JP4250970B2 - レチノール誘導体の中間体の製造方法 - Google Patents

レチノール誘導体の中間体の製造方法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、飼料添加物、食品添加物の中間体、例えばレチノール誘導体の中間体として有用な化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、塩基の存在下、スルホン誘導体とアルデヒド、アリルハライドなどの求電子剤との反応により新規な炭素炭素結合を生成させる反応は、ジュリアカップリングとして幅広く利用されてきた。しかし、ジュリアカップリングではn−ブチルリチウムやカリウム t−ブトキシドなどの高価かつ工業的に取り扱いの難しい強塩基が必要な場合が多く安価なアルカリ金属水酸化物を用いた例は少ない。特に、本発明の下記アリールスルホン誘導体(1)とアリルハライド誘導体(2)との反応では、知られていなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記アリールスルホン誘導体(1)とアリルハライド誘導体(2)とをアルカリ金属水酸化物の存在下、反応させることにより、新規な炭素炭素結合を生成させることができることを見出し、本発明に至った。
【0004】
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 0004250970
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
で示されるアリールスルホン誘導体と一般式(2)
Figure 0004250970
(式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基を示し、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれらの混合物であることを示す。)
で示されるアリルハライド誘導体とをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させることを特徴とする一般式(3)
Figure 0004250970
(式中、R1は水素原子または水酸基の保護基を示し、Arおよび波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるスルホン化合物および/または、一般式(4)
Figure 0004250970
(式中、R1および波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるトリエン化合物の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
一般式(2)で示されるアリルハライド誘導体におけるRは水酸基の保護基を示し、一般式(3)および(4)で示される化合物におけるR1は、水素原子または水酸基の保護基を示す。かかる水酸基の保護基としては、例えばホルミル、アセチル、エトキシアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、ジブロモアセチル、トリブロモアセチル、プロピオニル、2−クロロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、ブチリル、2−クロロブチリル、3−クロロブチリル、4−クロロブチリル、2−メチルブチリル、2−エチルブチリル、バレリル、2−メチルバレリル、4−メチルバレリル、ヘキサノイル、イソブチリル、イソバレリル、ピバロイル、ベンゾイル、o−クロロベンゾイル、m−クロロベンゾイル、p−クロロベンゾイル、 o−ヒドロキシベンゾイル、m−ヒドロキシベンゾイル、p−ヒドロキシベンゾイル、 o−アセトキシベンゾイル、 o−メトキシベンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−メトキシベンゾイル、p−ニトロベンゾイル等のアシル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどのシリル基、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、1−エトキシエチルなどのアルコキシメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、t−ブチル基、トリチル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等が挙げられ、アシル基が好ましく、特にアセチル基が好ましく用いられる。
【0006】
一般式(1)および(3)で示される化合物におけるArは、置換基を有してもよいアリール基を示し、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基としては、C1からC5の直鎖または分枝状のアルキル基、C1からC5の直鎖または分枝状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。
置換基Arの具体例としては、フェニル、ナフチル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニル、p−ヨードフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等が挙げられる。
【0007】
一般式(2)で示されるアリルハライド誘導体におけるXはハロゲン原子を示し、具体的には塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
【0008】
本発明の原料化合物であるアリールスルホン誘導体(1)はChem.Lett. 479(1975)に記載された方法により、またアリルハライド誘導体(2)は、米国特許US4175204(1979)に記載された方法により容易に製造することができる。
【0009】
上記反応に用いられるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムが挙げられ、好ましくは、水酸化カリウムが用いられる。それらを有機溶媒中で不均一系にて使用することにより、反応を効率よく進行させることができる。かかるアルカリ金属水酸化物は通常、乾式粉砕により粉末状にすることにより、反応を有効に促進することができる。使用するアルカリ金属水酸化物の粒子径は通常、1000μm以下程度、好ましくは500μm以下程度、より好ましくは250μm程度、さらに好ましくは100μm以下程度である。下限値は特に限定されないが20μm程度である。
その使用量はアリールスルホン誘導体(1)に対して通常、1〜50モル倍程度、好ましくは5〜20モル倍程度である。かかるアルカリ金属水酸化物の純度は好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。
使用するアルカリ金属の水酸化物の活性化のために、溶媒等の条件にも依存するが、水を共存させる方が好ましい場合もある。水の添加量はアリールスルホン誘導体(1)に対して通常0.01〜1モル倍程度であり、好ましくは0.05〜0.5モル倍である。
【0010】
上記反応には相間移動触媒を用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられ、好ましくは、第4級アンモニウム塩が挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラヘプチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化テトラデシルアンモニウム、塩化トリデシルメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化テトラドデシルアンモニウム、塩化トリドデシルメチルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリエチルアンモニウム、塩化テトラヘキサデシルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウム、塩化テトラオクタデシルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化1−メチルピリジニウム、塩化1−ヘキサデシルピリジニウム、塩化1,4−ジメチルピリジニウム、塩化トリメチルシクロプロピルアンモニウム、あるいはこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物塩、硫酸水素塩となった化合物等が挙げられる。
【0011】
第4級ホスホニウム塩としては、例えば、塩化トリブチルメチルホスホニウム、塩化トリエチルメチルホスホニウム、塩化メチルトリフェノキシホスホニウム、塩化ブチルトリフェニルホスホニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム、塩化テトラオクチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、塩化ヘキサデシルジメチルエチルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウム、あるいはこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物塩となった化合物等が挙げられる。
【0012】
スルホニウム塩としては、例えば、塩化ベンジルメチルエチルスルホニウム、塩化ベンジルジメチルスルホニウム、塩化ベンジルジエチルスルホニウム、塩化ジブチルメチルスルホニウム、塩化トリメチルスルホニウム、塩化トリエチルスルホニウム、塩化トリブチルスルホニウム、あるいはこれら塩化物塩が、それぞれ対応する臭化物塩、沃化物塩となった化合物等が挙げられる。
【0013】
特に第4級アンモニウム塩が好ましく、特に炭化水素系溶媒を用いる場合は、炭素数10〜20の第4級アンモニウム塩がより好ましい。
【0014】
かかる相間移動触媒の使用量は、アリールスルホン誘導体(1)に対して通常0.01〜0.2モル倍程度であり、好ましくは0.02〜0.1モル倍程度である。
【0015】
上記反応は、通常、有機溶媒中で実施され、アルカリ金属水酸化物が完溶せず、不均一に存在できる溶媒が好ましい。使用される溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは単一であっても2種以上の混合溶媒で使用してもよい。
【0016】
反応温度は通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲内で任意に選択できるが、好ましくは−25〜55℃程度の範囲である。また、反応時間は、用いる塩基の種類ならびに反応温度によって異なるが、通常0.5時間から24時間程度の範囲である。
反応後、通常の後処理、例えば水洗浄、抽出、晶析、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることによりスルホン化合物(3)および/またはトリエン化合物(4)を製造することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、安価で取り扱い容易なアルカリ金属水酸化物を用いて、アリールスルホン誘導体(1)とアリルハライド誘導体(2)とのカップリング生成物を製造することができ、工業的観点から優れている。
本発明により得られるスルホン化合物(3)および/またはトリエン化合物(4)は、下記スキームに従って、ビタミンA(レチノール)へ誘導することができる。すなわち、スルホン化合物(3)および/またはトリエン化合物(4)をアルカリ金属のアリールスルフィン酸塩を使用してスルホン化反応に供し、スルホン誘導体(5)を得、該誘導体にアリルハライド誘導体(2)を反応させ得られるスルホン誘導体(6)を塩基と反応させることによりビタミンAが得られる(EP1199303A1など参照)。
Figure 0004250970
(式中、●印は結合部位を表す)
【0018】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
窒素置換した遮光容器に、乾式粉砕により調製した粒子径500μm以下の粉末状の水酸化カリウム 940.0mg(純度95.5%、16mmol)および硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム 36.0mg(0.11mmol)を加え、再度窒素置換をおこなった。脱水テトラヒドロフラン 2mlを加え、0℃に冷却した。このスラリーに、アリールスルホン(I) 300.8mg(純度 99.5%、1.0mmol)およびアリルブロマイド(II)500.0mg(純度86.7%、2.1mmol、cis/trans=2/98)を脱水テトラヒドロフラン 2mlに溶解させた溶液を滴下し、0℃のまま3時間攪拌した。反応混合物を、冷却した塩化アンモニウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液の混合溶液に加え反応のクエンチをおこない、トルエンで抽出をおこなった。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過の後、エバポレーターで濃縮をおこない黄橙色油状の粗生成物554.6mgを得た。粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、アリールスルホン(IV)および(V)の収率はそれぞれ77%(cis/trans=1/99)および3%(cis/trans=10/90)であり、目的化合物の合計収率は80%であった。
【0020】
(実施例2)
窒素置換した遮光容器に、乾式粉砕により調製した粒子径500μm以下の粉末状の水酸化カリウム 1175mg(純度95.5%、20mmol)および臭化テトラn−ブチルアンモニウム 32.2mg(0.1mmol)を加え、再度窒素置換をおこなった。アリールスルホン(I) 300.8mg(純度 99.5%、1.0mmol)およびアリルブロマイド(II)500.0mg(純度86.7%、2.1mmol、cis/trans=2/98)を脱水テトラヒドロフラン 2.5mlに溶解させた溶液を20℃で滴下し、20℃のまま0.5時間攪拌した。反応混合物を、冷却した塩化アンモニウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液の混合溶液に加え反応のクエンチをおこない、酢酸エチルで抽出をおこなった。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過の後、エバポレーターで濃縮をおこない黄橙色油状の粗生成物554.6mgを得た。粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、アリールスルホン(IV)および(V)の収率はそれぞれ68%(cis/trans=1/99)および3%(cis/trans=10/90)であり、目的化合物の合計収率は71%であった。
【0021】
(実施例3)
窒素置換した遮光容器に、アリールスルホン(I) 300.8mg(純度 99.5%、1.0mmol)および塩化トリエチルベンジルアンモニウム 11.5mg(0.05mmol)を加え、再度窒素置換をおこなった。水分量500ppmに調製したエチレングリコールジメチルエーテル2mlを加え、-20℃に冷却した。このスラリーに、アリルクロライド(III)209.6mg(純度93.1%、1.2mmol、cis/trans=9/91)を水分量500ppmに調製したエチレングリコールジメチルエーテル2mlに溶解させた溶液を滴下し、続いて乾式粉砕により調製した粒子径90μm以下の粉末状の水酸化カリウム587.4mg(純度95.5%、10mmol)を一気に加え、-20℃のまま2.5時間攪拌した。反応混合物を、冷却した塩化アンモニウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液の混合溶液に加え反応のクエンチをおこない、トルエンで抽出をおこなった。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過の後、粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、アリールスルホン(IV)およびトリエン(VI)の収率はそれぞれ67%(cis/trans=16/84)および0.7%(cis/trans=0/100)の収率であり、目的化合物の合計収率は68%であった。
【0022】
(実施例4)
窒素置換した遮光容器に、アリールスルホン(I) 300.8mg(純度 99.5%、1.0mmol)および硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム 34.6mg(0.1mmol)を加え、再度窒素置換をおこなった。水分量3000ppmに調製したテトラヒドロフラン2mlを加え、0℃に冷却した。このスラリーに、アリルクロライド(III)209.6mg(純度93.1%、1.2mmol、cis/trans=9/91)を水分量3000ppmに調製したテトラヒドロフラン2mlに溶解させた溶液を滴下し、続いて乾式粉砕により調製した粒子径90μm以下の粉末状の水酸化カリウム956.3mg(純度95.5%、15mmol)を一気に加え、0℃のまま4時間攪拌した。反応混合物を、冷却した塩化アンモニウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液の混合溶液に加え反応のクエンチをおこない、トルエンで抽出をおこなった。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過の後、粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、アリールスルホン(V)、(IV)およびトリエン(V)、(VII)の収率はそれぞれ41%(cis/trans=16/84)、0.2%および0.7%、0.3%(cis/trans=0/100)の収率であり、目的化合物の合計収率は42%であった。
【0023】
(実施例5)
窒素置換した反応容器に、アリルクロライド(III)0.22g(純度91.8%、1.2mmol)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム31.4mg(0.1mmol)およびアリールスルホン(I)298.9mg(純度99.45%、1.0mmol)を加えた。水分量1200ppmに調製したエチレングリコールジメチルエーテル4mlを加え、0℃に冷却した。ここに乾式粉砕により調製した粒子径90μm以下の粉末状の水酸化カリウム0.90g(純度95.5%、15mmol)を一気に加え、0℃のまま2時間攪拌した。実施例1と同様の後処理により、粗生成物0.31gを得た。粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、トリエン(VI)および(VII)の収率は3%および44%であり、目的化合物の合計収率は47%であった。
【0024】
(実施例6)
窒素置換した反応容器に、アリルクロライド(III)0.42g(純度93.1%、2.4mmol)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム23.2mg(0.1mmol)およびアリールスルホン(I)0.29mg(純度99.5%、1.0mmol)を加えた。水分量500ppmに調製したエチレングリコールジメチルエーテル4mlを加え、-20℃に冷却した。ここに乾式粉砕により調製した粒子径90μm以下の粉末状の水酸化カリウム1.18g(純度95.5%、20mmol)を一気に加え、-20℃のまま3.5時間攪拌した。実施例1と同様の後処理により、粗生成物0.71gを得た。粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、アリールスルホン(IV)およびトリエン(VI)の収率はそれぞれ90%(cis/trans=18/82)および1.9%(cis/trans=30/70)であり、目的化合物の合計収率は92%であった。
【0025】
(実施例7)
窒素置換した反応容器に、アリルクロライド(III)0.21g(純度93.1%、1.2mmol)、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム34.0mg(0.1mmol)およびアリールスルホン(I)0.29g(純度99.5%、1.0mmol)を加えた。水分量1000ppmに調製したトルエン4mlを加え、ここに乾式粉砕により調製した粒子径90μm以下の粉末状の水酸化カリウム1.18g(純度95.5%、20mmol)を一気に加え、50℃に昇温し、6時間攪拌した。実施例1と同様の後処理により、粗生成物0.69gを得た。粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定量したところ、アリールスルホン(IV)およびトリエン(VI)の収率はそれぞれ60%(cis/trans=12/88)および5%(cis/trans=4/96)であり、目的化合物の合計収率は65%であった。
【0026】
以下に実施例および参考例の化合物の構造式を記す。
但し、Tsは、p−トリルスルホニル基を示し、Acはアセチル基を示す。
Figure 0004250970

Claims (11)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004250970
    (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
    で示されるアリールスルホン誘導体と一般式(2)
    Figure 0004250970
    (式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基を示し、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれらの混合物であることを示す。)
    で示されるアリルハライド誘導体とを粉末状のアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させることを特徴とする一般式(3)
    Figure 0004250970
    (式中、R1は水素原子または水酸基の保護基を示し、Arおよび波線は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるスルホン化合物および/または、一般式(4)
    Figure 0004250970
    (式中、R1および波線は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるトリエン化合物の製造方法。
  2. 有機溶媒中、不均一系にて反応させることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. アルカリ金属水酸化物の粒子径が、 20 1000 μmである請求項1または2記載の製造方法。
  4. アルカリ金属水酸化物の粒子径が、 20 100 μmであることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  5. 相間移動触媒の存在下に反応させる請求項1、2、3または4に記載の製造方法。
  6. 相間移動触媒が第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩もしくはスルホニウム塩である請求項5に記載の製造方法。
  7. アルカリ金属水酸化物が水酸化カリウムである請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 水酸化カリウムが90%以上の純度である請求項7に記載の製造方法。
  9. 一般式(1)で示されるアリールスルホン誘導体に対し0.01〜1モル倍の水の存在下に実施することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 一般式(2)で示されるアリルハライド誘導体のRがアシル基である請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. アシル基がアセチル基である請求項10に記載の製造方法。
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