JP4262406B2 - オニウム塩誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、UV光、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、F2エキシマレーザー光、電子線、X線を照射することにより強酸を発生するオニウム型強酸発生剤として有用なオニウム塩誘導体の製造方法及び新規オニウム塩誘導体に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、半導体デバイスの高密度集積化に伴い、微細加工のなかでもフォトリソグラフィに用いられる露光装置の光源は益々短波長化し、最近ではKrFエキシマレーザー光(248.4nm)が検討されるまでになってきているが、このKrFエキシマレーザー光を光源として用いるためのレジスト材料には露光に対して高感度に反応することが要求されている。
【0003】
そのための方法の1つとして、露光により酸を発生する性質を有する化合物を含有させることにより高感度化を計る、いわゆる化学増幅型のレジスト材料を用いることが提案されている(Polym.Eng.Sci.,Vol.23,1012(1983))。
【0004】
また、前述した化学増幅型のレジスト材料に使用される、露光により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤と略称する)としてジアゾニウムジアリル又はアルキルヨードニウムトリアリル又はアルキルスルフォニウム塩等のオニウム塩が報告されている(米国特許第4,491,628号、米国特許第4,603,101号、特公平2−27660号公報、特開昭62−1140号公報等)。
【0005】
また、酸発生剤としては、6−ジニトロベンジルトシレート等が報告されている(F.l.Houlibanほか,Advances in Resist Technology and Processing,SPIE,Vol.920,67,(1988)等)。
【0006】
このような酸発生剤の中では、ヨードニウム又はスルフォニウム等のオニウム塩、特に、スルホネートを陰イオンとするオニウム塩誘導体は、貯蔵時の溶液安定性が良いために広く利用されている。
【0007】
このようなオニウム塩誘導体は、陰イオンをハロゲンイオンとするオニウム塩誘導体をスルホン酸、スルホン酸の銀塩あるいはアルカリ金属塩と塩交換することにより製造する方法が知られている(例えば、J.Polymer Sci., Symposium No.56, 383頁(1976)やJ.Rad.Curing,4巻、2頁(1977)等)。
【0008】
しかしながら、スルホン酸あるいはスルホン酸のアルカリ金属塩との交換反応は平衡反応のため、スルホン酸あるいはスルホン酸のアルカリ金属塩を、陰イオンをハロゲンイオンとするオニウム塩誘導体に対して1.5モル当量以上用いる必要があるという問題点や、選られたスルホネートを陰イオンとするオニウム塩誘導体にハライドイオンが混入するという問題がある。また、銀塩を用いる方法では、銀塩が高価であるという問題がある。
【0009】
このようなスルフォニウム塩を酸発生剤として生じるスルホン酸類は、その置換基が芳香族からアルキル基に至るまで多種多様であるため共通の中間体からのアニオン交換法が好ましい。しかしながらスルホン酸類はどれも硫酸以上の強酸であるため通常の塩交換では、反応における平衡関係から、原料であるアニオンの残存が必然的に起こり、その結果レジストに悪影響を与える。
【0010】
また、スルホネートを陰イオンとするオニウム塩誘導体は、化学増幅型レジストの光酸発生剤の他、例えば、エポキシなどの種々の陰イオン重合性化合物に対する熱あるいは光開始剤として用いられている。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、化学増幅型レジストに用いられる酸発生剤等として有用なオニウム塩誘導体を高収率で合成できるオニウム塩誘導体の製造方法及び新規オニウム塩誘導体を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意努力を重ねた結果、ハロゲン陰イオン、又はカルボキレート陰イオンを有するオニウム塩誘導体に、スルホン酸エステル誘導体又はリン酸エステル誘導体を反応させることによりオニウムスルホン酸誘導体又はオニウムリン酸誘導体が高収率で得られることを見いだし本発明を完成させた。また、これにより、フォスフェートを陰イオンとする新規なオニウム塩誘導体が得られることを知見し、さらに、かかる新規オニウム塩リン酸誘導体から、スルホネートを陰イオンとするオニウム塩誘導体を効率よく製造できることを知見し、本発明を完成させた。
【0013】
また、ハロゲン陰イオン、又はカルボキシレート陰イオンを有するオニウム塩誘導体に、オルト酸エステル等の所定の化合物を共存させた状態でスルホン酸塩を反応させると、同様なスルホネートを陰イオンとするオニウム塩誘導体を製造できることを知見し、本発明を完成させた。
【0014】
さらに、ハロゲン陰イオン、又はカルボキレート陰イオンを有するオニウム塩誘導体に、ジアルキル硫酸等のスルホン酸誘導体を反応させた後、さらにスルホン酸塩を反応させることによりオニウムスルホン酸誘導体が高収率で得られることを見いだし本発明を完成させた。
【0015】
かかる本発明の第1の態様は、下記一般式(1)〜(4)で表されるオニウム塩誘導体と、下記一般式(5)〜(7)で表される化合物とを反応させることにより一般式(8)〜(19)で表されるオニウム塩誘導体を得ることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0016】
【化18】
【0017】
(R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基又はフェナシル基を表し、R1とR3と及びR2とR5の少なくとも一方は一緒になって2価の有機基を表してもよい。R4は、炭素数20以下の2価の有機基を表す。Q-はハロゲン陰イオン、又は炭素数が10以下のカルボシキレート陰イオンを表す。)
【0018】
【化19】
【0019】
(R6は、置換されていてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表す。R7は、置換されてもよい炭素数10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表す。R8、R9は、それぞれ独立に、置換されてもよい炭素数が10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表す。)
【0020】
【化20】
【0021】
【化21】
【0022】
【化22】
【0023】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記一般式(5)のスルホン酸エステルのR7が炭素数5までの低級アルキル基である低級アルキルスルホネートであることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0024】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、生成するR7Qを反応系外に除去しながら反応させることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0025】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、反応を溶媒中で行うことを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0026】
本発明の第5の態様は、下記一般式(1)〜(4)で表されるオニウム塩誘導体と、下記一般式(21)〜(23)で表される化合物と、下記一般式(24)で表されるスルホン酸誘導体とを反応させることにより、一般式(25)〜(28)で表されるオニウム塩誘導体を得ることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0027】
【化23】
【0028】
(R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基又はフェナシル基を表し、R1とR3と及びR2とR5の少なくとも一方は一緒になって2価の有機基を表してもよい。R4は、炭素数20以下の2価の有機基を表す。Q-はハロゲン陰イオン、又は炭素数が10以下のカルボキシレート陰イオンを表す。)
【0029】
【化24】
【0030】
(R10は水素、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、置換されてもよい炭素数10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表す。)
【0031】
【化25】
【0032】
(R15は、置換されていてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表す。Yは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウムを表す。)
【0033】
【化26】
【0034】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記一般式(21)〜(23)の化合物を、一般式(1)〜(4)の前記オニウム塩誘導体に対して1〜10倍モル用いることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0035】
本発明の第7の態様は、第5又は6の態様において、前記スルホン酸誘導体を、一般式(1)〜(4)の前記オニウム塩誘導体に対して1〜2倍モル用いることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0036】
本発明の第8の態様は、下記一般式(1)〜(4)で表されるオニウム塩誘導体と、下記一般式(29)で表される硫酸エステルとを反応させ、この反応で得られたオニウム塩誘導体と下記一般式(24)で表されるスルホン酸誘導体とを反応させることにより一般式(25)〜(28)で表されるオニウム塩誘導体を得ることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0037】
【化27】
【0038】
(R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基又はフェナシル基を表し、R1とR3と及びR2とR5の少なくとも一方は一緒になって2価の有機基を表してもよい。R4は、炭素数20以下の2価の有機基を表す。Q-はハロゲン陰イオン、又は炭素数が10以下のカルボキシレート陰イオンを表す。)
【0039】
【化28】
【0040】
(R16は及びR17は、置換されてもよい炭素数10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表す。)
【0041】
【化29】
【0042】
(R15は、置換されていてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表す。Yは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウムを表す。)
【0043】
【化30】
【0044】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記一般式(29)の硫酸エステルが、ジメチル硫酸又はジエチル硫酸であることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0045】
本発明の第10の態様は、下記一般式(12)〜(15)で表されるオニウム塩誘導体と、下記一般式(24)で表されるスルホン酸誘導体とを反応させることにより一般式(25)〜(28)で表されるオニウム塩誘導体を得ることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法にある。
【0046】
【化31】
【0047】
(R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基又はフェナシル基を表すが、R1とR3と及びR2とR5の少なくとも一方は一緒になって2価の有機基を表してもよい。R4は、炭素数20以下の2価の有機基を表す。R8、R9は、それぞれ独立に、置換されてもよい炭素数が10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表す。)
【0048】
【化32】
【0049】
(R15は、置換されていてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表す。Yは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウムを表す。)
【0050】
【化33】
【0051】
本発明の第11の態様は、下記一般式(12)〜(15)で表されることを特徴とするオニウム塩誘導体にある。
【0052】
【化34】
【0053】
(R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基又はフェナシル基を表すが、R1とR3と及びR2とR5の少なくとも一方は一緒になって2価の有機基を表してもよい。R4は、炭素数20以下の2価の有機基を表す。R8、R9は、それぞれ独立に、置換されてもよい炭素数が10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表す。)
【0054】
本発明では、上記一般式(1)〜(4)で表されるオニウム塩誘導体を原料とし、これにスルホン酸エステル、リン酸エステル又は硫酸エステルを反応させることにより、高収率でオニウム塩スルホン酸誘導体又はオニウム塩リン酸誘導体を得る。
【0055】
ここで、原料として挙げた一般式(1)〜(4)のオニウム塩誘導体は、中心元素として沃素、硫黄を有するヨードニウム塩及びスルホニウム塩としたが、アンモニウム塩、フォスホニウム塩等を用いてもよい。
【0056】
ここで、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換されてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基又はフェナシル基を表し、R1とR3と及びR2とR5の少なくとも一方は一緒になって2価の有機基を表してもよいが、これらの具体例を以下に示す。
【0057】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−アミル基、sec−アミル基、2−メチルブチル基、2−メチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ヘキシル基、1,1,1−トリメチルベンジル基、1,1−ジメチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8の鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜20のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基等)を挙げることができ、パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオルプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。
【0058】
芳香族有機基は、単環もしくは縮合環の炭素環構造又は単環もしくは縮合環の芳香核を有する有機基からなり、芳香族有機基における前記芳香核としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等を挙げることができる。これらの芳香核は、適宜の位置に置換基を有することもできる。該置換基としては炭素数1〜12のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜12のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、炭素数2〜11のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基等)、炭素数2〜11のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えばベンジル基、ジフェニルメチル基、フェニルプロピル基等)、ニトロ基、シアノ基、ブトキシカルボニルオキシ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)を挙げることができる。これらの置換基は、2種類以上存在することもできる。
【0059】
具体的には、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、ヒドロキシフェニル基、アルコキシフェニル基、アミノフェニル基、アルコキシカルボニルフェニル基、フォルミルフェニル基、チオフェニル基、チオアルコキシフェニル基、シアノフェニル基等のアリール基を挙げることができる。
【0060】
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜20のアラルキル基(例えばベンジル基、ナフチルメチル基、アントラニルメチル基、ジフェニルメチル基等)を挙げることができ、これらのアラルキル基は、芳香核の適宜の位置に置換基を有することができ、該置換基としては前記芳香族有機基についてあげた置換基と同様のものを挙げることができる。
【0061】
具体的には、フェニルベンジル基、ハロゲン化ベンジル基、ヒドロキシベンジル基、アルコキシフェニルベンジル基、アミノベンジル基、アルコキシカルボニルベンジル基、フォルミルフェニル基、チオベンジル基、チオアルコキシベンジル基、シアノベンジル基等が挙げられる。
【0062】
また、R4は2価の有機基、例えばアリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アラルキレン基等を挙げることができ、具体例としては例えばフェニレン基、ナフチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、シクロへキシレン基、キシリレン基等を挙げることができる。
【0063】
上記一般式(3)及び(4)のR1とR3及び/又はR2とR5とが一緒になって形成する場合の2価の有機基は、一般式(3)及び(4)中の硫黄原子とともに脂肪族もしくは芳香族の複素環式構造を形成する2価の有機基である。このような2価の有機基としては、例えば下記式に示される有機基等を挙げることができる。
【0064】
【化35】
【0065】
また、Q-はハロゲン陰イオン、又は炭素数が10以下のカルボキシレート陰イオンを表す。
【0066】
ハロゲン陰イオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオンを挙げることができる。
【0067】
カルボシキレート陰イオンは、下記一般式(20)で表される群から選択される。
【0068】
【化36】
【0069】
ここで、R19は、水素、又は置換されてもよい炭素数10以下のアルキル基を表すが、好ましくは、炭素数5以下のアルキル基が好適である。
【0070】
一般式(1)〜(4)のオニウム塩誘導体と反応させる、一般式(5)〜(7)は、スルホン酸エステル、リン酸エステル、硫酸エステルである。
【0071】
ここで、R6〜R9の具体例を示す。
【0072】
R6は、置換されていてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表すが、具体例を以下に示す。
【0073】
アルキル基としては、例えば置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基)を挙げることができる。
【0074】
また、パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。
【0075】
シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜15のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、7,7−ジメチル−2−オキソーピシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−メチル基等)を挙げることができる。
【0076】
芳香族有機基としては、例えば炭素数6〜25の芳香族有機基(例えばフェニル基、トリル基、トリメチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、フルオロフェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基、フェナントリル基等)を挙げることができる。
【0077】
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜20のアラルキル基(例えばベンジル基、ナフチルメチル基、アントラニルメチル基、ジフェニルメチル基等)を挙げることができる。
【0078】
R7、R8、及びR9は、置換されてもよい炭素数10以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アラルキル基を表すが、特に、炭素数5以下のアルキル基が好ましい。
【0079】
本発明の反応は、溶媒の存在下、または不存在下で行うことができるが、好ましくは溶媒の存在下に行う。使用する溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類を挙げることができ、好ましくはエーテル類である。
【0080】
本発明の反応温度は特に制限はないが、好ましくは0℃〜200℃である。
【0081】
本発明の反応は、エステル交換反応であり、アルキルハライド等のR7−Qが生成するが、このR7−Qを反応系外に除くのが好ましい。従って、R7−Qの沸点が低い方が除去が簡単である。反応で生成したR7−Qを除去する方法としては、例えば、R7−Qより沸点の高い溶媒を用いてR7−Qの沸点より高温で反応させ気体として反応系外に除く等の方法がある。
【0082】
以上説明した方法により製造される一般式(8)〜(19)で表されるオニウム塩誘導体は、そのまま酸発生剤等として用いることができるが、常法に基づき適宜塩交換して使用することができる。特に、一般式(16)、(17)のオニウム塩スルホン酸誘導体は、特に、UV光、KrFエキシマーレーザー光、ArFエキシマーレーザー光、F2エキシマーレーザー光、電子線、X線を照射することにより強酸を発生するオニウム型強酸発生剤として有用である。
【0083】
また、一般式(12)〜(15)のオニウム塩リン酸誘導体は、新規化合物である。かかる化合物は、弱酸の共役塩基であるリン酸エステルをアニオン部にもつオニウム塩であり、それ自体酸発生剤として用いることができるが、スルフォン酸などの強酸と容易に塩交換することにより、スルホン酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体をハロゲンなどの不純物を排除した状態で得ることができる。
【0084】
かかるオニウム塩リン酸誘導体を上述した本発明方法により製造する場合、上述した反応条件でもよいが、特に好適な反応条件を以下に説明する。
【0085】
かかるオニウム塩リン酸誘導体を合成する際に使用するリン酸エステルの量は、オニウム塩1当量に対して1〜3当量、より好ましくは1.2〜2当量である。このリン酸エステルを溶媒として用いるときは、オニウム塩1当量に対して5〜30当量、より好ましくは10〜20当量が適当である。
【0086】
反応溶媒は、オニウム塩1当量に対して1〜20リットル(Lと表記する)、より好ましくは5〜10Lが適当である。反応溶媒としては通常一般式(6)で表されるリン酸エステルが用いられる。つまり一般式(6)で表されるリン酸エステルは反応試剤であるとともに反応溶媒として用られる。溶媒を使用する際には、本発明に用いられる溶媒に特に限定はなく、炭化水素系溶媒、塩素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒等を適宜用いることができる。好ましくは1,2ジクロロエタン、ジオキサン等の高沸点溶媒が適当である。
【0087】
反応温度は、通常40〜200℃、好ましくは50〜180℃である。反応温度が高すぎれば副反応による収率低下を招き、また反応温度が低ければ反応時間が長くなる。
【0088】
反応時間は、通常1分間〜40時間、好ましくは5分間〜20時間である。反応初期ではオニウム塩は通常不溶であるが、反応が進行するに従って溶解する。しかしジフェニルヨードニウムクロライドは溶媒に溶けにくい。反応終了後リン酸エステルを用いた場合は、反応物を冷却するとオニウム塩が結晶化する。次いで、アルコール、エーテル、アセトン等の少量の溶媒で洗浄後乾燥する。塩交換反応に用いる場合はこのまま用いてもかまわない。
【0089】
オニウムフォスフェートは多くの場合水溶性であるのに対し塩交換されるオニウムスルフォン酸塩は有機層に抽出されるため、酸強度による平衡とあいまって、ほとんど選択的にスルフォン酸塩として製造できる。前述した、オニウムフォスフェートの製造法はハライドのトリアルキルフォスフェートのアルキル基への求核置換反応により生じたハロアルカンが系外へ取り除かれるため結果としてアニオン変換がスムーズに進むことを利用したもので、極めて効率的である。
【0090】
さらに、かかるオニウム塩リン酸誘導体を原料とし、これに一般式(24)スルフォン酸塩とを反応させることにより、スルフォン酸の使用量を低減し且つ高収率でオニウム塩スルフォン酸誘導体を得ることができる。
【0091】
かかる本発明方法では、原料としてオニウムジアルキルフォスフェートを用いると特に好ましく、これらとスルフォン酸との交換は生じた水溶液中のアルキルリン酸のpKaが2程度に対してスルフォン酸が−3〜−6と大きく異なるため、オニウムスルフォン酸塩へ平衡がほぼ完全に移行する。
【0092】
本発明方法では、オニウムフォスフェート1モルに対し、スルフォン酸を1〜2モル倍、好ましくは1.05〜1.2モル倍用いる。また、反応溶媒は、オニウム塩1モルに対し、1〜20L、好ましくは5〜10L用いるのがよい。
【0093】
反応溶媒としては、一般的には、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム)が用いられるが、水と2層を形成して溶質であるオニウム塩を溶解できるものであれば何れの溶媒を用いてもよい。
【0094】
反応温度は、一般的には室温でよく、交換反応は瞬時に行われるので、反応時間は特に限定されない。
【0095】
反応終了後、水及びアルカリ水(例えば、アンモニア等のアミン水溶液)を加えてアルカリ性にすると交換反応はすばやく進むとともに余分な酸を水層に追い出すことができる。なお、水層を除去し、pHが中性になるまで数回有機層を水洗し、乾燥後、溶媒を留去し、再結晶などで精製することにより目的物を得ることができる。
【0096】
本発明方法では、リン酸塩の酸強度が通常のスルフォン酸に対してきわめて弱く、多くの場合水溶性であるのに反し、塩交換されるオニウムスルフォネートが有機層に抽出されるため、酸強度による平衡とあいまってほとんど選択的にスルフォン酸塩として製造できる。
【0097】
本発明では、上記一般式(1)〜(4)で表されるオニウム塩誘導体と、一般式(21)〜(23)で表される化合物と、一般式(24)のスルホン酸塩とを反応させすことにより、一段階で高収率でオニウムスルホン酸塩を得ることができる。
【0098】
ここで、一般式(21)〜(23)の化合物は、オルトカルボン酸エステル、リン酸エステル、硫酸エステルである。一般式(21)のR10は、水素、又は上述したR6と同様な置換基とすることができる。また、一般式(21)〜(23)のR11〜R13は、上述したR7及びR8と同様な置換基とすることができる。
【0099】
一方、一般式(24)で表されるスルホン酸塩のR15は、置換されていてもよい炭素数25以下の、アルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、芳香族有機基、アラルキル基を表す。以下に具体例を示す。
【0100】
アルキル基としては、例えば置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基)を挙げることができる。
【0101】
また、パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ノナルルオロブチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができ、特に、パーフルオロアルキル基が好ましい。
【0102】
シクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜15のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、7,7−ジメチルー2−オキソービシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−メチル基等)を挙げることができる。
【0103】
芳香族有機基としては、例えば、炭素数6〜25の芳香族有機基(例えば、フェニル基、トリル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基、フェナントリル基等)を挙げることができる。アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、アントラニルメチル基、ジフェニルメチル基等)を挙げることができる。
【0104】
一般式(24)において、Yは水素原子、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属及び/又はアンモニウムを表す。ここで、アンモニウムは下記一般式(21)で表される。
【0105】
【化37】
【0106】
(R20〜R23は、水素、アルキル基、アラルキル基、アリール基を表す。)
【0107】
このような化合物及びスルホン酸塩を用いた反応では、これらの化合物が、スルフォン酸の酸触媒的作用により分解して陽イオンを生成し、これがハライド等の陰イオンと反応する。そして、アルキルハライド等を生成してハライド等の陰イオンを除き、代わってスルフォン酸が塩交換されることにより反応が円滑に進むものと思われる。
【0108】
かかる本発明方法では、オルト酸エステル等の化合物は、オニウム塩誘導体に対して1〜10倍モル、好ましくは1.2〜5倍モル用いる。
【0109】
また、スルフォン酸塩は、オニウム塩誘導体に対して1〜2倍モル、好ましくは1.05〜1.2モル倍用いる。
【0110】
また、この反応に用いられる溶媒は、塩素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒、カルボン酸系溶媒等を適宜用いることができるが、特に塩化メチレン、クロロホルムが好まれる。
【0111】
この反応は、通常室温で反応は進行するが、加熱する事により反応を促進させることができる。通常100℃以内、好ましくは40〜60℃である。
【0112】
反応時間は反応温度に依存し、ハライド等の陰イオン濃度を50ppm以下にするには室温で12時間、40℃で2〜4時間を必要とする。
【0113】
反応終了後アンモニア水を加えアルカリ性にした後、目的物を使用溶媒から抽出する。溶液は乾燥後溶媒留去後再結晶する。
【0114】
以上説明した本発明方法で製造されたオニウムスルフォネートは、レジストプロセス上有害となるハライドの含有を極めて低く抑えることができるため化学増幅系レジストの酸発生剤として有用といえる。
【0115】
さらに、本発明では、一般式(1)〜(4)のオニウム塩誘導体に、一般式(29)の硫酸エステルと反応させ、さらに、一般式(24)のスルホン酸エステルと反応させることにより、簡便に且つ経済的に高純度なスルホン酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体が得られる。
【0116】
一般式(29)の置換基R16及びR17は、一般式(7)のR7及びR8と同様なものであるが、好ましくは、炭素数5以下のアルキル基、最も好ましくは、メチル基又はエチル基である。
【0117】
かかる本発明方法は、原料となる一般式(1)〜(4)のオニウム塩誘導体(以下、ハロゲンを陰イオンとするオニウム塩誘導体として説明する)と、ジアルキル硫酸等の硫酸エステル(以下、アルキルエステルとして説明する)とを反応させる第1の工程を含むが、上記工程によりモノアルキル硫酸イオンを対イオンとするオニウム塩誘導体が得られる。
【0118】
この工程はハロゲンイオンを有するオニウム塩誘導体とジアルキル硫酸を反応させることにより、モノアルキル硫酸イオンを対イオンとするオニウム塩誘導体とアルキルハライドが生成するものと推測される。従って、生成するアルキルハライドを反応系外に除去することにより、反応系からハライドイオンを除去することができる。ジアルキル硫酸としては、低級ジアルキル硫酸、特にジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸が好ましい。低級ジアルキル硫酸を使用することにより、生成したアルキルハライド等を気体として容易に反応系外に除去することができる。
【0119】
上記第1の工程は、溶媒の存在下、または不存在下で行なうことができるが、好ましくは溶媒の存在下に行う。使用する溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、 ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類を挙げることができる。反応温度は特に制限はないが、好ましくは 30℃〜120℃、特に好ましくは40℃〜100℃である。
【0120】
陰イオンとしてハロゲンイオンを有するオニウム塩誘導体と、ジアルキル硫酸とを反応させるに際しては、陰イオンとしてハロゲンイオンを有するオニウム塩誘導体とジアルキル硫酸のモル比は特に制限はないが、好ましくは1.0:1.0〜2.0である。1.0:1.0よりジアルキル硫酸のモル比が低いと、反応後ハライドイオンが残り好ましくない。また、ジアルキル硫酸のモル比は2.0以上用いても良いが、多いと未反応ジアルキル硫酸が反応後残り、好ましくない。
【0121】
前記第1の工程により得られたモノアルキル硫酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体とスルホン酸及び/又はスルホン酸のアルカリ金属塩及び/またはスルホン酸のアンモニウム塩とを反応させる第2の工程により目的とするスルホン酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体を得ることができる。この第2の工程で使用されるスルホン酸及びその塩としては上記一般式(24)で表される。
【0122】
本発明の第2工程の、モノアルキル硫酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体と、スルホン酸及び/又はその塩とを反応させるに際してはモノアルキル硫酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体とスルホン酸及び/又はその塩とのモル比は特に制限はないが、好ましくは1.0:1.0〜1.5である。この比が1.0以下でも良いが、目的とするスルホン酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩の収率が低下するので好ましくない。また、1.5以上でも良いが、スルホン酸及び/又はその塩を大過剰に用いても、経済的でない。
【0123】
本発明の第2の工程の反応は、溶媒の存在下、または不存在下で行なうことができるが、好ましくは溶媒の存在下に行なう。使用する溶媒としては、例えば、水、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、 ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類を挙げることができ、好ましくは水である。また、上記有機溶媒と水の混合溶媒も好ましい。また、この第2の工程の反応温度は特に制限はない。
【0124】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではないことはいうまでもない。各化合物はNMR、IR、UVおよびMASSによって同定した。
【0125】
(実施例1)
p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムの合成
塩化ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム428.8g(1.0mol)とp−トルエンスルホン酸メチル223.5g(1.2mol)とをt−ブチルメチルエーテル500mlに縣濁し、この縣濁液を55℃〜58℃に加熱し、撹拌しながら5時間還流させた。この反応液を冷却後、白色固体をろ別した。この白色固体をt−ブチルメチルエーテルで洗浄後、真空乾燥させることにより513.7g(収率91%)のp−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが得られた。
【0126】
得られた白色固体の塩素イオン含量を硝酸銀滴定により求めたところ、8ppmであった。
【0127】
(実施例2)
p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムの合成
実施例1におけるp−トルエンスルホン酸メチルの代わりにp−トルエンスルホン酸イソプロピル257.1g(1.2mol)を用いた以外は実施例1と全く同様の操作により、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム479.9g(収率85%)を得た。塩素イオン含量は38ppmであった。
【0128】
(実施例3)
p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウムの合成
沃化トリフェニルスルホニウム390.3g(1.0mol)とp−トルエンスルホン酸メチル223.5g(1.2mol)にアセトニトリル500mlを加え、82℃〜85℃に加熱し、撹拌しながら5時間還流させた。この反応液を冷却後、減圧でアセトニトリルを留去させた。残った淡黄色固体を塩化メチレンで洗浄後、真空乾燥させることにより369.4g(収率85%)のp−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウムが得られた。
【0129】
得られた白色固体の沃素イオン含量を硝酸銀滴定により求めたところ、83ppmであった。
【0130】
(実施例4)
9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムの合成
塩化ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム6.4g(15m mol)およびメチル−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸6.48g(19.5mmol)にアセトニトリル90mlを加え、82℃〜85℃に加熱し、撹拌しながら20時間還流させた。この反応液を冷却後、析出した固体をろ別した。固体を酢酸エチルで洗浄後、真空乾燥させることにより8.32g(収率78%)の9、10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが得られた。得られた固体の塩素イオン含量を硝酸銀滴定により求めたところ、110ppmであった。
【0131】
(実施例5)
カンファースルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)の合成
塩化ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム17.06g(39.79mmol)およびメチルカンファースルホン酸10.78g(43.76mmol)に酢酸エチル50mlを加え、77℃〜80℃に加熱し、撹拌しながら24時間還流させた。この反応液を冷却後、固体をろ別した。固体をアセトンから再結晶後、真空乾燥させることにより20.63g(収率83%)のカンファースルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが得られた。
【0132】
得られた固体の塩素イオン含量を硝酸銀滴定により求めたところ、20ppmであった。
【0133】
(実施例6)
p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムの合成
ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム・アセテート467mg(1.0mmol)とp−トルエンスルホン酸メチル204mg(1.1mmol)とをt−ブチルメチルエーテル5mlに縣濁し、この縣濁液を55℃〜58℃に加熱し、撹拌しながら5時間還流させた。この反応液を冷却後、白色固体をろ別した。この白色固体をt−ブチルメチルエーテルで洗浄後、真空乾燥させることにより521mg(収率91%)のp−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが得られた。
【0134】
(実施例7)
p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムの合成
実施例6におけるp−トルエンスルホン酸メチルの代わりにp−トルエンスルホン酸イソプロピル257.1mg(1.2mmol)を用いた以外は実施例6と全く同様の操作により、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム492mg(収率85%)を得た。
【0135】
(実施例8)
p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウムの合成
トリフェニルスルホニウム・プロピオネート336mg(1.0mmol)とp−トルエンスルホン酸メチル204mg(1.1mmol)にアセトニトリル5mlを加え撹拌しながら5時間還流させた。この反応液を冷却後、減圧でアセトニトリルを留去させた。残った淡黄色固体を塩化メチレンで洗浄後、真空乾燥させることにより492mg(収率85%)のp−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウムが得られた。
【0136】
(実施例9)
カンファースルホン酸・ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩の合成
ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム・アセテート467mg(1mmol)およびメチルカンファースルホン酸259mg(1.05mmol)に酢酸エチル50mlを加え撹拌しながら24時間還流させた。この反応液を冷却後、固体をろ別した。固体をアセトンから再結晶後、真空乾燥させることにより518mg(収率83%)のカンファースルホン酸ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが得られた。
【0137】
(実施例10)
トリフロロメタンスルホン酸・ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムの合成
酢酸・ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム467mg(1mmol)およびトリフロロメタンスルホン酸メチルエステル170mg(1.05mmol)にtert−ブチルメチルエーテル5mlを加え、室温で4時間撹拌しながら反応を行った。この精製した固体をろ別し真空乾燥させることにより412mg(収率76%)のトリフロロメタンスルホン酸・ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムが得られた。
【0138】
(実施例11)
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートの製造
ジフェニルヨードニウムクロライド1.67kgをアセトニトリル5.3Lにスラリー化させた後、室温で撹拌しながらジメチル硫酸0.80kgを徐々に添加した。反応溶液を1時間リフラックスして反応を行った後、反応溶媒であるアセトニトリルを減圧蒸留で除去した。得られた白色固体を蒸留水12Lに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸0.95kgを徐々に滴下した後、常温で1時間撹拌した。濾過により白色固体2.4kgを得た。このものは若干の酸分を含んでいるため更に蒸留水5Lで再結晶した。濾過乾燥後、白色固体のジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート1.9kg(収率84%)を得た。
【0139】
前述したようにして得られたオニウム塩をイオンクロマトグラフィーにより残存する塩化物イオン、メチル硫酸イオンを分析した結果、ともに1ppm以下であることが確認された。
【0140】
(実施例12)
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートの製造
トリフェニルスルホニウムアイオダイド620gをアセトニトリル3Lに室温下で撹拌してスラリー化させた後、ジメチル硫酸105gを徐々に添加した。固体の溶解を確認後、反応溶媒であるアセトニトリルを減圧蒸留した。得られた固体を蒸留水に溶解した後トリフルオロメタンスルホン酸288gを滴下しながら加えた。1時間撹拌後、得られたオイルをジクロロメタンにより抽出し、有機層を蒸留水により洗浄した。溶媒であるジクロロメタンを減圧蒸留して粘性の高いオイルを得た。このオイル相にエーテルを加える事により白色のトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート440g(収率67%)を得た。
【0141】
前述のようにして得られたオニウム塩をイオンクロマトグラフィーにより残存するヨウ化物イオン、メチル硫酸イオンを分析した結果、ともに1ppm以下であることが確認された。
【0142】
(実施例13)
トリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネートの製造
トリフェニルスルホニウムアイオダイド270gをアセトニトリル2.1Lに室温下で撹拌してスラリー化させた後、ジメチル硫酸105gを徐々に添加した。固体の溶解を確認後、反応溶媒であるアセトニトリルを減圧蒸留した。得られた固体にポタシウムノナフレート274gを加え、蒸留水2Lに溶解した。1時間撹拌後、得られたオイルをジクロロメタンにより抽出し、有機層を蒸留水により洗浄した。溶媒であるジクロロメタンを減圧蒸留して粘性の高いオイルを得た。このオイル相にエーテルを加える事により白色のトリフェニルスルホニウムノナフレート425g(収率83%)を得た。
【0143】
前述のようにして得られたオニウム塩をイオンクロマトグラフィーにより残存するヨウ化物イオン、メチル硫酸イオンを分析した結果、ともに1ppm以下であることが確認された。
【0144】
(実施例14)
トリフェニルスルホニウムカンファースルホネートの製造
トリフェニルスルホニウムアイオダイド40gをアセトニトリル200mlに室温下で撹拌してスラリー化させた後、ジメチル硫酸15gを徐々に添加した。固体の溶解を確認後、カンファースルホン酸49gを加え12時間撹拌した。溶媒であるアセトニトリルを減圧蒸留して得られたオイルをジクロロメタンに溶解し、有機層を蒸留水により洗浄した。溶媒であるジクロロメタンを減圧蒸留して粘性の高いオイルを得た。このオイル相にエーテルを加える事により、白色のトリフェニルスルホニウムカンファースルホネート9g(収率18%)を得た。
【0145】
前述のようにして得られたオニウム塩をイオンクロマトグラフィーにより残存する沃化物イオン、メチル硫酸イオンを分析した結果、ともに1ppm以下であることが確認された。
【0146】
(実施例15)
トリフェニルスルホニウムメチルサルフェートの製造
トリフェニルスルホニウムアイオダイド3.9gをアセトニトリル10mlに室温下で撹拌してスラリー化させた後、ジメチル硫酸1.5gを徐々に添加した。固体の溶解を確認後、反応溶媒であるアセトニトリルを減圧蒸留した。得られた粘性固体にエーテルを徐々に加えて白色の沈殿物3.2g(収率85%)を得た。
【0147】
この白色沈殿物を1H−NMRとC13−NMRで分析した結果、トリフェニルスルホニウムメチルサルフェートであることを確認した。
【0148】
(実施例16)
ジフェニルヨードニウム・トシレートの合成(1)
ジフェニルヨードニウムクロライド315mg(1mmol)、オルトギ酸エチル296mg(2mmol)および乾燥した無水トルエンスルホン酸207mg(1.2mmol)を5mlの乾燥した塩化メチレン5mlに溶解させ還流下5時間攪拌する。反応液に1%アンモニア水を10ml加え溶液をアルカリ性にした後塩化メチレンで2回抽出する。乾燥後溶媒を留去して生じた固体をエーテル洗浄する事により求める化合物を白色結晶として229mg(収率75%)を得た。
【0149】
イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は50ppm以下であった。
【0150】
(実施例17)
ジフェニルヨードニウム・トシレートの合成(2)
ジフェニルヨードニウムクロライド315mg(1mmol)、オルト炭酸メチル2mg(2mmol)および乾燥した無水トルエンスルホン酸207mg(1.2mmol)を5mlの乾燥した塩化メチレン5mlに溶解させ室温で2時間攪拌する。反応液に1%アンモニア水を10ml加え溶液をアルカリ性にした後塩化メチレンで2回抽出した。乾燥後溶媒を留去して生じた固体をエーテル洗浄する事により求める化合物を白色結晶として280mg(収率92%)を得た。
【0151】
イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は14ppm以下であった。
【0152】
(実施例18)
トリフェニルスルフォニウム・カンファースルホネートの合成
トリフェニルスルフォニウムアイオダイド390mg(1mmol)とオルト酢酸エチル486mg(3mmol)およびカンファースルホン酸278mg(1.2mmol))を乾燥した塩化メチレン10mlに溶解させ室温で12時間攪拌する。反応液に1%アンモニア水を10ml加え溶液をアルカリ性にした後塩化メチレンで3回抽出した。乾燥後溶媒を留去して生じた半固体をエーテル洗浄する事により求める化合物を白色結晶として410mg(収率82%)を得た。
【0153】
イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は10ppm以下であった。
【0154】
(実施例19)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウム・トリフレートの合成
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムクロライド443mg(1mmol)とオルトプロピオン酸エチル211mg(1.5mmol)およびトリフロロメタンスルホン酸165mg(1.1mmol)を乾燥した塩化メチレン10mlに溶解させ室温で2時間攪拌した。反応液に1%アンモニア水を10ml加え溶液をアルカリ性にした後塩化メチレンで2回抽出した。乾燥後溶媒を留去して生じた固体をエーテル洗浄する事により求める化合物を白色結晶として491mg(収率91%)を得た。
【0155】
イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は10ppm以下であった。
【0156】
(実施例20)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウム・ペンタフルオロベンゼンスルホネートの合成
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムクロライド443mg(1mmol)とオルソ酢酸エチル342mg(2mmol)およびペンタフロロベンゼンスルホン酸298mg(1.2mmol)をクロロフォルム5mlに溶解させを2時間還流下攪拌した。溶媒留去後生成した固体をエーテル洗浄することにより求める化合物を白色結晶として436mg(収率68%)得た。
【0157】
イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は5ppm以下であった。
【0158】
(実施例21)
トリフェニルスルフォニウム・4−トリフロロメチルベンゼンスルホネートの合成
トリフェニルスルフォニウムブロマイド343mg(1mmol)とオルトギ酸エチル296mg(2mmol)および4−トリフロロメチルベンゼンスルホン酸271mg(1.2mmol)を塩化メチレン10mlに溶解させ室温で6時間攪拌する。反応液に1%アンモニア水を10ml加え溶液をアルカリ性にした後塩化メチレンで3回抽出した。乾燥後溶媒を留去して生じた固体をエーテル中洗浄、攪拌する事により求める化合物を白色結晶として375mg(収率76%)を得た。
【0159】
イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は5ppm以下であった。
【0160】
(実施例22)
ジフェニルヨードニウム・トリフレートの合成
ジフェニルヨードニウム・ジメチルフォスフェート315mg(1mmol)とトリフロロメタンスルホン酸158mg(1.01mmol)を塩化メチレン10mlに溶解させ攪拌した。塩化メチレン溶液は溶媒を半分留去しエーテル50mlを加えて攪拌すると求める化合物として白色の結晶109mg(収率72%)が析出した。
【0161】
(実施例23)
トリフェニルスルフォニウム・トルエンスルホネートの合成
ジフェニルヨードニウム・ジメチルフォスフェート315mg(1mmol)とp−トルエンスルホン酸189mg(1.1mmol)を塩化メチレン10mlに溶解させ攪拌した。1%アンモニア水10mlを加え溶液がアルカリ性であることを確認し激しく攪拌した。静置し水層を取り出し、水層が中性を示すまで水洗を続けた。塩化メチレン溶液は乾燥後溶媒を留去しエーテルで攪拌洗浄すると求める化合物として白色の結晶214mg(収率84%)が析出した。
【0162】
(実施例24)
ジフェニルヨードニウム・カンファースルホネートの合成
ジフェニルヨードニウム・ジメチルフォスフェート315mg(1mmol)とカンファースルホン酸254mg(1.1mmol)とを塩化メチレン10mlに溶解させ攪拌した。1%アンモニア水10mlを加え溶液がアルカリ性であることを確認し激しく攪拌した。静置し水層を取り出し、水層が中性を示すまで水洗を続けた。塩化メチレン溶液は乾燥後溶媒を留去しエーテルで攪拌洗浄すると求める化合物として白色の結晶465mg(収率91%)が析出した。
【0163】
(実施例25)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウム・パーフルオロベンゼンスルホネートの合成
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウム・ジエチルフォスフェート546mg(1mmol)とパーフルオロベンゼンスルホン酸267mg(1.1mmol)を塩化メチレン10mlに溶解させ、1%アンモニア水10mlを加え、溶液がアルカリ性であることを確認し激しく攪拌した。静置し水層を取り出し、水層が中性を示すまで水洗を続けた。塩化メチレン溶液は、乾燥後溶媒を留去し、エーテルで攪拌洗浄すると求める化合物として白色の結晶435mg(収率68%)が析出した。
【0164】
(実施例26)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウム・パーフルオロブタンスルホネートの合成
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウム・ジエチルフォスフェート546mg(1mmol)とパーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム354mg(1.1mmol)を水10mlに溶解させ、塩化メチレン10mlで3回抽出する。溶媒留去後析出した白色固体をエーテルで洗浄し、塩化メチレン−エーテルから再結晶することにより白色の結晶561mg(収率81%)が析出した。
【0165】
(実施例27)
ジフェニルヨードニウムジメチルフォスフォネートの合成
ジフェニルヨードニウムクロライド315mg(1mmol)とトリメチルリン酸1gを170℃で10分間加熱攪拌した。反応物がいったん溶解したあと冷却により生じた固体をエーテルで洗浄し求める化合物を白色結晶として250mg(収率81.6%)を得た。イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところクロライド含量は10ppm以下であった。
【0166】
(実施例28)
トリフェニルスルフォニウムジメチルフォスフォネートの合成
トリフェニルスルフォニウムアイオダイド390mg(1mmol)とトリメチルリン酸1gの混合液を130℃で3時間攪拌加熱した。その後、均一溶液を冷却して生じた固体をIPA洗浄することにより求める化合物を白色結晶として280mg(収率72.2%)を得た。イオンクロマトグラフィー法により化合物中の陰イオン測定をおこなったところヨーダイド含量は、50ppm以下であった。
【0167】
(実施例29)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムジメチルフォスフェートの合成(1)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムクロライド443mg(1mmol)とトリメチルリン酸2gの液を(110℃)で1時間攪拌加熱した。生じた固体をエーテル洗浄することにより求める化合物を白色結晶として420mg(収率78.7%)を得た。(アセトン洗浄により原料のヨードホルムクロライドを除去できる。)
【0168】
(実施例30)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムジメチルフォスフェートの合成(2)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムクロライド443mg(1mmol)とトリメチルリン酸0.5gをクロロフォルム5mlに溶解させを12時間還流下攪拌した。溶媒留去後生成した固体をエーテル洗浄することにより求める化合物を白色結晶として400mg(収率75.2%)を得た。
【0169】
(実施例31)
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムジエチルフォスフェートの合成
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムクロライド443mg(1mmol)とトリエチルリン酸3gの液を110〜120℃で1時間攪拌加熱する。生じた固体をエーテル洗浄することにより求める化合物を白色結晶として432mg(収率69.2%)を得た。
【0170】
(実施例32)
以下に、ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムジメチルフォスフェートからスルホン酸の共役塩基を対イオンとするオニウム塩誘導体を得る例を示す。
【0171】
ジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムジメチルフォスフェート533mg(1mmol)と、p−トルエンスルホン酸140mg(1.1mmol)とを塩化メチレン10mlに溶解させ1%アンモニア水10mlを加えて溶液をアルカリ性にし10分間攪拌後塩化メチレン層を抽出する。抽出液は水洗後、乾燥、溶媒留去し生成した粗結晶をエーテルー塩化メチレンで再結晶することにより求める化合物を白色結晶として410mg(収率77.2%)のジ−tert−ブチルフェニルヨードニウムジメチルスルホネートを得た。
【0172】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、化学増幅型レジストに用いられる酸発生剤等として有用なオニウム塩誘導体を高収率で合成できるオニウム塩誘導体の製造方法及び新規オニウム塩誘導体を提供することができるという効果を奏する。
Claims (5)
- 下記一般式(1)または(3)で表されるオニウム塩誘導体と、下記一般式(5)または(7)で表される化合物とを反応させることにより下記一般式(8)、(10)、(16)または(18)で表されるオニウム塩誘導体を得ることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法。
- 請求項1において、生成するR7Qを反応系外に除去しながら反応させることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法。
- 請求項1又は2において、反応を溶媒中で行うことを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法。
- 請求項4において、前記一般式(7)の硫酸エステルが、ジメチル硫酸又はジエチル硫酸であることを特徴とするオニウム塩誘導体の製造方法。
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