに図4(C)に示す方法では、図中の点Aと点Bとを結ぶ直線を勾配直線としている。この点AとBとは、断面形状線dを2回微分して得られる極点のうちの2点である。
【0051】
勾配直線は、以上のいずれの方法を用いても定義することが可能である。また、実施の形態1に適用される溶接ビード形状評価の勾配直線は、以上の方法で定義されるものに限定されるものでなく、厚板ブランク材BAと薄板ブランク材BBとを突合わせ、レーザを照射した場合に形成される溶接ビード勾配を想定する直線と両側の母材パネルの境界線を結ぶ直線を定義するものであれば良い。
【0052】
次に、以上述べた方法で定義された勾配直線に基づいて、溶接レーザ光1の照射位置と最適照射位置とのずれを検出する方法について述べる。
【0053】
図5は、厚板ブランク材BAと薄板ブランク材BBとを突合わせ、この突合わせ部分に形成された溶接ビードbを示す断面形状線dを示している。そして、データ上、この断面形状線中に点oを原点とするx−y座標軸を定義する。なお、このような断面形状の溶接ビードが形成された時には、溶接方向に不連続に凝固するビード、すなわちハンピングビードが形成される恐れがある。
【0054】
この断面形状線d上に勾配直線sをひき、断面形状線dと勾配直線sとの3つの交点をそれぞれ点g、点h、点iとする。さらに断面形状線d上の点gから点iまでの各点のy座標の値から、各点とx座標を同じくする勾配直線s上のy座標の値を差し引いた値を求める。
【0055】
例えば、点gと点hとの間にある断面形状線d上の点a(0,ya )と、これとx座標を同じくする点b(0,yb )とでは、y座標の値の差は、ya −yb となる。このようにして、点gから点iまでにある断面形状線d、勾配直線s上のすべての点についてy座標の差を求める。
【0056】
さらに、以上のようにして求めた断面形状線dと勾配直線sとのy座標の差の平均値を求める。そして、求められた平均値の正または負によって、溶接ビードが勾配直線よりも突出した凸部を持つ形状か、あるいは、勾配直線よりも凹んだ凹部を持つ形状かを判別する。
【0057】
溶接ビードbが、凸部を持つ形状であると判別された場合には、レーザ溶接光が厚板側に目外れしていると判断される。一方、溶接ビードbが凹部を持つ形状であると判別された場合には、レーザ溶接光が薄板側に目外れしていると判断される。
【0058】
なお、溶接ビードの目外れを判別するための平均値の算出は、算術平均や二乗平均のいずれを用いて算出するようにしても良い。
【0059】
次に、目外れや不良が発生していると判断された場合には、この欠陥の発生を防ぐ方向に溶接ヘッド8を移動し、レーザ溶接光1が、最適照射位置に照射されるように調整する。この調整は、以下の手順で行なわれる。
【0060】
図12で述べたように、レーザ溶接光1が、最適照射位置よりも厚板ブランク材BA側にずれた場合、溶接ビードbは凸部を持つ形状となる。また、最適照射位置よりも薄板ブランク材BB側にずれた場合、溶接ビードbは凹部を持つ形状となる。
【0061】
したがって、溶接ビードbに凸部が検出された場合には、この凸部が打ち消されるよう、溶接ヘッド8を薄板ブランク材BB側に移動するように指示する信号がCPU10から駆動手段6に向けて出力される。また、溶接ビードbに凹部が検出された場合には、このハンピングが打ち消されるよう、溶接ヘッド8を厚板ブランク材BA側に移動するように指示する信号がCPU10から駆動手段6に向けて出力される。
【0062】
CPU10からの信号を受けとった駆動手段6は、ステッピングモータを例えば、0.1〜0.3mm程度の一定量ずつ回転し、CPU10の指示に従って溶接ヘッド8を移動する。この溶接ヘッド8の移動に伴って検出される溶接ビードの形状が変化して来るが、最適照射位置で得られる溶接ビードの形状が検出されたら、駆動手段6はステッピングモータを停止する。
【0063】
このようにして溶接ヘッド8を移動した後も、さらにこの後に行なわれたレーザ溶接によって形成された溶接ビードbを計測し、この断面形状から目外れ等の発生を検出する。そして、目外れ等が検出されたときには、上記のように溶接ヘッド8を最適照射位置に移動する動作が繰り返される。
【0064】
以上述べたように実施の形態1のレーザ溶接方法は、異なる厚さのブランク材の付合わせ位置にレーザ溶接を行ないながら、レーザ溶接によって形成された溶接ビードを計測している。そして、位置ずれが検出された場合には、計測された溶接ビードの形状から位置ずれの方向を判断し、このずれを修正している。
【0065】
このため、レーザ溶接光1の照射位置ずれの修正後、この修正の結果が直ちに判定でき、ブランク材の厚さが異なる場合にレーザ溶接機の溶接ヘッド8の位置合わせをリアルタイムで行なうことができる。
【0066】
また、実施の形態1は、計測された溶接ビードの断面の形状を、平均値の算出など比較的簡易な演算処理で評価することができる。このため、演算処理に使用される装置が簡易なもので良く、本発明を実施するための装置を小型、簡易なものにすることができる。
【0067】
《実施の形態2》
本発明の実施の形態2は、厚さの等しいブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接する場合に本発明のレーザ溶接方法を適用するものである(同厚モード)。
【0068】
実施の形態2で使用するレーザ溶接機は、実施の形態1で述べたものと同じものである。
【0069】
厚さが等しいブランク材BCとブランク材BDとを突合わせてレーザ溶接した場合、この突合わせ部分には、例えば図6に示した断面形状線dによって表される溶接ビードbが形成される。実施の形態2でも、このような断面形状線は、溶接ビード形状センサ3から信号Sとして出力され、レーザ溶接機を制御する制御装置12に入力される。制御装置12のCPU10は、図6に例示したような断面形状線上に溶接ビードbの中心を想定した直線(中心線)を引き、この中心線に基づいてレーザ溶接光1の目外れを有無を判断する。なお、この判断の方法は後述する。また、本明細書中では、この中心線を溶接ビード中心と定義する。
【0070】
この溶接ビード形状に基づいて、溶接レーザ光1がブランク材の最適照射位置に照射されているか否かを検出する。最適照射位置からのレーザ溶接光1のずれが検出されると、CPU10は、この位置ずれの方向と量とを例えばステッピングモータが使用される駆動手段6に出力する。駆動手段6は、レーザ溶接光1の照射位置を、検出されたずれの方向とは反対に検出されたずれ量だけ溶接ヘッド8を移動する。これによって、レーザ溶接光1のずれを補正する。
【0071】
なお、溶接ヘッド8の移動中にもレーザ溶接光のずれの有無は計測されている。つまり、ずれを補正されたレーザ溶接光1によって形成された溶接ビードの形状は、直ちに溶接ビード形状センサ3によって計測され、CPU10によって評価されている。
【0072】
以上の動作を繰り返すことにより、レーザ溶接光1を常に最適照射位置に設定することができる。
【0073】
(溶接ビード形状評価方法)
図7(A)ないし(C)は、中心線を定義する方法を説明する図である。
【0074】
図7(A)ないし(C)は、いずれも厚さの等しいブランク材BCとブランク材BDとを突合わせ、この突合わせ部分をレーザ溶接した場合の溶接ビードbを表す断面形状線dと、この断面形状線d上にひかれた中心線cとを示している。
【0075】
図7(A)で示す方法では、図中、矢線eの方向から断面形状線dの移動平均を順次算出し、この移動平均の値と最初に相違した断面形状線d上の点を点Cとする。また、図中、矢線fの方向から断面形状線dの移動平均を順次算出し、この移動平均の値と最初に相違した断面形状線d上の点を点Dとする。そして、点C、点Dからそれぞれブランク材BC、ブランク材BD下面に向かって垂線t、uを下ろし、この垂線t、垂線uからの距離v、wがそれぞれ等しく、かつ垂線t、垂線uと平行(つまり、ブランク材に対して垂直)な直線を中心線cとする。
【0076】
また、図7(B)に示す方法では、断面形状線dとブランク材BC、ブランク材BDの上面の延長線との交点のうち、最もブランク材BCに近い点を点C、最もブランク材BDに近い点を点Dとする。そして、点C、点Dからそれぞれブランク材BC、ブランク材BD下面に向かって垂線t、uを下ろし、この垂線t、垂線uからの距離v、wがそれぞれ等しく、かつ垂線t、垂線uと平行(つまり、ブランク材に対して垂直)な直線を中心線cとする。
【0077】
さらに図7(C)に示す方法では、断面形状線dを2回微分して得られる極点のうち、最もブランク材BCに近い点を点C、最もブランク材BDに近い点を点Dとする。そして、点C、点Dからそれぞれブランク材BC、ブランク材BD下面に向かって垂線t、uを下ろし、この垂線t、垂線uからの距離v、wがそれぞれ等しく、かつ垂線t、垂線uと平行(つまり、ブランク材に対して垂直)な直線を中心線cとする。
【0078】
中心線は、以上のいずれの方法を用いても定義することが可能である。また、実施の形態2に適用される溶接ビード形状評価の中心線は、以上の方法で定義されるものに限定されるものでなく、厚さの等しいブランク材BC、ブランク材BDを突合わせ、最適照射位置にレーザを照射した場合に形成される溶接ビードの中心を定義するものであれば良い。
【0079】
次に、以上述べた方法で定義された中心線に基づいて、溶接レーザ光1の照射位置と最適照射位置とのずれを検出する方法について述べる。
【0080】
図8(A)ないし(C)は、溶接レーザ光1の照射位置と溶接ビードbを表す断面形状線dとの関係を説明するための図である。
【0081】
図8(A)は、厚さが等しいブランク材を突合わせてレーザ溶接を行なう際に形成される理想的な溶接ビードbの断面形状を表す断面形状線dを表す図である。最適照射位置にレーザを照射した場合に形成される溶接ビード、すなわち理想的な溶接ビードbの断面形状線dは、中心線cを境にして左右対称の形状をし、しかも左右の凹部の深さが0.1mm以内である。このような溶接ビードbが形成されるレーザ溶接光1のレーザ照射位置を、実施の形態2の最適照射位置とする。
【0082】
図8(B)は、レーザ溶接光1の照射位置が、最適照射位置よりも図中左側にずれている場合に形成される溶接ビードbの断面形状線dを示している。突合わせ部分をレーザ溶接されるブランク材の厚さが等しいとき、レーザ溶接光1が最適照射位置に対して位置ずれした方向とは反対の方向に凹部が発生する。また、位置ずれした方向には、凸部が発生する。
【0083】
図8(C)は、ブランク材BCとブランク材BDとの間に隙間がある場合に形成される溶接ビードbを示している。この溶接ビードbは、ブランク材間の隙間のために付合わせ位置で溶接母材が不足するためアンダーカットが発生する。したがって、アンダーカットが発生した場合、ブランク材BC、ブランク材BD間に隙間があると判断することができる。
【0084】
次に、溶接ビードbの凹凸を判定する方法について説明する。
【0085】
図9は、厚さが等しいブランク材BCとブランク材BDとを突合わせ、この突合わせ部分に形成された溶接ビードbの断面形状線dを示している。そして、データ上、この断面形状線中に点oを原点とするx−y座標軸を定義する。なお、断面形状線dとy軸との交点を点z(0,yz )とする。
【0086】
断面形状線dの一方の端部である点C(xc ,yc )から、点z(0,yz )までのy座標の値の平均値をとる。また、断面形状線dの他方の端部である点D(xD ,yD )から点z(0,yz )までのy座標の値の平均値をとり、両者を比較する。この比較の結果、両者の差が所定の値以上であれば、レーザ溶接光1の照射位置がずれ、このために欠陥が発生したと判断する。さらにこのとき、平均値が大きい側に溶接ビードbの凸部があり、反対側に凹部があると判断できる。
【0087】
また、中心線を境にして、左右の平均値が共に所定の値以下であった場合には、ブランク材間に隙間があると判断することができる。なお、レーザ溶接光1の照射位置ずれ、ブランク材間の隙間の有無の判断基準となる所定の値は、照射位置ずれや隙間による欠陥を確実に検出でき、しかも過検出が少ないように予め実験による条件出しで設定されるものである。
【0088】
次に、レーザ溶接光1の照射位置ずれによる欠陥、またはブランク材間の隙間による欠陥が発生したと判断された場合、この欠陥の発生を防ぐ方向に溶接ヘッド8を移動し、レーザ溶接光1が、最適照射位置に照射されるように調整する。この調整は、以下の手順で行なわれる。
【0089】
図8で述べたように、レーザ溶接光1が、最適照射位置よりもブランク材BC、ブランク材BDの中心線cを境にしたいずれかの側にずれた場合、溶接ビードbは、レーザ溶接光1がずれた側に凸部を持ち、反対側に凹部を持つ。
【0090】
したがって、溶接ビードbから凸部が検出された場合、CPU10は、この凸部が検出された側とは反対の側に溶接ヘッド8を移動するように指示する信号を駆動手段6に向けて出力する。CPU10からの信号を受けとった駆動手段6は、ステッピングモータを例えば、0.1〜0.3mm程度の一定量ずつ回転し、CPU10の指示に従って溶接ヘッド8を移動する。また、このときCPU10が、溶接ビードbの凹凸を表す平均値に基づいてレーザ溶接光1の照射位置のずれ量を判断し、このずれ量に応じてステッピングモータを回転するようにしても良い。
【0091】
また、溶接ビードbからブランク材間の隙間が検出された場合、CPU10は、溶接の進行方向に対して溶接ヘッド8を左右交互に動かしながら溶接する、いわゆるウィービングを行なうように駆動手段6に指示する信号を出力する。あるいは、溶接スピードを低下するように指示する信号を出力する。
【0092】
このような信号を受けとった駆動手段6は、CPU10の指示に従って溶接ヘッド8を駆動し、ブランク材間の隙間により発生するアンダーカットの発生を防止する。
【0093】
溶接ヘッド8の移動、またはウィービング、あるいは溶接速度を低下させた後、この後に行なわれたレーザ溶接によって形成された溶接ビードbを計測し、この断面形状からレーザ溶接光1の照射位置のずれ、ブランク材間の隙間を検出する。そして、レーザ溶接光1の照射位置ずれ、またはブランク材間の隙間によるアンダーカットによる欠陥が検出されなくなるまでレーザ溶接光1の照射位置を調整する。
【0094】
以上述べたように実施の形態2のレーザ溶接方法は、厚さが等しいブランク材の付合わせ位置にレーザ溶接を行ないながら、レーザ溶接によって形成された溶接ビードを計測している。そして、位置ずれが検出された場合には、計測された溶接ビードの形状から位置ずれの方向を判断し、このずれを修正している。
【0095】
このため、レーザ溶接光1の照射位置ずれ修正後、この修正の結果が直ちに判定でき、ブランク材の厚さが等しい場合にもレーザ溶接機の溶接ヘッド8の位置合わせを短時間のうちに行なうことができる。
【0096】
また、実施の形態2は、計測された溶接ビードの断面の形状を、平均値の算出など比較的簡易な演算処理で評価することができる。このため、演算処理に使用される装置が簡易なもので良く、本発明を実施するための装置を小型、簡易なものにすることができる。
【0097】
次に、図10、図11に示すフローチャートに基づいて、本発明方法の手順を説明する。
【0098】
処理がスタートとすると、まず、溶接ビード形状センサ3がオンし(S1)、ブランク材の突合わせ部分を検出する。そして、ブランク材間の段差の有無により、両ブランク材の厚さが等しいか否か判断し(S2)、ブランク材の厚さが異なる場合には、実施の形態1で説明した異厚モードをCPU10に設定する(S3:NO)。
【0099】
異厚モード設定後、レーザ溶接を開始し(S4)、レーザ溶接しながらこの溶接によって形成された溶接ビードの断面形状を計測する(S5)。この計測から、溶接ビードに厚板側の目外れがあると判断された場合には(S6:YES)、溶接ヘッド8の位置を薄板ブランク材側に修正する(S7)。
【0100】
また、ステップ6の判断で、厚板側の目外れが検出されなかった場合には(S6:NO)、溶接ビードに薄板側の目外れがあるか否か判断する(S8)。この判断の結果、薄板側の目外れが検出された場合(S8:YES)、溶接ヘッド8の位置を厚板ブランク材側に修正する(S9)。そして、ステップ8の判断の結果、薄板側の目外れが検出されなかった場合には(S8:NO)、このレーザ溶接が終了したか否か判断し(S10)、終了していない場合には(S10:NO)、レーザ溶接が終了するまで溶接ビードを計測、溶接ヘッド8の位置の修正を行なう(S5〜S10)。
【0101】
また、ステップ10の判断で、レーザ溶接が終了したと判断された場合には(S10:YES)、すべての処理を終了する。
【0102】
一方、ステップ2の判断で、ブランク材の厚さが等しいと判断された場合には(S2:YES)、実施の形態2で説明した同厚モードをCPU10に設定する(S11)。そしてレーザ溶接を開始し(S12)、レーザ溶接しながらこの溶接によって形成された溶接ビードを計測する(S13)。この計測から、レーザ溶接光1の照射位置のずれが検出された場合(S14:YES)、溶接ビードが凹部を持つ側にレーザ溶接ヘッド8の位置を移動して溶接ポイントを修正する(S17)。
【0103】
また、ステップ14の判断で、レーザ溶接光1の照射位置のずれが検出されなかった場合(S14:NO)、ブランク材間の隙間によって溶接の母材不足が生じているか否か判断する(S15)。この判断の結果、母材不足がある場合には(S15:YES)、例えば、駆動手段6に指示して溶接速度を低下させる(S18)。
【0104】
一方、ステップ15の判断の結果、母材不足が検出されなかった場合には(S15:NO)このレーザ溶接が終了したか否か判断し(S16)、終了していない場合には(S16:NO)、レーザ溶接が終了するまで溶接ビードを計測、溶接ヘッド8の位置の修正を行なう(S13〜S16)。
【0105】
また、ステップ16の判断で、レーザ溶接が終了したと判断された場合には(S16:YES)、すべての処理を終了する。
【0106】
以上述べた一連の処理により、レーザ溶接機がレーザ溶接光を最適照射位置に照射するよう溶接ヘッドの位置を調整でき、目外れのない良好なレーザ溶接を行なうことができる。
【0107】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ溶接方法を適用するレーザ溶接機の構成図である。
【図2】 図1のレーザ溶接機の制御系のブロック図である。
【図3】 差厚のあるブランク材の断面形状線の典型例を示す図である。
【図4】 (A)ないし(C)は、本発明の実施の形態1の勾配直線を例示する図である
【図5】 溶接レーザ光の照射位置と最適照射位置とのずれを検出する方法の説明図である。
【図6】 同厚のブランク材のの断面形状線の典型例を示す図である。
【図7】 (A)ないし(C)は、本発明の実施の形態2の中心線を例示する図である。
【図8】 本発明の実施の形態2の溶接レーザ光の照射位置と断面形状線との関係の説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態2の溶接ビードの凹凸を判定する方法の説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態1、実施の形態2を一連の処理として表すフローチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態1、実施の形態2を一連の処理として表すフローチャートである。
【図12】 厚さの異なるブランク材の付合わせ部分をレーザ溶接した状態を示す図である。
【図13】 厚さの同じブランク材の付合わせ部分をレーザ溶接した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザ溶接光
2…集光レンズ
3…ビード形状センサ
4…レーザ光
5…ホルダー
6…駆動手段
8…溶接ヘッド
10…CPU
12…制御装置
BA…厚板ブランク材
BB…薄板ブランク材
BC,BD…ブランク材

Claims (16)

  1. ブランク材の突合わせ部分のレーザ溶接方法であって、
    溶接装置と一体となって動作し、前記ブランク材の突合わせ部分の溶接直後の溶接ビードの断面形状を測定する工程と、
    前記測定された溶接ビードの断面形状より溶接ビードの特徴量を評価する工程と、
    前記溶接ビードの特徴量の評価結果に基づいて前記ブランク材の溶接中に溶接条件を設定変更する工程とを有し、
    前記溶接ビードの特徴量を評価する工程は、前記ブランク材の両面に形成された溶接ビードの当該ブランク材のそれぞれの表面に対する突出量または窪み量と、当該溶接ビードの中心線に対する前記溶接ビードの非対称性とによって前記溶接ビードの特徴量を評価することを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 前記ブランク材の突合わせ位置に段差が存在する場合には、前記ブランク材の表裏面に形成された溶接ビードのそれぞれのブランク材の境界線を結ぶ勾配直線に対する突出量または窪み量によって前記溶接ビードの特徴量を評価することを特徴とする請求項に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記溶接条件を設定変更する工程は、
    溶接進行方向に直交し、かつブランク材表面に直交した溶接位置を設定する工程と、
    溶接速度、レーザ溶接加工点出力、レーザビームの揺動幅、加工点での溶接進行方向に直交する方向のビーム幅のいずれか1つまたはいずれかを複合した溶接条件を設定する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  4. ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、
    前記溶接状態を評価する工程は、前記勾配直線と前記勾配直線の始点と終点との間にある前記断面形状線との差を2乗平均した値によって溶接状態を定量的に評価することを特徴とするレーザ溶接方法。
  5. ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、
    前記勾配直線は、前記断面形状線の一方の端部から溶接ビード中心に向かって順次前記断面形状線の移動平均をとり、当該移動平均の値と相違する前記断面形状線上の点のうち、最も前記一方の端部に近い点Aと、前記断面形状線の他の端部から溶接ビード中心に向かって順次前記断面形状線の移動平均をとり、当該移動平均の値と相違する前記断面形状線上の点のうち、最も前記他の端部に近い点Bとを始点または終点とする直線であることを特徴とするレーザ溶接方法。
  6. ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線との差から溶接状態を評価する工程を含み、
    前記勾配直線は、前記断面形状線を2回微分して得られる極点である点Aと点Bとを始点または終点とする直線であることを特徴とするレーザ溶接方法。
  7. ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、当該勾配直線と前記断面形状線 との差から溶接状態を評価する工程を含み、
    前記勾配直線は、前記断面形状線と前記ブランク材のうちの一方の上面の延長線との交点である点Aと、前記断面形状線と他方のブランク材の上面の延長線との交点である点Bとを始点または終点とする直線であることを特徴とするレーザ溶接方法。
  8. 前記溶接状態を評価する工程は、前記勾配直線と前記勾配直線の始点と終点との間にある前記断面形状線との差の絶対値を平均した値によって溶接状態を定量的に評価することを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のレーザ溶接方法。
  9. 厚さが等しいブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記溶接ビードの中心線を引き、前記中心線を境にした右部分と左部分とで前記断面形状線の凹凸に差異がある場合、凸である部分がより多い側にレーザ溶接位置がずれていると判断する溶接位置ずれ検出工程を含むことを特徴とするレーザ溶接方法。
  10. 前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線の一方の端部から他方の端部に向かって順次前記断面形状線の移動平均をとり、当該移動平均の値と相違する前記断面形状線上の点のうち、最も前記一方の端部に近い点Cを通る直線と、最も前記他方の端部に近い点Dを通る直線と平行で、かつ前記各直線と等しい距離にある直線を中心線とすることを特徴とする請求項に記載のレーザ溶接方法。
  11. 前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線と前記ブランク材のうちの一方の上面の延長線との交点である点Cを通る直線と、前記断面形状線と他方のブランク材の上面の延長線と平行で、かつ前記各直線と等しい距離にある直線を中心線とすることを特徴とする請求項に記載のレーザ溶接方法。
  12. 前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線を2回微分して得られる極点である点Cを通る直線と、前記断面形状線を2回微分して得られる他の極点である点Dを通る直線と平行で、かつ前記各直線と等しい距離にある直線を中心線とすることを特徴とする請求項9に記載のレーザ溶接方法。
  13. 前記溶接位置ずれ検出工程は、前記断面形状線と前記点Cを通る直線と前記中心線とによって表される断面形状を有する溶接ビードの高さ平均と、前記断面形状線と前記点Dを通る直線とによって表される断面形状を有する溶接ビードの高さ平均との差によって前記断面形状線の前記中心線を境にした右部分と左部分との凹凸の差異を検出することを特徴とする請求項ないし請求項12のいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  14. ブランク材の突合わせ部分をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    レーザ溶接しながらレーザ溶接によって形成される前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、
    当該断面形状線に基づいてレーザ溶接位置ずれまたは溶接母材隙間の有無を検出し、
    レーザ溶接位置ずれが検出された場合にはレーザ溶接位置を修正して溶接ビードを補正する一方、溶接母材隙間が検出された場合には、溶接速度を低下する、または溶接の進行方向に対して溶接用のレーザ光を横方向に動かして溶接ビードを補正し、
    前記補正後の溶接によって形成された溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し溶接の状態を検査し、
    前記ブランク材の厚さが等しい場合、前記断面形状線に基づくレーザ溶接位置ずれの検出は、前記突合わせ部分の溶接ビードの断面形状を表す断面形状線を計測し、前記断面形状線上に前記溶接ビードの中心線を引き、前記中心線を境にした右部分と左部分とで前記断面形状線の凹凸に差異がある場合、凸である部分がより多い側にレーザ溶接位置がずれていると判断することを特徴とするレーザ溶接方法。
  15. 前記ブランク材の厚さが異なる場合、前記断面形状線に基づくレーザ溶接位置ずれの検出は、前記断面形状線上に前記ブランク材間の斜面を想定した勾配直線を引き、前記断面形状線が、前記勾配直線よりも突出した凸部分を有する場合には、前記ブランク材のうち、厚さがより厚いブランク材の側にレーザ溶接位置がずれていると判断する一方、前記断面形状線が、前記勾配直線に対して凹んだ凹部分を有する場合には、前記ブランク材のうち、厚さがより薄いブランク材の側にレーザ溶接位置がずれていると判断することを特徴とする請求項14に記載のレーザ溶接方法。
  16. 前記断面形状線は、レーザ溶接機の溶接ヘッドと連結して一体的に移動するセンサによって計測されることを特徴とする請求項15記載のレーザ溶接方法。
JP10137299A 1998-09-29 1999-04-08 レーザ溶接方法 Expired - Fee Related JP3721844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10137299A JP3721844B2 (ja) 1998-09-29 1999-04-08 レーザ溶接方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27568898 1998-09-29
JP10-275688 1998-09-29
JP10137299A JP3721844B2 (ja) 1998-09-29 1999-04-08 レーザ溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000167678A JP2000167678A (ja) 2000-06-20
JP3721844B2 true JP3721844B2 (ja) 2005-11-30

Family

ID=26442255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10137299A Expired - Fee Related JP3721844B2 (ja) 1998-09-29 1999-04-08 レーザ溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3721844B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5073955B2 (ja) * 2006-03-23 2012-11-14 株式会社総合車両製作所 レーザ溶接方法
WO2014129635A1 (ja) * 2013-02-22 2014-08-28 古河電気工業株式会社 レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法
WO2015159514A1 (ja) * 2014-04-15 2015-10-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ溶接方法
KR101858032B1 (ko) 2016-05-18 2018-05-15 현대건설주식회사 파이프라인 외관 검사 장치, 방법, 시스템 및 프로그램
JP7152277B2 (ja) * 2018-11-27 2022-10-12 トヨタ自動車株式会社 溶接検査装置
US20220297192A1 (en) 2019-11-11 2022-09-22 Mitsubishi Electric Corporation Additive manufacturing apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000167678A (ja) 2000-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4696325B2 (ja) 自動溶接及び欠陥補修方法並びに自動溶接装置
US5877960A (en) Method and apparatus for monitoring and positioning a beam or jet for operating on a workpiece
KR0178437B1 (ko) 파형겹침판 이음용 용접로봇에 있어서의 파형부 용접방법
JP3721844B2 (ja) レーザ溶接方法
JP4813505B2 (ja) 溶接状態の検査方法
JP4187818B2 (ja) 溶接状態の検査方法
US20230356328A1 (en) Method for Welding Sheet Metal Parts
JP4396352B2 (ja) 溶接状態の検査方法と検査装置
JPH08112689A (ja) 突き合わせ溶接のワーク突き合わせ位置検出方法
JP3819276B2 (ja) 溶接ロボットの制御装置
JPH0659545B2 (ja) 自動溶接方法
JP3204587B2 (ja) 位置検出装置
JPH05312509A (ja) 形状処理方法
JPH07117372B2 (ja) 溶接線検出装置
JPH10216969A (ja) レーザー自動溶接装置と溶接方法
JP2000061634A (ja) 仮付溶接部を有する隅肉溶接物の溶接方法および同自動溶接機
JP2918415B2 (ja) 自動溶接方法
JPH0610607B2 (ja) 微小間隔測定方法
JPH04258379A (ja) ならい溶接方法
JPH05215516A (ja) T形継手の溶接線検出方法
JPH1076366A (ja) 溶接位置検出装置および方法
JPH0727511A (ja) 溶接線位置検出方法
JPH051106B2 (ja)
JPS58103981A (ja) 溶接継目位置検出方法
JP2003266190A (ja) レーザー溶接における重ね継手の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees